財政投融資分科会(平成24年11月20日開催)議事録
財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録
財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第
平成24年11月20日(火)15:00〜17:35
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
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1.開会
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2.平成25年度財政投融資計画編成上の論点
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クール・ジャパン推進のための機関
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地方公共団体
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(独)日本学生支援機構
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3.閉会
配付資料
| 資料1−1 | クール・ジャパン推進のための機関説明資料 |
|---|---|
| 1−2 | クール・ジャパン推進のための機関参考資料 |
| 資料2−1 | 地方公共団体説明資料 |
| 2−2 | 地方公共団体参考資料 |
| 資料3−1 | (独)日本学生支援機構説明資料 |
| 3−2 | (独)日本学生支援機構参考資料 |
出席者
| 分科会長 | 富田俊基 | 古澤理財局長 冨永理財局次長 岡本総務課長 谷内財政投融資総括課長 渡辺管理課長 松浦計画官 平井計画官 馬場財政投融資企画官 木勢資金企画室長 | |
| 委 員 | 土居丈朗 中 里 透 | ||
| 臨時委員 | 池尾和人 木村陽子 吉野直行 | ||
| 専門委員 | 中島厚志 松田修一 |
〔 富田分科会長 〕それでは、予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。
本日は、お手元の議事次第にございます各機関につきまして、平成25年度財政投融資計画の編成上の論点をご審議いただきます。
まず、「クール・ジャパン推進のための機関」について説明をお願いいたします。
〔 松浦計画官 〕計画官の松浦でございます。それでは、私から資料1−1に基づきまして、「クール・ジャパン推進のための機関」の編成上の論点について、手短にご説明したいと思います。
まずめくっていただいて1ページ、左側に要求の計数関係がございます。これは全くの新設機関でございまして、25年度要求で事業規模400億円、その財源として、産業投資から400億円の要求が来ております。
編成上の論点でございます。1枚目おめくりいただきまして、右側でございます「論点」と書いてあるところでございます。クール・ジャパン企業の海岸展開を支援するため、リスクマネーを供給する新たな機関を今回新設することとしていますが、当然、政策的必要性を有しているかというのが論点でございます。また仮に政策的必要性はあったとしても、具体的な事業スキームが適切なガバナンスや収益性を確保するものとなっているかというのが論点になると思います。
論点に対する考え方でございます。1.で、海外需要を積極的に取り込んで、我が国の経済成長や雇用創出につなげていくのは我が国にとっては重要な課題だと認識しております。日本の文化、食、コンテンツ等は世界的に大変高く評価されているところもあり、クール・ジャパン企業が海外需要を取り込む力を潜在的に有しているため、日本再生戦略等々においてもクール・ジャパンの海外展開を強力に実行するとされているところでございます。しかしながら、こういった企業は、これまで主に内向きだったために、海外展開を行うにあたって、資金でありますとか、拠点等々が不足しているという状況があります。
2.で、政府がリスクマネーの供給を行うことは、こういった資金や拠点の不足といった課題を解消することが見込まれているほか、こういったものを呼び水として、さらなる民間投資が促進されることが想定されております。また新たな機関の設立によって、リスクマネー供給機能と海外展開支援機能がワンストップで提供され、日本企業の海外展開を継続的かつ持続的に支援する体制が整備されることから、新たな機関の設立は政策的な必要性・妥当性が認められるのではないかと考えております。
最後のページ、3ページ目です。3.、4.でございます。他方、クール・ジャパンの支援対象となる企業は非常に広範囲に及ぶことが想定されていますことから、適切な支援が行われるよう、海外展開の特性も考慮した適切な支援基準が策定される必要があると考えております。また当然でございますが、産業投資でございますので、収益性を確保するため、機関による経営支援が行われることが重要でありまして、そのための体制の構築や支援後における出口戦略の考え方の精査する必要があるのではないかと考えております。
私からは以上でございます。
〔 富田分科会長 〕それでは、経済産業省、よろしくお願いいたします。
〔 経済産業省商務情報政策局岸本生活文化創造産業課長 〕経済産業省生活文化創造産業課の岸本と申します。よろしくお願いいたします。
お手元の資料1−2に沿いまして、政策的背景や事業スキームについて簡単にご説明させていただきたいと思います。
まず1ページ目でございますが、皆さんおなじみだと思うのですが、クール・ジャパンについて簡単に説明させていただきたいと思います。上の四角の枠内にございますように、今後の日本の人口減少や昨今の内需減少といった厳しい環境下で、今後の日本経済を支えていく上では構造的な在り方として、自動車、家電、電子機器といったような従来型の産業に加えて、新しい産業分野の開拓が必要だと考えてございます。そうした中で、日本の衣食住やコンテンツといった日本の文化やライフスタイルの魅力を付加価値に変えて、日本の魅力をブランド化・産業化すると。そして新しい成長産業群として育てるという考え方がございます。またアジアの新興国を中心として、今後、世界的には需要が広がっていく中で、こうした産業を海外に広げていって、海外の需要を獲得して、日本の経済成長につなげていくという視点があるところでございます。
クール・ジャパンにつきましては、ご案内のとおり、コンテンツ、衣食住、そういったものなのですが、我々としては、それをもう少し幅広く、先端テクノロジー、レジャー、地域産品・伝統産品、そういったものまで広げた、我が国の特色を生かした産業の種と考えてございます。また、こうした産業を海外に広げていくことで、観光を通じてインバウンドにつなげていくということで、日本経済の成長につながっていくことが重要だということで考えている次第でございます。24年7月の日本再生戦略では、2020年までに17兆円の世界市場獲得が目標と定められたとおりです。
クール・ジャパン推進のためには、さまざまなこうした産業群を結びつけて、海外に展開するのを支援していくことが重要だということで、右の四角に書いてございますように、さまざまな事業を展開してきたところでございます。テストマーケティングや市場調査、マッチング、海外との政策対話、こうしたものをやってきたところでございますが、
にございますように、こういったものを省庁横断的に展開していく必要があるということで、民間の有識者と関係省庁等が参加した官民有識者会議という場で議論した結果、下のところにございますが、やはり海外展開を本格化するためには、リスクマネーがどうしても足りないという議論になった次第でございます。
参考の2ページ目でございますが、「クール・ジャパン戦略の全体像」でございます。これも皆様ご案内のところとは思いますが、スリーステップで考えてございます。まず、やはり日本ブームを海外で演出していくということで、海外のメディアに日本のよいものを発信していくことが重要だと。その次に現地で稼ぐ仕組みということで、海外に商業拠点など、日本の商品を売り込むジャパン・ストリートとか、ジャパン・モールといった、目に見える場所を提供していくことが重要ではないかと思っています。その上で3番目でございますが、先ほど申しましたインバウンドということで、海外からの観光客を日本に呼んで、本物を見ていただくということで、10兆円以上の市場を確保していこうという戦略になっているわけでございます。
3ページでございますが、中間から後、一番上の段は今のご説明の繰り返しになりますので、そうした中で、ボトルネックを解消する上で今回の機構がどう位置づけられるかについて簡単にご説明したいと思っております。
真ん中にございますが、やはりクール・ジャパン企業が抱えるボトルネックといいますのは、特に右側の中小企業や小規模企業などに典型なのですが、1つが足がかりにすべきような海外の拠点がないと。現地の商業拠点などで日本的なものを売り出しているものもあるのですが、やはり場の確保では厳しい交渉が迫られますし、または混合していくことで、日本的なものとそうではないものとがごちゃごちゃになってしまうとか、まがいものなどと一緒になってしまうという問題がございます。それから、真ん中にございますように、ご案内のとおり、リスクマネーの供給が昨今、やはり厳しい状況でございます。それから3点目が右の欄でございますが、やはり海外の情報・ノウハウといったものが十分には通じていないということで、どうやって出て行っていいかわからないという状況でございます。
左にございますが、大企業、中堅企業は、こうしたときには、全体を抱えて出て行くということなのですが、先ほど説明にございましたように、国内のサービスマーケットがある程度の規模があるということで、多くの企業が国内指向、国内のパイの食い合いに走っていたということもありまして、海外へ出て行くビジネスモデルというものがまだ十分描き切れていないと。今正に模索中という状況にあります。
そうしたボトルネックの解消で、今回の機構がどうお役に立つのかということでございますが、下にございますように2つの切り口があると思っています。まず1つが、海外進出拡大の足がかりとなるような「拠点となる空間」、ジャパン・モールやジャパン・ストリートというような物理的空間、またはジャパン・チャンネルのようなメディア空間を整備することで、海外に出て行く人たちのリスクを全体として低減する役割があるのではないかと思っております。それから2点目が、クール・ジャパン分野の専門的なサポートを、こうした機関が一元的に担うことで、中小企業に対しても情報提供や海外へ出て行くための経営支援などが行えるのではないかと思っているところでございます。また政策的にも、このような全体として見えやすい空間をつくっていくことで、日本を全体としてブランドとしてアピールすることができると。メイド・イン・ジャパン、メイド・バイ・ジャパンといったものを海外によりアピールできるのではないかと思っております。
あまり時間をとってはいけませんので、あとは簡潔にご説明したいと思いますが、4ページ目が、そうした日本企業の具体的な声の例を書かせていただいております。アパレル、コンテンツ、ファッション・ダイニング、日本の地方の素材メーカーなど、それぞれ海外に出て行きたいと思っているのですが、今言ったような原因で、なかなか出て行くことができないという悩みが聞かれております。
5ページ目でございます。今回の仕組みでございます。平成25年の産投出資要求につきましては、モールの規模などを勘案して400億円の要求をさせていただいております。この産投出資と民間出資とを合わせまして、クール・ジャパン推進のための機関において、官民のファンドをつくりまして、そこから拠点となるような空間、ジャパン・モールやジャパン・ストリート、またはメディア空間でジャパン・チャンネルのようなものをつくっていく事業に対して共同出資でプロジェクトをしていくことを考えているところでございます。存続機関につきましては、回収期間がそれなりに長くかかることも勘案しまして、おおむね20年程度という前提で考えているところでございます。
具体的なプロジェクトのイメージは6から7ページ目でございます。モール型につきましては、やはりかなり大きな規模になりますので、全体の事業規模としては400〜500億円といったような規模になると。したがいまして、国からの出資につきましても100億円程度とか、そういった規模になるのではないかと想定しております。ジャパン・ストリート、これは裏原宿のような町並みの支援でございますが、こうしたものの展開の場合には、数十億円程度の規模になるだろうと考えてございます。
7ページ目でございます。メディア系、または地域関係のプロジェクトでございます。メディア関係のものになりますと、回収期間も少し短くなりますし、事業規模も放送チャンネル自体を押さえるということでなければ、数十億円程度といった規模になるのではないかと。また放送メディア関係の場合ですと、テレビ放映権だけで流すのではなくて、あわせてキャラクターグッズなどを売っていくというようなことで、全体として資金を回収していくと。こういった仕組みになると考えてございます。
収益性の確保についてでございます。8ページでございます。機構の基本的な仕組みとしましては、専門的人材を確保すると。それから、機構への民間出資を募るということで、収益性向上のメカニズムをきっちりつくっていきたいと思っております。投資前におきましては、先ほど話にございました支援基準をきっちり設けまして、収益性の確保をきっちりとルール化するとともに、クール・ジャパンの展開といった波及効果、政策的な目標についても支援基準の中で一定程度、形をつくっていきたいと思っています。また、クール・ジャパン推進委員会という委員会を設けて、投資案件を選定することで、機構のみならず、外部からの目も踏まえたガバナンスといったものを考えていきたいと思ってございます。また個別案件に対しても民間からの出資供給を考えたいと思っております。
投資後につきましては、先ほども話がございました個別投資案件の経営支援というものが必要だと思っておりまして、そのために機構の人材につきましても、こうしたことができる人たちを集める必要があると思ってございます。機構全体としてのポートフォリオを維持するとともに、機構の業務評価をきっちりと行うことで、収益性、ガバナンスの維持にも努めたいと考えているところでございます。以上でございます。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。ただいまの説明に対しまして、ご意見・ご質問等がございましたら、どなたからでもお願いいたします。では、池尾委員、そして松田委員、お願いいたします。
〔 池尾臨時委員 〕海外に出て行くという話ですから、何らかの国というか、ソブリンの支援が必要だという点は私もそうではないかと思うのですが、ただ、こういう形での官民ファンドをつくって、リスクマネーを供給するということが国が行う支援として本当に中心なのかなということは、ちょっと疑問に思うところがありまして、こういうこと自体については民間ベースでどうしてやれないのだろうかと。もっと民間ベースでやった上で、国として当然、相手国との交渉だとか、そういうところで支援をする必要があるのは当然だと思うのですが、国の支援と民間の活動との間の、もう少しメリハリというか、役割分担みたいなものは違った形であり得るのではないかと。最近、官民ファンドをつくるケースが非常に多いので、そういうやり方が成功体験的に踏襲されて広がっているのは、いい面もあるのでしょうが、役割分担に関してはケースごとにしっかり再検討することが必要だと思います。この場合、国と民間の役割分担のあり方として、こういうあり方が一番望ましいとか、私が最初に申しましたように、どうしてもう少し民間ベースでこういうこと自体ができないだろうかということについてご説明をいただければというのが1点目です。
2つで終わりますが、もう一点目が、多少繰り返しになりますが、本当にハンズオンで、きちんとした経営支援をすることができれば私もいいとは思うのですが、こういう形でファンドをつくってやりましょうという話はいっぱいあるので、人材を集めるときに、そういうことをできる人材がそんなにたくさん日本にいるのだろうかと。もし本当に既にいるのであれば、そういう人たちがどうして、こういう仕事をしないのだろうかと思います。専門的人材を集めるとおっしゃいましたが、どういうところに人材の供給源とか、そういうノウハウを持った人たちがいると想定しておられて、そういう人たちがなぜ今はそういうことをしていないのかと。ノウハウがあるのに、何もしていない人というのも変な感じなのです。本当にハンズオンでやるだけの人材の確保ということについて具体的な目処があるかという感じのことですね。その2点をお伺いできればと思います。
〔 富田分科会長 〕大変本質的な質問なので、先にお答えいただけますでしょうか。説明のときにでも説明していただくべきことだったと思うので。どうぞ。
〔 経済産業省商務情報政策局岸本生活文化創造産業課長 〕まず1点目でございますが、正にそういった悩みは私どもも感じているところでございます。クール・ジャパンを進めていく上で、やはり国の役割は、例えば企業と企業の出会いの場を設けるとか、海外との関係でいうと著作権対策をやるとか、そうしたところが基本だと。それから、海外との交渉におきましても、例えば規制緩和みたいな話を働きかけると。そういうのが基本だということであるのですが、これまで2年ほど、この話をやってきて、そうはいっても、なかなか海外に出て行く人がいないという状況の中で、例えばモデル事業ということで少し補助金などをつけて海外展開をしていく企業を応援したりということを取り組んできているところなのですが、それをもう一押し、今、加速的にやろうと思うとすると、呼び水ということなのかもしれませんが、国の支援、出資という形の支援でやっていくことが必要なのではないかと考えている次第でございます。
もとより、こういうものは民間ベースでやっていくのがあるべき姿だということは私どももそう思っていますので、時限ということで考えていると。まあ、20年というのは長いように見えまして、実際に投資期間はそのうちの前半ということでございますので、一時的にそういうことをやることで、こういった事業が恒常化していくということを期待しているということでございます。
それで2点目のご質問、これまた同じでございまして、確かに人材をどうやって確保するのかというのが、私ども省内で議論していても、大臣以下、皆、そういう議論がありました。これは人によって感覚が違いますが、私個人的な感覚ということになるのですが、若い人たちの中には、海外、中国とか、そういったところでこういった事業をやりたいと思って取りかかっていらっしゃる方とかが結構いると。ただし、社内の中で意思決定などがあって、なかなか自分のところにお金が入ってこないということで非常に苦労していらっしゃる方もいらっしゃると。それからまた、個人的なファンドみたいなものをつくって、小規模であるけれども、海外展開を応援していらっしゃる方もいらっしゃると。一方で大企業になりますと、やはり昔からの事業のビジネスモデルがあるので、なかなか資源の再配分がうまくいかなくて、そちらにお金が流れていないというふうなところも若干見られるような気がすると。そういった中で構造的に産業構造を変えていくというところがうまくいかないと人材もそっちのほうに流れていかないということで、その人材の種をどうやって、そちらのほうに流していくかということで、こうした事業が、そちらのほうに人が向くようになるのであれば、私どもとしてはありがたいと思っているということでございまして、正に池尾先生がおっしゃったような指摘を乗り越えていくのが必要だと思っていますが、そういった人材が、もちろん世の中に数多いるということではないのですが、声をかけてみると、そういう気概を持った方がいらっしゃるという感触は持っております。
〔 富田分科会長 〕それでは先に松田委員、それから土居委員、そして木村委員の順番でお願いします。
〔 松田専門委員 〕ありがとうございます。池尾委員とかぶるところもあるのですが、このお話を聞いて、予算要求が400億円で、これは産投出資ですから、民間はこの何倍を考えているのかと。総枠がわからないまま、どういう運用をするのかを判断してくれと言われても、非常に理解がしづらいということがあるかと思います。
それから、この事業内容が、ご説明のように、ある一定のところにクール・ジャパンが出て行くということで、施設を運営すると。進出した国においてみずからソブリンベースでインフラを提供して、そこに出て行く人をまた支援するという2つのことがあるのだろうと思います。そういう意味で、ストリートのほうは若干軽いでしょうが、箱ものをつくっていこうとする場合は投資が大体20年以上はかかるだろうということで、期間については理解できるのですが、クール・ジャパン等々のこういう基本的なものは非常に短期に回りますので、そこに入居する人たちのサイクル、あるいは競合関係をどんどん入れていかないと、エキサイティングにならないということも含めて、どうも官民一体でこういう話が進んでいるときに、先行的なこの企業を支援しますとなると、現実問題として、もっと新しい斬新なものを拒否するといったようなことが、いろいろなところで起きてくるような気がします。こういう機構の完全に民間ベースではないところで、オール・ジャパンとして世界で戦えるという発想でどんどん新しいものと入れ替えていくということが、スムースに行われるのだろうかという気がしています。
いずれにしましても、民間ベースで、この分野で一番動いているのが産業だろうと思っています。ユニクロなんかは正にそうでしょうし、あるいは百円ショップもそうかもわかりません。クール・ジャパンの延長線上には、民間ベースでいろいろな企業が出ていると思うのですが、そういう意味で、屋上屋を架すようなことにならないことです。ニーズとしてはあるはずです。出たいけれども、なかなか出られないということはあるとは思いますが、それが日本全体のニーズとしてどこまであるのか。既に先行的に行われていて、そういう方々はどんどん自己の事業拡大をやっておられますので、これから出て行く人まで面倒をみようということは、お互い民間ベースではあまり考えていないのだろうということは言えるわけです。
そういう意味で、ここの中で大きく2つに分かれていくのだろうなという気がしますし、総合的に幾らぐらいの予算を考えて、そのニーズが本当にあるのだろうかというのが今のご説明の中にはなかったような気がいたしまして、ご質問をさせていただきます。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。では続けて、土居委員。
〔 土居委員 〕今までの議論の流れに沿った質問からまずさせていただきたいと思います。確かに今の状況では、こういう政府の支援は必要な状況であることは私も理解できます。ただ、先ほど池尾委員がおっしゃった中で成功体験という言葉があったと思いますが、私はむしろそうではなくて、単に民間がリスクをとらないところを政府がとらざるを得ないという形で、今の足元で、こういう取組が幾つか別の形でも出ているということだろうと思います。
そうなりますと、本来は民間でというお答えがありましたから、そこは信じたいと思いますが、本来、民間でやるべきことだけれども、目下、民間ではなかなかリスクをとりたがらないという状況があるので、そこは政府がサポートするということは何らかの形できちんと肝に銘じていただくというか、それをインスティテューショナル・メモリーとして、この新機関に埋め込むような対応が私は必要であろうと。設置法があるならば、設置法に書くとかですね。何らかの形で、単に財投分科会でのやり取りがあったという議事録に残す程度では弱いと私は思っています。そういう意味では、そういうような担保をなさるおつもりがあるかというのがまず1点です。
それと同様の問題ですが、クール・ジャパンとは何なのかということも、これもやはり単に、ここでご答弁をいただくだけでは弱過ぎると。この機関を設置するときの法律政令なりに、クール・ジャパンとはどういう定義なのかということをまずきちんと書いていただかないと、拡大解釈して、何でも取り込めるという話になってしまったのでは、この機関が何をするための機関なのかがわからなくなってしまうという懸念があります。
それと同様に、成果ですね。この成果がどういう形であがれば、それをよしとできるものなのか。幾つか行政の仕事を拝見させていただいてみると、大体こういうパターンは結果的には収益が返ってこなかったけれども、まあ、日本の文化を広めることに貢献したのだから、それはそれでいいだろうという話になりがちです。確かに一般会計予算で渡し切りのものであればいいのですが、これはあくまでも産投出資ですから、とにかく日本文化が広まったのだから金銭的に返ってこなくてもいいというわけにはいかない。そういうところはきちんと担保していただかなければいけないので、逆にむしろ、そんな話はあまりあり得ないとは思いますが、極端に言えば、産投出資としては、日本文化が定着したかどうかはよくわからないけれども、収益は返ってくると、それぐらいの覚悟でやっていかなければいけないと思いますので、政策目的と成果との対応関係はやはりきちんとお考えいただけなければいけないと。
あと2点は、重複云々という問題ですが、ジェトロとどういう棲み分けをするのか。それからもう一つは、他省庁でも同様の取組をしているとか、これからなされる可能性があるとか、そういうところで行政改革の議論の中では、絶えず重複はないのかとか、他省庁と同じことを幾つもの省庁でやっているという話になっていて、肥大化していないかとかということは問われると思いますので、そこはきちんと、そういうことがないようにしていただくということをお願いしたいと思います。以上です。
〔 富田分科会長 〕はい。どうぞ。
〔 木村臨時委員 〕 ありがとうございます。私は、いろいろ海外との事業とか、連携とかをすることが多い仕事に現在ついております。そこで見てみますと、韓国はテストマーケティングとか、国が30社を選び、きちんと1年間フォローしてあげるという取組を行っております。かたや日本を見ると、私たちのカウンターパートもそうですが、なかなか日本で売る商品を犠牲にしても、海外に行く人はいない。だけれども、日本の将来のことを考えれば、やはり政策的な投資が必要だということは私個人としては非常に感じております。
それで、ほかの委員のご意見と重なる部分もあれば、異質な質問になるかもしれませんが、例えば先ほど申し上げたような、かなり計画的なテストマーケティングとか、国の補助金とか、いったん話がまとまっても途中でいろいろ頓挫することがありますので、そのようなことを最後までフォローアップするとか、そういうような体制をどのように組んでいかれるのかということが第1点です。
それから第2点で、場の提供ということもここで書いておられますが、これ自体は非常にいいことのようにも見えるし、反面、難しいことのようにも見えます。例えばジャパン・モールというものを大きく設定した場合に、それが日本の商品を売り込むことの後押しになるというのは、どういうお考えから来ておられますか。以上の2点です。
〔 富田分科会長 〕はい。それでは、経済産業省からお三方の質問にお答えください。
〔 経済産業省商務情報政策局岸本生活文化創造産業課長 〕まず松田委員のご質問で、予算の関係でございますが、400億円、国からの出資をお願いしていますが、民間からの出資につきましても、機構への出資と、それから事業体への出資とを合わせて、官と同じぐらいの出資規模を考えていますので、出資額としては全体としては800億円ぐらいの規模になるというふうな想定でございます。もちろんプロジェクトをする際には、民間からの借入れみたいな形での調達もあると思いますので、実際としては、それで何千億円かの規模の事業ができるというふうに考えている次第でございます。他方で、事業でございますが、先ほどご説明申しあけましたようにジャパン・モールとか、そういったものになりますと、1件当たり数百億円といった規模になりますので、そうした結構な規模だと思いますが、それでも例えば東南アジア、中国等に幾つかの横展開を図っていくとなりますと、どちらかというと、それで十分なのかという見方をされる方もいらっしゃるぐらいの規模だと考えている次第でございます。
それから2点目でございますが、本来は民間でやるべきことと、それからクール・ジャパンの定義につきまして、きっちりと形として残すべきではないかと。私もそのとおりだと思います。クール・ジャパンという定義については、いずれにしましても、法律で「クール・ジャパン」という言葉は多分使えないと思いますので、書かざるを得ないのですが、民間でやるべきことということにつきましても、何らかの形で当然、経営方針以下、そのやり方については考えさせていただきたいと思いますが、きっちりと、人が代わっても、そういう方針が維持されることは重要だと私も思ってございます。
それから3点目のジェトロとの関係でございますが、もちろん例えばジェトロに出資機能があれば、こういったものはジェトロのようなところがやればいいのではないかという議論も当然、いろいろな政策を考えていく段階では構想としてあるわけでございますが、あそこには出資機能はございませんので、こうしたファンドと、それからジェトロのような機関、それから大使館ですね。そうした海外に実際に日本企業の応援をしていただけるようなものとが連携をとってやっていくことが重要ではないかと考えているところでございまして、ジェトロとも当然、このアイデアについてはお話をさせていただいているところでございます。
他省庁との関係も同じでございまして、クール・ジャパンの要素は、経済産業省だけの分野ではなくて、正にメディアで出す場合は総務省さんとか、日本食レストラン、今、一番、クール・ジャパンで海外で実際のビジネスとして成功しているのはそういったところだと思うのですが、そこは農水省さんとか、そういったところとは当然、協力しながらといいますか、一緒にやっていくということだと思っていまして、この構想につきましても既に何回かご相談をさせていただいていますし、どういう形がいいのかについては、わりと今後、法律とかをつくっていく段階でいろいろな議論があるのですが、一緒にやっていくという考え方でと思っておるところでございます。
それから木村先生のご質問でございますが、まずどういう体制でやっていくかということでございますが、ファンドでございますと、審査をして、それで終わりというふうな形もあると思うのですが、この機構につきましては、むしろ経営支援という形で、実際に一緒にプロジェクトをつくっていくと。機構自体が、どちらかというと、いろいろなケースがあるとは思うのですが、経営権を握ってやっていくというよりは、民間の出資が過半数で、機構自体はそれに対してマイナー出資をして、経営を支援していくということのほうが多いのではないかと私は個人的には思っておりますが、そうした中で、うまく経営が回っていくように側面サポートをし、場合によっては経済産業省とも連携をとりながら、外交的な努力もしていくという枠組みでやっていきたいと思っているところでございます。
最後にジャパン・モールが後押しになるかという点でございますが、これはいろいろな考え方があるとは思うのですが、1つの場をつくって、そこに出して行くということで、まず政策的には日本のブランドがそこに集まるわけですので、例えば出ているユニクロというものがいいものだとした場合に、その印象がほかのものにも移っていきますので、ほかの日本の織物なんかが出て行ったときにも同じようなイメージを持っていただけると。まあ、そういうほかのものにも、いい印象を持っていただけるということでやるということ。それから、例えばレストランがあって、日本食を食べに来た人がほかの日本のいいものに触れられるということで、日本のブランドのほかのたぐいのものに対しても関心を持ってもらえるということでございます。
それからあと、モール自体ということで言いますと、例えば物流でございますとか、アパレルなんかの展開では、そこで売る売り子さんですね。人材の育成みたいなものの場合に、例えば中小企業さんが1社でやってしまうと、1社で全部やらなければいけないということなのですが、モールで全体として出て行きますと、そこを共有化できる部分がございますので、そうした部分でコスト削減とかリスクの低減になる部分もあるのではないかという話が言われてございます。以上でございます。
〔 富田分科会長 〕ほかに。どうぞ、中島委員。
〔 中島専門委員 〕日本の輸出は、広がりがあまりない。とりわけ非製造業、中小企業の参加が他の主要国に比べると大変少ないということ、あるいは、GDP比で見ると世界最下位クラスであるということから考えると、輸出拡大は必須だと思います。とりわけ中小企業あるいは非製造業については、内部留保、自己資本比率ともに過去最高水準までに上がってきていますので、現状は、海外展開をするチャンスであるし、クール・ジャパンの定義という話が先ほどありましたが、少なくとも非製造業、中小企業の後押しをして海外へ出てもらえば実るものがあるというところも多々あると思いますので、これは的を射ていると思います。
それで2〜3点あるのですが、1つは、先ほども少し質問の中にありましたが、やはり産投資金を出していくことになりますので、回収を確実にしなければいけない。損がないような形であることは極めて大事ですが、損にならないような努力について、どのように考えていらっしゃるのか、伺いたいというのが1点目です。
それからもう一つは、この資料の中にエグジットの話があったのですが、ほかの第三者、IPOを含む等で売却をしていくということも考えられるということで、これは大いに結構な話ですが、20年の期間の中で役割を終えてきた、あるいは減じてきた。ないしはエグジットして、その金を無理して回す必要は何もないわけですから、その意味ではファンド自体、この400億円の出資部分を途中で減じるということもあり得るのかどうか。これも伺いたいと思います。
〔 富田分科会長 〕お願いいたします。
〔 経済産業省商務情報政策局岸本生活文化創造産業課長 〕まず1点目でございますが、回収については、もちろん最も今、記録が残る時代ですので、担当課長としては、非常に身も縮む思いでやっていますが、そうした中で、やはりこうしたクール・ジャパンを出して行くという中で、本当に応援したい人たちは中小企業などでどんどん出て行く人であると。ただ、それを応援するのは数も多くなりますし、目利きの人たちも山ほどいるので難しいと。そういう中で、どういった事業形態がいいのか、いろいろ考えた中で、一つのあり方として、もちろん上に乗っかっていく人たちを応援していくこともファンドの範疇に入っていると思いますが、こういった場を設定している人たちを応援していくことが、上に出て行く人たちにとっても出て行きやすいやり方になるのではないかということで議論を進めてきてございます。したがって、この考え方はどちらかというと、回収の可能性とか、ある程度の出資資金の安定性を考えた上で、こうした事業のあり方があるのではないかと考えたところでございます。
それから2点目がエグジットの話でございますが、これはまた私は、そんなにビジネスについて非常に詳しいわけではありませんので、いろいろなやり方があると思いますが、もちろん政府出資が余ってきて遊休していることは必ずしも望ましいことではないと思いますので、未来のある段階で、資本金が余っているのだけれども事業に使われていないという状況があれば、それは減資ということもあるでしょうし、またはその時期に新しい日本のブームが起きて、さらに資金ニーズが欲しいということになれば増資ということもあると思いますので、それはむしろ財務省さんとよく相談しながら、財政の効率的運用を考えていくことではないかと考えております。
〔 富田分科会長 〕ほかにご意見・ご質問はございませんか。はい、松田委員どうぞ。
〔 松田専門委員 〕 よろしいですか。2回目の質問ですが、結局、これは先進国、主として欧米に出て行こうとするのか、いや、アジア、これから成長するところに出て行こうとしているのか。先進国のほうは、チャレンジはもうみんなしていると思いますので、逆に言うと、これでモールをつくる云々ということになると、これから伸びるあるいは伸びている国に出て行くということだろうと思いますが、そこで、中小企業にとって一番重要なのは、その国のだれと組めばいいのかというような、失敗をしないための組み方の方法という具体的な話です。そして当然、全体としてのその国のリスクがあるわけですが、そういうデータベースが日本としてだれが持っているのかというのが実はいくら探してもわからない。ということは、その国について詳しい個人に聞いて、そこから情報収集するしかないのが現実なのだろうと思います。そういう意味で国際協力機構、これが大変な努力をされて、そういう情報収集をしておりますし、ジェトロや、中企庁もそうですが、このデータベースを、この機構の中でしっかり会員がクローズドで見られるのかどうかと、そういうことまでやろうとしているのかどうか。そこが本当の具体的な支援なのだろうと思っています。
だから、いろいろなことで相談を受けたときに、その国で、だれがその国のことについてよく知っているかをまず探して、その人に会わせるというところを若干プライベートでは支援をしているのですが、そういうことを国としてやることは、今度は逆に日本が、出て行こうとする国の評価を国としてやっているという話にもなるので、オープンになると大変なことになるのかどうか、そのあたりを。これはクール・ジャパンというのは文化の話ですから、単に物を売るという話とは相当違ったことにも配慮しなければいけない部分があるのではないかと思っていますので、ワンストップでと言葉では言うのですが、一番重要なのは、だれと組めばいいのかという方法論と具体性について、本当にこの機構はアドバイスできるようなところまで行くのでしょうねと。ぜひやってほしいと思うのですが、もしお考えがありましたら、ご説明いただきたいと思います。
〔 富田分科会長 〕はい。
〔 経済産業省商務情報政策局岸本生活文化創造産業課長 〕なかなか難しいことでございますが、的を射たお話だと思っていまして、私自身もインドネシアの大使館で3年間、経済担当の参事官をやっていましたので、そういったアジアなどの事業についてパートナーが大事だということは重々わかっていて、正にそこが事業の成功の肝ではないかと思っています。大体そういったところは、人の頭の中で引き継がれていって、というか、そこが一種、最大の経営ノウハウみたいなところになっていると思いますので、こうした機構をつくる際には、そうしたノウハウを中の人材として取り込むのか、または外のネットワークとして取り込むのかについては、そんなに大きな機関にはなり得ないと思いますので、外のネットワークを活用してということになるのではないかと思っていますが、それをつくっていくことが重要ではないかと思っています。ただ、最初から重いデータベースみたいなものをつくると、大体えてして、そこで国の事業で失敗していることが多いものですから、あまり最初からデータベースをつくるとかというところまでは今のところは考えてございませんが、委員の言われた考え方に沿って何ができるか、もう少し勉強してみたいと思っております。
〔 富田分科会長 〕それでは、このあたりで次に移りたいと思います。クール・ジャパン推進のための機関関係者の皆様にはご退席をいただきます。ありがとうございました。
(クール・ジャパン推進のための機関関係者 退席)
(地方公共団体関係者 着席)
〔 富田分科会長 〕それでは地方公共団体について説明をお願いいたします。
〔 平井計画官 〕地方担当の計画官の平井でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、地方公共団体向けの財政融資の平成25年度要求に係る編成上の論点につきましてご説明をさせていただきたいと思います。
資料2−1の1ページ目をご覧ください。左側の表が地方公共団体向け財政融資に関します25年度要求の概要でございます。表の1行目、事業規模といたしましては、平成25年度の地方債計画の見込額を記載しておりまして、総計で13兆4,554億円、表の中ほどより下には資金区分別の数字がございますが、財政融資資金については3兆6,000億円の要求となってございます。なお、下の備考欄の1.にございますとおり、この数字には震災復興対応分は含まれておりませんが、今後要求のある震災復興対応分の所要額につきましては、その全額を公的資金での確保を図る旨の要求があったところでございます。この震災復興対応分を除いた地方債計画の通常収支分ベースで比べますと、25年度の事業規模は24年度の13兆5,396億円と同程度となってございます。以上の計数につきましては、例年と同様、今後の地財折衝で変動する可能性がございまして、あくまで現時点の仮置きの数字でございます。
次に、編成上の論点でございます。1ページおめくりいただきまして2ページ目をご覧ください。
まず論点1といたしまして、総務省は公債費負担対策といたしまして、新たな補償金免除繰上償還の措置を要望しているところですが、さらなる補償金免除繰上償還を認める余地はないのではないか、といった論点でございます。
総務省の要望につきましては後ほど総務省からご説明いただきますが、論点に対する考え方といたしまして、まず1点目に、大原則でございますが、財政融資資金は民間金融機関と異なり、利鞘をとらずに収支相償で政策的に融資を実施しており、補償金を免除することによります金利収入分の損失を受け入れることができない仕組みとなっております。また、剰余金が発生した場合につきましては、今後の金利変動に伴う損失に備えるために積立金として積み立てまして、必要水準を超える分につきましては、国債整理基金特会に繰り入れて、国民共通の利益のために用いることとなっております。
こうしたことから、財政融資資金におきましては、すべての貸付けにつきまして、任意で繰上償還を行う場合には、契約どおりの補償金を支払わなければならないということを原則としております。これまで、例外的に、抜本的な行政改革あるいは事業見直し等を条件に、透明性のある形で法律に基づきまして補償金を免除した例はございます。ただし、平成17年度に認めた住宅金融公庫、都市再生機構、そして年金資金運用基金につきましては、対象業務からの撤退等の厳しい条件の下で実施してきております。また、一方の地方向けの補償金免除繰上償還につきましては、19年度から21年度の3カ年に臨時特例的に実施した後、さらに22年から24年度につきましても延長しておりますが、この延長の際には、財務大臣と総務大臣の両大臣間で覚書を結ばせていただきまして、「今回限り」という形で約束をされているところでございます。
続いて、2枚おめくりいただいて4ページをあけていただいて、参考の図表に沿って説明をさせていただきたいと存じます。参考3をご覧いただきたいと思います。財投特会の積立金等の状況でございますが、補償金免除の繰上償還を認めた当時と異なりまして、現在では、累次の一般会計等への繰入れによりまして、積立金が枯渇してきております。また、剰余金につきましても年々減少しておりまして、足元では1兆円を下回る規模となっております。
そのような中にございまして、財投としてできる限り東日本大震災からの復旧・復興に貢献してきておりまして、23年度と24年度合わせて、2.1兆円を復興財源として一般会計等へ繰り入れております。また剰余金につきましても、27年度までの間、復興財源として被災地のために活用することを可能とする規定が、復興財源確保法において措置されているところでございます。
したがいまして、被災団体に対して補償金免除を行うことは、その分、復興財源に活用可能な財投特会の積立金を減少させることになりまして、被災団体にとってプラスにならないと考えております。むしろ、復興財源につきましては、復旧・復興等に必要な施策をすべて挙げて、どの施策の優先順位が高いのかを予算全体として精査し、国会で議決した上で支出先を決定すべきであって、そうしたプロセスを経ずに、公債費負担対策のみを優先することにつきましては問題があると考えております。また、万一、被災団体以外に対して補償金免除繰上償還を認めた場合には、正に復興財源の流用にほかならないと考えております。
最後に参考4でございます。衆参財金委員会の附帯決議にございますように、復興財源の活用にあたっては、財投特会の財務の健全性への配慮が求められているような大変厳しい財務状況になっております。財投特会の積立金の枯渇が継続する懸念がございますため、復興財源確保法によりまして、一般会計から財投特会への繰入規定が措置されております。財投特会の財務の悪化のみならず、復興のために活用可能な財源を減少させる、更なる補償金免除繰上償還は認められないのではないかと考えております。
続きまして、ページをおめくりいただきまして、論点2でございます。論点2は、臨時財政対策債に対する論点でございます。地方債計画におきまして、臨時財政対策債の発行額が増加しておりますが、地方向け財政融資におきまして、臨時財政対策債の引受けをどう考えるかということでございます。
論点に対する考え方ですが、地方向けの財政融資は、財投改革等の趣旨を踏まえまして、重点化を実施してきており、20年度まで規模を縮減してきておりましたが、21年度からは世界金融危機や東日本大震災の発生によりまして、増加して推移してきております。
1ページおめくりいただきまして、参考7をご覧いただきたいと思います。各年度の下の行には、財融資金の貸付先別の割合を記載しておりますが、近年の財融資金の貸付先を見ますと、資金調達能力の比較的高い都道府県あるいは指定都市の割合が増えております。都道府県と指定都市については、この参考7の真ん中の欄になりますが、こちらの割合が増えてきているということでございます。これは、財融資金によります、これらの団体が発行する臨財債の引受けが増えたことが要因となっております。
これまで当分科会で取りまとめていただきました報告書にございますとおり、臨財債の引受は社会資本整備といった財政融資の本来的役割からはふさわしくない面がございまして、引き続き引受を減らすべきではないかと考えております。
私からは以上でございます。
〔 富田分科会長 〕それでは総務省、お願いいたします。
〔 総務省自治財政局杉本地方債課長 〕総務省の地方債課長の杉本でございます。よろしくお願いいたします。それでは資料2−2で私からまずご説明をさせていただきます。
まず1ページでございます。「被災団体等向け公的資金補償金免除繰上償還について」ということでございます。まず、これまで6年間、補償金免除繰上償還をしていただきました結果でございますが、これにつきましては6年間で約3兆8,000億円の繰上償還を実施していただきまして、約9,000億円の補償金の免除をしていただいております。これによります改善効果額は約6兆5,000億円という状況でございまして、非常に大きな効果を生んでいると考えております。また当時、平成18年度末現在の5%以上の対象となります起債の総額については約12兆円でございましたが、平成24年度末には約1.3兆円まで縮小するということでございますので、今回の繰上償還の対象外となっていたような、言ってみれば財政力の大きいような団体の分が一部残っていると。こういうようなことでございまして、これまでの措置につきましては大変大きな効果をあげたと考えております。誠にありがとうございました。
続きまして、そういった状況を踏まえまして現行の対策につきましては、今年度限りで終了することということで総務省としては考えております。一方で、ご案内のとおり、東日本大震災が発生いたしまして、被災団体におきましては既存の事務事業に加えまして、今後、本格的な復興事業が進んでいくと。さらに大幅な税収減に直面していると。こういう状況の中で急速に財政が悪化する懸念が広がっております。そうした中で、新たな公的資金補償金免除の繰上償還を特別に実施して公債費負担の軽減を図ることができないかと考えております。あわせまして、こうした被災団体との均衡、それから地方団体からの強い要請なども勘案しまして、特に財政状況の厳しい団体についても、その対象としてはいかがかと考えております。この場合の対象金利につきましては、市場金利が低下していることながら、4%以上としてはどうかと考えているところでございます。
下のところにございますように、一応、今申し上げたことをまとめますと、今後新たに対象としたい措置の対象団体につきましては、被災団体については財政援助法の特定被災地方公共団体、それから特に財政状況の厳しい団体としては財政力指数が全国平均値以下で、普通会計、公営企業会計ともに下に書かれているような実質公債費比率、資本費以上のところということでございます。対象の残債は総額で1.1兆円程度ということでございます。
1枚おめくりいただきまして、その考え方でございます。まず対象団体でございますが、被災団体につきましては、1つは東日本大震災の発生以来、被災地におきまして当該地方公共団体、さらには国を挙げて、その対応に当たってきておりますが、復旧復興は道半ばでございまして、日本再生戦略におきましても「被災地の復興なくして日本の再生なし」という考え方のもとで、今後も総力を挙げて復旧復興に取り組むこととされているところでございます。また被災団体におきましては、お話を私どもはよくいろいろ聞きますが、聞いておりますと、現状は緊急的な応急復旧がやっと進んできたところということで、本格復旧・本格復興はこれからという状況というところでございます。そういった中で、本格的な復興事業を実施していく必要がある中で、既に実質公債費比率、資本費ともに全国平均と比較して厳しい状況にございます地方公共団体がさらに大幅な税収等の減に直面しているという状況がございます。
この資料の6ページをご覧いただきたいと思います。被災団体の財政状況でございますが、まず普通会計でご覧いただきますと、実質公債費比率については全国平均の11.8%に対して13.4%となっております。また税収につきましても、全国では、被災前と被災後の23と24年度の比較では0.8%の増となっておりますが、特に岩手、宮城、福島などにおきましては、こうした税収の減に苦しんでいるということで、長期的に見ても、これはなかなか上がってこないという懸念を持っております。また公営企業会計をご覧いただきますと、一番右側で対全国平均比で資本費をご覧いただきますと、いずれもおおむね全国平均を上回っているような状況でございます。個別の事業をご覧いただきましても、例えば上水道の給水事業ですとか、簡易水道、公共下水につきましては全国平均よりもかなり高くなっておりますし、さらにそのうち、簡易水道や公共下水道につきましては、今回の被災で相当、この資本費が上がってきているということでございます。それだけ有収水量等も減っているような状況にもあるということでございます。
2ページにお戻りいただきまして、こうした中で、今後、財政状況が急速に悪化する懸念がございまして、復興に向けた取組が十分に進まなくなるということを防ぐために、被災団体からの強い要請も踏まえまして、既往の公債費負担の軽減が必要であると考えたところでございます。
8ページをお開きいただきたいと思います。これは被災団体からの要請の主なものでございます。これ以外にもたくさんございますが、例えば岩手、宮城、福島を見ましても、被災地向けに要件を撤廃した形で新たな措置をお願いしたいということですとか、対象金利の引き下げ等の要件の緩和についても言われているところでございます。
3ページにお戻りいただきたいと思います。続きまして、特に財政状況の厳しい団体でございます。これにつきましては、今申し上げた被災団体との均衡、それから引き続き公債費負担の重い地方団体が多数存在すること。それから全国の地方団体からも強い要請があるということを踏まえまして、今申し上げましたように被災団体向けに措置を行うという中であれば、当然、財政力指数等も踏まえて、非常に厳しい団体がその中にあるということで、財政力指数が全国平均値以下の団体について、例えば普通会計につきましては、実質公債費率が合併団体については協議団体となる16%以上、非合併団体については許可団体となる18%以上ということで考えております。
これについては7ページをお開きいただきたいと思います。今申し上げた16%とか、18%の数値でございますが、25年度以降の地方債についての発行に際しての手続といたしまして16%以下は届出団体、16%を超えますと同意付きの協議が必要となる団体、18%以上になりますと、早期是正措置としての許可団体ということになりますので、こういったものを踏まえて掲げさせていただいているところでございます。
3ページにお戻りいただきたいと思います。こうした中で、さらに公営企業会計につきましては、今申し上げました全国平均が11.8%、それから、今の合併団体16%、非合併団体18%ということで、16÷11.8という数字をもとに合併団体については全国平均の資本費に対して1.4倍、非合併団体については1.6倍ということで考えたところでございます。なお、全国の地方公共団体等から、9ページにございますように、これまでの措置の延長、それから年利の対象要件の緩和、企業債についての借換え、こういったものについて要望が出ているところでございます。
4ページをお開きいただきたいと思います。対象金利の考え方でございますが、次の考え方を踏まえまして、4%以上と設定させていただきたいと思っております。1つは、これまでの措置が平成18年度までの過去30年間の財政融資資金の平均貸付利率である4.7%を考慮して、5%以上とされていたと。それに対して6年がたった23年度におきましては、30年間の平均貸付利率が3.7%に低下しているということ。それから、6年前に比べまして、共同発行市場公募地方債の平均利回りも1.9%から0.9%程度に下がっていると。こういうことで1%程度低下してきていると。高金利という考え方がこういうふうに変わってきたということでございます。なお、4条件につきましては、これまでどおり、4条件を満たして、法律に基づいて行うということで考えております。ただ、被災地につきましては、事務負担を軽減するのは非常に重要ですし、また被災地の財政状況は極めて厳しくて、ある意味、放っておいてもどんどん行革等を行っているような状況でございますので、そういった点をご考慮いただきたいと考えております。
財務省さんが言われた資料2−1について特にいちいち申し上げるような立場ではないかとは思っておりますが、私どもが今回お願いしました基本的な考え方は、財政融資資金の貸付けは収支相償ということで運営されているものと認識しております。そういった中で、被災地では今回、東日本大震災という大変大きな災害が起きた中で、被災地の地方公共団体の復興が円滑に進むようにということが一つ重要であることと、それから、先ほど来ご説明もございましたが、金利変動準備金につきましては既に相当多額の取崩しがされておりまして、この中には地方公共団体が、その利益に貢献した部分が相当あるという中で、もちろんそのお金を被災地に振り向けていただき、なおかつ、それと比較しても厳しい団体に対して何とかご援助いただけないかと。こういうことでございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。ただいまの説明に対しまして、ご意見・ご質問等がございましたら、どうぞ。はい、中里委員から。
〔 中里委員 〕今、被災地ということを強調されてご説明がありましたが、これは全国の自治体について要求がなされているという点にまず留意すべきだと思います。理財局の説明資料には、「認める余地はないのではないか」とありますが、被災地のことを除いた一般的な話で言うと、そもそもこういう措置を認めてよいのかということがあると思います。つまり、補償金とあるけれども、これは別に違約金を求めているわけではなくて、単に繰上償還をするので、最終的な満期までの利息を一括して返しますよという話ですから、逆に言うと、これを免除するということであれば金利減免を要請しているのと同じ話になるわけです。そうすると、もし民間企業であれば、そういうことを求める場合には、当然のことながら相当の覚悟が必要でしょうということになるわけです。
その中で被災地の話とその他の自治体の話をどう分けて考えるかですが、被災地の自治体は非常に困っていらっしゃるし、それを全国的な形で、オール・ジャパンで支援することはもちろん大事だと思います。ただ、その支援をこの金利減免でやるべきなのかどうかという話はあります。つまり、復興特別交付税や復興交付金その他で直接的に財政措置をしているわけで、このような金利減免という形で、透明性が欠けた形でやるのはいかがなものかということです。
それから、全国的な話について言うと、これは先ほど申し上げましたように、金利減免を要請されているのと同じですから、ということは、相当の覚悟が必要だということになるわけです。例えば、給与水準について、いつまでにどれくらいカットするのか、あるいは公共料金について、いつまでにどれくらい引き上げるのかと。そういう具体的なアクションとセットでないと、なかなかこれは認めがたいということになります。
それから被災地のことについてもう一言申し上げますが、この要求では特定被災地方公共団体、東日本大震災財特法上の被災地方公共団体が基準として引っ張られていますが、特定被災区域よりは相当絞られているものの、対象が9県178市町村あるわけです。そうすると、確かに長野県の栄村や千葉県の旭市は大変ですが、特定被災地方公共団体は相当幅広くとられているので、これを全部対象にすると、どうも被災地にかこつけて支援を求めることになってしまうので、そこに留意して考え方を整理する必要があると思います。以上でございます。
〔 富田分科会長 〕それでは続けて中島委員、どうぞ。
〔 中島専門委員 〕中里委員の見方に近いのですが、特に全国を対象にというところになると、財投特会制度自体のそもそも論にかかわってくる問題を内包してしまっているのではないかという気がいたします。基本的に利鞘をとらない、収支相償だというお話が先ほどあったのですが、これは回収可能ということが基本的に前提になっている。したがって、先ほど来のお話にあるように補償金の免除が行われることは、基本的にあり得ないと思います。それがもし一定の基準のもとであっても行い得るとすれば、そのこと自体が財投特会制度のそもそも論としてかかわってくるということになると思います。ほかに波及することがあってはならないし、過去はそういう意味で大変厳しい限定をつけてきたのですが、今回の被災団体との均衡、全国の地方団体からの要請、こういうことで、ほかにも広げることになると一般化してしまうことになりますので、私はこの考え方自体、そもそも財投特会制度と相容れないと思います。
〔 富田分科会長 〕木村委員、どうぞ。
〔 木村臨時委員 〕ありがとうございます。これは今までも議論してきたわけですが、私は、被災地の団体が、やはり料金収入がかなり減り、公営企業の建て直しにかなりの精力を注がなければならないということを考えますと、被災地の特定被災地方公共団体については、公的資金補償金免除は、これはやむを得ないのではないかと思います。以上です。
〔 富田分科会長 〕松田委員、どうぞ。
〔 松田専門委員 〕日本全体が人口構造が変わってくる。そして地方ほど高齢化が進んでいることを考えますと、地方の財政はそもそもどうなるのかと、みんなが不安を持っているところにあって、若干余裕があるうちに、国が早くこういうことをやってくださいよと。そういう大きな流れの中にあるような気がしているので、気持ちとしては、こういうことがあるとよろしいかとは思っているのですが、今、被災地あるいは被災地その他ということを絡めて、国のいろいろなところの予算が随分ばらまかれているという気がしてならないわけです。ですから、大きな流れの中で被災というのが原因かどうかは別にしましても、円高問題で大企業もどんどん出て行ってしまい、今まで企業誘致によって成り立っていた地方が、その誘致のベースが相当なくなっていく。これが、これからどんどん進むだろうということを見ていきますと、ここで全国の地方団体からの強い要請、それは苦しいですから要請としては出ているとは思うのですが、その原因が何なのかというと、被災とは全然関係がないのではないかと。関係があるとすると、日本全体の風評問題ということになりまして、全部支援していかなければいけないということを、1つの突破口のもとにずっと広げていくというように、これは見えます。
そして、被災地等と。大体いろいろな委員会の資料には「等」が付いていて、これはくせものでありまして、どこまで広がっていくのか全然わからない。そういうことを含めて、この問題があるのではないかと。特にここの概要の3番目の「あわせて、被災団体との均衡」と。これは何のことか、全然よくわからない。「あわせて均衡」だと。では、夕張はどうだったのだということも含めて考えると、要望としてはわかるのですが、この被災の問題と絡めて、ここまで拡大していくのは、これは制度の問題も含めて、いろいろなことにかかわると思います。気持ちとしてはわかりますが、問題だと思っています。
〔 富田分科会長 〕それでは、ここらでいったん切りまして、総務省よりご返答をいただけますでしょうか。
〔 総務省自治財政局杉本地方債課長 〕今、幾つかご指摘をいただきましたので、私どもの考え方をご説明させていただきます。
まず、被災地に対する償還の減免以外の方法で、こういうことはもっとやっていくべきだというようなお話もございます。それにつきましては、今日お持ちしました資料の5ページの中でもご説明をさせていただいておりますが、ここにもありますとおり、地方交付税の特例措置等をはじめとしまして各種の措置を行っております。そういう意味では被災団体が困らないようにということについては万全を期しております。ただ、今回お願いしております内容は、平成7年度以前にお借りしている財政融資資金について、これを被災ということを契機として、今後、財政状況が厳しくなるであろうと。それからまた、借りていて、そこの金利負担は財政融資から生じているものであるということを勘案しまして、これらの今行っている措置は、一般会計等で行われている措置といいますのは、基本的に震災が起きたことで壊れたものを直すとか、震災から始まったものについてやるということでやられております。そういったことの兼ね合いから、やはりもともとの原因のところが財政融資から始まっている。それから、震災はきっかけだけれども、過去の債務であるということについて、今回、こういう形でお願いできないかということを考えたところでございます。
それから、相当の覚悟が必要ということにつきましては当然のことと思っておりまして、決してまけてもらえればいいということではなくて、これが私どもが考えていますのは、個別団体の財政を救うのではなくて、そこにいる地域住民を救うというか、地域住民に還元するという考え方でございますので、そういう意味では、今後とも財政の再生の計画をつくってやっていくと考えております。
それから、全部を面倒見るかどうかと。これは考え方があると思います。では、どこで線を引くのか。いろいろな形で震災の影響は起きておりますので、そういったことから言うと、直接的な地震で壊れたことだけが被害なのかとかということまで含めますと、やはりなかなか色付けも難しい。こういうこともございまして、特定被災地方公共団体ということで考えさせていただいているところでございます。
それから、中島委員からも、これは特会制度そのものの根幹にかかわるものだと。あくまでも収支相償の制度の中で補償金を免除することは考えられないと、こういうことでございます。おっしゃられるとおり、収支相償というところを貸付金について、そういう考え方でこれまでもやられてきているのだろうなと私どもは考えております。ただ、私どもがお願いとしてちょっと思っておりますのは、収支相償という考え方のところで、幾らで今、借り入れたものを幾らで貸し付けるというところで利益が出ているかいないかということではなくて、私どもが何でこのようなことを言っているかというと、地方公共団体から多くのご意見というか、要請をいただくときに、首長さんから、いろいろな形で「こういうことなのだから、こうしてくれよ」という話を伺うのですが、そういう中で言われますのは、財政融資資金では確かに過去は、なかなかカツカツで、準備金もちゃんと積み上げられなくて、その上限まで行かない中でやってこられたことは確かなのですが、最近は財投改革以降、財政融資の総額そのものが減っていたりとか、いろいろな形でALMの見直しなどをされて、金利変動リスクそのものが小さくなってきている。金利変動リスクが小さくなることで、1,000分の100だった上限率が1,000分の50まで下げられてきている。それを前後して、それまであった準備金がかなりの形で崩されている。確かに今は目先、被災地に向けてそのお金を使うと言われていますが、それはこの1〜2年の話でございまして、その前に三十数兆円のお金が取り崩されている。その中身を見ると、実はずっと全体で見ても地方は大体2割以上の平均で見ても、これまで借入れの比率を持っておりましたので、かなりの部分が地方からの金利負担に基づいているのではないかなと考えております。そこを考えたときに、その金利で生まれた利益をどう還元するかといったときに、財務省さんの資料にありましたが、国民にお返しするというようなお考えがございましたので、そういった考え方に基づいても、地方が負担している金利負担は、あくまでも地域の住民の方の税金で払われていますので、これを高い金利のところで高い料金で水を飲んでいるような人たちにお返しいただくと。そういうことは一つの財政融資というのは、もともと財政融資は、融資の形をとった政府の財政支援だと考えておりますので、そういったことについても何とか1つのツールとして、今回、お考えいただけないかということでございます。
それから、被災地はいいけれども、そのほか、一般のところはとんでもないと。こういうお話だと思います。ここのところは、先ほど夕張のようなお話も出ました。そこは限度というか、どこに線を引くかという議論はあると思いますが、確かに被災地は非常に悲惨だというところで、なかなか行政運営もままならない。夕張みたいなところもございます。そういったところと被災地を見たときに、確かに被災地も大変なのですが、それ以外のところでも、やはり相当財政状況が厳しくて、行政もなかなかできなかったり、行政水準の切り下げとか、もしくは公営企業で高い料金を払わされているところもそれなりにあるのではないかと。そこを何とか切りとって、できないのだろうかということで、私どもは今回考えさせていただいているところでございまして、何とかご理解をいただけないかと思っております。以上でございます。
〔 富田分科会長 〕はい、土居委員、どうぞ。
〔 土居委員 〕言っていいことと悪いことがあると思います。財投の準備金が地方からの地元の税負担に基づいて生み出された利益だという言い方は言語道断ですよ。つまり、お金を貸し借りするという話とお金を借りたことに伴って発生する金利の支払は、これは財政の単なる政府から別の政府への移転とわけが違うのです。資本主義のルールにのっとった金銭貸借であって、財政移転ではないということをきちんと理解していただかないと、そもそも、この財政投融資という仕組みの根幹にかかわる理解ができていないという話になってしまいますよ。これは資本主義の否定にほかならない。そんな利益をどう還元するかなんていう言い方だと。だからこそ、財政投融資における金利変動準備金は別に利益を貯め込んでいるという話ではなくて、金利が変動したときに、その損失が国民に追加的な財政負担を求めるような形でしか埋め合わせられないなんていうことにならないようにするために、金融のルールの枠組みの中で、金融の仕組みを活用する中で確保する必要がある。そういう準備金であって、準備金を貯め込むために地方が高い金利を払わされて、それを払わされたおかげで、そこに積み上がっているだろうと。そういう考え方は根本的に間違っていると思いますよ。
そういうことで、この補償金免除も全く同様の背景を持って語られているのではないかと大変危惧するわけであります。つまり、高い金利を財政投融資に返さなければいけないということは、そのお金は、本来、地方が手もとに置いていてもよかったお金を国が召し上げたかのような錯覚にとらわれて、それを免除してほしいと言っているかのように聞こえるわけでありまして、金利というのは財政のトランスファーではなくて、貸借関係に基づいた時間のコストに対する支払であって、それは単に国と地方のどっちのお財布にお金をつけるのかという問題ではないということをはっきり言っておきます。そういう意味で言うと、正に先ほど中島委員がおっしゃったように、財政投融資制度の根幹にかかわる問題なので、これは私は断じて認めるべきではないと。
中里委員が相当な覚悟とおっしゃいましたが、相当な覚悟なんてしてもらわなくても結構だと。とにかくやらない。これを止めるということだと思います。
資料2−2の9ページに地方の声があると言っていますが、これははっきり言って、資本主義のルールを理解していない政治家が騒いでいるだけの話であって、そんな資本主義のルールを逸脱するような要求を政府が認めてどうするのだと。我が国は資本主義の国であって、資本主義を維持するためには、きちんとそのルールは守っていただくしかない。
確かに被災地の財政状況は厳しいということは私も承知しています。そういう厳しい財政状況の被災地に対して手を差し伸べる方法は、別に金融のルールを逸脱しなくたって、いくらだってやる方法があると。さらに言えば地方財政健全化法だってある。本当に困って、自力では財政が建て直らないというのであれば、地方財政健全化法にのっとってやるという方法だってあるわけでありまして、あくまでも地方債にはデフォルトはないと言い続けるのであれば、正にこんな補償金免除をやることは、これはパーシャル・デフォルトとも疑われかねないような事態になって、しかも今回限りで終わると言っておきながら、これを事実上恒久化するかのような取組は、それこそ正に格付機関の目はごまかせるかもしれないけれども、きちんと見ている人からすれば、これはパーシャル・デフォルトではないかと勘違いされかねないような取組にしかならないわけでありますから、私はこれは断じて認めるべきではないと思います。
〔 富田分科会長 〕はい、吉野委員、どうぞ。
〔 吉野臨時委員 〕遅れて来て申し訳ありません。いろいろな政策をやるときに、どういう政策手段でやるかということがあると思うのですが、金利減免をやるのであれば、一般会計から利子補給をもらって、それでやるというやり方がある。それを全部、財投のほうに、こうやって持ってきますと、やはり準備金もなくなっていますし、赤字になることになりますから、金利をもし下げたいのであれば、私はやはり政策手段としては、これは一般会計でそういうことをやるべきであって、財投にしわ寄せをするのはおかしいような気がいたします。
〔 富田分科会長 〕はい。私も委員としてちょっと述べさせていただきます。
6年前に、総務省より合併促進のためといって、地方債の金利減免をノーペナルティでという要求がございまして、当時の審議官と地方債課長が、この場でですね。ちょうど私は土居委員と同じ場所に座っていて、同じように憤っていたわけです。正に財投制度の根幹にかかわると。もっと言えば、市場経済と民主主義の根幹にかかわる問題です。なぜ市場経済の根幹にかかわるかというと、借りた金は約束どおり返せよと。これは市場経済の一番の原点なわけです。また、なぜ民主主義にかかわるかというと、先ほど吉野委員がおっしゃったように、明示的に予算に表れるのだったら、議会統制が効いている、国会統制が効いているという形ですが、これは人知れずなされることです。どこにも表れない。だから、我々は、いつもコスト分析であれ、いろいろな機会に、これまで幾ら金利減免がなされたかということを議論してまいりました。先ほども土居委員がおっしゃったように、もうこれが最後だと総務省の方もおっしゃったのです、何回も。それがまた形を変えて、震災だからということなのですが、出てきました。だけれども、震災対策のために財投特会の積立金、準備金というものは先食いされているわけです。それをさらに金利減免という形で先食いするのは、何と言うか、おぞましいというか、そういう金利減免が必要であれば、吉野委員がおっしゃったように一般会計で、予算で要求すべきであるというのが大きな問題点であります。
さらに、最近は少し減ってきましたが、地方財政計画における公債費、つまり利払費と償還費の合計と決算とを比べると、まだ依然として最近でも3,000億円ぐらい、計画のほうが大きいですね。その余った公債費はどこに行ったのだろうと。つまり、たくさん計上すれば、たくさん交付税がもらえる。さらに最近は、歳出特別枠というのがどんどん年末に積み重ねられて、歳入のほうも特例加算がいっぱい積まれる。そのお金はどこに行くのだろうかと見ていますと、実質単年度収支を見ると、このところは黒字が拡大していて、各地方公共団体の減債基金とか、決算調整資金とか、そういうものに積み上がっている。国は財投特会でありますと、この積立金がなくなってしまって、一般会計からの繰入規定を設けなければならなくなってしまっているわけですね。そういう地方における金余り、もっと言えば、プライマリー収支は黒字で、地方債残高はほぼ増えない状態にあると。これに対して財投特会については、国会で、表で議論されて透明になっているから我々はよくわかるのですが、もう準備金はないから一般会計からの繰入れ規定が必要と。これから正に金利リスクが発生する可能性が、いよいよとは申しませんが、かつてよりは高くなってきた中において、金利変動準備金が果たす役割が決して無視できない、それぐらい大事な時期において、さらにこれを取り崩すということは、およそ信じがたいことであって、被災地への対応と、震災復旧、震災復興ということであれば、もう既に国会でこの財融特会から今後生じる剰余金も繰り入れることが決まっており、増税も含めてすべて地方の負担なしに国が行うということで措置がされているわけですので、さらに必要であれば、また追加要求を透明な形で、民主主義の否定にならないように表で堂々と要求すべきであると思います。
というのが委員としての私の発言でございます。どうぞ。
〔 総務省自治財政局杉本地方債課長 〕ありがとうございます。大変厳しいご指摘をいただいております。
土居先生からも、ある意味、資本主義のルールをちゃんと守れというようなご趣旨でお話もいただいております。私どもも本来、財政融資資金は、やはり利益準備金を正に収支相償でいかなければいけないわけですから、これをずっと長く、こういう低利で有利な資金を地方公共団体も含めて与えていただくことは非常に重要な制度でございますので、ぜひそうしていただきたいと考えているわけでございます。そういう意味では、準備金はぜひ積んでいっていただきたいというか、そういうことの中で財政融資制度を維持できるような形でやっていただけるのがいいのだと思われます。ただ、その中でも、必要な準備率を定められ、それを超えているもの、もしくはそれ以外の形も含めて、それが崩されていくところを、やはり地域の住民の方の税金で、その財政融資に対して、もちろん契約ではありますが、民間のアナリストの方のお話なんかを聞いておりましても、財政融資制度というのは単なる金の貸し借りだけではなくて、あくまでも融資という形を使った政府の支援措置の一環なのだというようなお話も伺っておりまして、そういうことは大原則にあるのではないかということから言えば、準備金があって、それが財投の中で必要だという考えについては、それは当然のことながら必要なのだと私も思っておりますが、それが一方で地域の住民の方から使われている税金が、さらに一般会計のほうで取り崩されていくことについての、多分、地方公共団体の皆さんのご意見というか、お願いなのだろうとは思っております。
ただ、基本的には、申し上げますが、被災地が、これからやっていけるために何とかしなければいけないということですから、一般のほうを拡大していこうと、こういうことは全然思っておりませんので。そのときに、土居先生からおっしゃっていただいた健全化法に任せるというのは、ぎりぎりのところはあると思いますが、ご案内のとおり、健全化法のそういった団体になってくれば、破綻する前に、まず財政支出をとめるというのは普通の地方団体のやるやり方でございますので、それを被災地に向けてやっていいのだろうかということは私どもは非常に懸念するところでございます。
それから、パーシャル・デフォルトのお話もございました。実際、こんなことを胸を張って言えることではございませんが、6年間、これまでやらせていただきまして、あくまでも、これは公的な資金に対するお願いということで、多分、市場についてもご理解をいただいているということで、これについて、そういったご議論が世の中で起きているとは基本的には思っておりません。
それから、一般会計でやるべきではないかという吉野委員とか、富田先生からもお話がございました。これについては1つの方法としてあることは考えられると思います。ただ、やはり先ほども申し上げましたが、今申し上げている高金利のものを、高金利というのか、今から見れば高金利、こういったものが地方財政を圧迫していて、それがどこから起きたのかというと、やはりこういった財政融資制度というところから起きているということですとか、それから先ほど来申し上げているように、財政融資の中で地方団体も含めて積み上げてきた利益準備金が少なくともあったはずだと。ここ1〜2年は、1兆円、2兆円のところは確かに被災地に向けていただきましたが、その前の三十数兆円、35兆円ぐらいはですね。例えば、こういう考え方ができないかなと思っていますのは、現在の財政融資の総額は大体180兆円ぐらいだと。そうすると、利益準備金は積み上げると9兆円ぐらいは必要だと。こういうことになるわけですが、37兆円を取り崩していると。そうすると、9兆円を除く28兆円はどこに行ったのだろかと。そういうときに、これは利益の前に当然、支出と収入があるわけで、それで利益が出てくるわけですから、そういう中で財政融資の問題としてお考えいただけないかと。もちろんのことながら、それは不透明にするのではなくて、法律上、我々としては、これは制度を見直してほしいというお願いですので、決してないがしろにしろということではなくて、これまでどおり、法律に明記してやらせていただきたいと。こういうことでございますので。
それから、地方財政は金余りだというようなお話も厳しくいただいております。ただ、今回、そもそもこういうお願いをしております最大の理由は、地方の財源不足が今、13.7兆円と。この規模はここ数年でもあまりほとんど変わらないというか、多少増えたり減ったりしていますが、変わっていない。そういう中で地方財政の財源不足を、本来は交付税率を引き上げることで見直さなければいけないのに、それができていない中で地方財政は非常に厳しい状況に陥っているというところもぜひご理解をいただけないかなと思っております。
〔 富田分科会長 〕どうぞ。
〔 土居委員 〕本当に、困りますね、この発想の根源が。つまり、金利というのは、何回も繰り返して言いますが、財政移転ではないということを、これはここで明確にしていただかないと困る。そういう説明を繰り返されては困ると。では、地方自治体が指定金融機関に対して金利を払っていますよね。指定金融機関にたまっている利益、あれは我々が幾ばくか払ったお金なのだから、地元に還元しろよと言うのですか。それはやはり金融だから、言わないわけですよ。財政投融資だから金融でないというのは、それはあり得ない話だと思います。あくまでも財政という仕組み、枠組みの中で政策手段として融資とか、投資とかという手段を使っているということなのであって、貸借契約であることは、何らほかの民間金融機関と地方自治体が取り結ぶ貸借契約と、財政融資資金が地方自治体との間で取り結ぶ貸借契約に優先劣後もないということからしてもおわかりいただけるように、基本的には同等の契約というわけであります。ですから、そういう意味では、きちんと金融の仕組みを前提とした上での立論になっていただかなければ、私は、そもそもこれを認める認めない以前の問題の議論だと思います。
〔 富田分科会長 〕どうぞ、中里委員。
〔 中里委員 〕地方団体のご要望があるので、お立場上、こういう要求をなさっていると、そこはよく理解できるのですが、ただ、こういう要求を認めることは震災手形をどんどん割り引くのと同じような格好になってしまうわけで、そこをどう考えるかということなのです。総務省から提出された資料の1ページを見ていただきたいのですが、被災団体と「特に財政状況の厳しい団体」について対象となる残債が、被災地で7,000億円、その他で4,000億円あります。要するに1.1兆円のうちの4,000億円は、被災地以外の団体なわけですよね。これをどう考えるかですが、確かに実質公債費比率を見ると、財政が厳しいのはわかるのですが、ただ、そのときに、もともとハンディキャップがあってこうなってしまった団体と、過去に無駄とは言いませんが、体力以上の支出をなさって、こういう結果になった団体があると思います。それから、もっと言うと、行革で一生懸命、支出を切り詰めたり、その他の措置をなさって、このようにならないように努力されている団体もある。そうすると、実質公債費比率だけを見て、これを基準に財政状況を判断するとなると、一生懸命頑張って行革の努力をなさっている団体とそうでない団体を一緒に扱うということになってしまうわけです。私は地方分権が大好きなので、分権は一生懸命やらないといけないと思うのですが、そのときに大事なのは規律づけをきちんと確保するということであって、財政規律が損なわれるような措置を、こういう形でやってよろしいのかどうかということになってくると思います。
それからもう一つ、財投の公的な金融としての役割についての話ですが、これは別に、お貸ししたものはそっくりそのまま返さなくていいです、金利分はまけてあげますという話ではなくて、自治体が借入れをなさるときに、マーケットでとってくる場合のレートと財投金利を見たときに、その利差の部分が公的支援だということになるわけです。約定どおり返さなくてもよいという話になると、これは通常の金融取引のロジックからしても非常におかしいということになるので、ここは一つご理解いただきたいと思います。以上です。
〔 富田分科会長 〕はい。今、お二人の委員がおっしゃられたことに特に追加することはないのですが、これは6年前も同じような議論をして、まだそのときは金利変動準備金ももう少しあったということもあったので、ごり押しみたいな形で、まあ、きっちりとした議論ではなしに政治的な力で、このノーペナルティの金利減免がなされたわけですが、そのときも、総務省の方は、もうこれが最後だと。そういうふうに、この場で言っておられましたので、やはり行政内部で、あまり信頼感を失うようなことをやって、ただでさえ、これは大原則から考えたら大いに逸脱していることでもありますので、そこらはきっちりと人の道を進まれることを切に願いたいと思います。
はい、どうぞ。
〔 総務省自治財政局杉本地方債課長 〕またお厳しいご指摘をいただきまして、ありがとうございます。貸借契約で生じている金利であると。これは正に資本主義のルールそのものだというご指摘については全くそのことについて異を唱えているものではございません。財政融資の性格について、これをやはり財政融資を国が行っているということは、言ってみれば、民間の金融機関とのやり取りで生じているものとは違うというところはどこかということについて、少し地方のほうが考えているところを申し上げているところでございまして、決して金融の仕組みを変えてくれということではございません。ただ、財政融資の本質は、その融資を通じて財政支援、それは財投機関であったり、地方団体であったりするわけですが、地方団体に対して財政支援、政府支援を行うということに本当の本質があるのではないかなと。それを財投という枠の中でちゃんと回っていかないといけないから、準備金もつくりと。こういうことはそのとおりだと思うのですが、そこのところは地方からは、そういう借手の論理というとあれですが、貸手・借手の論理という発想になるのが一番いけないと思うのですが、借手からは、そういうふうに見えているところが一つございます。
それから、もし震災で被災地の問題のほかに一般のところまで広げていくと、当然、ハンディがあったところはともかく、むだ使いをしてきたのではないかとか、逆に行革努力をしているところとの関係で規律がどうなるのかということについては、あくまでも今回お願いしているのは、まず被災地と。被災地をとにかくお願いしたいということでございますので、それがまず大前提でございますが、それ以外にも先ほどお話も出ました夕張とか、その「とか」をどこまでにするかはございますが、そういったところを、この線引きが正しいということで私は申し上げているわけでございませんので、この線の引き方も含めて、今後ともいろいろとご相談をさせていただければと考えているところでございます。ただ、やはり夕張をはじめ、本当に厳しいところはあることはご理解いただきたいと。それも全体の枠の中で、そんなに大きな影響を与えない範囲でやらせていただきたいと。こういうことでございます。
それから、約束を守れというのは全くおっしゃるとおりでございまして、3年前に、今回の措置は3年で終わりということは大臣間でお約束していることはごもっともでございますので、全く否定しておりません。そういう意味では、あくまでも被災地、千年に一回という東日本大震災が起きたということでございますので、決して継続ということも思っておりませんし、それは本当に大きな違いがあると。そういうことだと思っております。それで、それを措置するときに、夕張のようなところをどうしていくのかを一つ何とかお考えいただけないかと。そういう範囲でございますので、よろしくお願いいたします。
〔 富田分科会長 〕はい、吉野委員、どうぞ。
〔 吉野臨時委員 〕資金の流れで言いますと、今おっしゃっていることは、やはり一般会計からやれば全く同じになると思います。財投がもし赤字になったときに、一般会計からお金を入れてくるのであれば、その同じ額を総務省が補助金として金利を下げるようにすれば、全く国の資金の流れとしては同じになります。そのほうが国民にとっては明らかでありまして、金融の論理を変えないことになると思うのですが、なぜ全く同じ資金の流れを総務省はできなくて、このように財投にしたほうがいいのか。財投は、やはり先ほどおっしゃっていた言い方ですと、昔、それをすごく批判されたわけです。第2の予算と言われて、ソフトバジェットになって、それがいろいろな批判になって、ここの会議でみんなが、そういうものはやめようと。しっかりバランスをとっていこうとしたわけですが、それをまた戻したほうがいいという考えなのか。それから、資金の流れでも、先ほど私が言ったのは間違っているのかどうか、教えていただきたいのですが。
〔 富田分科会長 〕お願いします。
〔 総務省自治財政局杉本地方債課長 〕一般会計でやれば同じことができるかということについて申し上げれば、当然のことながら、できるということだと思います。まあ、同じというところが補償金部分を一般会計の補助金で振り替えればということで、お金の流れとしては、トータルとしては、それで当然できることは全く私どもも、そのとおりだと思っております。それで、財投改革がこれまで行われてきた、そのもとの理由のところが、第2の予算と言われて、不透明なことをやってきたというようなことが、それは私どもがコメントするような中身ではございませんが、一般論として、そういった言われ方をしたことも認識しておるところでございます。
ただ、今回、私どもがお願いしております基本は、東日本大震災というものが起きて、東日本大震災の対策については一般会計も、それから地方の財政も総力を挙げて、地方も当然、全国的に臨時増税しましても、被災地に向けて、とにかくお金を集中していこうという中でやらせていただいています。そのときの線の引き方として、震災によって被災したことで起きている、いろいろなことについてお金を使っていこうということが、すべての制度の根幹になっておりますので、その中で、今回の被災地向けの財政融資の補償金免除の繰上償還につきましては、そういったこととはちょっと外れているというか、基本はそこから始まって、今後の住民の皆さんが困るのではないかということから始まっておりますが、財政融資制度から始まっている負担の部分を将来に向かって軽減していくと。しかも、震災の関係は短期間でやり上げていくことに対して、これから十数年続いていくものについてどういうふうな考え方をしていくかということもございますので、そういったこともあります。
それからもう一つ、財政融資制度の中でも、こちらでご議論されたと伺っておりますが、昨年の6月のときに、被災地向けには延滞利子の実質免除等をしていただいているように伺っております。このほかにも例えば、いろいろな要件なんかを緩和するようなことも、事務負担の軽減もしていただいていると。これは緊急避難措置としてやっていただいていることは十分認識しておりまして、財政融資制度がこういうことに全く力を貸せないということとは何か違うのではないかなということは私どもも思っておりまして、ぜひ被災地向けにご検討をいただけないかと思っております。
〔 富田分科会長 〕その被災地向けに、この特別会計の剰余金を復興財源に当てるとなっているではないですか。その際にわざわざ国会で、実力以上にそれをやったら、財投特会の機能がなくなってしまいますよということまで附帯決議にあるわけです。先ほども申しました、また事務局も説明したと思うのですが、この剰余金を結局、先食いする形のものがノーペナルティの金利減免なわけです。だから結局、回り回ったら、せっかく決めたものまで、財源まで、この特会からその分なくなってしまうということでもあるのです。大原則もおかしいし、言っておられることもタコ足配線みたいなことを要求されているように見えてしまう。
どうぞ、中島委員、そして土居委員。
〔 中島専門委員 〕今の分科会長のお話に絡みますが、そもそも財投特会の制度は、一種仲介機能的な意味もあるわけです。金融機能であり、仲介機能でありですね。ところが、今のお話を伺っていると、確かに被災したところは大変だと思います。ただ、その負担をなぜ財政特会が負わなくてはいけないのか。必ずしも被災しているところではない、それ以外の自治体でも負債に苦しんでいることはあると思いますが、そういう自治体がなぜ、それを財政特会に付け替えなくてはいけないのか。先ほど来、いろいろ議論がありましたが、私にはちょっとわからないですね。そもそも付け替えということ自体が、仲介機能ですから、そんなことをやると、先ほど来のお話にあるように、だれが主体なのか、よくわからなくなる。それから、金融機能の仲介機能ということから言えば、どうしてそこに負わせなくてはいけないのか。先ほど来の議論はわかりません。以上です。
〔 富田分科会長 〕では、土居委員、どうぞ。
〔 土居委員 〕先ほど来、声を荒らげていたのは、かわいい子には旅をさせろという心持ちで、そう申し上げていて、別に地方自治体の財政状況が厳しいことを、そもそもその認識が間違っているということを申し上げているわけでは決してありません。先ほど中里委員、吉野委員からもお話がありましたが、確かに一般会計などを使って金利減免をするという方法もあるとは思いますが、やはり、間違ってそれをやると、結局のところ、本来は返済負担に耐えられない財政状況が被災地の自治体をはじめにあると。金利負担を軽減することで、そういうことがあたかもなかったような形で問題を隠蔽してやり過ごそうということになりかねないところが、私は非常に、そのやり方にも工夫が必要だろうと思います。
私は、この数年来、総務省が取り組まれている地方交付税の基準財政需要額の中における地方債元利償還金の交付税措置を大幅に縮小させていくという取組、これは評価しています。ですから、この補償金免除のこれが仮に認められなかったからといって、では、今度は交付税であたかも元利償還金の交付税措置を復活させるかのような形にして、実は基準財政需要で面倒を見て、それで、より被災地に公債費として相当するような普通交付税を配分すれば、事実上金利減免にもなるので、補償金免除の効果と同等の効果が出てしまうことになってしまうと、せっかくこれまで交付税の中でも基準財政需要の中で、いろいろいい取組をしていたものが、時計の針が逆戻りになってしまうかもしれないと。そういうことも、これまた私は懸念するわけです。
ですから、はっきり言えば、金利負担に耐えられない程度に財政状況が悪化しているということをまず率直に認めた上で、では、それをどういうふうに財政的に対応するかをきちんと正々堂々と国民的に議論して、それでも、吉野委員がおっしゃっているようなやり方で財政措置をするということで多くの賛同を得られるということであれば、それは1つの方法かなと。私は、そういうやり方に必ずしも賛成はしませんが、1つの考え方ということはあろうかと思います。これは分科会長も先ほど来おっしゃっているように、民主主義的に見ても、表ざたにしないような形で、このような対応するというやり方は非常に問題があるので、仮に補償金免除が認められなかったとしても、それと同等の効果を別の形で見えにくい形でやるのも、これもぜひともやめていただきたいと思います。
〔 富田分科会長 〕はい。何かまだおっしゃりたいことはございますか。
〔 総務省自治財政局杉本地方債課長 〕いや、いろいろと申し訳ありません。私のほうの知識不足等もございますが、いろいろと財政融資制度に対して門外漢から勝手なことを申し上げまして申し訳ございませんでした。決して、そういうつもりではございませんでしたが、いろいろと先生方がおっしゃられている財政融資制度の基本ということは十分今後とも踏まえてやらせていただきたいと思います。とにかく今回のお願いは、まず被災地を何とかお救いいただきたいということでございまして、どうしても手もとに資金がないと、人間はそれを出すことを抑えようとするというところを、どういうふうに回避していくのか。そうしないと、被災地が復興しなくて、復興しなければ日本が再生しないと。こういう考え方で今、政府が依って立っておりますので、ぜひ、まずそこを何とかお認めいただけないかと。あとは、それから先は別の話だと言われておりますので、そう何度も繰り返しませんが、夕張のようなところをどういうふうに何とか救えないものかというところでございまして、何とか今後ともご検討をよろしくお願いいたします。
〔 富田分科会長 〕はい、木村委員、どうぞ。
〔 木村臨時委員 〕敬愛する富田先生と議論してきたことですが、これはずっと前も申し上げましたが、これ自体は、地方団体は今までやってくれたことを非常に喜んでいます。条件を付けましたから、改革効果が非常に出ていることは確かです。だから、今までやってきたようなことを私は全面的に否定することはできないのではないかと思っております。またその一方で、私は議論の流れも、当事者でしたので、よく覚えております。最後、今回、やはり条件は限定してもいいですから、被災地の特に料金収入ががくんと減っているようなところは助けられないかというのが私の最後の意見です。
〔 富田分科会長 〕まあ、助ける、助けないとか、約束を守れ、守らないとか、いろいろなお話があるのですが、やはり国の根幹にかかわることでありますので、基本のところから、透明性を増す中で、市場経済と民主主義という我が国の依って立つところをきちんと守っていくことが大事だろうと思います。
それでは、このあたりで質疑を終了したいと思います。地方公共団体関係者の皆様には、ご退席をいただきます。ありがとうございました。
〔 総務省自治財政局杉本地方債課長 〕どうもありがとうございました。失礼いたしました。
(地方公共団体関係者 退席)
((独)日本学生支援機構関係者 着席)
〔 富田分科会長 〕お待たせいたしました。それでは、日本学生支援機構について説明をお願いいたします。
〔 松浦計画官 〕計画官の松浦でございます。それでは、資料3−1に基づきまして、日本学生支援機構についての編成上の論点について、私から手短にお話しいたします。
1ページめくっていただきまして、左側に25年度要求の計数でございます。事業規模は、9,148億円、財源として財政投融資が8,726億円、それぞれ652億円、343億円の増要求となっています。
論点として、1ページめくっていただきまして、貸与資金の回収についてでございます。これは先ほどのコマで、富田会長から、借りたものは返すというのは市場の原則だというお話と、私が考えますに、これは教育上も非常に重要なことだと思っていまして、物心がついたときから、借りたものは返しなさいと言われていますので、そういう教育上の原則にも非常に重要だと思っています。そういう論点だと思います。貸与資金の回収ですが、文部科学省と機構において回収強化の取組を進めておられていますが、どういう改善状況にあるのか。また、さらなる回収強化に向け、今後、どのように対応を図っていくのかというのが論点の1つだと思います。
論点に対する考え方の1.でございますが、この分科会ほか、さまざまな場におきまして、貸与資金の回収強化の必要が指摘されております。文部科学省及び機構では、業務の民間委託などをされて、回収強化の取組を進めていると認識しております。
2.でございますが、回収率や延滞債権比率を見ると、緩やかながらも好転の兆しはうかがえますが、財融資金貸付残高は年々増加しておりますし、財政融資資金の償還確実性の確保の観点からは、さらに回収強化の取組を実施していく必要があると考えております。
次のページに行っていただきまして、論点2、これは回収と裏表の関係にあります、機関保証制度の財政収支の健全化等の確認についてでございます。学生は奨学金を申し込むときに、人的保証か機関保証、どちらかを選ぶことができますが、現在、機関保証を選択する学生が約半数になっております。今後も増加していくと予想されますが、こういった状況のもとでは、保証機関の組織の体制だとか、債権管理の状況等が非常に重要になってきますので、こういうところをしっかり確認する必要があるのではないかというところが論点の2番目でございます。
論点に対する考え方の1番目でございます。この機関保証制度は平成16年度より開始されましたが、当然、債務に対する保証ですので、持続可能な制度であることが必要でございます。
2.でございますが、ところが、機関保証債権は人的保証と比べて、連帯保証人や保証人からの返還の働きかけがないため、実際、求償権の回収には相当の手間と困難が伴うと考えられています。ところが、協会における回収の取組は、まだ電話や文書による督促にとどまっているところでございます。このような状況下で、文部科学省と機構において、協会の体制整備の必要性に関する現状認識や、また同制度を安定的に運営していくために、今後どのような対応を図っていくのか。これは確認する必要があると考えています。
3.で最後でございますが、次のページでございます。機関保証制度の持続可能性を検証するため、外部に財政収支シミュレーションをされているところでございますが、この財政収支シミュレーションでは、実態・実績に即したしっかりとしたシミュレーションがなされているのか。特に回収率のところが非常に大きな影響を及ぼすと思いますので、この回収率が実態に即したものになっているのかが重要だと考えています。
私からは以上でございます。
〔 富田分科会長 〕はい。文部科学省、よろしくお願いいたします。
〔 文部科学省大臣官房山野審議官 〕文部科学省の高等教育担当の審議官をしております山野でございます。よろしくお願いします。資料3−2に基づきましてご説明します。
今、財務省から説明がありましたとおり、2つの論点がありまして、回収促進をちゃんとやっているのかということと機関保証の健全性ということでございます。
まず2ページ目をお開きください。先生方は重々ご承知だと思うのですが、今、奨学金の返還について、どのような制度になっているかということで、最近、いろいろなご指摘もあって、回収に向けていろいろな努力をしているところなのですが、今、借りている人は、もし延滞が始まると、こういうスキームで1カ月目、2カ月目と動いていくということでございます。それで今、借りている人につきましては、財務省さんから説明がありましたように、人的保証ということで、大体、親がなるのですが、連帯保証人をつけて、保証をしてもらうというスキームと、あと保証料を払った上で保証をするという機関保証の2つの選択肢を用意しているわけでございます。それぞれにつきまして、例えば延滞が1回あると、本人に対して振替不能通知が始まりまして、2カ月目になると人的保証の場合には、督促状が連帯保証人に行くというように続いていくわけでございます。それが4回、振込がないということになりますと、個人信用情報機関のほうに情報登録される。延滞の情報が載るということになるわけでございます。その後、サービサーに委託して、電話とか、督促状であるとか、いろいろなことをやりまして、人的保証のほうにつきましては、法律にのっとりまして、支払督促申立でありますとか、強制執行の申立予告をやった上で強制執行のほうに行くということでございます。機関保証のほうは、ここにありますように催告書の送付でありますとか、こういう手続をして、最後は代位弁済請求ということになるというスキームになっておるわけでございます。
3ページ目でございますが、確かにいろいろなところで、もう少し回収努力をという指摘もあって、特に平成20年度には独立行政法人の整理・合理化という作業の中で、そういうことにつきましても、いろいろな指摘を受けたということで、ここにありますように平成21年度からコールセンターの設置から始まりまして、架電を使って督促をやると。特に今、早期の延滞者に対して集中的に実施するということとか、先ほど言いましたように3カ月以上延滞が続きますと、個人信用情報機関へ登録するというようなこと。また、こういう過程を通じまして、いろいろな返還者の都合もわかってきましたので、少しずつでも返還するような制度として減額返還制度を導入するとか、そのような努力をして回収に努めてきておるところでございます。
そういうことで、真ん中辺に指標がありますが、当該年度に新たに返還が始まった人の回収率につきましては、有利子貸与のほうにつきましても23年度で96%ということで、少しずつではありますが、改善をしてきていると。ちなみに無利子のほうは98.1%ということですから、新たに返す段階になった人には、こういう効果が徐々に出てきているということでございます。
また下のほうに有利子貸与分の回収率というのがありますが、全体としましては、まだ長期滞留みたいな人もいるものですから、85%ということで、少しずつの改善なのですが、例えば真ん中にあります延滞1年未満の債権につきましては、20年度においては71.8%の回収率が23年度においては83%ということで、新たに延滞が始まったという人に対しては、かなりいろいろな効果がきいてきて、回収率が少しずつではありますが、上がってきているという状況でございます。
4ページ目でございます。今後、さらにこういう取組をどういうふうに強化していくかということでございますが、いろいろと考えておることを述べますと、1つは、初期段階の延滞者に対する回収強化策ということで、例えば今はやっていないことで抑止力としてありそうだということで考えておりますのは、延滞が4カ月目に達した段階で、放置しておくと9カ月目に法的手続が開始されますよというようなこととか、強制執行に至りますよということをきちんとアラートするということ。あと、それと個人信用情報機関への登録につきましては、21年度以降の貸与者にはすべて必須的に、そういう同意書を取りつけているのですが、過去の人については同意書をシステマティックにとっていなかったものですから、今までもいろいろなケースを通じて、そういう同意書の提出を促してきたわけなのですが、そういう活動を強化して、3カ月以上延滞になりますと、個人信用情報機関に延滞の情報が載りますよという通知を徹底していきたいということを考えてございます。
また法的措置につきましても、今は貸した本人に対する強制執行がされているだけなのですが、今後は連帯保証人に対しても強制執行するとか、また強制執行に至る件数につきましても、ここにありますように23年度で135件でございますが、こういうことについて、もう少しきちんと強化していくということでございます。
また今先ほど、財務省からありましたが、やはり借りたお金を返すのは教育的効果もあるということで、そこら辺を徹底するという意味では、借りている段階の学生段階では1年生から2年生に上がる段階、3年生に上がる段階、それぞれ学校で適格認定をしてもらって、それについて機構のほうでも確認し、処置を決定するということをやっているわけなのですが、そういう過程を通じても、借りたものを返すのだということをきちんとするという意味で、アラートを出すような段階があるので、そこら辺についてももう少しきちんとフォローアップをしていきたいと考えてございます。
また返還の利便性向上のために、インターネットでもいろいろな手続ができるようにするとか、あと、返還者に対しては、返せる人には厳しくちゃんと返してもらうし、人に応じては1かゼロではなくて、半分ずつでも返してもらうとか、そのようなきめ細やかなことをやりながらも少しでも回収率を上げていきたいなと考えているところでございます。
次に5ページ目でございます。では、機関保証制度でございますが、ご案内のとおり、実施主体としては日本国際教育支援協会ということで、制度としましては平成16年度からできてきたということでございます。今、保証料の水準といたしましては、当初からでございますが、0.693%という保証料率でございます。設立当時は、そちらのほうを選択する人は9.1%だったわけなのですが、23年度では半分近くの46.4%で、これらを利用する者も増えてきているということでございます。
6ページ目に、その協会のマクロな状況でございますが、青い色の棒グラフが、いわゆる集めてきている当該年度の保証料ということでございます。赤が当該年度に代位弁済した額ということでございます。緑が累積での保証料でございます。そういうことで、当然、加入者がどんどん増えてきておるということなので、今、保証料の累積は増えてきておるという状況でございます。こういうふうに加入者が増えてきているものですから、協会のほうでも体制強化いうことで、当初5人で発足したものを今、8人体制に充実してきておるということでございます。
7ページ目に、もっとわかりやすくマクロのお金だけの動きを見ますと、今、機関保証制度が動き出して、数年経つわけなのですが、そういうことで累積としましては、保証料として967億円が協会に入っているということです。それに対して代位弁済まで至ったのが167億円ということでございます。そのうち破産しているものが13億円あるものですから、協会として求償権を持っているものは154億円と。そのうち、今は返済されているのは4億円と。これが今現在のマクロな状況でございます。
8ページ目は説明を飛ばしますが、9ページ目でございます。そうすると、こういう保証制度が今後とも妥当に動くのかということにつきましては、当然、学生支援機構、文科省とも、やはりこれはセンシティブにとらえていることでございまして、機関保証制度の妥当性を毎年検証するために、学生支援機構のもとに機関保証制度検証委員会を設けてやっているわけでございます。その中には当然、金融関係者でありますとか、そこらの仕組みがよくわかっている者にも入ってもらって、こういう制度が適切に実施できているかどうかということと、将来のリスク分析などを行ってもらっているということでございます。その委員会の平成23年度のレポートでございますが、下のほうに線を引いているところでございますが、現状のスキームで財政的な健全性が維持される可能性が高いことが確認された、というような検証結果が得られているところでございます。
では、将来の財政シミュレーションとしてどんなことをやっているかということでございますが、それが10ページ、11ページにございます。将来にわたってのシミュレーションにつきましては、これは日立コンサルティングに頼んで実施してもらったということでございます。それぞれのいろいろな入力値につきましては、加入率とか、回収率とかがありますが、実績値を基に当然まだ、動き出して間がないということないので、実績値をベースにある程度、人的保証のデータで将来推計をしながらやったということでございます。その結果といたしまして11ページでございますが、シナリオ1というものが、個人信用情報機関に登録するという効果で回収が進むという効果を見込んだものでございますが、そういうことでシミュレーションをしてみますと、シナリオ1になって、平成48年度まで、とりあえず収支は維持できて、健全性は維持できるのではないかという結果が得られているということでございます。
12ページでございますが、というものの、やはり機関保証の健全性についても、今後ともきちんとシステムが回るということのための強化を考えていかなければならないということで、今いろいろと考えてございますことを何点か申しますと、まず1点目は、現行の制度では機関保証するものについては人的保証を付けていないと。連帯保証人みたいなものを全然入れていないわけなのですが、今後は機関保証と人的保証を組み合わせた制度なども、どうあるべきかをちょっと考えていく必要が将来的には出てくるのではないかなと考えてございます。また代位弁済をすると、機関保証をしている機関、協会のほうでも回収のための体制強化が必要であって、それをどうやっていくかを今検討しているということでございます。また保証機関の協会のほうでも法的措置を導入していくということ。またサービサーの活用策ということで、要は保証機関における回収をどうやっていくかということと、基本的には代弁率を下げていくと。そのためにはJASSOのほうで、そこに行かないまでの回収率を高めるということ。そのようなことにつきまして、いろいろ検討しているということでございます。
説明は以上でございます。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。ただいまのご説明に対しまして、ご意見・ご質問等がございます方、どなたからでもお願いいたします。中島委員、どうぞ。
〔 中島専門委員 〕ご説明ありがとうございました。いろいろ回収努力をされているということで大いに結構だと思いますが、資料の11ページ、最後のほうのシミュレーションでは、回収促進策を実施しない場合は保証金残高がマイナスになる。要するに収支は合わない、赤字化するということになっているわけですが、逆に言えば、収支を少なくとも赤字化しない形で、今後、回収が進まない場合には、当然、保証料も上げていただく、あるいは代位弁済率を必ず上げるような措置も強化していただくということが当然必要です。したがって、シミュレーションというよりは、むしろ今後、回収促進策がどういうふうに奏功するかを見ながら、ぜひ収支が合うようにしていただきたいということでございます。
〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。はい、土居委員、どうぞ。その次に松田委員、お願いいたします。
〔 土居委員 〕財投分科会でも、この回収促進については長年、いろいろ議論があるところでありますが、今回のご説明にあって、その中で一つ質問をさせていただきたいのは、適格認定を大学なり、奨学生が所属している学校が行って機構に報告があるということですが、卒業後の状況との関連で、奨学生だった方が卒業後どこにお住まいだとか、そういう情報を学校側がお持ちかというところについては何か情報を求めていらっしゃるのでしょうか。これは以前、私の記憶が確かならば、この分科会で私も同様なことを申し上げたと思うのですが、奨学生に限らず卒業生がどういう状況にあるかを学校側が把握することはとても意味のあることで、学校側としてもぜひ把握したいと、率先して自発的に思うところだと思います。それは別に何ら奨学金の話とは関係がないモチベーションではありますが、学校側が卒業生の動向を把握していれば、極端に言えば、必ずしも回収にあたって保証機関が十分な情報を持っていなかったとしても、学校側に問い合わせると、奨学生の居場所などを突きとめることができると。もちろん個人情報なので、なかなか保証機関がダイレクトに個人に連絡することができないということであれば、学校を通じて行うという方法も考えられる。学校側は当然、本人から情報が提供されているということですから、返済をしっかり行うようにということを学校側からも働きかけるということは私は可能なのではないかと思っています。実際、もう既にそういうことをなさっておられるのであれば、それはそれでとてもいいことですし、場合によっては、これは自分の立場を考えると、自分で自分の首を絞めるようなことになるかもしれませんが、あまりにもひどいということであれば、延滞している個人の名前を明かすのはまずいとしても、学校別に、この学校は延滞者が多いと。そういうようなことを言ってやれば、学校側も返還に協力をするということだって私はあるのではないかと思っているわけです。さすがに教育機関として、延滞している卒業生が多いと言われると、それは学校の沽券にかかわることなので、卒業生といえどもきちんとケアして、しっかりと返還に応じるようにと。そういうインセンティブもあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〔 富田分科会長 〕先に松田委員、どうぞ。そして吉野委員と。
〔 松田専門委員 〕 今のご質問と若干かぶるところもあるのですが、まず一つが人的保証から機関保証のほうに、こんなに急激に移ってしまったというのはどういうことなのか。調査がもしございましたら教えていただきたいと思います。というのは、今の状況ですと、学生がなかなか卒業後も就職できないので、すぐ親の保証になったら困るからということで機関保証にシフトしたのかなと。これは推測ですが、どうしてこうなるのかなということが一つであります。
それともう一つは、就職とも関係がありますし、認定との関係もあるのですが、最近、生徒に対する学校の対応が非常に甘くなっています。授業にあまり出てこないと学校から「どうしたの?」とコールまでしていると。奨学金を受けた後の話よりも修業課程のほうの問題も随分出ているやに聞いているのですが、大学としては、私も学部長会議に出たときに、学校側から、返還が悪くなっているから頑張れと発破をかけられたこともあるので、多分、文科省から学校別には随分データを出していると思うのですが、今の就職状況はこれからどうなるのか全くわからないのと、国内の就職が外国人の留学生とも争うという状況に現実として入っています。奨学金を受けて頑張って勉強したい意欲が将来の就職という結果に必ず結びつくという状況ではなくなっていますので、今までこうだったからという要件を変更しながらシミュレーションをしていかないと、これから大きな課題が起きてくるのではないかと思います。やはり勉強したい人に奨学金を渡して、それを回収して次の世代に回していくというのが理想モデルだと思いますので、そういうことを考えると、ここでご指摘のあるように機関保証と人的保証とを組み合わせた制度などが、これから必要になってくるのではないかと思います。
いずれにしましても、人的保証から機関保証のほうに大きく変わったことについて、これほど変わったのは最初から予測したのかも含めて、ご説明いただきたいと思います。
〔 富田分科会長 〕吉野委員、どうぞ。
〔 吉野臨時委員 〕先ほどの土居先生の議論と関係するのですが、多分、学校ごとに比率が全然違うのだと思います。中小企業の場合にも、県によって全然貸倒れリスクが違うわけですが。そうしますと、モラルハザードを防ぐためには、延滞率や代位弁済が高い比率の学校に対しては保証料率を上げるというやり方も一つ、ペナルティとして非常に効くのではないかと思います。
それから2番目は、途上国の場合にはグラントとローンという2つの政策でいろいろやってくるわけですが、奨学金の場合は、文部科学省としては全部、ローンだけでいくのか、それともグラントというようなもの、一般会計からの補助金ですが、そういうもので別のルートでも学生を支援するということまで考えられるのか。それに関してお考えを聞かせてください。
〔 富田分科会長 〕それではここまでのことをまとめてご回答をいただきます。その後、また質問をさせていただきます。
〔 文部科学省大臣官房山野審議官 〕何点かお答えして、細かい話はJASSOのほうに答えてもらうところもありますが。
最初の中島先生がおっしゃったように、本当に将来的に回らなくなったら、保証料まで上げるのかということについては、正に今回のシステムは単純で、保証料を上げるというものと代弁率をどうやって下げるかと。そのためには要はJASSO段階で、どうやって回収を進めるかということですね。それで代位弁済したものについては、どうやって回収するかということで、パラメータはそういうことなので、回収率をどうするかとあわせて、保証料の値付けの設定がどうかということをあわせて、シミュレーションの大きな変動パラメータとして与えるべきだと考えてございます。
また次の土居先生の卒業した後の学校とJASSOがどれぐらいコンタクトをとっているかは、後ほどJASSOに説明してもらいます。ただ、延滞率が高い学校の、学生の個人名は別にして、学校ごとにマクロな指標で公表することが要は抑止力になるのではないかという議論は我々サイドでも出たことはあります。だから、そういうことが本当に抑止力になるのであれば、考えていったらいいのではないかなと思います。
それともう一つ、最後に、学校ごとの保証率を変えるとか、そこまで連動させるかどうかは、すぐの話ではなくて、長期的な課題かもしれないですが、それは簡単ではないと思いますが、そういうことも1つのアイデアかもしれないです。私自身は、学校ごとの延滞率とかを見たことがないのですが、そこが本当に学校ごとに大きな差があるとか、さすがに多いなというものがあれば、それは何らかの措置、パブリックに公表するか、その学校に改善を促すとか、それはいろいろなやり方があるのだと思いますが、そういうことも1つの方法だろうと思います。
あと、人的保証から機関保証に何でこれだけ進んだのかについては、経緯を知っているJASSOから説明していただきます。
あと最後に、奨学金は貸与型だけで、給付型についてはどうかという議論がありました。文科省としては、確かに日本は全部、貸与型なのですが、給付型を、返さなくてもいいというものについても、できるものなら、そこまで用意できるのがいいかなという議論もしていて、今年度は要求していないのですが、昨年度は要求しまして、いろいろ全体の財政事情とか、そういう中から考えて、実は貸与であるものの、「所得連動返済型の無利子奨学金制度」、わかりやすく言うと、出世払型奨学金という制度ができまして、一応、例えば貸与した生徒が学校を卒業しましたという段階で、非常に割り切って言いますと、300万円の年収になっていない人はとりあえず返還を猶予するという制度ができまして、それがちゃんと就職して働き出して、300万円を超える収入を得るようになったら、そこから返し始めてくださいということで、給付型ではないのですが、返還の段階でもきめ細やかに、「就職できず、まだ無職なのです」という人については猶予するということで、ある意味では半歩前進した制度ができました。それは、この4月から動いているので、今後の成り行きとか、もっと大きい話では、マイナンバー制度ができると、もう少し個人個人の所得が追いかけやすくなるので、とりあえず今は1本の線で年収300万円以下は払わないでいい。ゼロですと。それを超えたら1ですという制度なのですが、今後、マイナンバー制度ができると、もっと細やかに、幾らになったら半分払ってくださいとか、そういうことで追いかけられるのではないかと考えており、そういうことはよく勉強していきたいと思っています。
〔 日本学生支援機構月岡理事 〕まずシミュレーションの件でございますが、3ページに書いてございますような回収促進策を現在行っておりますが、この効果を見込むと、このような形で収支相償ということでございます。引き続き、この回収促進策をさらに強化する形で努力をしていって、収支の安定を目指していきたいと考えております。
それから、住所の把握の件でございますが、これにつきましては、まず基本的に住所の調査は機構において責任を持って行っておりますが、学校にも、特に新しく卒業した方を中心として照会をしていることがございます。学校は、やはり先生がおっしゃったように個人情報ということもあって、協力できる学校と協力できない学校がございますが、協力できるところからは協力するということで、住所情報をいただいておりまして、それを踏まえて私どもで改めて調査をいたしまして、その結果を学校にもお返しをしておりますので、学校も機構に協力をすると、そういった意味では卒業生の状況がわかるというメリットもあろうかと思っております。学校のほうは、卒業時の情報が一番最新だということで、なかなか顕著に新しい情報を取得することは難しいところもあろうかと思いますが、それは両者で頑張って協力していきたいと思っております。
それから、延滞のお知らせなどを学校と協力して行ってはどうかということでございますが、これにつきましても、学校に、そういった延滞について卒業生にお知らせか何かを協力してくれないかといったような話の打診のようなことは現在いたしております。学校としても、ご指摘のように延滞状況が悪いということは決して学校としても好ましいことではないと多くの学校は考えてございまして、協力できるものならば協力したいといった方々もたくさんおられます。他方、それもやはり個人個人のことがあるから難しいと。あるいはもう少し話が具体的になってから考えていきたいといったような学校も多くございまして、もう少し学校のご意見を聞きながら詰めていきたいと考えております。
それから、延滞した学校にペナルティの件でございますが、各学校ごとに延滞情報といいますか、あなたの学校は平均に対して、これぐらい高い、低いといったことは、すべての学校にお知らせをしております。この情報を見て改善に取り組んでほしいということをお願いしております。さらに延滞が悪いところは、在学採用と申しまして、入学した後、採用するための採用枠を各学校に配分しておりますが、その際に悪い学校は、その枠を小さくするとして調整いたしております。
それから、機関保証がどうして、このように急速に普及したのかということでございますが、基本的には、それなりのニーズがあったのだと考えております。最初の段階では知られていなかったということもありまして、やや出足が鈍かったわけでございますが、この存在がわかるにつれて、それを希望する率が上がってきたと。平成21年度から22年度のところに少しジャンプがありますが、このジャンプは、返還誓約書を従来は貸与終了時に貸与金額が確定いたしますので、そこで徴取をしておりましたが、貸与が始まるときに徴取するというふうに時期を変更いたしました。その際に、入学時に保証人をつけなければいけないとなったときに、ちょっと間に合わないので、機関保証にシフトするといった形で、若干のジャンプがその段階で見られたと思っております。
それから、就職のことにつきましては、これは私どもも課題だとは思っておりますが、就職の前に退学とか、そういうことが非常に私どもとしては困ると思っております。奨学生が退学しないで済むような、そういった指導といいますか、あるいは適格認定のプロセスを通して、学業に対する指導をもう少しきちんとしてもらうとか、そういったことをまず取り組んでいったらどうだろうかといったことを現在考えております。保証機関のほうも、そういった意味では、そのあたりの就職状況には関心があろうかと思いますが、まずは機構のほうで、そういった学業を十全に全うできるように、各学校にもお願いしていくといったことをしてはどうかと考えております。
〔 富田分科会長 〕はい、どうぞ。
〔 日本学生支援機構石矢奨学事業本部長 〕保証制度については、就職が厳しいので、今後機関保証に流れ込む可能性がある。人的保証と機関保証をコラボレートしたらいかがかというご意見がございましたが、今後、検討させていただきたいと考えております。機関保証等の検証委員会がございますので、そこで論議を尽くしていきたいと考えております。
〔 富田分科会長 〕それでは、ご質問を。どうぞ、池尾委員。
〔 池尾臨時委員 〕もう時間がなくなってしまっていますが、今おっしゃった機関保証の話で、保証機関の体制整備というお話も最初にありましたが、資料の一番最後のページを見させていただいていると、この保証機関というのは専門の機関ではないですよね。形の上でアウトハウスにしたけれども、実態的には経理をやっているだけの組織にやってもらっているという形だと思います。だから、こういう形のアウトハウスの機関が本当にいいのか。こういうことだったら、支援機構の中にインハウス化して、もっと全体として体制を組むほうが効率的ではないかという気もしたのですが。これから検討するとおっしゃっているので、質問しようと思ったことも、これから検討ということなのでしょうが、現状、外に保証機関があるような形にはなっていますが、実態として専門性を持たない経理をやっているだけの組織のような気がするので、そのあたりはやはり見直していただきたいという気がいたします。
〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、このあたりで質疑を終了したいと思います。日本学生支援機構関係者の皆様にはご退席をいただきます。ありがとうございました。
((独)日本学生支援機構関係者 退席)
〔 富田分科会長 〕それでは、本日の議事はここまでといたします。
最後に本日の議論を踏まえまして、松浦計画官、平井計画官から一言ずつ、お願いいたします。
〔 松浦計画官 〕大変長時間のご議論ありがとうございました。3回にわたりまして、さまざまなご意見をいただきました。ご意見を踏まえまして、要求のほうを精査していきたいと思います。
〔 平井計画官 〕本日は大変貴重な意見を熱心にいただきまして、本当にありがとうございました。本日いただきましたご意見を踏まえまして、しっかりと地方の編成に当たっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〔 富田分科会長 〕ぜひとも頑張っていただきたく存じます。ありがとうございました。それでは、予定の時間となりましたので、本日の議論はここまでとしたいと思います。
本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクをいたしますとともに、後日、財務省ホームページに議事録等を掲載する予定としておりますので、ご了承願います。
なお、今後の日程につきましては、追って事務局より連絡させていただきます。
本日はご多忙の中、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。
