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財政投融資分科会(平成25年12月3日開催)議事録

財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録

平成25年12月3日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政投融資分科会 議事次第

平成25年12月3日(火)9:59〜13:00
財務省第三特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.産業投資について

  • 3.各機関の運営状況について

    • (株)産業革新機構

    • (株)農林漁業成長産業化支援機構

  • 4.新たな機関の設置状況について

    • (株)民間資金等活用事業推進機構

    • (株)海外需要開拓支援機構

  • 5.閉会

配付資料

資料1 産業投資について
資料2 株式会社産業革新機構の運営状況について
資料3 株式会社農林漁業成長産業化支援機構の運営状況について
資料4 株式会社民間資金等活用事業推進機構(官民連携インフラファンド)の設立状況について
資料5 株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)の設立状況について

出席者

分科会長

富田俊基

上野理財局次長

谷内総務課長

富山財政投融資総括課長

竹田管理課長

大津計画官

馬場計画官

柴田財政投融資企画官

手嶋資金企画室長

委  員

江川雅子

川村雄介

土居丈朗

中 里   透

臨時委員

池尾和人

林田晃雄

福本容子

吉野直行

専門委員

冨山和彦

中島厚志


9時59分開会

〔 富田分科会長 〕それでは、定刻となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。

本日は、お手元の議事次第にございますスケジュールを念頭に置きまして、産業投資について、株式会社産業革新機構及び株式会社農林漁業成長産業化支援機構の運営状況について、株式会社民間資金等活用事業推進機構及び株式会社海外需要開拓支援機構の設立状況についてご審議をいただきます。

初めに産業投資について、富山財政投融資総括課長に説明をお願いいたします。

〔 富山財政投融資総括課長 〕皆様、おはようございます。よろしくお願いいたします。

私のほうからは、資料1に基づきまして、産業投資について総括的なお話をさせていただきたいと思っております。その趣旨は、この後いわゆる官民ファンド4機関についてのご審議をいただくということで、関係閣僚会議で決まったガイドラインについて簡単におさらいをさせていただきたいということと、10月8日に26年度の財投計画要求の概要をご説明した際にも、産投についてのいろいろなご意見、ご質問をいただきましたので、当分科会でのこれまでの議論の状況などを簡単にご説明をさせていただければと思っております。

資料の表紙をめくっていただきまして、1ページをご覧いただきたいと思いますが、産投の目的・役割ということで、一番上の2行に尽きておるわけですが、「産業投資は、政策的必要性が高くリターンが長期的に期待できるものの、リスクが高く民間だけでは十分に資金が供給されない事業に対して、長期リスクマネー(リターンが出るまで長期的に耐え得る資金等)を供給」するという枠組みでございます。

破線のところの参考を見ていただきますと、「今後の産業投資の在り方について」、平成20年6月に産投のワーキングチームをつくっていただきましてご議論いただいて、産投についての一定の考え方、あるいは方向性を取りまとめていただいたものでございます。特徴的なのは、最初の丸にございますが、3つの対象分野に重点的に産投を活用するということで、1つ目は研究開発・ベンチャー支援、2つ目としてレアメタル炭鉱・開発等の国家的プロジェクト、3つ目として環境・アジアといった海外向けの投資の促進といったような分野を決めていただいているものでございます。

皆様のお手元の左側のほうに、ガイドラインの下になっておりますが、「今後の産業投資の在り方について」、平成20年6月に取りまとめた文書の本体も、今日配付させていただいております。表紙をめくっていただいたところに概要が1枚紙になっておりまして、後ろから2ページを見ていただきますと、当時のワーキングメンバーの方々、松田教授を座長とし、冨山委員に座長代理をお願いし、その他の委員としまして富田会長、あるいは吉野委員にもご参加いただきまして、議論の取りまとめをいただきました。最後の12ページですが、8回ほどご議論いただいて、この報告書をおまとめいただいたというのが経緯でございます。

資料に戻っていただきまして、右下を見ていただきますと、ご参考ですけれども、法律上は、特別会計に関する法律の中に規定がございまして、第50条ですが、財融特会は、財政融資資金の運用、これがいわゆる財融の貸付け。次のところですが、「産業の開発及び貿易の振興のために国の財政資金をもって行う投資」と、これが産業投資を想定した規定となっております。

2ページを見ていただきますとポンチ絵で、財政融資と産業投資の基本的な枠組みの違いでございますが、共通しておりますのは、いずれも貸付けなり出資をしていく中でそれを回収する、あるいはリターンを求めるということで、補助金などのような一方通行のものではないということと、それから、よりリスクマネーを供給するという枠組みとして、この産投があるというところが特徴でございます。また、財源につきましては、財政融資資金のほうは財投債ということでマーケットから調達をいたしますが、産投のほうはNTT、あるいはJTの配当金などをその財源としているというところが相違点でございます。

3ページを見ていただきますと、最近の産投の推移をフローで書いてございますが、19年度ごろまでは比較的小さい規模で、1,000億を超える投資がたまにあると。紫のほうが当初計画でございますけれども、20年度以降、やはりリーマンショック、あるいは震災対応といった中で、補正も含めましてかなりの産投の需要が出てきているということと、それから、やはり政府全体で取り組んでいる成長戦略といった中で、産投についての需要も高まっているという両面があろうかと思っております。26年度要求は過去最大の4,088億となってございます。

4ページを見ていただきますと、産投の対象事業・機関ということについて簡単にまとめたものですが、どこにでも産投を出すという考え方ではなくて、一定の整理をしております。目的としては、先ほどの法律にもありました産業の開発及び貿易の振興に資するもの。対象事業が収益性のあるもの。3つ目として監督というところですが、最初の2行ですけれども、出資先について、財産管理の面や収益性の観点から、政府の監督権限及び政府出資規定などを有する、特別法により設置される法人に限定しています。貸付先についても同様の観点で、法律上の位置付けにより限定をしております。特に特徴的なのはリターンのところでございますが、出資法人には、法律に、リターンについての国庫納付規定、あるいは配当規定、利益分配規定のいずれかがあるといったものを対象に、産投の支出をしてきているところでございます。

5ページを見ていただきますと、産投の最近の予算推移、20年度以降のところをグラフ化したものでございますけれども、冒頭にもご説明しましたが、一番上にありますように、「今後の産業投資の在り方について」の検討を踏まえて、21年度以降、3分野に重点的に投資をしてきている。加えて24年度以降は、いわゆる官民ファンドを通じたリスクマネーの供給も強化してきているというところでございます。

中段の棒グラフを見ていただきますと、1つ触れておきたいのは、この20年、21年、22年、23年、24年とそれぞれ歳入のほうが歳出を上回っております。歳入のほうは剰余金、あるいは出資の回収金等で構成され、出資のほうは各産投機関への出資でございますけれども、必ずしも歳入満額を支出するという考え方ではなくて、その年度その年度必要な範囲の産投支出を計画してきているということで、この差額については、右上でございますが、歳入・歳出の差額は事務取扱費控除の上、一般会計に繰り入れるという取扱いをしてきております。

下の表を見ていただきますと色分けをしてございますけれども、特徴的なJOGMECが一番上の欄で、20年度以降かなり積極的な、特に近年は金額も大きく、産投支出を重点的に配分している分野であります。加えて緑のところがいわゆる官民ファンドということで、先行的に産革機構が21年度から産投支出を受けておりますが、24年度からはそれ以外の官民ファンドも産投の財源をもちまして、事業を展開してきていると。また赤いところは既往の産投機関といいますか、JBICでありますとか、旧開銀時代を含めてのDBJなどといったところでございます。一番下の黄色は研究開発法人でございますが、これについてはいろいろな議論があった中で、きちっとしたリターンを得るべきという中で、現在のところは非常に金額も小さく、26年度はこの分野についての要求もないという状況でございます。

次の6ページを見ていただきますと、官民ファンドの概要でございますが、それぞれ設立の時期などを見ていただきますと、産革機構が21年、それ以外のものについては25年以降ということでございます。特に官民連携インフラファンド、あるいはクールジャパン機構は10月、11月にようやく立ち上がったという状況です。それから、設立日のところに存続期間とございますけれども、ここが特徴的でして、従来の産投機関と違いまして、それぞれの機構について15年なり20年の時限が法律上設定されているということで、その期間の間にできるだけ効率的な事業運営をしていくというところが特徴になってございます。

次の7ページをご覧いただきますと、産投の残高、ストックということで書いたものでございます。既往のものを左側に置きつつ、これは残高を管理しているだけの産投機関もございますが、真ん中がいわゆる官民ファンドと言われている機関、そして、卒業している分野ということで、研究開発分野が一番右にありまして、これも残高管理をしているという状況でございます。下のところに注でございますけれども、これ以外にNTT、あるいはJTの関係がございまして、出資金の投資残高は24年度末で4兆6,868億円というのが産投のストックの状況でございます。

次の8ページをご覧いただきたいと思いますが、これまでの収益の累計として、昭和28年度から平成24年度まで、単純に各年度の収益を足し合わせたものが4兆472億ほどございまして、国庫納付金、あるいは配当金収入が主要な収益でございます。一方、費用のほうでございますけれども、同じ期間につきまして4,971億の費用ということで、いわゆる毀損ということで出資金を償却させていただいたものでございます。基盤センターといったようなものが非常に大きくなっておりますが、これをネットアウトしまして、利益の累計という数字を出させていただきますと、12というところですが、3兆5,501億円の利益の累計という形になっております。そのうち一般会計への繰入れをしております1兆3,480億というのが、これまでの産投の利益の処分状況ということでございます。

次に9ページをご覧いただきますと、過去最大の要求と申し上げましたけれども、26年度の産投要求が右から2つ目の欄の下、4,088億でございます。この緑の4機関をこの後ご審議いただくわけですが、今年度の10月以降の分科会におきまして、一番上のJOGMEC、それから日本政策金融公庫、JBIC、商工中金、2つほど飛びまして新設のインフラシステム海外展開支援のための機関といったものについて、ご審議をいただいてきているところでございます。

続きまして、10ページ、11ページをご覧いただきたいと思います。日本ではこういう取り組みが20年の取りまとめ以降、積極的にされているわけですが、諸外国はどうかということで、公的ファンドを通じたリスクマネー供給としまして、イギリスとフランスの例を挙げております。いずれもリーマンショックを受けて、国内産業の育成、競争力の強化がクローズアップされるという中で、政府の資金を活用した公的ファンドの新たな役割を担っている事例となっております。これらの公的ファンドは、ベンチャー支援のためにエクイティ等のリスクマネーを供給しているといったようなことで、最近設立された我が国の官民ファンドとも類似性がございます。また、20年に報告書を取りまとめていただいたということを踏まえまして、産投についての研究開発、ベンチャー支援、資源開発等に重点的に投資するといったような時期とも、ちょうど重なっているということでございます。

10ページがイギリスの例でございますが、イギリスのUK Innovation Investment Fundということで、これにつきましては、技術分野への投資によって経済成長の加速と、高熟練者の雇用を創出するということで、2009年に設立されております。支援スキームとしましては、民間のファンドへの資金供給を行うという方式になっておりまして、ファンド・オブ・ファンズということでレバレッジを効かせながら、間接的な投資を行うというところに特徴がございます。

日本の官民ファンド同様、出資は官民から行われておりまして、政府からの1億5,000万ポンド、その他の1億7,500万ポンド、合わせまして3億2,500万ポンドということで、現在の日本円に直しますと約540億円程度の規模でございますが、これを2つに分けてそれぞれ別のファンドマネージャーに任せて運営しているというふうに聞いております。

次の11ページ、フランスの例でございますけれども、フランスの戦略投資ファンド、FSIというものでございますが、金融危機後にフランスの主要企業を支援することが目的ということで、大企業から中小企業までを対象にしているファンドでございます。昨年、FSIを含む3機関を整理統合して、中小企業支援のための公的投資銀行、BPIというものを設立する法律が既に成立しているというふうに聞いております。

FSIの支援スキームでございますけれども、200億ユーロ、約2.8兆円程度の規模でございますが、これを預金供託公庫(CDC)と国が出資をする形で、実質的に政府が100%保有するファンドという形でございます。中小企業に対しては、官民ファンドを通じた間接出資、中堅・大企業に対しては直接出資を行うというところに特徴があろうかと思っております。

以上が諸外国の簡単な事例のご紹介でございまして、12ページからはガイドラインの関係でございます。これにつきましては、9月27日の関係閣僚会議の決定を踏まえまして、当分科会でも10月8日にご説明をさせていただきました。ガイドラインの本体も、皆さんのお手元に配付させていただいておりますが、12ページでは4つの柱で成り立っているということ。それから、13ページにつきましては運営全般の話、投資の態勢、決定過程ということで、例えば投資の態勢ですと、執行部、投資に係る決定を行う組織を監視・牽制する仕組みが導入されているかといったようなこと。投資方針ですと、政策目的に沿って適切なものか。あるいは、民間資金の呼び水効果、民業圧迫の防止、投資採算性が検討されているか、決定の過程も中立的かといったようなことがガイドライン上記載されております。

14ページを見ていただきますと、民間出資者に対する役割の明確化といったようなこと。それからまた、我々出資者の立場として一番関心がある5.のところでございますが、2つ目の丸にありますように、まず国民に対しての説明責任が果たされているか。3つ目ですけれども、各ファンドについて投資内容、あるいは投資実行後の情報について、監督官庁及び出資者それぞれに適時適切に報告されているかといったことがガイドライン上記載されております。

一番下でございますが、緑の枠にございますけれども、本日この後の4機関のご審議をいただくに当たりましても、このガイドラインに沿った運営態勢がきちんとできているか。あるいは、これからどういう形で構築していくかというところを重点的に説明していただくよう、当方からも各機関にお願いをしておりますので、そういったところもご審議の対象にしていただければと思っております。

私の説明は以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問等ございましたらお願いします。中島委員、どうぞ。

〔 中島専門委員 〕意見というかコメントです。資料の3ページ目で、近年、産投資金が増加傾向にあるということですけれども、これは言うまでもない話なんですが、産投資金の目的と対象事業を必要十分に見据えて行うということなわけですね。特に最近多いのが、官民ファンドのついてのリスクマネーの供給なんですけれども、これは本来的に言えば、国内のマネーの流れを貯蓄から投資に向けて行うというのが筋だと思います。

したがって、なかなかリスクマネーが出てこないから、もちろんこの官民ファンドというか産投資金の目的に沿って、そこを支援していくという政策的な意図というのは十分わかるんですけれども、あくまでも、やはり構造的にみれば経過的な措置だと思います。産投資金で恒常的に行うものではないという認識を持った上で取り扱っていただきたいというふうに思います。以上です。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。では、ご意見として。

ほかにいかがでしょうか。どうぞ、土居委員。

〔 土居委員 〕2点あります。1つは8ページに、産業投資のこれまでの利益ということで、これをはっきり記していただいているというのは非常に重要なことで、リスクマネーの供給ということである以上、失敗がないということはあり得ないわけで、それなりの失敗はあると。だからこそリスクなわけでありまして、失敗がないということがあらかじめわかっていれば、それはリスクマネーを供給しているということにはならないわけですから、リスクをとっているということにはならないわけですから、当然ながらそれなりの毀損が出てきた場合には、どうしてそうなったかということを、ここにも記されていますけれども、踏まえた上で今後の改善につなげるという姿勢でよいと思います。

ですから、今後、官民ファンドの話をするときにも、むしろどういうリスクがあるのかということは、かなり前もって明らかにしておいて、必ず成功しないといけませんよ、お金は全部返してもらわないと、しかも利益を乗せて返してもらわないといけませんよということばかり、そこは非常に重要で、かつそれは求めたいとは思うんですけれども、むしろ損失が出る可能性があるとすれば、どういうことが起こった場合にそういうことがあり得るのかというところを、あらかじめ当事者の方々からもお話を伺うということが必要なのかなと思います。

それから、2点目は4ページですけれども、産投の対象事業と機関ということでわかりやすく整理されていると思います。これは上野次長が課長のころに、私が個人的に伺ったと記憶しているんですが、一般会計からも出資をしていて、産投と一般会計の出資のデマケーションはどういうものなのかということで個人的に勉強させていただいたんですが、何らかの形で、政府が出している出資というのは産投出資だけじゃない、ほかの一般会計の出資もあるということなので、産投の役割は4ページに集約されていると思いますが、財政投融資とは直接関係ないところでの出資ではあるんですけれども、産投の位置付けをより明確にできるという意味で、かつデマケーションがあるということですので、一般会計などのほかの会計における政府の出資と産投出資の違いというものも整理されるといいのかなというふうに思いました。以上です。

〔 富田分科会長 〕福本委員、どうぞ。

〔 福本臨時委員 〕すみません、2点質問です。産投の対象なんですけれども、最初の1ページのところの、研究開発・ベンチャー支援、レアメタル、環境・アジアというのが重点的にとなっているんですけれども、この重点分野というのはずっと生きているというか、これがどういうふうに、要するにこの縛りというのがずっと今も有効で、これからも有効だということでしょうかということの確認と、それから、私が見落としていたら申し訳ないんですが、外資の参加ということについては何か規制とかあるのでしょうか。

〔 富田分科会長 〕林田委員、どうぞ。

〔 林田臨時委員 〕ご説明ありがとうございます。産投については、呼び水ということがあらゆる資料に出てくるのですが、3ページのグラフを見ると、呼び水というにはかなり水の量が多いような気がいたしまして、当時のいろいろな経済情勢などを踏まえてこういう金額になったのかもしれませんけれども、呼び水の経路が急増して非常に多様な経路から水が注ぎ込まれていると。これはこのままどんどん拡大、拡大でやっていくのか。財政も厳しいし、このような形をとれば、打ち出の小槌のようにお金が流れてくるというように、利用者側のほうが誤解をされると困るということもありますので、あくまで産投には限界があるし、適正な規模というものもおのずとあるという、平時に戻ればそちらへ収れんしていくというご説明を、しっかり財務省のほうでしていただきたいというお願いが1つです。

それから、そもそも政府系金融機関が民営化をして、こうしたリスクマネーを供給するというのが何となく想定されていたように思います。ところが、そちらの経路があまりうまくいかなくなった。リーマンショックなどもあってですね。それと官民ファンドが乱立してきたこととの関係は何かあるのかという点を、ご参考まで教えていただけたらと思います。

それから、8ページに、収益の累計などを計算されたのは、大変ありがたいのですが、累計の集計期間が昭和28年度からというのは、いささか高度経済成長の時期を挟んで長過ぎないかと。むしろいろいろな意味で活用が非常にされてきているここ数年、例えばワーキングチームの報告書がつくられた後はどうなのかとか、そういった期限を区切ったデータの整理というのがあったら見せていただきたい。

それから、総投資額に対しての収益はどうなのかという整理があったら、もう少しわかりやすいのかなと。

もう1点、コメントとして申し上げますと、ここで費用として計上されているものは毀損されたものですが、得てして投資というものは、あまりうまくいっていなくても、そのままにしておけば失敗にならない。そこで何か決断があって、毀損として出すと世の中に出るけれども、そのままホールドしていれば、そのままになってしまっているということがあると。ですから、その辺はしっかりガイドラインに沿ってチェックするのだとは思いますが、そういう性格もあるということは指摘しておきたいと思います。以上です。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。では、冨山委員、そして江川委員お願いいたします。

〔 冨山専門委員 〕ワーキングチームの副座長だったので一言言わないとまずいかなと。まず第1に、先ほど中島委員が言われた補完性の議論はまさにそのとおりで、本来的に時間的、空間的に補完していくという話であります。ですから、本筋はやっぱりリスクマネーがちゃんと民間ベースでもあるというのを、そういう政策をどこかでちゃんと推進しておいてもらわないと、いつまでたってもこういうパターンに依存するというか、むしろ増えていっちゃうということになるので好ましくないということになり、そのとおりだと思います。

その観点で一言コメントなんですが、このリスクマネーの問題に関して、私はずっともともと日本の政策がボタンをかけ違ってきたのは、同じ金融といっても、デットファイナンスとエクイティファイナンスというのは水と油ぐらい違う世界だということに対する理解不足だと思っています。例えば、デットファイナンスで優秀な人、あるいは能力を発揮する人というのは、多くの場合エクイティとしては極めて無能な人です。逆にエクイティで極めて有能な人は、デットファイナンスでは極めて危ない人です。これは、実は遺伝子から違うぐらい違う世界なんですよ。例えば、政府系金融機関にリスクマネーをという議論がありますが、政府系金融機関がもともとデットネイチャーの組織の場合に、その組織にエクイティをやらせることは極めて危険です。逆にエクイティネイチャーの人に商業銀行的業務をやらせることはとても危険です。絶対やらせちゃいけない。

そこが、実は政策体系上、結構整理されていなかったような気がしていますし、その典型がベンチャーキャピタルを、どちらかというと大手金融機関の関連会社としてつくらせてきたという、これは明らかに当時の通産省の失敗だと思っているんですが、要はそこが明らかにずれていて、これはご存じのように、アメリカでもヨーロッパでも全く違う人種がやっている仕事です。なので、そこはもし、この後ちゃんとした努力をしていくとしたら、過去の総括をし直してみて、要はどういうふうに進めたら本当にそれが動くのかということを考えていかなきゃならないんだろうなと思っています。

もう一つ、官民ファンドは、空間的、時間的にすごく狭いストライクゾーンに投げ込む政策なんですよね、もともとが。そういった意味で、前にも言いましたけれども、元祖が、ちょっと産業再生機構が割と原型モデルになっているものですから、それも私がやっていたので、半分自分の実感を込めて申し上げると、うまくいく可能性は基本的には極めて低いですというか、何か問題を起こす場合が多いです。ある意味、企業再生機構のときにJALでいろいろ起きちゃったのは必然性があって、そういった意味でいうと、今回川村委員も入っておられましたが、ガイドラインをちゃんとつくっていただいたというのは素晴らしいことだと思っています。逆に言うと、こういうものを再生機構はちゃんと残して解散すべきだったと思って反省を込めて申し上げているんですが、やっぱりこういうガイドラインが大事だと。

その関連でもう一つ申し上げると、現状特に官民ファンド系でいうと、理財局自身がある意味ファンド・オブ・ファンズみたいになっているわけで。そうするとやっぱりファンド・オブ・ファンズとしてどういうガバナンスを効かせていくかというのがとても重要な問題です。このガイドラインも1つのガバナンスの軸でしょうし、今お話のあった、要はどう投資状況を評価するかというお話もそうなんですが、これは実はアセットクラスが今日の4つだけでもものすごく多様に、同じエクイティといっても非常に多様なアセットクラスになっています。

どちらかというとベンチャー投資というのは、アセットクラスの中では最もハイベータの世界で、むしろバリエーションするんだったらDCFだけじゃなくて、ある種リアルオプションも使わないとバリエーションできないようなアセットクラスが入っているのに対して、多分インフラ系のやつは、どちらかというとかなり財融に近い世界に入ってくるので、どちらかというとDCF的に物を見ているような世界が入ってきます。

そうすると、それに合わせたリスクリターンであるとか、利回りの評価だとか、あるいはマーク・トゥ・ザ・マーケットですね、本来ガバナンスをするのであればそういう観点からやっていくべき話です。そういう意味では今日の資料、いろいろ努力されてつくられたという点は大変評価を申し上げていますが、この数字の組み立て方がやや単式簿記的というか公会計的なので、さかのぼってつくるのは大変かもしれませんけれども、どちらかというと複式簿記的に財務的な投資評価をファンド・オブ・ファンズとしてやっていくという体制をぜひつくっていっていただけると、今後いろいろな意味で変なふうに膨張してしまうことも防げると思います。同時に、どちらかというと官民ファンドって良くも悪くも政治主導で出てきちゃうケースが多くて、先ほど何人かの委員からのご懸念もありましたが、確かに一般会計で出しにくいので、ファンド・オブ・ファンズとりやすいからこれでつくっちゃおうぜというような感じで変な意味での政治主導が起きるリスクは私も非常に感じておりますので、そういったところに対する牽制という意味でも、この辺のガバナンスをちゃんとやって、かつ中身の情報をちゃんと開示してフィードバックしていくということが大事だと思うので、その点をどうぞよろしくお願いいたします。

〔 富田分科会長 〕江川委員、どうぞ。

〔 江川委員 〕問題意識はほかの委員と同じで、2つ質問させていただければと思います。大学にも今、イノベーションの官民ファンドという出資事業がきておりまして、それで私も最初どう違うのかなというのがよくわからなくて、それで一般会計から出ているものがあるということで、そうなのかというふうに思ったんですが。ただ一方で、産業投資から出ているものの中に、ほかの省庁の政策にかかわるものもあるので、産業投資で出すものと一般会計で出すもの、どういうふうに区別してやっているのかというルールがどうなっているのかというのを教えていただければと思います。

それから、全体として、例えば官民ファンドがどれくらいあるのかということをしっかりこういうところでもお話しいただきたいですし、情報開示という意味でも重要かと思います。

2つ目の質問は、やはり評価が重要だと思っておりまして、ベンチャー投資とかリスクの高いものですから、もちろんある程度期間を見ながらやっていかなければいけないと思うんですが、どこかの時点では適切な評価をして、例えば償却をするとかそういったことが重要だと思うんですが、その辺のルールというのはできているのでしょうか。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕意見とお願いと1つずつあります。先ほどいみじくも冨山委員に総括的におっしゃっていただきましたように、私もかつてシンジケーションをやっていたときに、初めデットシンジケーション、そのうちエクイティシンジケーションがくっついてきて両方やれとなったときに、頭が空中分解したような経験がありまして、両方は大変難しいです。

そういう中で、産投というのは基本的に国の金という、ある当然の枠組みの中でエクイティをやると。またそのエクイティがものすごくバリエーションがあるので難しいんですけれども、デットではない。ついついエクイティの議論をしていながら、いつの間にかデットの議論になっちゃっていることがあります。仕方がないんですね、そういう人間の習い性の中でやっていますから。だから、どうしてもスパゲティまでお箸で食べちゃうような、そういうことがあるということを、最初きちっとわきまえた上で、これはエクイティですよということを位置付けていただきたいなというお願いというか、意見です。

もう一つは、これはぜひお願いしたいんですが、いろいろなファンドが新設されてくる中で、新聞紙上、税金を投入する投資だからということが二言目にはきています。産投とはこういう性格なんだということをちゃんと踏まえて報道されているものはないし、また、どんどん設立されている新しい官民ファンドの枢要なお立場にある皆さんが、どこからそういうふうに吹き込まれちゃったのか。これは税金だから大事に使わなきゃいけないんですというふうにおっしゃるんですね。ほぼ例外なく皆さんこの原資は税金だとおっしゃるんですよ。これはやっぱりどこかでしっかり、資金の性格はこういうことですよということの、正しいご理解を求めていただくような対応をとっていただければなと思います。以上です。

〔 富田分科会長 〕事務局から回答をお願いしますが、やっぱり私は国の信用で生まれたリターンですから、それは税金と同じなので、税金以外のものとはなかなか思えないですけどね。天から降ったものじゃなしに、やっぱり税金に近いというふうに、産投の資金を見たほうがいいと思います。

〔 川村委員 〕多分普通の人というのは、単年度予算を前提にした税金の考え方があると思うんですね。であれば、ポケットが違うということの意味とか、要するに国の金イコール税金、性格的に一緒だと言っちゃうのと、先ほどの一般会計と産投による投資のデマケがどうなっているんですかみたいな議論と、相当いろいろな次元が絡まっている複雑な議論ではあると思うんですけれども、これをイコール税金だという理解というのは、やはり私は非常にミスリーディングになると思うんですね。産投の性格として。だから、国のクレジットとして全く一緒であるというふうに、抽象論としてはそのとおりなんだと思うんですけれども、そういうふうに言ってしまうと、かなり間違った理解になるという懸念を、私は持っているということを申し上げたいんです。

〔 富田分科会長 〕そのあたりが一番本質的なところだと思います。いただいたご質問につきまして、事務局よりお答えいただきたいと思います。

〔 富山財政投融資総括課長 〕ありがとうございました。各委員からいただきましたご意見につきましては、我々もまた十分精査をさせていただきながら、更に検討を加えて、必要な対応があればまた分科会でもお諮りをしていきたいと思っております。

ご質問のほうですけれども、林田委員のほうからいただいたご質問の中で、呼び水にしては水の量がどうかというところでございますが、我々としましても限られた財源を満額産投支出に回すのではなくて、必要最小限のその年度に必要な産投の支出を、引き続き毎年の編成の中で議論していきたいと思っております。ただ足元、ちょっとリーマン、震災、あるいは官民ファンドといった成長戦略に係る取り組みをする中で需要が高まっておりますけれども、そういった実績が出てくる中でも引き続き精査をしていきたいと思っております。

またあわせまして、いわゆる官民ファンドの位置付けですけれども、この4ページにありますような産投の対象機関としての枠組みは、それぞれ個別の法律に基づいて政策目的をもって、規定上も監督規定あるいは納付規定なども設けたファンドでございますので、そういった中でどういう事業が成功裏にできるかという中で、官民ファンドについても見ていきたいなと思っております。

それから、特徴的なのは、説明でも触れましたが、やはり15年、20年といった時限の組織でございますので、今まさに成長分野に資金を重点的に投下して、できるだけ早期に回収をし、必要な経済効果を生むという目的のための官民ファンドでございますので、そういった部分をよく我々も踏まえながら支援していきたいと思っております。

それから、毀損についてどういうタイミングで、あるいは考え方で償却を図っていくかということで、江川委員のほうからも同様のご質問をいただきました。事例としては研究開発分野についての毀損の事例がございました。資料のほうにも一部主要なものを載せておりますけれども、こういったものというのは、それぞれの研究開発事業について、想定されている事業期間というのがございます。したがいまして、ある研究開発の事業が、例えば15年で成果を出そうとしていたということであれば、それに見合う産投としての支援をしてきたわけでございますけれども、その15年という研究事業が個別のものが終わっていくという中で、産投の役割は終えたんだろうという整理をして、それについての産投の償却という処理を、各機関の事業に合わせて処理をさせていただいているところでございます。

それから、福本委員のほうから、1ページにありました重点分野3分野というのは今でも有効かというご質問ですが、我々としましては、この分科会でのあれほどの議論をしていただいた重点分野ということで、しかもその後の諸情勢を考えましても、それぞれの機関の資金需要というのは、やはり引き続き産投についてもあるだろうと思っておりますので、こういった3分野を含めて考えていきたいと。また、大きくその考え方を変える場合には、また分科会のご議論をいただきたいと思っております。

それから、外資の参加というところは、繰り返しになりますけれども、産投の出し先の機関というのは、日本の法律に基づいて個別の法律に規定された法人でございます。それらのものについては、多くはというか、すべてまず政府出資が入っておりまして、いわゆる民間出資もあわせて受け得る法人もございますけれども、そこの部分のいわゆる外資云々ということについての規制もございませんし、ルールもないということでございますので、あくまでも法律に基づいた法人の枠組みの中で、我々としては対象としているということで、特に外資の資本が入っているから排除と、そういうことでもございません。

それから、江川委員からのご質問で、一般会計と財投というところでございますけれども、これは土居先生のほうからもご指摘がありましたので、我々としても一度きちっと整理したいと思いますが、従来の考え方でいいますと、一般会計の出資というのは、基本的には法人そのもののいわゆる財務基盤をきちっとまず強化するといった趣旨も多く見られますし、仮に事業に着目するという場合であっても、必ずしも産投で行っているような、4ページで整理したようなリターンというものを前面に押し出した見方ではなくて、場合によっては産投が開発しようとしている研究開発分野のような、非常にハイリスクで、リターンのところまでいけるかどうかもわからないけれども、国としてその法人に出資をすべき政策的な意義があるといったようなことで、川で言えばかなり上流のほうといいますか、産投のほうはある程度エクイティを出すからには、リターンも見込めるような段階なり分野ということで考え方を整理していかなきゃいかんと思っていますし、我々も過去の反省を踏まえて、今後の支出も考えていきたいと思っております。以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、次の議題に移ります。産業革新機構の運営状況についてでございます。説明の方が入るまで、少しお待ちください。

((株)産業革新機構 着席)

〔 富田分科会長 〕それでは、産業革新機構の運営状況について説明をお願いいたします。

〔 産業革新機構小宮専務執行役員 〕それでは、お手元の資料に基づきましてご説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。申し遅れましたけれども、私は革新機構の専務執行役員の小宮でございます。

株式会社産業革新機構の運営状況についてという資料がございます。1ページ開けていただきますと、最初に、官民ファンドの運営に係るガイドラインへの対応状況というページがございます。まず運営全般でございますけれども、ここにございますように、みずからの経営資源以外の経営資源を活用し、高い生産性が見込まれる事業を行うこと。又は新たな事業の開拓を行うことを目指した事業活動及び当該事業活動を支援する事業活動を推進することを目的に設立をされた機構でございます。

民業補完が支援基準に明記をされておりまして、それに基づいて支援決定を行っておりますけれども、この意味は、下にございますように、民間投資ファンド等と協調投資を行っていくということ。それから、民間投資ファンドの活動を不当に妨げることがないよう配慮をするということでございます。

次に投資の態勢でございますけれども、マネージングディレクター以上の幹部によって構成され、社長がヘッドを務める投資委員会での検討を経まして、最終決定は法律に基づいて設置されている産業革新委員会が実施をいたします。このようなプロセスを経ることによって、監視、牽制する仕組みを構築してございます。それから、ここにございますように、投資決定前に経済産業省及び事業所管省庁への意見照会を行う。第2に、独立した監査役が定期的に監査をする。第3に、社長直下にコンプライアンス室を設置するなどによっても監視、牽制が行われてございます。

1枚おめくりいただきまして、2ページをお願いいたします。投資方針でございます。基本理念は、オープンイノベーションを通じて次世代の国富を担う産業を創出するということでございますけれども、支援基準におきまして、社会ニーズへの対応、成長性、革新性のすべてを満たすということにしてございます。それから、民業補完の観点から、一般的には、民間ファンドより長い5年から7年を投資対象としてございます。短期的収益を追求し過ぎるあまり政策的意義を失うことがないように、IRRではなくてマルチプルを重視してございます。それから、EXITにつきましては、投資を行うタイミングからIPO、トレードセールなど、EXITの実現可能性を確認して投資決定をしてございます。

次に、投資決定の過程でございます。先ほど申し上げたように、投資決定につきましては、投資連絡会、投資委員会など社内規定で定められた会議体での決定プロセスを経た上で、産業革新委員会で最終判断が行われる仕組みでございます。これによって、透明性と中立性を担保してございます。また、政策目的との関係では、随時、経済産業省や財務省にも確認をしております。案件の選別につきましては、法令上の政策目的や支援基準に合致したものを厳選しながら、適切に実施をしてございます。

1枚おめくりいただきまして、3ページでございます。投資実績の評価及び開示でございます。投資実行チームから独立したポートフォリオ管理室というものがございます。これがモニタリングを実施してございます。モニタリング基準につきましては、投資先企業の管理指標を基準とし、それをフォローいたしております。EXITの方法及びタイミングについては、投資先の置かれている状況や当社のミッションなどを総合的に勘案をして、適切に判断しております。

次に、投資の運用方針の見直し、ポートフォリオマネジメントでございます。投資決定を行う事前検討プロセスである投資委員会、それからモニタリングを行うモニタリング委員会、それから投資先に関する重要な意思決定を行う個別検討委員会という3つの委員会に、マネージングディレクター以上の参加を求めております。これらのプロセスを通して、投資に関するナレッジを蓄積し、運用方針へのフィードバックがかかるような仕組みを構築しております。それから、モニタリング委員会及び他部署から独立したポートフォリオ管理室が、計数の管理を含めた投資先のモニタリングを実施してございます。さらにポストインベストメントグループが、投資先のバリューアップに努めているところでございます。

1枚おめくりいただきまして、4ページでございます。民間出資者との役割でございます。民間出資者とは、共同投資した事例が複数ある以外に、事業の再編・統合、グローバル展開、大企業からのカーブアウト、大企業によるベンチャー企業の買収等、産業構造改革を積極的に推進することを目的としての組み換えなどについて、情報交換や意見交換を実施してございます。下に産業革新機構の株主の一覧がございます。ご覧をいただければと思います。

次に、5ページでございます。監督官庁及び出資者たる国と各ファンドの関係でございます。経済産業省及び財務省から1名ずつ専務執行役員の出向ポストを受け入れているほか、企画調整室及び経営管理室などバックオフィスにも国からの出向者を受け入れてございます。

投資決定の段階で、経済産業省に対しては、産活法に基づき意見を受領する必要があることから、投資決定前に必ず投資内容を報告してございます。その際には、投資先企業名、事業内容、投資額、共同投資先、事業計画、産業革新委員会への付議事項などを報告してございます。また、最近からは経済産業省への報告に合わせ、財務省にも同時に報告をしてございます。

次に投資実行後でございますけれども、株式の売却を行う場合には、産活法に基づき意見を受領する必要がございますことから、経済産業省に対して株式の売却方針などを事前に説明することになってございます。それから、出資者である財務省理財局に対しては、他の出資者と同様、年1回の株主総会の事前説明において、投資先企業の概要を報告しております。また、今回より個別シートの提出をもって詳細に報告することになっているため、そのプロセスを通じてEXITの方針など、必要な情報を提供することとしたいと考えてございます。

簡単でございますが、説明は以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問等ございましたらお願いいたします。池尾委員、どうぞ。

〔 池尾臨時委員 〕質問ですけれども、産業革新機構の根拠法が、産活法から今度変わるんじゃなかったですかね。その経緯とか、根拠法が変わって存続する機関というのは何かちょっと奇妙な感じもするので、そのあたりをちょっと説明いただけないかなと思うんですが。

〔 富田分科会長 〕それではこの点、お答えいただけますでしょうか。

〔 経済産業省経済産業政策局井上産業再生課課長補佐 〕では今の点につきまして、経済産業省産業再生課、井上のほうからご説明したいと思います。

当課は産業革新機構の所管課としまして、いつも連携して仕事をしておりますけれども、委員からご指摘の根拠法のことについてなんですけれども、現在は産活法に基づいて産業革新機構が設置されておりますけれども、現在、今国会で審議されております産業競争力強化法におきまして、設置根拠が移るということを、検討しております。こちらはもともと産業競争力強化法自体が、ちょっと説明が長くなってしまいますけれども、成長戦略を実行するための法案の措置ということで、今回提案をさせていただいているわけでございますけれども、その法案の目的、内容が産活法の目的と重複する部分がございますので、法律の整備としましては、産活法をある種飲み込んだ形で、競争力強化法という形で大きく発展させるという方向で進めるということを、政府として決定した次第でございます。

したがいまして、産活法において引き続き実施する必要があると思われるものにつきましては、強化法の中で措置を引き続きするという整理にしておりますので、基本的には革新機構の設置根拠たる部分の条文につきましても、競争力強化法の中で、引き続き同様の条文を置くということにしている次第でございます。

〔 富田分科会長 〕よろしいですか、池尾委員。

〔 池尾臨時委員 〕それに伴って、出資額とかも増強されるんじゃなかったですかね。そこは同じですか、政府出資の額とか。

〔 経済産業省経済産業政策局井上産業再生課課長補佐 〕出資額につきましては、変わりはございません。

〔 富田分科会長 〕林田委員、どうぞ。

〔 林田臨時委員 〕成立した場合には産活法が廃止される手はずになっているという理解でよろしいですか。

〔 経済産業省経済産業政策局井上産業再生課課長補佐 〕おっしゃるとおりでございます。

〔 林田臨時委員 〕法律が国会にかかっているわけですから、大方の部分というのはもう法律の形になっているわけですよね。この産活法から振り替える部分の条文というのは、もうできているのですか。

〔 経済産業省経済産業政策局井上産業再生課課長補佐 〕もちろん今現在国会にかかっておりますので、政府案として国会に提出したバージョンというのはございます。

〔 林田臨時委員 〕そうしますと、何かこれまでとの扱いの違いというか、変わる部分はあるでしょうか。

〔 経済産業省経済産業政策局井上産業再生課課長補佐 〕はい、ございます。基本的には大枠は産活法時代のものと同じではございますけれども、再興戦略の中で、ベンチャー案件に対する投資をより迅速化するべきというご示唆をいただいておりましたので、それを踏まえまして、競争力強化法に移るに際しまして、ベンチャー案件に対する措置の迅速化というものを盛り込んだ次第でございます。

〔 林田臨時委員 〕あと、官民ファンドの運営に係るガイドラインができまして、検証の仕組みが変わろうかと思うんですが、内部でのチェックの体制についてはいろいろな仕組みで何重にもチェックしているということですが、外部からのチェックという部分でいうと、最後のページのところで、ほとんどが内容を報告、あるいは事前に説明ということになっておりますが、監査に近いような形での、このガイドラインにあるような検証といった仕組みは何か用意されているのか、実施する予定になっているのか、そのあたりはいかがでしょうか。

〔 経済産業省経済産業政策局井上産業再生課課長補佐 〕革新機構への経済産業省等からのガバナンスの仕組みということだと思っておりますけれども、今のご質問でいうところの個別の案件につきましては、まずそもそも革新機構の設立に際して、支援基準というのを策定しているところがございます。この支援基準というのを経済産業省の認可のもとにつくるということで、どういった案件に対して支援を行うかという大きな方向性について規定をしているということでございます。

次に、実際の個別案件の支援決定に際しまして、事前に意見照会というのを受けまして、本案件に対する当省からのある種のチェックというものを行っているところでございます。さらに法律の規定にもありますけれども、年度ごと、毎年度ですけれども、業績の評価ということをしておりまして、この中でも個別案件含めて、全体の業務のパフォーマンス等々含めて、当省から評価をするという仕組みを用意してございます。

〔 産業革新機構田中専務執行役員 〕専務執行役員の田中と申します。よろしくお願いいたします。

外部からのチェックという観点でいきますと、通常の会社法上の会社という形と、それから特別法の会社という形が私どもあるわけでございます。会社法上ということでいきますと、会計人監査というものがしっかりまずは入っております。それから、特別法の下では、50%以上の政府出資に関しますと、会計検査院の検査をいただくという形になっております。さらに財務省監査、これは理財局からの監査をいただくという形になっております。更に今、経産省さんからご紹介があったような、経産省さんの業務業績評価、こういう形でいろいろな形で外部からのチェックをいただいているという形になっております。

〔 富田分科会長 〕土居委員、どうぞ。

〔 土居委員 〕ご説明ありがとうございます。資料の16ページに財務書類が載っているんですけれども、第4期は当期純損失が98億円ぐらいですか。繰越利益剰余金がバランスシート上で186億弱あるということなんですけれども、今後の収支見通しはどうなっているかというのをお伺いしたいと思います。もちろんリスクマネーなので、それなりの損失が生じる可能性というのは、今後も含めてですけれども、ないわけではないと。つまり、投資したものが100%成功すると、そういうものじゃないとだめだというわけでは、当然これはリスクがあるわけですから、そういうことにはならないとは思うんですけれども、ただあらかじめどういう損失が生じる可能性がどの程度あるかということはきちんと踏まえた上で、成功すればそれが報酬として、収益として入ってくるということだというふうに当然理解されていると思いますが、将来の収支見通しと、今後行う投資におけるリスクをどう認識しておられるかということについて、お答えをいただければと思います。

それから、本来この分科会では、むしろ出資をする政府の側からの審議会ということですから、余計なことは言う必要はないのかもしれませんが、4ページに、民間出資者等の役割ということを書かれていて、現にこういうことだということはわかったんですが、少数株主である民間出資者ですね。別に少数株主のことを政府の委員会で慮る必要はないといえばないんですが、なぜ民間出資者がいるのかということについて、単に情報交換しているだけだという話だと、別に出資まで求める必要はあるのかというふうにも思うわけです。

これは官民ファンド、産業革新機構以外でも同様の問題を抱えていると思うんですけれども、アリバイ的に民間の出資者を入れているということになってはいないかということですね。いや、そうじゃないんだと、ちゃんと会社法上の少数株主権があって、その少数株主権は尊重していますという、そうすると、出資者としての政府の側からすると、そこまで民間を慮る必要があるのかという逆の立場もあるので、なかなか悩ましいところではあるんですけれども、もう少し単に情報交換や意見交換というだけの話では、あまり出資者という位置付けを意識したような役割とは言えないようなものにしかなっていないんじゃないかということを懸念するんですが、その点いかがでしょうか。以上です。

〔 富田分科会長 〕それでは、お願いいたします。

〔 産業革新機構田中専務執行役員 〕それでは、田中からご説明を申し上げたいと思います。

まず16ページの貸借対照表と損益計算書の件について触れていただきまして、今後の見通しも含めて答えよということでございますので、若干長くなるかと思いますが、背景をご説明したいと思います。

参考資料8ページをおめくりいただきまして、現在投資のコミットメントというのは、約6,800億円強という形になっております。このうち中・小型液晶の再編案件であるジャパンディスプレイに2,000億円、企業体質をより強固なものにして、マイコン等半導体のさらなるグローバル企業を目指すルネサスに約2,000億円弱という形でコミットしており、過半がこの2社への投資でございます。残りの3,000億円弱を五十数社に投資をする。ここに54社と書いてありますが、五十数社に投資をしており、2社を除けば、単純平均でいくと約60億円弱という形になりますが、特にベンチャー企業に39社ということで、実際は数億円から50億円未満の投資が多いという状況になっております。

投資を実際に開始したのが2010年3月でございますので、実質3年半で54件積み上げてきたわけでございます。この間、弊社の社員は昼夜問わず仕事をしてきたという思いはございます。私どもの狙いとするリスク体制の強い、いわゆるリスク・ペイシェント・マネーという考え方で、出資期間が、通常のファンドが3年から5年のところ、より長期の5年、7年としておりますので、EXITが本格化するのはこれから2年先以降という形になりまして、現時点ではアーリーステージである企業が数多いので、Jカーブの底にいる企業が多く、こうしたアーリーステージの企業については簿価近傍という形になろうかと思います。

ただしベンチャー、アーリーステージの企業の成功確率は、百三つ、千三つと言われているように非常に低いわけですけれども、私どもなりに徹底したDDや、その後のハンズオンの努力という形で、その確率を10のうち4から5ぐらいの確率、確度に迫れるのではないかという手応えを感じているところでございます。

一方、大企業案件でございますけれども、先ほど申し上げたジャパンディスプレイについては、業績は投資前の予想をはるかに上回るものになっておりまして、この分野ではグローバルで不可欠な存在になってきておりますので、なるべく早い段階でIPOを図ってまいりたいと存じております。既に上場しているルネサスについては、株価が年初来堅調に推移しております。また、海外買収案件も総じて堅調と言えるというふうに私どもは捉えております。いずれにしましても、リスクマネーの供給が不可欠なベンチャー投資を着実に行った上で、確実なリターンを見込める案件もポートフォリオに加えるという全体のポートフォリオバランスに配慮しているところでございます。

先ほどご指摘いただきました累損が180億円超といいますのは、今までEXIT案件が全くなく、ある種の経常経費のみということに加えまして、昨年度に初めて投資損失引当を計上させていただいたことで、非常に手堅い会計を志している結果、50億円弱の引当てを積ませていただいたところでございます。そういった形で180億円の累損でございますが、先ほど申し上げましたジャパンディスプレイの上場等を見込める状況になりました場合、この累損というのは解消されていくものと理解しています。全体としましては、今申し上げたバランスとしましては、元本を上回るアセットの評価になっているのではないかと考えているところでございます。まずは第1点目のご質問にお答えをさせていただきました。

2点目でございますけれども、民間出資者がこの程度ではアリバイ程度ではないのかというご指摘でございますが、情報交換の中には案件の持ち込み、あるいは実際に案件を実行した株主の方も少なからずございまして、投資家、出資をされた企業の方々からは、これは手前みそな評価かもしれませんけれども、一定の出資参加に対する評価をいただいているものというふうに理解しているところでございます。

無論5億円をいただいたことに伴う全体に占める出資割合からすると、それは非常に低いものでございますが、株主権という総会における議決権というよりも、そういった形で私どもの活動を日々見守っていただいて、さらにその案件に参加していただくということの意味におきまして、非常にご出資をいただいていることについての意味はあるのではないかというふうに考えているところでございます。まずはお答えを申し上げたいと思います。

〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。江川委員、そして冨山委員。

〔 江川委員 〕今のご説明で、ベンチャー投資と、それからそれ以外のものという区別がよくわかったのですけれども、資料の2ページ、投資の方針のところで、IRRではなくてマルチプルを重視というふうに書いてあるのですが、このあたりはそれぞれのものについて違ったマルチプルを考えていらっしゃるのではないかなと思うんですが、その辺の基準を教えていただければということ。

それから、それに絡めて、かなり大企業の再編というのと、そういうベンチャー的なものというのは、管理のノウハウとか、いろいろな評価の仕方も違うので、例えば組織の体制とか、あるいは最終的にどれだけ収益が上がった、ロスが出たというようなことを開示する際にも、もう少し分けていくというのもあり得るのではないかと思ったのですが、その辺についての意見を聞かせていただければと思います。

〔 産業革新機構田中専務執行役員 〕ありがとうございます。2点ご質問をいただきました。マルチプルについての考え方といいましょうか、案件ごとの目線の違いということでございます。

本日ご提出させていただいたペーパーの中には入っていないんですけれども、大きく分けまして、私どもの投資基準というものを申し上げますと、まずはプロフィタビリティ、収益性をしっかり上げていきましょうというのが1つの軸でございます。それからもう一つは実現可能性、フィージビリティをしっかりと、この期間の中でやれるのかということの把握というのが大事な点です。もう一つ、通常のファンドですとこの2軸でほぼ検討されるものというふうに考えておりますが、私どもはやはり公益性の高い組織といたしまして、投資インパクトというふうに内部では呼んでおりますけれども、社会的な意義ですとか政策性といったものを加味して投資をさせていただくという形になっております。

そうしますと、各々の案件を3軸でプロットしますと、すべてがマックスになるという案件にはならない。あるものは収益性が高いけれども、若干社会的なインパクトというのは弱いかもしれない。あるものは社会的インパクトは非常に高いけれども、収益性はトントンかもしれないという形になっておりますので、マルチプルは一律に何倍というところを設定しているものではございません。

したがいまして、各々の案件でプロットが、ポジションは違っておりますけれども、すべてのポートフォリオ全体としてこの3軸をマキシマイズするような形にしたいというふうに考えております。

ただ、IRRとマルチプル、先ほど小宮専務からご説明があったとおりでございますけれども、IRRといいますと、これは感覚的な物の言い方になるかもしれませんが、やはりEXITをなるべく早くして、倍という目標を設定した場合に、3年でやるのか、5年でやるのかによってIRRというのは当然違ってくるわけですけれども、どうしても短期化するドライブがかかりやすい手法だと捉えています。私どもは政府からいただいたお金もございますので、リスクペイシェントなお金ということで、比較的中長期にしっかりとバリューを高くしていくということで、7年かかっても2倍の価値にしていこうじゃないかという考え方でございます。大体2倍ぐらいを目標に、どの案件もクリアしていきたいなというふうには考えておりますが、あるものはより高く、あるものは若干低いものも出てこようかというふうに思っております。

それからもう1点、大企業側とベンチャー系、これを資本市場の慣行でいうと、ベンチャーキャピタルとプライベートエクイティというふうに呼んでもいいかもしれませんが、この2つを内在した、日本でも唯一無二といいましょうか、非常に数少ない会社になっているというふうに思っております。もちろん冨山先生が率いられた産業再生機構、これはターンアラウンドの嚆矢として非常に素晴らしい足跡を残されたわけですが、私どもはその先の成長マネーをどういうふうに供与していくか、それをアーリーステージのベンチャーキャピタルの段階、それからレイターのプライベートエクイティの段階、この両方を投与していこうという形になっております。

10ページ目をご覧いただきますと、私どもの組織図が書いておりますけれども、非常にフラットな組織をなるべく心がけておりまして、社長CEOのもとに、左側3つがいわゆる投資フロント業務と呼んでおりますけれども、投資事業グループ。これが先ほど江川先生がおっしゃった大企業関係というふうに、ベンチャー以上、大企業までというような形になっております。

次の戦略投資グループが、非常にアーリーステージの、大学の研究開発を一歩出たところぐらいから、レイターのベンチャーステージぐらいまでを、この戦略投資グループが担うという形になっております。それから、ポストインベストメントグループというのは、投資した後のバリューアップをはかるというチームになっておりまして、その右側が、小宮専務が率いられている企画調整グループ。それから、経営管理グループ、私が担当させていただいておりますけれども、コーポレート全体の財務と、あるいは会社、投資先のモニタリングを担当させていただく部署という形で、ミドルオフィスとフロントオフィスがいい意味で牽制し合う構造にさせていただいているところでございます。

そういう意味では、まず投資の役割分担はこういったグループごとに分けておりまして、そのグループの応募者というのは、やはりVCバックグラウンドを持った方々等が戦略投資に応募し、PEバックグラウンド、あるいはコンサルバックグラウンドを持った方々が投資事業グループに応募するという形で、一定程度人材の区分けができているところでございます。まずはご報告をさせていただきます。

〔 富田分科会長 〕冨山委員、どうぞ。

〔 冨山専門委員 〕ガバナンスのところにちょっと戻るんですが、コメントの中にもあったと思うんですが、こういったタイプのガバナンスを論じるときに、ガバナンスが極めて重要であることは言うまでもないわけなんですが、その一方で、私の体験的事実をストレートに申し上げると、ガバナンスに名を借りた政治的介入が起きやすいんですよね、個別案件に関しては。極めて多かったと言いましょう、あえてストレートに。これをはねつけるのは結構大変で、役所の側も与党の大物みたいな人に言われちゃうと、さすがに全く無視はできないので、やっぱり何とか言ってこざるを得ないという状況は現実にあります。

そういった意味合いでいうと、ガバナンスの議論をするときに、あくまでもやっぱり個別案件に対してではなく、組織運営の全体状況に対するガバナンスであるべきで、その辺のある種の規律ですね、反対向きでの規律というのが、これはどちらかというと経産省に聞いたほうがいいんでしょうけれども、どういうふうに整理されているんでしょうかというのが、1つ目の質問です。

それから、マルチプルアプローチというのは私も全く正しいと思っていて、IRRというのは明らかに短期化する動機付けを与えるので、そこは私もそのとおりだと思っているんですが、その基本で、組織全体の投資機関としての長期の評価というのは、やっぱり一方でIRR的な評価をしておいたほうがいいのも事実なので、その辺はこれも個別案件ではなくて、組織全体としてはそういう評価を一方でしておくほうがいいのかなとはちょっと思いました。

それからあと、ベンチャー投資に大分重心を置いてこられたということは、この場でも何度も議論があったことなので、私も極めて好ましいことだと思っております。なんですが、これも今ありましたように、そうなると人が入れ代わってくるといいましょうか、さっきおっしゃっていたように、エクイティの中でもバイアウト系の人とベンチャー系の人って、例えて言えばプロテスタントとローマカソリックぐらい違うんですよね。仏教徒ほどは違わないけれども、それぐらい違うところがあって。そうすると、当然人の入れ代わりが起きるんでしょうと。

そのときに、割とやっぱりこういう組織というのは特殊で、普通の民間の感覚だけでやるとまずい部分というのがあるわけで、ある種公益性、社会性という軸、あるいは準公務員のはずなので、そういった規律とかは、ちょっと民間では求められないストライクゾーンの狭さがあると思うので、やっぱりこれは割と踏み外しがちというか、悪意なく、本人としては、民間としては全く正しいことをやっているつもりなんだけれども、やっぱり公的機関としてはまずいでしょうということが再生機構でもいっぱいあったので、新しい人が入ってくるときにその辺の訓練、トレーニングといいましょうか、その辺はどうされているのかというのがもう一つの質問。

ちょっと長くなりますが、この事例の最後のほうに幾つかファンドと組む、ややファンド・オブ・ファンズ型のフレームワークが出てきていて、これも私はむしろ進めるべきだと思っているんですが、一番の元になっている、産投ワーキンググループの中の議論として、ベンチャーに関して1つの大きな問題意識としてあったのは、日本のベンチャーキャピタルというのは出自においていろいろねじれがあって、本来の欧米型のインディペンデントでプロフェッショナルで、もともとエクイティDNAの人たちが集まってやっていくというプロ型の組織がなくて、ほとんどが大企業丸抱えの子会社という形になっていることに、なかなか本来のVCの役割を果たせなかった1つの背景があるという整理があったと思うんですね。

そうすると、当然これはもしファンド・オブ・ファンズで組んでいくとしたら、むしろそういう指向性を持っているベンチャーキャピタルと組むべきだと私は思っているんですが、幾つか出ているこういうファンド・オブ・ファンズ的な組み方をしている相手の選び方において、どういう思想で選ばれているのかということと、実際どういう人たちなんですかというところを、説明いただければうれしいなと。

それから、最後に1点だけ。これは再編ものとベンチャーものを比較したときに、再編ものに関しては、やっぱりどうしても再生的側面と背中合わせな部分が必ずあるはずで、この領域に関しては、いわゆる狭い意味での民業圧迫的な話プラスアルファ、JALが対峙したような競争歪曲の問題もどうしても出てくると思っています。そうするとこれはやっぱり経済状況が平時、好景気になってくると、どちらかというと二重の弊害が起きやすい領域なので、慎重に考えるべきなんだろうなという、私はそういう整理をしています。

一方でベンチャーの話は、競争歪曲を議論してもベンチャーはしようがないので、これはむしろ民業圧迫だという議論なんですが、民業圧迫論に関しては、今私が申し上げたように、どういうベンチャーキャピタルをエンカレッジしていくか、そこが重要だと思っていて、そこはあまり懸念していないんですが、再編ものとベンチャーものの関係性、今後の取り組む重点とかというのは、今、どういう整理になっているのかというのを教えていただければ幸いです。よろしくお願いします。

〔 富田分科会長 〕では、お願いいたします。

〔 経済産業省経済産業政策局井上産業再生課課長補佐 〕幾つかご質問をいただきましたけれども、冒頭のご質問で、ガバナンスの関係で、特に政治の関与からの公平性の担保のところなんですけれども、委員ご指摘のとおり難しい問題がございまして、委員も政官の関係というのはご存じのとおりでございます。基本的なスタンスとしましては、どのような案件も我々は公平、公明正大に扱うことを旨としており、政治から持ち込まれた案件についても、ほかのものと変わらずに審査をしてもらうこととしておりますというスタンスでお答えをしております。その結果として、我々として基本的には革新機構の窓口などを求められることが多うございますので、そういった場合には革新機構の者と相談をした上で、例えば窓口などを紹介しておりますが、審査につきましては、あくまでほかの案件と同様にやるということになってございます。

〔 産業革新機構小宮専務執行役員 〕ちょっと補足をしますと、そういう政治的な案件というのは時々くるわけですけれども、基本的には私のところに全部集められる仕組みになっています。それでいろいろとお話をお伺いしますけれども、それをいわゆるプロ職の人たちに平板な目で見ていただくという形にしておりまして、基本的にはほかの普通の一般案件と全く同じ基準で選択をして、処理をさせていただいているというのが実情でございます。

それから、今ちょっと再生課から説明が漏れましたけれども、これは革新機構の根拠法律である産活法では、先ほどもちょっと説明をしましたが、経済産業大臣及び事業所管大臣は、個別の投資案件に意見は言えるんですけれども、こうしろとかこうするなという命令は出せない仕組みになっています。したがって、もともと政府との間では、バイアスを遮断する仕組みがビルトインをされており、そういう意味では、独立性は維持されているということだと思います。

〔 産業革新機構田中専務執行役員 〕それでは、2番目のご質問以降をご説明させていただきたいと思います。2008年に基本問題検討会において方向性をいただいて、2009年7月に発足し、4年半たちました。私はday1からおりましたけれども、当初設立直後、10名弱から始まりまして、今まで120名になりまして、こういったふうに順調に拡大させていただいたのも、先生方をはじめ当局の方々のご支援の賜物だというふうに感謝申し上げております。

120名のうち約80名がプロフェッショナルな投資担当職員でございまして、現在では大体45名と30名、さらにポストインベストメント10名弱というような構成になっておりまして、非常に陣容も整ってきたところでございます。

この1年いろいろな方々に、去年問題提起をいただいて、官民アドバイザリーボードに結実したというふうに理解しておりますが、やはり民独自の経営というものと、それから官のアカウンタビリティというものの距離感について、やや計りかねているところもございました。それを先生方のおかげでこういう形で指針をいただいて、しっかりとアカウンタビリティを発揮していこうという形で、今現在目線は一致しておりますので、今後ともご指導いただきたいと思います。

そういった意味で、例えば今、先生がご懸念いただいたのは、案件によっては全くある意味での投資インパクトというものがなくて、収益性だけ狙っているのではないかということかと思います。そこはしっかりとやはり投資インパクトとは何かという軸を内部で議論させていただいて、私どもなりにこなしていきますし、社外取締役から構成されております産業革新委員会、これは外部の先生方の目というのも非常に肥えていらっしゃいまして、まずそういう投資インパクトは何だということを聞かれますので、内在的にまずはそういった案件が出ないようにしていきたいと思います。また当局からのご指導もいただいて、調整をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。まずは2番目の質問がそこでございます。

3番目ですが、ベンチャーのファンド、ファンド・オブ・ファンズ的な動きというのが、この夏以降開始いたしました。財政投融資に関する基本問題検討会においての報告書にも、ファンド・オブ・ファンズの方向をしっかりやるべきたというお話をいただいていたので、そういう意味では、それを実現させていただいたということについては、私ども、一定の前進だというふうに考えておりますけれども、やはりこれはばらまきであってはいけないと。産業革新機構、せっかくいただいたこのミッションを共有できるファンドの方々にご出資をさせていただくというのを旨としております。

そういう意味で、大きく分けて本当にベンチャーキャピタルファンドと言われるものに対しては3つでございますが、1つ目は、非常にアーリーなインキュベーション的な、大学の研究をインキュベーションしていくようなところに対するファンド投資というのが1つございます。

それから、今、冨山先生からおっしゃっていただいた、大企業のカーブアウト。これを促進するようなファンドを見つけまして、そこにご出資をさせていただく。これはグローバル・ブレインというところでございます。このグローバル・ブレインのトラックレコードも非常に立派でございまして、企業のカーブアウト、企業の中に眠っている隠れた技術、サービス等を引き出すということを、まずは旨としていくファンドでございます。

もう一つのファンドは、まだ未公表でございますが、海外、シリコンバレーと協業して、日本とシリコンバレーを結んで価値を生み出していく、こういったファンドに対する投資をさせていただいているところでございます。

それから、最後、再編案件について、再生的な側面というものがあるから、しっかり気をつけろという言葉、本当にありがとうございます。特にこの点はルネサスに向けて言われているところが大きいんじゃないかと思っておりますが、ここは私ども、私も最初の日からいる者として、絶対に再生案件については実施しないということを自戒してやってまいりました。そういう意味では、再生フェーズから脱したグロースフェーズでしっかり投資をしていくということでございまして、ルネサスにつきましても、親会社、あるいはメガ銀行というんでしょうか、メインバンクの方々が一定の再生の資金を出した後に、私ども成長資金を入れたという考え方になっておりますので、若干今後また更なる体質の強化という意味でのリストラもあるかもしれませんが、それは毎年の経常利益から生み出してそれをやっていくというような考え方をとっておりますので、私どもは成長資金の供与ということについてはしっかりと目線は合わせていきたいというふうに思っております。

民業圧迫という観点でいきますと、まずはVC的な民業圧迫についてはあまりご心配ないとおっしゃっていただきましたけれども、やはりセレクティブにさせていただくということで、私どものバリューと共有するところにまずは投資させていただくということでございます。

それから、大規模な案件に関します民業圧迫については、ご指摘のとおりでございますので、通常の大規模なプライベートエクイティファンドがおやりになるということであれば、それはそれを尊重して参りたいと思います。ただしそういう方々でもエクイティが足りない、協業をしようというお話がございますれば、私どもも積極的に民業補完という観点から、協業させていただきたいというように思っておりますので、全体としまして、アーリーステージからレイターステージ、さらには海外買収というところに至るまで、バランスよくポートフォリオを構築してまいりたいというふうに考えております。

〔 冨山専門委員 〕すみません、1つだけ。さっきのベンチャーキャピタルのパートナリングなんですが、ユーテックは私、よく知っているのでどういうところかわかっているんですが、ポイントは、要はさっき申し上げたように、技術的に独立的なプロフェッショナルが集まっているタイプの組織じゃないとこういう仕事はできないと思っているところ、ユーテックは東大がついていますけれども、ご存じのとおり非常に独立的なプロフェッショナルな集団になっているんですね。このグローバル・ブレインさんも、そういうネイチャーの組織だと思っておいてよろしいんでしょうか、GPとしては。

〔 産業革新機構田中専務執行役員 〕非常にプロフェッショナルな方々で、立派な経営者のもとで哲学を持っていらっしゃって、私どもは非常に共感するところの多いファンドというふうに理解しております。

〔 冨山専門委員 〕ありがとうございました。

〔 富田分科会長 〕では、川村委員。

〔 川村委員 〕簡単に。1つは、非常に小さい質問なんですけれども、この資料2の3ページにある投資運用方針の見直し、ポートフォリオマネジメントで委員会が3つ、投資委員会、モニタリング委員会、個別検討委員会と記載してご説明いただいたんですけれども、このそれぞれの委員会というのは、メンバーはほとんど重複するということなんでしょうか。それとも、ほとんど重複しない、全く別の委員会ということなんでしょうかという質問が1つです。

それともう一つ、この産業革新機構というのは、言ってみれば官民ファンドの先駆けとして、いろいろ世の中の批判や、ある意味無理解もある中で、ここまで実績を積み上げられてきて、それは大変評価できることだと思っております。ただ同時に、ここのところ陸続としてさまざまな官民ファンドというものが出てくる中、いわゆる官民ファンドの中でのデマケーションをどういうふうに考えていくのかということは、やはり重要なテーマなんじゃないのかなと。

というのは、今までは基本産革しかないので、すべてこの投資方針に当てはまる範囲は全部アーリーステージからマチュアなものまで含めて、いろいろな分野もやってこられたと思うんですけれども、今度は切り方が違うものの、Aファンド、Bファンド、Cファンドというような官民ファンドが出てきたときに、今後あり得るべき重複に関して、今後産革さんとして取り組む分野というものについてどういうふうに考えておられるのか、これを教えていただければと思います。

〔 富田分科会長 〕では、お願いします、簡潔に。

〔 産業革新機構小宮専務執行役員 〕では、先にちょっとデマケーションの話をいたしますけれども、今ご指摘のように、我々支援基準に基づいて投資をするということになっております。それで確かに分野的に重複するように見えるところもあるかもしれませんけれども、ただそれでももともと設置された趣旨とか目的によって、やっぱり投資のホライズンとか、もしくは何を求めるかというところは当然異なってまいります。したがって、そういう意味では、業種の際でデマケーションをつけるというよりは、むしろアングルが違うというところで、デマケーションは個別案件ごとについていくのではないかというふうに考えております。

〔 産業革新機構田中専務執行役員 〕デマケのことを一言だけ補足させていただきますと、今後、先生ご指摘のご懸念というのは非常に多くなってくると思います。ただし、そこをよく見極めて、具体的な案件でケース・バイ・ケースにやっていくというのは小宮専務の申し上げているとおりでございますけれども、両方のファンドが並び立つことによって、適正な競争関係ができているケースなのか、あるいは補完関係が必要なケースなのか、あるいは政策的調整で、どちらかにちゃんと任せなさいというケースなのか、この辺はよく見極めて、私どもなりに判断いたしますし、また監督ご当局のご意見もいただきながら、調整させていただきたいと思っております。これはもしかしたら補完関係になるとのことであれば、私どもの観点から経営に関与するということもあるのではないかと考えております。

例えば、大規模案件でいきますと、私どもがエクイティで入って、デットで政策投資銀行さんが入るというようなケースも、今後出てくるかと思いますので、そういう役割分担をしながらということも、一定程度頭に入れてやらせていただくということでございます。

それからもう一つ、案件の検討プロセスでございますけれども、こちらも参考の15ページを開けていただきますと、投資連絡会、個別検討委員会、投資企画委員会がどういうタイミングで開かれるかというところも書いてありますので、また後ほど見ていただければというふうに思っておりますけれども、まず投資連絡会はほぼ投資担当職員全員が参加する会議でございます。これは月曜日の午前中にぶっ通しでやらせていただいております。それはEV投資連絡会という、アーリー投資のものも同様でございます。

投資企画委員会というのは、基本的に投資の枠組みとか、法制上の面とか、システムとか、そういう投資環境を議論するものでございます。投資委員会というのが、投資決定に至るまでの内部のフォーマルな会議体でございまして、これを2回から4回内部でしっかりやると。これは基本マネージングディレクター以上ということで、数でいきますと15名程度の会議体になります。

それから、個別検討委員会というのが上から3番目にございますけれども、これにつきましては各々の投資した後、非常に問題点が浮かび上がってくる、あるいは、フラッグが立ったというような見通しを非常に大幅に下回るとかという案件については、その案件独自に担当者とメンバーを絞って、経営陣と絞って、これは何人ということではございませんけれども、対応を協議する場でございます。

さらに一番下の産業革新委員会というのが、社長、社外取締役を含めて構成される最終的な投資委員会、決定委員会という形になっています。そういう形で、メンバーは各々人数的には異なるということを、まずご報告したいと思います。

〔 産業革新機構小宮専務執行役員 〕メンバーが同じかどうかという端的なご質問なんですけれども、重なっていることは確かです。ただし、今ご説明ありましたように、プロセスが異なっておりまして、投資委員会をリードするのはディールチームでございます。それから、モニタリング委員会は、田中専務が指揮する経営管理グループの中にあるモニタリング室がリードをします。それから、個別検討委員会は、参考資料の10ページに執行体制表が出ていますけれども、この中にございますポストインベストメントグループと、それからモニタリング室が共同で個別検討委員会をリードしてございます。

したがいまして、確かに議論するメンバーは重なっている部分はございますけれども、ここに出されてくる資料というのは、当然違う人々がつくっているということでございます。以上です。

〔 富田分科会長 〕最後の質問にしたいと思います。福本委員。

〔 福本臨時委員 〕すみません、官民ファンドというと、そもそも論で恐縮なんですけれども、要するにリスクが非常にあって、よくわからないところで民間のお金がなかなかつきにくいところで、官の部分が出ていくことによって、これがいわゆる呼び水になって民間の資金が入ってきて成長していくような事業が誕生し、いいことだと。そういうことだと思うんですけれども、呼び水にどれだけなっているかというと、設立からそんなにまだ何年もたったというわけではないですが、呼び水になっている経路がまだよく見えないと思うんです。

例えば、私のイメージですと、機構さんが出資、あるいは投資されるということで、そこをやると、なるほどこういう面白いことが出てきたなというので、ほかのファンドが、投資家がそこに参加してくるということで、事業体が頑張っていくということだと思うんですけれども、どうも産業革新機構さんと一緒に、パートナーになっている相手というのは、ほとんどが大手のメーカーとか、それから大手の商社とかそういったところが多くて、その投資先はベンチャーみたいなところもあるかもしれませんけれども。そうすると、これって結局自力である程度面白い技術だと思って探してきて、そこに出資したり買収したりすればいいようなところに対する、これは要するにある種補助金になっているんじゃないかと思えるような気もしないでもないんです。

なので質問としては、これが呼び水になっていて、産業革新機構が出ていくんだったら、私も出資しますよというのがつながって出てきているのかということがお聞きしたいんですけれども。

あと個別の案件で非常に恐縮なんですが、例えばこれは2年前だと思うんですけれども、スイスのスマートメーターの開発、製造、販売のランディス・ギアというところに対して、東芝と一緒に参加されていますけれども、これって19世紀からある立派な会社で、この分野ではグローバルシェア1位と書いてあるんですけれども、だから当然ベンチャーでもないわけですよね。パートナーとしては東芝だということで、こういうのってどうしてここに産業革新機構が出ていかなきゃいけないのかと。本当に個別の案件で恐縮なんですけれども、わからないで、ちょっと象徴的かと思ったので、教えていただきたいと思います。

〔 富田分科会長 〕お願いします。

〔 産業革新機構小宮専務執行役員 〕まず呼び水についてのご質問ですけれども、幾つかのプロセスがあると思っております。例えば、ベンチャー投資については、これまでの時点で19件の案件で、ベンチャーキャピタルと共同投資をした形になっております。これは我々が入ることによって、新しく一緒に共同投資をしたような案件もあれば、逆にベンチャーキャピタルのほうから、より大きくしたいんだけれども、お金が足りないからぜひ投資をしてくれませんかといって入ったような案件もございます。そういう意味では、我々が入ることによって、実はベンチャーキャピタルのお金が新たにベンチャー企業に流れ込んだり、もしくはその流れ込んだお金をさらに有効に発展をさせるという効果が、1つあろうかと思っております。

それからもう一つ、これは呼び水という観点よりちょっと広い概念になりますけれども、出資したベンチャー企業のお話を聞いておりますと、例えば産業革新機構が入ったことによって、大企業との取引先が開けたといったようなお話が意外と多く聞かれます。これはどういうことかというと、それまでは大企業に話しにいっても、担当者レベルで追い返されていたのが、産業革新機構が投資をするのであれば、そこはちょっと信頼できるということで、話を聞いてもらえたと。それによって新しい協業が始まったといった事例も見られてございます。

これはどうもいろいろとお伺いしてみると、単純に国の金だということだけではなくて、先ほどいろいろとご指摘ありましたけれども、実は大企業との間の事業再編的な投資。これは最終的に成立したものもあれば、成立しなかったものもあるわけですけれども、そのプロセスの中で、我々のやろうとしているいわゆる金儲けだけではなくて、産業を革新していこうというところが、ある程度ご理解が進んだことによって、大企業のほうでも、そうであれば、そこが投資をしているベンチャーであればつき合ってもいいんじゃないかといったプロセスが、近ごろ生まれてきていることが見られております。これもある意味で我々からすると、広い意味での呼び水ではないかというふうに思っているところでございます。

更に、我々が入ることによって、1つの情報の集約になるという観点で、今の話の延長線上になりますけれども、新しい企業との協業が、更に我々がいろいろなネットワークを駆使して紹介をしてあげるということもやったりしておりまして、そういう意味では、民間のベンチャーキャピタル、それから先ほど申し上げたように、事業会社の新しい取引、もしくは事業の呼び水になろうとしていますし、ある程度それは成功し始めているというふうに思っております。

それから、ランディス・ギアについてのご質問でございますけれども、これはもともと法律及び支援基準の中で、事業再編もしくは海外買収といったことについても、INCJの機能として定められているわけでございますけれども、これもオープンイノベーションという地平の中では、別に企業の大小を問わず、ある意味でプロセスは同じであろうと思っております。つまり、東芝が持ち得なかったスマートメーターの技術を、ランディス・ギアがその技術及び世界における販売ネットワークを持っているわけでありますけれども、これを東芝と融合をさせることによって、より強い事業をつくっていくというところも、産業革新機構に与えられたミッションと理解をしておりまして、そういう意味におきましては、我々の支援基準によって定められた範囲の中においてやった投資であるというふうに理解をしてございます。

〔 富田分科会長 〕まだまだ議論が尽きないのでありますけれども、このあたりで産業革新機構につきましての質疑を終了したいと思います。関係者の皆様にはご退席をいただきます。ありがとうございました。

〔 産業革新機構田中専務執行役員 〕ありがとうございました。

〔 産業革新機構小宮専務執行役員 〕ありがとうございました。

((株)産業革新機構 退席)

〔 富田分科会長 〕事務局の予定からは遅れておるんですけれども、続きまして、農林漁業成長産業化支援機構についてヒアリングを行いたいと思います。

((株)農林漁業成長産業化支援機構 着席)

〔 富田分科会長 〕それでは、農林漁業成長産業化支援機構の運営状況について説明をお願いします。

〔 農林漁業成長産業化支援機構古我取締役専務CIO 〕はじめまして、機構の古我でございます。投融資のほうを担当させていただいております。それでは、早速ですが、機構のご説明をさせていただきたいと思います。

まず、ご存じのように当機構は今年の2月に開業いたしまして、約10カ月ほど運営を行ってまいったわけでございますが、とりあえず開業から注力いたしましたのは、私どもと地域において6次化事業体と言われるものに投資を行うファンド、これは投資事業組合でサブファンドと呼んでおりますが、地域にサブファンドを組成していくということを中心に活動を展開してまいりまして、その結果、直近、地域の金融機関とパートナーと組みまして、機構が50%出資するという形でサブファンドは34件、コミット総額で600億程度になるような成果を上げております。今後はこのサブファンドの設立をさらに進めていき、できましたら全国都道府県に1ファンドはつくっていただければというふうに考えております。

それと同時に、並行いたしまして、当然のことながら投資会社でございますので、投融資のことにつきましても鋭意サブファンドのほうと協力しながら投資活動を行ってきておりまして、こちらにつきましては秋ごろからぼちぼち成果が出始めて、目下のところサブファンドさんのほうから提案がありましたうち6件につきまして、同意をしております。

それでは、お手元に配付させていただいております資料、横A4の、タイトルが機構の運営状況につきましてというものに沿って、手短に説明させていただきたいと思います。

まず1ページ目から、タイトルにございますように、官民ファンドの運営に係るガイドラインへの対応の状況がどうなっているかという観点につきまして、簡単でございますが、説明させていただきます。

まず政策目的でございますが、これにつきましては機構法に基づき、私どもの機構は設立されておりまして、その事業内容は法に規定されておりますように、6次産業化・地産地消法というものに認定を受けた事業体に対して出資による資金供給を行うことで支援を展開すると規定されておりまして、その目的とするところは2つありまして、農林漁業の経営の安定と向上、農山漁村の活性化ということを目指すということになっております。

2つ目に、民業との補完関係につきましては、先ほど申し上げましたように、地域の金融機関とともに、地域に投資事業有限責任組合、サブファンドというものを設立して、この仕組みの下におきましては、まずそのファンドを一緒に立ち上げた地域の金融機関さんの地元におけるリレーションシップバンキングの機能というものを十分に発揮していただくということで、投融資を実行していくことを狙っておりますので、そういう観点で機構の出資コミットが民間資金の呼び水になるということで進めております。この投資事業有限責任組合ですけれども、一般的な民間のプライベートエクイティのファンドに比べまして、15年の投資ファンドの期間になっておりまして、長めに設定しておりまして、この辺は民間との差別化ということが言えるかと思います。

その他、基本的にサブファンドさんが主導を握って活動していただくんですが、機構は彼らと協調して、個別のサブファンドからの投資案件の審査及び投資後の事業体の経営支援を行うということで、手に手を取って民間の金融業務に携わる人と投融資業務に通じた人材を育成して、全国津々浦々にそういう能力を持った機能を持つ地域の金融機関さんが、またそれを土台にして大きく地域での金融機能を果たしていただきたいということを考えております。

次に、投資を行うに当たって気をつけなきゃいけないことは、監視、牽制する、いわゆる手続的にきちんとなっているのかということでございますが、サブファンドの運営につきましては、基本的には有限責任組合員である機関さんが、案件の発掘から回収というところまで責任を持って主体的に取り組んでいただくという建て付けになっておりまして、機構はもちろん他の有限責任組合員さんも一緒になって、その有限責任組合員さんの業務執行を支援するということで、2月からやっております。

具体的にはですが、ファンドができまして投資が始まるということになりますと、毎月GPとLPが参画して経営支援委員会を開催しておりまして、その中で投資先の運用状況、それからサブファンドの投資案件の開発状況等について、我々情報を共有して、さらに定期的に投資先の財務諸表等の報告を受けるという形で、機構によるサブファンドの監視・牽制機能を担保しております。次に、逆に機構そのものの業務運営の監視・牽制はどうなっているかという点につきましては、機構が例えばサブファンドに対して支援をする決定等、それから事業がどのように遂行されているかということに関しましては、予算の報告を含めて事業報告について、農林水産大臣の認可事項となっていることにより、我々に対する監督官庁による監督・牽制機能が働いているものと考えております。

加えて、もちろん機構には社外取締役が配置済みではあるんですけれども、今後サブファンドが投資を実行していくことが拡大するにつれて、モニタリング等経営支援という面も新たな仕事として機構に加わっていくことも考えられますので、そういう実態を見ながら、監査体制を充実したいと思っております。

続きまして、次のページの4の投資方針。これは2つに分かれまして、サブファンドの組成につきましては、機構はサブファンドの提案をしてくるGPさんの案件の組成力とか、事業を審査する能力とか、経営支援の遂行能力、それから信用力等を審査して、サブファンドの設立提案に対して支援決定を行っております。

2つ目に、サブファンドによる個別案件への投資の観点につきましては、まずサブファンドを運営するGPさんのほうで、案件に対する出資について一時的な判断をしていただいて、機構のほうに同意を求めてこられて、それに基づきまして、私どものほうで支援基準に基づいた適合性・事業性等の観点から審査して、決定をしております。2つ目には、先ほど申しましたように、ファンド自体が15年という長期の投資期間になっているということと、投資後、事業体の運営につきましては、積極的に支援をしていくという形により、事業者、事業会社が今後継続的な成長をできるように、積極的に関与していくという方向でございます。

続きまして、投資を判断する過程でございますが、これも2つに分かれまして、サブファンドの組成・支援という決定につきましては、そこに書いてございますように、機構法・支援基準に基づきまして、先ほど申し上げました観点から、サブファンドの能力を審査し、それから農林漁業成長産業化委員会にて社外取締役の方々の参画をもって承認をしていただきまして、その後ホームページで意見募集を行い、農林水産大臣の認可を経るというプロセスを経た上で、支援決定をしております。

2つ目の投資の判断ですが、サブファンドによります個別の案件への投資について、どういう意思決定の過程を経ているかということにつきましては、これもまた機構法・支援基準に基づきまして、適合性以下いろいろな観点から審査をやっておりまして、まずサブファンドのGPというところが事業提案者からいろいろな事業の構想につきまして情報データを入手していただきまして、それを機構と共有するということで、相互補完的に案件の審査を進めていきます。

まずサブファンドのほうで決定していただいた案件につきまして、経営審議会、これに私どもと、さらに他のLPさんが参画して、そこでGPが投資方針を決定し、それを受けて機構のほうで審査の上で同意を申請し、それを今度機構内の投融資検討会で承認した上で、先ほど出てきました農林漁業成長産業化委員会において意見を求め、それを踏まえて機構として同意決定を行っているというプロセスを経て、業務を行っております。

続きまして3ページ目、最後のページになりますが、こちらでは投資を行った後のサブファンド、それからサブファンドによる個別の事業体に対するモニタリングについてどういう方針かということについて述べさせていただきます。基本的にはサブファンドのGPが個別の投資先に対するモニタリングをやっているという中で、事業会社のほうから月次・四半期、あるいは決算ごとに進捗状況を適宜入手してもらって、それに基づいて機構のほうにも適宜報告を上げてもらっているということになりまして、先ほどのようなサイクルで機構のほう、特に投融資本部のほうですが、そちらのほうが情報、報告を受領し、それについて分析・評価して、必要であれば何らかの対応方針を明確にするということを行った上で、その方針について別のセクションで検証を行いまして、その結果につきましては、CIO、私のほうから、先ほどの投融資検討会に適宜報告するというモニタリングの体制をとっております。

2つ目に、事業会社がうまく成長いたしまして、出口を迎えるという局面に入りますと、これにつきましても支援基準の中に要請が、きちんと規定がございますので、農林漁業者の意向を十分配慮して、適当な形でのEXITを決定していくということになっております。

3番目に、こういったモニタリングとかその過程での評価に関する情報の開示ということに関してですけれども、これにつきましては、まだ機構も業務を始めて、経験をこれからどんどん増やしていく中で、適切なものをつくっていきたいと考えているんですけれども、基本的にはサブファンドのモニタリングを行う際に必要となる何らかの指標を設定して、それについて政策目的、支援、それから事業の成果というようなものを踏まえて、数値化できるようなものを考えたいということで、現在作業しております。

最後に、監督官庁及び出資者たる国と各ファンドの関係でございますけれども、2点ございまして、1つは国民への説明責任。これにつきましては、サブファンドの支援決定をした後、農林漁業者、その他関係者に対する意見募集を実施しておりまして、個別の6次化事業体へのGPからの出資に対して同意を決定した結果につきましても、同じく私どものホームページで公表をさせていただいております。

2点目ですが、監督官庁・出資者たる国との関係ですが、先ほどのような投資の内容につきまして、適時適切な報告を監督官庁と出資者たる国に対して行う所存でございます。投資実行後のモニタリング状況、それからEXITを迎えるに当たって等々の状況についても、同じように適切な対応をとっていきたいというふうに考えております。

以上、走らせていただきましたけれども、まだ10カ月ぐらいの短期間ではあるんですけれども、私どもといたしましては、一応ガイドラインの方向に沿って機構の運営、サブファンドの運営をやっているのではないかというふうに自負しております。以上で、私の説明を終わらせていただきます。

〔 富田分科会長 〕ただいまの説明につきまして、ご意見ご質問等ございましたらお願いいたします。では、土居委員、吉野委員、そして中島委員、江川委員の順にお願いいたします。

〔 土居委員 〕ご説明どうもありがとうございました。1点だけ質問させていただきたいと思います。

EXITの方針については説明をいただいて、かつ参考資料にも詳しく具体的なものを書かれておりますけれども、もし投資案件で必ずしもうまくいかなかったものがあった場合に、どういう形で損失を最小化するかという観点について、どのようにお考えなのかということをお伺いしたいと思います。以上です。

〔 富田分科会長 〕それでは、簡潔にお願いします。

〔 農林漁業成長産業化支援機構古我取締役専務CIO 〕はい。今おっしゃったご懸念につきましては、基本的にはモニタリングをより高度化して、できるだけ状況の把握に努めて、不安なことが起こることを基本的に予防したいと、それが発覚した時点においては、適切な考えられる限りの対策でもって事態の修復に努めるという中で、何とか当初想定しているようなパフォーマンスを上げるような投資をやっていきたいということで、今は考えております。

〔 富田分科会長 〕吉野委員、どうぞ。

〔 吉野臨時委員 〕ただいまのお話を聞いていますと、やっぱりミクロ的な案件が上がってきて、そこからサブファンドをつくっているような印象だったんですが、日本全体としてやっぱり農業の高コスト化とか、それから輸出できるような農業をつくりたいとか、やっぱり大きな流れとしてあるような気がするんですけれども、そういう全体で何かやりたいことと、ミクロな案件が上がってきた一つ一つと、どういうふうに考えながら、どのプロジェクトを採るというようなことを考えられていらっしゃるのかが1つと、2番目は、やっぱり長いスパン、15年もあるとすると、あるときはうまくいかなくて、そこで引き上げるか、それともそのまま続けるかという、そういうノウハウが必要ですけれども、そういうノウハウをきちんとお持ちの方々がたくさんおられて、15年間のライフスパンの中でできるのかどうか。

それから最後は、いい事例が出てきたときに、それを全国に同じように広げたり、あるいは失敗した事例があればこういうのは難しいんだというように、せっかく出てきたノウハウを日本全国の方々に広めるような、そういう仕組みがあるのかどうか、その3点をお聞きしたいと思います。

〔 富田分科会長 〕中島委員、どうぞ。

〔 中島専門委員 〕ご説明どうもありがとうございました。今の吉野委員の話にもちょっと絡むんですけれども、投資のときにサブファンドの支援と、それから個別案件の投資と2つ基準があって、すなわちスクリーニングが2回あるということですね。いずれも採算性とか、趣旨、公平性、政策性とか、そういうものを基準にしていくとすると、随分バッティングすることも出てくるんじゃないかと思います。サブファンド自体の採算性をとるためには、やはりサブファンドにある程度案件がたまってくるというのが必要だと思います。ただ、案件が、全部政策性といった観点から間尺に合うのかどうかということもあると思うので、そこら辺はどういう形でバランスをとっていくということなのか、教えていただきたいというのが1点です。

それから2点目は、今の話にも絡むんですけれども、いわゆる六次化の支援のための機構なので、ぜひ形として、単に生産して販売するまでを一気通貫につなげるということだけではなくて、生産のところからなかなか販売につながらないというものを、そこで知恵を使って、あるいはそういう知恵を使った案件というものを支援して、うまく六次化につなげていくということがやっぱり必要だと思うんです。その意味で、こちらのほうは意見なんですが、ぜひいわゆる普通の生産販売というところを一気通貫でやるんだというだけではない、ノウハウなり知恵なり技術なりというものの革新というものがある形の案件を、ぜひ取り込んでいっていただければというふうに思います。以上です。

〔 富田分科会長 〕江川委員、どうぞ。

〔 江川委員 〕この機構についてあまり知らなかったので、今日少しびっくりしたところがあるんですけれども、サブファンドなんかがかなり地域ベースでできていて、農業、林業、漁業みたいなものは地域性が高いと思うので、ある程度地域ごとにやったほうがいいような気もするんですけれども、それを中央でちゃんとモニタリングしていくことによって、かえって矛盾が生じないのか、あるいは、管理コストがかかり過ぎないのかということが気になったので、それについての考え方を教えてください。

それから、2点目は、8ページのところに監査役で、篠原修先生、東大の名誉教授の方がなっているんですが、この先生は土木の先生で、環境のデザインとか、それがご専門だと思うのですが、ですから、出資事業を監査するということと若干違和感を感じまして、就任の経緯についても教えていただければと思います。

〔 富田分科会長 〕それでは、まとめてお答えいただきたいと思います。

〔 農林漁業成長産業化支援機構古我取締役専務CIO 〕わかりました。できるだけ全部網羅するように頑張ります。

今のご質問をいただきました中で、幾つか共通点がございまして、私どもがこういうサブファンドと共同して農林漁業の分野で成長していく事業体をいかに発掘して、どういう観点でポートフォリオを育てていくのかという点につきまして、まずご説明したいんですけれども、おっしゃるとおり農林漁業というのは非常に地域性が強くて、なかなか一括してくくって産業にするというのができない性格のものであることは確かで、その実態が今の農林漁業の非常に分散化した、地域でどちらかというと小さく根強く、でもいいものはやりながらやっているんですけれども、なかなか大企業ベースの産業分野ができてくるような分野にはなっていないのは確かでございます。

ただ、非常に世の中の動きが食に対して非常に厳しい基準を求めるということになったトレンドのおかげといいますか、そういうものがフォローの風になって、ある意味日本の食材に対する価値、これは日本の消費者もさることながら、海外の消費者の中にもそういうものを積極的に評価するという流れも出てきております。

それから更に、日本の食の市場のトレンドを見ますと、例えば食品メーカーさんにつきましても、今までですと独自の技術開発力でもって新製品を開発して、それを消費者に提供するということで事業の拡大を図ってこられたかと思うんですけれども、そのところがそういう指標では多様化していく消費者のニーズにはなかなか合致することができないということで、マスプロ、マスマーケティングというのが非常に難しくなりつつあるというのも一方で出てきているということです。

じゃあ彼らは何を考えているかといいますと、聞きますところ、やはり直接食のメーカーでありながら、食材の調達、そこで差別化する必要があるのではないか。それに基づいた新しい消費ニーズを開拓するということで商品開発をしていって、直接販売していくという、言ってみれば素材の調達から、消費市場へのアクセスまでを取り込んでいく方向が1つ、垂直統合という形で流れが出てきていると。

2つ目に、消費者に一番近いところに活躍している外食チェーン、小売チェーンといった方々たちの動きにつきましても、彼らもやっぱり産地直送というところで、彼らのビジネスをサービス化していくという流れが大きく出てきていると思います。ということは、やはり消費市場というのは非常に価格競争、差別化が厳しくなっていて、ある意味レッドオーシャン的な様相を呈しているというところです。

〔 富田分科会長 〕ちょっとごめんなさい、そういうのもわかるんだけれども、そういうことと、この出資の事業との関係とか、そういうご説明を我々は聞きたいんですよ。一般論でそういうのは、あなた方ほどはわからないけれども、わかっているつもりなので、何でこの事業があるのかとか、なぜ必要なのかとか、時間もないので、本当に恐縮なんだけれども、そういったご説明をお願いします。

〔 農林漁業成長産業化支援機構古我取締役専務CIO 〕わかりました。すみません。そういう流れの中で、やはり注目されているのは生産である川上というところになりまして、私どもはそこが持っている価値をできるだけ引き出すためには、やはり積極的に食品加工から消費市場というところに出ていかないと、なかなか付加価値がつかないということで、単純にサプライチェーンをつなぐのではなくて、そのサプライチェーンをつなぐ各過程でいろいろなものを節約することで付加価値をつけていくということと、それから、食材であるところの価値をどうやって生鮮で消費者にぶつけるのか。それとも、それが無駄にならないように加工して、あるいは冷蔵し、冷凍して、また新しい販路でもって売っていくということで、できるだけ直接流通販路を手に入れるという形で、このサプライチェーンを付加価値化してバリューチェーンにつなげていくという形で、既存の1次、2次、3次と分かれた消費市場の攻め方じゃなくて、全部を取り込んだ形で素材、生産から消費市場というのを結びつけることによって、経済的な付加価値をつけたいということで臨んでおります。

ただ、先ほど申しましたように、非常に地域性が強いという食材で、制限がありますから、このサプライチェーンはバリューチェーン化しても、1本ずつは非常に薄い、細い線でございます。我々は、このところをサブファンドというものと一緒になって、細いんですけれども、それなりのバリューチェーンを持ったものを、全国いろいろなところでいろいろな形態、業態、素材を組み合わせてつなげていくことによって、このサプライチェーンが網の目のように張りめぐらされるような投資をポートフォリオで構築したいと考えております。

そういうことになりますと、その網の目のように張りめぐらされたサプライチェーンの相対としては、大きな市場ができると。原材料から消費市場までアクセスを持ったマーケットができるということになりますと、当初投資をしたのは小さな金額の投資かもしれないです。ただし、これを先ほどのようにつなげていきますと、今度は同じ業態とか、同じ素材とか、同じ消費者を狙うものが、今度は統合するという形で、ファンドAが投資した投資先甲が、ファンドBが投資をした投資先Cと今度統合するということで、買収で大きくなるというようなことで、価値を大きくしたいということで、我々が狙いますのは、食の世界における大きなマーケットをつくっていくという形のポートフォリオを、各ファンドさんと協力してつくっていきたいということで、相対的なポートフォリオの価値を上げていきたいというふうに考えております。

〔 農林水産省食料産業局佐竹産業連携課長 〕基本的な考え方につきましては、今専務のほうからお話を申し上げたところでございます。

あと監査役、篠原さんに対しての経緯でございますが、こういった東京大学の工学部、工学系の先生ではございますが、地域興しというような観点で、今回のファンドというのは地域興しとの関係が非常にあるということでございますので、監査役をそういう観点からもお願いしたという経緯でございます。

また、中央とモニタリングの関係、管理コストがかかり過ぎるのではないかということでございますが、地域に根付いたというふうなことでサブファンド制をとっているというところでございます。その中で、経営委員会みたいな形で実際にサブファンドをきちんと適切にコントロールしていくということで、極力管理コストをかけないような形で、やり方についても工夫しながら、今頑張っているというところでございます。すみません。長くなりまして恐縮でございます。

〔 富田分科会長 〕まだ十分議論終わっていないような気もいたしますけれども、ちょっと時間の制約もあり、あと2機関もヒアリングがありますので、今日はこのあたりで質疑を終了したいと思います。農林漁業成長産業化支援機構関係者の皆様には、ご退席をいただきます。ありがとうございました。

((株)農林漁業成長産業化支援機構 退席)

((株)民間資金等活用事業推進機構 着席)

〔 富田分科会長 〕それでは、次の議題に移ります。民間資金等活用事業推進機構の設立状況について説明をお願いいたします。

〔 内閣府民間資金等活用事業推進室井上参事官 〕内閣府PFI推進室の参事官をしております井上でございます。よろしくお願いします。

それでは、資料4に基づきましてご説明申し上げます。1ページ目でございます。PFIと申しますのは公共施設等につきまして、建設、維持管理、運営等につきまして、民間の資金、ノウハウを生かして効率よく進めるというものでございます。PFI法に基づき、今まで事業がなされてきたところでございます。

2ページ目を見ていただきますと、改正PFI法の概要と書いてございます。今までPFI事業と申しますのは、ほぼ4分の3は税を財源としまして、延べ払い型で建物を建設し、運営するという形がかなり多かったわけですけれども、今後はこういう厳しい財政状況もございますので、料金収入を伴うようなPFI事業を増やしていく必要があると考えてございます。典型的に申しますと、空港とか上下水道といったものが考えられます。

そこを進めるに当たりまして、1つネックになりますのは資金の調達でございまして、いろいろ料金収入でございますと、需要変動リスクというものがございます。諸外国を見ますと、こうしたリスクを伴うようなリスクマネーの供給を担っているインフラファンドと呼ばれるものがございます。残念ながら我が国は本格的なインフラファンドというのはございませんので、これをいかに育成していくかということが重要な課題になってございます。このために今回、PFI法を改正させていただきまして、民間資金等活用事業推進機構が10月7日に認可法人として設立したところでございます。

機構の主な業務でございますけれども、内閣総理大臣が定めます支援基準に従いまして、料金収入を伴うような独立採算型、あるいは運営権と申しておりますけれどもコンセッション型、こういったものに対しますPFI事業に対する出融資、主にメザニン出融資というふうに考えてございますけれども、実施する。あともう一つは、PFI事業者に対しますいろいろなアドバイス事業もやるということになってございます。

出資でございますけれども、官民による共同出資ということで、国の出資割合は2分の1以上。そのほかに政府保証をいただいているところでございます。

その他でございますけれども、ガバナンスの確保につきましては、機構に支援委員会を設けまして、外部有識者からなるチェックを行い、国もいろいろな個別の支援決定に当たっての審査等を通じましてガバナンスを確保していくということにしております。あと、この機構は、あくまでもインフラ投資市場育成を目的としておりますので、インフラ投資市場ができたら、その役割を終えたことになります。そういった意味から、15年間の時限的な機関としているところでございます。

3ページ目をお開きいただければと思います。機構のスキーム概要ということで書いてございます。これは真ん中に機構と書いてございますけれども、当初はPFI事業の個別の事業に対し支援を行うということにしております。銀行によりますシニアローン、あるいは出資者によるエクイティ、これで充足しない資金需要に対しまして、リスクマネーとしてメザニン等を中心に資金調達を行うということでございます。それが黒い矢印で書いてございます。この機構の出融資を呼び水としまして、今後民間インフラファンドを育てていきたいと考えておりまして、民間インフラファンドが育つ段階では、緑色の点線で書いてございますけれども、今現在民間インフラファンドはございませんので、これが出来上がりましたら、民間インフラファンドに対する出融資という形で、だんだん重点を下におろしていき、15年後にはこの機構は要らなくなるというふうに考えてございます。

次のページをおめくりいただきまして4ページでございます。PFI推進機構の発足というふうに書いてございますが、10月7日に発足させていただいておりまして、出資金につきましては、政府100億円、民間87億5,000万円というふうにしてございます。これにつきましては、年内に民間の増資をいただきまして100億円になると予定しているところでございます。代表取締役は渡JXホールディングス相談役に就いていただいておりまして、株主につきましては、国のほか、全国津々浦々の地銀を中心とします出資をいただいておりまして、かなり日本全体、オールジャパンの体制ができたかなと考えてございます。

最後5ページでございますけれども、支援基準でございます。PFI法に基づきまして、機構が従うべき基準を内閣総理大臣が定めるということになってございまして、大きく分けて3つの柱で構成してございます。1つは、個別の事業が満たすべき基準ということでございまして、公共性、公益性、あるいは民間資金等の積極的活用、収益面におけます出融資適合性というものを挙げてございます。

2番目の柱としまして、機構が満たすべき事項といたしまして、長期収益性の確保、運用の透明性、あるいは民間金融機関等の補完性の確保、責任ある体制の整備といったことを掲げてございます。

最後の柱でございますけれども、出融資手法に関する事項といたしまして、民間からの出融資の金額が原則として機構の出融資の半分以上ということでございますので、機構はメジャーをとらないということで考えてございます。

説明は以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問等ございましたらお願いします。冨山委員、どうぞ。

〔 冨山専門委員 〕全体的な趣旨そのものはそのとおりかなという気がしているんですが、実際やっている側、民間の感覚といいましょうか、私、再生機構時代に大牟田の水道事業って当時の三井鉱山がやっていまして、それをやっていたことがあるので、その実感で申し上げたいんですが。

おそらく空港の上から幾つかぐらいというのは確かにこれに乗ってきやすいフレームワークだと思うんですけれども、例えば水道を乗せようと思っても、分科会の場で財融のほうはよく議論があるんですけれども、はっきりいって行政単位に細かく分かれている上水道事業、あんなものはっきりいって一部の大都市を除いたら全く話にならない。要は民間は、逆立ちしても金を出してこないような案件ばかりで、かつ、日本の上下水道は、確か総務省と国交省の単なる役所の縦割りで分かれていて、上下は分かれているわ、左右は行政区単位で分かれているわという、何だかなという事業体になっているわけです。この状況が解消されない限り、多分政令指定都市の大きなところ以外は多分これに乗ってこない。

最初に何を目的にしているかというと、多分公共政策的に最も大事なのは、例えば今後の下水道の更新の大変な費用であるとか、そういったものをできるだけ国の信用の外で調達をしてもらってやっていくというのが非常に重要なテーマなわけですよね。そうすると、案件のネイチャーが、およそ民間が手を出せないような行政的枠組みが全体にあると、これは結果的に逆に言うと変な弊害も出なくて、何年かたってみたら、民間のファンドが二、三本できて、寂しい展開になっていて、かつ相変わらず下水道の更新は大変な税金と、国の国債で調達してやるということになっているような気がするんですね。

そうすると、結局突き詰めて言うと、実は投資をするための前提条件として、じゃあ上下水道を投資に値するような案件にするにはどうするべきかという議論を、すみません、機構さんの問題じゃないんですけれども、そもそもやらないとこれは何も起きないような気がするんですけれども、いかがでございましょうか。

〔 民間資金等活用事業推進機構半田専務取締役 〕PFI推進機構の半田でございます。ご指摘のとおりかと思っております。私ども機構の役割は、資金を出すということもあるんですけれども、PFI法に書いてありますように、案件をつくるというところが、まさにもう一つの非常に重要な役割かと思っております。今ご指摘のありました上水道、下水道、我々も今幾つかのステージに分けて考えてございます。かなり先行している自治体については、個別の案件をどういうふうに進めていくかというご相談なんですが、まだこれから考える、あるいは考えていないという自治体もかなり多いというのが実態でございます。

おっしゃるように水道局、下水道局、基本的には市町村ごとに分かれているというのが1つございます。ただ実際には、1つの川から水を取ってくるということなので、流域としては1つのまとまりになると、民間の事業者からはそういうような視点も指摘されてございます。一方、水道事業については、実は基本的に黒字で民営化が何とかできるような事業でもあるんですけれども、一方でここ10年、20年で見ますと、趨勢的に水の使用量が減ってきております。これは人口の減もありますけれども、節水が進んできているという流れがあります。こう見ると、今後は水道事業については、使用量が増えてくるということはあまり想定できないのではないか。むしろ経営、運営の効率化でもって賄っていかなければならないというのが、私どもの認識でございます。

一方、中小の自治体では、水道技師の方が高齢化をしてきていて、そろそろ定年で、なかなかノウハウの伝承ができにくくなっているという非常に大きな問題があるので、ここは機構としても非常に大きなテーマというふうに認識をしておりますので、関係省庁ですとか、いろいろな自治体、あるいはこれを担っていこうとする民間とも話をしていきたいと思っております。

あと、下水道と上水道なんですけれども、これらの料金の収受は一体的に、水道料金の中で下水料金も徴収していくという仕組みでありますので、一体化した場合の合理化効果というのは非常に大きいというふうに、私どもも認識してございます。

〔 富田分科会長 〕吉野委員、どうぞ。

〔 吉野臨時委員 〕ご説明、どうもありがとうございました。3ページの図のところで、ここでは銀行借入と、それから出資という形のスキームですけれども、これに例えばレベニューとか社債とか、もう少しいろいろなやり方があるのかなと思いました。

それから、こういうのを使うことによって、マクロ的な財政全体の歳出のどれぐらいがカットができるのかと。一番重要なのは、やっぱり公共事業の中でもこういうものを持ってくることによって、何%ぐらいカットできるのか。地方交付税でも随分出ているわけで。それから、社会保障費が日本は一番多いわけですけれども、それも例えば上限分離で、老人介護の部分をなるべく民間にやるとか、やることはたくさんあると思うんですが、そういう全体のマクロから考えて、こういう事業を考えていらっしゃるのか、それとも案件ごとにさっきの上下水道とか、空港とか、そういう形でミクロからこっちにやるのか、両方のやり方があるような気がしました。

あとは小さなインフラですと、最近のクラウドファンディングとか、ふるさと投資ファンドみたいにやるものと、こういうふうに少し大きなところで組んでいくようなところがあるような気がしまして、小さなところはどんなふうな官民連携というのを考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。

〔 富田分科会長 〕お願いします。

〔 民間資金等活用事業推進機構半田専務取締役 〕政府の10年間で12兆円という計画がございますけれども、これを1つの目標としてやってございます。ただ、機構で対象にできる案件と、そうではないものがありますので、機構として現段階で数値目標があるわけではございません。

もう一つ、機構としてマクロ的に捉えて運営していっているのか、ミクロからかというご質問でございますけれども、機構は一件一件の案件を早く成就させていくと。そういう中でいい案件をつくって、それをほかの自治体に対するモデルとしていただき、横に展開をしていくと、これを目標にしてございます。ただ、先生おっしゃったように、空港、上下水道、道路というふうに限定をしているわけでは全くございません。これまであまり議論できていなかったようなものも対象にできないのか。例えば、いろいろな自治体に聞きますと、地下鉄とかバスとか、そういうものも何とかならないのかというご相談がございます。また、バブル期につくった建物が随分老朽化してきておりまして、これの維持管理をコンセッションなりPFIを使えないのかというご要望もございます。

また、民間の会社から聞きますと、今まで全く想定していなかった、今まさにおっしゃった老人介護とか病院とか医療・福祉分野、それから例えば市場(いちば)、こういうものにも適用できないかと。いろいろなアイデアを民間のほうでも考えている会社がございますので、そういうところの意見も聞きながらやっていきたいというふうに考えております。

それから、小さい案件、ふるさと投資ファンド等とどういう関係をするのかということなんですけれども、1つは、機構は大型案件だけではなくて、小さい案件であっても、独立採算型の案件は取り組んでいこうというふうに考えてございます。例えば、被災地の小さい案件なんかについても、1つのモデルとしてつくっていくというふうに考えております。その際、ふるさとファンドと共同で投資をするというのは1つの方法でありますし、もう一つの方法としては、機構で一度投資をした、融資をした資産を、事後的にそういったファンドに譲渡していくという方法がございます。そういった方法で、ふるさとファンドあるいは生命保険会社とか年金等の機関投資家にも売却をしていきませんと、機構の存続期間は15年間、一方で、インフラのコンセッションは通常20年から50年でございます。メザニンはなかなか期限前に出ることは難しいという性格もございますので、いずれ民間のいろいろなファンドなり機関投資家にお渡ししていけるような商品設計、案件づくりをしていきたいと考えてございます。

〔 富田分科会長 〕どうぞ、林田委員。

〔 林田臨時委員 〕ご説明ありがとうございます。素朴な質問ですけれども、今、24年度に50億円産投出資、25年度100億円、26年度300億円という要求をされていることになるかと思うんですが、この根拠といいますか、どういう計算になっているのかということですね。つまり、何か具体的な案件がこれだけ集まってきたのでこの金額が積み上がってきたという考え方なのか、どういうことでこの要求額が増えてきていて、それをどういうものに活用していくか。水道か何かいろいろお話は持ち込まれているようですけれども、支援決定はまだないようですし、そのあたりどうなっているのかをちょっと教えていただけないかと思います。

〔 内閣府民間資金等活用事業推進室井上参事官 〕これは今、25年度100億円いただいております。PFI事業ですので、一定の手続を踏まないと実際に案件の成約にはならないんですけれども、どの事業を積み上げたというわけではありません。例えばある市の下水道が進んでいるとか、あるいは震災の案件がありそうだ、あと空港につきましても、いろいろな空港ありますけれども、その進捗状況を見ながら進みそうなものをピックアップして、そこから大体の事業規模を出し、その割合を掛けて要求させていただいております。

〔 林田臨時委員 〕次の26年度の要求についてやっているので、今の走っている年度から、さらに3倍増で要求される根拠をお尋ねしたいんですけれども。

〔 内閣府民間資金等活用事業推進室井上参事官 〕空港については、進捗しているものがございます。下水道につきましても、かなり案件が進んでいるものがあり、あるいは、上水道についても検討が進んでいる案件がありますので、そういった状況をにらんでこういう要求をさせていただいているという状況でございます。

〔 林田臨時委員 〕そのあたりは事務局のほうでしっかり査定というか、よく精査していただきたいと思います。

〔 富田分科会長 〕林田委員、ありがとうございます。

それでは、このあたりで株式会社民間資金等活用事業推進機構につきましてのヒアリングを終えたいと思います。関係者の皆様にはご退席をいただきます。ありがとうございました。

((株)民間資金等活用事業推進機構 退席)

((株)海外需要開拓支援機構 着席)

〔 富田分科会長 〕すみません、お待たせいたしました。株式会社海外需要開拓支援機構の設立状況についてご説明をお願いいたします。

〔 海外需要開拓支援機構太田代表取締役社長 〕私、社長に指名された太田伸之でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

では、お手元の資料5をご覧いただきたいと思います。国の政策として、クールジャパンのねらい、それからクールジャパン戦略ということで、内需がこれから非常に厳しくなるであろうという中で、新しい日本の魅力の事業化ということをやって、新しい海外需要を獲得し、日本の経済成長につなげていきたい、もしくは雇用をつくっていきたいということで考えられたのが、このクールジャパン戦略でございます。世界のクリエイティブ産業の市場規模としては非常に大きなものがあると。そこに少しでも日本も食い込んでいきたいなというのが、この事業の基の考えでございます。

2枚目にクールジャパン戦略。簡単に申しますと、やっぱりまず1番は、日本の優れたものや素敵なコンテンツを海外に持っていって、日本の理解を深め、ある種のブームをつくりたいなと。2番目で、やっぱりどちらかというと儲け損なってきた輸出じゃなくて、きちんと儲かる輸出、ビジネスをやっていただくためのプラットフォームをつくっていきたい。それとリスクマネーの供給。そのためにこのクールジャパン機構が設立されました。3番目に、それによって、将来日本の理解を深めていただいて、日本にもっとたくさんの人に海外から来ていただいて、そこでまた新たな消費が生まれるだろうというのが大きな骨格です。

次のページにございますように、私どものクールジャパン機構の基本スキームは、政府から出資していただき、民間からお金を集め、これを元にして我々は民間事業に対して、特に海外で日本の魅力を訴えていこうよと。もしくは日本のものをちゃんと売っていきたいという、特に中小かと思いますけれども、企業に対して資金を提供して、皆さんに活躍してもらって、日本のイメージを上げていただいて儲けてもらおうと。それをお手伝いするというのが、私たちの仕事でございます。

次のページに、まず出発点で得られた民間の出資企業、15社です。各5億円ずつ、今75億円集まっておりますけれども、先週発足の会をやらせていただいて、いろいろなところテレビや新聞で取り上げられていて、いろいろなところからお問い合わせがあり、我々もちょっと出資も考えてもいいんだけどというようなお声もいただいているというふうに聞いていますので、これから我々みんなで集まって回って、もっともっと民間のお金を集めて、それを民間の事業主に提供していきたいなと思っております。

このクールジャパン機構を運営していく上での組織が、次のページにございます。一番大事なことは、とにかくガバナンスに沿った体制がもちろん基本ですけれども、とにかく民間の人材、プロをたくさん採用していきたい。それから、中立的な観点から、投資を判断しようと。海外需要開拓委員会と右のほうにございますけれども、ここは私どもの会長と、私と、それから社外取締役、民間の方々に集まっていただいて、ここで投資の案件をゴー、もしくはノーなのかを決めていただく。これをきちんとした形で運営をしていきたいと考えております。

それからもう一つ、この下にアドバイザリーボードとございますけれども、クールジャパンというのは、皆さんによっては、取り方は非常に広い、大きなたくさんのジャンルがありますから、いろいろなジャンルの有識者たちにアドバイザリーになっていただいて、適時アドバイスをいただき、また時々ご相談に乗っていただいて、モニタリングの役割もしていただきたいと、こういうスキームをつくってまいりたいと思っています。主にいろいろなジャンルのプロ、もしくはその事業の大きな実績のございます経営者の方々に、このアドバイザリーになっていただく予定でございます。

次のページ、会長は非常勤ですけれども、サンケイビル社長の飯島氏。長年テレビの業界で活躍なさった、どちらかというとコンテンツに強い方でございます。私は主に百貨店とアパレルメーカーで、特に海外に向けての輸出とか、海外のブランドを日本に入れるというようなことを仕事にしてきた者でございます。

それから、我々は主に実務をやってきた経営者なので、投資ファンド系のプロをちゃんと雇わないといけないということで、次のページ、CIO、インベストメント・オフィサーには、吉崎浩一郎さんにお願いしまして、彼に常勤になってもらって、我々の片腕になっていただこうと。そのほかに社外取締役は以下の方々にお願いいたしまして、いろいろなジャンルのご専門家でいらっしゃいますけれども、皆さんに大所高所からいろいろな示唆をいただいて、案件をもんでいただこうというスキームになってございます。

次のページ、支援の基準についてお話を申し上げたいと思います。日本の生活文化の特色を生かした、とにかく魅力ある商品、もしくは格好いいなと世界が認めてくれそうなコンテンツ、それからある種のサービス、こういうものをとにかく海外のマーケットでもっともっと売っていきたいと。もしくは地位を確立したいと。そのためのある種の日本のブランディング化と言ってもいいと思うんですけれども、もうちょっと日本というもののブランド力を海外で構築したい。我々はそのためのサポートをしていく組織でございます。

もちろん収益性を確保しなければなりませんけれども、やはり民間からの協調出資も、これからもっともっと募ってまいりたいと思っております。いろいろな業種の方、これはジャンルが広うございますから、いろいろな方たちと交流する中で、1足す1が3になるような、そういう事業展開をしていきたいと思いますし、またそれに海外、国内を含めて出資者と共同でサポートして、出資をして大きくしていくということも考えられるのではないかと思っております。

我々が進めなければいけない事項が、次の9ページにございます。投資事業全体としての長期的な、どちらかというと民間の短期的な回収じゃなくて、長期的な目で収益性の高い事業に投資をしていきたい。それから、偏らずに、ジャンルも広うございますし、攻めていくべき国もたくさんあります。ですから、分散投資をちゃんと心がけたい、バランスをとっていきたいということ。それから、民業補完の徹底、特に民間資金の確保。これもいろいろな形でもって、もっともっと積極的に集めていきたいと考えております。

この事業を進めるに当たっては、やっぱり一番大事なことは、1つはハンズオン。特にこれから進めていく中で、技術はある、デザイン力もある、でも資金がない。もしくは経営基盤としてはまだまだ足らないところがあるというような会社さんをお手伝いすることがあると思うので、やはりかなり現場に入り込んで、ともに汗をかいて運営するという、そういうフォローアップをやる中で、ちゃんと回収に努めていきたいということが1つでございます。

もう一つは、やっぱり大事なことは、やはりクールジャパンというと、非常にジャンルが広うございまして、人によって解釈がかなりばらばらでございます。そんな中で、きちんきちんと投資をしていく事業計画を、細かいことを含めて情報開示して、国民の皆さんに何やっているんだということがわかるような、もしくはこんなジャンルに、こんなことをやっているのかとわかるような情報公開に特に努めていきたいと考えております。

次のページが、我々が今考えている基本方針でございます。まず一番大事な事業としては、やはり日本の優れたもの、もしくはコンテンツ、もしくはおもてなしを含めた日本のサービスを伝えていく発信拠点になるプラットフォームをつくりたい。このプラットフォームにいけば、いろいろな交流ができる、そこから発信できる、そういう装置をまず1つはつくっていきたいと考えております。

2番目に、このプラットフォームにつながるレールをひいて、ちゃんと補給路をつくって、サプライチェーンを整備していきたい。やはりいくら魅力的なプラットフォームをつくったって、そこにきちんと安定的にいろいろな情報や商品を届けるためには、パイプラインが必要です。それをきちんと整備していきたいという整備的な事業がございます。

3つ目。この中で、今我々もいろいろなマーケティングをしている最中なんですけれども、やはり相当日本にはまだまだ優れたものがたくさんあります。特にそれは地方の中に、地方に分散しています。できれば地方から世界にダイレクトに持っていこうじゃないかと、勇気を持ってやりましょうよということを呼びかけたい。言ってしまえば、地方発世界へ。これを何とかしてサポートしていくことによって、地方の優れたものを掘り起こし、又は地方をもうちょっと、製造産地を少しでも元気にしたいと。言ってみれば、地方の地域を支援する、そういう光を与える。こういうことで、クールジャパンがもっともっと見えてくるのではないのかなと考えております。

次の11ページに、対象となるプロジェクトとして考えられるのは、なかなか民間の企業ではできなかった海外需要、海外マーケットの基盤、プラットフォームをまずつくることと、先ほど申し上げたサプライチェーン、パイプラインをしっかりと敷きたい。これは一企業ではなかなかできないことがたくさんあります。これを我々はお手伝いをしたい。

それから、先ほど地域発と言いましたけれども、地域にもたくさん腕のいい技術を持った工場さんもあります、職人さんもいます。それから、デザイナーも、それからクリエーターも、いろいろな才能はあるんだけれども、なかなかビジネス化できない。何となく漏れちゃっているものがあります。そういうものをとにかく我々は引っ張り出して、言ってしまえば目利きの目になりたい。それで拾い上げて、ここにございますような食も、アニメ・漫画も、映画も、それから日本の伝統的な商品。それから、今世界で一番最も訴求しやすいものの1つは食でございますけれども、日本の安全でおいしい食。こういうもののジャンルに、我々としては投資をしていきたい。

ただし、過去にもお茶屋さんはお茶屋さんで、和菓子屋さんは和菓子屋さんで店を出し、器は器で世界でばらばら売っていて、鉄瓶は鉄瓶でばらばら売っている。何となく分散して、単発でやっている仕事か多いので、なるべく我々はこのプラットフォームに乗っけて、例えば、お茶を楽しむ文化、生活を海外の方たちに訴えていきたい。だから、一緒にやりませんかという、言ってみれば接着剤になりたいなというふうに考えております。

次の12、13ページは、我々がクールジャパンを推進するに当たって、やはり官民ファンドの運営に係るガイドラインのご指導に沿って、我々としてはきちんきちんと経営責任を果たしていきたいというふうに考えております。

簡単でございますが、以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問等ございましたらお願いします。中島委員、どうぞ。それから吉野委員、冨山委員。

〔 中島専門委員 〕ご説明、どうもありがとうございました。2つ質問があります。1つは、クールジャパン機構の役割として、リスクマネーの供給機能が主というふうにも書いてあるんですが、プラットフォーム事業だとか、あるいはいろいろな事業を束ねていくとか、事業をみずから行うような感じのお話を今伺いまして、実際、事業をみずから行う部分があるのかどうか教えてください。

それから2つ目の質問は、民間人材を確保するというお話があったんですけれども、ブランディングだとか、いわゆる動産、不動産ではないソフト的な価値というのは、大変に評価が難しいわけですよね。ですから、目利きとして、先ほどお話があったような、いろいろないいブランドといいますか、そういうものを見極めて、あるいはそういうものを集めてというような目利きも必要だと思いますし、一方ではファイナンスの面で、どういうふうに収益が上がるかという、ここは大変難しいところだと思うんですね。そこら辺について、どういう民間人材を調達しようとしているのか、あるいはそういうところでのきちんとしたチェック体制といいますか、審査体制というのをどういうふうにつくろうとしていらっしゃるのか、ここについて2番目の質問です。

〔 海外需要開拓支援機構太田代表取締役社長 〕お答えしてよろしいでしょうか。

〔 富田分科会長 〕すみません、まとめて質問させていただきますので。吉野委員、どうぞ。

〔 吉野臨時委員 〕今の質問に関係するんですけれども、海外に持っていくときは、現地通貨での調達というのが必要だと思うんですね。日本のお金を持っていってもしようがないわけで、そうするといかにして日本の企業が向こうで現地通貨で稼いだお金を日本に持ってこずに、向こうで回すかという方法が必要だと思うんです。つまり、資金の流れを、具体的に考えていらっしゃるのかというのが第1点です。

それから、2点目は、海外の需要、ニーズというのが、日本人が思っているものと大分違っていまして、日本の方々って、せっかくこんなにいいものつくっているんだから売れないはずがないという意識なんですけれども、海外に行くともっと安いものがいいとか、そういう形ですし、食文化といっても、海外に行くと、ほとんど中国人とか韓国人とかベトナム人がやっていて、日本人がやっていなくて、日本食と言っているわけですね。そういう競争の中で、いかにして本当に日本人がつくったものが、高くていいものだけれども、本当にそれが現地のニーズに合っているのかどうか。

最後はアジアでいきますと、やっぱり華僑のネットワークってものすごいわけですね。そうすると、どこにお店を持とうというと、不動産屋も華僑がいる。それから、販売チャンネルのネットワークも華僑がいる。そういう華僑のすごいネットワークと、このクールジャパンで情報を見ながら、どこら辺までうまくやっていけそうなのか、その点を教えていただければと思います。

〔 富田分科会長 〕続けて冨山委員、お願いします。

〔 冨山専門委員 〕お二人の質問と若干かぶるんですが、どこがどう民業補完かという観点で見たときに、私もリスクマネーを出すところよりは、むしろプラットフォームをつくるところのほうが民業補完性が高い。要するに、民業で、日本の民間でできていないことの代表例のような気がしていて、有り体に言っちゃうと、ヨーロッパがつくった最強のプラットフォームモデルというのは、私はルイヴィトン・モエヘネシーだと思っていて。太田さんが専門家ですけれども。要するに、結局高級ブランドとしての素質のあるブランドをああいうところに乗っけるわけですよね。乗っけてその後、強烈なマーケティングと、強烈なブランディングと、強烈なコントロールで長期的にバリューをマキシマイズするという、まさにそういうモデルですよね。

アメリカがつくった最強のプラットフォームモデルって、多分ディズニーなんですよ。要は映画の三大スタジオの仕組みで、そのうちの1つは、幸いソニーが持っているんですけれども、その仕組みなわけで。あれも同じで、やっぱりジブリがすごいいいコンテンツを持つと、結局ディズニーと組んじゃうというのは、そういう背景があると思っていて、多分そういったものは、日本には残念ながらないわけです。そういったものをつくっていきたいというのが、太田さんご自身のライフワークではないかと勝手に思っているんですが。

そうなっちゃうと、どちらかというとさっきのご議論でいうと、ストレートに投資というよりは、このプラットフォーム作りのほうが大事だということになってくるんだろうなというふうに、私自身は思っているんですね。私の個人的な意見としては。そうすると、1つのテーマになってくるのは、いわゆる投資というのは、基本的には1本ごとのヒットを積み重ねる話なので、どちらかというと短期でつくっていったほうがいいんですけれども、プラットフォームをつくるって、どちらかというとすごく長期的に、まさにペイシェントに積み上げてネットワークを世界中に張りめぐらさなければいけないので、人材の面でも、ちょっと違ったタイプの人が必要になる可能性があるし、会社としての収益モデルとしてもどう考えていくのかというのは、普通の典型的な官民ファンドとはちょっと違う特性があるような気がするので、その辺をどういうようにされていくのかなと。

少なくとも飯島さんと太田さんは、どちらかというと事業、ビジネスの人なので、その感覚はあるのでしょうけれども、下に来るのが仮にいわゆる投資会社系のMDの人になっちゃうと、そこはちょっとミスマッチがあるのかなという感じがしたものですから、その辺をどう考えておられるのか教えていただきたいと思います。

〔 富田分科会長 〕それでは、お答えをお願いいたします。

〔 海外需要開拓支援機構太田代表取締役社長 〕まず、冨山委員がおっしゃったように、我々はやはり実務をやってきた経営者なので、そこに投資を一生懸命やってきた方々たちを、専門家を入れてやっていくんですけれども、もう一つは、我々は中に入れていくということと、外部の方にも頼もうということですけれども、やはり目利きの目を持った人たちをまずある種のチームにして、経営の専門家と投資の専門家と、それからマーチャンダイジングをする専門家と3つが組まないことには全く前へ進まないので、まずそういうスキームをちゃんとこれからつくっていきたいなというのは考えております。

それから、投資を長年やってきたような方たちにお願いしているのは、とにかく一緒に汗をかこうよと。お金を投資するんだけれども、やっぱり自分たちもいろいろなノウハウを入れて、ちゃんとした汗を一緒にかいて、とにかく種まいて、芽が出たらさようならじゃなくて、このクールジャパンファンドというのは、芽が出た後にもうちょっと我慢して肥料を与えて、ここでもうあとは自分でできるでしょうというところで次に行こうという、少し長い目でやりましょうよということを、投資チームには今お願いをしているところでございます。

プラットフォームを、地上戦と空中戦とわかりやすく言っているんですけれども、地上戦というのは日本の全国にある優れたもの、おいしいもの、安全なものをやっぱり持っていって、ちゃんとかっこよく売る基盤をつくりたい、ベースをつくりたい。それから、空中戦というのは、日本のコンテンツも、ネットも、CS等の放送も含めて、やはり地上波にはないいろいろな仕組みがあるわけですから、地上波だと各国のいろいろな規制があってなかなか手が出ないんだけれども、やっぱりそうじゃないところでプラットフォームをつくって、とにかくもっともっと情報をたくさん下ろしましょうと。

どうも我々も海外へ行くと、ホテルの部屋でテレビをつけると、ほとんど日本の番組はやっていないと。ところが、アラビアの放送はいっぱいやっている。だから、もっともっと情報を発信して、日本の固いところから柔らかいところまで、いろいろなコンテンツをもっともっと下ろして、日本のことをたくさん理解していただける人を増やしていこう。そのことと、下できちんとした物販をやって、これをもってクールジャパンだよなというような絵をつくりたい。

それを両方で挟んで、一個一個つぶしていかないと、一気にはできないので、できればカントリーリスクのないところから順番に、ここは明らかにクールジャパンの拠点だよねとわかる設備をつくりたい。その中に、実は持っていく商品として、やっぱり結構中小企業も含めて、地方も含めていいものをつくっているところはいっぱいあるわけです。

それから、先ほど海外では、最近は中国人や外国人が日本食をつくってとおっしゃっていましたけれども、本物の日本食もあれば、B級グルメもあるわけで。それから、もう一つは、素の状態で日本のおいしい果物の、安全なものもあるわけで、お酒もあるでしょうけれども、とにかくそういうものを届けて、やっぱりそれをただお米並べました、リンゴ並べました、お酒並べましたじゃなくて、食生活の中身も一緒にセットで提供していかなきゃいけないと。だから、ただラーメン食べましたじゃなくて、やっぱり背景にあるものをちゃんとご説明できるような、わかりやすいような絵をつくっていく。

さっき申し上げたお茶もそうなんですけれども、ただお茶を売っているだけじゃなくて、お茶と和菓子とこういう文化がありますよと。そういうの格好いいと思いませんかというような、そこで器もちゃんと売っていくということを総合的にやっていかないと意味がない。そういうことをやっていけば、先ほどの偽物っぽい日本食も駆逐できるのではないかなと思っております。

それから、ソフトの評価って本当に難しいです。人によってはこれは格好いいと言えば、人によっては格好悪いと思うものがあります。ただ、それぞれのジャンルに、専門家でとてもセンスのいい人もたくさんいますし、海外のご意見も伺いながら、やっぱりこれが格好いいんだよな、これがお洒落だよね、もしくはおいしいんだよねというものを選んで、そこに我々が、自分がビジネスするんじゃなくて、それをやっている方にとにかく一緒に海外行きましょうよと。海外へ行って、もうちょっとあなたたちのよさを伝えませんかというようなことをお手伝いする。我々が事業するわけではありません。

ただ、やっぱり現場に入っていって、一緒になってとにかくいきましょうと。特に優れたものをつくっているという自負はある方たちは、俺たちいいものをつくっているんだから、何も世界に行かなくていいという人が結構いるので、それをちゃんと持っていきましょうよ、一緒に。もうちょっと日本のブランディングというか、日本の価値を高めましょうというようなお手伝いをしていきたいという意味で、我々は直接ビジネスをするわけではないと考えております。

それから、現地の通貨で得た利益をどうしていくのかということもあるんですけれども、もう一方で、日本から持っていくものに投資をして、そこでリターンを日本で得るということもいっぱいできるわけで、いきなり現地法人と組んで投資をしてどうのこうのというだけではないビジネスをいくらでもできるのではないのかなと思います。

それから、先ほど華僑のお話がございました。やっぱりどちらかというと自己主張の強い方々にいつもがーっと言われると、すぐはいと言ってきた日本で、儲け損なった日本がそこにあるんだけど、やっぱりそれをちゃんと言い返して、一緒にウィン・ウィンになりましょうよということを、我々も一生懸命応援しながら、やっぱり日本もちゃんと主張して、きちんとビジネスしましょうよという、そういうハンズオンをやりたいなと思っております。

例えばの話、よく皆さんご存じだと思いますけれども、今、日本にもどんどんどんどん海外のブランドはいっぱいいろいろなジャンルで出てきています。意外と不平等条約で、海外だけは儲かると。日本の扱っている側はあまり儲からないというビジネスをずっと強いられてきているんだけれども、それをずっとやっていたのでは意味はないし、逆に言うと日本から輸出するときに、いつも為替が変動するためにFOBを下げろと言われて、はいはいと言って、意外と気前よく下げてきた日本の歴史があると思うんですが、それを下げませんと。なぜ下げないのかといったら、これにはこれなりの理由があるんだということを、やっぱり力強く文句を言って戦っていくということをやり、やっぱりまずきちんと説明をするという、そういうお手伝いもしていきたいなと思っております。答えになったでしょうか。

〔 富田分科会長 〕それでは、よろしゅうございますでしょうか。

それでは、このあたりで質疑を終了したいと思います。海外需要開拓支援機構の関係者の皆様にはご退席をいただきます。ありがとうございました。

〔 海外需要開拓支援機構太田代表取締役社長 〕どうぞご支援をお願いいたします。ありがとうございました。

((株)海外需要開拓支援機構 退席)

〔 富田分科会長 〕予定の時間を1時間ほど過ぎてしまいましたのですが、ここで本日の議論は終えたいと思います。

なお、右肩に赤く会議後回収と印字されております資料については、席上に置いてお帰りください。

本日の議事内容につきましては、この後事務局より記者レクをいたしますとともに、後日財務省ホームページに議事録等を掲載する予定としておりますので、ご了承願います。

本日はご多忙の中、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。

13時00分閉会
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