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財政制度分科会(平成23年9月8日開催)記者会見

財政制度等審議会 財政制度分科会
記者会見

平成23年9月8日
財政制度等審議会


〔吉川分科会長〕ご承知のとおり、きょうはIMFのビジターとの議論ということなので、議論も大分英語でやったりして、翻訳等で時間がかかったということがあります。どうもお待たせしました。

それでは、改めまして、本日の14時半より財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたしました。

初めに、藤田副大臣、三谷大臣政務官の方から、新任ということでごあいさつをいただきました。ご存じのとおり、安住大臣は今フランスの方で、国際会議に出席されていらっしゃらないということで、副大臣、大臣政務官からごあいさつをいただきました。この部分はマスコミの方々にも入っていただいていたと思いますので、内容については割愛させていただきます。

きょうの2時間ほどの議論は、IMFの担当者の方々からのヒアリングということでございます。平成13年に財政制度分科会が発足してから、国際機関の方をお招きするというのは初めてのことだということです。そういうことで、先ほど初めに申し上げたとおり、議論も英語でなされるなど、異なったのですが、国際機関IMFからは、財政局のマイケル・キーンシニアアドバイザー、それからもう1人、アジア太平洋局で日本を担当されているケネス・カン第一課長、このお2人です。

具体的な内容をこれからご説明しますが、既に皆様方、お手元にこのIMFの横長の資料、パワーポイントの資料、お持ちだと思いますので、これを見ていただければと思います。では、これを適宜参照していただきながら、IMFのお2人の方がどういうプレゼンテーションをしたかというのを、まずご説明いたします。

まず最初は、適宜、このプレゼンテーション資料、パワーポイントの資料のページをやらせていただきますが、6ページ、IMF資料の右下6ページにありますが、日本の総債務残高は史上かつてない水準に達している。

それから、続いて、なぜこんなに財政状況が悪化したのか。IMFの認識、これは我々の認識と同じですけれども、主たる要因は社会保障費の増大である。これは8ページを見ていただくとわかります。過去20年ほどの歳出の推移を見てみますと、このグラフを一見して明らかなとおり、例えば公共事業等、ずっと下がってきているのに対して、社会保障の方が毎年伸びているということがおわかりになると思います。

改めてということですが、そうした結果、2008年度ですが、次のページ、9ページですが、日本の財政、歳出面では、実は国際的に見ても社会保障費以外の歳出というのは十分に既に抑制されているということがございます。9ページの棒グラフ、国際比較の棒グラフです。一番左、イスラエルの34.3%から、対GDP比で見ていますが、社会保障を除く非社会保障関連支出は、日本は16.2%ということで、国際的に見ても非常に低い。

一方、歳入の方で、税収の方を見てみますと、次のページですが、10ページを見ていただくと、これも国際的に見ると、要は日本の歳入、税収というのは国際的に見て非常に低い。日本の右側にメキシコがありますが、明らかに低いということがある。

それから、11ページ。これは、日本政府の中期的な財政戦略、遅くとも2021年度までに債務残高の対GDP比を安定化させる。それから、それに向けてということですが、2010年代中ごろまでに消費税を5%から10%に上げるとか、そうした政府の財政運営戦略、これはこの社会保障・税の一体改革のいわゆる成案、これはIMFとしても歓迎する。日本政府のそうした改革戦略案というのは、歓迎するけれども、IMFとしては、政府の財政健全化目標よりも早く、2010年代半ばに純債務残高対GDP比を引下げ始める、そうした取り組みが必要であると考え、それを提案するというのが12ページに書いてあります。

この12ページに書いてあるのはIMFの提案ということです。日本政府の案よりもアンビシャスというのでしょうか、消費税のことも含めて何回かIMFのビジターの方々が、要するにザ・スンナー・ザ・ベター(the sooner, the better)、そういうことを強調されていました。

それで、その消費税ですけれども、具体的には13ページ、IMFのデットのGDP比安定化というのは、これは消費税率を上げるのと、その他の歳出の抑制、このコンビネーションで今後10年間でプライマリーバランス、対GDP比10%の赤字削減、黒字の方に持っていくというわけですが、それがこの13ページに書いてある。繰り返しになりますが、消費税率は15%を目指す。それプラス、左の方にいろいろ書いてありますけれども、景気刺激策を解消する。そうすると、10年間で対GDP比、PBを1%ぐらい改善する効果がある。一番上の行ですね。それから、所得税の課税ベースを拡大するとか、これで0.5%。社会保障費、利払費を除く歳出の名目ベースでの据え置き、これで2.5%、年金以外の社会保障費の伸び率を年間1〜1.5%抑制、年金受給開始年齢の引上げ等を通じた公的年金の国庫負担額の名目値を据え置くことで0.5%とか、こういう、とにかく消費税を15%に上げる。それと、あとは今ご説明したようなものを、両者あわせてIMFの提案しているターゲットが実現できるのだ、こういう話です。

それから、14ページは、先ほどもお話ししました、ザ・スンナー・ザ・ベターというわけですが、財政健全化のために残された時間はわずかだとIMFは言っています。これは時々日本でも指摘されますが、大幅な政策の調整が行われなければ、つまり、改善への努力が早く行われないと、総債務残高は10年以内に家計金融資産の総額を超えてしまうだろう。そういうことからも財政健全化のために残されている時間はわずかである。

具体的には、先ほどから既に何遍もお話ししているとおり、消費税を15%に上げろと、できるだけ早く上げる方がいいのだとIMFは言うわけですが、なぜ、税収増を図るとしても消費税なのかというと、1つは、IMFがここで言っているのは、それが結局、ほかの税に比べて経済に与える影響が一番小さい。ここでは付加価値税、つまりは消費税ですが、個人所得税、法人税、3つで比べているわけですが、経済に与える影響が一番小さい。

それから、少し時間の関係で飛ばさせていただきますが、例えば19ページを見ていただくと、消費税率を引き上げると、当初は経済成長が弱まるけれども、信認の回復によって徐々に埋め合わされるであろうというIMFのスタッフのシミュレーション結果が紹介されました。

それから、日本でもよく言われるわけですが、消費税というのは、しかし逆進性を持っているだろう。その逆進性の問題をどう考えるか。これは、私はIMFスタッフによって2つの指摘がなされたと。1つ目は、そもそも逆進性というような議論を考えるとき、つまりは、所得分配に与える影響というものを考えるときに、1つの税の影響だけを取り出して考えるというのは、あまり意味がないという指摘がありました。税収増を図るのだったら、とにかくある税で税率を上げて税収増を図ったら、その上がった税収で一体何にそのお金を使うのかということと、両者あわせて、どれだけ所得分配に影響が出るのかというのを考えるべきだというわけです。きょうは、IMFのスタッフからは、そこまで踏み込んだ話はなかったのですが、現在の日本政府の議論では、これは消費税をめぐる議論、皆さん既にご承知のとおり、消費税はいわゆる社会保障目的税化するというわけですから、税としては消費税、しかし、それの出ていく方は社会保障ということで、消費税と社会保障、出ていく方の社会保障給付、これを組み合わせると、当然のことですけれども、社会保障の給付というのは相対的に貧しい方々へ手厚く給付が出るわけですから、あわせて考えると消費税、逆進性があると言うけれども、やはり所得分配を平準化するというのでしょうか、再分配機能を発揮する。こういうことはIMFのビジターの人も指摘していたと思います。それが1つです。

ただ、さはさりながらということで、消費税だけを取り出すというのはあまり意味がないのだけれども、しかし、消費税のところだけを見れば、確かにいわゆる逆進性というのがあるということで、そこのところの手当てを一体どういうふうにしたらいいのかという問題があります。これは、国際的に見て、皆さんもご承知かと思いますが、いわゆる必需品を軽課するというのでしょうか。例えば食料品や何かは低い税率で軽課をするというような、複数税率というようなアイデアというのがあって、それは実際に欧州の国々なんかでもさまざまな形で導入されているわけですが、少し話が長くなりましたが、23ページで、消費税の逆進性への対策としては、軽減税率の効果が限定的であって、焦点を絞って貧困層向けへの歳出措置を行うべきだと。つまりは、IMF資料の17ページですが、C-efficiency比率を用いて、日本の消費税というのは、あまりディストーションを生まないような、効率性の高い消費税の制度になっているのだと。つまりは、消費税を1%上げると、一体どれだけ税収が上がってくるかというもの。もし完全にフラットで、すべての消費財に同じ税率で消費税がかかっていれば、もちろんその場合には、ある国の消費の支出、それにその国の消費税率を掛け算したものが消費税収になる。これは当たり前ですね。すべての商品に同じ税率で消費税がかかっていれば、その国の消費の支出に、その国の消費税率を掛ければ消費税収が出てくる。それを分母にとって、しかし、それぞれの国で実際にはそれだけの消費税収は上がっていない。一般的なVATの税収は上がっていない。それを分子に、実際のVATの税収、日本でいう消費税収を分子にとって、一体どれくらい消費税収というのは上がっているのか。それが、くどいようですが、分母と同じであれば100%。この図を見ていただくと、ニュージーランドがかなりそれに近いということのようです。IMFのビジターの方の表現だと、消費税に関する理想的状態というような表現だったように記憶していますが、ニュージーランドはそういう国なのだと。しかし、この国際比較のグラフを見ていただくと、日本はかなり左の方で、日本の消費税というのは、そういう意味ではIMFの目から見て、かなり理想的な姿になっている。ちなみに、きょうのIMFのビジターの話には、直接は出ませんでしたが、この国際比較のかなり右の方にイギリスがありますが、40何%ぐらいでしょうか。イギリスではこうした事実を踏まえて、マーリーズという大変な、ノーベル経済学賞をとった先生ですけれども、マーリーズ・レビューというのが出て、イギリスでは現在、複数税率や何かかなり複雑な構造が導入されているけれども、それはあまり良くない。むしろ、日本とかニュージーランドなんかに近づける形で、単一税率で消費税を改革しなければいけないということをイギリスなんかは言っている。IMFはマーリーズ・レビューなんかの主張と同じような形で、複数税率はあまりお勧めではない。それよりは直接的に貧しい人に対して給付をする。その方がはるかにベターであるということが、23ページあたりに書かれています。

それで、一番最後ですが、25ページが、これはボトムラインといいますか、彼らの結論ということだと思いますが、IMFとしては、消費税率の引上げについては、4つのSという原則によるべきであると。Sooner rather than later ということですね。SoonerのS。とにかく早くやった方がいいですよと。

それから、一気に上げるよりは、Stepwise、段階的に上げた方がいい。これは、少し前に内閣府で発表した日本政府の消費税に関するレポートなんかでも、内閣府のシミュレーションを踏まえて同じような主張がなされていました。Stepwiseです。

それから、Sustainedということで、財政健全化を意味のある形できちっと進めていく。

それから、最後は、先ほど話が長くなったかもしれませんが、Simpleということで、単一税率を維持するべきである。低所得者への配慮としては、対象を限定とした歳出措置の方が軽減税率などよりもよい方法である。こういうことであります。

以上、IMFの2人のビジターの方から、大体今、私が要約したようなプレゼンテーションがあって、お手元の資料に基づいてプレゼンテーションがあって、その後、1時間ぐらいでしょうか、委員の方々との間でやりとりがありました。順不同で紹介させていただきます。

日本人の委員側から、ある方から、日本が仮にデフォルトになったときに、IMFは日本に対して一体どういう対策をとるべきと提案することが想定されるのでしょうか。

こういう問いに対して、IMF側の答えは、そうした状況に陥らないようにすべきだけれども、仮にデフォルトということを想定した場合、デフォルトがもし財政問題によって引き起こされているならば、財政の信頼性を回復する必要がある。これは当然ですね。その際には、長期の財政の立て直しと、即座の財政対策といった両側面のバランスが必要になる。ただ、こうした最悪の状況が生じたならば、まずは我々が、ということはIMFが日本に降り立つ前に、消費税の引上げが即座に行われると考えていると。これがIMFのビジターの答えでありました。これが1つです。

次に、日本人の委員側から、我が国は2020年にプライマリーバランスの黒字化という目標を掲げているが、IMFはこれよりも早い対応を提案しているのはなぜか。

こういう問いに対して、IMF側の答えは、政府が示した案よりも早期の再構築、財政の再建策を提示した理由は、今後も続く高齢化を意識したものだ。また、国内で国債のほとんどを消化する状況は、先ほどの資料にありましたが、いつまでも続くものではない。将来的に民間資金需要を圧迫する可能性がある。日本の国債に対する信頼が損なわれると、万が一ということでしょうか、世界経済にも悪影響を与える可能性がある。

関連してですが、日本人の委員側から、財政健全化を先送りしたときのコスト、これをどのように考えるか。

これに対するIMF側の答え。先送りしてしまうと、いざ財政健全化をしようとしたときに、既に手遅れになってしまっている可能性もある。また、マーケットの目も厳しくなるということでございます。

関連して、日本人の委員からは、日本は先延ばしということに関して、消費税を上げるということに対して、多くの人がずっと上げなくて平気だとまで言い切る人というのはあまりいないわけですけれども、しかし、上げるとしても、今はそのときではないみたいな議論が時々あるわけですけれども、それに関連して、日本人の委員から、日本は過去にも不良債権問題の解決を先送りして失敗したという教訓がある。財政健全化の問題も、これと似た面があるのではないかという指摘がなされました。

これに対してIMF側からは、そのとおりだと思うという答えがございました。

関連して、さらに、消費税引上げを遅らせ、最悪の事態が生じた際のコストが皆分かっていないのではないかという問題があるけれども、その点をどういうふうに考えるか。

IMFの答え。今欧州で起きていることは、リスクが現実化した状態だと。既に欧州でそういう問題が起きているわけですが、万が一、財政が持続可能でないということになると、あるいはなったとしても、今の状態のままでいられると思うのは間違っている。ですから、問題が顕在化すると、既に取り返しがつかないような状況になってしまっている、そういうことだと思います。リスクということは、IMFのビジターの方は何回も強調されていたことです。

藤田副大臣も議論に参加されて、日本においても消費税を引き上げるには国民の理解を得る必要があるが、震災もあり、増税と社会保障のつながりについて、国民は以前よりも理解を示していると思う。こういうご発言がございました。

これに対してIMFからは、消費税と社会保障のリンクというのは重要だと考えている。また、震災によって国民がハイリスクというのですか、やっぱり社会の中でそれぞれの人が自分一人で孤立してちゃんと生きていける、そういうことではないんだ、社会の中ではお互いに支え合うということが必要なんだということを、改めて日本人は理解している。つまり、震災によって国民が、確率は低くても大きなリスクというものに直面してしまうということがあるんだということを、より多く認識するようになった可能性があると。

続いて日本人の、今紹介したのはIMFの答えの方ですが、日本人の委員から、いずれもすべて関連はしていますが、日本の国債というのは、債務残高が大きいのに金利は低い。その金利が低い理由は、どのようなところにあるのかという質問。

これに対するIMFの答えが、日本の投資家層が厚い。日本は経常黒字であり、日本の国債というのはほとんど全部日本人が持っているというようなことになっているわけですが、そうした理由があって、確かに今、日本の国債の金利というのは低いけれども、日本の国債の金利というのも、他の国の国債の金利が仮に上昇したりすると、連動して上がるという、そういう可能性があることもわかっている。ですから、必ずしも安心できないというようなことだと思います。

また、ソブリンリスクとバンキングリスクの相互連関、つまり、ソブリンリスクというのはもちろん国債の価格が暴落するとか、金利が上昇するとか、そういうあれですが、それとバンキングリスク、すなわち金融システムが動揺するというリスク、その相互連関があるということが、今回の欧州の経験でもわかっている。たった今、国際的にはそうした点ももちろん十分認識されているというわけですが、日本でも例外ではない。

続いて、日本人の委員の方から、マーケットは財政健全化にしっかりと取り組むかどうかの政治の意思を見ているのではないか。

それに対するIMFの答え。現在兆候があるわけではないが、政治的な意思がないということになれば、マーケットに急激な変動は起こり得る。

つまり、現在、目の前で国債の市場が動揺している、そういう兆候があるわけではなくても、政治的にそれをしっかりと財政再建するという意思がはっきりしないということになると、そこのところをマーケットに見透かれる、そういうリスクというのはあるんだと。マーケットの急激な変動というのは起こり得る。これがIMFのビジターの方の答え。

それから、最後に、これは日本人の委員の方から、先ほどもう既に紹介した、IMFのプレゼンテーション資料の中、日本では国際的に見て、非社会保障関連の支出というのは非常に低い。先ほどの国際的な棒グラフの比較の図があったと思いますが、それから、消費税の方が他の税目よりも経済に与える影響が小さいというようなこと、こうしたことは日本の国内では必ずしも広く知られていない。IMFもそうしたことをもっと広めてもらいたい。こういうリクエストのようなことが、お1人の委員の方からなされました。

そうですね。私からは一応以上です。少し長くなりましたが、IMFのプレゼンテーション資料の説明、それから、その後の委員との間のやりとり、大体以上です。

〔幹事〕IMFからの消費税の引上げについての提案で、もう少しちょっと詳しく教えていただきたいんですけれども、この資料を見ていると、お話にもあったとおり、今後10年間で消費税を15%まで引き上げるべきだと、幅はあるようですけれども、13ページですか。今後10年間で15%までということですので。一方で、これ、財政運営戦略の話もありましたが、それを前倒ししてということで、10年代半ばに債務残高の対GDP比を減らしていくということになれば、今、一体改革でも2010年代半ばに10%ということで言っているわけですけど、それよりもっと早い段階で上げていかないとだめだということだと思うんですが、具体的に、例えばいつから、どれぐらいずつ引き上げていくべきかと、もうちょっと何か詳しい提案がもしあったのであれば教えていただけますか。

〔吉川分科会長〕この資料の中に、18ページですね。18ページを見ていただくと、今の日本政府の一体改革のいわゆる成案なんかとは幾つか、もちろん違いがあるわけですけれども、まず、消費税率引上げの開始の年が12年、つまり来年からなんですね。日本の場合には10年代の半ばということになる、までにということだけど。それでIMFの場合には12年から上げるということで、ですから、もう1つ、次のページにも2つのシナリオが書いてありますけれども、18ページでは12年から消費税率を引き上げる。それから、2年遅れるというわけですから、14年から引き上げる。2つの場合ですか。これを比べて、その次のページは税率の方の書いてあるわけですけれども、いずれにしても、IMFの提案というのは、こういう具体的な数字も上がっていますけれども、全体として、既に言われたとおり、日本の政府の今の案よりは、よりアンビシャス、そういうことですね。

〔幹事〕具体的に、例えば来年何%は少なくとも上げるべきだとか、2015年には何%になっているべきだとか、例えばこのシミュレーションの前提も、どういう前提でされているのかとか、そういう話は特に。

〔吉川分科会長〕来年何%というのは出なかったと思いますけどね。

〔幹事〕特にこのシミュレーションの前提というのもあまり、そこまで具体的、細かい話までは。

〔事務局〕19ページのシミュレーションは、まさに1年、毎年ですね、上のケースでいえば、12、13、14、15、16、17、6年間で1と3/4%上げますと、毎年毎年。

それから、赤い方でいえば、12、13、14の3年間で3と1/3ということなので、彼らも何か1つのものに限定しているというよりは、まさにシミュレーションで提案されているということです。

〔吉川分科会長〕19ページの0の線というのがありますよね、0の線というのが。これが、だからベースラインというんですかね。下にオリジナルなシミュレーションのあれが書いてありますが、詳しくはそこを見てくれと。ですから、消費税の引上げを行わない場合に、日本経済は一体どういうふうに動いていくのかという姿があるわけですね。それがベースラインで、この図だと、そこが0の線になっているわけですよね。それで、ここの2つのケースがありますけれども、こういう2つのケースで消費税を引き上げた場合、経済に対して一体どういう、ベースラインと比べてどういう違いが出てくるか。この図でいう0線と比べて横の、原点の0線と比べてどういう違いが出てくるか。この場合だと、結論的には、消費税率の引上げは、当初は経済成長を弱めるけれども、信認の回復で、かえって、いずれにしても埋め合わされるだろうという結論が出てきますということです。

コストの方は、先ほどもお話ししたとおり、リスクを抱えているということですね、先延ばししているとね。だから、早くやった方がいいですよというのが、基本的にIMFの立場だと思います。

〔幹事〕わかりました。

それからもう1つなんですが、この社会保障の話がある一方で、震災の復興のための財源をどう賄うかという話も、一方、現実問題としてあると思うんですけれども、今、政府は復興財源を増税、復興債を発行した上で、増税によって償還していくという計画というか、方針だと思うんですが、その辺、兼ね合いといいますか、どう進めていくべきかというような、何かIMF側からの話というのは、何かありましたか。

〔吉川分科会長〕おっしゃっている問題は、今の日本で、もちろんそういう問題があるのですが、きょうのIMFとの議論の中では、それは出なかったです、その問題は。

〔幹事〕わかりました。

もう1点なんですが、あと、消費税の逆進性の問題なんですけれども、逆進性対策として、複数税率よりは、むしろ給付によって対策した方がいいという、IMFとしてはそう考えているということのようです。具体的に、例えばどれぐらいの、例えば税率に、水準になれば、そういうのが必要になってくるとか、あるいはもうちょっと具体的に、どういう形の給付が、やるべきだとか、何かそういう話が、もし出ていれば教えていただけますか。

〔吉川分科会長〕間接的には出ていると思いますね。ですから、この問題に関する、逆進性の問題に関するIMFの、きょうのプレゼンのあれは、議論としては二段階だったと思います。一段階目はさらっと言うことなんだけれども、日本では消費税というと逆進性の問題が出る。これは確かに欧州の場合でも、もちろんそういうことは意識しているのだけれども、1つの税の影響だけで所得分配への影響というのを見るのは、あまりメイクセンスしないという英語を使っていたと思います。というのは、先ほども申し上げたのですが、税収、消費税なら消費税を上げてくる。そのお金で一体どういう、何にどういうふうに使うのか、歳出。その両面で見る必要があると。それで、IMFの人たちも、日本での議論というのを了解しているわけです。いわゆる社会保障目的税ということで、組み合わせれば逆進性は緩和されるどころか、所得再分配効果がある。ありていに言えば、豊かな人から貧しい人へというトランスファーが起きるということ、これが第一弾です。

ただ、さはさりながら、消費税のところだけをあえて見ようというのであれば、確かにリグレッシブというか、逆進性はある。そこで、ではどうやってそこのところは対処するかというと、1つのアイデアは複数税率だと。食料品は軽課するとか。これに関しても、お尋ねのことに関係するのですが、IMFは単一税率を強く勧めているわけです。一体どれぐらいの税率になったときというので、日本の場合、いろいろな議論があります、2けたになったりと。しかし、明らかにIMFが日本に対して今回、15%の消費税率をリコメンドしているわけです。ですから、15%の消費税率を一方でリコメンドしながら、強く単一税率をもう一方でリコメンドしているわけですから、少なくとも15%の水準のもとでも、なお単一税率の方がベターだということを言っていると言っていいと思います。

〔幹事〕幹事社からは以上です。各社、どうぞ。

〔質問〕すいません、IMFはこれまでも何回か日本の財政に対しては提言をしたり、いろいろな関係者の方が発言されたりしていると思うんですが、きょう財務省、財政審で初めて出された提案という部分があれば教えていただきたいんですけれども。

〔事務局〕きょうはあくまでもIMF側の方にプレゼンテーションをしていただいて、それに対しての財審のメンバーでのフリートーキング、質疑応答という形だったので、日本側の、財務省から何か提案をして、提示をしてという場面は特に設けておりません。

〔質問〕ごめんなさい。IMFの方からされた提案で、いわゆる初耳というか、初めて行われたIMFの提案という部分があれば。

〔事務局〕基本的には7月ぐらいの時期に、いわゆる4条協議に基づいてご提案等いただいており、その関係、かかわりの部分はそれと同様になっております。財審の場で、こういった機会を設けたのは、少なくとも初めてということです。

〔幹事〕ほかいかがですか。

では、ないようですので、どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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