現在位置 : トップページ > 財務省について > 審議会・研究会等 > 財政制度等審議会 > 財政制度等審議会財政投融資分科会 > 議事要旨等 > 議事録 > 財政投融資分科会(平成24年9月21日開催)議事録

財政投融資分科会(平成24年9月21日開催)議事録

財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録

平成24年9月21日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第

平成24年9月21日(金)15:00〜16:13
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.理財局長挨拶

  • 3.財政投融資を巡る最近の情勢

  • 4.平成25年度財政投融資計画要求

  • 5.財政融資資金等の実地監査について

  • 6.質疑・応答

  • 7.閉会

配付資料

資料1 財政投融資を巡る最近の情勢
資料2 平成25年度財政投融資計画要求
資料3 財政融資資金等の実地監査について

出席者

分科会長

富田俊基

古澤理財局長

冨永理財局次長

岡本総務課長

谷内財政投融資総括課長

渡辺管理課長

松浦計画官

平井計画官

馬場財政投融資企画官

木勢資金企画室長

委員

江川雅子

翁   百 合

川村雄介

中 里   透

臨時委員

池尾和人

吉野直行

専門委員

冨山和彦

中島厚志

松田修一


15時00分開会

〔 富田分科会長 〕予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。

本日の議題は、財政投融資を巡る最近の情勢、平成25年度財政投融資計画要求及び財政融資資金等の実地監査についてとなっております。

開催に先立ちまして、8月の人事異動で就任されました古澤理財局長からご挨拶と、人事異動の紹介をいただきたいと存じます。

〔 古澤理財局長 〕8月17日付で理財局長を拝命いたしました古澤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

本日は大変お忙しい中、ご参集いただきまして、ありがとうございます。委員の皆様方には、日ごろより財政投融資制度等につきまして大変貴重なご意見を賜っております。この場をおかりしまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。

今、ご紹介いただきましたように、前回の分科会以降、私を含めまして理財局に人事異動がございましたので、私から新任の職員をご紹介させていただきます。皆様方からご覧いただきまして、私の左側におりますのが、理財局次長の冨永でございます。

〔 冨永理財局次長 〕冨永でございます。よろしくお願いいたします。

〔 古澤理財局長 〕次に、総務課長の岡本でございます。

〔 岡本総務課長 〕岡本でございます。よろしくお願いいたします。

〔 古澤理財局長 〕新任の職員は以上でございます。

ご承知のように、財政投融資につきましては、平成13年の財投改革以降、総額が順次減ってきております。ひところの40兆円を超える規模から、平成19年度には14兆円強ということで、3分の1ぐらいになりました。その後、金融危機対応ですとか、あるいは震災対応ということで、ピーク時の半分弱ぐらいまで戻してきてはいますけれども、やはりこの現下の厳しい財政事情に鑑みると、今こそ日本の経済の成長のためにも、この財投を積極的に活用すべきだと思っておりますし、このことは7月末の日本再生戦略におきましても盛り込まれているところでございます。私ども、これから平成25年度財投計画の編成作業を進めてまいりますけれども、こういったことを念頭に作業を進めてまいります。委員の皆様方におかれましては、分科会の開催をお願いする機会が増えると思いますけれども、引き続き、これまで同様、ぜひ、ご忌憚のないご意見を賜りますよう、お願い申し上げる次第でございます。

簡略でございますが、ご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

〔 富田分科会長 〕それでは、本日の議題に移ります。初めに財政投融資を巡る最近の情勢と、平成25年度財政投融資計画要求につきまして、谷内財政投融資総括課長に説明をお願いいたします。

〔 谷内財政投融資総括課長 〕それでは、まずは資料1の財政投融資を巡る最近の情勢につきまして、今年の6月の分科会でそれまでの状況についてご説明いたしましたけれども、それ以降の情勢につきましてご説明申し上げたいと思います。

まず、1ページおめくりいただきますと、先ほど局長から話がありましたように、7月31日に日本再生戦略が閣議決定されております。平成22年6月には新成長戦略が閣議決定されておりますけれども、翌年3月11日の東日本大震災等を踏まえまして、この新成長戦略を再編、強化したものが、この日本再生戦略でございます。ここには予算だけではなく、財投や税制、または規制改革、制度金融等、今のツールをできるだけ活用して日本の再生を図るということが種々書かれているところでございまして、このページにおきましては、財政投融資についての記述を抜き出しております。ご覧になってわかるように、積極的な活用というようなワーディングが幾つかのところに書かれているところでございます。

続きまして2ページでございますけれども、今回成立いたしました税制抜本改革法の附則第18条第2項の中で、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえまして、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討するという条項が盛り込まれたところでございます。

この中の資金という部分につきましては、次の3ページを見ていただきますと、総理並びに安住大臣に質問がありまして、野田総理からは、財政のいわゆる対応力が回復してきたときに、機動的に民間資金や財投資金も含めて対応する、と。安住大臣からは、税財源に限らず財投資金や民間資金の活用なども含めて、といった答弁があったところでございます。

さらに4ページでございますけれども、8月17日に平成25年度予算の概算要求組替え基準が閣議決定されているところでございます。従来、予算の概算要求基準の中には、財政投融資という言葉が書かれていることはめったにございませんが、今回は、日本再生戦略を踏まえた予算配分の重点化の中で、財政投融資の積極的活用や税制改正及び規制改革、制度金融といった施策を総合的に講じることにより、資金の重点配分の実効性を担保するという文言が盛り込まれたところでございまして、当日の安住大臣の閣議での発言におきましても、財政投融資を積極的に活用するとされている日本再生戦略の実行など、真に政策的に必要と考えられる資金需要に的確に対応した要求をしていただきますようお願いいたします、と発言されたところでございます。

続きまして、5ページでございますけれども、ご承知のように、特例公債法案の成立の見込みが立たない状況でございまして、従来どおりの予算執行を続けていきますと、財源が枯渇しかねないことから、枯渇時期を少しでも遅らせるために、9月以降の一般会計予算の執行抑制についてが閣議決定されたところでございます。5ページの1ポツの@につきましては、予算執行抑制の対象外となりますけれども、次の6ページを開いていただきますと、2ポツでは具体的な予算執行抑制方針ということで、政府部内、独法、地方公共団体向け支出等の執行抑制方針が書かれた後、3ポツの中で、支払い予定先の資金繰りへの配慮ということで、政府として、支払い予定先において余裕資金や民間借入れ等の活用が困難な場合の資金繰りや追加借入れに伴う財務への影響等について、必要な配慮を行うということでございます。財投につきましては、財政融資資金をお貸しできる地方公共団体や独立行政法人等からご相談があれば、それに応じたいと考えているところでございますけれども、現段階におきまして、相談があったということはございません。以上が、資料1でございます。

続きまして、資料2でございます。平成25年度の財政投融資計画要求について、ご説明申し上げたいと思います。2枚おめくりいただきまして、1ページ目、平成25年度要求の概要でございます。今年は9月7日が締切りでございまして、それを取りまとめたものが、1ページ目でございます。一番下の合計を見ていただきますと、平成24年度の当初計画17.6兆円強に対しまして、25年度の要求は16.3兆円ということで、1.3兆円ほどマイナスになっておりますけれども、注2にございますように、日本政策金融公庫及び地方公共団体については、今後の調整を経て、震災復興対応分が追加要求される見込みとなっているところでございます。それ以外の機関の主なものを見てまいりますと、1ポツの例えば、企業等金融支援関連の中の、日本政策投資銀行につきましては、貸付規模1兆8,500億円を24年度と同額として、これに対応する財投の要求がなされております。また地方につきましては、注1にございますように、例年と同様に現時点では仮置きの数字となってございます。ただ、地方につきましては、補償金免除繰上償還に係る特例措置が24年度で終了になるわけですけれども、9月7日に公表されました地方債計画の案におきましては、公債費負担対策については、別途検討するものとするとされております。総務省からは、新たな公債費負担対策として補償金免除繰上償還の措置を講じてほしいという要望を受けているところでございまして、今後、具体的な要求があるという見込みでございます。

また、3ポツ海外投融資等支援関連の中の、株式会社国際協力銀行につきましては、財投の要求自体は倍近いものになっておりますけれども、貸付規模につきましては、前年より若干増えた規模となっているところでございます。

4ポツ教育・福祉・医療関連の中の、福祉医療機構につきましては、日本再生戦略にのっとりまして、制度融資を拡充する要望を出してきているという背景もございまして、10.5%といった伸びになっているところでございます。

続きまして、2ページでございます。先ほど申しましたように、震災復興対応分につきましては、日本政策金融公庫並びに地方公共団体の要求がまだ出ておりませんけれども、それ以外のところでは、全体で4,000億円程度の要求となっております。ちなみに、24年度の総額は4.1兆円になっているところでございます。

3ページ目が25年度の産業投資に対する要求でございます。一番下の合計を見ていただきますと、24年度当初計画1,804億円に対しまして、25年度の要求が2,816億円と、1,000億円強の増加要求になっております。増加の主な要因を見てみますと、上から3つ目の石油天然ガス・金属鉱物資源機構が500億円弱程度の増加になっております。この独立行政法人につきましては、今通常国会で法律が成立し新たな業務が追加されたといったことを受けまして、25年度要求が大きく出ているということでございます。さらに、一番下のクール・ジャパン推進のための機関ということで、今年度新たに400億円の要求となっておりますけれども、クール・ジャパンを体現する企業のリスクに対して、リスクマネーを供給するための官民連携ファンドを創設したいという要求でございます。以上のような要因で、全体1,000億円ぐらいの要求増となっているところでございます。

なお、その2つ上の民間資金等活用事業推進機構につきましては、(仮称)となっております。実は通常国会にこの機構を創設するための法案は提出されておりましたが、なかなか審議されずに、結局、継続審議となっておりますので、(仮称)がまだとれない状況になっているところでございます。

続きまして、4ページでございます。これはあくまでも参考でございますけれども、財政投融資計画額の推移ということで、冒頭に局長から話がありましたように、40兆円の段階から、財投計画額は減ってきている状況でございますけれども、現状では10兆円台、先ほど申し上げましたように、25年度要求については16.3兆円となっておりますけれども、今後、震災対応分につきまして、追加要求がある見込みでございます。

最後に5ページの財投機関債発行額ですけれども、平成25年度要求段階におきましては、平成24年度発行予定額の4.3兆円とほぼ同規模の財投機関債発行額要求が出ているところでございます。

6ページ以降は委員ご承知の表でございまして、各機関ごとに要求額を示しているものでございます。

あと、最後に資料ではございませんが、委員のお手元に、財投リポート2012の本体と政策コスト分析ができ上がりましたので、差し支えなければご持参いただければと思っております。

私からの説明は以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。ご意見、ご質問につきましては、後ほどまとめてお願いすることといたしまして、引き続き、財政投融資資金等の実地監査につきまして、渡辺管理課長に説明をお願いいたします。

〔 渡辺管理課長 〕渡辺でございます。よろしくお願いいたします。

それではお手元の資料で右肩に資料3とございます、A4横長の資料をご覧ください。表紙をおめくりいただきまして、まず1ページ、法人等実地監査でございますが、これは資料上段にございますとおり、当分科会におけるご提言を踏まえまして、平成17年度から開始したものでございます。資料中段、枠内にあります3点、これらの実態を実地において確認しております。

それから、2ページでございますけれども、監査の実施状況でございます。23事務年度におきましては、この表のちょうど真ん中の欄にございますとおり、6つの機関に対して監査を順次実施してまいりました。以下、3ページ以降で個別にご説明申し上げます。

3ページをお開きください。まず、食料安定供給特別会計(国営土地改良事業勘定)でございますが、この勘定は以前、国営土地改良事業特別会計としてございましたが、平成20年度に一般会計に統合されました。その時点で工事が完了しなかった事業を引き継いで、経過的に事業を実施、経理しているものでございます。ここに書いてはございませんが、平成23年度末の財投残高は461億円となってございます。監査の結果でございますが、枠内が監査において確認、あるいは把握した事実関係でございまして、ここに記載のとおり、農水省におきましては政策評価を実施しておりますが、ちょうどこの3行目でございますが、一部の地方農政局におきまして、取り組みが不十分な状況を確認いたしました。取り組みが不十分といいますのは、事後評価をやっているんですが、その中で進捗の遅れが指摘された事業がございまして、そこで本来、農政局がしっかりフォローすべきところ、事業の実施主体であります県に対する農政局の働きかけ、要請が十分に行われていなかった。このため、監査を実施した時点におきましても、進捗に遅れが見られたということを確認したものでございます。

そういったことから、この枠の上にございますとおり、事業の適正な執行の観点から所要の改善を求めたというところでございます。

次にその下の社会資本整備事業特別会計(空港整備勘定)でございます。この会計は、国が管理する空港が27ございますが、その整備、管理を実施しております。このうち、羽田空港につきまして財投を活用しまして事業を実施してきたところでございまして、平成23年度末で7,900億円弱の残高になっております。下に大きな括弧がございます。空港運営のあり方に関する検討会報告書の抜粋を記載してございますが、これは国交省が取りまとめた報告書でございまして、国管理の空港につきまして、今後の経営の方向性を述べております。例えば、滑走路、ターミナルビル、それぞれ分離経営されておりますけれども、これを経営一体化して、民間へ運営権を譲渡して運営委託する、それをおおむね10年後の平成32年度までに段階的に改革するといったことが提言されておるわけでございますけれども、この報告書の中で、羽田空港につきましてはこの大きな括弧の記載のとおり、ちょうど下の抜粋のアンダーラインの部分にあるような指摘がなされております。

こうしたことを踏まえまして、上の太字4行でございますが、ちょうど2行目あたりでございますが、まず、この羽田空港の運営の見直しに当たりましては、財融資金の償還確実性が担保されるスキームを構築する、これがまず1点であります。それから、3行目の真ん中でございますけれども、羽田以外の、その他の空港の運営見直しに当たりましても、この勘定は収支管理が全国プール制となっておりまして、個別空港ごとに収支が区分経理されていないことから、空整勘定全体の財務の健全性が維持されるよう求めたところでございます。また、次のページ、4ページになりますが、この枠内にございますとおり、全体の収入から言いますと、少額ではございますが、ここに記載のとおり、着陸料等の延滞がございまして、財務の健全性の観点から、上にありますような所要の改善を求めたところでございます。

続きまして、次は日本政策金融公庫(証券化支援買取業務)でございます。これは証券化を前提にしまして、民間の金融機関から中小企業向けの無担保貸付債権の買取り等々を行いまして、中小企業への円滑な資金供給を図るという事業でございます。記載しておりませんけれども、平成16年度から始めた事業でございまして、これまで14回にわたって組成をしております。平成23年度末の財投残高、これは産投出資でございますが、245億円となっております。監査の結果ですが、枠内でございますけれども、ちょっと読みますと、「内部規程に基づいて定めている審査基準を満たさない者に対し」とありますが、この審査基準といいますのは、どういった貸付債権を証券化の対象とするか、そのための審査基準でございますが、リーマンショックの前でございますけれども、ある程度の水準までは、より幅広く証券化の対象とできるように、ちょうど1行目の右端でございますけれども、別途運用基準を定めまして、原則外の運用として承認した者のデフォルト率、これを監査におきまして検証しましたところ、原則どおりの審査基準を満たした者と比較しまして、高水準な状況にありました。また、こうした状況に対しまして、公庫としても十分な分析をしていなかったということを確認いたしまして、この枠の上にございますとおり、今後の組成に当たりましては、リスク分析の充実等に取り組むことを求めたものでございます。

続きまして、すぐその下の水資源機構でございます。これは水資源開発基本計画に基づきまして、ダム、水路、施設を建設、管理しておりまして、これまで59事業を完成いたしております。平成23年度末の財投残高は5,163億円となっております。監査結果でございますけれども、5行ありますが、冒頭の1行半ぐらいのところでございますが、監査を実施した範囲内におきましては、改善を要する事項は認められませんでした。他方、2行目の半分ぐらいからでございますけれども、「機構が現在行っているダム等建設事業」と続きまして、ちょうど3行目でございますけれども、「国交大臣の指示に基づいて検証作業が進められている5事業」とございます。これは、平成21年10月、当時の国交大臣の発言を受けまして、ダム事業の見直しが始まりました。機構が行っている事業のうち、5つのダム事業について、見直しをするということになりまして、現在、水資源機構と各地域の地方整備局とで共同で検証作業を行っている、というものでございます。今後、その検討結果を受けまして、この文の3行目の最後のほうでございますけれども、国交大臣が対応方針を決定した場合は、財政融資資金の償還が確実になされるよう、費用の負担方法などの決定をするよう求めたものでございます。

続きまして、5ページでございます。鉄道建設・運輸施設整備支援機構でございます。監査結果は枠内にございますが、2点ございまして、まず上段の「民鉄線建設事業において」とございますが、簡単に民鉄線建設事業の概要を口頭でご説明いたしますと、財投資金を活用しまして、機構が鉄道建設をいたします。鉄道事業者にそれを譲渡して、譲渡代金を割賦で回収する。機構は鉄道事業者に対して、割賦債権を有する債権者の立場にあるわけでございます。指摘事項でございますが、ここにございますとおり、前回監査の指摘に基づきまして、内部規程をつくったのですが、その内部規程と申しますのは、括弧にございますとおり、鉄道事業者の経営動向の調査に関する規程でございます。これが十分に機能していない状況にあったというものでございます。

次に、船舶共有建造事業でございますが、これは機構と海運事業者が造船所に船を共同で発注いたしまして、海運事業者は船舶使用料を機構に払いながら、船を使用するという事業でございます。機構は、船舶使用料を徴収する債権者の立場にあるというものでございまして、指摘事項でございますが、前回の指摘に基づきまして、信用リスク管理システムを導入いたしましたが、今回、監査に行きましたところ、まだその活用が十分に図られていないという状況にありました。いずれも債権管理に関する指摘でございまして、上の2行にございますとおり、リスク管理の充実を求めたところでございます。

次に、その下の国立大学財務・経営センターでございます。国立大学の附属病院の施設設備のための資金をセンターが一括調達しまして、各国立大学法人に貸付けを行うという事業でございます。監査結果でございます。枠内にございますが、これも先ほどの運輸機構と同じような内容でございますが、国立大学附属病院の経営状況の検証につきまして、病院収支に直接関係のない収入、具体的には教育研究のための運営交付金でございますが、そういったものを含めて分析が行われているということを確認しました。したがいまして、枠の上の2行にございますとおり、所要の改善・検討を求めたところでございます。

次の6ページでございます。6ページは、その前の年の平成22事務年度の実地監査の反映状況を記載しております。左から法人名、真ん中に監査における指摘事項、右にその後の対応状況を記載しておりますが、各機関におきまして、所要の改善が図られたところでございます。ご覧いただければと思います。

続きまして、7ページでございます。地方公共団体実地監査について、ご説明申し上げます。資料の一番上の段でございますが、全国の財務局・財務事務所の資金実地監査官が地方公共団体に出向きまして、実地で監査を行っております。これまでの経緯につきましては、資料の下の段に記載のとおりでございます。説明は省略させていただきます。

8ページでございます。平成23年度の実施状況でございますが、上の表の合計欄、対象となっている5事業の合計企業数は5,294企業ございます。そのうち財融資金の貸付残高があるものが、真ん中より右のCの欄で5,167企業ございます。これに対する平成23年度の実施状況が、D欄でございまして、およそ1割、513企業に対し実地監査を行いました。下にイの表がございます。企業債残高の状況でございますが、資金ベースで見たカバレッジは8.8%。一番右でございますが、8.8%となっております。

9ページ以降で監査の結果について、ご説明申し上げます。まず9ページの上の図にありますとおり、513の企業に対しまして監査を実施しまして、真ん中、経営状況が悪化または悪化傾向にある企業が全体の約2割、105企業ございました。さらに、C欄ですが、要処理、処理を要する事案ということで、文書による注意喚起を行うといったもの等が、23企業ございました。それぞれの内訳、事業ごとの状況につきましては、その下の表に記載のとおりでございます。

続きまして、10ページ以降で、件数の多い、3つの事業の監査結果の概要について、ご説明申し上げます。まず10ページでございますが、上水道でございます。54企業に対しまして、監査を行いましたところ、経営の悪化の要因としましては、1ポツに記載のとおり、給水人口の減少でありますとか、減価償却費の増加といったものがございまして、2ポツで記載しておりますような理由から文書注意を行いました。当該企業からは、3ポツにありますように、懇談会におきまして経営のあり方や問題解決について検討をして、懇談会の答申を受けて、今後、整備計画あるいは財政計画を策定予定といったような報告を頂いているところでございます。この中で、懇談会の答申とありますが、これは既に7月に出されまして、この中では、料金の値上げでありますとか、あるいは長期の投資計画が記載されておりまして、そういったものを受けまして、年内には計画を策定するという報告を受けているところでございます。

11ページでございます。下水道でございますが、355企業に対し、監査を行いました。1ポツで経営悪化の要因が書いてございますが、料金設定の問題でありますとか、維持管理費の増加等によるものがありました。2ポツに記載したような理由から、文書注意を行いまして、3ポツ、企業から提出された改善策とありますが、料金改定、戸別訪問による水洗化率向上による収入増加策、下のほうでは、人件費の削減、処理場の統廃合によるコスト削減、こういったような改善の方策が報告されているところでございます。

12ページ、病院でございます。92企業に対し監査を実施しまして、経営の悪化につきましては、ここにございますとおり、医師不足、あるいは職員給与費の増加が挙げられております。2ポツにあるような理由から、文書注意、文書照会を行いまして、そういった企業からは、3ポツでございますけれども、地元大学や医師会への派遣要請等、医師の確保、患者の一時的な受入れによる収益の増加策等の改善策の報告を受けているところでございます。

次に13ページでございます。これは従来から実施しております適債性にかかる実地監査について、取りまとめをしております。@のアの表にございますとおり、全国団体数、3,180団体ございますが、そのうち財政融資資金の残高のある2,609団体、その中で、Bの欄でございますけれども、293団体、全体の11%の団体について監査を実施いたしました。これを資金ベースで見ますと、下のイの表に記載のとおりでございまして、地方公共団体向けの財政融資残高の55兆円のうち監査実施先の割合は、7.7兆円、約14%となっております。資金ベースのカバレッジは、14%でございます。最後、Aでございますけれども、一番下に監査の結果を書いております。25団体におきまして、対象外事業費の混入、あるいは借入超過等々の不適切事案、27件が認められまして、文書注意を行っているところでございます。

最後になりますが、14ページは実地監査の見直しについて取りまとめておりまして、簡単にご紹介させていただければと思います。この監査は、平成20年度に導入しまして、それから4年経過したわけでございますが、この間、監査を実施した現場の財務局の担当者の声等を踏まえまして、分析手法の見直し、拡充を図ったところでございます。まず、平成23年度までの考え方、先ほどまで説明したものでございますが、左半分でございますけれども、ややテクニカルな話で恐縮でございますが、経営状況の悪化傾向の判断につきましては、(1)にございますとおり、経常損益とか累積欠損金とか複数の指標をもとに総合的に判断いたします。悪化傾向にあると判断された場合には、矢印の下になりますが、(2)に記載のとおり、経営指標等に一定の乖離幅があった場合には、文書注意等を行う、要処理事案とするという整理をしてございました。今回の見直しにおきましては、2点ございまして、この資料の右の半分でございますけれども、まず経営状況の悪化傾向の判断につきまして、従来、複数の指標でもって、判断しておりましたが、現場の財務局から「もう少し基準を明確にしてほしい」という声がありまして、そこで書いておりますような基準外繰入前経常損益、注にございますとおり、いわば赤字補填的な資金を除きまして、その企業の実力ベースの姿を基本にその推移を基に、判断するということにしまして、判断基準を明確化したものでございます。

2つ目が、矢印の下の要処理事案の適用基準、文書で回答を求める事案の適用基準でございます。「企業債債務償還可能年数が一定以上である場合」とありますが、実質債務残高を何年で返済できるかという、その年数を算出して、それが一定年数を超える場合は、文書照会の対象とすることとしました。ストック指標の考え方がなかったものですから、そういったものを追加導入しております。

最後の2行でございます。監査マニュアルの作成と書いてございますが、これまで集積しました知識、手法を取りまとめたハンドブックの整備に着手しておりまして、試行的な活用を開始したところでございます。今年の監査は、今月あたりから徐々に本格化するわけでございますが、今後、現場での活用状況を踏まえまして、完成に向けた見直しを順次進めたいと考えております。ご参考として、ご紹介させていただきました。

私からは以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。それでは、これまで説明いただきました3つの議題につきまして、ご意見、ご質問等ございましたら、どなたからでもお願いいたします。はい。吉野委員、どうぞ。

〔 吉野臨時委員 〕最初に、1つは大きな点と、あと実地監査に関して、ご質問させていただきたいのですけれども、財投の重要な点は、やはり資金需要に的確に対応するということだと思いまして、その意味では、震災の後、非常に的確に対応されたわけですけれども、東北地方の地銀の方に聞きますと、政府系の金融機関が出てきて、低利で長く貸してしまうと、自分たちが今度貸したいときに、お客さんがとられてしまうということでした。危機が生じたときに機動的に対応することは的確ではあるのですけれども、民業補完として、やはり本当にいいのかどうか。ですから、足りないときに出ていって、そして、貸していただくのはいいと思いますが、理財局のヒアリングは借り手の中小企業の方に対するものが多いので、そうしますと、低利で長期でありがたいということになります。しかし、地銀の方々にしてみれば、自分たちが出られる状況になったときに、まだ長く貸されてしまっていて、しかも低利である。的確に対応した後、例えば民間に貸出債権を流動化するということも考えられますが、そうしますと、金利が低いですから、民間金融機関が自分の貸したい金利と日本政策金融公庫が貸している金利の差額を、どういう形で補填していくとかという問題も生じてきます。そういう意味でとにかく一度、的確な対応とその後の民業補完ということを、少し考えて議論していただきたいと思います。

2番目は、データの点でお伺いしたのですけれども、昔、私は業種別でいろいろ民業補完かどうかを分析したのですが、最近は業種別ではなくて、分野別のデータは非常に出ておりますけれども、業種別は例えば鉄鋼業とか食品とか、昔は全部細かいのが財投の融資先であったと思いますが、最近は分野別で、農業分野とか生活関連とか、そういうふうになっていまして、後で結構ですけれども、その業種別でなくて、こういうふうに分類された理由がもしあれば、教えていただきたいと思います。

それから、もう一つ大きな流れでは、一般会計がこれだけ赤字が累積されていますから、政策手段として、何かをやろうとしたら、税制と財投しかないと思うのですけれども、今こそ財投が本当の意味で一般会計に代わって、いろいろな分野で政策手段として使っていただけるところがあれば、考えていただきたいと思います。

それから、実地監査に関してお伺いいたしますが、資料3の10ページで、地方に行きますと、人口が減少して、上下水道の事業がうまくいかなくなってくるところが、これからも随分出てくると思います。そういう場合に、ここの懇談会の答申では料金を上げるということはある程度できると思いますが、ナショナルミニマムですから、そうすると、こういう地方の上水とか下水道などは、人口減少に対して、どういうふうに対応していくのか、というのが大きな質問です。その3点です。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。何人かのご質問、ご意見をまとめたいと思います。いかがでしょうか。翁委員、どうぞ。

〔 翁委員 〕ありがとうございます。平成25年度の財政投融資計画の中で、6ページを見ますと、国際協力銀行の政府保証がかなり大きく増えておりまして、このあたりの背景を教えていただきたいというのが質問です。

それに関連して、今後、インフラ輸出などを積極的にやっていこうという方向になっております。それ自体は今、日本は、国際的に見ても、アジア諸国と比較してもまだ遅れているので、積極的にやらなければならない部分があると思いますけれども、不動産の取得とか、上流のほうでリスクをとっていかなければならない局面が増えてくると思います。今後は、その辺のリスク管理が非常に重要になってまいりますので、ぜひチェックしていくべきだと思っています。

それから、国際的な活動を行っているメガバンクや地銀の大手行は、国際協力銀行が出て、ある程度リスクをとってくれれば、出ていきたいと思っているところが多いと思いますので、そういった民間もやりたいところが十分出ていけるようなプロジェクトに関して、国際協力銀行のシェアがどの程度なのかといったところも注意して見ていく必要があるのではないかという感じを持っております。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。それでは、先に冨山委員、どうぞ。

〔 冨山専門委員 〕コメントと質問がかぶった話になると思いますけれども、まず一番最初の最近の情勢にかかわるところで、再生戦略と財政投融資の関係性のところで、基本的な方向性は私も賛成ですが、再生戦略は経済再生のことを多分言っているのだと想像するところでありまして、結局、経済の成長は突き詰めていくと、労働参加している人の数と生産性の掛け算で決まってしまうわけです。その観点で考えたときに、私は、大体外れるものですから、あまりターゲット戦略は当てにしていません。10年前にもたしか液晶と言っていたはずだし、アメリカも5年前に久しぶりにグリーンイノベーションで、ターゲット戦略をやってみたものの、いつの間にか、シェールガスに変わっています。ただ、やはり大事なことは、雇用と生産性を上げるということは確かにやったほうがよくて、それに対する役割、先行投資が必要だということは、私も全く異論がないところです。

その観点から、次の財投計画の要求と、ほかの議論に入っていきたいのですけれども、今のところ、まだ今後ということになっている震災復興ですが、緊急的にどうしましょうという復旧的な資金需要の問題と、今後はおそらく復興的な資金需要が多くなると思います。前に言いましたように、私もこの地域でバス会社を多くやっておりますので、現場の生の感じはよくわかっているつもりなのですが、復興という段階になりますと、先程も申し上げた話で、要するに持続的雇用をつくれますかという問題と、その生産性を上げられますかということが厳しく問われなくてはいけない段階に来ているはずです。そうすると、そういう政策はどういう政策かというと、ちょっと言いにくいのですが、強きを助けて、弱きを挫くということになります。あるいは、素質のある人にはお金を出すけれども、ない人は切り捨てるというのが多分、長期的には正しいやり方で、それが回り回って、結局、安定的雇用と所得をつくり出すということになります。要はこれからのお金の使われ方は、先ほどの吉野委員の議論とかぶってくると思いますけれども、そこはやはり厳しく吟味していかなければならないし、逆に言うと震災でいろいろなものがなくなっている状態ですので、むしろこういうときのほうが、そういう取捨選択がしやすいはずです。ここでまた弱い人が戻ってきてしまうと、むしろ前よりもさらに生産性が低い産業構造をあの地域につくることになるので、そこはぜひ、ある種デット・ガバナンスと言いましょうか、ディシプリンとして財投のほうでも対応していただけるとうれしいと思います。あえて言うと、日本の社会土壌としては、きずなの社会で、地域の側はなかなかそのような規律を働かすことが難しい部分もありますので、例によって財務省に悪者になっていただいて、そういうところをきちんとやっていただけるとありがたい。みんな本心としてはそう思っていますので、お願いします。

それから実地監査のところで、先ほど、これも吉野委員から出ていました、上下水道の地域インフラ型産業のところについて、これも私が今言ったバスとよく似たような特性ですので、コメントしておきたいと思いますが、確かに非常に人口減少地域における、こういった地域インフラ型産業の経営は厳しいです。それで、個々の企業体としてできる範囲の改善的努力で済む問題と、もう地域の単位では済まない問題と、これが明らかに重複しております。それで、私どもが今、福島と岩手と茨城でバス会社をやっていますが、例えば岩手のバス会社だけでやれることがどれだけあるかというと、ある程度できるとしても、これには限度があります。多分今度の震災でますます人口が減少していきますので、1つの鍵というのは、広域でいろいろな仕事をしていく空間的な連携という問題と、それから、バスという産業の中で、もっと産業組織的に役割分担の改編という、縦横のいろいろな改編をやっていかないと追いつかない部分があります。多分、この上下水道の問題にしても、あるいは病院も同じだと思いますが、そこに手をつけていかないと、そろそろ限界が見えてきているのではなかろうかと思います。

ただ、これも、そのレベルの問題に手をつけようとすると、なかなか地域では現実には難しい問題、要するにいろいろな既得権とか既存の構造との衝突があったり、あるいは地公体の単位を超えてやっていくとか、そういう、割と日本人が苦手なリシャッフルの問題になってまいります。これもまた同じく、ある種デット・ガバナンス的な立ち位置から背中を押すような、多分そういうのがお得意だと思うので、申しわけないですけれども、財務省が背中を押していただけると非常にありがたいと思う次第です。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。中島委員、どうぞ。

〔 中島専門委員 〕3点あります。1点目が、先ほど吉野委員もおっしゃったことですけれども、これから財政制約が厳しい中で、財投資金の役割をもっと活用できればいいということはそのとおりですけれども、財投資金も使う、一般会計も増えるということでは、単にプラスアルファで財投資金を使うだけということになりかねない。ぜひ一般会計の中で何が振り替えられるのか、どういうものであれば基本的に資金回収ができるのかというようなことを踏まえて、振替えみたいなことができれば、よりベターという面もあるのではないかなという気がいたしますので、ぜひ、そういう意味での観点も踏まえていただければというのが1点目です。

それから2点目ですけれども、実地監査のほうで、先ほど来お話がありますが、上下水道の話につきましては、それぞれの資金を出している先が、どういうふうにきちんと経営できて、資金を償還できるかということもあると思いますが、私が申し上げたいのは、もう一つ違う点で、その前の3ページですけれども、社会資本整備事業特別会計のところで、羽田空港に対して出している資金が、区分経理されていない、こういう改善の指摘をされたということでした。これは、最初から特別会計全体として返してもらうということを前提にしているというお話であれば、それは1つの考え方でもありますけれども、区分経理されてないとか、こういう議論というのは、むしろ、ぜひ今回の監査に限らず、1つのグッド・プラクティスといいますか、お金を借りる側の財務的な対応と、償還をどうやっていくかという基本的な対応という部分で、身につけていっていただかなければいけない話なので、今申し上げたようにグッド・プラクティスとして、ぜひほかの財投資金を活用する特別会計等にも踏まえてもらうように広めていただければというのが2点目です。

3点目は質問です。資料3の9ページ目に公営企業の経営状況把握ということで、監査実施企業数513の中で20.5%が悪化または悪化傾向にある企業数、その中で要処理事案が4.5%という数字がありますが、これは過年度に比べて同じような水準なのか、改善しているのか、悪化しているのか、教えていただければと思います。

以上です。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。それでは、江川委員からお願いします。

〔 江川委員 〕2点お願いいたします。1つは、資料2の3ページ、参考2の財政投融資計画、産投の一番下のところで、クール・ジャパン推進のための機関ということで、400億円計上されているようですが、クール・ジャパンというのはかなりいろいろなことを包括するコンセプトのように思われて、所管する省庁も幾つかあるように思われますし、クール・ジャパン推進は重要だと思いますけれども、こういう形で機関を本当につくる必要があるのか、まさに産投として機関をつくってやることの意義を教えていただければと思います。

それから2つ目が、先ほど中島委員も空港整備事業のことをおっしゃっておられましたが、私も区分経理されていなくて、全国プール制ということをこれまであまりよく知らなかったので、ご質問をしたいと思いました。日本全国にたくさんの空港ができていて、報道などを見ていると必ずしも必要でないと思われるところにもたくさんでき過ぎて、結果的に空港の経営が圧迫されているとか、そういう話も聞いております。もちろん、これは国交省の政策もあると思うので、財務省だけの問題ではないのかもしれませんけれども、特別会計の制度設計自体がそういうゆがみを生んでしまったこともあるかもしれないと思いまして、できれば見直しをするときに、財務省としてもそういうところまで踏み込んで、ある意味で日本の予算がしっかり効率的に使われるという形での制度設計を促していくということも考えていただくことができないのでしょうかというご質問です。

〔 富田分科会長 〕これで5人の委員の方からご意見、ご質問いただきましたので、まず、事務局から簡潔にお答えいただけるところをお答えいただき、その後また、ご質問、ご意見を賜りたいと思います。

〔 松浦計画官 〕計画官の松浦でございます。では、私の所管分野で何点かお話ししたいと思います。

まず、吉野委員、冨山委員から、中小企業金融についてお話がありました。吉野委員からは、公庫が民業を圧迫しているのではないのかというご指摘も頂戴しました。金融危機対応や震災対応で、特に中小企業分野は資金繰り支援などで財投を相当拡大してまいりました。そういう中で、民業圧迫だという声があるというのは私も承知しておりますし、また、前回の分科会でも冨山委員からゾンビ企業に貸しているのではないのかと、ほか複数の委員からも同じようなご意見を伺いました。我々は今回出てきた要求について、経済産業省と議論をしておりますけれども、そういう問題意識を踏まえて精査をしていきたいと思います。前回、前々回も中小企業金融についてご議論があったところですし、今回、吉野委員、冨山委員からもお話ありましたので、次回以降の分科会において、経済産業省から中小企業金融の現状と今後の方向性について説明させていただき、ぜひこの場で議論していただきたいと思っております。

次に、翁委員からJBIC、財投の要求が大きくなった理由は何かということですが、これは資料2の1ページ、真ん中ぐらいに3、海外投融資等支援関連うち株式会社国際協力銀行というところがありますが、右のほうの事業規模と貸付規模をご覧いただきますと、0.6%とほとんど横ばいであるのに対して、左側の財投は倍増しております。これはJBICの自己資金、いわゆる回収金が平成24年度に比べて減少が見込まれますことから、資金繰りとして財投を要求しているところでございます。政保債が増えているというのは、JBICの場合、外貨で貸しているものが多くございまして、外貨の回収金が減少した分を、政保外債という形で資金調達したいという要求になっているということでございます。

あと、翁委員から、インフラ輸出に伴って、今後のJBICのリスク管理が非常に重要ではないのかというご指摘がございました。成長戦略等々でインフラ輸出などが非常に重要な要素の1つになっておりますし、我々財投としても当然対応していかなければならないと思っていますが、それに伴って、リスクも当然ございますので、要求の審査の段階でリスク管理をしっかり見ていきたいと思っております。

あと、JBICのシェアの話がございました。JBICについては民間との協調融資を原則としておりまして、融資対象によってシェアは最大6割までとか7割までということで、必ずプロジェクトには民間金融機関が参入するようになっていますので、そういう意味でもしっかりと対応していると思います。

あと、最後、江川委員からご質問のクール・ジャパン、産投要求400億円でございます。新しい機関をつくる必要があるのかという点でございますけれども、クール・ジャパンというのは成長戦略、日本再生戦略を推進していこうということでございます。そういう政策の中で、クール・ジャパンというのは、おっしゃられたように非常に広い概念で、役所的に言いますと、経産省のほかにも、総務省のテレビ番組もございますし、漫画のようなものや、農林水産省の食料など、さまざまなものが含まれていますので、そういった中でこういう機関が必要なのかどうか、そういう縦割り的なところで何か打破できるような機関になるかどうか、今後の審査の中でしっかり精査していきたいと思っております。

私からは以上でございます。

〔 富田分科会長 〕渡辺課長どうぞ。

〔 渡辺管理課長 〕私のほうからはまず1点、中島委員からのご質問で、資料3の9ページでございますが、ご指摘ありました企業数が513、105、23とありまして、悪化又は悪化傾向にある企業数20.5%とか要処理事案4.5%、これが過去と比べてどうかということでございますが、数字は非常に減少しております。例えば平成20年度に開始しましたが、そのとき、悪化企業が約38%ございまして、率として半分に減っている。それから平成20年度、要処理事案としては13%ありまして、それが4.5%になりました。時々の景気情勢にもよると思いますが、明らかにずっと減りつつあります。それで、経営状況はよくなっているという部分もあるんですが、もう一つの要因は、注4にちょっと書いておりますが、特に要処理事案ですが、補償金免除繰上償還承認企業につきましては、そちらの業務の中で計画をしっかりフォローする、地方公共団体に対してだぶってフォローアップしない、というような役割分担をしておりますので、補償金免除繰上償還承認企業については文書注意等を出しておりません。そういったこともございますけれども、流れとしては、この監査の成果かどうかはちょっと別としまして、状況はよくなっているというのがあります。

それから、吉野先生からのご質問と、冨山委員から既に答えのようなコメントをいただいたわけでございますが、確かに人口減少の中で上下水道のような地域インフラは非常に厳しいということで、おっしゃるように、個々の企業でできるものと、地域を超えてやること、2つございます。特にこの業界は、非常に小規模経営というのが特徴でございまして、水道を例にとると、数にして2,000ぐらいございまして、そのうち監査の対象にはなっていませんが、給水人口5,000人未満の簡易水道事業だけで800ぐらいございます。それから、下水も小規模なものを含めると3,600ぐらいございまして、しかも会計制度も公営企業法を適用せず、歳入歳出予算しかつくっていないというようなところもございます。それで、抜本的な策として、やはりこの小規模経営をいかにするかということで、主務省としてもまず広域統合ということを進めております。そういった政策を打ち出してやっておるんですけれども、いろいろ聞いてみますと、個々の自治体の持っている権限とか、勤務する職員の合意の問題とか、いろいろな問題があると承知しておりますが、やはり方向性としては、統合や広域化を進めて、規模のメリットを追求していくことが重要ではないかと思われます。

それから、江川先生からの空港整備勘定の件でございますが、これ、まず今回、羽田については財投資金が入っていますので、今回、監査を踏まえてこういった指摘を理財局としてさせていただきました。一方で、それ以外のところには財投資金が入ってございませんが、一般会計からいろいろ繰入金等ございますので、物申していくということはできるのかなと考えております。

以上でございます。

〔 富田分科会長 〕谷内課長どうぞ。

〔 谷内財政投融資総括課長 〕吉野委員から、分野別の資料が出ているけれども、過去は業種別も出ていたと思うというご指摘がございました。過去から使途別分類別は出しておりますけれども、業種別につきましては、資料が手元にございませんので、お調べしてご報告したいと思います。

あと、中島委員から、一般会計の中に財投に振り替えられるものはないか、編成の中でいろいろ検討してほしいというご指摘がございましたけれども、委員ご承知のように、一般会計はあくまで渡し切りの補助金という性格でございますが、財投については産投出資も含めまして、いずれお返しいただくという性格のものでございますので、どこまで中島委員ご指摘のようなことができるか、いずれにしても、編成の中で主計局とも連携をしながら、作業をしてまいりたいと思っております。

〔 富田分科会長 〕予定している時間が、ほとんどなくなってしまいましたが、まだご意見をいただいていない委員の皆様から要点をいただきまして、今日すぐお答えできるところはしたいと思いますけれども、それ以外のことにつきましては次回に事務局より答えるということにさせていただきます。

川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕ありがとうございます。次回お答えいただくということで、ごく簡単に質問だけ申し上げておきますと、資料3の4ページにございます政策金融公庫の証券化支援業務で、要するに運用基準が未達のものと、満たしたものとの間で、かなりデフォルトの差が出たということをもう少し具体的にご説明いただけないか、というのは、この証券化はいろいろな意味で、大きなテーマであり、功罪もいろいろと言われている。そういう中で、例えばかつて財投の前倒しによる証券化によって、資金効率を高めようということも、ちょうどパリバショック、リーマンショックに当たってしまってという経緯もある中で、柱になる金融手段でありながら、なかなか悩ましい問題もあるという分野だと思いますので、これは次回以降で結構ですので、もう少し具体的に教えていただければありがたいと思います。これが質問です。

もう一つ意見というか、これはおそらく各委員と一緒だと思いますが、一言で言えば、今後の財投の在り方論のようなことにかかわるのですが、例えば、リーマンがあり、震災があり、ヨーロッパ危機がありと、そして最近また別の意味の危機という状況になってくる中で、そのときは相当巨額の資金が必要であり、現に誰もが少々リスクがあっても、やらざるを得ないと思ってたものが、2年、3年たった場合に、やはりしっかり見直して、スリム化できるものもあるかもしれないという気がいたします。小さい例で申し上げると、先ほどクール・ジャパンというのが出てきましたけれども、このようなものもひとつの政策、政治決定なので、それはそれで尊重して、その範囲でやらなければならないという部分は当然あると思いますが、そうはいっても、そのときは是であっても、何年かたってみると、実はあまり意味がないのではないかというようなものもあるかもしれない。そういう意味で、やはり政策として、決めたことに対しての評価と再評価、見直しが必要ではないかという気がします。

そういう意味では、財投については、あまりリスクが高かったら困るというのが、当然あるわけですが、さりとて、先ほど、吉野委員のご意見にあったような今の厳しい財政事情の中で、財投の一般会計化のようなニーズについて、リスク、リターンのトレードオフを、どこまで見るのかを真剣に考えていかなくてはいけないと思います。例えば、顕在化しているリスクとそうでないリスクがある。大地震なども、そういう意味では、みんないつかは来ると思っていても、来てからでないと現実視しないという部分があるわけです。我々は今、そういういろいろなリスクに現実として直面しているというところがあって、それに対する備えをどういう形で行っておくか。本来、一般会計でやるべきかもしれないけれども、考えようによっては、投融資になじむものもあるかもしれない。そういう工夫もしていく必要があるのではないか、ということを含めて、委員会とか審議会というと、やや大げさになってしまう部分もあるので、コミットメントはなかなかできないところがあるのですが、ぜひ今後の財投の在り方のようなことに関して、放談会と言うと、多少無責任になってしまいますが、よくある懇談会とか、本音ベースで議論できるような機会があれば意義深いことが出てくるのではないかという気もします。したがって、フォーマルなものというよりも、ややくつろいだ雰囲気で財投の在り方などを、委員の皆様等で議論できる機会があったら、非常にありがたい。これは、提案というか、お願いという感じです。

〔 富田分科会長 〕はい。いかがでしょうか。どうぞ、松田委員。

〔 松田専門員 〕今、企業等金融支援関連というと、中小企業向けと農林水産向け、危機対応円滑化などがあり、これら、運用現場になると、非常に困惑している気がします。融資ベースですと、最終的には元本回収ということで、モラルハザードはある程度回避されます。だんだん、エクイティーになっている。支援が、官民ファンドを通して、エクイティーシフトしつつある。ファンド経由の投資のときに、最終的な投資先対象をどこにするか、どのような政策目的で実施するのか重要になる。この場合、「被災地その他」を対象にするときに、日本全体が被災地となる。ファンドを組成するいろいろな動きがあるが、ファンドの出口目標として、元本以上回収のパフォーマンスとするときに、現実に目標達成が難しいのではないか。ファンドは、民間も協力していくわけですから、最終的には投資回収をする。個別の投資案件につき失敗はつきものですが、最終的に経済活性化による雇用の創出と、そして納税に貢献するという目標は果たさなくてはいけない。少し前までは、期間が10年というファンドが結構多かったのですが、最近のファンドはどうも12年、あるいは15年と長くなりました。確かに支援が長くなければ、事業を軌道に乗せるのが非常に難しいという事実があるのでしょうけれども、15年先が読めているのかというと、なかなか難しい。中小企業や既存産業の再生に、このような長期は必要ないのではないか。また、計画ベースでは、ファンドのIRRは、3%前後である。過去の実績の評価が明確に公表されていないままの、ファンド組成が多すぎるのではないか。計画ベースを、実際の運用現場で苦労しているプロの方々から見ていきますと、必ずしも整合性がとれていない。そういう意味では、財投が一番川上での判断になりますが、最終的に何にどうのように使われ、いかなる成果を生み出し、雇用と税収に貢献しているかを、長期的なモニタリング機能を発揮し、追いかけていただきたいという気がいたします。

追いかけるということでいきますと、この実地監査もその手法であると思います。資料の最後に参考という箇所で、24年度の判断基準を非常にシンプルにしている。これは非常にいいことだと思います。複数基準で複雑になればなるほど、判断が分散化する。その中で、実地監査を実施する立場からしますと、実地監査は、直接的な関係先に監査に行くわけです。しかし、財投資金は一番川上です。実際はその先まで見ないと、なかなか本当のことはわからない。要処理案件については、実地監査先から個別の追加レポートを提出されるでしょうけれども、実際の個々の監査の能力からいって、直接関係先の、さらにその先の運用実態まで、一緒に踏み込んでの監査は、人的パワーも含めて、なかなか難しいのではないか。本当の運用実態を調べて、現場情報を吸い上げるような監査になっているのかどうか。実地監査の範囲と方法論が、ちょっと気になるところでした。以上です。

〔 富田分科会長 〕はい。中里委員、どうぞ。

〔 中里委員 〕では、手短にお話をさせていただきます。今日のキーワードの1つは、デット・ガバナンス、あるいは貸し手の視点から見た規律づけということで、現実に地道な監査という形で非常に大変な作業をなさっているなと、実地監査の報告を興味深く拝見しました。その中で、せっかくこういう形で手間暇かけて調べておられるので、財投の枠内で完結するもの以外に、予算査定部局と情報を共有して、やっていくことができるものもあると思います。例えば空整特会、自動車安全特会の空港整備勘定の話で言えば、これは理財局だけでなく、予算査定の担当部局とも連携して、さらに言えば次のアクションを起こせるような形でつなげていけるといいなという印象を持ちました。

それから、もう一つは、先ほどから出ている話ですが、リーマンショックの後、中小企業だけでなく、大企業・中堅企業の資金調達についても社債やCPの市場、クレジット市場が混乱してしまったので、このようなときに財投が出ていくということ自体は、これは非常に大事なことだったと思います。ただ、そのときに運転資金、短期の資金であれば、ある程度市場が安定化していけば、融資の残高も自然に落ちてくるのでよいのですが、長めの資金をどこまで貸すべきなのかということについては、やはり慎重な判断が必要だと思います。先ほど、吉野委員からお話があったことはまさにそのとおりでありまして、そこのところの考え方の整理を、つまり平時ではなくて、危機対応時に財投としてどのような対応をとるべきなのかということをもう一回整理して考えてみるとよいのではないかという感想を持ちました。以上でございます。

〔 富田分科会長 〕池尾委員、どうぞ。

〔 池尾臨時委員 〕もう時間がありませんので、いろいろと申し上げたいこともないわけではないのですが、川村委員が提案されたような懇談の機会等があれば、時間的余裕のあるときに申し上げたいと思います。1点だけ申し上げますと、財政投融資を活用するということに対して、活用するなという話には当然ならないわけです。活用という方向性に関して反対するわけではないのですが、中島委員と事務局の間で一般会計と財投の関係をどう考えるかで簡単なやりとりがありましたけれども、やはり基本的にはお金をあげるという行為とお金を貸すという行為は本質的に違うことですから、お金をあげることが難しくなったから、かわりに貸してあげるということでは、基本的に大きな問題があると思います。財投は金を貸すという行為をしているのであるという、そのことによって、限られた財源にレバレッジをかけて、政策効果を膨らますとか、そういうことを狙っていると思いますけれども、その辺の原点が曖昧にならない形で活用という話をしていただきたいと思います。

〔 富田分科会長 〕大変重要なご指摘、ありがとうございました。今日は予定した時間を過ぎてしまっておりますが、これから来年度の財政投融資の概算要求についての審議の中で、今日出てきた、いろいろな基本的な論点。例えば、誤解を恐れずに言えば、成長戦略というのだけれども、お金がないから成長できないのか、アイデアがないから成長できないのか。そういう基本的な問題が、先ほど冨山委員もそういうことをおっしゃったと思いますが、やはり財投である以上は、大臣もおっしゃっていますように、償還確実性と民業補完性という2点の検討が大事であって、その観点から、これからいろいろ概算要求が出ているものを重点化していくということで、個別具体的な審議をこの場では進めていきたいと思います。

今日は予定より会議が延びてしまいましたけれども、今日のところはこういうことで、次回、今日の質問を事務局よりお答えいただくことといたしまして、審議を続けてまいりたいと思います。より基本的な問題についても、またどういう形で議論すればいいのかということにつきましても、事務局と相談させていただきたく思います。今日は以上でございます。

本日の議事内容につきましては、この後、事務局より記者レクをいたしますとともに、後日、財務省ホームページに議事録等を掲載する予定としておりますので、ご了承願います。

本日はご多忙の中、誠にありがとうございました。これにて、閉会いたします。

16時13分閉会
財務省の政策
予算・決算
税制
関税制度
国債
財政投融資

国庫

通貨

国有財産

たばこ塩


国際政策
政策金融・金融危機管理
財務総合政策研究所