財政投融資分科会(平成25年7月26日開催)議事録
財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録
財政制度等審議会 財政投融資分科会 議事次第
平成25年7月26日(金)15:00〜16:52
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
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1.開会
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2.平成24年度財政融資資金運用報告書
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3.平成25年度政策コスト分析について
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4.質疑・応答
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5.財政融資資金等の実地監査について
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6.質疑・応答
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7.閉会
配付資料
| 資料1−1 | 平成24年度財政融資資金運用報告について |
|---|---|
| 資料1−2 | 平成24年度財政融資資金運用報告書 |
| 資料2−1 | 平成25年度政策コスト分析について |
| 資料2−2 | 財政投融資対象事業に関する政策コスト分析(平成25年度) |
| 資料3 | 財政融資資金等の実地監査について |
出席者
| 分科会長 | 富田俊基 | 林理財局長 上野理財局次長 谷内総務課長 富山財政投融資総括課長 松浦国債企画課長 竹田管理課長 大津計画官 馬場計画官 柴田財政投融資企画官 手嶋資金企画室長 | |
| 委 員 | 江川雅子 翁 百 合 川村雄介 中 里 透 | ||
| 臨時委員 | 池尾和人 林田晃雄 福本容子 吉野直行 | ||
| 専門委員 | 冨山和彦 中島厚志 沼尾波子 原 田 喜美枝 |
〔 富田分科会長 〕それでは、予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。
本日の議題は、平成24年度財政融資資金運用報告書、平成25年度政策コスト分析について及び財政融資資金等の実地監査についてとなっております。
開催に先立ちまして、このたび理財局に人事異動がございましたので、林理財局長からご紹介いただきたいと存じます。
〔 林理財局長 〕本日もお忙しいところ、ご参集いただきまして、ありがとうございます。時間の関係もございますので、人事異動の関係につきまして、私のほうからまとめてご説明させていただきます。
委員の皆様からご覧いただきまして、富田会長の左側におりますのが理財局次長の上野でございます。
〔 上野理財局次長 〕上野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔 林理財局長 〕次に財政投融資総括課長の富山でございます。
〔 富山財政投融資総括課長 〕富山でございます。よろしくお願いいたします。
〔 林理財局長 〕次に資金企画室長の手嶋でございます。
〔 手嶋資金企画室長 〕手嶋でございます。よろしくお願いいたします。
〔 林理財局長 〕次に計画官の大津でございます。
〔 大津計画官 〕大津でございます。よろしくお願いします。
〔 林理財局長 〕次に財政投融資企画官から計画官となりました馬場でございます。
〔 馬場計画官 〕馬場でございます。よろしくお願いいたします。
〔 林理財局長 〕続きまして右側でございますが、財政投融資総括課長から総務課長となりました谷内でございます。
〔 谷内総務課長 〕谷内です。引き続きよろしくお願いいたします。
〔 林理財局長 〕次に管理課長の竹田でございます。
〔 竹田管理課長 〕竹田でございます。よろしくお願いいたします。
〔 林理財局長 〕次に計画官から国債企画課長となりました松浦でございます。
〔 松浦国債企画課長 〕松浦でございます。よろしくお願いいたします。
〔 林理財局長 〕次に財政投融資企画官の柴田でございます。
〔 柴田財政投融資企画官 〕柴田でございます。よろしくお願い申し上げます。
〔 林理財局長 〕簡単ではございますが、以上で紹介とさせていただきます。本日も忌憚のないご意見を賜れれば幸いでございます。よろしくお願いいたします。
〔 富田分科会長 〕それでは、本日の議題に移ります。
初めに、平成24年度財政融資資金運用報告書につきまして、富山財政投融資総括課長に説明をお願いいたします。
〔 富山財政投融資総括課長 〕それでは、ご説明をさせていただきたいと思います。お手元に資料1−1と1−2の2種類をご用意いたしております。資料1−2、平成24年度財政融資資金運用報告書が財政融資資金法第12条に基づいて提出させていただく報告書の本体となっております。その概要をまとめましたものが資料1−1、「平成24年度財政融資資金運用報告について」となっておりますので、本日は資料1−1を使ってポイント等のご説明をさせていただきたいと思います。
資料1−1の表紙をおめくりいただきたいと思います。1ページは財政投融資計画の運用状況でございます。24年度の当初計画17兆6,482億円でございまして、これに改定額1兆3,955億円、23年度からの地方関係の繰越額2兆5,383億円を加えました改定後現額が21兆5,820億円となっております。この改定後現額に対する年度内運用額は14兆7,383億円、翌年度繰越額が2兆6,775億円となりますので、運用残額は4兆1,661億円となっております。
表の一番下の行に参考としまして、平成23年度の実績額を表示しておりますが、年度内運用額は8,000億円ほどの増、運用残額は2兆7,000億円程度の減となっております。
なお、改定額のところの約1.4兆円でございますが、24年度に行った補正による追加及び予算総則の規定によります長期運用予定額の増額、いわゆる弾力条項の発動による追加の合計でございまして、具体的には日本経済再生に向けた緊急経済対策の実施等のための補正予算に関するものが約0.8兆円、補正予算等に伴い、地方公共団体が実施する事業に必要な資金としての弾力追加分が約0.6兆円となっているところでございます。
このページの下段には財政投融資計画残高の内訳を記載しております。24年度末の残高は23年度末に比べまして約5.4兆円減少し、175.7兆円となっております。
なお、財政融資とうち数の財政融資資金の差額は簡保資金と郵貯資金の残高ということでございます。
1ページおめくりいただきまして、2ページをご覧いただきたいと思います。まず参考2、左側でございますけれども、運用済額の推移につきましては、財投改革後の最大額が平成13年度の約24兆円、最少額が19年度の約12.3兆円でございます。24年度の運用済額は約14.7兆円と、23年度と比べまして約0.9兆円増加しているところでございます。
右側の参考3、運用残額の推移をご覧いただきたいと思います。運用残額はその時々の経済情勢等を反映しまして資金需要の変化によって発生いたしますけれども、21年度以降、いわゆるリーマンショック後のセーフティネットや震災復興対応といったような観点から十分な貸付額を確保したことなどによりまして、やや高い水準で推移しているところでございます。
1ページおめくりいただきまして、3ページをご覧いただきたいと思います。3ページは主な機関の運用状況を、運用済額の多い順に並べたものでございます。運用済額の欄を見ていただきますと、日本政策金融公庫、地方公共団体、日本高速道路保有・債務返済機構、この3機関で約10.1兆円となっておりまして、全体の約7割を占めているところでございます。運用残額の欄を見ていただきますと、日本政策金融公庫と地方公共団体で約3.2兆円ということで、全体の約8割を占めております。日本政策金融公庫の約2.7兆円の運用残額につきましては、そのうち約1.6兆円は中小、国民関係の業務、0.9兆円が危機対応業務に係るものでございまして、震災復興対応に万全を期すということで、十分な貸付規模を確保したものの、実際の資金需要が想定には及ばなかったということが発生要因となっております。
また、地方公共団体の運用残額につきましては、実際の入札等に伴う事業費の減額などが発生要因となっております。
なお、繰越額は大宗が地方公共団体のものでございまして、約2.6兆円となっておりますが、これは前年度2.5兆円程度と、ほぼ同水準となっているものでございます。
1枚おめくりいただきまして、4ページに移らせていただきたいと思います。4ページは財投計画残高の推移でございます。24年度末の財投計画残高につきましては、23年度に比べまして、5.4兆円減少して、175.7兆円となっております。これは過去最大でございました一番左の12年度の417.8兆円に比べますと、約4割という規模になってございます。
1ページおめくりいただきまして、5ページをご覧いただきたいと思います。5ページでは財政融資資金の運用状況についてご説明させていただきます。
まず(1)のほう、長期運用計画及び実績でございますけれども、これは財政融資資金の運用のうち、国会議決の対象となります運用期間5年以上の長期運用の状況でございまして、1ページ目でご説明いたしました財投計画全体の一部となっているわけでございます。
長期運用予定現額が17兆514億、年度内運用額が10兆4,478億、運用残額が3兆9,350億円となってございまして、23年度参考のところと比較しますと、年度内運用額は約1,600億円の増、運用残額は約2兆4,500億円程度の減となってございます。
続きまして、下のほう(2)の短期運用実績をご覧いただきたいと思います。これは財政融資資金の運用期間が5年未満のものの運用状況でございます。24年度末の短期運用資産現在高は18兆5,972億円となっており、このうち債券が6兆7,981億円、貸付金が11兆7,992億円となってございます。
債券の内訳でございますが、これはすべて国債でございまして、日本銀行との現先運用によって保有する国債が約3.3兆円、国庫短期証券、いわゆるFBが約3.5兆円となっております。23年度末と比べまして国庫短期証券の残高が増加しておりますけれども、これは24年度の特殊要因といいますか、特例公債法案の成立が24年11月まで遅延したということを受けまして、財投のほうでは財投債の発行を前倒しして行ったという影響などによりまして、財政融資資金の流動性が増加している中で資金の効率的な運用を図るという観点から、この国庫短期証券、FBによる運用を行ったことによるものでございます。これにつきましては25年度の当初計画におきまして財投債の新規発行を抑制するなどの対応をとらせていただいたところでございます。
また、貸付金のほうでございますが、主なものは交付税特会及び年金特会に対するものとなっております。
1ページおめくりいただきまして、6ページをご覧いただきたいと思います。6ページでは財政融資資金の資産の異動についてご説明させていただきます。24年度末におきまして、財政融資資金が保有する債券は10兆151億円、貸付金が144兆9,035億円、信託受益権は2,216億円でございまして、合計額は155兆1,402億円と、23年度末に比べますと3兆2,749億円減少しているところでございます。
このうちまず債券につきましては、短期運用実績の中でもご説明いたしました国債のほか、法律に基づきまして一般会計が承継した道路債券等に係る国債が約0.7兆円、旧道路公団などが発行した特別法人債券が約2.5兆円となっているところでございます。
貸付金につきましては地方公共団体向けが約53兆円、日本政策金融公庫向けが約17兆円、住宅金融支援機構向けが約15兆円などとなっております。
信託受益権につきましては、19年度及び20年度に実施しました貸付金の証券化に係る、いわゆる売り手のセラー及び劣後受益権の相当部分でございます。証券化市場の規模が大幅に縮小しておりまして、起債環境の回復には程遠い状況が続いているということから、24年度につきましても証券化の実施を見送っておりまして、2,216億円のまま変動がございません。
1ページおめくりいただきまして、7ページをご覧いただきたいと思います。まず上の4.のところでございますが、財投債の状況についてご説明いたします。24年度の財投債発行予定額は15兆円でございましたが、運用残等を踏まえまして、約0.8兆円を減額いたしましたところから、約14.2兆円が市中発行実績となったところでございます。
また、財投債の償還は総額で15兆8,582億円となっておりまして、24年度末におきます財投債の発行残高は前年度末に比べますと、約1.7兆円減の109兆2,607億円となったところでございます。
続きまして、下の5.の預託金の状況でございますけれども、24年度末の預託残高は外国為替資金特別会計の預託金の減少等によりまして、約2兆円減少しまして、45兆429億円となったところでございます。
1ページおめくりいただきまして、8ページをご覧いただきたいと思います。預託金、財投債の推移につきましてご説明させていただきますが、預託金残高の上に財投債の発行残高を上乗せしたグラフでございます。郵貯・年金の預託につきましては既に全額が払い戻されておりまして、現在の預託金はその他と表示しておりますが、主な相手先は外国為替資金特別会計が14.8兆円、労働保険特別会計が13.4兆円などとなっているところでございます。
1ページおめくりいただきまして、9ページをご覧いただきたいと思います。9ページでは、損益計算書及び貸借対照表についてご説明いたします。24年度の利益は下の表でございますけれども、本年度利益は6,314億円でございまして、この利益は特別会計に関する法律第56条第1項の規定に基づきまして、翌年度に繰り越しまして、金利変動準備金として整理されることとなっております。利益につきましては、近年の歴史的な低金利の継続によりまして調達金利が低水準で推移している一方で、過去の比較的高い金利の長期貸付が残っていることなどによりまして生じたものですが、利益の額は23年度の9,042億円からは減少しているところでございます。
また、金利変動準備金につきましては、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法に基づきまして、復興債の償還財源として国債整理基金特別会計へ9,967億円の繰入れを行ったことから、24年度末では2,324億円となっているところでございます。
なお、24年度の利益6,314億円とただいまの金利変動準備金残高の2,324億円はいずれも発生ベースの計数でございまして、予算において国債整理基金特別会計の繰入額を算定する際に用います現金ベースのものとは異なっております。
ご参考で中ほどの注のところに書かせていただいておりますけれども、現金ベースの数字を申し上げますと、24年度の利益に相当する現金ベースの剰余金が6,698億円、発生ベースの金利変動準備金に対応する現金ベースの積立金残高は1,457億円となっております。また、25年度の予算としまして、国債整理基金特別会計への繰入額は6,967億円を予定しているところでございます。
1枚おめくりいただきまして、10ページをご覧いただきたいと思います。損益に関連しまして、地方公共団体から補償金を免除した繰上償還を2,617億円受け入れております。これに伴う補償金免除相当額について試算しますと525億円となりまして、19年度から実施されております地方公共団体の繰上償還額の累計は3兆8,283億円、補償金免除相当額の累計は8,923億円となっております。これにつきましては引き続きこの資料のほか、財務省ホームページあるいは財投リポートにも記載をさせていただいて、説明責任を果たしてまいりたいと思っております。
最後に7.のところでございますが、使途別分類につきましては、24年度は中小企業、道路、生活環境整備に対する運用額が多くなっておりまして、詳細につきましては、資料の1−2などでご覧いただければと思っております。
以上で資料の説明は終了させていただきますが、24年度の実績につきまして十分に分析した上で26年度以降の財投編成にも反映させてまいりたいと考えております。今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。
以上でございます。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。
ご意見、ご質問につきましては後でまとめてお願いすることといたしまして、引き続き平成25年度政策コスト分析について、手嶋資金企画室長から説明をお願いいたします。
〔 手嶋資金企画室長 〕資金企画室長の手嶋でございます。私からは平成25年度の政策コスト分析につきましてご説明申し上げます。
お手元に資料2−1、「平成25年度政策コスト分析について」と、資料2−2、「財政投融資対象事業に関する政策コスト分析」の2つを用意させていただいております。厚いほうの2−2は各財投機関が作成しました分析結果を冊子にしたものであります。本日は、主に当方で全体を取りまとめしました資料2−1のほうで説明をさせていただきます。
それでは平成25年度の政策コスト分析の内容についてご説明をさせていただきます。薄いほうの資料2−1の1ページをご覧ください。政策コストのイメージでございますが、下の囲み図にありますように、@の国から出ていくほうの補助金、補給金、運営費交付金等でございまして、これはプラスのコストとして認識いたします。それから、Aの国に入ってくるほう、国庫納付金や法人税等でございますが、これをマイナスのコストとして認識します。Bにつきましては概念上のコストでありますが、出資金などの機会費用、これをプラスのコストとして認識します。この@からBの各年度のコストをそれぞれ現在価値に割り戻して合計したものが政策コストでございます。
2ページをお開きください。25年度分析の政策コスト合計は、最初にありますとおり3兆1,048億円となり、24年度分析の政策コストに比べまして、4,778億円増加しております。その内訳は表の@からBにありますように、国からの補助金等がプラス7,180億円、国への納付金等がマイナス6兆4,011億円、国にとっての機会費用がプラス8兆7,879億円となっております。24年度分析との増減を見ていただきますと、@の国からの補助金等の減少によるコスト減がある一方、Aの国への納付金等の減少及びBの国にとっての機会費用の増加が影響しております。これらは分析年度の進行に伴いまして、国庫納付金等が減少したことによるもの、また、前提金利の変動に伴い出資金等の機会費用が増加したことによるものでございます。
主な要因をご説明いたしますと、@の国からの補助金等の減少の主な要因は住宅金融支援機構の災害復興住宅融資に対応する補助金が24年度までに4.5万戸分措置済みでございまして、このために25年度以降の補助金が減少するため政策コストがマイナス539億円となっております。
それからAの国への納付金等のマイナスコストの減少要因は、地方公共団体金融機構が国庫納付を行ったのが主な要因でございます。旧公営公庫でございますが、平成24年度中に産投勘定へ3,500億円の国庫納付をしておりまして、ちなみに25年度に残りの6,500億円を納付する予定でございます。
それからBの国にとっての機会費用の増加の主な要因は、日本高速道路保有・債務返済機構において、料金収入の見込みの減少によりまして、分析期間が33年から36年に延長したことによる影響及び前提金利の変更による影響でプラス2,119億円となっているものでございます。
前提金利につきましては、毎年、予算の概算決定日における市中の国債流通利回りに基づき算出しておりますが、24年度分析と25年度分析を比較しますと、イールドカーブのグラフにありますように、25年度分析のスポット・レートは、ちょっとグラフが小さくて見づらくて恐縮なのですが、期間18年以上のゾーンで上昇しております。このため、全体としては利払い軽減効果が大きくなるという形で政策コストの増が生じております。こうした金利等の影響を除くため、実質増減比較をしております。政策コストの経年比較を行いますためには分析対象機関等の変動や前提金利の変化、そして経年による分析始期の変化による影響を取り除く必要がございます。
そこで3ページでございますが、真ん中の棒グラフをご覧ください。@の分析対象期間等の変動による影響につきましては25年度分析においては、分析対象機関数は23機関で変動はありませんので、影響はございません。
それから2つ目といたしまして、前提金利の調整として24年度前提金利で25年度分析を再試算いたします。そういたしますと、その影響額が1,801億円減少いたしますので、それを25年度政策コストから減算いたします。
そして、3つ目といたしまして、分析始期の調整として25年度政策コストに24年度政策コストのうち24年度中の政策コスト334億円を加算いたします。図にもありますとおり、こうした調整を行った後の25年度の政策コストは左から3本目の棒グラフでございますが、2兆9,580億円となりまして、一番右の24年度政策コスト、2兆6,270億円と比較しますと、実質増減は3,311億円の増加となります。
次に、4ページをお開きください。主な機関の政策コストを記載いたしております。このうち政策コストが一番大きい機関は、昨年度と同様、日本高速道路保有・債務返済機構の2兆4,552億円でございますが、これは全額出資金等の機会費用に係るものでございます。2番目、3番目につきましても昨年と同様、日本政策金融公庫、森林総合研究所となっております。日本政策金融公庫につきましては、危機対応円滑化業務に係る政策コストが6,370億円と大きなものとなっております。それから、森林総合研究所は、水源林造成事業として植えている杉やヒノキを伐採するまでの期間が長く、分析期間が一番長い89年間となっております。このため、出資金の機会費用が大きくなっております。
逆に政策コストのマイナスの大きい機関は都市再生機構、日本政策投資銀行、地方公共団体金融機構でございまして、こちらも昨年と同様の順番となっております。都市再生機構につきましては、資産と負債の運用期間のミスマッチによる借換えの結果、今後も利益が発生する計算となっており、地方公共団体金融機構については過去のミスマッチによる利益が発生しているものでございます。それから、日本政策投資銀行につきましては、完全民営化に向けて利益体質となっており、毎年度の法人税の納付及び税引き後利益の25%を国庫納付する試算を行っております。
また、政府保有株式の売却時期は確定しておりませんが、本分析上は平成33年度に全額を売却する仮定となっております。
次に、投入時点別の政策コストの内訳でございます。これは政策コストを分析期首までに投入された出資金等の機会費用分と分析期間中の補助金、出資金等の投入等により新たに見込まれる政策コストに切り分けて明示しております。
5ページの表をご覧ください。@の分析期首までに投入された出資金等の機会費用分が10兆3,841億円と政策コストの大宗を占めております。また、Aの分析期間中に新たに見込まれる政策コストにつきましては国からの補助金等が7,180億円となっている一方で、国への納付金等がマイナス6兆4,011億円、分析期末に納付されます剰余金等がマイナス2兆1,221億円とそれを上回っておりまして、合計するとマイナス7兆2,793億円となっております。
それから次に6ページをお開きください。経年比較分析でございますけれども、これは先ほど3ページの図でご説明させていただきましたとおりでございまして、実質増減が3,311億円となっております。そのうち実績確定の影響が一番大きい日本政策金融公庫につきましては、危機対応円滑化業務において24年度分析中の政策コストが非常に大きくなっておりまして、中身としては損害担保事業の規模が拡大しているということでございます。それから、機会費用の増加ということで、先ほどから出ております高速道路保有・債務返済機構について、料金収入見込みの引き下げによりまして機会費用の増加とあわせて政策コストが増えたというのが大きいものでございます。
それから次に7ページの発生要因別の政策コストの内訳でございますが、融資系の14機関につきましては繰上償還、貸倒れ、その他に区分して分析いたしております。これも視点を変えて発生要因別に見直しをかけたというものでございまして、貸倒れや利ざや等が大きく影響しております。繰上償還につきましては、将来受け取る予定の利子につきまして、逸失利益相当額がプラスのコストとなります。ただ、学生支援機構につきましては、在学中無利子、それから卒業後も利ざやを取らないという構造から、繰上償還によってコストがマイナスとなっております。それから、貸倒償却につきましては元本及び将来の利子が回収できなくなるということから、大きなコストとして出てきております。
それから次に感応度分析でございますが、8ページをお開きください。まず金利が1%上昇したケースでございますが、こちらは割引率についても上昇した試算を行っております。要は将来の金利が上がることによって割引率も増加するということでございます。
それで、特徴といたしまして、事業系の機関につきましては業務収入が一定として試算を行っております。他方、借換えなどの借入金利は1%上昇する前提で試算しておりますので、利払い費の増額が大きくなります都市再生機構などが政策コストに表れております。先ほど4ページの図で都市再生機構の政策コストがマイナス1兆5,132億円と申し上げましたが、金利1%の上昇でマイナスが1兆2,808億減るという試算になっております。
一方、融資系の機関でございますが、貸付金と借入金の金利を両方上げますと、結果として自己資本が多い機関につきましては損益が改善し、政策コストが減少するということになりますが、出資金の機会費用も上昇しておりますので、国際協力機構などにおいて機会費用の増加の影響が表れて金利感応度が大きいものとなってございます。
それから次に9ページでございますが、事業収入が10%減少した場合のケースを試算したものでございます。一番変化幅が大きいのは日本高速道路保有・債務返済機構でございまして、事業収入の減少により出資金の機会費用が増加することとなります。
その下は貸倒償却額を10%増加させたケースでございまして、おおむね貸付残高に応じたものとなっておりまして、それぞれの合計額の比較を注として書いてございますが、昨年度とほぼ同程度の水準となってございます。
次に10ページをお開きください。社会・経済的便益でございます。昨年度までは便益とコストを対比する形で個別機関のコストを公表しておりましたが、個々に異なる事業の社会・経済的便益を統一的かつ定量的に把握することは難しい面がございまして、特に融資系の機関につきまして定量的な便益の算出は難しいことから、昨年度ご意見を頂戴いたしまして、便益は参考にしたらどうかとのご指摘がございましたので、今年度からは参考として記載いたしております。
なお、事業実施機関につきましては関係省庁が策定しております費用便益分析マニュアルなどの活用によって試算した数字を掲載いたしております。ただ、金利につきましてはB/Cで利用する4%と、それから今回の分析で予想している金利と両方で計算してもらっております。
それから次のページ以降でございますが、全機関の結果を一覧表にしたものでございます。12ページからは経年比較の状況というものを載せておりまして、16ページからは先ほど申しました事項別、投入時点別の政策コストの一覧となってございます。詳細な説明は省略させていただきます。
私からの説明は以上でございます。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。
それでは、これまでの説明につきましてご意見、ご質問等ございましたら、お願いいたします。どうぞ、吉野委員。
〔 吉野臨時委員 〕ご説明ありがとうございました。資料1−1のほうから3つぐらいあるんですが、まず1つは6ページのあたりのところで、先ほどこの中で貸付金の証券化がここ二、三年ないということだったんですけれども、以前から申し上げていますけれども、財投がすごく震災対応で出た後に貸付金を証券化すると、民間に貸出しの債権が移るわけですから、うまく民間のほうの貸出しに肩代わりしてもらえるという意味では、私は貸付金の証券化というのは進めていただくことが民業の補完になるのではないかと思いまして、それでこの二、三年あまり出てないのは民間金融機関からニーズがないのか。何か原因があれば、そこを教えていただければというのが1つです。
それから7ページのところで、物価連動債と15年の変動利付債がありますが、これがあることは、将来の金利変動リスクを財投のほうが背負う可能性があることを言っているのではないかと思うんですが、それが正しいとすれば、金利変動準備金の一部を一般会計に持っていかれちゃうということは、これと反するんじゃないかという気がいたします。
それとの関係で9ページのところですけれども、金利変動準備金は、1つは財投にとっては自己資本の一部になると思いますが、教えていただきたいのは、これ以外の金利変動じゃなくて、貸倒れリスクとか、普通の金融機関ですと運用リスクのための自己資本、あるいは流動性リスクのための自己資本、こういう金利変動のためのリスクの自己資本、こういうものが全部あるわけですけれども、財投の場合には運用リスクとか、流動性リスクのことは考えなくて金利変動リスクだけでいいというお考えなのかどうかということです。
それから、政策コスト分析、資料2−1もご説明ありがとうございました。4ページのところで政策コストがプラスの機関とマイナスの機関が出ておりますけれども、5番目の都市再生機構はちょうど過去の金利のミスマッチがあるので、うまくプラスになってきているということなんですが、金利のシミュレーションのところでちょうど反対側のことをやってくださったと思うんですけれども、8ページのところでは、都市再生機構、もし金利が上がったとしたらマイナスが増えると。ということは、都市再生機構自身が金利のミスマッチですごくリスクを抱えているというふうに解釈できるのではないかと思いますので、ぜひ都市再生機構に対しては資産と負債の金利のミスマッチをなくすようにしていただかないと、あるときはプラスがすごく出て、あるときはマイナスになるということを言っているような気がいたします。
以上です。
〔 富田分科会長 〕原田委員、どうぞ。
〔 原田専門委員 〕今吉野委員がおっしゃった1点目のことに関しましてコメントを申し上げたいと思います。6ページで、先ほどご説明いただきましたときには、マーケットが縮小したので、24年度も貸付金の証券化は見送ったというふうにおっしゃったかと思います。ですが、ALMの管理の観点からはぜひ今後もまた再開するということを想定しながら準備をしていただいたほうがいいのではないかと思います。といいますのは、9ページにありますように、金利変動準備金は減っていますし、金利変動のリスクをクッションとして受けるのはここのところになるかと思いますので、そういう意味でもぜひ貸付金の証券化でALMの管理をするということを、今はまだ低金利ですが、今後インフレになって金利が上がってくるということを想定する場合には1つの選択肢として考えていっていただければと思います。
以上になります。
〔 富田分科会長 〕江川委員、どうぞ。
〔 江川委員 〕2つ申し上げたいと思います。1つ目が、今お二人がお話になった証券化のことです。私は、もう七、八年前になるかもしれませんけれども、資産の証券化というか、証券化等を使って国の資産を減らすべきだということが政治の大きなプライオリティになったときに、たまたまこちらの委員をしていた関係で経済財政諮問会議の専門委員になって、財投の証券化の議論に加わりました。そのときに最終的には証券化を進めるというものが大きな方向でしたので、それを進めるというレポートをつくるのに加わりましたけれども、個人的にはこういった証券化を進めても、結局劣後とかエクイティの部分というのは国に残るので、リスクがなくなるわけでもないし、むしろ権利関係が複雑になるというところもあるので、ALMなどのメリットもあまりない。メリットはあるんですけれども、実際に国というのは資金調達の金利は非常に低いので、コスト削減に結びつくわけでもないということもあって、個人的には証券化はあまり進めるべきではないというふうに、実は思っておりました。
ですから、ご質問ですが、現在証券化というのはどういう位置付けで、長期的にどれくらいやらなきゃいけないとか、そういったプランとか、目標みたいなものがあるのかというのを改めて教えていただきたいというのが1点目です。
それから2点目は、今日の資料の中には出てこないんですけれども、財投機関債のスプレッドのことが気になっております。財投改革の中でそれぞれの財投機関が自分でファイナンスをすべきだということになってやっているというのはわかっておりますし、一応立て付け上は、それぞれ自分のクレジットでやるということにはなっていますけれども、マーケットの見方というのはやっぱり国の信用が裏についているということがあって、スプレッドもそれにつれて動いているというお話を前に聞いております。そういう意味では国にとっては隠れた債務だというふうに私は受けとめております。
最近この数年間、日本も積極財政で、最近は海外の政府からも日本の財政規律が問われるようになってきているので、それがもしかしたらスプレッドなどにどういうふうに影響しているのかということがちょっと気になりました。
今日急にお話をしているので、もしかしたら資料がないかもしれませんけれども、重要だと思いましたので、後ほどでもいいので教えてください。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。それでは、中島委員。そこで一旦切って事務局よりお答えいただきます。
〔 中島専門委員 〕私も今までの皆さんのお話に絡むんですけれども、2点あります。1つは資料1−1の7ページの発行された債券の年限別の内訳なんですけれども、今年度、短期化しているということになるんですが、逆にこれを受ける側のほうでうまく資金吻合しているのかというところが聞きたい1点目です。確かに金利の高騰リスクを避けようということで短期化するというのはいいんですけれども、ALM上難しくなりますので、貸出しのほうでどういう対応になっているのかというバランスがとれていないと、調達のほうだけ一見金利が低くなるということになりかねないので、ここら辺についての状況をちょっと教えていただきたいということです。
2点目は資料2−1の政策コスト分析で、先ほども話があったんですけれども、8ページ目の感応度分析のところなんですが、前提金利を1%上げるというのは、調達コストだけが1%上がるということなのか、調達、運用コストとも1%上がるということなのか。期間吻合が十分できていないというようなことで出てくるリスクみたいなところというのが、調達コストだけ1%上がるというようなことかなというふうには見たんですが、そういう意味では、もしそれだけだとすると、いわゆる期間ミスマッチの部分でどういうリスクが出てくるのかという分析は、これとは別途やったほうがいいんじゃないかなという1番目に絡んだ話なんですけど、この2点です。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。それでは、事務局、お願いいたします。
〔 富山財政投融資総括課長 〕それでは、まず資料でいいますと6ページに関連しますけれども、証券化の関係で幾つかご質問をいただきました。証券化につきましてはもともとの経緯としましては、いわゆる行革推進法というのがございまして、資産・債務規模の縮減の方策という中で、財政融資資金貸付金について幅広い観点からその証券化の適否を検討するということが法律上規定されておりました。ということで、22年度から24年度につきましては同額の2,000億円ずつを限度額としまして、予算計上したというところでございます。
24年度の状況につきましては、これに関連するマーケット関係者のお話などもいろいろお聞きする中で、1つはリーマンショック後の市場の混乱とか、あるいは市場自体の低迷といったような中で、なかなかこういった実現性が低いのではないかといったようなことと、あと2点目は震災の関係で起債環境がなかなか不透明感が高いというようなことで見送りをしているところでございます。20年度の後半からこれを実際には見合わせているというところであります。
ただ、今後につきましては、25年度の当初計画におきましても、証券化を行うことによるメリットというのは当然あり得ると。いわゆるマーケット等々の関係での環境が許せば、そういったことができるようにということで、最大で半期に1,000億円までということで、25年度につきましても22年度から24年度と同額の2,000億円の限度額を特会の予算において計上しているという状況でございますので、今後、市場環境とか、状況の変化に合わせまして、25年度中の証券化というものも慎重に検討してまいりたいと思っております。
それから、それにも関連し、7ページのいわゆる財投債の関係、さらにはそれに関連するALMの関係でございますけれども、今の証券化もそうですが、将来の金利変動リスクというものをきちっと考えていく必要がある。ALMをきちっと高度化していきたいというふうに思っておりまして、そういった意味で、ツールとしましては、委員からご指摘のありました債券の年別で言いますと10年債あたりは、これは過去の発行のときの財投改革後、郵貯、年金などに財投債の改革直後だったということで引き受けてもらっていた分の償還というようなこともありますが、10年債の残高が今回6兆ほど減っている一方で、5年債の残高のほうは11兆から14兆4,000まで増えているということで、結果として今回残高ベースで見ますと短期化しているというのはご指摘のとおりだと思います。
ただ、我々としましては、ALMの重要性という中で、発行年限を調整していくというのは1つのツールだと思っておりまして、実際足元のデュレーションギャップを見ますと、若干負債のほうが資産の年数を上回っているという状況でもございますので、そういった中で、この発行年限の調整というのは1つのツール。
さらに申しますと、最近では金利スワップの取引も開始させていただいておりまして、そういったことによるマチュリティギャップをこのデュレーションとともに考えていく。あるいは、買入消却といったような形での対応といったようなものも総合的に勘案させていただいて、かつその都度、その一つ一つのツールを実施していくときにはマーケットの影響というものも公的な立場としてございますので、そういったことを総合的に考えて対応していきたいというところでございます。
それから、金利変動リスクについて吉野委員からお話がございましたけれども、我々としまして、いわゆる信用リスクというのがないという立場だと思っておりますので、準備金等で念頭に置いておりますのは、金利リスクをある意味で念頭に考え方を整理していきたいというふうに思っております。
それから、江川委員から財投機関債のスプレッドのお話がございましたけれども、ちょっと手元にあるもので足りるかどうかわかりませんが、お話をさせていただきますと、スプレッドについては銘柄別でいろいろございますけれども、24年度の募集時で全体で100件ほどございました。そのうちいわゆる10ベーシスポイント以下のものが73。ですから、約7割。それから10ベーシスポイントから20ベーシスポイント以下が26。それから、20ベーシス超の30ベーシスポイント以下が4ということで、まずマーケットとの関係で言いますと、比較的低いものが占めているということで、また格付のほうも今申し上げたようなところで、大体AA前後というようなところが中心の銘柄というふうになっているところでございます。
以上でございます。
〔 手嶋資金企画室長 〕吉野委員、それから中島委員からご質問がございました感応度分析の件でございますが、感応度分析については、事業系の機関につきましては調達コストは1%上がりますけど、業務収入のほうは一定と見ております。それから、融資系の機関のほうにつきましては、調達コストも貸出金利も1%上がるという前提で試算を行っております。
それで、特にここで目立っておりますUR、都市再生機構でございますが、ここは一番大きいのが、事業資産のうち大半を占めておりますのが賃貸住宅用の資産でございまして、URの試算の前提としては今新規の賃貸住宅は建ててないんですけど、借換え用の賃貸住宅の建設に約10年、それから、建ってから70年間使えるということで、分析期間が80年になっております。一方で、財投のほうの貸出しはご案内のように一番長いものが30年でございますので、基本的に借換えが発生する状況になってございます。
一方で、調達コストが上がれば家賃を上げればいいじゃないかという話もあるかもしれませんが、公共料金に準ずるものでございますから、家賃もそんなに簡単に上げられないということからすると、財投の借入期間が30年ではありますが、何らかのヘッジができるのかどうかということも含めて、また編成段階で議論できればと思っております。
それから、すみません、担当ではないのですが、江川先生のお話しされた機関債のスプレッドですけど、特に最近、電力債の発行が止まっておりまして、高格付銘柄ということで、財投機関債の実力以上にスプレッドのタイト化が進んでいるということをよくお聞きいたします。
〔 富山財政投融資総括課長 〕会長、すみません。1点追加で回答させていただければと思います。中島委員からありました借り手側のほうと符合しているかという部分につきましては、まさに編成過程で個々の借り手側のニーズを咀嚼しながら編成をしていきますので、基本的に財投のほうの事情で短期化することによってミスマッチということにならないように、借り手のほうのニーズにも十分応じた形で、そこは発行の計画を立てさせていただいております。
〔 富田分科会長 〕池尾委員、どうぞ。
〔 池尾臨時委員 〕先ほど証券化に関して非常にそつのないご説明をいただいたんですが、江川委員がおっしゃったように、それから分科会長自体そういうご意見だと思いますが、やれと言われたからやっただけであって、トータル的なコストの上昇に見合うだけのベネフィットは期待できないというのが、これまでかつてのここでの議論だったと思うんですね。新たにこれまでの議論を覆すようなメリットがどこかから出てきているかというと、私は正直言ってない。メリットが全くないという意味じゃないですよ。コストアップに釣り合うだけのメリットは考えがたいということで、だからやる必要がなければやらないでいいということじゃないかというふうに思っています。
〔 富田分科会長 〕どうぞ、川村委員。
〔 川村委員 〕すみません。どうしても今の案件になると黙っていようと思うんですけど、立場上言わざるを得ない過去の経緯があるわけで。
今、池尾委員、あるいは江川委員なんかもご指摘のとおり、これはそもそもかなりポリティカルな理由から精査した結果、やっても悪くないんじゃないかというのが正直だったと理解しています。つまり、メリットはあるけれども、やらなかったからといって、そう何かデメリットがあるかと言われると、そうでもないねという状況で。やらないよりはというぐらいの感じでやったところに来たのが、リーマンショックの前のパリバショックだったと記憶しています。パリバショックが来て、かなり厳しい船出ということの中で、今度はメガトン級のリーマンが来てしまって、今日に至ると。こういう大変不幸な歴史というか、経緯もあったと理解しているんです。というのはその過程で、私もその検討会に参加させていただき、その過程で民間の内外の十幾つあったかと思いますけれども、投資銀行の専門家の皆さんのいろいろなプレゼンテーションを聞いて、結局、マーケットに近い人たちも、当時としてはかなりのメリットを見出していたわけだし、逆に言えばセーラビリティーがあると思ってやっていたわけですね。しかし、それこそいわゆるインヒンドサイトというのが最近はやり言葉で、今になって考えてみると、実はそうでもなかったというのは反省点としてはあると思います。
そこで結局大事なことは、今後、今の話じゃないんですけれども、そういう学習体験というか、それを踏まえて、いつまでもこれを回収したときにやらないよりはいいねと。当時の民間のプレーヤーたちもいいんじゃないって、当時は言ったんだけども、その後いわゆる証券化全体というものに対していろいろなグローバルな観点からの反省等もある中で、ここは何となく毎年一応定番としてありますね。売れない食堂だけど、メニューはあるみたいな、これでやってていいのかというのは、もう1回きっちり検討し直したほうがいいような気もしております。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。一言、私からも申し上げますと、財投というのは国で一番信用力が高い資金の調達手段、つまり、国債で調達して、一番低い金利で融資しているわけですね。それと財投の貸付金を証券化して、それを売却して、資金を調達するというのは、ある意味矛盾するのです。財投という本質を考えれば考えるほど、これは一体何ものかという、どういうことなのかということが問題だということは一番基本の問題なんです。そういうことだけ一言、私から言いたいと思います。
いかがでしょうか、ほかに。吉野委員、どうぞ。
〔 吉野臨時委員 〕先ほど私がなぜ証券化と申し上げたかというと、地銀の方にお聞きしますと、前回申し上げたのと同じなんですけれども、震災などで財投の機関が長く貸して、それによって最近は民間の金融機関がそろそろ自分で貸そうと思っても、すべてお客さんが財投の機関にとられてしまっていると。だから、その部分は何らかの形で民間にトランスファーして移転できればいいのではないかと。そうすると、1つは財投が抱えている貸付債権を民間に売るというのが証券化ではないかと思いまして、そういうツールがあるのではないかということでご質問させていただいたんですが、今のお話ですと、私の認識は違うんですね。貸し出していたものをそのまま民間の金融機関の中にトランスファーするというのは違うわけですかね。
〔 池尾臨時委員 〕それは証券化と言いません。
〔 吉野臨時委員 〕言わないですか。貸出債権の流動化。
〔 池尾臨時委員 〕譲渡ですね。ローンセールです。
〔 吉野臨時委員 〕なるほど。
〔 富田分科会長 〕だから、別のことを言いますと、財投の改革というのは、調達部分では一番高い信用力のものでファイナンスしているので、証券化になじむものがほとんどないんですよ。だから、個別の融資が本当に民業を圧迫しているかどうかとか、償還確実性があるかというふうにして、個別の融資事業なりをちゃんと見直していくことが改革の柱だというふうに考えるべきで、多分、今吉野委員がおっしゃったこともそういうことだと思うんです。
原田委員、どうぞ。
〔 原田専門委員 〕すみません。過去の経緯をお伺いしたついでに、オフレコになるかもしれないんですが、どのくらいのコストがかかっていたのかということを少しお教えいただければと思います。ここの6ページには信託受益権の形で残っていますので、信託受益権だとそれほどコストはかかっていないのではないかと思うんですが、あと倒産隔離性もばっちりできていますから、商品としては悪いものではないと思うんですが、コスト面でメリットがないということだとお聞きしましたので、お伺いできる範囲で中身を教えていただければと思います。日本では証券化はリーマンショックで問題になったアメリカで出ていたような悪い商品は全然なく、それでも日本のマーケットはなぜか大きく影響を受けて縮小してしまいましたが、マーケットが縮小したからということを理由に見送ったという言い方も、マーケットの成長を考えるということであれば、縮小しているときだからこそ、何らかの助けのようなものがあってもいいのかなというふうに思います。過去の経緯のついでにコストについてお伺いできればと思いました。
〔 富山財政投融資総括課長 〕ちょっと時間をいただいてもよろしいでしょうか。今調べておりますので。
〔 富田分科会長 〕はい。だから、端的に言ってコストは証券化費用ですよ、まずは。ほかに事務局。
〔 大津計画官 〕1点だけ。吉野先生がおっしゃった、財政融資資金から直接貸し付けるものの証券化というのが1つの議論としてあって、多分吉野先生がおっしゃったのは、財政融資資金が一旦受けて、例えば中小公庫とか、そこから貸し付けた証券の、それを民間が買えばいいではないか。先生はその趣旨ですね。
〔 吉野臨時委員 〕そうです。
〔 大津計画官 〕それに関して申し上げますと、旧中小公庫につきましては、その制度を10年ほど前に自らの債権を証券化できるという制度は既に導入しておりまして、自分の債権も証券化できますし、買い取り型の証券化もできます。それは導入しております。実際それは試みてはいるんですけれども、まさに買う側のほうが買っていいのかどうかと。コストの面もありますので。そういうことで必ずしも進んでいない。そういう面があると伺っております。
〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。川村委員、そして林田委員。
〔 川村委員 〕コストの絡み、先ほどの証券化ですけれども、それほど大きいものじゃなかったんじゃないかなと思っていることが1つ。しかし、その場合、コストといった場合に、直接財投の側に発生している、国の側に発生しているコストと、もう1つマーケットでのコスト。言いかえれば売れないことによって、本来負うことがなかった、例えば金利リスクを仲介者が負っていた部分という、両方あるんだと思うんです。結局、今回というか、その後なかなか売れないという理由は、マーケッタビリティー、セーラビリティーがほとんど見出せないマーケットになっちゃっているという1つの大きな問題点というか、一番のネックがあって、したがって、それはコスト的にとんでもないコストを払わなきゃ売れないというのが現状になっているということだと思うんですね。
それから、先ほど分科会長がおっしゃった一番安全な資金である国の資金、それをもう1回さらに仕組み物にしたら当然コストがかかるので、調達コストが高くなるというのは当然のお話だと思うんですが、当時、これの発想というのはもうちょっと時間軸を置いて、将来金利が上がるであろうと。そのときに、財投資金というのはデュレーションはほとんど一致しているんだけれども、マチュリティギャップが少なからず残っていて、将来金利が上がったとき、そのギャップ部分に対して金利上昇分というやつを、当時の低金利のうちに証券化して売り飛ばしてしまえば、前倒し的に余分な金利負担を負わないでいいだろうという、そういう発想だったと理解しています。ですから、そこは多分、調達コストそのものが国が一番安いからということよりも、金利が上昇するかどうかというところは確かに見込みの話で、実際にはその後むしろ金利は下がっちゃったわけですから、結果としては外れたベットだったわけですけれども、おそらくコストと見たときに、当時の発想は国の資金が一番安いのに、さらにスキームで高くなっちゃうのにという、そこの説明としては、将来金利が上がったときに備えて前倒しで証券化してという、そういう前提でやっていたというふうに私は理解していました。
〔 富田分科会長 〕すみません。先に林田委員。
〔 林田臨時委員 〕いや、その関連でしたら、お先にどうぞ。
〔 富田分科会長 〕関連でございましたら、江川委員、どうぞ。
〔 江川委員 〕いろいろな意見があったので、今さらあまり言ってもしようがないと思うんですけれども、発言を求めたのは、私も池尾委員がおっしゃったように、抜本的に考え直したほうがいいんじゃないかということに賛意を表明したくて、手を挙げました。
ALMのメリットというのは、金利スワップとか別の方法でいろいろできますし、今、川村委員がおっしゃったことに関してももっと簡便な方法で対応できるツールがマーケットにはたくさんあるので、そういうものを使って証券化のようにかなり手間暇がかかるものというのに頼る必要がないんじゃないかなというふうに思います。
当時、私もマーケットの人たちが結構喜んでいたのをもちろん覚えているんですけれども、でも一方で、それは手数料が入るとか、新しいプロダクトができるとか、そういう部分もあったかと思いますので、その辺はある程度年数もたって、冷静に見直してもいいのかなと思いました。
以上です。
〔 富田分科会長 〕林田委員、どうぞ。
〔 林田臨時委員 〕議論が白熱しているのでちょっと割り込みにくいなと思ったんですが、1つは今の関連でいきますと、かつての財投改革のときに、何か財投のサイズをダウンするためにわざわざコストの高い資金を調達させるようにというような方向で、今の証券化もそうですし、財投機関債なんかもそうだと思うんですけれども、そういう議論になっていて、そこは少し、そのときからやや違和感を覚えたと。ただ、それによって規律が高まって、財投機関の規律を高めてというメリットもあるというような議論があったかと思うんですが、検証というか、そのあたり一体どうなっているのかなというのがちょっと気になりました。お答えいただければと。
それから、財投の運用額の推移を見ますと、やはりリーマンショックの後に増えて、これは年数を数えると五、六年たっていますので、そろそろエグジットに入る部分も来るのかなと。運用が減ってきているのというのは、危機対応で出す分が減っていて、ほかのものも含めて償還のほうが多いからということだろうと。残額を見ると、残額も減っているというのはそういうことだろうと思うんですが、危機対応で出したもの、あるいはツーステップローンなどで出したもので、いわゆる危機対応の有償資金。出したものはどれぐらい出して、残高がどうなっているのか、現時点で焦げつきというのはどのくらい出ているのか、危機対応のときにはどんどん出そうという感じで出したような記憶があるんですが、その後のフォローアップがどうなっているのかなというのは最近気になっておりまして、その辺、確認できる資料があったら教えていただきたいなと思います。
それから、金利変動準備金も幾つか指摘されていましたけれども、事務局のご説明では、金利変動のリスクに備えるものだというご説明でしたが、実務的に言うと、資金繰りのバッファーとして金利変動準備金というのも使える部分があるという説明を聞いた記憶がありまして、準備金がかつかつになると、結構資金繰りが難しいとは言いませんけれども、そういった効用もあるんだと。そういった面が本当にあるのかどうか。もしあるのなら、金利変動のリスクには一般会計がこたえるということで決着しているとは思うんですけれども、金利変動準備金の適正な規模というのはどれぐらいなのかと。一般会計が足りないから埋蔵金というレッテルを張ってはぎ取って、はぎ取りっ放しでいいのかというところもちょっと気になっておりますので、ご意見を伺えたらと思います。
以上です。
〔 富田分科会長 〕大変重要な問題についてご指摘があったんですが、事務局、今答えられるところだけでお願いしたいと思います。
〔 富山財政投融資総括課長 〕まず原田委員のほうからお話があったコストの第1回発行時の実績といいますか、数字でございますけれども、手元にありますもので言いますと、いわゆる発行時点でのコストとしては37ベーシスポイントであったものが、これは対基準国債費のスプレッドでございます。37ベーシスポイントであったものが、手数料等を試算すますと5.6ベーシスポイント上乗せということで、トータルしますと、42.6ベーシスポイントというようなコストであったというのが実績でございます。
それから、林田委員のほうからいただいたご質問の中で、我々も今後もいろいろな意味で財投改革前後、それから足元の状況でいろいろな検証をしていく必要があろうかと思っておりますが、1つは財投自体も国債全体のマーケットの中でコストが決まってくるという一方で、財投機関債などにつきましてもそれぞれのIRであるとか、あるいはディスクロといったような中で、市場の厳しい目の中で調達していくということになっておりますので、そういった中でその時点その時点の一定の数字が決まっていくというところを、それをまた我々の立場で検証していきたいというふうに思っております。
それから、残高の関係でございますけれども、これについては今お手元にある運用報告書の中には詳しい資料がございませんが、個々の機関別の貸倒れ状況とか、そこまでは入っておりませんけれども、ご指摘のとおりで、やはり過去の長い財投の貸付けの関係で残高は減ってきておりますけれども、例えば資料の2ページなどで運用済額を見ていただきますと、左のほうでございますけれども、確かに13年の財投改革以降は20兆円台から19年度は底の部分ですが、12兆円台まで運用済額は落ちておりますが、20年度からは1つはリーマンの関係、また23年度の震災関係ということで、政府としても21年度は経済危機対策、また23年度は震災の対策、24年度は政権交代直後の緊急経済対策ということで、見ていただきますと、運用済額も財投全体としても若干右肩上がりで足元来ていますし、財融についても10兆円台というところを回復しているというところであります。加えて、産投といったような中でのリスクマネーといったところにも注目が集まっていますので、そういった中で、確かに残高、総額としては減っておりますけど、財投の必要とされる需要にきちっとこたえられる対応が必要じゃないかと思っております。
それから、準備金につきましては、確かに資金繰りについてのバッファー的に使える機能みたいなこともあろうかと思っておりますが、いかんせん非常に今規模が小さくなっておりまして、まさに震災復興の財確法に基づく復興債の償還財源に回していくというところまでなっておりまして、見ていただいた数字で、決算ベースですと、1,000億円台というようなところまで来ておりますので、そういった中で財投全体の資金繰りも毀損とか、あるいは全体の年度越えの運用がきちっといくように、そこは先ほどのALMの話も含めて対応していきたいと思っております。
〔 富田分科会長 〕それでは、次の議題に移ります。財政融資資金等の実地監査について、竹田管理課長に説明をお願いいたします。
〔 竹田管理課長 〕それでは、資料3の実地監査についてをご覧いただきます。表紙をめくって1ページ目ですが、法人等実地監査につきましては、当分科会のご提言を踏まえて、17年度から開始したものでございます。公的資金の貸し手としての視点からご覧の3点、事業の政策的意義とその償還確実性並びに資金が適正に執行されているかどうかについて実態を実地に確認しております。
24年度につきましては、5機関に対して監査を実施しております。
監査結果は次の2ページ目でございます。概略についてご説明いたします。最初に石油天然ガス・金属鉱物資源機構、JOGMECでございますが、これにつきましては、案件採択時の評価に用いる金属価格等の前提条件の設定などについて、特段の定めがなく、担当者の経験則的な数値等により評価等を行っておりましたことなどについて、所要の改善を求めたところでございます。
次にその下の中部国際空港でございます。この空港に関しましては平成26年度までの中期経営戦略の中で種々の業績目標、例えば旅客数については年間1,200万人などを定めているところですが、監査時点における23年度決算では旅客数は約889万人となっており、業績目標の達成が厳しい状況になっております。こういった点を踏まえまして、引き続き収益確保の取り組みを求めたところでございます。
1ページおめくりいただきまして、3ページの福祉医療機構でございます。この機関は社会福祉法人や病院などに融資を行っております。機構では、貸付先の財務状態を把握するため、毎年貸付先から決算書等を徴求することとなっておりますが、監査を行った範囲においては、貸付先の約4%が未提出の状況であることを確認いたしましたため、所要の改善を求めたところでございます。
次に国立病院機構でございます。前回、平成19年に監査を実施した際には半数以上の病院が経常損失を計上しておりましたため、経営改善努力を求めましたところ、今回の監査では、相当数の病院の経営が改善されている状況を認めたところですが、診療費を滞納している患者に対する状況確認が十分になされていないことなどにつきましては、今回も前回と同様の事例を認めましたので、所要の改善を求めております。
最後に日本高速道路保有・債務返済機構でございます。監査を実施した範囲におきましては、直ちに問題となる点は認めませんでしたが、高速道路に関しては、国土交通省の社会資本審議会において今後の料金制度のあり方等が審議されていることなどを踏まえまして、公的資金の貸し手としての視点から将来にわたって財政投融資の償還確実性が確保されることを求めたところでございます。
次の4ページ目は、実地監査結果の反映状況でございますが、各法人とも所要の改善が図られておりますので、詳しい説明は省略させていただきます。
もう1ページおめくりいただきまして、地方公共団体の実地監査でございます。全国の財務局の監査官が地方公共団体に出向いて実地で確認を行っております。6ページ目をご覧ください。24年度の公営企業の経営状況にかかる監査の実施状況ですが、全自治体の企業債のうち財政融資資金による融資残高は約20兆円でございます。そのうちの16.8兆円を占め、多くの自治体が実施しているということで、上水道、下水道、病院事業、この3事業を重点的に実施いたしました。表の(A)の合計欄にございますとおり、3事業の企業数は全部で4,868となっております。このうち財政融資資金の残高がある、監査対象4,792企業の約1割にあたる484企業に対して実地監査を実施いたしました。この割合はほぼ昨年と同様となっています。
1ページめくっていただきまして、7ページ目は、その監査結果でございます。24年度の監査からストック指標を導入しております。債務残高を償還キャッシュで割るという簡便な方法ではございますが、これにより債務償還可能年数を算出し、経営に悪化傾向が認められ、かつその債務償還可能年数が一定以上となっている先について経営改善を求めることといたしました。484企業のうち経営状況が悪化傾向にある企業は92企業で、このうちの27企業については債務償還可能年数が30年を超えており、さらにその一部については決算と収支計画の乖離が著しいと認められましたので、文書により具体的な経営改善を求めました。また、今回から企業体の経営に当たって当然に必要であると考えられる収支計画を未策定の企業については、収支状態にかかわらずすべてに対して文書により計画策定を求めることといたしました。これが63企業ございました。
8ページ、9ページでございますが、これは上水道、下水道、病院の3事業の監査結果の概要及び地方公共団体から提出された改善策の例を記載しております。詳細については省略させていただきますが、例えば下水道では近隣市町村との横並び意識などから、料金設定を低く抑えていることにより、使用料収入で経費を賄えていないような事例が認められております。改善を求めた企業からは当然のことながら使用料水準の見直しを行うなど収益向上策の報告を受けております。
9ページ目は病院にかかる概要でございますが、内容は省略させていただきます。
最後に10ページ目でございます。これは、貸付資金の使用状況等にかかる実地監査でございます。295団体、1,173事業について実地監査を実施し、結果としまして13団体について貸付対象外事業費の混入などの事案が認められましたけれども、一部を除き、金額が少額であったことから文書による注意を行いました。
以上で私からの説明を終わらせていただきますが、こういった地方公共団体の監査も含め、地方財務局等全体で人材育成等に努めて、効果的かつ効率的な監査に取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
〔 富田分科会長 〕地方公共団体に対します実地監査と関係いたしますが、先週デトロイトが連邦破産法の適用を申請するという報道がございました。我が国の制度と比較しながら、馬場計画官に説明をお願いしたく存じます。
〔 馬場計画官 〕馬場でございます。米国ミシガン州デトロイト市におきまして、先週連邦破産法の適用申請がなされたという事案でございまして、負債総額がアメリカの自治体の中で過去最大の総額180億ドル、約1兆8,000億円超という量になるわけでございます。
連邦破産法でございますが、日本の破産法制に相当するものでございまして、7章に通常の破産、11章に会社更生に関する規定も含まれておりますが、9章に地方自治体債務の調整という規定がございまして、一般の自治体のほか公営企業体にも適用されるということになっております。
9章の規定でございますが、適用対象となります自治体等の存続を前提として、債務の再構成、再編の手続を定めておるということでございまして、実質的に会社更生法に近い性質のものと考えられます。
適用の申請でございますが、当該自治体等に限定されておりまして、債権者や上位の自治体は申請できないという仕組みでございます。
債務の調整にかかる計画が裁判所に承認されました場合には、すべての債権者が計画に定められた債務の調整に服するという仕組みでございます。
続きまして、我が国の地方公共団体の再生法制についてですが、我が国の地方公共団体につきましては、毎年度地方公共団体の財政の健全化に関する法律の規定に基づいて、健全化判断比率である実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率等を団体自らが公表することで財政健全化に対するプレッシャーがかかるという仕組みでございます。そうした中で財政が悪化いたしまして、健全化判断比率が一定水準に達したと、例えば実質赤字比率でありますと15%以上等でございますが、そうした際には財政健全化団体となり、自主的な改善努力を促すために財政健全化計画の策定、また、実施状況を議会に報告するということが法制上義務付けられております。現在、財政健全化団体は、青森県の大鰐町、大阪府の泉佐野市の2団体でございます。
さらに財政が悪化いたしまして、例えば実質赤字比率が20%以上ということになりますと、財政再生計画の策定、議会での議決、総務大臣の同意を得て、その実施を義務付けられることになります。この場合におきましては、地方債の新たな起債が制限されることとなります。また、財政運営が再生計画に適合しないと認められる場合等につきましては、総務大臣が予算変更等を勧告することができ、計画の実施を担保する仕組みとなっております。こうした財政再建団体において計画策定上、財政上の収支不足が生じた場合には、財政再生計画につき総務大臣の同意が行われている場合には、償還年限が計画達成期間内である再生振替特例債の起債が認められ、国による引受けがなされることとなります。現在、夕張市1団体が財政再建団体となっておりまして、再生振替特例債につきまして財政融資で支援しているという状況でございます。
このように我が国におきましては、財政健全化・再生制度によって財政状況の是正を図るという仕組みでございまして、米国のような裁判所の関与のもとで債務を再編・調整するという法制は存在しないという実態になっております。
簡単でございますが、以上でございます。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。それでは、これまでの説明につきましてご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。それでは福本委員、そして吉野委員とお願いします。
〔 福本臨時委員 〕すみません。ありがとうございます。多分2点になるんだと思うんですけど、まずは監査は非常に大事なことだと思いますし、制度的に発展途上といいますか、いろいろノウハウを蓄積されている過程だというふうに思うんですけれども、マンパワー、つまり担当される方の人数、それから資格でもないですけれども、バックグラウンドといいますか、そういうのを考えたときに果たして十分なのかどうか。単純な比較はできないと思うんですが、例えば似たような同様の制度の中で、海外、アメリカないしはこの前話があったカナダのようなところとか、同様の制度がもしあるとすれば、どれぐらいの人員を確保していて、それに比べて、別に細かい人数とか要らないんですけれども、十分なものが日本にはあるのかどうかというのが1点です。
というのは、ほかの金融面での検査とか、金融庁がやっているような検査ですとか、証券取引等監視委員会ですね。ああいうやつでも日本と海外を比べると歴然とした、アメリカ等は何重にもそういうような体制が整っていると。同じような、そのままこれに当てはめることはできませんが、やる以上はある程度のプロが当たらないと、せっかく制度があっても有効なことはできないんじゃないかというように思いました。
それからもう1点は、文書等で注意されたり、問題があるところに対してもいろいろ指摘されていると。その後の経路といいますか、段取りといいますか、何が行われるかという順番なんですけど、厳格に半年以内、あるいは3カ月以内にまずこういうのをやって、それが不十分だったらどうするという対応はどういうふうになっているのでしょうか。要するに、この手のやつは、例えば民間の企業で株式を上場しているとどうしてもマーケットの圧力とかいろいろありますけれども、そうでないと制裁でもないですけれども、融資が大きく絞られるとか何かない限り、なかなかそれが浸透しない可能性があるんですけれども、その辺の対応ですね。問題があった後の対応が十分な仕組みになっているのかどうかというのを、すみません、教えてください。
〔 富田分科会長 〕吉野委員、どうぞ。
〔 吉野臨時委員 〕私、感想で、1つは実地監査で484企業見ていただいて、そのうちの13%がこういう状況だということなんですけれども、これは財融から貸しているところでこういう実地監査をやられているんですけど、一般会計からも地方に対してたくさんお金が出ていると思うんですけれども、そういうところは監査というのをやっているんでしょうか。財融の場合にはこれをやり始めていいことだと思うんですけれども、そうだとすると、一般会計の方はただ使うだけだからというので、わからなくなっているとすれば、非常に大変なことじゃないかなと。
もう1つは、冗談みたいな感想ですけど、地方公共団体の実質赤字比率が15%とか20%で、国全体で考えたら、これを超しているわけですね。国に関してはこういう法律というのはないんですか。
〔 富田分科会長 〕冨山委員、どうぞ。
〔 冨山専門委員 〕ちょっと違う視点なんですけど、私、中日本高速道路の監査役をやっているものですから、この中で裏側に高速道路保有・債務返済機構がついているわけで、今の国土強靱化云々の関連でいろいろな議論の見直しがあるようなんですが、あちら側の立場でいろいろな経営の様子を見ていますと、ちょっとKYな発言かもしれないんですけど、今の機構法の前提、あまりにもフィクションに満ち満ちていて、あれってどうよというふうに正直思うわけです。今の民営化スキームでは、何十年かで全部債務を返済して、高速道路を無料にするという前提なんですが、正直言って、こういう極めて急峻な国土で、地震がたくさんある国で、これだけ雨が降って、極めて厳しい自然環境の国で、それが例えばイギリスみたいな平らな国とか、地震もない国とか、アメリカみたいな国と同じ次元であの議論を組み立てていること自体が、実はもはや幻想であるということがほぼ現実として明らかになりつつあるのではないのかなと私は正直、現場に近いところにいて思っています。
だとすると、償還財源を確実にするという意味合いにおいても、どこかで無料化するという議論はとんでもない議論だと実は思っていて、質問としては、審議会においてそういう、ある意味では現実的な議論がされているかどうかという質問と、先ほど政策コストを拝見していても、料金をいじったせいで生じている政策コストだと思うんですが、要はああいうどこかで無料化するというフィクションが生きているせいで、とんちんかんな方が安易に高速道路無料化なんて言い出すんだと私は思っているので、さっきの証券化もそうなんですけど、ああいう都合のいいフィクションとはちゃんと戦うべきだと思っているので、それはどうなっていますかということです。
2つ目はコメントに近いんですけれども、連邦破産法の領域は私の個人的な専門領域なのでちょっとコメントしておきますと、実はこの前たまたまテレビに出た日に選挙の当日にこの話で、デトロイトの話があって、ちょっとコメントしたことでもあるんですけど、もともとチャプター9というのは、さっき指摘があったように、会社更生型で再生型破綻法制なんですね。再生型破綻法制の前提というのは、その地域の経済力なり社会力なりというものが基本的にサステナブルであるということが前提でなければ、単なる市の財政運営を誤ったというだけのケースは別として、ファンダメンタルズが死んでいく状態ではいかんともしがたいという問題がございます。
この比較においてはすぐ隣のペンシルバニアの一番西にあるピッツバーグというのが、実は最も劇的に再建したエリアで、これは別に市が頑張ったというのも最初はありますけれども、ご存じのように、ピッツバーグはダウンサイジングを進める一方で、鉄の町から医療サービスの世界最先端の町に産業再生できたから、あるいは社会再生できたから再建できたという背景があるわけです。その中でデトロイトは難しいなと個人的に、代わる産業が全然ないとかになっていますから難しいと思っているんですが。実はこれを日本に置き直した場合に、要するに、経営者の側がとんちんかんでだめになっちゃったというケースは再生のしようがあるような気がするんですが、今出てきている財政再生団体、あるいは今後出てくるかもしれない領域の中には、そもそも地域の産業や社会や経済が割と不可逆的に衰退モードに入っていて、普通にチャプター9型である今の再建の仕組みは、必ずしもなじまないような事案って今後出てくるような気がしていまして、そういった状況に対して、今ある法体系といいましょうか、自治体の財政再建の法体系というのが、果たしてこれだけでいけるのかいけないのか。会社の場合は、アメリカで言えばチャプター11に加えてチャプター7があるわけで、もちろん自治体の機能を停止するわけにはいかないんですが、やや長期的な清算型の処理もあってもいいような気がちょっとしたりするものですから、その辺はどんな議論があるのか、もし議論があれば教えていただければと思います。
以上です。
〔 富田分科会長 〕ひとまずここでよろしいですか。事務局、お答えください。
〔 竹田管理課長 〕監査関係でございます。まず福本委員から監査の体制についてご質問をいただきましたが、財務本省では5人の監査官が専任としてやっております。それから、財務局では157名。このほかに財務本省では併任者を20名ほど確保した体制としております。
これらの担当者は、基本的に財政投融資にかかわっている者になりますが、人事配置上、例えば今回の異動では金融検査官や、会計検査院で検査を経験した者を加えまして、人材面での育成を図っているところです。その上で、監査にはそれなりのコストもかかってまいりますので、コストとの見合いを十分に踏まえて、金融検査等とも歩調を合わせながらできるだけ効率的な実施に努め、その中で質を上げていく必要があると考えております。それと、海外の制度につきましては申し訳ございませんが、手元にデータがございませんので、ご猶予を願いたいと思います。
それから、文書等の注意だけで終わっているのかというご質問でございますが、法人監査に関しましては、先方から改善に向けた対処方針の提出を受けております。さらにそれがしっかりと守られているか、あるいは効果が上がっているかについては定期的にフォローして、特に財投編成の中でそういったものをしっかり反映するような形でPDCAサイクルの形をつくっております。
また、地方公共団体の場合についても、改善計画を作成し、その後、しばらくしてからフォローアップの監査に入っております。その時点で未だ改善が図られていないということであれば、メニューとしては、貸付制限や繰上償還というものもそろえておりますが、公営企業の監査はまだ始めて間もないために、その段階に至った事業は今のところないという状況でございます。
それから、吉野委員からのご質問で、財投以外の一般会計からの部分でございますが、所掌外ではありますが、例えば、我々の監査以外に独立行政法人であれば主務省の評価委員会等でのチェックもございますでしょうし、あと会計検査院も入っていると承知しています。
〔 馬場計画官 〕吉野先生、冨山先生のご発言に対して簡単にコメントでございますが、冨山先生がおっしゃったような国内の地域経済の変化の中で、自治体の清算型の整理という議論もあり得るのかという点について、足元の政府全体としては、日本の地方公共団体の破綻の可能性は基本的にあり得ないという立場であり、自治体を償還不能に陥れない仕組みがございます。先ほどご説明したような起債制限、財政再建の制度、また、交付税の措置を通じて個々の団体においても改善措置がとられるという仕組みでございまして、他方でおっしゃっていただいたような点も含めて、私どもとしましては、財務状況を把握する際に、個々の団体の状況については注意深く見ていくようにしたいと思っております。
次に、吉野先生のご指摘にあった、国においても実質赤字比率を制限し、財政健全化を促す法制度を導入することについてでございます。地方公共団体においては市町村のように資金調達能力の低い団体の決算上の歳入不足が、標準的な財政規模に比べて大きくなってきた場合に、夕張の例で見られましたように、一時借入金により実質赤字が膨らむこととなります。その一方で国につきましては、基本的に市場との対話を通じた資金調達の中で、また政治プロセスの中で財政の健全化を進めていくという仕組みになっているものだと承知しております。
以上でございます。
〔 大津計画官 〕冨山先生からお話しいただきました道路に関する話でございますけど、現行の政策コスト分析につきましては、まさに現在の法律、現行の協定等を用いまして、当然分析をしていると。ですから、そういった面でやや機械的な面は当然あるかと思います。今まさに先生がおっしゃるとおり、国交省を中心に、笹子トンネル等を踏まえまして、議論が進んでいることを承知しております。今後の編成におきましてはこれを十分踏まえまして、国交省とよく議論してまいりたいと思っております。
〔 冨山専門委員 〕いい意味でプレッシャーをかけてください。
〔 富田分科会長 〕それでは、中里委員。
〔 中里委員 〕先ほどのデトロイトの話、日本とアメリカの自治体の間の比較なのですが、実は財投機関債の話にも応用ができるわけですね。つまり、アメリカの場合はデフォルトが実際に起きる、可能性は低いけれども、可能性がある。日本の場合にも地方財政法上は起きてもおかしくないんだけれど、通常の地方債は政府保証債でないので、外債の一部を除いてデフォルトはあり得るんだけれど、でも、基本的には自治体は交付税で支えてしまうわけですね。そうすると、そうやって支えるということがわかっていれば、スプレッドの差が開きようがなくて、市場規律が働かない。市場規律が働かないときにはどうすればよいかというと、財投機関債とか、特殊な債券でとらないで、これは国債でとって撒くほうがいいわけですよ。そのときには必ず国が法的な措置をとって、おかしなことをしている独法その他に対してはきちんと規律付けを効かさないといけないということになるわけですね。そうすると、財投機関債についてどう考えていくかということも、これは市場の規律付けと法制度を通じた規律付けのどっちが効くのか、もちろん両方やればいいんだけれども、そこのところの考え方の整理をもう一度しておくほうがいいのかなという感じがします。
先ほどスポット監査の話で、すごく詳細な調査をなさっているということを伺いました。これは指摘をして、きちんと言うことを聞いている分には問題ないんですが、もし聞かないときにはきちんと貸付制限をするとか、そういうスタンスをとらないと、これは規律が効かないわけですね。そうすると、効かないんだったら、仕方がないから市場に任せましょうというのが1つの判断ということになるので、そこの考え方の整理をどうするのかということになってくるのかなという印象を受けました。
以上です。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。翁委員、どうぞ。
〔 翁委員 〕何点かあるんですが、1つは先ほどこちら側の経営資源との関係で、いかに効率的にやるかということですが、既に取り組まれているように、それぞれの独法とかに監査を充実させて、そこがどういうふうにリスク管理して、監査を行っているかということをチェックするというような方向に持っていけるように、内部のきちんとした監査ができるような仕組みにしていくということが1つの回答ではないかというのが1つ。
もう1つは、後のほうで書いてございます例えば上下水道のところの健全化の改善策などについては、非常に共通するものも多いと思いますので、それぞれの病院とかによって個別性はあると思いますけれども、できるだけどういう改善策をとったのかというようなことが共通に見られるようにして、いろいろなところがそれを活かせるようにしていったほうがいいんじゃないかというのが2点目です。
あと3点目ですけれども、これは貸し手としてのチェックということを超えてしまうんですけれども、民間医療機関への貸し手、それから国立病院を見、そして自治体病院も見ることができるというような、そういう立場におありになるので、いろいろな日本の病院の問題というのが横串で見えてくるんじゃないかなという感じがしております。ぜひそういった視点からも、今の病院の経営、日本全体の問題点というのもわかってきましたら、ぜひこれを活かしていただいたら、いかがかなというような印象を持ちました。
以上でございます。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。原田委員、江川委員、お願いします。
〔 原田専門委員 〕もう時間になっておりますので、短く1点コメントと1点質問をさせていただきます。
吉野委員、翁委員もおっしゃった公営企業の赤字の問題で、上下水道のところで原価を反映すらできていないという結果の概要の説明がありましたので、ここはぜひ原価を適正に反映した料金設定を行うように強く推していただきたいと思います。今朝調べてきたんですけれども、例えばニューヨークの地下鉄ですと、初乗り料金がこの10年ちょっとの間に1.5ドルから2.5ドルへと67%も上がっていますし、ほかにもいろいろ公共料金は上がっていまして、ですが、例えば日本の東京メトロですと、95年からずっと初乗り160円のままで上がっていません。上下水道ではありませんけれども、デフレを脱却していますので、公共料金、上下水道の料金設定原価分を反映というのはぜひとも強く推していただければと思います。
あともう1点、質問になります。4ページのところ、省略されたかと思いますが、ここのところで1点、その後どうなったかというのをお教えいただければと思うところがありまして、日本公庫の証券化支援買取業務ですけれども、これは改善を実施したとありますので、どういう改善になったのかというところをぜひ、今日ではなく、いつかお示しいただければと思います。これは民間金融機関が中小企業に無担保で資金供給したものを買い取って、それを証券化している事業で、今は残存が短くて、残り少ないんですけれども、一定割合、1割ぐらいが延滞になっているかと思いますので、改善策としてどういう対策がとられているのかというところを教えていただきたいと思いました。
以上になります。
〔 沼尾専門委員 〕すみません。
〔 富田分科会長 〕では、沼尾委員。
〔 沼尾専門委員 〕申し訳ありません。今の原田委員のご発言に関して私のほうで気になったことがあるので申し上げたいと思います。今自治体の上下水道に関して、原価を取れるような価格設定、料金設定がという話があったと思うんですけれども、確かに多くの自治体、大変経営状況が厳しい中で、これだけ監査を実施すると引っかかってしまうところがあると。そういうところはあると思うんですけれども、構造的な問題もあると思われる。かつて、公共投資基本計画の中で、国のほうで積極的に採算が取れないとわかっていながら下水道の整備などを推進してきたというところがあって、これを本当に原価でやっていくと、世帯当たり月額7,000円、8,000円というような水準で料金負担をしなければいけないところも出てくるわけですね。そうすると水自体を使うという生命にかかわるようなところで、本当にこれだけの料金を取っていいのかというようなところが常に議論として出てくるところだと思います。そうなったときに、確かに自治体のほうとしてそれを受け入れて事業を実施したという責任もあるんだけれども、もう片方で、国として積極的に公共投資の総額を確保するということで実施したという責任もあるというところの中で、ぎりぎりの判断でやっているところもあるんだと思いますので、そのあたりも含めて料金設定の在り方については慎重に見極めていく必要があると思っております。
ただ、さはさりながら、こういう形で監査を実施しながら、ある程度料金を反映するとか、下水道の接続率を上げるというような努力を自治体のほうに促していくというふうなことで、監査をしていくということは当然意味があることだと思いますので、そこは積極的にやっていただきたいと思いますが、単純に原価で見れないところがあるのではないかというふうに思っています。
また、先ほど中里委員のほうから、国のほうの保証があるから自治体の地方債に関してはスプレッドがあまり広がらないという話だったんですけれども、実際に大都市では結構市場で調達していて、大阪あたりでは結構スプレッドが高いとか、実際かなり開きも出てきていると思うので、マーケットのチェックというのは効いてきている部分もあるのかなと。これは私の感想です。
すみません。以上です。
〔 富田分科会長 〕江川委員、どうぞ。
〔 江川委員 〕簡単に一言だけ申し上げます。政策コスト分析、毎年とても精緻なものをやっていただいて、よろしいことだと思うんですけれども、一国民としての立場で考えたときに、いつも気になっておりますのが、例えば本四架橋は最初につくったときにどれだけ赤字になるのかとかいう議論があったんですけど、結局、機構をつくったり、いろいろなことで全体としてつくられてから最後まで通してどれだけのコストがかかっているのかというのが全然わからなくなってしまったというのが残念だと思っています。ですから、そういう一国民の気持ちとしてはもっと簡単に、場合によっては兆円単位でもいいから、大ざっぱに長期的に包括的にどれだけコストがかかっているから、これはよかったとか、悪かったとか、もしかしたらそういう観点もあってもいいのではないかと思いました。ただ、かなりいろいろなお仕事も既にやっていらっしゃるので、場合によっては例えば政策コストの金利があまり変わっていないときは、例えばこれを隔年にして違う年に違う分析をやってみるとか、異なる視点も入れてみてもいいのではないかという感想です。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。それでは事務局、どうぞ。
〔 竹田管理課長 〕監査に関しましてご意見をしていただきまして、大変ありがとうございます。何点かございましたが、1つは、説明を省略させていただいた4ページ目の実地監査の結果の反映状況、証券化支援買取業務のところです。右側の対応状況で、「その結果を受けて審査基準及び運用基準の改善を実施」となっております。これは過去の終了案件についてデフォルトの検証を実施したところ、参加金融機関の与信歴が短い貸付先のデフォルト率が非常に高いということが確認されております。そのため、与信歴が3年未満の貸付先に対しては貸付けの上限を設定し、要注意先を貸付対象から外して正常先のみとすることにより厳格化を図ったところでございます。それから、公庫が業績見通し等を総合的に勘案した上で償還に支障がないと判断した場合は貸付対象とする運用がなされておりましたが、客観的な基準がない、このような運用を取り止めたと聞いております。
それから、地方公営企業の監査の中で、原価割れの下水道事業などの問題で、高い料金の場合があるというご指摘がございました。我々の監査も一律でやっているわけではございませんで、例えば3,000円を超えるような高いものについては総務省のほうで高資本費対策で一定の繰入れをやると。そういう基準内繰入れの場合に関しましては、我々はそれを収益の中で判断して計算しております。そういった点で、いろいろと個別に判断しながら対応してまいりたいと思っております。
〔 手嶋資金企画室長 〕江川先生のほうから事業の過去からのコストも含めた評価ができないかという質問でございますが、政策コスト自体は、ご案内のように、過去財投の審査において将来のコストも見ずに、もともと預託金がいっぱいあったから財投のお金をつけているのではないかというような批判もあって始めたところではあります。そういうこともあって、将来のコストについて分析しておりますが、お話のあった政策レビューですとか、そういうものにつきましても独法の政策評価ですとか、全体のレビューの中で出ていくべきものだと思いますし、また、何かほかの観点からも事後評価みたいなことが行われることは適当だと思われます。
〔 富田分科会長 〕きょうは非常に活発な議論が出たと思います。
私からも今お聞きしていた中でいろいろ疑問なことはあるので申し上げておきます。中里委員は非常にいい問題提起をされて、市場によるチェック・監視ですね。政府内部における監査、評価を通じたチェックということなんですが、もちろん両方必要なんですけれども、一番大きな問題は、地方公共団体に表れていると思います。交付税ですが、国税の法定率分では全然足りないとして、非常に大量の赤字国債を出して交付税を出している。それが地方の歳出の財源保証になっていて、法律にもそう書いてある。だから、先ほど事務局から説明があったように、破綻が考えにくい構造だと。じゃあ、せめて地方の公営事業、どうだということになると、国から地方に交付税を出すときの前提となる地方財政計画というのに出てくるのですが、公営企業に対する繰出金というのが2兆6,000億円もあるのです。だから、結局は公営企業に対して赤字国債で、赤字国債だけじゃないんだけれども、補?しているのです。そういう形で池尾先生の言葉を使えば多分ソフトバジェットになっているわけですよ。
そういう形のもので改革ができるかどうかというのは、確かにいろいろな独立行政法人の評価だとかいろいろなことを言われましたけれども、それで本当にできているかどうかということが多分問われているのです。こうした観点を踏まえて、これからも議論を続けていきたいというふうに思います。
また、前半のほうで中島委員がアセット、ライアビリティのデュレーションの関係をご質問なさいました。また、それに関係して、林田委員から金利変動準備金の話も、適正水準がどうかということがありましたので、両者、非常に密接に関係しているし、えてして、我々、アセットは非常に長い期間融資しているというふうに考えているんですけれども、今日の事務局の富山課長のお話ですと、負債のほうが期間が長いというふうに言われましたので、これもまた意外なことなので、そこらは全体の議論ができるときに1回金利変動準備金の適正水準ということも含めて議論できたらと思います。
時間が大変オーバーいたしましたので、今日の議論はここで終わりたいと思います。
本日の議事内容につきましては、この後事務局より記者レクを行います。
また、議事録等につきましては後日財務省ホームページに掲載する予定としておりますので、ご了承願います。
本日は、ご多忙の中、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。
