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財政制度分科会(平成23年11月11日開催)記者会見

財政制度等審議会 財政制度分科会
記者会見

平成23年11月11日
財政制度等審議会


〔吉川分科会長〕では、私の方からご報告いたします。本日、15時より財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。

本日は、皆さんのお手元に資料を配布されていると思いますが、その資料に基づき、土居委員から、財政健全化について包括的なプレゼンテーションをしていただきました。プレゼンテーションの内容は、お手元の資料もざっと見ていただければよろしいのですけれども、幾つか要点だけご紹介します。日本の財政の現状を見ると、歳出と歳入が恒常的、構造的に大きく乖離しており、社会保障関係費の自然増が経済成長をはるかに超えているなど深刻な状況である。これまで財政赤字の累増の問題点としては、利払費の増加による財政における政策の自由度の減少や、金利の上昇による経済への悪影響などが言われてきた。しかし、これらに加えて、増税の先送りによって将来世代の経済的な損失が拡大する。あるいは、財政の危機が国民生活や経済に対して直接的な影響を及ぼす。さらに、世界経済にも波及するといった問題もあるということを、土居委員が強調された。

経済成長による自然増収だけでは財政が持続可能となるよう健全化することは困難であり、歳出削減や歳入増加の措置も講じる必要がある。歳出面では社会保障以外の分野の歳出削減余地は限られており、社会保障の効率化が避けて通れない、また、歳入面では給付に比して低い負担の構造を改める必要がある。2015年度のプライマリーバランス赤字半減という政府の財政健全化目標の達成には、2015年までに消費税率を10%まで引き上げることが必要である。

以上、土居委員のプレゼンテーションの要点をご紹介いたしました。

この土居委員のプレゼンテーションに関連して、委員の間で質疑応答が行われたわけですが、以下、この質疑応答の内容をご紹介いたします。

実は今回、お2人の委員がポルトガルを視察されてきました。11月の初めということですから、きょうは11月11日ですので、ごく最近です。今月に入ってからお2人の委員がポルトガルの財政の状況というのを現地視察してこられたわけですが、そうした経験も踏まえられて、お1人の委員が、ポルトガルは景気の悪い状況でもギリシャのようになってはいけないという意識が国民の間に共有されているため、国民の痛みを伴う財政緊縮策を実施することができている。一方、日本では、ギリシャ問題については、まだ海の向こうのことというとらえ方が多い。実感がいま一つわいていないのではないか。こういう中で国民に財政の問題を理解してもらって、対策の必要性を伝えるのは難しい。こういうご発言がありました。

同じ委員の方からは、今の日本は利率が非常に低い状況にあるにもかかわらず、社会保障費の増大という問題もあり、債務残高の増加を抑えられないところに問題がある。

それから、同じ委員の方が続けて、日本の世代間格差については、財政赤字の問題もあるけれども、それだけではなく、年金の賦課方式と社会保障制度上の問題もある。こういうご指摘がありました。

さらに、同じ委員の方から、日本は2010年代半ばまでに消費税率を10%まで引き上げることを検討しているが、社会保障費のそれ以降の増加は確実であり、2015年度以降のさらなる取り組みが必要な状況であることも言っていくべきである。世の中でもっと議論されるべきだ、こういうことでした。

以上、お1人の委員の方のご意見を紹介したわけですが、もう1人の別の委員の方からは、日本は社会保障費が増大していくことは確実であり、利払費まで増加してしまうと、財政の硬直化はイタリアやベルギーの例よりも深刻になる。

同じ委員の方が、国単独の基礎的財政赤字を見た場合、国・地方合わせた基礎的財政赤字よりも大きいため、必要な改善幅が大きいということも押さえておく必要がある。国の方がかなり厳しい、そういうご指摘でした。

もう1人、別の委員の方のご指摘、ご意見をご紹介します。

日本は、財政再建圧力が今のところ欧州より弱いが、金利の急騰は無視できないリスクだ。日本国債は国内でかなり消化されているが、国民の資産選択構造変化の可能性も踏まえ、警戒が必要だ。

この委員、同じ委員は、イタリアのごく最近の動きに言及されて、イタリアでは、日本でも財政の問題を議論するときによく言われるプライマリーバランス、基礎的財政収支がむしろ黒字だ。にもかかわらず、皆さんご承知のとおりのような国債価格の下落、金利の上昇ということが生じている。このように金利というのは、上がるときにはすぐ上がってしまう。また、イタリアの場合でも、今お話ししたとおり、財政の客観的な指標もさることながら、ポリティカルなリーダーシップに対する市場の信認というものが、1つ重要なポイントになる、こういうご指摘があって、イタリアは日本にとっての1つの教訓を提供しているのではないか、こういうことだろうと思います。こういうご指摘がありました。

それから、また別の委員の方ですが、2015年度、2020年度の財政健全化目標の達成に向け、社会保障関係費も含め、どういった予算の姿を前提としているのかなどを示していく必要があるのではないか。こういうご指摘がありました。

次に、また別の委員の方からは、消費税を10%にしても、財政健全化目標の達成に向けてはまだ一里塚である。現在の財政状況の抱える最大の問題はリスクであり、リスクという点では過去における不良債権問題とのアナロジーもある。過去の不良債権問題の反省に基づくと、問題を先送りする、こういうことは行うべきではない。こういうご意見がありました。

また別の委員の方から、財政健全化を議論する上では、高い経済成長が今後可能かどうか、そうしたことや経済成長が金利上昇に与える影響なども考慮し、謙虚に考える必要がある。こういうご指摘がありました。

以上、土居委員のプレゼンテーションに関連した質疑応答をご紹介しました。最後に、本日の分科会で私の方から、きょうも議題にしました財政健全化などに関する、これまでの分科会での審議を踏まえ、また、有識者の方々からのヒアリングなども財審としては行ってきておりますので、委員の共通認識としてのペーパーを取りまとめるべく準備を始めたいということを提案しまして、委員の皆様方から了解をいただいたということです。

以上でございます。

〔幹事〕2点、教えてください。

1つは、今最後にご指摘のありました共通認識のペーパーの取りまとめというものなんですけれども、体裁とか、また取りまとめの時期等、あとは、例えば大臣に上程というか、提出するのか等々、細かいところを教えていただけますでしょうか。

〔吉川分科会長〕時期とか体裁というようなことについては、分量とか、それについては今決まっていることはありませんが、考え方として、ご承知のとおり、財政制度等審議会、少し前に改組といいますか、少し変わったわけで、現在の委員のメンバーというのは、私ども大学にいるような人間が主要メンバーになっているということで、財政制度等審議会の財政制度分科会として、やはりこれだけ重大な問題である財政の健全化、財政赤字の問題について、できるだけ論点を整理して、それを世の中に情報発信していくのが財審の役割ではないか。

前回の財審の場で、安住大臣からも、我々の財審分科会として、何か政策運営上、それに資するような提案のようなものをしてもらいたい、こういうお話もありましたので、委員の間での議論、それから、有識者からのヒアリング、そうしたものを踏まえて財審のこの分科会のメンバーとして合意できる、委員の間での共通認識の方をまとめたい、こういうことです。日程等については、まだ決まっていません。

〔幹事〕これまでの議論であったら恐縮なのですが、財政再建や消費税、間接税の引上げが景気に与える影響と、経済成長に与える影響という観点の議論というのは、きょうはあったんでしょうか。

〔吉川分科会長〕きょうはありませんでした。

〔幹事〕幹事から以上です。各社、お願いします。

〔質問〕非常に細かい点で恐縮なんですが、参考資料の20ページ目の一番最後の図表で、単年度の財政収支の改善幅と名目成長率の相関というか、回帰とっていますけれども、リグレッションが0.07とは、そんなに有意なのかどうか。最後の20ページ目です。参考資料の方の。一番最後の図です。これでリグレッションが0.0754ですか、何か上の図よりはという話ですけれども、あまりこれでも、ここにかいてあるような有意性が認められると言ってしまっていいのでしょうか。

〔吉川分科会長〕参考資料自体が、実はきょうの分科会では議論の対象にはしなかったのですけれども、今、参考資料の20ページ、最後のページの下の単年度で見た場合というのを、例えば見ると、0.14という係数で、やや細かくなりますけれども、t値は4ということで、有意だろうと思います。これが、この図の趣旨ということではないでしょうか。

〔質問〕わかりました。

〔幹事〕ほかにいかがでしょうか。

では、なければ、これで終わります。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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