財政投融資分科会(平成23年12月22日開催)議事録
財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録
財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第
平成23年12月22日(木)16:30〜17:25
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
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1.開会
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2.議案等説明
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(議案第1号)平成24年度財政投融資計画
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(議案第2号)平成24年度財政融資資金運用計画
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(議案第3号)平成24年度の財政融資資金の融通条件
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3.質疑等
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4.閉会
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配付資料
資料1 議案 資料2 議案関係説明資料 資料3 重点分野の概要 参考 -
出席者
分科会長代理
池尾和人
田中理財局長
富屋理財局次長
美並総務課長
中尾財政投融資総括課長
齋藤国債企画課長
渡辺管理課長
成田計画官
山根計画官
馬場財政投融資企画官
委 員
川村雄介
土居丈朗
臨時委員
吉野直行
専門委員
中島厚志
原 田 喜美枝
〔 池尾分科会長代理 〕ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開催いたします。
本日、富田分科会長は所用によりご欠席ということですので、財政制度等審議会令第6条の規定に基づきまして、分科会長代理の私、池尾が議事を進めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
本日は、お手元の議事次第にございますとおり、平成24年度財政投融資計画等3議案をご審議いただきます。つきましては、最初に、中尾財政投融資総括課長からご説明をいただいて討議をしたいと思いますので、中尾課長、ご説明をお願いします。
〔 中尾財政投融資総括課長 〕お手元の資料目次をご覧いただきまして、本日の議事に係る資料について簡単にご紹介いたします。
資料1、議案として、第1号「平成24年度財政投融資計画」、第2号「平成24年度財政融資資金運用計画」、第3号「平成24年度の財政投融資資金の融通条件」、この3つが本日ご審議いただく議案でございます。この中身につきましては、次の資料2議案関係説明資料を使って、ご説明いたします。
それでは早速ですが、資料2の表紙をおめくりいただきますと、(1)議案第1号及び第2号関係としております。財政投融資計画と財政融資資金の運用計画について、以下ご説明いたします。
2ページ目でございます。先週、当分科会で調整状況についてご報告をしたところですが、最終的な計画の数字についてご説明を申し上げます。まず、上の四角囲みは基本的考え方でございますけれども、アンダーラインのところを中心にご紹介いたしますと、平成24年度財政投融資計画におきましては、「日本再生の基本戦略」等を踏まえ、東日本大震災からの復興及び日本再生・成長力強化に積極的に対応することといたしております。
その下のアンダーラインでございますけれども、計画規模は総額17.6兆円でございます。対23年度当初比ではプラス18%。ただし、震災復興分が4.1兆円ございまして、これを除きます通常分ではマイナス9%となっております。
下の表でございますけれども、まず、分野別では、企業等金融支援について、震災対応の3.5兆円を含めて7.1兆円という規模でございます。それから地方、具体的には地方公共団体と地方公共団体金融機構でございますけれども、震災対応分の0.3兆円を含めて4.7兆円となっております。海外投融資等関連は、JBICやJOGMEC等に1.2兆円、それから教育・福祉・医療につきましては、震災対応の0.1兆円を含めまして1.3兆円。その他につきましては、震災対応の0.3兆円を含めまして3.4兆円という規模になっております。その下、原資別でございますが、財政融資につきましては、昨年よりも2.6兆円ほど増えまして、13.5兆円。産業投資は後ほど細かく数字をご説明しますが、約0.2兆円、政府保証が3.9兆円といった姿になっております。
次のページをお開きいただきまして、震災復興への対応についてでございます。上の囲みの最後のところに書いてございますとおり、23年度の補正に続きまして、震災復興に積極的に対応するということで総額4.1兆円を計上しております。主なものとしまして、日本公庫の危機対応融資1.3兆円。同じく中小・小規模企業向けにつきましては、先般の分科会の段階ではまだ計数が固まっておりませんでしたけれども、全体4.2兆円のうち、震災復興分が1.9兆円。以下、日本政策投資銀行0.2兆円。地方公共団体につきましては、全国の緊急防災・減災事業の地方負担分の財源ということで0.3兆円でございます。福祉医療機構、住宅金融支援機構、その他、都市再生機構によります災害公営住宅の整備等ということで、総額は4.1兆円となってございます。
4ページにお移りいただきまして、日本再生・成長力強化への対応でございます。主な例として、一番目はJOGMECでございますけれども、石炭、地熱をNEDOから引き継いで資源獲得戦略を強化することとしておりまして、産業投資で927億円という規模でございます。2.の産業革新機構に200億円。3.の農林漁業成長産業化支援機構、300億円。4.の民間資金等活用事業推進機構、50億円。それから5番目の福祉医療機構、これは財政融資ですが、新規の事業に134億円を確保することとしております。
5ページに移っていただきますと、いつもお示ししている棒グラフでございます。財投改革以来、計画額の圧縮が続いておりましたけれども、近年は補正対応も含めて金融危機対応、それから震災対応ということで、24年度につきましては、先ほど申し上げましたとおり17.6兆円という規模になっております。
6ページ目以下、若干細かい計数資料が続いて恐縮でございますが、6ページは財投計画、億円単位の資料でございます。一番下の合計欄をご確認いただきますと、24年度は17兆6,482億円で、伸率は18.4%となっております。右のほうに参考として貸付規模・事業規模の額を記載してございまして、こちらも増加しております。
1点だけJBICについて補足説明をさせていただきますと、右の参考欄、事業規模を見ていただきますと、23年度が1兆5,525億円。これに対して24年度は2兆2,980億円ということで、事業規模は大きく伸びている状況にあります。他方で、財投につきましては、23年度の1兆5,400億円から、24年度は6,115億円に減っております。これは、財投のほかに、外為特会からの資金を財源として事業を行うことになっていることによるものでございます。
次に、7ページをお願いいたします。産業投資でございます。主なものは、先ほど4ページでご紹介いたしましたが、24年度の総額は1,804億円となっております。前年度と比べますと1,180億円減少しておりますけれども、22年度以前に比べますと、24年度の1,804億円というのは大きな規模になっております。
次のページにお移りいただきますと、震災復興対応分の詳細でございます。23年度の補正と24年度の当初計画を対比しております。一番下の合計をご覧いただきますと、23年度、1次補正と3次補正で追加しました合計額5兆6,541億円に対しまして、24年度は4兆1,254億円となっております。金額が減少しているわけでございますが、主な要因が2つございまして、この欄の企業等金融支援関連の上から4つ目に危機対応円滑化業務とございます。23年度は補正で3兆円を措置しておりますけれども、これは震災発生直後、資金需要の詳細が必ずしも明らかでない中で、資金繰りに万全の枠を確保するという考え方に基づいて対応いたしたところでございます。これに対して24年度の計画は1兆3,000億円ということで、現時点で見込まれる資金需要の状況を踏まえつつ、必要な事業規模を確保するという考え方で対応しているところでございます。
それから、その2つ下の地方公共団体でございますけれども、23年度の補正で9,100億円とございます。これは1次補正の段階では、被災自治体の災害復旧事業等のための地方債に対応するために措置したわけでございますけれども、その後、23年度の3次補正、それから来年度の24年度当初予算におきましても、災害復旧事業については地方負担分も含めて一般会計による地方財政措置がなされました結果、24年度は先ほど申し上げましたとおり、全国の緊急防災・減災事業に係るものとして2,682億円が計上されているということで金額が減っております。全体といたしましては、以上申し上げました要因で合計額が減っておりますけれども、URが地方自治体に代わって災害公営住宅を建設するといった対応も含めて、内容としては積極的な対応をしてございます。
次に、9ページをお願いします。これは昨年、23年度計画から提出を始めました財政投融資計画の残高の見込みでございます。一番下の数字だけご紹介いたしますと、23年度末の見込みが186兆円余に対しまして、24年度末は183兆円余の見込みとなっておりまして、約3兆円ほどの減になっています。
次に、10ページですけれども、財投機関債につきましては、一部の機関については必要な増額を行っておりますが、全体といたしましては、当分科会においても財政融資に比べてコスト高になるので抑制的に対応したらどうかといったご意見があったことも踏まえて調整した結果となっております。
以上、駆け足で恐縮ですが、議案第1号、第2号の説明とさせていただきます。次に11ページ、議案第3号関係でございます。融通条件につきましては、13ページ以降に詳細な新旧対照表をつけております。これは毎年度機関ごとに融通条件を定めまして、それぞれに具体的な金額を定めておりますので、新旧対照表では金額の異動をすべて記載しておりますけれども、制度的な改定部分を12ページにお示ししております。上にAとありますのが、真ん中の欄にございますとおり、旧機関を削除して、承継機関を追加したというものでございます。右の対象機関でありますけれども、先ほど財投計画額のご説明でも触れましたが、かつて株式会社日本政策金融公庫の業務の一部であった国際協力銀行業務が、来年度では株式会社国際協力銀行になるという改定であります。
その下は、事業等を追加したものということで、独立行政法人都市再生機構について、震災復興事業、先ほど少し申し上げました地方自治体に代わって災害公営住宅を建設して完成後に譲渡するという事業について、資金需要に対応した5年以内の貸付を新しく創設するものでございます。
以上が議案に関するご説明でございます。それから、お手元に資料3をご用意させていただいております。これは、23年度計画から当分科会でもお示しをし、対外説明ですとか、ホームページにも掲載しているものでございまして、財政投融資の事業、具体的には資料2の3ページ、4ページでご紹介したような重点分野の事業をわかりやすく説明した資料となっております。個別にご説明のご要望とか、ご質問等があれば対応させていただきます。
それから、お手元に参考という厚い資料を置いてございますけれども、これも冒頭にご覧いただいた資料目次に沿って、簡単に内容をご紹介いたします。一番下の参考欄をご覧いただきますと、まず、いわゆる財政投融資三表といっております資料。その次に、財政投融資計画の機関別概要。財政投融資計画の推移。それから一番下の、平成24年度財政投融資計画の機関別事業計画・資金計画を付けてございます。この最後の資料につきましても、各機関がどういう事業計画や資金計画で事業を行おうとしているかということを、できるだけオープンにしていくという趣旨で作成して、昨年から公表を始めたものでございます。
以上、駆け足で恐縮でございますが、私からの説明は以上でございます。
〔 池尾分科会長代理 〕どうもありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明に対しまして、ご意見、ご質問等ございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。吉野委員、どうぞ。
〔 吉野臨時委員 〕ご説明ありがとうございました。2つありまして、1つは大きなところで、こういう震災復興については、一般会計と財投とそれぞれの役割があると思いますけれども、財投は、原則的には融資として望ましい部分に入れるべきではないかと思います。そういう形で一般会計と財投が割り振られているのかどうか。それとの関連ですと、先ほどの資料2の震災復興対応のところで、地方公共団体の9,100億円が2,682億円に下がったときに、もし私の理解が正しければ、一般会計で対応する部分が多くなったということですけれども、それが本当に適切なのか。それともローンとして財投でやったほうがいいのかどうかという判断もあるような気がしまして、全体としては、一般会計と財投の役割分担がきちんとできているかどうかが1点目です。
2点目は、非常に細かい点ですけれども、同じ資料2の3ページ目のところで、1の(1)、危機対応融資の2行目に政府保証債で0.9兆円を措置とありますけれども、これまでは、なるべく政保債をやめて財投機関債にしたほうがいいのではないかという議論があったような気がいたしますので、この政保債がどういうところに使われるのか。2点教えていただきたいと思います。
〔 池尾分科会長代理 〕では、回答をお願いします。
〔 中尾財政投融資総括課長 〕まず、一般会計と財政投融資の役割分担がしっかりなされているかどうかという点についてのご指摘でございます。これは委員の皆様、あるいは国民一般からのご評価を待つ側面もあるかもしれませんけれども、一応、ファクトとして申し上げれば、震災対応については、財投は、先ほど来申し上げておりますとおり、融資業務が中心になっております。一方で、事業系につきましては主として一般会計のほうで対応がなされているということでございます。
ただ、私どもの立場として、融資だけでいいのかどうかという問題意識は持っているところでございまして、先週ご紹介いたしましたが、資料3の10ページにございますとおり、都市再生機構につきまして、災害公営住宅を市町村からの要請を受けて建設して、完成後に譲渡するという事業。これは当初要求にはなかったものですけれども、阪神・淡路大震災のときに当時の住都公団がこういう取り組みをした例もございまして、どちらかというと、理財局のほうから国交省なりURに問題提起をして措置したものです。このように、今後の復興において、事業系のようなところでも、財投に対する要請があれば、償還確実性の確認を行いながら、検討していくべき分野はあるのではないかと考えております。
それから、政府保証債の関係でございます。ご案内のとおり、政府保証債も財政融資に比べればコストが高いというご指摘を賜ってきております。実は補正のときにも一部似たような考え方で政府保証債を措置しているところでございますけれども、例えば危機対応融資につきましては、資金需要がどうなるかが大きく振れうるということで、財政融資だけで対応しようとしますと運用残につながる可能性もあるという側面がございます。ただし、一方で資金需要が出てきたときには機動的に対応する必要があるということで、これに備えて政保債の枠として0.9兆円を用意しておくというものでございます。
〔 山根計画官 〕地方の関係でございますけれども、23年度の第1次補正で復旧・復興に関する地方の裏負担分であるということで9,100億円をつけましたが、その後、3次補正で地方の裏負担分については、震災復興特別交付税という形で一般会計で対処するということになりまして、当然、地方公共団体にしてみれば、地方債を発行して、後から元利払いをするよりは、交付税という形でもらえれば一番いいということだと思います。なお、9,100億円につきましては、確かに震災復興という関係では要らなくなったわけですが、全国防災とか、あと台風関係の災害復旧ということで、若干使途は変わりましたけれども、有効に活用することとしております。したがいまして、私どもの9,100億円については財投計画を変更する必要はございませんが、総務省の地方債計画は改定を行っているということでございます。24年度も同様の考え方でございまして、復旧・復興に係る裏負担分につきましては、これも一般会計で震災復興特別交付税が措置されるということでございます。この2,682億円という数字につきましては、先ほど申し上げた全国防災の事業にお貸しするものでございまして、全体の役割分担としては、今回は地方の負担をなるべく早くなくすということで、基本的に特例的な震災復興特別交付税という措置がなされたということでございます。
〔 池尾分科会長代理 〕よろしいでしょうか。土居委員、どうぞ。
〔 土居委員 〕ご説明どうもありがとうございました。細かい質問になりますけれども、地方公共団体金融機構に関しまして、財政投融資計画では政府保証の8,100億円が計上されているということですが、参考資料の16ページにある当該機構の資金計画の中で、自己資金等という部分で、政府保証(5年未満)は2,200億円となっています。これは当然財政投融資計画の対象外になるということは承知しておりますけれども、この意味するところは、地方公共団体金融機構が管理勘定において抱えている地方公共団体向けの融資のうち満期がくるものに対応する資金繰りのための資金ということと理解してよろしいのでしょうかということがまず1点目の質問であります。
それからもう一つは、当該機構は、報道によりますと、来年度の地方交付税交付金の額を増額するための原資として、しかるべき資金。報道によると3,000億円余のお金が出されるという話がありますが、これは管理勘定、財投計画では政府保証を付している部分の勘定ですけれども、これと何か関係があるのかというところを、おわかりになられる範囲でお答えいただければと思います。
〔 山根計画官 〕今いただいた2つの質問は、関係しておりまして、今回の地財対策で、本日、財務、総務の両大臣において合意されたところでは、3年間で1兆円をめどに、まさに機構の管理勘定の金利変動準備金から国庫納付するということになりまして、24年度につきましては3,500億円ということになってございます。政府保証5年未満の部分ですが、この3,500億円を拠出するに当たりまして、機構の資金繰りを見ますと、実はここ数年間が非常に厳しい状況にございまして、結論として、3,500億円のうち1,300億円を6年債で、残る2,200億円を4年債で対応するということになったところでございます。この考え方は、基本的に機構の資金ポジションを見ながら、なるべく利率が低い短期の政保債でつなぐという組み合わせを総務省と調整しまして、ここに書いている2,200億円が4年債、すなわち5年未満の政保債になったということでございます。
〔 土居委員 〕非常に詳しい説明で、私の予想と合致したものですから大変理解が進みました。ありがとうございました。そうすると、金利変動準備金を活用するということですけれども、その部分については、完全に1対1でマッチしているかは別として、資金繰りを工夫することによる利払いの節約というものがある程度今回の地財対策ということになっていると理解してよろしいでしょうか。
〔 山根計画官 〕その理解で結構でございます。
〔 池尾分科会長代理 〕ほかにご意見いかがでしょうか。中島委員、どうぞ。
〔 中島専門委員 〕資料2の24年度末の財政投融資計画の残高見込みという資料に23年度との増減が記載されていますが、ここについて1点質問します。下の5.のその他で日本高速道路保有・債務返済機構が来年度5,381億円の増加見込みということですが、これとは別に配布していただいた参考の機関別概要を見ると、建設等の債務を45年間で返済するということになっています。これは平成17年度から始まっているということで、その債務というのは、均等分割ということではないとしても毎年返済されて減っていくものと思いますが、24年度は新たに建設されているものもあって増えるという理解でよろしいでしょうか。5,000億円以上というのは結構大きな増加だと思いますので、このような形で今後とも増えるのかどうかということが1点教えていただきたい内容です。
それからもう一つは、この計画残高自体ですが、この合計が3兆1,000億円減るということになっておりますけれども、他方で、先ほどご説明いただいた話ですと、来年度の財政投融資計画は17.6兆円になるということで、そうしますと全体として差額が20兆円ぐらいになりますので、どういう足し引きになってこういうことになっているのか簡単に教えていただければと思います。
〔 池尾分科会長代理 〕それでは、お願いします。
〔 成田計画官 〕それでは、最初の日本高速道路保有・債務返済機構の債務の増加についてですけれども、基本的に道路会社が道路を建設しまして、それが完成しますと、その資産とそれにかかった債務を一緒に機構に承継するという仕組みになっております。24年度に関しましては、第二東名高速道路の一部区間などが完成いたしますので、これにかかった債務が道路会社から機構のほうに移転して、その分、機構の債務が増加したということでございます。今の点をこの表でご説明いたしますと、一番下に、6番で残高のみの機関等という欄があります。ここの中に先ほど言いました道路会社が入ります。したがいまして、道路会社が建設している途中の債務はここに計上されまして、道路が完成した段階で資産と負債が機構に承継されて、その時点で、この表においても残高のみの機関にある道路会社から道路保有・債務返済機構の欄に残高が移るという関係にあります。
〔 中尾財政投融資総括課長 〕財政投融資計画の残高見込みの件でございますけれども、財政投融資は財政融資、産業投資、政府保証の3つの原資に分かれますが、来年度の財政融資についてご説明いたしますと、財投全体の17.6兆円のうち13.5兆円が財政融資の計画になっております。これに対しまして、来年度は回収金がおよそ17兆円ほど見込まれるということで、大まかなイメージとしては、その差分が残高の減少として現れてくることになるということでございます。
〔 中島専門委員 〕わかりました。ありがとうございます。
〔 池尾分科会長代理 〕原田委員、お願いします。
〔 原田専門委員 〕震災対応のところで一番金額が大きいのは企業等金融支援になっていますが、中小企業向け融資が、震災対応ということでかなり大きく計上されております。この金額を見ながら財投でもモニタリングをしっかり行っていただいて、経過報告をしていただければと、思っております。1つ例を挙げますと、金融円滑化法で金利減免などの条件変更に応じてもらった中小企業の倒産がここのところだんだん増えてきているという現状があり、回収見込みということを考える必要がありますので、影響がないようにモニタリングというのをしっかりして経過を報告していただければという意見です。
〔 池尾分科会長代理 〕これは、直接は政策金融公庫がモニタリングしているわけですが、それを理財局にはどういう形でフィードバックが来るのかということでしょうか。
〔 原田専門委員 〕はい。分科会でもご報告いただければと思います。
〔 成田計画官 〕震災関係の融資がどの程度出ているかというようなことにつきましては随時報告を求めております。それから、実際にリスク管理債権、不良債権がどうなっているかというようなことも、折に触れてヒアリングをしております。先ほどの金融円滑化法の関係で、見えない不良債権が実はあるのではないかというような点につきましては、概念的にはそういうことはあり得ますけれども、実際に国民事業、中小事業のほうでは、いざ本当にデフォルトが起こったときは大変なことになりますので、通常の金融リスク管理ということで実際の不良債権比率を見ることもしていると聞いております。そうした実際の数字なども随時確認いたしておりますので、経過報告をさせていただきたいと思います。
〔 原田専門委員 〕今の1点だけ確認させてください。見えない不良債権とおっしゃいました、本当は条件を変更しているけれども、正常債権として扱っている。その融資先に例えば財投のお金が流れていくということも十分考えられるかと思いますけれども、それは分別されずに、正常債権として扱われている先に貸し出されているということで一くくりになっているということでしょうか。
〔 成田計画官 〕形の上で正常債権となっているものであっても、平時の金融監督指標や信用リスクの指標に沿って、実質的なリスク債権として見ているということですが、財政融資資金がそれに当たっているかどうかという点につきましては、個別の融資毎に財政融資かそれ以外かという区分けではございません。全体に財融資金が使われているということになります。
〔 池尾分科会長代理 〕土居委員。
〔 土居委員 〕今の話の関連ですけれども、財投対象機関のすべてではありませんが、既に金融庁検査が入っている機関があるという意味では、そこで一定のモニタリングがかなり効いていると言っていいのではないかと私は思います。さらにまだ金融庁検査が入っていない独法もありますが、私も少しかかわっている行政刷新会議の独立行政法人改革に関する分科会で、できれば今後、金融業務を営む独法も金融庁検査が可能なものについては金融庁検査を入れるべきだという意見を私は述べていて、そのような方向になりそうだということだとすれば、そういう独法についても、この震災対応も含めて、よりしっかりしたモニタリングが効くようになってくるのではないかと期待されるということだと思います。
それから、政策コスト分析でのフォローアップといいますか、そういうことも財投分科会としてはできるのではないかと思います。どういう形で政策コスト分析を提出していただくかは検討を要するかもしれませんけれども、少なくとも今後も財投機関であり続ける限りにおいては、毎年政策コスト分析が出てくるということでしょうから、そういうところもモニタリングのツールとしてはあるのではないかと思います。
〔 吉野臨時委員 〕関連でよろしいですか。信用保険の部分は全くここの中には入らないわけですが、もし信用保険で穴があくと、日本政策金融公庫を通じてお金が出ていってしまうので、何らかの形でこちらに来ると考えられるのか、それは全く独立していて、ここでは議論しなくていいということなのでしょうか。
〔 富屋理財局次長 〕少なくとも信用保険の勘定は借り入れが一切できないようにしてありますので、そこで穴があきますと、一般会計からの補填がなされるしかないという仕組みになっております。そういう意味ではこの世界とは全く切り離されているという整理だと思います。
〔 吉野臨時委員 〕それはどこかで議論されているのでしょうか。100%保証をずっと続けていいかとか、部分保証でというのは、どこかでそれは議論されていると考えてよろしいでしょうか。
〔 富屋理財局次長 〕信用保険の勘定には、すべて一般会計からお金を入れていますので、主計局を中心として、経済産業省、政策金融課の関係者で、どの程度の比率で保証すべきかということは常に議論されています。今回の震災については、保証枠を相当程度拡大したいということで、実際に出資金が予算計上されております。
〔 池尾分科会長代理 〕川村委員、どうぞ。
〔 川村委員 〕意見というか、感想めいた話になりますが、各委員のお話と関連しますけれども、1つは、今回の震災対応、その前はリーマン・ショックで危機対応。だんだん減らすのではなくて、この何年間かは緊急時が平時になっている感じがあるわけです。その場合、財投というものの本質に照らして、我々としては、今回のものは震災対応であれ、それは投融資として返ってくることを前提に当然議論しているわけだし、現時点ではそう思っているわけです。ただ、本心で100%大丈夫なのかということについて、ありていに言えば、本当にキャッシュフローが読めて、確実に元利ともに償還期間内に相当程度低いデフォルト率で返ってくるかというと、最後のところははっきり言ってなかなか自信が持てないというところもあるような気がいたします。つまり、投融資なのか、出し切りになってしまうのか、非常に限界点みたいな悩ましいところを財投が担っているという現実が、今回特に象徴的に出ていると思いますけれども、多分、リーマン・ショック以降、そうならざるを得ない状況で推移してきている。具体的な答えを持っているわけではありませんけれども、これは何とかどこかで然るべく底打ちをしなければいけないのだろうと、そういうことを問題意識として持っていなければいけないのではないかという点が1つあります。
もう一つ、それとの絡みで、何人かの委員からモニタリングというお話が出て、これは確かにそのとおりだと思いますが、なかなか難しいのは、例えばこの分科会でどこまでのモニタリングをするのか。それぞれの財投機関が投融資をしていますと、それは当然厳密な審査をしているはずであって、その全体像については、例えば理財局は理財局で握っているし、関係省庁もそれなりに二重三重に見ているわけですから、1つの融資と言っても、さらには個別の細かいところまで全部となれば相当な量になるわけでありますので、上がってきたものを我々が拝見している時間もなければ、多分専門的な能力もないと思います。
そうすると、モニタリングと言ったときに、どういう範囲で、どういうインターバルで行うのかというのは、実はあまり今まで議論していないような気がいたします。どこまでやればモニタリングになるのか。ここまでは最低やるべきだとか、頻度をどうするか。あるいは必要に応じて、前に土居委員がご尽力いただいた地方公共団体向け財投のワーキングチームといったものを設けるのか。モニタリングというものの方法論もしっかり議論しておいたほうがいいと。意見というか、印象を申し上げさせていただきました。
〔 池尾分科会長代理 〕はい、中島委員、どうぞ。
〔 中島専門委員 〕今のお話に絡みますけれども、先ほど質問した残高を見ると、危機対応で企業向けの支援が増えているということがありますが、確かに個別の機関については、それぞれの業務に照らして、あるいは緊急性に照らして細かい話が出てくると思いますが、民間金融機関でも、ある業種、ある特定の分野に一定の割合以上は資金を出さないように管理をするとか、上限みたいなものをある程度持っていたりするわけです。それがうまくいかなかったのが、例えば20年前の不動産バブルのときであったということになるわけですけれども、そういう意味で言いますと、先ほど来のモニタリングの話にも絡むわけですが、企業等金融支援として民間企業への貸し出しがこの数年増えてきていて、これが傾向的に増えてくるのだとすると、いわゆる財政投融資全体を統括したところで業種なり、地域なり、相手先の民間企業、あるいは住宅などは家計、さらには規模といった、リスクの所在をやや細かく見る必要があるのではないかという気がいたします。バランスのとれない形で、ある特定の分野にウエートのある投融資ばかりが増え続けるとなると、それはやはりリスクをそこへためていくということになりますし、経済全体のバランスから見ても崩れていくということになりかねないので、その意味では政策コスト自体は出ているわけですけれども、モニタリングというのを、やや統合した形で見るような工夫というのもあっていいのではないかと思います。
〔 池尾分科会長代理 〕確かに財投としてのリスク管理のあり方というのは、今、お二人の委員からの意見を含めて一度検討する必要があるような気がします。ただ、民間金融機関と同じようにクレジットラインを設定するのが財投の性格から言って適切かというような問題がありますので、またいずれ適当な機会を設けていただいて議論させていただきたいと思います。
〔 富屋理財局次長 〕財投計画の残高について若干補足をさせていただきます。この表をご覧いただいて、どこの残高が一番減っているかということをもう一度ご確認いただきますと、地方と、それから大きいのは住宅金融支援機構でございます。この住宅金融支援機構というのは、ご存じのように、かつて住宅金融公庫の時代に、過去の高金利の貸付金が繰上償還されたことによって収支差が非常に悪化したために、一般会計から補給金を出して、これではとても存続していけないという話や、財投機関として適当なのかという議論があって、結局、最終的には直接融資を原則やめるという方向転換をして、財投は出さないという整理をいたしました。今は、災害復旧住宅にだけ財投を出しているものですから、かつてはすごく大きな機関でありましたが、基本的に残高はどんどん減っていくということになります。
それ以外の政策金融機関についても、少なくとも平成10年代において、融資規模も、また残高も全体として減らしていこうという大きな方向感があって、かなり精査をして減らしてきた時期があるわけですが、日本政策金融公庫に転換したころから、リーマン・ショックとか、今回の震災があって、それぞれそのときの政策需要に応じて対応しているものですから、残高の減り方が抑えられたり、あるいは、日本公庫の国民一般向けや中小企業者向け融資のようにかなり減ったところから、むしろ増えたりしているというようなことがございます。
全体としますと、減る状態から横ばいぐらいになっていくというイメージを持っていただければと思いますけれども、特定のものに大きく貸し込んでいるということではないという認識がございます。
それから中小企業者向け融資の部分について、先ほど信用リスクの問題がございましたけれども、分科会でもいろいろご議論をいただいて、財務内容をよくしていただくような工夫もして、現時点では旧国民公庫も中小公庫も財務内容に問題はないという状況にございます。当然震災対応のような貸付をしますと、また財務状況が悪くなるかもしれませんから、そこは年々の政策コスト分析とか、さらにはバランスシートの分析もいたしますので、そういう中で問題があれば、この場でもご指摘いただきますし、私どもとしても、例えば一般会計から出資金を出してもらうとか、財務内容をよくしていただくようなことは毎年行っていくということだと思いますので、引き続きそういう観点でもご議論いただければと思います。
〔 池尾分科会長代理 〕ありがとうございました。ほかに何かございますか。予定の時間は過ぎておりますが、あとどうしてもというご意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
よろしいようでしたら、質疑はこれまでということにしたいと思います。
それでは、今ご議論をいただきました議案3件につきまして、本分科会として特に異論はないということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
〔 池尾分科会長代理 〕どうもありがとうございました。それでは、本分科会としては、異議なしということにさせていただきます。
それでは、最後に、田中理財局長からご発言をお願いいたします。
〔 田中理財局長 〕本日は師走のお忙しい中をご足労いただきまして、大変ありがとうございました。本日ご審議いただきました24年度の財政投融資計画につきましては、ご案内のように、例年より1カ月遅れで編成作業がスタートいたしまして、委員の皆様方には非常に活発なご議論をいただいて、ようやく本日を迎えることができたと思っております。
今のご議論に出てまいりましたが、東日本大震災の対応、それから日本の再生・成長力強化に資する計画、これがこの財投計画の役割だと思っておりますものですから、そういう意味でこれまでのご議論を踏まえた中身をまとめることができたのではないかと思っております。特に農林関係ですとか、あるいはPFI関係のファンドの機関の立ち上げについて、ガバナンスやエグジットの問題など、非常に懇切なご指導をいただきまして、それが反映できたというところで、各省庁とこれから連携しながら我々としてもしっかり対応してまいりたいと思っております。
今、最後のほうでご議論がございましたが、財投というものはどういう内容でどういう規模がいいのかということを常に議論していく必要があると思っております。これまでかなり大きな減額をしてきておりますけれども、さらに減らすべきところは減らすし、他方で世の中から求められているところはしっかりと対応していくということが大事だと思っております。先ほど申し上げましたように、日本の再生・成長戦略の中での役割というものもあるものですから、皆様方のご理解を得ながら、ご意見を賜って参りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。
〔 池尾分科会長代理 〕どうもありがとうございました。
それでは、本日の分科会はここまでとしたいと思いますが、本日使用した会議資料につきましては、すべて会議後回収ということになっております。改めて後日、事務局から決定ベースの資料が送付されるということですので、本日の資料は机上に置いたままにしてください。
それから、本日ご審議いただきました平成24年度財政投融資計画等につきましては、後日、事務局より記者レクを行わせていただくとともに、議事の模様につきましてはインターネット等で公表いたします。
本日はご多忙中の中、誠にありがとうございました。それでは、これで閉会にさせていただきます。
