財政投融資分科会(平成23年12月14日開催)議事録
財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録
財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第
平成23年12月14日(水)15:00〜16:43
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
-
1.開会
-
2.平成24年度財政投融資計画について
-
3.平成24年度財政投融資計画について(各論)
-
4.質疑・応答
-
5.東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法について(報告)
-
3.閉会
-
配付資料
資料1 平成24年度財政投融資計画について 資料2 平成24年度財政投融資計画について(各論) 資料3 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法について(復興財源法) -
出席者
分科会長
富田俊基
田中理財局長
富屋理財局次長
美並総務課長
中尾財政投融資総括課長
渡辺管理課長
成田計画官
山根計画官
馬場財政投融資企画官
今井地方財務分析官
木勢資金企画室長
委 員
川村雄介
土居丈朗
臨時委員
池尾和人
吉野直行
専門委員
冨山和彦
中島厚志
原 田 喜美枝
松田修一
〔 富田分科会長 〕予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。
本日は、お手元の議事次第にございますとおり、「平成24年度財政投融資計画」の審査状況と、「復興財源確保法」についてを議題といたします。
それでは、最初の議題の「平成24年度財政投融資計画」につきまして、中尾財政投融資総括課長に説明をお願いいたします。
〔 中尾財政投融資総括課長 〕では、早速ですが、資料1の表紙をおめくりいただいて、平成24年度財政投融資計画の案をご説明いたします。
上段の文章に来年度の基本的な考え方を記載させていただきました。平成24年度財政投融資計画におきましては、引き続き対象事業の重点化・効率化を図るとともに、現下の厳しい経済・財政事情を踏まえながら、税財源によらない財政対応の重要性を勘案し、東日本大震災からの復興及び日本再生・成長力強化に積極的に対応していきたいと考えております。
また、震災復興対応として被災事業者等の資金繰り支援等に十分な規模を確保するとともに、日本再生・成長力強化のため、産業投資を中心に、資源獲得戦略の強化等に対応することといたしまして、現段階でということでございますが、計画規模は総額17兆円台半ば程度となる見込みでございます。23年度の当初と比較いたしますと、10%台後半の伸びとなりますが、震災対応分を除きます、いわば通常分では逆にマイナス10%弱となるのではないかと見込んでおります。
下の計数表でございますが、分野別にご覧いただきますと、企業等金融支援関連について今年度の当初は4.9兆円でございましたが、来年度は7.1兆円程度と。これは後ほどご説明いたしますが、このうち、震災復興分が半分近くを占めておりまして、いわば震災復興対応に重点化をしているところでございます。
それから、地方につきましては、要求段階では仮置きで4.5兆円程度としておりましたけれども、地方財政全体の調整を受けて最終的な計数が決まりますので、今後調整としております。
それから、海外投融資等支援関連でございます。23年度は、2.0兆円でございましたが、来年度は1.2兆円程度と見込んでおります。減額となりました主な要因は、国際協力銀行が、財務省が夏に発表いたしました外為特会からの資金を活用して円高対応を行うということで、その影響もあり財投が、要求段階から0.9兆円減っていることによります。ただし、これも後ほどご説明いたしますが、この分野については、資源獲得戦略ということで、JOGMECなどに積極的な対応をいたしたいと考えているところであります。
次の教育・福祉・医療関連でありますが、23年度1.1兆円に対して1.3兆円程度ということでございます。こちらにつきましては、福祉医療機構の震災対応分を含めた資金需要ですとか、日本学生支援機構の奨学金の関係で増加してございます。
それから、その次のその他としておりますが、23年度2.4兆円に対して、来年度3.4兆円程度となってございますけれども、この中で数字が大きな機関といたしましては、日本高速道路保有・債務返済機構が既往債務の償還等で0.6兆円ほどの増加となっていること、さらに、震災対応の関係で、住宅金融支援機構、都市再生機構などで0.3兆円程度を確保することとしていること等が増加要因となっております。
原資別の欄を見ていただきますと、財政融資につきましては、本年度10.9兆円に対しまして、13兆円台半ば、産業投資は、23年度にパッケージ型インフラ輸出ということで、JBICに2,000億円を措置いたしましたために、これとの比較で24年度は減少となっておりますけれども、一昨年以前の規模感と比較してみますと、0.2兆円程度というのは大きなものになっていると言えようかと考えております。
それから、政府保証は、先ほどの道路機構等の要因もあって増えております。
次のページで、震災復興への対応についてまとめさせていただいております。震災対応としては、当年度、1次補正で4.3兆円、3次補正で1.3兆円、合計で5.7兆円の追加をいたしました。来年度につきましても、引き続き積極的に対応することといたしております。
その下、いずれも調整中の金額ではございますが、各項目の横に震災対応の財政投融資の額、横に括弧でくくってある計数は、機関あるいは業務全体の財政投融資の総額となっております。
1つ目の、日本公庫につきましては、後ほど資料2で詳しくご説明いたしますが、危機対応融資、それから中小・小規模企業向け融資にそれぞれ現時点で1.3兆円、2兆円弱という規模で調整している状況でございます。
なお、危機対応につきましては、財投とは別に、万が一資金の需要がより高まる場合もありますので、政府保証債の5年未満も措置をするということで対応していきたいと考えております。
また、(2)の下の2行目ですが、被災中小企業向けの資本性資金の供給ということで、産投貸付50億円を措置したいと考えております。
次の日本政策投資銀行につきましても後ほどご説明いたしますが、0.2兆円の対応を予定しております。
それから、地方公共団体につきましては、調整中としてございますが、本年度の補正では0.9兆円、1次補正で追加をいたしました。この時点では災害復旧事業費等の地方負担分の地方債の引き受けを予定していたわけでございますが、秋の3次補正で被災した地方自治体については、一般会計で震災復興特別交付税という形で、いわば起債しなくても済むような対応がとられております。来年度予算におきましても、被災した地方公共団体につきましては、一般会計の地方財政措置がなされる見込みでございますので、来年度当初での財政投融資の対応は全国の緊急防災・減災事業に係る地方負担分ということになる見込みでございます。
以下、ご覧のとおりの対応を考えておりまして、一番下のその他で都市再生機構の事業として被災自治体の要請に基づく災害公営住宅の整備とございますが、これも後ほどご説明をいたします。
次のページをお願いいたします。こちらは日本再生・成長力強化ということで、財投といたしましては、産業投資を中心に積極的に対応していきたいという考え方でございます。
主な例でございますけれども、1点目がJOGMECでございます。23年度の121億円の産投出資に対応する24年度要求は947億円でございまして、これに精査を加えて900億円程度という規模を予定しております。
それから、2つ目は産業革新機構でございます。医療、介護、環境エネルギーという分野で、当初要求は100億円でございましたけれども、その後、M&Aの事案の推進といったような議論もさせていただいておりまして、最終的には200億円程度で調整を進めているところでございます。
3番から5番までは後ほど資料2で詳しくご説明いたしますが、農林漁業の新しい機構について300億円、独立採算型等のPFI事業の推進のための機構に対して50億円、それから福祉医療機構、こちらは財政融資でございますけれども、都市部における介護施設等の整備を進めるため、130億円程度で新しい事業を検討しているところでございます。
4ページ目が過去からの推移でございます。ご案内のとおり、財投改革以降、ご覧のような推移を経ておりますけれども、23年度から24年度にかけて、冒頭申し上げましたとおり、24年度の仕上がりは現時点では17兆円台半ばということで、23年度当初と比べれば増えておりますが、23年度補正後との間ぐらいにあるといった規模感になっております。
資料1につきましては以上です。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。続きまして、平成24年度財政投融資計画の各論につきまして、成田計画官に説明をお願いいたします。
〔 成田計画官 〕それでは、資料2をご覧ください。7つの機関についてご説明をさせていただきます。議事次第にございますように、この7つの機関のうち、上の3つが前回の分科会でのご指摘などを踏まえまして、補足説明をさせていただくものです。次の2つが前回の分科会以降に追加要求がなされたものであります。下の2つ、福祉医療機構と都市再生機構は震災対応や日本再生のため、財投の活用策という観点から、当初要求にはなかったものですが、理財局のイニシアチブで財投を措置するものでございます。
1枚めくっていただきまして、まず1ページ目、日本政策投資銀行でございます。震災関連や、新規取り組みといった成長分野支援を含む多様な資金需要に対し、資金供給を行うとしております。復興に必要な資材等の増産のための事業資金、直接被災していない企業や、工場の耐震増強工事のための事業資金。この2つは震災関連となります。総合特区制度指定区域内で行うプロジェクトの事業資金等、これは新規取り組みの1例として掲げております。その結果、財政投融資8,500億円を予定しております。
前回の分科会でご紹介いたしましたDBJの要求内容は、事業規模で見ますと、23年度当初の1兆6,000億円に加えまして、震災関連が2,000億円、新規取り組みが2,000億円、合わせて4,000億円の増加となることに伴いまして、財投機関債の発行額は維持したままで、4,000億増加部分につきまして、財政投融資を追加してほしいというものでありました。
これまで中身を精査してまいりました結果、震災関連部分は要求どおり2,000億円を認めるものの、新規取り組みの中には通常分で対応するものなどと重なりが見られるということもあることを踏まえまして、2,000億円の要求のうち500億円を認める予定としております。その結果、事業規模は1兆8,500億円と、23年度当初比で2,500億円の増加とする予定であります。
この2,500億円の増加分をどのように資金手当てするかという点につきましては、DBJが完全民営化に向けて平成20年に株式会社化して以降、自力での安定した資金調達体制への移行過程にあるということを踏まえまして、事業規模の増加に応じた一定割合を財投機関債で措置することといたしまして、具体的には500億円増の4,000億円とする予定でございます。
続きまして、次のページをご覧ください。DBJの自己調達の状況です。DBJによりますと、民営化以降、IR活動を通じた投資家層拡大等に努めてきており、DBJの自己調達、財投機関債と民間借入を合わせたものですが、これにつきましては徐々に増加させる計画を策定してきているところであります。グラフは、ピンクが民間借入で、緑が財投機関債、合わせた自己調達額を折れ線で示しております。24年度は一番右の点線で書いてあるところですけれども、この推移に沿ったものとなる予定であります。
それから、具体的な数字としましては、下の表の一番右側ですけれども、24年度は財投機関債と民間借入を合わせまして6,600億円と、前年比500億円の増となる予定であります。
前回、財政投融資と財投機関債とでコストがどの程度異なるのかをイメージして議論する必要があるのではないかというご指摘をいただいておりますが、リーマンショック直後の時はスプレッドが40ベーシスポイント以上と高くなりましたが、最近は落ち着いてきて、ここ半年ほどは10ベーシスポイントより低い水準で推移していると承知しております。
次のページをお願いします。農林漁業成長産業化支援機構であります。この農林ファンドにつきましては、前回の分科会でガバナンスと出口戦略についてのご指摘が多かったことを踏まえたものでございます。左側の真ん中のところにまずガバナンスの考え方を書いております。1つ目の○ですが、機構は主務大臣が策定した支援基準に沿って、地域ファンドからの承認申請を受けて投資の可否を決定する。最終決定権はあくまでも親ファンドである機構にあるということを確認しております。
2つ目の○ですけれども、機構は、地域ファンドの投資状況や投資先の経営状況をモニタリングし、必要に応じて状況改善を勧告するということです。
続きまして、右側の出口戦略の考え方ですけれども、真ん中の2つ目の○、投資エクジットは、投資先企業による自社株買いが中心ということです。投資先企業の買い取り余力はさまざまかもしれませんが、それに応じまして、全株の売却をしたり、あるいは、漸次売却を進めていくということを考えております。
また、次の○ですけれども、民間出資者へのオプション等のインセンティブも必要に応じて今後検討していくということであります。
なお、右下の投資のスキーム図に※で資本性劣後ローンというものを入れております。当初の要求では出資金200億円のみだったわけですけれども、農水省とこれまで調整してまいりました結果、民間投資の呼び水として劣後ローンを導入し、その財源として産投の貸し付けを措置することとしたいと考えております。これが100億円で、合わせて300億円ということになります。
次に5ページをお願いいたします。真ん中あたりの水色で囲んだ2行の文章を読ませていただきます。「6次産業化を促進することにより、輸出振興等を通じて全体の付加価値を高め、農林漁業者のみならず2次、3次産業も含めて利益を享受することができるようになることが期待される(win-winの関係)」ということで輸出振興につながる事業に重点を置くという方針を示しております。これは国内事業の場合ですと、その内容にもよりますが、2次産業、3次産業において、いわゆるゼロサムの結果にしかならない場合も否定できないわけですけれども、輸出振興につながる事業であれば、一番下に記載しておりますように、「輸出による新たな海外市場の開拓」を通じて、1次産業から3次産業まですべてがwin-winの成果を上げることが期待されるという考え方に基づくものであります。
次は、日本学生支援機構であります。
7ページをお願いいたします。これは学生支援機構の債権回収強化等の取組みについてでございます。まず下から2つ目の黄色い部分で学校との連携というところです。適格認定の厳格な実施ということですが、この適格認定とは、在学中の学生に対し奨学金を貸与し続けるのが適当かどうかを大学がチェックするという制度でありますが、前回の分科会でこれがしっかり行われているのかというご指摘があったことを踏まえまして、当方から学生支援機構に対しまして調査をしっかり行うよう要請をいたしたところです。その結果としまして、この欄の下の2行ですけれども、実施状況について機構がこれまでの抽出調査から悉皆調査に移行することといたしました。23年度認定より大学が停止や廃止に至らない警告と判断した約1.1万件分につきまして、警告にとどめるのが妥当なのかどうか、停止や廃止にする必要はないかということを機構が全件確認するということであります。
続きまして、上のほう、回収強化策でございます。前回の分科会で回収をサービサーに外部委託していることについての費用対効果についてご指摘がありました。おさらいになりますが、ここに書いてありますように、延滞初期における督促の集中的実施を平成21年の10月から行っております。延滞初期、1カ月から3カ月の段階で外部委託を活用し、本人、連帯保証人及び保証人に対する架電督促・通知、更にサービサーによる回収への移行や個人情報機関への登録を予告するということをしております。
2つ目の○ですが、債権回収業者による回収の促進ということで、延滞4カ月以上の債権について、訪問督促や架電督促の集中実施など、外部委託を積極活用しているという状況にあります。
次のページをご覧ください。学生支援機構の組織体制についてですけれども、上の表にありますように、独法化された平成16年度から23年度にかけて、貸付規模につきましては1.9倍、残高につきましても、3.2倍に増加している状況です。それに対しまして、役職員数は9%減少しているというわけであります。このような厳しい状況で平成21年度より外部委託による債権回収を本格的に実施しております。
次の2つ目の外部委託の費用対効果のところですけれども、前回の分科会ではこの点のご質問に対して機構からは、この下の表にあります中で、新規延滞者の欄の22年度の数字、委託手数料が1億400万円で、回収金は16億7,700万円という回答でありました。
今回はこれに加えまして、1,000円回収するのに必要なコストを示しております。22年度については新規延滞者が62円であるのに対して、既延滞者でありますと106円となります。
続いて、(2)の効果の検証のところですけれども、@ですが、延滞者に対する督促にかかる回収コストは、初期段階、すなわち新規延滞者のほうが低い結果となっておりまして、この初期段階で外部委託を積極的に活用することの有効性が認められるということがあります。
Aですが、上記の既延滞者分の外部委託の回収コストは、本格的な外部委託が実施される前の平成20年度における機構の延滞債権の回収コスト、これはここに記載しておりませんが、120円から130円の間であるという試算結果に比べますと、106円ですので、低減しているという判断ができると考えております。
もう一つの費用対効果の見方といたしまして、全体的に見て外部委託の効果がどの程度あると考えられるかということでありますが、Bに書いておりますが、延滞債権の回収率の推移を見ると、20年度の25.2%から22年度は28.7%へと向上しており、金額換算で41億円の増収となっているとしております。
次のページに資料をつけておりますので、次のページをご覧ください。これは期首に延滞者であったものの回収状況についての数字であります。上の表が20年度、一番右の合計欄ですが、黄色い部分が今申しました回収率25.2%、下の表が22年度で、回収率は28.7%となっておりまして、20年度に比べて3.5%ポイント改善しております。この28.7%という回収率は、すぐ左横にあります要回収額1,148億円に対する、回収額330億円の比率でありますが、先ほど申しました改善分3.5%ポイントを、この22年度の要回収額1,148億円に掛けたものが41億円ということであります。
前のページに戻っていただきまして、先ほどの続きですが、下から3行目ですけれども、この増収の要因の1つは、外部委託によるものと考えられますので、22年度の外部委託費が3億500万円であることを踏まえますと、一定の費用対効果が確認できるのではないかと考えております。
続きまして、2ページめくっていただきまして、10ページですが、日本政策金融公庫(危機対応円滑化業務)です。前回の分科会では具体的な金額が定まっておりませんでしたが、現在固まりつつあるということであります。真ん中の表にありますが、一番右の24年度計画、事業規模が2兆7,320億円、財政投融資は1兆6,320億円を予定しております。この差額につきましては、下の図の左側のほうにありますけれども、5年未満の政府保証債を手当てすることとしております。
次のページでございますが、日本政策金融公庫の国民一般・中小企業者向けの業務であります。こちらも前回のときには金額が定まっておりませんでしたが、現在固まりつつあるということであります。
右側の表の一番右ですけれども、事業規模では24年度の計画は国民一般向けが3.3兆円、中小企業者向けが2.8兆円、合計6兆円であります。このうち、震災対応となる見込みの部分につきましては、最終調整をしているところです。財政投融資につきましては、一番右側の24年度計画は、国民一般向けが2.3兆、中小企業者向けが1.9兆、合計で4.2兆ということでございます。
続きまして、次のページでございますが、民間資金等活用事業推進機構であります。前回の分科会以降に内閣府のPFI推進室から新規に要求がなされたものであります。背景につきまして若干ご説明させていただきますと、囲みの中の1つ目の○ですけれども、「新成長戦略において、国・地方の厳しい財政状況の中、既存インフラの維持更新や真に必要なインフラ整備のため、2020年までにPFI事業の規模を倍増させる(11年間で事業規模約10兆円以上)との目標」が掲げられております。この新成長戦略を受けて、与党民主党はこのインフラファンドを24年度には実現させるという強い意向を示しております。内閣府のほうで、このスキームを固めるのに少々時間がかかりましたため、このタイミングでの要求となった次第であります。
囲みの中の2つ目の○ですけれども、「この目標達成のため、国の資金を呼び水として、インフラ事業への民間資金の流入を図り、PFIの事業化促進及び民間主体による自立的なインフラ投資市場の形成を図るための支援スキームの導入を検討」するということであります。
3つ目ですが、「独立採算型(コンセッション方式含む)等のPFI事業に対し、官民が連携して設立するインフラファンドである(株)民間資金等活用事業推進機構(仮称)が金融支援(劣後債、優先株への出融資等)を行うことにより、社会資本の整備、維持管理にかかる財政負担の縮減や民間の事業機会の創出を図る」としております。要求額は投資勘定からの出資として50億円となっております。
ここで、今申しました独立採算型につきまして若干説明させていただきますと、従来のPFI事業として主に行われておりますのは、サービス購入型と呼ばれるもので、代表例は庁舎の建設などでありますけれども、PFI事業の発注者である公共部門から支払われる対価が収益となります。
一方、この独立採算型は、PFI事業の施設の利用者から徴収する料金が収益となるものであります。例えば水道事業であれば、住民からの水道料金、空港事業の運営であれば、旅客からの空港使用料等が収益となります。また、コンセッション方式とは、施設の運営権をPFI事業者に付与する方式であります。
本件のインフラファンドが独立採算型を主たる対象といたしますのは、今申し上げた料金収入がどれくらいあるかなど、需要見込みにリスクが伴うため、これまでのところ独立採算型のPFI事業があまり実施されていなかったということによるものであります。
次のページをご覧ください。このインフラファンドの概要ですけれども、上3つは重複しますので、省略させていただきまして、4つ目の投資手法でありますが、「民間金融機関や投資家、事業者からの調達が困難と想定される、ミドルリスク・ミドルリターンのメザニン部分(劣後債・優先株等)への出融資が基本。(小規模事業についての普通株の取得も検討)」としております。
投資戦略ですが、「安定的なキャッシュフローが見込まれるインフラ事業から、利息・配当収入の長期的・安定的な獲得を目指す」としております。
配当戦略ですが、「投融資先から配当金・利息、取得株式・債権の売却により生じるファンドの剰余金の配当は、投資戦略を勘案して判断する。」
回収期間は「5年から15年程度。」
業務の終了は、「新規投資を一定期間で終了し、その後保有資産を売却、業務を終了する」ということであります。
次のページですが、事業規模のイメージです。総事業費は年間で約250億円。これは過去の独立採算型PFI事業の施設整備費の平均から算出しているということです。国費の投資割合は総事業費の20%、メザニンの割合が総事業費の3割程度と想定しまして、メザニンの3分の2を国費にて支援するものと想定しております。
したがいまして、国費の必要額は250億円掛ける20%で、年間約50億円ということであります。
売却倍率は1ということですが、これはPFIは利用者の数が安定している公共サービスが対象でありますので、債権・株式の価値の増大は見込まないということです。
収益率は、一般企業・不動産投資の株式、債権等の収益率等の水準から5%から10%程度に収斂すると想定しているということです。
次のページでございますが、では、想定される案件例としてどういうものがあるかということですが、1つ目がA市の下水道事業であります。数行下にスケジュールとありますが、平成23年度は公共施設等運営権方式を含めたPPP事業の導入可能性について調査を実施しており、今年度中に調査結果が出る予定でありまして、来年度中に本件ファンドの対象となる可能性もあるということであります。
それから、次の案件としましては、下の○ですが、国管理空港の運営事業ということで、4行目ですけれども、国管理の27空港につきまして、国交省は空港経営改革の方向性を提示しており、その中で、コンセッション方式を主たる手法として想定するとしております。一番下のスケジュールですけれども、平成26年度以降に公共施設等運営権の活用を含め、運営委託等手続の開始が予定されております。したがいまして、来年度直ちにこのファンドの対象になるわけではございませんが、設立後二、三年後には空港案件も出てくることが想定されるということであります。
次のページですが、こちらは、現在国交省において先導的官民連携支援事業として導入可能性の調査が行われている11件を記載しております。これらは本件ファンドの対象となり得る候補ということになります。
続きまして、次のページ、福祉医療機構でございますが、こちらは国有地等を利用した社会福祉施設の整備の促進についてであります。若干手前みそで恐縮ですが、先ほど申しましたように、理財局のイニシアチブで措置するものでございます。
現在、囲みの中ですけれども、大都市部では介護施設の整備が遅れている。これは地価が高いこと、まとまった広さの土地が少ないことが大きな要因です。そこで、大都市部の国有地等を有効活用することとし、施設の設置場所が大都市部であること、施設の総床面積が法定容積率の一定割合以上であること、この2つの要件を満たす場合に、福祉医療機構の融資条件を緩和する新たな融資制度を創設するというものです。これは都市部での施設を一定程度高層化しまして、土地を高度利用して施設整備を促進しようという趣旨でございます。
その融資条件につきましては、右側の図の中にありますが、現在融資率が原則75%であるものを90%に拡大する。また、融資限度額については、担保評価額の70%であるところを、これも90%に引き上げる。あるいは、償還期間、据置期間についても、優遇措置を検討するということであります。
左側の図の中に囲みが2つありますけれども、高層化して複数の社会福祉事業、介護、保育、障害者等福祉施設等を一体的に整備することで、収入増、費用の節減ということも期待しているところであります。
なお、この欄の一番下の※2ですけれども、必ずしも国有地には限定せずに、公用地や民有地についても同様に優遇した融資条件を適用することとしております。
次のページが、最後、都市再生機構でございます。災害公営住宅の整備支援ということで、災害公営住宅につきましては、市町村自らが実施できる事案ではありますが、現在の被災地、自治体の人手不足の現状等を踏まえまして、財投を活用して都市再生機構に実施していただこうということを理財局から提案して措置するものであります。
囲みの中を読ませていただきますと、「市町村からの要請に基づき、URが調査、測量から建設までを行い、完成後に市町村に譲渡。そのため、URが必要となる資金を財政融資で措置」いたします。5年の融通条件です。
整備費用の負担割合は、復興交付金を活用する場合、国が8分の7、市町村が8分の1となります。市町村は建物引き渡し時に地方債等を活用して、買い取り費用の全額を支払う一括払い型か、建物引き渡し時に国庫補助額分8分の7を支払い、残金については長期割賦で返済する割賦払い型のいずれかの方式により、URへ支払いを行うこととなります。このための措置として、事業費433億円、財政融資144億円を予定しております。
以上で私の説明とさせていただきます。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に対しまして、ご意見、ご質問等ございましたら、どなたからでもお願いいたします。吉野委員、どうぞ。
〔 吉野臨時委員 〕最初に質問させていただいて恐縮です。資料1のところで、2つ質問がありますが、JBICが外為特会から借りる資金の年限と、財投からの年限がどうなっているのかが1つです。
それから2つ目は、震災復興については復興債という議論があったと思いますが、財投を通じる場合も、財投債の中に復興債というのが含まれるのか、そうでないのか、教えていただきたいと思います。
それから、資料2の12ページの図について、数字は14ページに出ておりますが、国費の投入割合が20%であるということを最初から決めてしまうような説明に聞こえましたけれども、本当はこの右側のPFI事業からの収入がどの程度になるかによって、この比率を変えたほうが民間の投資家にとっては魅力がある場合も出てくると思われるわけです。
それから、既存のインフラのことをブラウンフィールド、それから新しいインフラについてはグリーンフィールドといいますが、諸外国ではブラウンフィールドは、既に収入がわかっていますからやりやすいのに対して、グリーンフィールドだと、わからないですから、結構失敗も多いわけです。最初にやられる場合にはブラウンフィールドで、例えば既存の下水道事業とか、それから空港でもある程度できているところからやり始めていただくと、ほとんど間違いなくこれができるという経験がオーストラリアなどではあるようです。以上です。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。それでは、先にお答えいただけますでしょうか。
〔 中尾財政投融資総括課長 〕まず、2点目の財投債と復興債との関係でございますけれども、財投債とは別に、復興債ができるということでございます。来年度は復興のための特別会計を設置する予定と聞いておりますけれども、従来一般会計でやっていったような事業を中心に復興債を発行して資金調達すると。その財源としては、復興の付加税ですとか、あるいは私どもの関係で言えば、財投特会の剰余金なども使っていくということになる見込みであります。
〔 成田計画官 〕私のほうからは、JBICと外為の年限についてでございますが、外為からJBICへの年限は5年であります。他方、財融からJBICに出しますのはもっと長いものもありますので、そこで年限の幅に違いがございます。それから、インフラファンドの点で、国費の当たるものがメザニン20%ということですが、これは一応の規模を決めていくための想定として出しているものでございまして、吉野委員がおっしゃったとおり、実際に出す率は、それぞれの事業ごとに内容を吟味して決めていくということになると想定しております。
それから、ブラウンとグリーンというお話、どうもありがとうございます。基本的にはリスクがある事業を、このファンドがリスクをとって進めていくことが有用であると判断できる案件を優先してやっていくということになろうかと思いますが、先生のご指摘も踏まえながら、さらに検討を続けたいと思います。
以上です。
〔 富田分科会長 〕土居委員、どうぞ。
〔 土居委員 〕ご説明どうもありがとうございます。まず1点目は、資料2の3ページのところで、農林漁業成長産業化支援機構の件ですけれども、今般産業投資からの貸し付けが100億円追加されるというご説明については理解をいたしましたけれども、財政投融資とこの機構との間の関係で、出資というのは、ご承知のように、出資者としてのモニタリングといいましょうか、出資者として事業のリスクを見計らいながら、もししかるべき収益が上がった場合には配当を受けられるということが想定されるわけですが、貸し付けの場合は要は元本がきちんと償還確実なものになるよう運営してもらいたいというようなことで、時と場合によっては出資者という立場と債権者という立場が利益相反する可能性があると思います。この点について今どのようなご配慮をお考えになっておられるのかというのをお聞かせいただきたいと思います。
それから、もう1点は、民間資金等活用事業推進機構について、これは出資に限っているという点では、利益相反という話はなくて、わかりやすいスキームだと思いますけれども、先ほど吉野先生がおっしゃったように、PFI事業も、色々なリスクがあって、かつてのPFIでは必ずしもうまくいかなかったというケースもありますので、願わくば、過去の経験を生かした形で今般のこの機構の事業が営まれるということを期待したいということです。何か今までの計画、ないしは要求の中で、この機構がそういう過去の経験を踏まえた形でよりよい事業展開を考えておられるというような話があれば、それをお聞かせいただければと思います。
〔 富田分科会長 〕関連してご質問ないでしょうか。どうぞ、原田委員。
〔 原田専門委員 〕吉野委員、土居委員に追加で、民間資金等活用事業推進機構について少しお伺いします。
財政難の政府にとって支出を削減できるということで、PFIを導入する必要性というのはあると思っています。ただ、幾つかここにある案だけではちょっとわかりにくい面がありまして、まず1つ目は、リスクの配分ということで、資料を見ますと、メザニン部分を国がある程度持つということになっていますが、客観的にリスクをどう評価するのかとか、リスク配分がどうなっているのか。これをやるに当たって国と地方が両方かかわるわけですが、国はともかく、地方のほうに十分な経験があるのかどうか。多分空港ということになると、地方の案件が多いと思いますので、経験という面ではどうなのかという点が多少気になるところであります。
これは与党が力を入れている事業だと思いますが、資料1のほうを見ますと、この事業の規模が、3ページにあります50億円になっているのに対して、3番目の農林漁業成長産業化支援機構は、100億円増えて、総額300億円程度になるということで、事業規模で見れば、前回の分科会で非常に議論のあった農林漁業成長産業化支援機構のほうがはるかに大きくなっていることについて、もう一度100億円を増やした経緯をご説明いただければと思いました。以上になります。
〔 富田分科会長 〕松田委員、どうぞ。
〔 松田専門委員 〕どうも説明ありがとうございました。資料2のほうですが、ここでの議論は国としての資金の出し手の一番川上のほうでどのように予算配分していくかという議論になろうかと思いますが、私は一番川下のほうにいつも立っているものですから、結局川上から流れてきた資金が日本をどう維持するかということと、維持しているだけではどんどんコストが高くなりますので、輸出資源も含めた民間パワーがより発揮できるように生かされた資金になるのかと、こういうような視点でいつもご説明を伺っております。そういう意味で3ページ、多くの方からのご質問と重なる面もあるかと思いますが、まず、投資スキーム図のところで、過去、こういうファンド、業種指定とか、地域ファンド、幾つもつくってきて、どうも効果があったかどうかという反省、政策評価といいますか、それがないままに、次々とこういうものが出てくると思っておりまして、過去若干のかかわりがあったところで、反省も含めてまずお聞きします。まず3ページの投資スキームのところで、民間からも資金を集めて地域ファンドをつくっているわけですが、地域というのがどの単位なのかということです。県単位、それでは小さ過ぎるのか、もっと小さいほうがいいのか。と申しますのは、民間の資金といった場合に、多分県単位となると、全金融機関、信金も含めて全部入るようになっていくのが多いと思いますが、大体うまくいったケースがないという気がしております。そういう意味で、地域ファンドの対象、単位をどのようにお考えでしょうか。
それから、民間がここに入って融資ではなく出資をして、しかもハンズオンということで、ガバナンスを効かすということですが、文句を言っているだけではガバナンスは効かないわけで、代表者を更迭するぐらいの気持ちでないとうまくいかない。そうすると、出資割合をどう考えるか。これは民間のベンチャーキャピタルがベンチャーに対して投資を行うときと同じような議論が出るかと思います。
それから、一番大きい問題は、6次産業事業者、立案するのは随分前から検討されていて、申請が出されて、審査を経て、資金を出すということになるわけですが、審査のスピード軸をどのようにお考えでしょうか。それぞれの審査セクターの方がまじめであればあるほど審査などが長くなりますが、これがあまり長過ぎると、関係者の意欲を大きく阻害してしまうというような過去の例もあります。今の3点がここでお聞きしたい中身でございます。
それから、今のPFI、これは確かにニーズは非常に多いと思いますが、過去のPFIで大成功という事例はあるのかということになると、なかなか疑わしい。先ほどの出口論との関係で、PFIで行った事業が海外にパッケージとして輸出していけるような状況かといった場合に、先ほどのご説明では、あまりにも事業を細分化しているのではないかというような気がいたしました。細分化したものは採算的には良くても、パッケージとしての能力はなかなか発揮できないのではないかという気がしています。
それから、先ほど空港の話は、アセットということでよろしいでしょうか。空港の運営全体を1つのパッケージとしてみれば、空港はおもしろいなと思いました。しかし、上下水道の上水と下水を分けてやる意味がどこにあるのかとか、上下水道というのは世界ではどこでもパッケージ化されているのに対して、日本だけがばらばらに行われているという問題を、どうにかPFIという事業で一本化してやるというようなことが考えられないかということがもう一つであります。
それから、17ページの福祉のところで、これは土地活用ということで出ているかと思いますが、現在、あまり活発に利用されてないビルがたくさんあります。改めて新しいものをつくるというのは、土木事業者や、建設事業者の支援が目的でしょうか。それがまた明確に出ていればいいですが、最終的に福祉医療関係の支援だということであれば、どうしてこれをこういう方法論でしなければいけないのかということが1つの疑問として出てくるかと思います。
いろいろなことをご質問して申しわけありませんが、よろしくお願いします。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。では、川村委員、どうぞ。
〔 川村委員 〕1つは、なるべく簡単にお聞きしたいと思いますが、農林漁業成長産業化、あるいは民間資金等活用事業について、志は大変立派だし、いいと思いますけれども、正直申し上げて、失敗と言うと言い過ぎですけれども、うまくいかないリスクも結構あるのだろうと。うまくいかなかった場合のエグジットというか、償却についての考え方が、どういう処理になって、どういう覚悟を決めているのかということをお聞きしたい。もちろん失敗を前提にするということではないですけれども、各委員からもご指摘があったように、なかなかこのスキームは、アイデアとしてはおもしろいけれども、いざ現実にやってみるとうまくいかないケースも多いし、PFIについても、代表的な失敗例というのは2つ、3つすぐ挙がってきますが、成功例というのはあまり聞かない。それから、コンセッション方式も随分喧伝されておりますが、実際現場から聞いてみると、法律が変わったといっても、まだまだ使い勝手が悪いとか、それから、先ほどの上下水道一体化の議論でも、上水道と下水道とでは、収益性が全く違うので、一体化してしまうと片方に引っ張られてしまうというように、各論レベルになると、本当にいろいろ難しい問題が出てくる。私も東北の復興支援に若干かかわりがあったときに、難しいと思った経験があります。
そういうことを踏まえて、うまくいかなかったときに、そのリスクテイクを財投としてどのように処理し、どういう覚悟があるのかということを全体として伺いたい。
その関連で言えば、例えば学生支援機構について、改めて、先ほどのご説明を伺ってみると、例えば9ページの22年度を見ても、20年度を見ても、延滞額の半分以上が3年以上の延滞となっています。しかも、これの回収率が非常に悪い。そうすると、先ほどの前段の質問と同じことですが、これを経理処理上、どこからを不良債権として分類して、それをどうやって償却するのかということ。もう一つは、細かい話ですが、回収コストとの兼ね合いで、想像どおり、延滞すればするほど、ものすごくコストが高くなってくる。しかも、回収率もすごく悪くなってくる。そうすると、どこかで見きわめをしなければならないのではないか。例えば何年以上延滞になったらこう処理するとか、回収しようとしてもとれない部分をどうするのか。この辺についての対応についても関連してお聞きできればと思います。
〔 富田分科会長 〕それでは、4人の先生方のご質問、回答をお願いいたします。
〔 成田計画官 〕土居先生の利益相反についての前に、まずインフラファンドの過去の経験を生かせるかというご質問にお答えします。まだ正直具体的にこういう案件でこういう事例で生かせるというところまでは把握しておりませんけれども、識者からもお話を聞きますと、最終的には収益性を見きわめる目利きのある人材をそろえてやっていくことが最も肝心であるという声が多いものですから、このスキームはスキームとしまして、実際の運営のときにそういう人材をきちっと確保していくということが重要であるという点で、要求官庁と我々の間でもコンセンサスをつくっているところでございます。
それから、原田委員からの地方の経験が十分であるかという点につきましては、実際この独立採算型のPFI事業というのは、これまでまだ11年間で17件程度しかないという状況でありまして、おそらく地方の経験は不十分ではないかと思います。そこで、今、内閣府のPFI推進室も、関係者に対していろいろ説明会などを開きながら、今後さらに地方のほうに、そういう経験や、ノウハウを身につけていってもらおうということを考えているということです。これは、このインフラファンドができました場合には、インフラファンド自身も付随業務として、そのようなPFI事業の啓蒙を部分的にはやっていくということも検討しているということでございます。
それから、農林ファンドの100億円増の背景ですけれども、こちらは、先ほど松田先生からのご指摘もありますが、最終的な6次産業事業体に出資する割合が、今のところ、地域ファンドが半分、それから農業の経営者が4分の1、それから、パートナーとなる商工側の企業が4分の1というような形で出資をすることが想定されております。そうしますと、この2分の1という経営参画の割合をこれ以上高めずに、しかし、かつ、民間資金の呼び水効果を高めるために、資本性の劣後ローンを入れるという考え方がありまして、その場合の金額を出資の金額なども勘案しまして、100億円とするのが妥当であろうという判断に至ったものであります。
それから、松田先生からの農林ファンドの単位が県単位なのかどうかということで、現時点では県単位か、それ以下かというのは、まだ具体的には決めておりませんが、農林水産省としましては、当面この地域ファンドを全体として20個ぐらいと想定しているということでございます。そうしますと、我々としては、県よりも広い範囲のものもあれば、地域によってはそれよりも小さいファンドも出てくるものと想定しているところであります。
今少し申しましたけれども、出資割合とかバランスの関係ですけれども、この農林ファンドの場合には、最初の機構には国が9割ぐらい、民間が1割ぐらいを想定しています。そして次の地域ファンドに至りますと、この機構から半分、民間からの出資が半分というような想定でおります。そして、今申しましたように、地域ファンドから最終的な6次産業事業体に入るときには、地域ファンドから半分が出資になります。したがいまして、先ほど出資割合によってはなかなかグリップが効かないのではないかという点に関しましては、基本的に50%がファンドから入りますので、グリップが効くものと考えております。
それから、審査の時間、スピード軸という点に関しましては、まだ具体的な検討をしておりませんけれども、ご指摘も踏まえまして、実際の運用の段階で必要な対応をしていくように検討してまいりたいと思います。
PFIの成功事例につきましては、我々もまだこれが本当に成功しているという事例を把握しているわけではありませんが、例えば上下水道を分離する意味はあるのかという点は、先ほど紹介しましたA市のものがたまたま下水道のみとなっておりますけれども、分けなければならないと認識しているわけではありません。あくまでPFI事業を発注する自治体がその自治体にとってどういうやり方が最も望ましいかということを判断して、その案件が出てきますので、その中には上下水道一体型というものもあるのではないかと考えております。
それから、社会福祉施設の高層化の件ですが、あまり活用されていないビルが多いのではないかというご指摘を頂きましたけれども、基本的には資料の中にありましたように、都市部では土地が狭いということがネックの1つになっているという認識のもとで、狭いのであれば高層化して土地を有効活用しようという発想になっているわけであります。先日、台東区の事業を見に行きましたときには、全フロアに老人や子育てなどいろいろな福祉施設が入っておりまして、満室に近い状況で、非常にうまく運営されているという事例を見てきております。
それから、川村委員からいただきました、ファンドがうまくいかなかったときのリスク、処理ということですが、例えば農林ファンドに関しましては、6次産業事業体にこの地域ファンドが5割の出資金を持っております。したがいまして、もし赤字経営が続くような場合には、この事業を解散するという決定をする権限があるということであります。現実にそのような局面になってどういう判断をするかというのはなかなか難しい要素があるかと思いますけれども、過去の反省としまして、いわゆるゾンビ企業がずっと続いて、その中に公的資金がずるずると入っているというようなことが起こらないように、この2分の1は確保して、どこかの時点で撤収するという決定をする。そして、その決定は地域ファンドではなかなか難しいだろうと思いますので、親ファンドである機構がその決定権を持っているということで対処しようということでございます。
それから、日本学生支援機構の不良債権処理につきましては、どこかの時点で見きわめをしなければならない。今では延滞が9カ月になったものにつきましては、法的な措置へ移行するということにしておりますので、その法的措置の結果、とれないものはそこで償却するということになります。さらには破産の申し立てとか、行方不明のときから1年経過したというような場合には、そこで終わりにする。また、23年度からは、最終返済期限から10年を経過して、かつ、入金のない債権については機械的に償却をするという運用を始めているということでございます。
〔 富田分科会長 〕ただいまの回答でよろしいでしょうか。
〔 山根計画官 〕利益相反については、事業体に対して、出資するのにあわせて融資を出しますので、基本的に利益相反の問題はあまり生じないかなと思っています。
〔 冨山専門委員 〕今の話、産業再生機構が両方ともやっていましたので、簡単に説明しますと、要は中途半端な形で中途半端な出資を出しながら大きな債権を持っていると典型的に利益相反が起きてしまいますが、このスキームだと、基本的にはしっかりとした出資をしたところに補完的に劣後融資をするというモデルなので、あまり深刻に生じないと思います。逆に言うと、こういう案件で一番避けなければならないのは、腰を半分引いて中途半端に金を出すというやり方で、これをすると利益相反の問題が深刻になるので、そういう場合にはもうやらないというディシプリンを効かさなければだめだというのが多分一番のポイントだと思います。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。土居委員、どうぞ。
〔 土居委員 〕今のご説明、冨山委員の話は非常に明快だったと思います。ぜひそういう発想でお願いしたいと思いますし、あともう一つ、ぜひお願いしたいと思うのは、民間資金等活用事業推進機構とも同じことではありますけれども、政府から出資し、しかも、これは株式会社であるということですので、原則的に、会社法が適用されるだろうと。例えば、おそらくは日本政策金融公庫がそうであったように、会社法で要請されている内部統制の仕組みがきちんとこの会社にも適用されるべきだし、そういうことをぜひ株主たる財務大臣から強く要請していただきたい。一応霞が関のデマケーションということでいえば、基本的には主務大臣がそれをなさるということかもしれませんけれども、デマケーションにとらわれずに財務大臣としても株主としてしっかりとガバナンスを効かせるよう、引き続きこの機構に力を入れていただきたいと思います。
〔 富田分科会長 〕富屋次長、どうぞ。
〔 富屋理財局次長 〕 直接の回答ではないかもしれませんけれども、今回の農林とPFIのファンドは、いずれも最近の例では産業革新機構に近い特殊な会社を法律で立ち上げるということがまず前提になります。当然のことながら、産投からの出資ということで、国としては株主としてのコントロールを効かせることになりますが、法律をつくりますので、主務大臣のさまざまな認可権限に加えまして、主務大臣が認可をするに当たっては、国庫大臣としての財務大臣に協議を行うことで、予算的な統制もかなりしっかりした形になるようにスキームを詰めていくということを考えております。
その上で、全体について、私なりのお答えをしますと、農林についても、PFIファンドについても、今までこんな形でメザニンとか、エクイティの形で支援をしていくというような公的な組織はございません。そういう意味では全くの新しい試みでございますので、当然、しっかりとしたガバナンスが効くような組織にし、民間のよい方に入っていただいて、よい判断のもとで運営されていくことを期待しておりますし、さらに言えば、産投も予算上は300億、50億という金額を出すこととなりますけれども、実際に案件ができるときには、その都度、慎重にディスバースしていくことで、執行全体をコントロールしながら、よい形で回っていくようにしていきたいと考えております。
〔 富田分科会長 〕では、中島委員、どうぞ。
〔 中島専門委員 〕今、富屋次長から、新しい機構をつくるということについてどう考えるかというお話がありましたけれども、1点はまさにそこに絡む話ですが、農林漁業、あるいはPFIと、若干位置づけは違いますけれども、成長産業的なものについては、この際大きな考え方を整理しておいたほうがいいのではないかという気がいたします。
それはどういうことかというと、例えばPFIについては、収益性を高めることで、民間がビジネスねらいで入ってこられるような枠組みをつくるために出資をして、さらにメザニンを引き取るというところが1つ大きなポイントになるわけです。そうであれば、一番最初に吉野委員からブラウン、グリーンという、大変興味深いお話がありましたけれども、財政の厳しい制約を考えれば、これから事業が広がることは大いに結構なことですが、ただ、どんどん雪だるまのように根っこが増えていくということがあってはならないわけです。収益がとれないものを独立採算で行うということではなく、公共サービスの場合には安定的な収入が入る既往の事業も多くあるわけですから、例えばそういうものについて、ある程度民間資金を入れて、国の負担を軽減するような形で広げて、さらにメザニンをとれば収益性がある程度出てくるという事業を財政負担を少なくしながらうまく回すという考え方があると思います。
それから、農水産業の成長産業化ファンドは、うまくいかなかった場合にどうするかというお話が先ほどありましたけれども、私はこの事業は大変興味深い試みだと思っております。ただ、この場合には、国が出資するにしても、うまくいった場合に、利益をそこから得るということは想定してないわけですから、そういう意味ですと、いずれにしろエクジットはとっていただかなければいけない話だろうと思います。うまくいった場合には、国の出資部分を民間に買い取ってもらえばいいということだと思いますので、そんなに難しいことではないと思いますが、いずれにしても、これはエクジットをある程度想定しておいたほうがいい話だと思います。
それから、2つ目は、これは先ほど来の話では出てこなかったので、むしろ質問ですが、一番最後の都市再生機構が、災害公営住宅を買い取り方式で整備、支援していくという話。これは大いに結構ですが、ただ、これは、果たして財政にとって負担減になるのかどうかです。市町村の負担を肩代わるだけでコストとしては同じだということなのか、全体的にコストも含めてうまく効率化できるという考え方がこの中に入っているのか教えていただければと思います。
〔 富田分科会長 〕それでは、お答えいただけますでしょうか。
〔 成田計画官 〕具体的な金額面で差が出てくるかどうかというところは定かではございませんが、基本的にURのほうがこういう場面で計画して、測量から建設まで行うというノウハウを豊富に持っていますので、被災地の市町村がやるよりも効率的に低コストでできるのではないかという期待を持っております。
〔 富田分科会長 〕よろしいですか。池尾委員、どうぞ。
〔 池尾臨時委員 〕ちょっと私自身混乱していて、間違ったことを言ってしまうかもしれないので、その場合には訂正していただきたいのですが、公共事業を国自身がやらないで、PFIにする場合、国が用意しなければならない資金量は節約できるかもしれないけれども、事業の構造が変わらない限り、民間資金を入れた部分が収支均等であるとすると、残余は全部国につくということですから、負担という意味においては国で丸ごとやったときと基本的には何も変わらないはずなわけです。民間を入れることによって事業の構造そのものが効率化されるとか等があれば負担は減りますけれども、国の財政が厳しいときに、国が用意する資金量を節約するという話と、国民負担そのものが減るかどうかという話は全く違う話だと思います。そこが、ご説明を聞いていても、明確に峻別されて認識されているのか非常に疑問に思ったというところです。ましてやPFIにして、こういう形で資金を出してやったときに、事業の構造は変わらなくて、かつ民間資金が入る部分を有利にしてあげると、差し引きで考えればかえって国民負担は増える可能性が出てくるという感じがします。よほど事業構造が効率化するというような保証がないと、当座国が用意する資金量は節約できるけれども、結局のところ、国民の負担というか、最後の残余として国が引き受けなければならない部分はかえって拡大してしまいかねないわけです。そういう懸念を覚えたので、私自身が聞いていて混乱しただけかもしれないですけれども、資金のアベイラビリティーの話と最終的なリスク等を含めたときの残余の負担という話をもう少し明確にお話しいただけるとありがたいという意見です。
〔 富田分科会長 〕関連して、16ページに例として挙がっている事業については、地方公共団体が、ソフトな予算制約の中でやっていることが多いと思いますが、そうすると、そういう中でPFIを入れていくということについては、私も池尾先生がおっしゃっていることと同じような問題を感じます。だから、純粋に独立型なのかどうかということがまず1つファイナンスの面で必要であって、それからさっき松田先生がおっしゃったみたいに、新しいやり方、上下水道一体とか、あと、マネジメントをどのようにエンハンスしていくかとか、そういうものがないと、いくらお金をつけても、新しい事業として拡大していくかどうかという可能性がよく見えてこない面があると思います。
そういう意味で、新しい官民連携を支援するためのファイナンスのイニシアチブだというようなことが強く認識されているかどうか、その点いかがでしょうか。
〔 吉野臨時委員 〕少しここを勉強したことがあるので、例えばデンバー空港というのは民間のお金を入れてやりましたが、あまりうまくいかなかったわけですけど、さきほど松田先生がおっしゃったように、全部パッケージにして、それで空港ばかりではなくて、もうかる部分も一緒にしながら、効率化できたというところもありますし、ですから、国だけがやるよりも民間を入れた方が良い面もあると思います。
〔 池尾臨時委員 〕だから、本当に事業内容が効率化するということで担保されない限り、それがない限りはPFIにしようが、国が直接やろうが、事業内容が変わらなければ最終的には国民負担が変わるわけがないので。
〔 吉野臨時委員 〕おっしゃるとおりだと思いますけど、民間の資金を入れることによって、民間のほうはレートオブリターンを何とか上げたいわけですから、そうすると、その分だけプレッシャーがかかれば。
〔 池尾臨時委員 〕おっしゃるとおりのインセンティブ構造できちっといくような仕組みだったら私も結構だと思いますけれども。
〔 中島専門委員 〕これは、独立採算型PFIですから、基本的にはインセンティブが働くようなものだというのが前提だと私は理解いたしますが。
〔 富田分科会長 〕だから、それが大前提でなければならないわけですけれども、とかく公的なセクターがやっている事業は、下水道事業であっても、地方財政計画の中で計上されて、結局はそれが財政支出として絶えず補助金が出ていっている状態にあります。予算制約が緩いと、本当に真の意味の独立型かということに対して疑問が残ります。
そうすると、地方公共団体からすると、従来のそういうやり方のほうがメリットがあるから、こういう新しいやり方でやったら余計厳しくなるのではないかということで、プロジェクトが成立しないということもあり得ると思います。これを成立させようとすると、また予算制約がソフトになってしまうという問題があるということも心配です。どうぞ、土居委員。
〔 土居委員 〕皆さんがおっしゃることはもっともだと思いますが、私なりに整理すると、多少財政至上主義的かもしれませんけれども、海外のケースはどちらかというと、財政のほうに資金調達の制約がかかっている。例えば外国の地方自治体は、そんなに容易に地方債を発行できないという制約がかかっている中で、民間資金と合わせれば資金量が増えるので、投資の規模も増やせるという、そういうようなメリットがあるから、フロンティアが広がるということがあるけれども、日本はそうではないわけです。極端に言えば、今のところは、国債についても、国が決意をすれば、それなりに資金をとってこられるという状況にある。本来それでいいのかという問題は、池尾先生がおっしゃるような意味があって、やはり国民の意識としても、お金がとれるから公共事業をたくさんやっていいというわけではないという背景がある。日本の場合は一番大きな制約になっていると思うのは、税財源をそんなに潤沢に投じられない。つまり、増税を忌避しているというような状況があって、現在であれ、将来であれ、税財源を投じて事業を営む、ないしは、事業で赤字が出た場合の補填を税財源で埋めるというのはまかりならんというような意識があるということと、先ほど池尾先生がおっしゃった、民間の知恵を借りながら事業の効率化をしていくというところ、そこの部分をうまくミックスすると、民間側からも規律づけができて、それをベストミックスの形で、税財源をできるだけ節約しながら、民間の効率化、インセンティブを借りて、できるだけ少ない資金量で投資効果がよりよく発揮できるようなものができ上がるといいのではないかという意識を私は持っております。
〔 富田分科会長 〕多分皆さん同じことをイメージして、それぞれ自分の言葉で言っておられると思いますね。どうぞ、原田委員。
〔 原田専門委員 〕もう言わなくてもいいことなのかもしれませんが、多分池尾先生がイメージしていらっしゃって、PFIで皆さんも多分イメージしていらっしゃるのは、どこかの時点でトランスファーがあるからということで、不採算部門がどこかの時点で、国なり地方なりにトランスファーされてしまう。それが結果として国民負担になるという考え方だろうと思いますが、トランスファーしないタイプの、ずっと民間がオペレートするようなPFIというのもあるかと思いますので。ですから、独立採算という言葉でイメージできるのは、多分どこかでトランスファーになるようなものではないかと思いますが、その辺、どういうPFIなんだという、もう少し詰めたところのお話があればわかりやすいように思いました。
〔 池尾臨時委員 〕一から十まで独立採算だったら、民間でやればいい。
〔 富田分科会長 〕そうです。どうぞ、冨山委員。
〔 冨山専門委員 〕こういうのをやっている本人の立場で、いろいろ関わったので、これはちょっと理論的な話ではなくて、生々しい感覚でいうと、これは富田先生が言われるとおりで、基本的に緩いです。官の、特に地方の市営バスはきわみで、キロ当たりの運賃コスト、平均ベースで、民間と同じベースで日本中のバスを走らせれば、補助金はゼロになるはずです。要は地方では、田舎のバスも年収800万円の人が運転手をやっているわけです。そういう世界が現実にあるということを考えると、これは明確に、わりとクリアに私は言えると思いますけれども、基本的にPFIを導入して、民間の知恵というよりは、民間の要は根性といいましょうか、民間が死ぬ気でやるというものをやる。それが大事で、要は死ぬ気でやるかどうかという問題で、人生をかけてやればコストは下がります。これは空港でもみんなそうです。だから、まさに動機づけとだれがやるかという問題がすべてだと私は思います。
ただ、ここで1点気をつけなければいけないのは、官民が一緒になってやるときに、民の側の儲けというのは、そうやってまじめに真剣に体を張って生み出した部分があるのと同時に、官から民への所得移転で儲けようとするというインセンティブも働きます。そうすると、もう一つの問題は、民の人が体を張って真剣に儲けようという動機づけが与えられるかという問題と、官民間の所得移転が起きないようにする、壁をどうつくるかという、この2つが同時にないとすごく危うい仕組みになると思います。だから、そこはぜひ上手に設計してもらえればと思います。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。どうぞ、土居委員。
〔 土居委員 〕冨山委員の今の話は、実は福祉医療機構の話も全く同様のことが言えて、つまり福祉医療機構の追加で出された案件は、私は非常にいい案件だと思っておりますけれども、気をつける必要があるのは、今、この前の行政刷新会議の提言があった政策仕分けでも議論されたように、社会福祉法人に内部留保がたまっているのではないかという話があった。介護の話は、公定の介護報酬の形で、わりとキャッシュフローが手がたく入ってくるということが想定されている。ところが、別に従業員の給与は公定というわけではありませんので、従業員の給与は自由に決められるというような状況の中で、介護職員の待遇があまり芳しくないのではないかという批判があって云々ということですけれども、それはこの案件とは直接は関係ありませんが、確かに都市部で介護施設を整備していくことは、これはかなりニーズが高いということは間違いないと思いますが、そのときの優遇の与え方、あまり社会福祉法人等に優遇を与え過ぎると、先ほどの冨山委員が指摘されたように、官から民へのトランスファーというものが起こり過ぎてしまうと。適切に施設整備を促しつつ、ほどほどに法人が稼いでいただいて、融資に対して滞りなくきちんと返済をやっていただくと。どこがしきい値かというのはなかなか難しいところでありますけれども、優遇策を与え過ぎると、結局極端に言えば、確かに設備はでき、介護サービスも提供できたけれども、本当はもっと国が何らかの形でお金を吸い上げられたのではないかということになってしまいます。例えば、もう少し賃料がとれたかもしれないとか、福祉法人の内部留保が過剰にならないような程度に国もしかるべきお金を吸い上げることができたかもしれないというおそれもあると思いますので、そういう意味では、こういう介護施設を積極的に整備するということと両にらみで、介護施設の運営の適正な内部留保といいましょうか、そういうものも意識した形でこの融資が行われることを期待したいと思います。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。成田計画官、どうぞ。
〔 成田計画官 〕今いろいろとご指摘をいただきまして、どうもありがとうございます。すべてにお答えできるわけではありませんけれども、このPFIのインフラファンドについて、基本的にPFI事業が実施される場合というのは、いわゆるバリュー・フォー・マネーという考え方がありまして、公的主体が公共事業でやった場合と民間に事業を任せた場合とで、民間に任せたほうが効果がある、あるいはコスト削減につながるという検証結果が出た場合に事業が行われると。この価値のことをバリュー・フォー・マネーと言っているらしいですけれども、それがあることが検証されたときに、この事業が行われることになります。
そこで、このファンドはそういう中で収益性の高い事業であると認めるものについて支援をしていくというコンセプトになっております。
かつ、独立採算型ということですので、民間であるPFI事業者がサービスの向上や、コスト削減の努力をすることができれば、それが自分たちの収益になっていきますので、その収益を求めて一層効率化していくというようなインセンティブが働く内容にはなっていると思っております。
あと、トランスファーのお話でしたけれども、例えば空港事業ですと、空港運営事業がコンセッション方式で事業の運営権が民間に売却された場合、その事業は大体20〜30年間はやるとか、そういうようなイメージで契約がなされると聞いております。その期間がたったときにまた戻すのかとか、コンセッションという事業運営権をどうするかという詳細はまだ決まっておりませんけれども、かなり長期にわたって運営をするということが想定されております。
あと、官と民との間の所得のトランスファーという話につきましては、いただいたご意見を踏まえましてまたさらに検討してまいりたいと思います。以上です。
〔 富田分科会長 〕池尾委員、どうぞ。
〔 池尾臨時委員 〕ご説明は非常によくわかりますけれども、例えば日本では公共事業はすべて費用便益分析をクリアした形のものしか行われてないので、その意味では日本には一切むだな公共事業は存在しないとする主張と似たようなことになっては困るという話です。それから、冨山委員がおっしゃった話は、プロフィットシーキング、レントシーキングというような言い方を経済学というか、公共政策の議論とかでは使いますけれども、儲けるためにプロフィットシーキングで頑張ってもらえればいいのですが、そうではなくて、どこかからかすめとってこようというレントシーキングの動機づけというのも当然あるので、それをうまく抑え込んで、プロフィットシーキングの動機を生かすという、そういうかなり巧妙な制度設計が多分必要になると思いますので、そういうことに留意してやっていただきたいという要望だということです。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。日本再生・成長力強化という大問題に向けて、きょうの議論が新しい財投の手段に生かされますよう、お願いいたします。
それでは、このあたりで質疑を終了させていただきまして、最後に、復興財源確保法についての報告を中尾財政投融資総括課長にお願いいたします。
〔 中尾財政投融資総括課長 〕多岐にわたるご指摘ありがとうございました。最後、ご報告で、短時間で済ませたいと思います。資料3をお配りしております。10月の当分科会で、復興にかかります財政関係でご説明いたしましたところでございます。
ページをおめくりいただいて、1ページですけれども、これは改めてですが、秋口の政府与党の合意で、復興財源については、当面5兆円で、将来的にはさらに2兆円という検討をしていた中で、まず1.の5兆円程度の内訳として、4番目に、財投特会の剰余金が0.8+αということで、23年度末に0.8兆円、来年以降に+αが見込まれているところでございます。
それから、産投勘定に所属しておりますJT株式について、まずは2分の1から3分の1に保有義務を引き下げて0.5兆円と。更に、2.のところですけれども、将来的に今後10年間を基本としながら、JT株の政府保有を3分の1からゼロにするということも検討することになったわけでございます。
これに対応いたしまして、2ページ目以降、ご報告でございますが、政府は東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法を3次補正予算と同時の10月28日に国会に提出いたしました。その後、民主、自民、公明での与野党協議を経まして、11月の半ばには衆議院で議員提案の修正が行われ、11月の下旬に衆議院を通過、さらに参議院の審議を経て11月30日に成立、12月2日に公布されたという状況でございます。
2ページ目は、まず財融特会の剰余金、積立金の関係でございます。3条のところで、復興の集中期間については、財投特会の財政融資資金勘定から予算で定めるところによって、国債整理基金特会に繰り入れることができるという規定になっております。
72条の2項で、この財融からの繰入金は、償還費用の財源ということで、復興債の償還に充てることが法定されているということであります。
なお、附則の第2条で、将来の金利変動リスクがあった場合で、万一財融勘定が決算上の不足に陥るような見込みがある場合には、一般会計から財融特会に繰り入れすることができるという規定も念のために設けてあるということでございます。
それから、3ページ目は、JT株の関係でございますが、4条で、従前、産投の投資勘定が2分の1を持っておりましたが、これを3分の1を超える部分は国債整理基金に所属替えをして、4条2項で、できる限り早期に処分するとされております。72条の3項ですけれども、このJT株の売却の収入は償還費用の財源に充てるということで、これも復興債の償還に充てていくということになっております。
4ページでございますけれども、附則の12条に全体の復興財源の全体の見直し規定がありまして、13条はその一環としてということで、1号でJT株の保有の在り方についてさらなる見直しを行うという規定になっております。
与野党協議の過程並びに国会審議を経まして、5ページでございますが、この法案に衆参それぞれの委員会の附帯決議が付されております。これも当分科会に関係するところが2点ございまして、附帯決議の一番最初でありますけれども、「財政投融資特別会計財政融資資金勘定の剰余金の復興財源への活用の検討に当たっては、予算編成過程において、同勘定の財務の健全性に配慮を行うこと」と、その下でございますが、JT株の売却については、「株式市況を見極めて売却時期を慎重に判断する」ということ。それから、附則に基づくさらなる見直しの検討に当たっては「葉たばこ農家や小売店への影響等を十分見極めること」といったような附帯決議が付されているところでございます。私どもとしては、この法律に則してそれぞれの対応を検討していくという状況になっているというご報告でございます。以上です。
〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。予定の時間を過ぎてしまいましたので、本日の議論はここまでといたします。
本日使用いたしました資料1及び2につましては、未確定の内容となっておりますので、会議後回収とさせていただいております。よろしくお願いいたします。
次回は来週中に平成24年度財政投融資計画を議題として会議を開催することとなります。タイトな日程でご都合を調整していただくこととなりますが、できるだけ早めに事務局を通じてご連絡をいたしますので、よろしくお願いいたします。
本日は活発なご議論、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。
