財政投融資分科会(平成24年11月14日開催)議事録
財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録
財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第
平成24年11月14日(水)10:00〜11:57
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
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1.開会
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2.平成25年度財政投融資計画編成上の論点
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(株)国際協力銀行
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(独)国際協力機構
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(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構
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3.閉会
配付資料
| 資料1−1 | (株)国際協力銀行説明資料 |
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| 1−2 | (株)国際協力銀行参考資料 |
| 資料2−1 | (独)国際協力機構(有償資金協力部門)説明資料 |
| 2−2 | (独)国際協力機構(有償資金協力部門)参考資料 |
| 資料3−1 | (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構説明資料 |
| 3−2 | (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構参考資料 |
出席者
| 分科会長 | 富田俊基 | 古澤理財局長 冨永理財局次長 岡本総務課長 谷内財政投融資総括課長 渡辺管理課長 松浦計画官 平井計画官 馬場財政投融資企画官 木勢資金企画室長 | |
| 委 員 | 翁 百 合 川村雄介 | ||
| 臨時委員 | 池尾和人 木村陽子 吉野直行 | ||
| 専門委員 | 冨山和彦 原 田 喜美枝 松田修一 |
〔 富田分科会長 〕それでは、予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。
本日は、前回に引き続きまして、お手元の議事次第にございます3つの機関につきまして、平成25年度財政投融資計画の編成上の論点をご審議いただきます。
当分科会におきましては、十分な、活発な審議を前提としているのでございますが、いつも時間が延びるようなことになっています。今回は、当初の予定よりも長く時間をとっておりますので、ここにございますような時間の中で十分な議論が行われますよう、事務局にも、また皆様にもご協力いただきたいと思います。
それでは、まず、国際協力銀行について、説明をお願いいたします。
〔 松浦計画官 〕計画官の松浦でございます。それでは、私からは資料1−1に基づきまして、国際協力銀行の編成上の論点について、手短に説明してまいりたいと思います。
資料をあけていただきまして、1ページ左側、計数でございますが、25年度の事業規模ですが、24年度と比べて微増、2兆3,110億円となっています。その財源として、財政投融資は昨年度と比べて6,000億強増要求をしておりまして、1兆2,600億。これは前々回説明いたしました、25年度は自己資金が減っているという理由がございまして、このような増要求になっていると理解しております。
論点でございます。2ページ目をあけてください。論点は2つありまして、1つ目、右側のところですが、日本再生戦略にパッケージ型インフラ海外展開の推進のため、JBICの戦略的活用等が盛り込まれる中、25年度の事業規模は適切なものとなっているか、また、再生戦略を踏まえた資金配分の重点化が図られているか、民業補完やリスク管理の観点から課題はないかという論点でございます。
論点に対する考え方、24年度の事業規模は円高対応緊急ファシリティ案件の本格組成を見込んで大幅に増加しているが、25年度も、再生戦略及び円高対応緊急ファシリティを踏まえた規模とする必要がある。また、我が国が今後、経済成長していくために重要となる資源獲得やインフラ輸出等の分野に資金を重点配分する必要がある。
2番目といたしまして、JBICの業務は、法律にございますように、「量」及び「質」的な面において民業補完の原則を堅持する必要がある。また、海外におけるプロジェクトの高リスク化・長期化・大型化に対応して、リスク管理の高度化に取り組む必要があるという考え方でございます。
次、ページをめくっていただきまして、論点の2でございます。JBICの外貨貸付けの割合が高まる中、安定的な外貨調達は図られているか。JBICの外貨貸付割合ですが、9割程度となっております。外貨調達手段は、財投を活用した包括円投スワップと政府保証外債でありますけれども、リーマンショック以降、いずれも調達コストは高止まり状態で、現在、政府保証外債は、包括円投スワップより調達コストが割安な状況でございます。
3番目で、他方、円高対応緊急ファシリティですけれども、外為特会からJBICに対して、6カ月LIBOR金利で低コストで融資しておりますが、JBICは海外M&Aや資源権益等の短期間で資金調達が必要となる巨額案件について、現在、円高対応緊急ファシリティで対応しているところでございますが、その後の安定的な外貨調達が課題となっております。
私からは以上でございます。
〔 富田分科会長 〕では、JBICのほうから。
〔 国際協力銀行林財務部長 〕JBICの林と申します。どうぞよろしくお願いします。
それでは、お手元の資料1−2に基づいてご説明いたします。まず、1ページ目、沿革ということで、ご覧いただきますように、今年の4月に日本政策金融公庫から分離独立しまして、株式会社国際協力銀行として活動を開始しております。
めくっていただきまして、まず、中期経営計画における基本方針ということで、向こう3年間についての基本方針を今年、第1四半期に定めまして、7月に公表しております。JBICを取り巻く内外の状況を踏まえて、業務面、組織面、財務面それぞれについて基本方針を定めて、これにのっとって業務を行っている状況でございます。
1枚めくっていただきまして、具体的な業務概要でございます。JBICのミッションとしては、ここにありますように、資源の確保、国際競争力の維持・向上、地球環境保全事業の促進並びに国際金融秩序の混乱への対応という4本柱に基づいてやっておりまして、具体的には、持てる輸出金融以下の金融メニューを駆使してこれらのミッションを果たそうとしている状況でございます。
ご参考として、金融目的別と地域別の承諾実績について、円グラフで示してございます。地域別に関して申し上げれば、アジア、大洋州、ヨーロッパ、中東、アフリカ、北・中南米、大体3分の1ずつの承諾実績となっております。
1枚めくっていただきまして、最近のトピックスとして、まず1つ目として、パッケージ型インフラ海外展開支援ということで、私どもはE−FACEと名づけておりますが、昨年の4月から、JBICインフラ・投資促進ファシリティという形でパッケージ型インフラ海外展開を支援していこうということで鋭意取り組んでおります。具体的には、下に書いてありますように、クリーンエネルギー、水、鉄道事業、スマートグリッド等、パッケージ型インフラ海外支援について、民間金融機関等と協調しまして融資、出資に努めています。あわせて海外M&A案件の投資促進であるとか、環境分野へのリスクマネーの供給などについても取り組んでいる状況です。
1枚めくっていただきまして、ご参考として近年の主なインフラプロジェクトということで、世界で融資をしている案件を示してございます。申し上げましたように、全地域満遍なくファイナンス対象が出てきておりますが、最近のトピックスで申し上げますと、左の上の英国です。これは都市間高速鉄道ということで、日立製作所が受注した高速鉄道、パッケージ型インフラ海外展開案件の1つの例として入れてございます。
続いて最近のトピックス
ということで、次のページですけれども、円高対応緊急ファシリティです。これは昨年の8月に時限的な措置として、現下の急激な円高の進行に対応して、日本企業による海外M&A並びに資源エネルギーの権益の確保・開発等を促進するために創設されたもので、このファシリティに基づいて具体的な案件に取り組んでいる状況です。当初、今年の9月末までだったのですけれども、半年間延長されまして、現状、来年の3月末ということですので、この期間までの間、引き続き取り組んでいきたいと思っております。
主なスキームは、外為特会からJBICが最大10兆円相当の枠内で借入れをして、これを本邦の金融機関向け、もしくは直接M&A案件や資源の権益・開発案件に融資をするといったものでございます。
続いて1枚めくっていただきまして、円高ファシリティの実施状況ということで、10月24日時点までの実績とクレジットラインを設定している具体的な銀行と金額について示してございます。
さらに1枚めくっていただきまして、平成25年度の概算要求と事業規模の推移でございます。平成19年度から来年度の要求までを棒グラフで示してあります。ご覧いただきますとおり、23年度から25年度にかけて深緑、円高ファシリティが上のほうについてありますけれども、それを除いたとしましても、通常案件ベースでも事業の規模が漸増しているという状況でございます。
1枚めくっていただきまして、今度は、日本再生戦略と来年度予算の概算要求との関係について示しております。日本再生戦略の中でJBICに関連する部分について、平成25年度の事業規模とどういうふうに結びついているかというのを示してあります。線で示してありますように、赤い線については資源エネルギーの確保、このために資源開発ということで線が引いてありますし、また、サムライ債市場の活性化は事業開発等金融で対応します。また、パッケージ型インフラ海外展開の支援については、輸出金融、輸入投資金融などを駆使してサポートしていきたいと考えております。また、右上には、経済界からの要望として、海外子会社による第三国輸出・国内販売へのファイナンス強化や輸出金融の運用弾力化、2点目として、現地通貨建てのファイナンスといったことが強い要望として寄せられていますので、これらについても鋭意取り組んでまいる状況です。
さらに1枚めくっていただきまして、次は民業補完についての対応でございます。まず、新JBIC法の第1条で一般の金融機関が行う金融を補完することを旨とするということを明定しております。これに基づきまして、下の
から
にありますように、協調融資を原則とすることから始まって、各点について留意しながら民業補完に努めているわけでございます。
また1枚めくっていただきまして、民業補完のための具体的な対応として、協調融資割合がございます。輸出金融、資源金融、投資金融、事業開発等金融それぞれについて、下げられる部分については融資割合を下げている。ここに示しているのはあくまでも上限ということなんですけれども、平成13年までと現時点で、例えば資源金融についての国内貸しは8割限度を6割限度、直接借款のケースにおいては8割を7割といったふうに、できるだけ民間の部分を増やすように努めている状況でございます。また、あわせて、下のピンク色の四角のところですけれども、保証への取組も強化しておりまして、10年前と比べて構成比で5%から22%、保証案件が残高ベースでも増えている状況でございます。
1枚めくっていただきまして、次は、リスクテイクの取組の強化といったことで、最近の案件の傾向として、1つ1つのプロジェクトについて高リスク化、案件の長期化並びに大型化といったところが顕著に見受けられます。こうした案件に取り組むにあたっての具体的な方策として、リスク管理の観点から、プロジェクトファイナンスやストラクチャードファイナンスの手法を用いた与信であるとか、相手国政府や相手国の現地企業の信用力を十分に審査・判断した上でリスクテイクをしていっております。
もう1つ、大きなものとしましては、JBICが従来から培ってきた相手国政府や国際機関等との緊密な関係、ネットワーク、ステイタスを活用して、日本企業の現地でのスムーズな事業運営やさまざまな問題解決を支援していこうということで取り組んでおります。
もう1枚めくっていただきまして、今度はJBICの中でのリスク管理の態勢についての資料でございます。総裁を委員長とする統合リスク管理委員会を設置しまして、ここで具体的に審議をしておりますとともに、リスク管理を担当する部門長を委員長とするALM委員会を設置いたしまして、毎月、必要なテーマについての議論を行っている。あわせて、社外の有識者、社外取締役などで構成するリスク・アドバイザリー委員会も設置しまして、ここで必要な案件については議論を行っているといった形でリスク管理に努めております。
1枚めくっていただきまして、続いて情報公開の概要ですけれども、原則、新規に契約調印した案件については情報を公開するということでやってきております。具体的には、(1)から(3)に書かれておりますとおり、法定に準じた情報開示、財務に関連する情報開示、その他の情報開示として、案件情報、各種刊行物、記者会見、決算発表、また、ホームページやフェイスブックなどを通じて開示に努めている状況でございます。
1枚めくっていただきまして、資金調達の構造です。JBICの調達構造としては、財投からの借入れと政保外債の発行による調達、また、自らの財投機関債の発行及び回収金などによる自己資金といったものが主な原資となって出融資に使われているということです。また、先ほど申しましたとおり、現在は円高ファシリティの実施のために、外為特会から融資を受けて、これをM&Aや資源案件に融資をしているということになっております。
最後のページでございますが、外貨の安定調達に向けてということで、JBICの外貨貸付けの割合は年々増加傾向にありまして、足元、大体円貨と外貨の貸付けの比率が1対9まで外貨の比率が高まっています。また、他方、外貨の調達コストについては、ここの右側にありますように、リーマンショック以降、包括円投、政保外債の発行、いずれも高止まりしている状況です。
したがって、現在の課題としましては、ALM、採算性の観点からも、適正なコストで安定的な外貨調達が喫緊の課題となっております。それに対応するために、融通条件の弾力化や新たな外貨調達手段を模索し、今後検討を進めていきたいといったのが現状でございます。
私からのご説明は以上です。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問等ございましたら、どなたからでもお願いいたします。
吉野委員、どうぞ。
〔 吉野臨時委員 〕ご説明、ありがとうございました。2点ご質問させていただきますけれども、今、外為特会から6カ月のLIBORで調達されているということは、やはりALM上、非常に短期で調達して長期で貸し出していることになり、非常にアンバランスではないかと思うのですけれども、外為特会がもう少し長い期間で出すことが可能であればよいのではないかと思います。
それから、現在JBICが財投機関債を発行する場合に、外貨での財投機関債が認められていれば、さらに、その外貨がドル、ユーロ、オーストラリアドルとか、さまざまな通貨であるともっと便利なような気がいたしまして、それが第1点でございます。
2点目は、中小企業のある方が、中国に出ていったら大変なことになったと言っていましたが、海外の政治情勢などはなかなか民間企業の方ではわかりにくいと思いますけれども、そういう情報はJBICの方も現地でお持ちでしょうし、財務省も持っていらっしゃると思いますので、そういうことを民間の企業の方々にもう少し早く伝えるような、何かいい方法があるのであれば、いろいろご提示いただきたい。その2点です。
〔 富田分科会長 〕ほかに、ご質問いかがでしょうか。
どうぞ、松田委員。
〔 松田専門委員 〕どうもありがとうございました。2点ばかりです。まず1つは、M&A、大型のものを含めて、JBICは随分民間と協力しているということですが、民間の場合は、それが成功しなかった場合に一挙にのれん償却ということが行われるわけですが、逆に国際協力銀行のほうでは、また民間とあわせてM&Aとやった場合に、民間と連動した会計処理はどのようにお考えなのか。会計処理上の問題を含めてお願いします。
それから、もう1点は、今のお話に少し関係いたしますが、中小企業の海外支援ということがここでうたわれているわけです。今、中小企業の全体を底上げするということはほぼ不可能ということで、伸びる企業、やはり海外に出ていける中小企業ということになるわけでございますが、海外の場合、国ごとにリスクがものすごく違うわけです。例えば個々の国について、この国はこういうリスクがありますというような民間がすぐわかるチェックマニュアルであったり、事前チェックをするための指標などをぜひ出してほしいと思います。国が国を評価していいのか、それが表へ出ていいのかといったいろいろな問題があると思いますが、現実にビジネスをやる場合には、個別問題について企業は検討しなくてはいけませんので、どこに行けば事前にしっかりとしたお話が聞けるかというようなことについて、どのように対応されているのか。少しスケールの小さい話になるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでございましょうか。
どうぞ、川村委員。
〔 川村委員 〕2つありまして、1つは、最初にご説明いただいた資料1−1の論点1の2番目でしょうか。海外におけるプロジェクトの高リスク化等に対してリスク管理の高度化に取り組むというお話。これは当然のことだと思いますが、先ほど松田委員からのご質問とも関連いたしますが、そういう海外プロジェクトは非常に重要ではあるけれども、それを投融資として、新たなリスクというか、従前見えてこなかったようなリスク、例えば政治リスクであるとか、賄賂を渡さなければ商売を取れないような国であるが非常に重要なマーケットであって、他国はどんどん進出してくる。他方、日本はそういうことはできないというような大矛盾に苦しんでいるが、進出しようとする日本の企業はいっぱいある。そういうリスクもある中で、ここで言っているのは、具体的にどういうリスク管理をされようとされているのか、あるいは現になさっているのかということが1点目。
もう1つは、資料1−2の9ページのところで、再生戦略と25年度予算のところと真ん中のコラム、金融戦略として、これは再生戦略全体だと思いますが、アジア金融センターへ向けたサムライ債市場の活性化のところと、下のパッケージ型のプログラムのところから矢印が出て、右下のほうの数字とリンクしていますが、JBICとサムライ債市場との具体的なかかわり合いについて、少しご説明いただければと思います。
以上2点です。
〔 富田分科会長 〕どうぞ、翁委員。
〔 翁委員 〕2つ質問させていただきます。1つ目は川村委員とちょっと共通しますけれども、今回、このインフラ海外展開支援ということでパッケージ型のインフラ支援の取組を強化するに至って、具体的にどのようなリスク管理体制の強化を図られたのかということを、体制面など具体的な内容としてお伺いしたいというのが1点目です。
それから、もう1つは、11ページのところで、協調融資割合の上限を引き下げてきているということですけれども、それでも6割、7割というウェイトというのは割と高いのではないかというような印象も受けるのですが、そのあたりの見直しについてお考えがおありなのかどうかということについてお伺いしたいと思います。
〔 富田分科会長 〕どうぞ、原田委員。
〔 原田専門委員 〕申し訳ありません。手短に2点だけ質問させてください。先ほど翁委員がおっしゃったことに関係しておりますけれども、リスクテイクの取組の強化というところです。ご説明いただいたのは抽象的な内容が多かったかと思いますので、プロジェクトファイナンスですとか、ストラクチャードファイナンスの手法を使ってとご説明がありましたが、具体的にどういうようにお使いなのかということをご説明いただければと思いました。
あと、もう1点も関連するところですが、協調融資の件で、融資の割合は減っていますが、保証がかなり増えているかと思いますので、この点についてももう少しご説明いただければと思いました。お願いいたします。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。非常に多岐にわたって質問がありました。吉野委員が最初にお尋ねの外為特会の調達の話は為替市場の介入ということとも大きくかかわる問題なので、国際局、あるいは事務局からお願いできますでしょうか。
〔 財務省国際局為替市場課細田資金管理室長 〕国際局でございます。吉野委員からご質問いただきました外為特会からもう少し長い期間で資金を貸し出せないかというご指摘でございますけれども、外為特会が保有する資産につきましては、いわゆる為替介入等で使うことを想定しておりますので、流動性及び安全性に最大限留意して運用するということになっております。そういう観点から、あまり長い期間で貸し出すということについては一定の制約があるということをご理解いただければと思っております。
〔 富田分科会長 〕それでは、委員からそれぞれご質問が出ておりますので、JBICより、まとめてお願いしたいと思います。
〔 国際協力銀行林財務部長 〕それでは、順番は順不同になってしまいますけれども、JBICの融資にあたって、現地の政治情勢とか情報をどう適切に民間の進出企業に伝えていくかという点について、まずお答えしたいと思います。
基本的には、進出の前に具体的な融資の相談を受ける際に、私どもは相談室というところをユニットとして持っておりまして、そこで情報を常に集めておりまして、そういったものの中で有益なものを提供するというのが1つございます。
また、毎年1回、海外投資アンケートという調査を行っておりまして、そこでの結果も広く公開して、参考にしていただいているということが言えます。また、実際に出ていった際に、私ども、海外に駐在員事務所がございますので、そこでも現地の生の情報をできるだけ提供するといった形で使っていただくという形で努めております。
また、M&Aに関連してのご質問がございました会計処理の話です。そこについてお答えしたいと思います。仮にM&Aの案件がうまくいかなくて、失敗してしまったというような場合なのですけれども、まず、実際の借入人というか、進出された企業から状況を十分聞きまして、どういう対応が可能かというところを考えるわけなのですけれども、まず、回収は難しいといった場合には、その程度に応じて引当てを基本的に行うということです。それでできる限りの回収手段を講じるわけですけれども、どうしても回収し切れないといった部分については、最終的に私どもも貸付債権の償却といったことで損益に反映していく。こういった道筋になるかと思います。
また順不同になって大変恐縮なのですけれども、プロジェクトの高リスク化といったところへの対応というところでリスク管理の取組というのがございました。とりわけポリティカルリスクなどとの関係でどういう対処が考えられるのかというご質問についてなのですけれども、おっしゃるように、非常に取り組むのが難しい国というのは幾つかございます。その一方で、資源などを持っていて、潜在的なビジネスチャンスを多く持っている国というのは世界に幾つかあるわけなので、そういったところへのサポートもJBICとしては当然考えていかなければいけないわけなのですけれども、まず、私どもが注意するのは、ポリティカルリスクに関して申し上げれば、最終的にはその国のキーパーソンとの関係、ここをどう構築するかといったところ。そのキーパーソンとの関係がひいては最大のリスク縮減につながるのではないかと考えています。そのことをまず念頭に置いて、その国との政策対話を常に心がけていくといったところが、ポリティカルリスクについては重要なところかと思います。
また、それ以外のプロジェクトファイナンスとか、ストラクチャードファイナンスにおけるリスクテイク、リスクコントロールのあり方についてですけれども、これについて申し上げますと、JBIC1人が全部リスクを背負うということでは決してなくて、プロジェクトにかかわるレンダーとしてのJBIC及び民間金融機関、あとプロジェクトを実施するスポンサー、また、場合によっては相手国の政府や政府機関、こういったところで十分リスクを分析して、プロジェクトの完工リスクであるとか、価格変動リスクであるとか、為替のリスク、また、先ほど申し上げたポリティカルリスクといったところを分析して、レンダー、スポンサー、また相手国政府、それぞれがリスクテイクできるところを分担していくという形で案件を組成していくというところが重要なポイントと考えています。その上で最終的な融資判断をする。もちろんプロジェクトの中身のキャッシュフローであるとか、収支構造の事前の分析、審査、こういったところも十分に行うのは言うまでもないことでございます。
〔 国際協力銀行安間経営企画部長 〕残りは経営企画部と業務企画室で分担して答えたいと思いますが、私のほうで気がついたところで申し上げますと、M&Aにつきましては、日本の企業のM&Aのほとんどのケースは、いわゆる買収元の親会社リスクで対応していることが多いということがございます。現在、私どもがM&Aの支援をやっておりますのは邦銀経由のツーステップローンによる対応でございます。ですから、私どもが直接リスクをとっているものではございません。いわゆるレバレッジバイアウトの場合は、買収先のリスクをとるM&A案件につきましては、私どももぜひやりたいと考えておりますけれども、今のところ、そういうニーズがほとんどない状況です。海外の企業に比べて、日本の企業は親会社リスクで対応されることが非常に多いというケースがほとんどでございます。
それから、翁委員からご質問のありました協調融資割合につきましては、ご指摘のとおりでございまして、私どもとしても、実際に上限に張りつかないように、民間銀行にできるだけ資金を多く出していただくという形での営業部を通じた誘導というのを図っております。
〔 国際協力銀行経営企画部待井業務企画室長 〕業務企画室の待井でございます。よろしくお願いいたします。若干私のほうからも補足のご説明を申し上げます。
1つ、海外の国のリスク情報、政治情勢ですとか、そういったもの、特に中堅・中小企業等ではなかなかわかりにくいのではないか。それに対して何か対応できないかというご質問があったかと思います。
林のほうから申し上げましたけれども、相談室のような部署で個々の案件に即した相談を受けるほか、我々、さまざまな投資受入れ国のリスクの調査というのをやっておりまして、それを刊行物にまとめて、利用者の便に供するといったようなこともやっております。その他、講演会等で国の情勢等について関心のある企業の方々にご報告申し上げる、あるいは、これはお話がある都度ということになりますけれども、国のリスクを見ている専門の部署が私どもの中にございまして、リスクの判定をしているところなんですが、そこに、この国に主としてどういうソブリンリスクというものがあるのかというようなことについて教えてほしいというご要望が時々、企業から寄せられることがございまして、そういう場合には出向いていって、プライベートな講演会という形ではございますけれども、そういうところで情報のフィードバックをさせていただく。こういうこともやっております。
あと、世の中で広く発表してございますけれども、年1回、海外直接投資に関するアンケートというのをやってございまして、それぞれの国にどういう特徴を持った日本企業の進出があるのか。それを阻んでいる要素というのは何なのか等々の分析とともに発表しておるところでございます。
あと、サムライ債、保証といったご質問があったかと思います。保証が近年、ご覧になるとおり、増えておる中の大きな要素がサムライ債の保証ということをやっておることに求められるわけでございます。サムライ債の保証、日本のサムライ債市場の活性化というのをJBICのミッションに当てはめて考えますと、これは日本の国際競争力の維持及び向上といったようなコンテクストでございます。これにつきまして、その政策にのっとって途上国のソブリン債、サムライ債の発行を保証で支援する、ないしはその一部を取得するといったことをやっている関係で、保証が大変伸びてきているという側面がございます。これは逆に、サムライ債市場の活性化といったようなことはもちろんなんですけれども、国際協力銀行にとりましても、これをやることによりまして発行体たるソブリン主体との関係というのが深まるという効果がございまして、それを通じて我々の発言力と申しましょうか、影響力というものがより行使しやすくなるという案件リスク管理上のメリットというものもございますので、これは個々の案件を十分中身を拝見した上で対応してまいっておる状況でございます。
以上でございます。
〔 富田分科会長 〕原田委員が最後にご質問されたのは、サムライ債の話ではなく、多分民業補完との関係での保証のことだったと思いますけれども、その点は何か。
〔 原田専門委員 〕11ページにあります。残高が2兆円超えている。これがおっしゃっている保証でしょうか。
〔 国際協力銀行経営企画部待井業務企画室長 〕はい。これが増えている大きな部分は今申し上げましたサムライ債の保証に伴うものでございますが、それを除く、いわゆる民業補完と言える形の保証の残高についても、歴史的に見れば徐々に増えてまいっております。年によって上がったり下がったりというのはございますけれども、サムライ債の保証ほど大きな増え方はしていないんですけれども、趨勢的に見ると上昇傾向をたどっておると我々も認識しております。
〔 富田分科会長 〕それでは、ほかにいかがでしょうか。
どうぞ、冨山委員。
〔 冨山専門委員 〕ご説明、どうもありがとうございます。4ページ目のパッケージ型インフラ関連の話ですけど、ここで2つ質問とコメントがありまして、1つは、パッケージ型インフラの海外展開支援です。頭の整理のために質問いたしますと、ビジネスモデルとしては、これは美しい話ですが、実はこのモデルは所得収支、GNIには貢献するけど、GDPにはあまり貢献しにくいモデルだと私は理解していて、むしろそれで割り切ってやったほうがいいと思いますけど、その辺の整理はどうなっているのかと。これは一種の政策コストがありますので、政策のベネフィットという意味でどういう整理なのかというのが1つ。それから、どういう成果があるか。その点を教えてください。
もう1点、この右側のほうにリスクマネーの話が出ていますが、ちょっと気になっているのは、例えば省エネ、新エネ事業というのはややベンチャラスな話だとすると、これは海外というリスク掛けるベンチャーというリスクなので、もう超ハイリスクな話になりますね。そのときに、もちろんベンチャラスなシステムもいろいろなステージがあって、まだプロダクトアンプルーブンな段階から、プロダクトはできているけど、ビジネスアンプルーブンな段階もあるし、ビジネスはプルーブンだけど、コンペティションはアンプルーブンという幾つかの段階があると思います。これは特にアーリーステージ掛ける海外ということになると甚だしくハイリスクで、これはシリコンバレーの幾つかの有力なベンチャーキャピタルの投資法則として「車で30分で行けないところには投資しない。」という割と有名な投資法則があります。そうすると、海の向こうのすごく遠い所にハイリスクな投資をするのは、非常にリスクが大きいと思うので、この辺どういうスタンダードでもともとの基準を設定しておられるのかという話と、それから、正直、私自身は少なくとも、こういうアーリーなところにJBICがメインの出資が出てくるのはどちらかというと消極的です。むしろやるのであれば、かなりのレイターの、割とキャッシュフローが見えているものでないと危ないと思っているのと、あと、この絵だけ見ているとJBICの出資によって民間が融資するというように読めますが、こういう話こそ、もしレイターステージであれば、民間の人に共同出資で出てきてもらわないと、JBICにばかりリスクが寄ってしまって大変ではなかろうかとちょっと懸念をしているところがありまして、その辺はどういう考え方でやっておられるのかというところが1つ。
それから、9ページ目で財界からの要望というのがありますけど、私はこの中では一番財界人的な立場の人間なので、これはコメントですが、こういう要望が出てくることはそのとおりだと思いますけど、例えば貿易会とか、経団連というと、どちらかというと大きな立派な会社が多いわけで、ここに書いてある話というのはある意味では前からずっとあった話で、フルグローバルに展開するときに、こういうのはまず自分でやるべき問題なのではないかと。実はグローバル・キャッシュ・マネジメントについては、日本の企業は実は弱いんです。金融機関もあまり強くないですけど。要は欧米の会社、あるいは欧米の金融機関の組み合わせがもともと強くて、実際、リーマンのときも、日本の結構有名な輸出企業も大変苦労した経緯があったと思います。ただ、本来あのときの反省としては、まず自力でそういったグローバル・キャッシュ・マネジメントの機能を強化するということは日本の民間企業と金融機関が本気で取り組むべき問題なので、ある意味これも民業補完の問題ですけれども、補完的にそれをサポートするというのは私もありだと思います。それが結果的にJBICに恒常的に依存する仕組みではなくて、むしろ民間で大半をこなせるように促していかれるような方向性が結果的に出てくるような形であればいいと思いますが、その辺がどうでしょうかというのがもう1つの質問です。
〔 富田分科会長 〕いかがでしょうか。池尾委員。
〔 池尾臨時委員 〕補足的な質問になりますが、円高対応緊急ファシリティの話ですが、先ほど吉野委員からの質問に対する回答として、外為特会の事情があって、固定的な貸付けはできないということでしたが、それはそうだとして、それを前提とすると、資料の7ページにある実績についてですけれども、M&A支援とか、エネルギー確保という種別になっていますが、これは中身的に言うと、M&A支援と言っても、つなぎ資金的なものとか、運転資金的なものと理解したらいいのか。何か字面から受けるイメージどおりとると非常に固定的な性格のもののような気もするので、もし非常に流動的なファンディングで固定的な運用をしているとすると、それは極めてアンバランスなような印象を受けるので、そのあたりについて補足説明をいただきたいということだけです。
〔 富田分科会長 〕それでは、多分今の最後の質問は、膨大な外貨準備の中の一定割合だけこの緊急ファシリティで一定期間認めるということだと思いますが、ほかのものは流動性の高いドル資産とか、そういうので持っているということで。
〔 池尾臨時委員 〕それはどっちの。外為特会のほうのことをおっしゃっているわけですか。
〔 富田分科会長 〕そうです。
〔 池尾臨時委員 〕私もそうだと思っているのですが、先ほどのご説明はそうではなかったですよ。
〔 富田分科会長 〕国際局のほうからまずお願いします。
〔 財務省国際局栗原開発政策課長 〕国際局開発政策課長の栗原でございます。円高ファシリティの件ですが、吉野先生、それから池尾先生がおっしゃったように、外為特会からJBICへの貸付金利としては、6カ月LIBORという6カ月の変動金利を使っております。あくまでもワンショットの貸付期間は5年満期一括で貸しております。
また、私が理解している限りでは、M&Aについては、まさにおっしゃったように、最初につなぎ資金とか自己資金で対応して、それから長期に乗換えるのですが、円高ファシリティというのは、その長期に乗換えるときをファイナンスしています。ワンショットの貸付期間は5年、それから、JBIC自身の貸付けが例えば5年を超える場合には、借換えというのも認めるという前提で行っています。その意味で、JBIC自身の資産と負債がアンバランスにならないような対応を、当方でも考えているところでございます。
〔 富田分科会長 〕今のでよろしいですか。
〔 池尾臨時委員 〕いや。マチュリティは見合っているとしても、だから、結局、ALMの問題がなかなか深刻なような印象を受けたのですけれども、金利変動リスク対応はどういう形でコントロールされているのか。
〔 国際協力銀行経営企画部待井業務企画室長 〕今、国際局からご説明ありましたように、期間については、我々が持つアセットと1対1になるような融通をしていただいておりまして、金利のほうにつきましては、外為特会からは変動金利でお借入れを申し上げて、それをそのまま必要なスプレッドを乗せた上で変動金利ベースでお客様には用立てしているということで、金利リスクをとっておるということではございません。
〔 富田分科会長 〕それでは、冨山委員からのご質問につきましてお願いいたします。
〔 国際協力銀行安間経営企画部長 〕最初のGNI、GNPの話ですけれども、必ずしもGNIが増えればいいというふうに完全に割り切って政策を立てているわけではございませんけれども、ご指摘のとおり、海外のインフラ事業というのは極めて現地化したビジネスモデルが必要になります。そこでは、事業者として日本の商社とかメーカーの方が当然、現地で、あるいは本店でかかわってまいりますけれども、そこで生じる、いわゆる雇用というのは極めて高度な管理人材に限られてまいりますので、そういう面があるのは事実でございます。ただ、長期安定的な海外からの所得収支の増収ということになりますので、そこのところに着目いたしまして支援をしているということでございます。
それから、省エネ・新エネにつきましては、確かに従来、石炭火力ですとか、ガス火力などのいわゆるコンベンショナルな火力発電につきましては過去20年以上、日本のトップの一流商社が自らオペレーターになって、海外でIPP電力事業をできるということで、それを集中的に私どもも支援してきまして、これはほとんど貸倒れもなく、若干リスケしたようなものもありましたけれども、順調に返ってきております。
一方、新エネにつきましては、日本の企業がほとんど事業経験がないということで、海外の一流のオペレーターと組んで北米なりヨーロッパで事業をやろうとしますと、なかなかいい案件がとれなかったり、海外と組まないと自らもできないというケースが結構多いという状況にございます。本当の一流案件をとろうとすると、ヨーロッパとかアメリカの一流企業がそれを先にとっていて、コスト削減の競争力も含めて彼らのほうが勝っている。そういう中で一所懸命、案件を探しているという状況だと思います。
そういったものを支援するときに、私どもも基本的には融資のプロジェクトファイナンスで支援をしたり、あるいは、時には出資で支援をすることもあるんですが、当然民間の資金を出していただいて、日本からの民間資金を一部補う形でプットオプションをつけた出資を出したりとか、そういうような形で支援をするという形になっております。
〔 冨山専門委員 〕今あるということについては、ややメザニン的な出資と理解してよろしいですか。そうすると、ちょっとこの絵は割と誤解を招くかなと思ったので、その辺はうまく工夫されたらいいのかなと。全く私は賛成なので。
〔 国際協力銀行安間経営企画部長 〕必ずしも常にプットオプションを要求しているわけじゃないですけれども、それなりにメインのスポンサーにリスクをとっていただくということでございます。
それから、財界の要望にJBICがどこまでフルに応じられるのかというような大きなくくりの話がございましたけれども、この点は大変JBICの役員会でも議論になるところでございます。いわゆる民間銀行の融資の部分について、私どもが保証したり、部分機関保証を出したりすることもありますし、いわゆるパーシャル・リスク・ギャランティをやっていたりすることもあるんですが、ほかの民間銀行が出した部分について、NEXIのギャランティがついていたり、あるいはJOGMECの保証がついていたりというようなことで、もうちょっと日本の金融機関にリスクをとってもらうべきじゃないかというような観点ですとか、日本の金融機関がもっと海外展開を自らしておられて、海外でリテールのネットワークをもっと構築すれば、我々がそこまでやらなくてもいいんじゃないかというような話が常に議論にのぼります。ですから、そこのところは、一般論としてもそうなんですけれども、個別案件でも、どこまでJBICがリスクをとって民間の支援をするのかということが議論になります。その議論では、民業補完は十分達しているんですけれども、逆に補完し過ぎると、民間の金融の発展そのものが逆にアンダーマインされて、結果的に努力できなくなるというところをJBICの役員も相当強く意識してやっております。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。松浦計画官何か補足的にございませんでしょうか。
〔 松浦計画官 〕特にございません。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。
それでは、続きまして、国際協力機構について議題を移したいと思います。
((株)国際協力銀行関係者退席)
((独)国際協力機構関係者着席)
〔 富田分科会長 〕それでは、国際協力機構について、説明をお願いいたします。
〔 松浦計画官 〕私からは資料2−1に基づきまして国際協力機構の編成上の論点についてご説明したいと思います。
1ページめくっていただきまして、要求の計数ですけれども、事業規模ですが、対前年度と比べて240億円増の9,040億円を要求しております。その財源として、財政投融資が4,250億円の要求となっております。
論点は2つございます。1ページまためくっていただきまして、1つ目の論点が、これも再生戦略にパッケージ型インフラ海外展開の推進のため、ODA資金の戦略的活用が盛り込まれる中、円借款における我が国企業の海外ビジネスの展開、世界の成長力の取込みは図られているか。そういう論点でございます。
論点に対する考え方1で、円借款の実施にあたっては、タイド性のSTEPというファシリティを適用して日本企業の案件受注を支援するとともに、中期的に有望な事業展開先である国に重点化して日本企業の海外進出の環境整備を図ることなどにより、成長機会を創出することが必要と考えます。また、官民連携によってインフラの事業化支援を進め、民間事業と円借款が連携して実施する案件を発掘・形成する必要があるのではないかと考えます。
2つ目の論点、ページをめくっていただきまして、JICAが行う海外投融資、これは政府以外の民間企業等が実施する事業に対するJICAが行う出融資でございますが、平成13年から凍結されておりましたけれども、本年10月のパッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合において、本格再開が決定されました。そこで、十分なリスク審査・管理体制が構築されているかというのが論点でございます。
論点に対する考え方ですが、先ほど申し上げましたように、途上国のインフラ整備における民間の活用の流れがある中で、海外投資の意義は認められると考えられますけれども、10年以上ぶりとなる本格再開にあたっては、十分なリスク審査・管理体制を構築することが必要と考えます。また、再開後は既存の金融機関では対応できない、開発効果の高い案件を実施し、また、インフラ海外展開の促進にも貢献しているか精査する必要があるのではないかと考えます。
私からは以上でございます。
〔 富田分科会長 〕それでは、国際協力機構より、ご説明お願いいたします。
〔 国際協力機構山田企画部長 〕国際協力機構でございます。私は企画部長をやっております山田でございます。私のほうからは、資料2−2に基づきまして説明をさせていただきます。
まず、ページをおめくりいただきまして、1ページ目でございます。ここはJICAの概要ということで記してございまして、一番上段にありますように、私どもJICAは4年前の平成20年10月に旧JICA、それから旧JBICのODA部門が統合して発足をいたしました。JICAと財政投融資との関係は、中ほどの黄色い囲みの中に記してございます。JICA有償資金協力部門では、低利で返済期間の長い緩やかな条件、それから途上国に対して開発資金を貸し付ける円借款。これは要するにソブリンに対して貸し付けるローンということです。
それから、
ですけれども、民間のセクターを通じた開発途上国の開発促進のため、途上国において民間企業が実施する開発事業に出資、融資をするということで、コーポレートに対するローンということで、2つを行っておりまして、それの原資ということで財政融資資金を使わせていただいているということでございます。具体的には、右下にJICAの支援メニューが記してございますけれども、技術協力、有償資金協力、無償資金協力を現在行っております。中ほどの有償資金協力の中の円借款と海外投融資を行っているということでございます。このうち海外投融資は、先ほどご説明ありましたように、先月、本格再開になったばかりでございまして、実績も少のうございますので、円借款を中心にして説明をさせていただきます。
次のページでございます。2ページ目、昨年度の円借款、9,490億円、これを承諾してございます。これを分野別に見ましたのが左の円グラフでございます。運輸、それから電力、ガス、こういったところが中心になっておりまして、主にインフラ整備ということでご理解をいただければと考えております。
それから、右側が地域別に見たものでございますけれども、東南アジア、南アジア、こうしたアジアが全体の8割を占めているということでございます。供与条件はその下にございまして、金利が0.01%から1.7%の間、償還期間が15年から40年、うち据え置きが5年から10年というふうになっております。右上のほうに参りまして、円借款の調達条件ということでございます。世界中、どの企業、どの国籍の企業からも調達していいという、いわゆる一般アンタイドという条件が79.4%でございますが、先ほどご説明のあったタイドです。STEPと我々は呼んでおりますけれども、それが20.6%ということになっております。
その下が受注実績でございますけれども、こうした中で円借款では33.1%が日本企業が受注をしていただいているということでございます。
その下は省略いたしまして、次の3ページ目が主な円借款の承諾案件ということでございます。これは昨年度承諾をいたしました62件を国別に見た図でございまして、右上にありますベトナム、金額的には一番でございまして、11件、2,700億円を供与してございます。2番目が下の段にありますインドでございまして、6件、2,669億円、3番目がフィリピンということで4件、682億円を供与しております。
最近の傾向は左側にありますように、チュニジア、モロッコ、エジプト、カーボヴェルデ、タンザニア、アフリカ開銀、こういったアフリカがTICAD、アフリカ開発に関する東京国際会議の影響もございまして増えているということもございます。
次の4ページ目が国別の承諾実績とSTEPの割合ということでございまして、上のグラフが国別の承諾実績でございます。インド、インドネシア、ベトナム、こういった10カ国の比率を赤い折れ線グラフであらわしておりまして、11年度は77.3%ということでございます。下がSTEPの割合ということで、日本企業タイドの円借款の割合でございます。大体10%ぐらいで推移してきましたが、昨年度は20.6%ということで、今後とも私どもとしてはSTEPの発掘に努めていきたいと考えております。
5ページ目が25年度の概算要求の概要でございます。左側が日本再生戦略でございまして、中ほどに私どもの基本方針がフックして、そこに書いてございます。1番目が途上国における成長のためのインフラ整備、我が国の技術を生かした防災・グリーン、それから、3番目が戦略的・効果的な援助の推進ということで、円借款で8,805億円、海投で235億円ということで、うち4,250億円を財融で、財融借入金として要求をさせていただいております。
次の6ページ目が我が国、日本への国内波及効果ということで、ベトナムのラックフェンの国際港の港を例に説明してございます。これは昨年の11月に左の赤字でございますけれども、円借款210億円を供与いたしました。その結果を産業連関表に入れて需要を測定したところ、我が国国内の需要創出効果が281億円あったということでございまして、国内の雇用創出効果も1,843人の雇用の創出があったということでございます。
あと、中ほどにありますように、港湾整備による事業効果、それから、本邦企業、これは商船三井と日本郵船、伊藤忠、3社が入っておりますけれども、ここの配当収入、こういったものが期待できるということでございます。
次の7ページ目がインドネシアでございまして、ジャカルタの都市開発を効果的にやっていこうということでございまして、2010年12月に閣僚間でMPA構想が調印を行われました。次のところにありますけれども、商社及び事業会社ということで、三菱商事、千代田化工、大成建設、東京メトロ、ここが入りまして、共同体でマスタープランを受注しております。ここの資金を私どもJICAもファイナンスをしていると同時に、左下にありますように、早期事業実施案件リストというのが18件ございまして、2013年までに実施する事業ということでございまして、これは1兆円を超える金額がここに充てられる予定になっておりますけれども、こういったものにつきましても、可能な限り円借款で対応していこうと考えているところでございます。
それから、8ページ目でございます。ミャンマーのティラワの工業団地ということでございまして、右上の図にございますように、ミャンマーのヤンゴンの郊外、これは23キロほど南側にティラワがございまして、そこに右下にありますような工業団地をつくります。ここにおいていろいろと円借款を使っていこうということで左下にありますように、実施中の調査を行っておりまして、工業団地の中のインフラはこういった事業体が行うんですけれども、そこまでの交通インフラ、道路、電力、下水、それから、コンテナターミナル、大規模な水源、こういったところを円借款で行っていきたいと考えております。
それから、9ページ目でございますけれども、パッケージ型インフラの円借款の制度進捗ということでございまして、迅速化のところでございます。一定の成果ありということで、左下の表の中にありますように、9カ月間で達成した割合が増えているので、一定の迅速化の効果があると考えています。
それから、中進国を超える所得水準の途上国への供与につきましても、柔軟な活用を行っていきたいと考えておりまして、政府のほうで紙をまとめていただきまして、今、鋭意、JICAのほうで検討しているところでございます。
それから、右側のSTEPにおきましても、保健、医療分野に拡大をいたしました。それから、中ほど、宇宙分野にも拡大をいたしまして、STEP、先ほど言いましたように、拡大につながっているということでございます。
それから、10ページ目でございますけれども、PPPインフラ事業ということで、これは円借款、海外投融資、こういったものをパッケージで支援をするということで、パブリック・プライベート・パートナーシップということで行っております。2010年度に11件、それから、11年度には16件採択をしておりまして、右側にその具体例がございまして、主にアジアの国において、こういうような事業について取り組んでいるということでございます。
それから、海外投融資でございます。左側のほうに経緯を書いてございますけれども、平成13年、一時廃止ということになりましたけれども、10年経ちまして、再開を図るということになりまして、先月、24年10月に本格再開を発表いただきました。右側のところが官房長官から発表いただいたペーパーになっております。下から3段目ぐらいのところですけれども、海外投融資を本格再開するということで記しております。
それから、12ページ目でございます。海外投融資につきましては、対象分野を3つに限りまして支援をするということでございまして、インフラ・成長加速の分野、それから、MDG・貧困削減、気候変動というところでございます。
それから、融資におきましても、以下の2案件を満たすということで、先導的な案件、これは主に民間の金融機関だけで対応したことがないということ。あと、ホスト国に対してしかるべく通報が行われ、原則回答が得られる。
それから、リコース型の案件については、基本的には日本の本邦企業、それから本邦銀行とは協調融資をしないということでございます。
それから、3番目、3.出資のところですけれども、これも同じくホスト国に対して通報、それから回答が得られること。それから、既往の金融機関では対応できないものについて対応したいと思っております。
それから、13ページ目、最後のページでございますけれども、実施体制、ここを整えていくということでございまして、JICAの内部でも相互牽制体制ということで、一次チェックを行う事業担当部門、それから、二次の審査を行う審査部門、債権の保全を行う債権部門ということで、3つの部門を独立して牽制体制が働くようにしております。
外部の知見の活用ということで、法務、財務のコンサルタントを外部に雇いまして、それとともに、外部の9名の有識者からなる海外投融資委員会を設けております。
それから、3省、外務省、財務省、経産省に対してご報告をしてアドバイスを得ることになっております。
それから、個別のリスク管理におきましても、ストレステスト、リスク分散、分析の手法の導入をいたします。
それから、右側ですけれども、管理勘定を設けまして、これはバーチャルな意味で有償勘定の中に海投の勘定をバーチャルに設けまして、ここが損をしないように、定期的に公表しながらやっていきたいと考えております。
あと、環境社会配慮につきましても、円借款と同じような形で環境社会配慮を行っておりますし、それから事前評価、事後評価もしっかりやっていきたいということで、こういったことで海外投融資をやっていきたいということでございます。
私の説明は以上でございます。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。ただいまの説明に対しましてご意見、ご質問等ございましたら、どうぞ。吉野委員、どうぞ。
〔 吉野臨時委員 〕ご説明ありがとうございました。2点、ご質問させていただきます。JICAはグラントとローンと両方の手段をお持ちだと思いますけれども、普通、グラントの場合はなかなかローンに乗らないところでそういうものをやり、それから、ローンに乗るところはなるべく借款でやる。こういうスタンスでやられているのか。それとも、最初から、ここは借款に合いそうだ、ここはグラントに合いそうだというデマケーションみたいなものがあってやられているのか。それについてまず第1点です。
2点目は、10ページのPPPについて、どういう構成員か。これは日本の特色ですけれども、大体ここに入ってこられるのは商社か、建設関係の会社です。アメリカのPPPで、面白い話を聞いたのですが、水道事業にコカ・コーラとか、P&Gというところが資金を出しているんです。これは水がきれいになるとコカ・コーラを飲みたくなる。それでコカ・コーラ社が資金を出すわけです。P&Gというのは石けんなどを売る会社ですけれども、水がきれいになるとみんな体を洗いたくなる。ですから、そういういろいろなそれに関連するところからお金を集めてPPPをやっているわけですけれども、日本の場合はどうしても直接の関連しかないので、こういうPPPの構成のときに、JICAの方がそういう方々に働きかけてやっていらっしゃるのか、それともただ待っていて、誰か来ませんかというやり方なのか、その点をお聞きしたいと思います。
〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。
どうぞ、松田委員。
〔 松田専門委員 〕ありがとうございました。日本がここまで成熟国家になって、これから追いかけてくる国々が非常に多く、タイム差で彼らに対する貢献度が大であると思ってお聞きしました。
2点ばかりですが、1点は吉野委員とも若干関連いたしますが、国内でこういうことをしたい、あるいは要望があってJICAが打ち上げたときに、当然国内で協力したいという会社がいろいろ出てくると思いますが、その選別方法、最適なチームを組むといいますか、その選別方法のプロセスがどのようにでき上がっているのかということをお聞きしたいと思います。逆に最適なチームが日本に幾つもあるとすると、国内競合の調整というものが相当大変ではないかというようにも思っております。
それから、これは非常に長期のソブリン支援という格好になります。当然のこととして、日本の長期的な技術サポートというのが必要だというときに、日本の人口構造との関係と、特に技術、現場、人材が10年、20年、30年単位でずっと確保できるような方向も、これは責任上やっていかなければいけないと思います。そういう意味で、人材教育の面も含めてどういうご配慮がされているのか。
この2点でございます。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。
川村委員、どうぞ。
〔 川村委員 〕いろいろご説明ありがとうございます。若干抽象的な質問になりますけれども、例えば5ページで概算要求、円借款8,800億、毎年、いろいろな額を出して、特にアジア中心に大きな貢献をされていると思いますけれども、一方で、事実上、焦げついたというか、リスケになっているとか、近年時々聞くこともありますけれども、その辺のデータ、あるいはそれに対する考え方。そして、私は、財政投融資が持っているリスク負担というものは、ある意味でよりポリティカルに超えていかなければならない非常にディプロマティックな部分もあって、その意義は大きいと思うわけですけれども、JICAだけで手に余るリスクをとらなければならないことは多々あって、ただ、ソブリンである日本として、ほかのソブリンのリスクをとるべきであるという政策的判断をする場合もある。そういう狭間で揺れることがあるのではないかと。抽象的な質問で恐縮ですが、そういう場合のソリューションはどうされているのか。これはむしろ大臣とか、副大臣にお聞きしたほうがいいのかもしれませんが、その2つについて教えていただければと思います。
〔 富田分科会長 〕木村委員、どうぞ。
〔 木村臨時委員 〕ご説明ありがとうございました。7ページと9ページについて伺いたいと思います。
私もこの間、インドネシアに参ったばかりでして、JICAが交通インフラのこのようなことをしようとしておられるということをお聞きして、非常に重要な事業だなと思いましたし、現地においてJICAの信用度というのも非常に高く、これまでのお仕事の上に立っているものだと思いました。
その上で、私も、1点は、これまでの仕事で、先ほど川村委員がおっしゃいましたが、事実上、焦げつきというものがどれぐらいあるか、それから、フィリピンの大きな交通インフラのことを考えましても、どのように民間金融機関とチームを組むのか。例えばインドネシア政府はできるだけ民間の資金を入れてやりたいという方向でやるということも当地で伺いましたので、JICAとしては、どのように民間金融機関と協調されるのかというのが第2点です。
それから、第3点は、保険とか医療分野に、9ページで書いておられますけれども、向こうは医療保険をしようにも戸籍制度がない。そのような本当に社会的なインフラのようなことにも、JICAは今後、支援をしていかれるおつもりかどうか。4番目は、もうこれまでここの分科会でも何遍も出ましたけれども、支援すると同時に、それが日本国民からのものであるというプレゼンテーションというか、それは引き続き強調して行っていただきたい。前にも申し上げたけれども、東南アジアに行っても、日本がつくったということを知らない国民が非常に多いということです。
以上です。
〔 富田分科会長 〕では、冨山委員、そして、原田委員と。
〔 冨山専門委員 〕手短に、10ページ目ですが、今のパッケージ型のところで、先ほど吉野委員が言われたこととちょっとかぶりますけど、これはパッケージ型インフラ海外展開、基本的にはその後の運営もやっていく前提のモデルだと思います。私はこの中の1つの会社の監査役もやっているものですから、中身はわかっている感じでおりますけど、要はこれ、事業主体として究極的にあるべき姿というのは、お金は、吉野委員が言われたように、いろいろな人が出すという部分と、それから最終的なプリンシパルリスクをとるプレーヤーのありようとしては、むしろどちらかというと、一事業体で相当バランスシートも背負って、長期的な事業リスクを担っていくという、ある種、極めてプロフェッショナルな企業体をつくっていかなければいけない世界なのかなと。
ですから、日本の歴史で言うと、ちょっと語弊があるかもしれないけど、昔の旧満鉄みたいなモデルなんだと思うんですね。あの組織のように、あらゆる機能を、要は技術的にもマネジメントを持っている企業体になっていかなければいけない。多分、日本高速道路インターナショナル会社もそれを目指しているのだと思いますが、実態は、現状こういう交通インフラ系の会社はみんなもともとは超ドメスティックな会社ですから、それを補う意味で商社などと組むのでしょうが、入口ではその形でいいと思いますけれども、長期的には多分違う方向なのでしょうねと。
そのときに、要はJICAとしてそこにどういう、むしろそれを促していくほうが私はいいと思っておりますが、どういうかかわり方をしていかれるのかで、それを私はエンカレッジしてほしいなと思っているのが大きいのと、あと、これは、最後は人材の問題に全ての問題は収斂するところがあって、そうすると、そういう例えば普通の高速道路会社で普通に働いていても、こういう分野のプロフェッショナルにはならないんですね。むしろ常時的にこういうオーバーシーズの特に開発途上国関連で仕事をされている人の集積はおそらくJICAが一番高いので、そういった中で特に人材面、一部でファイナンスとか、リーガルを外部の人を使うという議論もありましたが、むしろマネジメントの部分でこういった分野の本当のプロをどうやってつくっていくのかという部分があろうかと思います。多分それはJICA自身の課題かもしれませんけれども、その辺、どのように考えておられるのかということが2つ目。
それから、今度の海外投融資の関連で、ちょっと位相は変わりますけど、対象分野が3つあって、1つ目は、いわゆる投融資型の話としてピンとくるのですが、2つ目、3つ目の話というのは、今はやりの言葉で言うと、いわゆる社会的起業家に近い、ソーシャル・アントルプレナーな話ですが、ただ、この世界というのは、日本でやっている場合もそうですけど、ビジネスとしては甘くない世界なので、そう簡単にビジネスにならない。これをどういうふうにビジネスモデルをしっかり確立して、そこに投融資していくのかというところが大変なのかなと勝手に思っているのですが、その辺のご見解を教えてください。
〔 富田分科会長 〕どうぞ。
〔 原田専門委員 〕今、冨山委員がおっしゃった3点目に関係することですけれども、論点2の先月から開始されたという海外投融資ですが、これが平成13年に廃止されたいきさつ、特殊法人の合理化計画というのが書いていますが、それ以外に、具体的にどういういきさつがあって廃止になったのかというところを少しお伺いしたいと思います。
そして、今までの過去の失敗例なども検討して、今後に活かすということが書いてありますが、具体的にどういう失敗例があったのかということも、もう既に調べられていらっしゃるはずなので、示していただければと思いました。
そして、来年度の予算で235億円を要求されていますが、これは既に具体的案件の見通しが立っているのかどうかということなどもお伺いできればと思います。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。6人の方からご意見、ご質問ございましたけれども、簡潔に、重要な点を逃さず、難しい注文ですけれども、よろしくお願いいたします。
〔 国際協力機構山田企画部長 〕ありがとうございます。私で全部答え切れないところもありますので、政府の方にもお願いをしながらと思いますが、まず、吉野委員からございましたグラントとローンのデマケのところですけれども、基本的にはローンでできるところはローンで我々も考えております。グラントとローン、いずれにつきましても、政府がお決めになることですので、私どもはそういう考えに基づいて、政府のほうにご相談を差し上げているということです。
それから、吉野委員、松田委員、あと、冨山委員からもございましたけれども、PPP、もしくは海外投融資の構成メンバーとか、人材育成、そこをどうするかという問題でございますけれども、まず、働きかけを私どもでも行っておりまして、単に待って、お願いしますということではございません。例えば経団連とか、日本貿易会、同友会、そういったところと定期的に協議をしておりますし、それから、メンバーの企業に対して説明会も定期的に行っておりまして、こういう制度を活用していただくようにお願いをしているところでございます。
それから、ちょっと変わったところでは、日本の地方自治体、例えば水なんかは、日本の地方自治体がそういうノウハウを持っていますので、例えば横浜とか、北九州、ここには出ていませんけれども、PPP−F/Sの構成員として出ていただいた例もございますので、そういったところにも声をかけながらやっているということでございます。
それから、最適なところというのは非常に我々も課題だと思っておりまして、例えば欧米でありますと、非常にノウハウを持ったスエズとか、ヴェオリアとか、水については総合的なことをやって世界中のマーケットで経験をしておりますけれども、日本には残念ながら、そういったところがないということで、そこは私どもも途上だと思っております。そういった意味で、こういうPPPインフラのためのフィージビリティ調査を補助しているわけです。
それから、私ども技術協力もやっておりますので、技術協力においてそういった人材育成もしっかりやるべく、今はそういうノウハウ、日本のノウハウ、それから世界的なノウハウを途上国、それから、ひいては日本の企業にも学んでいただくような、そういう研修制度を今、技術協力のほうでも行っているところでございます。
あと、木村委員からございました社会的な支援、それから、日本の顔の見える援助、それから、冨山委員からもございましたけれども、貧困とか、気候変動へのところが本当にビジネスになるかというようなところでございますけれども、例えば貧困においては、パイロットステージで私どもはパキスタンのマイクロファイナンス事業に対して出資をしております。これは世銀グループのIFCとイスラム系のNGOであるアガ・カーンと一緒に出資をいたしましてマイクロファイナンスをやっております。ここは非常に成績がよくて、パキスタンの女性とか農民に対してお金を貸すんですけれども、バングラデシュのグラミンバンクみたいな形で、しっかり農民を組織してやるという技術協力も一緒にやっておりますので、返済のところが非常に今のところはいいということで、こういったところはビジネスになるのではないかなと。
それから、あと、BOPビジネスということで、PPP以外にも、BOP、ベース・オブ・ピラミッドということで貧困層を対象にしたビジネスモデルの調査を行っておりまして、そういったところから、例えば携帯電話の普及とか、教育なんかもそうなんですけれども、意外にビジネスになる。例えば公文とか、そういうところが貧困層に対する教育とか、例えば化粧品メーカーが化粧品を安い価格で売るとともに、健康の増進にもつながるとか、そういうBOPのビジネスモデルがかなりできておりますので、そこはできるのではないかなと思っております。
それから、原田委員から海外投融資が廃止されたいきさつとか、失敗例ということですけれども、ここは公式文書で平成13年のものを調べたんですけれども、残っておりません。ただ、私、当時担当で、廃止のところの議論にも担当課長としてつき合った経緯から申しますと、当時実績があまりなかったということでございまして、年間数件というような非常に低調な実績だったということです。ただ、この10年の間に、欧米の実施機関がこういう民間企業を通じた社会開発をやっておりますので、この10年でがらっと変わったと考えております。
それから、235億円についても既に何案件か候補案件がございまして、この235というのは、裏づけ、個別案件の裏づけを持った数字でございます。
私のほうからは以上でございます。
〔 国際協力機構中村資金・管理部長 〕資金・管理部長の中村でございます。川村委員と木村委員から、焦げつきがどうかというご質問がございました。私どもは半期ごとに決算を打っておりまして、その中で銀行法、それから金融再生法基準、それぞれで資産を査定した結果、リスク管理債権がどれぐらいになるのかというものを公表しております。今からお伝えするのは公表の数字でございますが、23年度末銀行法ベースでは8.31%、金融再生法基準ですと8.27%、それぞれ資産が11兆というものに対して今のような数字になっておると。時系列で見ますと、これは21年度が銀行法でいきますと5.68、22年度が5.59、23年度が8.31ということで、実は23年度は上がっております。個別にどの国かというのをちょっと公表しておりませんけれども、一応私ども対外的な説明においては、いわゆるアラブの春ということで、マグレブ、中東でいろいろな事件が起こり、マクロの信用状況等々に変化があったといったものをきちんと反映させておりますと、こういうお答えをさせていただいております。
以上でございます。
〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。
それでは、このあたりで質疑を終了したいと思います。国際協力機構関係者の皆様にはご退席をいただきます。ありがとうございました。
((独)国際協力機構関係者退席)
((独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構関係者着席)
〔 富田分科会長 〕それでは、石油天然ガス・金属鉱物資源機構について、説明をお願いいたします。
〔 松浦計画官 〕資料の3−1、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、いわゆるJOGMECでございます。1ページ目をめくっていただきまして、要求の計数関係でございます。事業規模、25年度は対前年度576億円の増で1,842億円と大幅増になっています。その下、ご覧いただきますと、JOGMECは多様な業務をやっておりますけれども、それぞれ増加しております。その財源として、財政投融資、特に産業投資のところ、JOGMECはほとんど産業投資でございますが、491億円増の1,418億円の要求となっております。
ページをめくっていただきまして、論点でございます。今申し上げましたように、資源の安定供給の確保のため大幅な増要求となっていますが、我が国エネルギー政策、現在、盛んに議論されておりますけれども、今後の在り方を踏まえた要求となっているかというのが論点だと考えております。
論点に対する考え方、新興国の成長による資源需要の増加、資源ナショナリズムの台頭等によって、資源確保競争が現在、激化していると認識しておりますけれども、化石燃料及び鉱物資源の安定的かつ安価な調達が我が国にとって重要な課題だと思われます。
他方、エネルギー政策については、原発事故がございまして、本年9月、革新的エネルギー・環境戦略がエネルギー・環境会議において決定されたことがございます。
こうした議論も踏まえて、JOGMECの具体的案件の積み上げを精査し、今後の我が国のエネルギー政策の方向性に沿った適切な産投規模とすることが必要だと考えています。また、近年、JOGMECそれぞれ事業規模が増加しておりますけれども、本年の法改正によって新たに石炭と地熱部門が新設されたところでございます。こういった業務の多様化を踏まえて部門横断的な審査・管理体制を整備・強化していくことが必要だと考えます。
私からは以上でございます。
〔 富田分科会長 〕それでは、資源エネルギー庁より説明をお願いいたします。
〔 資源エネルギー庁資源・燃料部濱野政策課長 〕資源・燃料部政策課長をしております濱野と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
本日は、資料3−2とございますけれども、参考資料に基づきましてご説明をさせていただきます。駆け足で恐縮でございますが、ポイントをご説明させていただきます。
まず1ページでございますけれども、初めに、東日本大震災後の電力供給と化石燃料の調達の現状につきまして、ポイントをご説明させていただきます。大震災後の原発停止に伴います原油、LNGの調達増、価格高騰によりまして、調達コストが急増しております。2011年には31年ぶりに貿易赤字に転落をしておりまして、こうした中で量の確保だけではなくて、調達コストの低下が急務となっております。
それから、2ページをお開きいただきまして、こうした中で化石エネルギーの安定供給確保の日本再生戦略における位置づけについて簡単に触れさせていただきます。東日本大震災を受けまして、本年7月に日本再生戦略が閣議決定されておりますけれども、この再生戦略におきましては、グリーンというのを4つのプロジェクトの1つとして位置づけておりまして、この中でグリーン成長を支える強靱な資源・エネルギー基盤整備の重要性ということが明記をされております。
それから、3ページをお開きいただきまして、恐縮でございます。東日本大震災、それから、原発事故を踏まえたエネルギー政策の見直しの取組の中におきまして、9月に革新的エネルギー・環境戦略がエネルギー・環境会議で取りまとめられているところでございますが、この戦略におきましても、安定的かつ安価な化石燃料等の確保・供給ということが重要な課題の1つとして位置づけられております。
それから、時間の都合で恐縮でございますが、4、5、6ページ目は、ご説明を割愛をさせていただきます。参考までに掲載をさせていただいております。
それから、7ページ目をお開きいただきまして、JOGMEC法の改正に伴う組織体制を記載させていただいております。左側のオレンジ色の枠でございますけれども、本年4月1日から業務拡大に伴います内部統制の強化の一環といたしまして、管理課、金融資産課、戦略企画室、この3課室を新設させていただいているところでございます。
引き続きまして、8ページ以降でございますけれども、天然ガス、石炭、地熱、鉱物資源の確保に向けました取組について、具体的な事例等のご説明をさせていただきます。まず、天然ガス、LNG確保戦略についてでございますけれども、先ほど東日本大震災を踏まえまして化石燃料の調達コストが急増しているということを申し上げたところでございますが、こうした中でLNGの量の確保、それから輸入価格の引き下げ、この双方が今後のエネルギー政策の要となっております。現下の状況を踏まえまして、本年6月に資源確保戦略が策定されておりますけれども、この中において具体的な取組が明記をされております。
1点目は、安価な北米の天然ガスの確保ということで、輸出承認を働きかけるとともに、日本企業の参入を促進するということでございます。これはシェールガスの生産拡大を受けまして、北米において多くのLNG輸出プロジェクトが検討されております。こうした中、日本企業は北米からの安価なLNGを輸入するということを模索しておりますけれども、輸出にあたりましては米国からの輸出許可が必要であるということで、それを働きかけるということで、閣僚、首脳レベルで一生懸命働きかけをさせていただいているところでございます。
2点目でございますが、これは北米に限りませんで、世界で日本企業が主導するようなプロジェクトを積み上げまして、メジャー・産ガス国企業による寡占状態に風穴をあけるということは非常に大事だと思っております。その例でございますが、INPEXのオーストラリア・イクシスLNGプロジェクトというのがございまして、こちらは2016年末までに生産開始を予定しておりますけれども、日本のLNG需要の1割弱、年間600万トン、これを供給する予定となっております。
3点目でございますが、LNGの輸入価格の低下を受けまして、LNG輸入国間の連携に一生懸命取り組ませていただいております。例えば日韓ガス対話、それから本年9月には日本主催で世界規模のLNGの産・消国会議を開いております。
それから、駆け足で恐縮でございます。9ページをお開きいただきまして、天然ガスのカナダシェールガスプロジェクトについてご紹介をさせていただきます。これはカナダのブリティッシュコロンビア州にございまして、この鉱区の40%の権益を本年8月、取得しております。この40%分で年間340万トンということで、日本の年間LNG輸入量の4%に相当する規模のものでございます。これにつきましては、JOGMECが資産買収出資対象事業としまして、本年11月出資予定としております。
さらに、10ページでございますが、石炭のバイヤウェンプロジェクト、これはオーストラリアでございますけれども、ご紹介をさせていただきます。この炭鉱権益を2009年に20%取得することで合意をしておりまして、この炭鉱におきましては、鉄の原料炭として非常に重要な強粘結炭を年間1,000万トン生産をしまして、その20%分ということで、200万トン確保予定でございます。これは、我が国の鉄鋼会社が必要とする強粘結炭の約7%に相当する規模でございまして、24年度、25年度に産投を活用させていただき出資をしたいと考えておる案件でございます。
それから、11ページにつきましては、ご説明のほうは割愛させていただきますけれども、石炭の安定供給確保に関係する状況といたしまして、鉄鋼業をめぐる厳しい競争環境について整理をさせていただいております。
また、12ページでございますけれども、地熱発電の拡大に向けた取組につきまして記載をさせていただいております。この地熱発電は、我が国は米国、インドネシアに次ぎまして世界第3位のポテンシャルを有しております。発電量に安定性がありますことから、東日本大震災を踏まえまして、長期補?電源として、さらなる導入促進が期待されております。本年6月、エネルギー・環境に関する選択肢というものが公表されておりますけれども、いずれの選択肢をとる場合においても、現在の導入量からはるかに大きな導入量を実現していくことが必要となります。このため、自然公園内における開発制限の緩和でございますとか、環境アセスメント期間の短縮に向けた検討など、規制改革、制度改革に向けた取組も、あわせて説明させていただいているところでございます。
それから、13ページでございますが、こちらのほうもご説明は割愛をさせていただきますけれども、レアメタル等の鉱物資源の金融支援プロジェクトについて、一段、整理をさせていただいております。
それから、14ページでございますが、鉱物資源の安定供給確保に向けたプロジェクトといたしまして、チリでシエラゴルダ銅・モリブデン開発プロジェクトというのを進めさせていただいております。こちらも日本企業が45%の権益を有します大型のプロジェクトでございまして、2014年中の操業開始を目指しております。ここで生産されます銅精鉱につきましては、その50%が日本企業傘下の銅精錬所に供給される予定でございまして、これは日本の銅精鉱の約10%に相当いたしまして、非常に大きな貢献が期待されるところでございます。また、同時に生産されますモリブデンにつきましても、45%の引取権を取得することになっておりまして、これも日本のモリブデン需要量の約18%に相当する規模となってございます。これにつきましては、JOGMECが本年8月、債務保証契約を締結させていただいているところでございます。
さらに15ページでございますけれども、駆け足で申し訳ございません。JOGMECのプロジェクト・資産管理について整理をさせていただいてございます。JOGMECにおきましては、資源開発の技術、それから経済性等の専門的知見を有してございますけれども、本年4月から、先ほど申し上げました総務部に金融資産課を設置をいたしまして、組織横断的にリスク管理を実施しているところでございます。新規案件の選定、それから、案件策定後のプロジェクト管理、リスク管理、こうしたものに一生懸命取り組むということでやらせていただいております。
最後のページでございますけれども、JOGMECにつきましても、下の欄にございますような所要の要求をさせていただいているところでございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問等ございましたら、どなたでもお願いいたします。
どうぞ、吉野委員。
〔 吉野臨時委員 〕1つ質問がありますけれども、例えば8ページのLNGの確保。これは重要なことだと思いますけれども、私の記憶では、オーストラリアのこういう案件なんかはJBICと一緒にやられているような案件ではないかと思いますけれども、ある案件はほかの組織と一緒にやり、あるところはJOGMECが独立でやったり、さまざまな形で、違うような感じがいたしますが、どういう場合にどことどういうふうに組むというのがあるのでしょうか。
〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。
どうぞ、翁委員。
〔 翁委員 〕LNGのところでお伺いしたいのですけれども、最近シェールガスの開発が進んでいますが、長期的にLNGの価格がどのようになっていくと見ておられるのかということと、アメリカなどでのシェールガスの開発に伴って、例えば日本企業が主導でやっているオーストラリアのLNGプロジェクトなどに何らかの影響が出る可能性はないのか。そういった新しいエネルギー開発に関する動きをどうご覧になっているかということをお伺いしたいと思います。
〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。
どうぞ、川村委員。
〔 川村委員 〕ありがとうございます。1つ、一番難しいと思うのは、先ほどの資料3−1でも書いてある我が国エネルギー政策の今後の在り方を踏まえた要求となっているかということですけれども、我が国のエネルギー政策の今後の在り方というのが定まっているのかという一番根っこの問題があって、大変JOGMECも翻弄されているのではないかと思っております。私も、一国民としても、私見は別として、これは大丈夫なのかというのが正直あるわけです。ただ、そういう中でご説明を伺ってみると、とにかくエネルギーのコストを下げる。多分有効なエネルギーのコストを下げていくということが一番の眼目なのだろうなと。ただ、他方で、旧石油公団以上にいろいろな分野もあるので、レアメタルの開発もしなければならないとか、いわば一気に背負ってしまっている感じがあると思いますけれども、その中であえて政策が事業活動の優先順位をつけられるとしたら、やはりエネルギーコストの削減にいわば全力というか、9割方の力を注いでいると、そういう理解でよろしいでしょうか。
というのは、資料の16ページにある25年度の予算要求を見て、素人でありますが、例えば地熱発電や石炭の炭鉱については、金額が非常に少額なものとなっているという気がいたします。ただ、全体の予算は限られているわけで、どうしても優先的なアロケーションをしなければいけない。そういう中で先ほど私が申し上げたようなとりあえずの理解でいいのか。そういう質問です。
〔 富田分科会長 〕それでは、以上、お三方からの質問につきまして、お答えいただきます。
〔 資源エネルギー庁資源・燃料部安永鉱物資源課長 〕鉱物資源、金属鉱物資源を担当しております鉱物資源課長の安永でございます。
最初のご質問、JBICとの関係についてご説明申し上げます。まず、これは金属、石油、天然ガス共通でございますが、JBICは、探鉱段階には金融支援は行いません。探鉱段階というのはいわゆる探査でございますが、その資源量がどのくらいあるかというのを具体的に確定するためのボーリング調査などの活動でございます。JOGMECは、石油も、金属鉱物資源についても、おそらく世界のトップクラスのメジャーと競争できるぐらいの知見を集積した地質エンジニアがたくさんおります。こうした地質の専門家が評価をいたしますので、資源量がどれくらいあるかわからない、それを確定するための探鉱段階への出融資、こういった金融支援についてはJOGMECのみが行うことになっております。
一方で、資源量が確定をいたしまして、これくらいのお金を投入すれば生産に持っていけるという開発段階がございます。開発段階はJOGMECもJBICも支援をすることができることになっております。例えば13ページをご覧いただきますと、これは金属分野の金融支援プロジェクトでございますけれども、オレンジの部分、債務保証というのがございます。債務保証というのは開発段階でございます。開発段階では、企業は自らの自己資金を投入する。それから、市中の銀行から借りる。それから、JBICから借りる。こういったいろいろなファイナンス手段を持っておりますが、市中の銀行から借りる部分のバックアップとして債務保証をするのがJOGMECの機能でございます。ですから、その横でJBICさんも融資をしておられるというケースは幾つもございます。
そういったことで、一言で申しますと、資源としてはリスクの高い探鉱段階はJOGMECのみの金融支援となっております。
以上でございます。
〔 資源エネルギー庁資源・燃料部濱野政策課長 〕燃料価格の今後の推移の見通しでございますけれども、IEAの試算におきましては、LNG、石炭、原油、燃料価格につきましては、新興国を中心とする消費の需要等に伴いまして、今後堅調に続いていくというような見通しでございます。例えば現状、LNGでございますと、MBtu当たり11ドルでございますけれども、例えばこれが2020年には13ドル、2030年には14ドルになるような見通しをIEAは立ててございます。
〔 富田分科会長 〕すみません。今のIEAの見通しはいつ段階のものですか。
〔 資源エネルギー庁資源・燃料部濱野政策課長 〕2011年9月に公表されているものでございます。
〔 富田分科会長 〕つい最近、IEAは、アメリカでシェールガスはものすごく開発されるので、世界一の供給国だということを言っております。翁委員は多分、その影響をご懸念というか、非常に大きなリスクを伴う問題なので、ご指摘だと思うのですけど、その点いかがでしょうか。
〔 石油天然ガス・金属鉱物資源機構秋庭総括部長 〕JOGMECの総務部長の秋庭でございます。よろしくお願いいたします。
ご指摘のとおり、シェールガスの大開発によりまして、天然ガスの価格は現時点においては非常に下がっているというふうな状況にございます。ただ、現時点では、アメリカでのガスは輸出がまだできないという状態にございまして、それが直接今、日本に入ってくるという状況にはまだないわけでございます。さらに申し上げると、長期的な見通しの中で、ガスが今、大体MBtuという単位当たり3ドルぐらいと言われていますけれども、もうちょっと上がるのではないかというふうな見通しもあるようでございます。
私どもは、採択をする審査の際においては、これは別にシェールガス案件に限らないんですが、感応度分析というのをしておりまして、ある種の価格なり、資源量なり、いろいろな条件が悪くなった場合に、プロジェクトはどのぐらい行けるかという分析を加えて、ある程度のストレスをかけてもこのプロジェクトは行けるというものについて採択をさせているということでございますので、世界的に天然ガスの価格が変動すれば、若干のその影響というのはある可能性はございますけれども、ただ、LNGというのはご承知のとおり、比較的長期の契約で動いているものですから、そういった何年間という長期の契約で供給を約束しているものが非常に多うございますので、そういった影響が途端に出てきて、今現在のオーストラリアの案件とかが立ち行かなくなるといったようなことは、現時点ではあまり心配ないかなというのが私どもの現在の見方でございます。
〔 富田分科会長 〕それと川村委員お尋ねの件。
〔 資源エネルギー庁資源・燃料部濱野政策課長 〕エネルギー政策につきましては、まさにご指摘がございましたように、総合資源エネルギー調査会において、今、議論が進められているところでございまして、本日も夜7時から総合エネ調が開かれるとなっております。そうした中で、資源・燃料でございますけれども、新興国のエネルギー事情が増加をする、あるいは国際的な資源獲得競争が激化をしている。また、先ほど申し上げましたような調達コストが急増しているといった世の中で、化石燃料の安定的かつ安価な調達が重要であるということは、これまでの基本問題委員会のご議論を拝聴しておりましても、大体そういうようなご指摘がなされていると承知をしております。もちろん優先順位につきましては、無駄な投資をしてはいけないということはもちろんでございますので、しっかりJOGMECとも相談をしながら、きっちり優先順位をつけて対応していきたいと考えております。
〔 富田分科会長 〕どうぞ、冨山委員。
〔 冨山専門委員 〕ご説明ありがとうございました。1点、燃料価格の関連で、エネルギーに関しては、基本的には需要がずっと追いかけていくという状況がかなり長い間続いてきているので、需要サイドから価格を決定するという環境が多分すごく長かったと思うのですが、これも釈迦に説法ですけど、こういうコモディティなので、供給過剰ぎみになると当然、今度は供給側のコストが物事を決めることになると思いますが、そのときに、こればかりは誰も予測ができないので、わからないということを前提に申し上げていますが、新興国の今後の状況も経済的にはいろいろな不確定要因は当然ありますし、ご存じのように、中国も10年後には猛烈な少子高齢化にぶつかる。日本が経験したことと同じ状況に直面していきますので、これは多分いろいろなシナリオをさっきおっしゃったように、センシティブな内容で考えておられると思うのですが、これも釈迦に説法とわかっていて申し上げますと、どうしても需要が余ってくると、供給側の要はコストの問題がすごく効いてくると思うので、そうすると、その段階ではどうしても、おそらくシェールの限界探索、要するに限界の供給コストというのは効いてくると思います。そこはもう多分プッシュされているとは思いますけれども、要注意なのかなと。
限界的には、取り出すコストが比較的、割と高いので、だから、ひょっとすると、そこがある種のボトムラインになっている可能性もあるので、そこはぜひ引き続きウォッチしていただきたい。今後、また追加的ないろいろな開発にかかわっていかれると思いますし、私は、それは大賛成ですが、多分そうなるとどんどん先へ、長期になっていきますので、そこは引き続きウォッチしていただいて、いい形の調達をしていただければと思います。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。
どうぞ、原田委員。
〔 原田専門委員 〕1点お伺いさせてください。資料の3−2の1ページの1番上の枠のところに書いてある、囲ってあるところに「量の確保だけでなく、調達コスト低下が急務。」とありますが、ご説明いただいた内容としましては、量の確保に関するお話が多かったかと思いますけれども、調達コストの低下ということについて、もう少し具体的なご説明をいただければと思います。
〔 資源エネルギー庁資源・燃料部濱野政策課長 〕資料の8ページのところにも書いてございますけれども、まず、安価な北米の天然ガスを確保するということが非常に重要だと思っておりまして、まさに日本の今、LNGの調達は原油価格連動方式になってございます。こうした中で、日本企業は北米の天然ガス価格に連動する価格決定方式で、安価に北米からLNGを輸入するということを模索しておりまして、私ども、そうしたものを後押しすべく米国に働きかけ、輸出承認等の働きかけを行っているところでございます。
今、現時点でございますけれども、日本企業が米国から2016年、あるいは2017年以降になりますけれども、年間約1,500万トンのLNGを引き取る権利の確保に目途がついております。これは日本の年間輸入量の約2割に相当するものでございます。価格につきましては、交渉の様子もありますので、何とも今は言えないところがございますけれども、今、アメリカのヘンリー・ハブのLNGは3ドルでございまして、今、日本は17、8ドルで輸入をしております。そのヘンリー・ハブの3ドルにフレート3ドル、それから液化に要する3ドル、これを単純に足しますと9とか10ドルになりますけれども、これは一定の仮定でございますけれども、そういったものにはマージンが乗る形で交渉がなされるんだろうと思いますけれども、いずれにしても北米から安価なLNGを輸入するということで一生懸命取り組まさせていただいているところでございます。
それから、先ほどこの9月に日本主催で世界規模のLNGの産ガス国・消費国対話を開催したとございますけれども、この会議におきましてはカタール等の産ガス国、それから、日韓といった消費国、それから、今後の供給が期待されておりますアメリカ、カナダの政府も参加をいたしまして、また、企業レベルでも、供給企業、ユーザー企業が一堂に会した会議でございます。こうした場におきまして枝野経済産業大臣から、この原油価格の連動方式というのは合理性を失っていると。したがって、新しい価格方式を産・消双方にメリットある形で考えていくことが共通の課題であるというようなことを、メッセージを発信しているところでございます。こういった形をとりまして安価にLNGを供給できるように、引き続き一生懸命粘り強く取り組んでまいりたいと思っております。
〔 富田分科会長 〕ほかにご質問、ご意見いかがでしょうか。
どうぞ、松田委員。
〔 松田専門委員 〕地熱発電は国内で自立できる非常に身近な発電でもあるということですが、ここにも書いてございますように、公園内、国立公園の中にあるのが非常に多くて、これは温泉の問題とか、観光の問題とか、いろいろなことが絡むわけです。ジャーナリズム的には非常に取り上げやすい話なので、どこが何かを強烈に反対しているというように、どちらかの立場に立ちながらいろいろな議論がなされていると思いますが、ここに書いてある程度のことでは、この目標達成というのはなかなか難しいのではないかと現実に思います。そういう意味では、エネ庁として、その地域に対する具体的な働きかけについて、もし今何かやられているのがありましたら、教えていただきたいと思います。
〔 資源エネルギー庁資源・燃料部濱野政策課長 〕地熱資源の開発につきましては、先ほど申し上げましたように、非常にこれから大事なものになると考えてございまして、そういったことを進めるにあたりまして、地元の方々の理解を一層促進しながら、共生を図りながら開発を進めていくというようなことが重要だと思ってございまして、このため、開発予定地域に政府の職員を派遣いたしまして、地元関係の方々にもご説明をしたり、あるいは事業者の方々、地方自治体の方々と連携をして物事を進めようと思っております。こうした取組とあわせて、先ほど申し上げましたような規制改革の取組でございますけれども、地道に1つ1つ積み上げていくことが大事だと思ってございますし、また、例えば産投で要求させていただいているもの以外につきましても、平成25年度の予算要求におきまして、例えばハウス栽培といったような地熱の有効利用を通じて地域振興事業に支援を行う。そういったような取組も進めようと思っておりまして、あらゆることを総動員をして地熱の開発に邁進してまいりたいと思っている状況でございます。
〔 富田分科会長 〕どうぞ、冨山委員。
〔 冨山専門委員 〕せっかく今日は専門家の安永さんもいらっしゃっているので鉱物資源の話を伺いたいのですが、13ページ目のところで、レアメタルの重要性は、エネルギーが重要になったからといって重要でなくなるわけではないので、全くもって産業界にとって非常に重要な問題です。この分野、むしろ過去は頑張ってきた領域で、今後も頑張ってほしいと思っているのですが、ただ、一方で、これは公的資金を使っていることも事実なので、ここに出ている762億円、その中で債務保証、融資、出資とありますが、融資について、成績評価で言うと、焦げつき率という話になるでしょうし、あと、逆に出資は多分IRRみたいな話だと思いますが、その辺、どのような状況なのかというのを教えていただきたいと思います。
〔 資源エネルギー庁資源・燃料部安永鉱物資源課長 〕それでは、ご説明いたします。融資につきましては、ここに書いておりますプロジェクトを中心として今やっておるわけでございます。これまで融資で、いわゆる焦げつきというふうになったものはございません。ただし、探鉱プロジェクトが見つけてみますと思ったほど石がないな、お宝がないなということで撤退するというケースはございます。その中で南米の亜鉛の件、豪州の鉄鉱石の件など、事業を途中でやめて、繰上償還となった案件がございます。いずれにせよ、焦げつきはございません。
それから、出資のIRRでございますが、基本的には、これは個別のプロジェクトごとにきっちりと審査をするわけですが、1つの目安としては、大体金属価格が悲観的な見方をした場合でもIRRとして10%程度は確保できるというようなプロジェクトを採択すると。ですから、引っくり返るようなリスクのあるものを採択するというわけでは必ずしもない。こういう形でやっているところでございます。
〔 冨山専門委員 〕実質的には。
〔 資源エネルギー庁資源・燃料部安永鉱物資源課長 〕これ、例えばこの中に実はないんですけれども、借入れで出資をしたブラジルのニオブの生産プロジェクトがございます。これは世界最大の鉱山にその一部出資をしたものでございます。これにつきましては、実際に配当も入っておりますし、IRRも2桁を超えておるものでございます。こういうペイシェント・リスク・マネーという性質を生かしながらも、きちんとした案件を採択をして節度を保ってやっていく。こういうことだと思います。
〔 冨山専門委員 〕お願いごとになりますが、出資の世界というのはでこぼこがあるのがある意味当たり前というか、ナチュラルな話なので、今後の管理の手法としては、個別案件で云々というのもあるのですが、おそらく平均でこの42億円の、要は利回りを平均であるレベルを確保していくという、その辺のコントロールをぜひとも引き続きお願いしたいのと、時折報告していただけるとありがたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、このあたりで質疑を終了したいと思います。石油天然ガス・金属鉱物資源機構関係者の皆様にはご退席をいただきます。ありがとうございました。
((独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構関係者退席)
〔 富田分科会長 〕それでは、本日の議事はここまでといたします。
最後に、本日の議論を踏まえまして、松浦計画官からお願いいたします。
〔 松浦計画官 〕本日も活発なご議論、ありがとうございました。ご議論を踏まえまして今後の編成作業を精査していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。それでは、当初の予定の時間、12時になりました。本日の議論はここまでといたしたいと思います。本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクをいたしますとともに、後日、財務省ホームページに議事録を掲載する予定としておりますので、ご了承をお願いいたします。
次回は、20日、火曜日、15時から、クールジャパン推進のための機関、地方公共団体、独立行政法人日本学生支援機構について審議を予定しております。
本日はご多忙の中、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。
