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財政制度分科会(平成23年12月7日開催)記者会見

財政制度等審議会 財政制度分科会
記者会見

平成23年12月7日
財政制度等審議会


〔吉川分科会長〕 それでは、本日、13時より財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。

 お手元にいつものように配布資料が行き渡っているかと思うのですが、本日の分科会では、まず、地方税財政を議題として事務局からの説明、及び委員の方々からのヒアリングを行いました。事務局より、先日行われた提言型政策仕分けにおける地方税財政に関する議論について説明が行われた後、ご欠席されたのですが、大阪大学の赤井委員からの提出資料が事務局から紹介されました。また、この仕分けにおける評価者として、地方財政を担当しておられた井伊委員からコメントをいただきました。

 続いて、事務局と厚生労働省から社会保障関係の地方単独事業について説明が行われた後、土居委員から提出資料の説明がありました。それに基づいて意見交換、質疑が行われたわけですが、以下、その概要をお知らせいたします。

 いつものように委員のお名前は伏せてお知らせしますが、お1人の委員から、仕分けの中で地方の課税自主権を拡大し、さまざまな税目について自由に課税できるとしつつ、それでもなお財政調整を継続するとするならば、地方間の格差をどのような基準をもって測定するかが重要な問題ではないか、こうした問題提起がなされました。

 もう1人、別の委員の方から、財政調整の基準については、カナダやドイツなどの連邦制国家が参考となるだろう。これは、前の委員の方の問題提起に対する半分お答えのようなあれですが、カナダやドイツなどの連邦制国家が参考となるだろう。何が最適な事例であるかは、公共経済学の中でも評価が定まっていない。最終的には公平性の観点を踏まえ判断することとなろう。

 次に、別の委員の方から、現行制度の問題点は、地方にとって歳出抑制を行わなくても不足分は補てんされ、歳出抑制を行うと交付税が減額されるという2つのディスインセンティブが働く仕組みになってしまっている。この解消のために財源保障と財政調整の区分を明確化することが必要なのではないか。

 それから、また別の委員の方から、地方が提供する公共サービスの範囲について、まずは国が最低限求める部分を決めるべき。その上で、地方で選択して実施する部分について、地方の課税自主権の議論をすべきである、こういうご意見です。

 それから、また次の別の委員の方から、地方財政制度の改革については、いかにして地方自治体に納得してもらうかが重要になっている。地方自治体には、理由はともかく交付税が多くもらえさえすればそれでよいといった姿勢が見受けられるが、それが本当の地域主権なのか、疑問に感じる。地方財政制度のあり方について、総務省だけでなく各地方自治体からも多様な意見が出されるべきであるし、少なくとも開かれた場で議論を行っていくことが重要だと考える。年末の最終段階になって歳出特別枠で交付税総額を積み増すというやり方はやめるべきだ。

 それから、また別の委員の方から、国が地方に最低限求めるサービス水準、いわゆるナショナルミニマムをどこまで保障するか、これを明確化することが必要だ。その上でナショナルミニマムについては、地方の税収の多寡を問わずに包括払いを行い、余剰分は地方が関連事業について自由に使用できるという制度設計を行えば、地方の歳出抑制に関するインセンティブが働くのではないか。

 別の委員から、こうした議論を踏まえてみると、国・地方の関係について、そろそろ制度を抜本的に見直す必要があるのではないか、そういう問題意識に基づいて、制度を国・地方の関係、制度そのものの設計にかかわる検討は国においてなされているのか、こういう質問、問題提起がなされた。

 これに対して事務局からは、現状、一括交付金が大くくりで自由度を高める取り組みとしてあるほか、地域主権戦略会議でも義務づけ、枠づけの廃止など地方自治のあり方について議論はしているけれども、統一的な制度設計を議論するというようなことまではしていない、こういうお答えがありました。

 また、戻りますが、別の委員の方から、国が財源保障をしている限りは歳出削減のインセンティブは働かないのではないか。まず国として保障すべき部分を確定させ、地方単独事業は別扱いとしないといけない。また、一括交付金化については、むしろ内容をチェックできないなど逆の悪影響が懸念される、こういうご意見もありました。

 事務局から、交付税の算定に当たって、標準的な行政水準を定めることは現在も行っているし、不断に行わなければいけない。また、決算との比較で合理的に詰めていくといった地道な作業を積み上げているのが現状である。

 こういうご説明があって、さらに続けて、別の委員から、一括交付金化については、世間では大ぐくりにして使途をより自由にするといったイメージで言われているようだが、大ぐくりにするというよりも、包括払いにする。これは、項目はそれなりに定めても、その中での包括払いにするという点が重要であると考えていると。従来のような補助金の出来高払いでは歳出削減のインセンティブがない、こういうご指摘がありました。

 また、別の委員から、地方単独事業6.2兆円のうち、どの程度が交付税措置を受けているのか。これはご質問ですね。ちなみに、地方単独事業6.2兆円というのは、社会保障関係ということで、総務省で一応こういう数字を出されているということですが、その社会保障関係の地方単独事業6.2兆円のうち、どの程度が交付税措置を受けているのか。また、社会保障の全体像を把握するために、OECDの社会支出の概念を用いることが検討されているが、これにより全体の規模はどの程度大きくなるのか。こういうようなご質問がありました。

 それから、本日、厚労省からも香取政策統括官に参加していただいたわけですが、厚労省からは、今のご質問に対して一応のお答えをいただいたということですが、詳細について総務省に尋ねてはいるが、地方単独事業のうち、人件費にかかわるものや、保健所等の運営費については交付税措置がされているものと認識している。また、公立保育所の運営等、一般財源化されているものについても、交付税措置がされていると理解している。現在、我が国の社会保障給付費は100兆円を超えている。地方単独事業は約6兆円であるから、これを加えても、その数字は大きくは違わない。こういうご指摘がありました。

 続いて、また別の委員から、論理的には国が地方単独事業を財源保障している以上、消費税収の地方取り分が仮に増えたとしたら交付税が減るだけである。社会保障について、どこまでを国が負担し、どこからが地方が単独で行うのかという点につき、将来展望を持って整理をすることが必要なのではないか。財源保障と密接にかかわる問題であり、精査を行うことが必要なのではないか。こういうご意見がありました。

 以上、本日は初めにも申し上げたとおり、地方の税財政、それから、関係しますが社会保障関係の地方単独事業について意見交換をしたわけでありますけれども、もう1つ、本日は前々回の財審の際に、準備を始めると皆様方に申し上げた、委員の共通認識としてのペーパーについても、私から、財政の健全化に向けた考え方について、これは案でありますが、と題する文章を用意させていただきフリーディスカッションを行いました。まだ審議の中途段階ですので、現時点でペーパーの文章や本日の議論の詳細をお示しすることは差し控えさせていただきますが、ペーパーの内容は、財政の健全化に向けた考え方を委員の共通認識として示したものとなっています。

 以下、概要を簡単にご説明させていただきます。まず、国際的にも財政健全化が重要な課題と位置づけられる中で、我が国の財政は主要先進国の中でも最悪の状況であることを述べています。

 次に、財政健全化がなぜ必要なのか。なぜ重要かという観点から、財政赤字、債務残高が増大した場合の問題点として、例えばですが、1でしょうか、金利上昇に伴う利払増による財政の硬直化、2、民間の資金調達の阻害、3、世代間の不公平拡大と将来の負担増に備えた消費抑制、4、財政危機による国民生活、経済に対する影響に加えて、世界経済や市場へも影響を与える、リスクがある、こうしたことを述べております。

 次に、我が国の財政健全化に当たって、どのような方策が必要なのか。こうした観点から、まず、経済成長に伴う増収が財政収支の改善に与える効果は限定的であり、経済成長だけで財政を持続可能なものとする、健全化するということは困難である。こういうことを言っております。

 社会保障分野について、一体改革成案の1.2兆円の重点化、効率化策、これは一体改革の成案の中で1.2兆円の重点化、効率化と言っているわけですが、これは給付増と負担増の「いたちごっこ」といいますか、どんどんお互いに増えていってしまう。給付も増える、負担も増えると。これから抜け出す観点からも、この一体改革成案にある1.2兆円の効率化ということは、着実に実施する必要がある。こういうことを言っております。

 また、社会保障制度改革と歩調を合わせ、24年度予算編成における社会保障分野の課題についても重点化、効率化を図る観点を踏まえて対応すべきだ。

 地方財政分野において、地方交付税による財源保障に偏った現状を改めるため、地方交付税は量的拡大路線から決別し、財政調整機能に重点化、特化すべきだ、こういうことを言っております。

 また、交付税総額の決定ルールの透明化を図るとともに、地方財政計画の合理化、適正化を徹底して進め、一般会計からの各種加算等を縮減、廃止するとともに、各地方団体における地方税の充実を図る必要があること。こうしたことを述べております。

 最後に、社会保障・税一体改革成案に基づき、消費税率を10%まで引き上げることで財政運営戦略に定められた2015年度段階での財政健全化目標の達成を図る必要があること等を述べた上で、財政の健全化は国民1人1人が安心して暮らせる社会を維持するとともに、国民全員の生活の基盤である我が国経済の安定と成長をもたらすために、是非とも取り組まなければならない最重要課題であり、強い意志で財政の健全化を実施に移すことが必要だ、こういうことを述べております。

 本日も、このペーパーの案に関して意見交換を行ったわけですが、こうした意見も踏まえ、最終的なペーパーの取りまとめは私に一任していただくことで委員の方々から了承をいただきました。修正の作業が終わり次第、近いうちにこのペーパーについては公表させていただきたいと考えております。

 以上でございます。

〔幹事〕 今のペーパーは一任ということなんですけれども、取りまとめの時期というのは、今、イメージというのはあるんでしょうか。

〔吉川分科会長〕 近々というふうに。

〔幹事〕 来週とか、そういうイメージですか。

〔吉川分科会長〕 近々ということでご理解いただけないでしょうか。先ではなくという。

〔幹事〕 今後の分科会自体のスケジュールというのは。

〔吉川分科会長〕 それは今のところ、まだ決まっておりません。

〔幹事〕 幹事社、以上です。

〔質問〕 先ほどおっしゃられた委員の共通認識のペーパーについては、今おっしゃられた内容から、さらに、例えば一体改革の1.2兆円の重点化、効率化の、例えば内容に踏み込んで、こういった部分は着実に実施するべきだとか、24年度から実施するべきだといった提言にまで踏み込まれる予定なのか。今おっしゃられた大体の範囲で基本的にはまとめるという方向なのか、どのような方針なんでしょうか。

〔吉川分科会長〕 社会保障関係の、最後の部分、もう一度、ちょっと言っていただけますか。

〔質問〕 例えば一体改革で1.2兆円の効率化の部分で、かなりいろいろなメニューがあると思うんですけれども、その中身について、では、どの段階で実施するかといった、多分、個別の問題がいろいろあると思うんですけれども、そういった中身の政策の議論とか、開始の時期といったところにまで提言の中では踏み込まれるのか。

〔吉川分科会長〕 どこまで書くかというのは、今まだ最終ペーパーを詰めているところであれですけれども、とにかく近日中に発表させていただくということで、きょうはそういう形でご理解いただければ。

〔質問〕 ペーパーの中で、もし財政再建が経済成長に資するか、資すらないかというようなところの、もし議論が含まれるのであれば、差し支えない範囲でちょっと教えてほしいんですが。例えば、財政再建を優先することによって成長を押し下げるという考え方の方もいれば、むしろ財政再建が成長を押し上げるという考え方もいて、それを定量的に出しているような指標等もあると思うんですが、もし、教えていただける範囲で。

〔吉川分科会長〕 わかりました。既に先ほど申し上げたとおりなんですが、財政再建というのを先送りするということによって、消費者の将来の不透明感というのが高くなる、そういう問題があるということは、既に先ほども、最初の私のご報告の中でも申し上げたと思うんですね。

 それからもう1つ、こういうペーパーや何かでも言っていて、ある種、言わずもがななんですが、財政再建をしないというか、先送りしているということは、リスクを抱えて、そのまま経済が進んでいくということですよね。我々財審の委員の方々、すべての委員の方々というのは、我々の考え方からすれば、そのリスクというのが顕在化したときにどうなるかというのは、いわばイマジナリーなものではなくて、現に欧州でそれが我々の目の前で起きていることだと思っています。ですから、それはきょう、議論したあれではありませんが、私は常日ごろ、これは個人のあれですけれども、不良債権の問題、ああいうような問題でも、やはりそれを処理しないということは経済がリスクを抱えているということですから、財政についても同じようなことが当てはまる。やはり日本の財政赤字の問題を放置しているというのは、非常に大きなリスクを我々は抱えているということで、これは正面からメスを入れて財政再建に取り組まなければいけないというのが、我々財審分科会の立場です。当然、そうした立場がこのペーパーの中で反映されるということです。

〔質問〕 細かい点で、ちょっと質問がずれていたら恐縮なんですが、財政再建達成の仕方として、増税を優先すべきか、歳出削減を優先すべきかという考え方があると思うんですけれども、そこら辺の考え方というのは触れていらっしゃるんでしょうか。

〔吉川分科会長〕 これは考え方は、歳出削減というよりは、通常の言い方は歳出の効率化という言い方ではないでしょうか。ですから、歳出の効率化というのは、常に正しいし、常に大事な目標だろうと思います。ただ、私たちの考え方というのは、それだけでは十分ではない、それに尽きると思います。正面から歳入増を図る。政府が今あれしているのは、ご承知のとおり、10年代半ばまでに消費税を10%に上げるという明確な目標ですが、それが必要だという立場です、私たちは。

〔質問〕 共通認識のペーパーの中で、24年度予算の社会保障関係の重点化、効率化という言葉がありましたが、これは平たく言いますと、診療報酬の改定率は抑えてマイナスにしなさいねというニュアンスなんでしょうか。

〔吉川分科会長〕 とにかく、今まだペーパー、きょうでき上がっていれば、皆さんにお見せするということなんですが、最終案に向けて、きょうの委員の皆様方の議論も踏まえて、最終案を今詰めているところですので、きょうの段階では、先ほど申し上げたとおり、近日中に公表できるであろう最終案、最終レポートを見ていただきたい。きょうのところは、そういうことでご了解いただければと思います。

〔幹事〕 よろしいですか。ありがとうございました。 

―― 了 ――

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