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財政投融資分科会(平成23年11月15日開催)議事録

財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録

平成23年11月15日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第

平成23年11月15日(火)15:00〜17:17
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.平成24年度財政投融資計画の編成上の論点

    • (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構

    • (独)日本学生支援機構

    • (株)農林漁業成長産業化支援機構(仮称)

    • 地方公共団体

  • 3.質疑・応答

  • 4.閉会

  • 配付資料

    資料1−1説明資料 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構
    資料1−2参考資料 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構
    資料2−1説明資料 独立行政法人 日本学生支援機構
    資料2−2参考資料 独立行政法人 日本学生支援機構
    資料3−1説明資料 株式会社 農林漁業成長産業化支援機構(仮称)
    資料3−2参考資料 株式会社 農林漁業成長産業化支援機構(仮称)
    資料4−1説明資料 地方公共団体
    資料4−2参考資料 地方公共団体
  • 出席者

    分科会長

    富田俊基

    田中理財局長

    富屋理財局次長

    美並総務課長

    中尾財政投融資総括課長

    渡辺管理課長

    成田計画官

    山根計画官

    馬場財政投融資企画官

    藤本法人等財務分析官

    今井地方財務分析官

    木勢資金企画室長

    委  員

    翁   百 合

    川村雄介

    中 里   透

    臨時委員

    池尾和人

    吉野直行

    専門委員

    冨山和彦

    原 田 喜美枝

      

    資源エネルギー庁

    安藤資源・燃料部長

    平井資源・燃料部石油・天然ガス課長

    佐伯資源・燃料部鉱物資源課課長補佐

    経済産業省

    岡田産業資金課長

    農林水産省

    針原食料産業局長

    川野食料産業局総務課6次産業化戦略室長

    岸食料産業局総務課ファンド企画官

    文部科学省

    奈良大臣官房審議官

    松尾高等教育局学生・留学生課長

    独立行政法人日本学生支援機構

    月岡理事

    総務省

    末宗自治財政局地方債課長


午後3時00分開会

〔 富田分科会長 〕それでは、予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。

本日は、(株)石油天然ガス・金属鉱物資源機構、(独)日本学生支援機構、(株)農林漁業成長産業化支援機構(仮称)、地方公共団体につきまして、「平成24年度財政投融資計画の編成上の論点」をご審議いただきます。

まずはじめに、石油天然ガス・金属鉱物資源機構について説明をお願いいたします。

〔 成田計画官 〕計画官の成田でございます。よろしくお願いいたします。

まず、お手元の資料1−1の1ページをご覧ください。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の24年度要求額は一番上ですが、事業規模1,286億円。前年が318億円ですので、968億円の増額となっております。

それから、中ほど、財政投融資の額は、要求額が952億円、前年が129億円ですので、823億円の増。2行下の産業投資については、947億円の要求で、前年121億に比べて、826億円の大幅増となっております。

ここでJOGMECの概要について、簡単にご説明したいと思います。参考資料1−2をご覧ください。まず、1ページですけれども、JOGMECの組織の概要であります。石油公団と金属鉱業事業団が統合されまして、平成16年2月にJOGMECが設立されております。JOGMECの役割としましては、左下のところに3つ書いてありますが、今回の論点は、1番目の資源・エネルギー開発の中心的機関ということに関係するものであります。

次に2ページをご覧ください。下の図にございますとおり、JOGMECは国から産投出資を受けて、これを元手に、探鉱や開発を行う事業者に対して出融資を行ったり、事業者が民間金融機関から融資を受ける際に、その債務保証を行っております。

次に5ページをご覧ください。一番上の表題が「石油等の安定的な供給の確保のための関係法律の整備の方向性」となっております。現在、経済産業省では、ここにある法案を来年度から施行すべく準備中ということであります。その中で、右下の青い箇所ですけれども、一部として、JOGMEC法の改正があります。

その中のマル2といたしまして、「対象資源の拡大」とありますが、NEDO、これは新エネルギー産業技術総合開発機構の略称でありますけれども、このNEDOが現在行っております石炭資源、地熱資源の開発業務等をJOGMECに移管することとしております。

さらに、すぐ上のマル1。赤線で囲まれている箇所ですけれども、「支援基盤を強化」とありまして、産投出資から新たな予算を受けられるようにすることとしているということです。

もとの資料1−1にお戻りいただき、6ページをご覧ください。

ここに、「各段階における事業概要とリスク・必要資金量のイメージ」があります。資源の採掘までは左から「調査段階」、鉱脈を探る「探鉱段階」、「開発段階」、そして「生産段階」の4段階に分かれます。

そして、下の段に「リスク」と「必要資金量」と書いておりますが、ピンク色のところがリスクであります。リスクは、段階が進むに従って低減していきます。したがいまして、真ん中の探鉱段階と開発段階は、総じて言えばミドルリスクと言えようかと思います。他方で、黄緑色のところですが、必要資金量は、段階が進むにつれて増加していくということであります。

1枚お戻りいただいて、5ページをお願いいたします。以上を踏まえまして、今回の要求内容ですが、実線で囲まれている部分が、産投の対象事業として要求のあるものであります。そのうち、水色の部分が新規となります。

一番左側の分野別ですが、一番上が金属鉱物、その探鉱段階におきましては、JOGMECが行います出融資業務のために60億円の要求があります。すぐ右の開発段階におきましては、青い部分ですけれども、資産買収出資業務として、新規にこれを産投の出資の対象としまして、340億円の要求となっております。

以下、同様に、天然ガスでは開発段階で資産買収出資業務に400億円。石炭では、探鉱段階の出資業務に56億円。開発段階の債務保証業務に11億円。地熱では、探鉱段階の出資業務に70億円。開発段階の債務保証業務のために10億円という要求になっております。

続きまして、2ページをご覧ください。左側の欄の要求の内容ですが、2つ目の●のところです。ただいま説明いたしました要求内容と同じですけれども、それぞれの要求の趣旨を紹介したいと思います。

マル1番が金属鉱物です。レアメタル等の資源の安定供給確保のため、新規に開発段階にある鉱山の採掘権等を買収する資産買収出資を実施するということです。

マル2番が天然ガスです。電力の安定供給に資する火力発電用天然ガス田の権益確保のための資産買収出資であるということです。

マル3が石炭です。新興国の急激な需要拡大を受け、資源獲得が激化している石炭鉱山の探鉱開発出資の財源とするということです。

マル4が地熱です。再生可能エネルギーの導入を促進するため、地熱発電にかかる探鉱開発出資を行うということであります。その合計として947億円の要求となっております。

ちなみに、その下に参考として、平成23年10月21日に閣議決定された「円高への総合的対応策」を記載しておりますが、その一番下のところで、この円高メリットを活用するということで、JOGMECの増資を通じて、レアアース等の権益を取得していくということなどが書かれております。

次に右側の論点ですけれども、論点1としまして、4行目のはじめのほう、「各分野・各段階におけるリスクマネー供給の中で、産投出資をどのように位置づけるか」としております。

その下にあります、論点に対する考え方ですが、ここでは、我が国にとって天然資源の確保が喫緊の課題となっているということを記述しております。

続きまして、3ページですが、上の○の3行目の中ほどからですけれども、ミドルリスク部分に当たる探鉱・開発段階には産業投資を、ハイリスク部分に当たる調査段階には一般会計又はエネルギー対策特別会計からの補助金を措置することを念頭に置いた要求をしてきている」ということです。

その下の○ですけれども、今回の産投要求につきましては、3行目、「天然資源確保戦略上必要性及び有効性があると考えられるが、産投出資対象としての適格性(リスクが高くリターンが期待できない資源分野・段階が産投出資の対象となっていないか)を慎重に検討するとともに、具体的案件の積み上げを精査し、適正な産投出資規模とすることが必要」と考えております。

続きまして、4ページでございます。ここは、まず先に右側の欄の論点2をご覧ください。「金属鉱物、天然ガス、石炭及び地熱にかかる新規要求について、収益性を確保するための方策をどのように考えるか」としております。

左側の欄の要求ですけれども、1つ目が、新規事業として、天然ガスの資産買収事業、開発・液化事業。「案件の採択に当たっては、適切な技術的・経済的資料を用いた厳正な審査を行い、出資金還元不能のリスクを回避することに努める。出資先会社からの配当、出資先会社株式の売却により収益の確保が可能と見込まれる事業を採択する」としております。

次の新規業務、石炭の探鉱・開発事業ですが、「案件の採択に当たっては、金属開発及び石油開発に培ったJOGMECのノウハウを活用し、厳格な審査を行い、代位弁済のリスクを極力回避する。また、探鉱成功時には出資に応じた配当及び売却益が見込めるほか、債務保証についてはプロジェクト評価に応じた保証料を徴収することとしていることから、これらによって収益の確保を図ることが可能である」としております。

3番目の新規事業の地熱は石炭と同様です。

右の欄に移りまして、論点に対する考え方ですが、1つ目の○ですけれども、「新規要求の各分野においても、JOGMECの出資割合に上限を設けること等により、引き続き民間主導の案件形成を図る必要があるのではないか」と考えております。

2つ目の○ですけれども、「新規要求の各分野については、収益性を確保するため、厳格な審査基準・審査体制を整備することが必要ではないか。特に新たにNEDOから移管される予定の事業分野(石炭及び地熱)においては、JOGMEC内でのノウハウの共有や民間金融機関等からの人員確保等を含め、技術面・経済面から厳正な審査を行うことのできる体制の新設が必要ではないか」と考えております。

以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。

ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問等がございましたら、お願いいたします。

はい、池尾委員、どうぞ。

〔 池尾臨時委員 〕事実関係ですが、我が国が官民含めて全体として行っている資源開発事業の規模に対して、JOGMECが占めているウエートを教えていただきたいのですが。

〔 富田分科会長 〕今の点、お願いいたします。

〔 平井資源エネルギー庁資源・燃料部石油・天然ガス課長 〕石油天然ガス分野について、お答え申し上げます。正確な数を持ち合わせていませんので、感覚論で申し上げさせていただきます。

出資もしくは債務保証をしている案件というのがございまして、それが我が国の民間上流会社及びその商社といったような会社が石油天然ガスの開発に占める案件の割合でいくと、大体3分の1ぐらいだったと思います。それぐらいから、年によって相当アップダウンしますけれども、半分ぐらいまでいく感じだったと思います。

〔 池尾臨時委員 〕私も感覚的な反応で申しわけありませんけれども、かなり過大なというか、大きなイメージを持ちますが、こういう分野は確かにリスクが大きくて、ある程度国の関与等の必要性はあると思いますけれども、3分の1とか、2分の1まで本当に国が関与する必要性があるのかどうかという点に、若干疑問を感じますが、いかがでしょうか。

〔 富田分科会長 〕はい。この点も簡潔にお願いいたします。

〔 安藤資源エネルギー庁資源・燃料部長 〕参考資料の12ページをおあけいただけますでしょうか。

これは、金属鉱物資源の関係の資料を一番下のところに書かせていただきました。大変小さくて恐縮でございますけれども、石油天然ガスあるいは金属鉱物につきましては、それぞれご案内のようにメジャーという存在がございます。

これは金属の事例でございますけれども、世界で大体三、四社ぐらい、大変大きな規模の企業が活動をしております。それと、石油も同じように7大メジャーという形で、石油天然ガスについて、いわゆるBP、Shell、Exxonといったような会社が活動しているわけでございます。そういった企業、これはいろいろな意味での成り立ちや、ご案内のとおり歴史的背景があるわけでございますけれども、そういった形態と日本の資源開発会社の投資規模から、企業体力ということとの比較を単純にいたしますと、非常に格差が大きいといったことを全体にどうお考えいただくかということだと思います。

〔 富田分科会長 〕どうぞ、冨山委員。

〔 冨山専門委員 〕今の関連で、典型的には、天然ガスは、多分電力9社がばらばらで買っているわけですよね。そもそも買い側のバイイングパワーの問題として、やっていることは一緒なのに、ばらばらで買ってどうするということ。要はJOGMECが資源確保をサポートするのは私も反対ではないですが、肝心の買い手が小さい規模でばらばらでは話にならないという側面があるので、そこはやはり逆に言うとJOGMECがサポートしていく条件として、買いを1本にまとめるということをすべきではないか、多分おわかりだと思いますけれども、いい意味でのガバナンスを発揮していただけるとありがたいという点が1つと、あともう1点。

一方で、釈迦に説法ですが、資源開発というのはものすごく足が長い話なので、本来、例えば原発事故が起きたから慌てて増やすということではなくて、延々とやっていかなければならないわけです。そういう意味で言うと、ぱっとここで金額が増えているアップダウンが私としては多少気になっていて、むしろ足長く一定の投資をしていくことが大事なような気がしておりますが、その辺はどのようにお考えでしょうか。

〔 安藤資源エネルギー庁資源・燃料部長 〕今、特に第1点目、冨山先生、大変大事なご指摘をされたと思います。私どもは、今回の対策だけで天然ガスについての対策が完結するとは思っておりません。これは大変大事な施策だと思っております。

ご案内のとおり、原発がこういうような状況の中で、今、国民の皆様方への追加負担というのが約3兆円というご議論があるわけでございます。こういった中で、例えば天然ガス、この場でのご議論になじむかどうかですが、諸外国と比べて日本は非常に高く購入をしているのじゃないかといった問題指摘が特に高まってきております。

こういったことも踏まえまして、今おっしゃられましたような電力、ガス会社が、これまで石油価格に連動したような形で、いわば個別にメジャーとの間で弱いバーゲニングパワーしかない中で購入をし続けてきました40年ぐらいの歴史があるわけでございますが、それを私ども、僣越ながらこれからちょっと見直しを行うように、口幅ったい言い方ですが官民挙げて取り組んでいきたいと思っております。幾つかの方策がございます。

1つは、今先生がおっしゃったような、まさに共同権益を取りに行くと。個別に調達量を確保するだけではなくて、価格決定権を持つような形で権益を取りに行くということが必要ではないかと思っております。そういったような対策。

それと、調達先を多様化させていくということでございます。今回の天然ガスのところのお願いをしております案件の大宗は、アメリカ、カナダのシェールガスと言われるものでございます。こちらの権益を取りに行きたいと思っておりまして、中東とか、従来メジャーが押さえていたところではないエリアをトライしていきたいということをパッケージにしまして、全体対策の中で、この産投の出資をぜひお願いをしたいと思っております。

それと、もう1つ、継続性を考えていかなきゃいけないと。1回限りで息切れしてしまうのではないか。これはおっしゃるとおりでございます。今回ご要求させていただいておりますのは、それぞれ裏打ちのある、具体的な案件が控えた案件ということでございまして、この案件についてはもし1度お認めいただければ、1度の資産買収だけで取っていけると。継続的に同じ案件で時間がかかるというものではございませんので、これはこれで産投として勘定に入れていただいた金額でもって完結をする事業になると思います。

他方、その後どうするのかと。ここにつきましては、実を申し上げますと、来年の夏に向けまして、全体のエネルギー構成をどうするのか。電源構成をどうするのかというのは、ご案内のとおり、今議論があります。来年の夏を踏まえた上で、さらにご事情の許される範囲内で、最大限その電源構成、エネルギー構成に見合うような形で、またさらにご要求をお願いをしていきたいということでございます。

〔 富田分科会長 〕では、吉野委員、そして翁委員、川村委員の順でまとめて質問させていただきます。

〔 吉野臨時委員 〕調査と、探鉱と、開発と、生産と4つのプロセスがあるわけですが、これはそれぞれで成功率が違うので、最初は補助金、それから産投、そして最後は政府保証という形になっていると思いますけれども、どこかの段階で民間に全部任せるというきまりがないプロセスの中で、やはり海外のところは民間に任せながら、民間主体で100%やるというところまでいっていると思います。そこをやはり考えていただかないと、競争力がつかないのではないかというのが1つと、それから、それぞれのところで大体成功率はどれくらいなのかをわかれば教えていただけますでしょうか。

〔 富田分科会長 〕はい。翁委員、どうぞ。

〔 翁委員 〕同じ表で、天然ガス、石炭などで探鉱段階で産投を出資する場合とそうでない場合があるということですが、どういう考え方で区別しているのかということについてお伺いします。

〔 富田分科会長 〕川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕やはり同じようなことになりますが、要するに産投になじむかという点で、それぞれのフェーズによるリスクリターンの関係ですね。これは抽象論としては非常によくわかりますが、実際に個別の融資プロジェクト、案件によって精査、審査をしっかりするというご説明、それはそのとおりですが、その場合の過去のデータなり、分析、評価の基準をどのように持っておられるのか、その結果としてリスクリターンの特性をどう位置づけられるのか。と申しますのは、この東日本大震災以来、これは大変な課題だということで、新エネルギーなどがいろいろな雑誌等にも山のように特集が出ていて、素人なりに読んでいても夢のような話なのか、精密な話なのかよくわからないという実感があるわけです。そういう中で、産投の根拠となるリスクリターンをどうやって出されているのか、それを教えていただければと思います。

〔 富田分科会長 〕それでは、原田委員、どうぞ。

〔 原田専門委員 〕関連することになりますけれども、資料1−2で、民間金融機関に債務保証していらっしゃいますが、これまでのところ、この債務保証で損が確定した部分はどのくらいあるのかということですとか、今までの出資金で回収できなかった分がどのくらいですとか、そういった金額を教えていただければと思いました。

以上になります。

〔 富田分科会長 〕それでは、お答えいただきます。

〔 平井資源エネルギー庁資源・燃料部石油・天然ガス課長 〕お答え申し上げます。順不同になってしまうかもしれませんけれども、1つ1つ申し上げていきたいと思います。

まず、全体のこれまでの出資リターン、債務保証といったトラックレコードについてのお答えでございます。これまた、今、手元に正確な数をお持ちしていないので、後で正確な数をお答え申し上げたいと思いますけれども、石油公団が開始して以来の額で申し上げますと、石油公団、当時それを廃止するときには大きな赤字ということで、世の中に相当大きな非難を浴びたわけでございますけれども、結局、油価が回復した今の検討で見ますと、およそでございますけれども、ざっくり申し上げると、大体1兆円を入れて1兆2,000億から3,000億回収できているというぐらいの黒字状況が、過去を振り返った場合の全体の出資のリターンの状況でございます。

同じように債務保証の案件が、これもすみません、うろ覚えで十数件から20件ぐらいあったんじゃないかと思いますけれども、債務保証で保証実行に至りましたものが3件あったと思います。その3件のうちの2件は、結局弁済をJOGMECというか石油公団が自分たちで回収することによって全額回収できておりまして、実際に債務保証の段階で失敗したというか、取れなかったと評価されているのは1件だけでございます。

その意味で、債務保証のところについては、やはり開発段階に至っているということで、当時そこで倒れたといっていたのは、油価があまりにも低くてビジネスとして前に進まなかったという状況があったわけでございますけれども、油価が回復したその段階において、結局その借金も全部回収できているということでございます。1件だけ、これは開発以降の当時の判断が誤っていたと、今となっては言わざるを得ない案件がございます。

それから、成功率といったようなお話がございました。この率といったところで、どういう物差しを使うかでございますけれども、現在JOGMECに至りまして、およそ30件程度の出資案件というのがございます。その中で、現在まだ見つからなかった、やめたと言っているようなものがないので、成功率はやや厳し目に分母をとって全部と考えますと、大体30分の9だったと思いますけれども、その約3割のものが油の発見を見ております。したがいまして、それが商業生産に至るかどうかというところまで全部いっているわけではございませんけれども、堅めに言ってもそれぐらいです。

それから、完全にこれが失敗してというところまで至っていないものも含まれていますので、もうちょっと成功率は上がってくるのではないかと思っております。

それから、先ほど探鉱の中での考え方の違いというところで、油種、石油天然ガスと鉱物との間でちょっと違うところがございます。と申しますのは、探鉱と鉱物、地下におさまっているものの状態による技術的な差とお考えいただいても結構だと思いますけれども、石油の場合には、鉱物と違いまして、大体地下3,000メートルから4,000メートルぐらいの深いところにございます。したがいまして、まず発見をしたといっているところから開発に至るという段階におきましても、地下3,000メートルまで物を掘っていく。それが海上になりますと、それなりにまたコストも大きくなりますし、それから技術的な困難性も高まってくるという意味において、探鉱段階に至りましても、特に大きな金がかかるというところにおいて、ビジネス上のリスクエクスポージャーという意味においては、大きなと言うと程度論でございますけれども、リスクをはらむといったところが若干の差があるかなと思っております。

それから、通しまして、冒頭の吉野先生のご質問のところにありました民間企業との関係というところが全般にわたって出てくるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、3割から最近になると5割ぐらいと申し上げました。ということで、民間企業と官民のかかわりにおいて、民間の主体性というのは低い産業分野だということ、これは間違いございません。ただ、先ほど部長からもご説明申し上げましたように、海外はどうかということで見ますと、スーパーメジャーと言われるようなところを除いてみますと、大きな企業というのは、例えば世界最大の上場会社と言われているガス会社というのは、ガスプロムという官営会社であったり、中国の三大石油企業については、よく言われている話でございますけれども、純粋民間企業と言われているところは、非常に産業構造として少ない分野であるということは、まず前提としてご説明させていただきたいと思います。

その上で、段階論においてどれだけ民間と政府とのかかわり合いに差はないのかというところにおきまして、調査の段階に関しましては、これは我々もJOGMECを通して金を出しているところも確かでございますけれども、ここは比率としては民間企業が自ら自分で探してくるといっているようなことが多ございます。特に、自らがやっているというよりも、海外の企業からの持ち込み案件というのは、既に調査が済んでいるもの、これを自分たちで見させてもらって、自らそれを選択してくると。

ただ、選択したものの評価については、当然出資する、もしくは債務保証するという段階において、JOGMECの審査部がその目ききでよろしいのかどうかということを当然拝見するわけでございますけれども、その資金負担に関しては、既にそれは産コストとして民間企業側が払っているといったパターンが多ございます。

したがいまして、一番官の関与度が高いのが、調査ではなくて探鉱というところになりまして、開発に至りますと、そこは出資も下がりますし、ローンのほうに動いていくという意味において、だんだんとそこは政府の関与度合いが低まるという、こんな山型のイメージを想起していただければよろしいかなと思っております。

以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでございましょうか。

〔 佐伯資源エネルギー庁資源・燃料部鉱物資源課長補佐 〕念のため金属のほうも簡単にファクトだけご説明させていただきますと、JOGMECになったのは平成16年でございますけれども、これ以降、探鉱段階の出資としては2件、それから探鉱段階の融資としては13件ほどございます。基本的にこちらで失敗したという案件はございませんで、1件、探鉱融資の段階で想定した鉱量が、日本側として参画していた側からすると若干少ないということで、お金を返済してもらいながら外国の企業に託したものが1件ございます。

それ以外の開発段階の債務保証ということで、これは民間の銀行から比較的融資を受けやすい環境があるということで、債務保証ということをやらせていただいておりますけれども、こちらは現行において特に問題が起きているものでもございませんので、生産に移っているものも順次ございますので、基本的に今まで産投、金属の部分で非常に使わせていただいておりますけれども、現時点において失敗といったものは特にないのではないかと考えているところでございます。

〔 富田分科会長 〕ちょっと質問ですが、石炭資源、地熱資源がNEDOから移管されるということですけれども、そうすると考えとしては、調査は終わっていて、これから探鉱段階に移行するので出資が必要だということでしょうか。出資と同時に開発も債務保証をご要求されているわけですけれども、このあたりの関係についてお聞きしたい。

〔 安藤資源エネルギー庁資源・燃料部長 〕例えば、地熱の例で申し上げますと、実はこの前のいわゆるここで言う調査の段階につきましては、これは別途予算のご要求をさせていただいております。それ以降の探鉱段階ということで、今の話のように探鉱段階におきますボーリング調査、これはボーリングが最初のいわゆる調査段階から徐々に事業化に近づいてくる段階に向かいまして、基本的にはボーリングの太さと深さが深くなっていくとご理解いただければと思いますけれども、それによりまして、リスクはいわゆる少なくなっていきますが、1本当たり、あるいは投資をするコストが高くなってくるという構造になっております。

そういうことで、この探鉱段階におきます調査性と言っておりますが、調査のための蒸気を噴出させる井戸、これにつきまして、地熱の場合はここで申し上げます出資のお願いをさせていただいているということでございます。

それに対しまして、債務保証につきましては、これは実際の発電所を建設をして、それで蒸気を噴出させて、当然発電の前提をはかるわけでございますけれども、実際その作業をしている段階で、さらに蒸気量が足りないというような状況が出現をいたします。そういう場合に、まさに生産段階に非常に近いことと比較できるような意味でのボーリング調査といいますか、蒸気を噴出させる生産性そのものの投資コストについて、債務保証のお願いを差し上げていると、そのような構造でございます。

〔 富田分科会長 〕確認ですが、出資と債務保証を何カ所か、随分同時並行的にやられているということでよろしいですか。

〔 安藤資源エネルギー庁資源・燃料部長 〕実を申し上げますと、これはこれから出てくる案件とお考えいただければと思います。同時並行で進むケースもあるかもしれませんけれども、時間軸で追っていきますと、順番から申し上げますと、今申し上げた出資のほうのフェーズが先になっていくということだと思います。

ただ、かなり熟度が高い案件については出資、フェーズは超えまして、債務保証段階のほうで、もしご支援を得られるのであれば、そちらのフェーズに直ちに入っていくというものもあると思います。

〔 富田分科会長 〕はい。よろしいでしょうか。

それでは、このあたりで次に移りたいと思います。石油天然ガス・金属鉱物資源機構の皆様にはご退席をいただきます。ありがとうございました。

それでは、日本学生支援機構について、ご説明をお願いいたします。

〔 成田計画官 〕資料の2−1の1ページをご覧ください。24年度の要求額は事業規模で8,641億円、前年の8,185億円に比べ、457億円の増となっています。

2行下の財政投融資もほぼ同様の増加。ただ、増加額は781億円と大きなものとなっております。これは、奨学金を受ける学生の人数の増加を見込んでいるためであるということです。

左下のグラフをご覧いただきますと、貸与残高、事業規模、財政融資資金、いずれも急増している状況にあります。ただ、今回の論点は主として回収面に焦点を当てております。

次のページ、2ページをご覧ください。右側の欄の論点1ですけれども、貸与資金の回収状況についてです。「事業規模、財投の要求が伸びているが、奨学金事業の充実と健全性を確保するためには、貸与資金を確実に回収していくことが求められる。

文部科学省及び機構では、『独立行政法人日本学生支援機構の奨学金事業運営の在り方に関する有識者による検証意見まとめ』(22年9月公表)の内容を踏まえたアクションプランに基づき、現在、貸与資金の回収強化策をはじめとする各種取り組みを進めているが、どのような効果が発現しているのか」ということです。

論点に関する考え方ですが、「足下の貸与資金の回収率や延滞債権比率について、22年度の実績は改善しているが、機構に対する財政融資資金の貸付残高は年々増加し、22年度末現在では約3.6兆円に上っており、財政融資資金の償還確実性の確保を図る観点から、回収努力を厳格に継続していく必要がある」と考えています。

「このため、文科省が自ら策定した意見まとめやアクションプランに基づく債権管理体制の強化や回収強化策等については、その着実な実施が求められるところであり、その後の実態を厳しくフォローアップしていく必要がある」と考えております。

左側の欄には回収強化に向けた取り組みを記載しておりますけれども、この後、文科省の方からアクションプランについてご説明いただきますので、省略いたします。

次のページ、3ページをご覧ください。右側の欄で回収率とリスク管理債権の表などを掲げております。一番上の表の右下ですけれども、全体として回収率が85.4%と前年より少し改善している姿が見えます。

2つ目の表ですけれども、リスク管理債権ですが、3カ月以上延滞債権の比率といたしまして、少し色を塗ったところですけれども、3.7%ということで、前年から少し改善が見られますが、他方で下から2番目に返還猶予債権という欄がありまして、これは卒業後も仕事が見つからない場合など、返還猶予をする制度ですけれども、その額が22年度末は924億円と、増えておりまして、これも合わせて実質的にリスク管理債権を考えた場合には、5.8%ということで前年よりも悪化している姿が見られます。

一番下に法的処理の実施状況を載せております。本人に対しましては、強制執行に至る例が少しずつ出てきていることがわかります。ただし、連帯保証人に対しましては、まだ強制執行の実績はない状況となっています。連帯保証人が特に親である場合などには、強制執行まで実施すべきではないのかという問題意識を持っております。

続きまして、次のページ、4ページをお願いします。こちらの論点2ですが、適格性の審査の状況についてであります。左側の要求の内容ですけれども、適格認定制度の概要ですが、機構は、毎年1回、在学学校長の協力を得て、奨学金の資格の確認等、これを適格認定と言いますが、これを実施しております。適格認定は、機構が定めた基準(人物、学業成績、経済状況等)に基づいて、奨学金の在学する学校長が実施し、機構に報告。この報告に基づき、機構は奨学金継続の可否等を決定いたします。

実施状況の資料がついておりまして、奨学金の廃止、留年者などに対するものですが、22年度の実績は9,765件で1.1%。2段目の奨学金停止は1.3%。以下、警告、激励も合わせますと、合計で7.5%という実施状況になっています。

右側の論点ですけれども、この適格性の審査の状況はどうなっているのかということであります。論点に対する考え方としまして、2つ目の○ですけれども、「この適格認定は奨学生の適格性の確認の機会であると同時に、『借りすぎ防止』や『返還意識の涵養』を図る重要な審査と位置づけられており、将来的な延滞者を可能な限り小さくしていく取り組みにもなることから、各大学において厳格な審査がなされているかどうかを見極めるとともに、審査の充実に向けた取り組みが必要である」と考えております。

下の参考でありますが、第一種というのは無利子の奨学金、第二種がこの財投でやっております有利子の奨学金です。この第二種のところをご覧いただくと、3万円から12万円まで学生が自由に選択できるというシステムになっております。

したがいまして、注1の第二種のところにありますように、入学時に50万円受けて、かつ4年間12万円を受けると、4年生の大学を卒業したときには626万円の借金を背負っているということになります。

私からの説明は以上ですが、続きまして、文科省の方からアクションプランについてご説明をお願いしたいと思います。

〔 奈良文部科学省大臣官房審議官 〕文部科学省でございます。資料2−2に基づきまして、ごく簡単にご説明させていただきます。真ん中の下にページ数が打ってございますが、まず1ページ目でございます。

アクションプランの進捗状況ということでございますけれども、スケジュール的に、申しわけございません、2ページ目をめくっていただきたいと思います。先ほどのご説明にありますように、平成22年9月2日の提言を受けまして、機構のほうでアクションプランを作成しておりますけれども、そこに3つ欄がございまして、一番上は初期延滞債権、それから中・長期延滞債権、それから法的処理の円滑な実施がございます。このアクションプランは22年9月からということで進めてまいりましたが、一番上の初期延滞債権につきましては、架電による督促など、できるところから進めてまいりました。ほかの部分につきましては、具体的には業務委託も含めまして、回収強化に向けて検討を進めまして具体的には23年4月からいろいろな施策を実施しているところでございます。

申しわけありません、1ページ目に戻っていただきまして、実施状況の中身についてご説明申し上げます。先ほどご説明がございましたように、3つ項目がありましたけれども、まず1つは一番上の「組織体制の見直し」ということで、ポイントが2つございます。

最初のポツにございますが、平成22年8月から、「奨学事業部」を「奨学事業本部」と、その下に「奨学金事業部」と「債権管理部」に新しく分離いたしまして、債権の管理部門を強化し、二部体制といたしました。

それから、合わせて次のポツでございますけれども、その奨学事業本部に対しまして、「奨学事業戦略室」という企画部門を置き、実際の現業部門に分けるというような組織の見直しを行ったところでございます。

それから、「回収強化の取組」ということで、先ほど申し上げましたように、民間委託ということで幾つかございますけれども、架電、債権回収業務などにつきまして、22年度以降引き続き実施となってございますが、さらに強化いたしまして、初期延滞債権につきましては、架電督促といったものを強化する。また、下のほうのポツにございますけれども、法的措置につきまして、1年から9カ月に法的処理の早期化といったことも進めてございます。

そういった面から全体の回収率、右側にございますけれども、先ほどご説明がありましたが、22年度は85.4%ということでございます。

それから、総貸付残高に対する延滞3カ月以上債権の割合で、一番下の欄、22年度にございますが、3.6%となってございます。

続きまして、3ページまで飛んでいただきまして、有識者会議の提言を踏まえた具体的な回収強化策ということで、最初の黒い枠の下でございますけれども、21年10月からはコールセンターの設置とか、それから21年10月からは督促架電の早期における集中実施、また、4つ目のポツにございますけれども、先ほど申し上げましたが、21年10月ごろからは法的措置の早期化ということで、対象を延滞1年から9カ月に早期化しているということでございます。

あとは省略させていただきます。

4ページ目に、抜本的な回収に向けた取組のマル2というのがございますけれども、これは先ほどの資料の続きでございまして、21年度の機構側の検証委員会報告の内容、有識者の検証意見ということで、これも省略させていただきます。

5ページ目でございます。機構の奨学金貸与事業の推移ということで、先ほど有利子奨学金については拡大しているとございましたが、平成10年度から平成24年度までのグラフでございますが、平成11年度に大きな改革がございまして、与野党の自公合意に基づきまして大幅な拡大、考え方の整理がなされておりまして、黄色い三角が有利子の貸与人員でございますけれども、平成11年度で24万人ということで、ここから拡大が始まっております。

先ほどご説明したように、急速に拡大しておりまして、基本的には有利子につきましては要望にこたえるということで拡大してまいったのでございますけれども、一番右側でございますが、平成24年度は昨年度の91万人に比べまして、4万7,000人増の96万人を見込んでございます。

6ページ目をご覧いただきたいと思います。規模感ということで用意させていただきましたが、まず18歳人口ということで、一番上の高さでございますけれども、平成4年に205万人という18歳人口のピークを迎えまして、それから減少傾向にございます。現在23年度、真ん中辺でございますけれども、120万人ということで、ここ平成21年から32年ごろまでは、120万規模で横ばいで推移、その後、平成33年度から減少ということになってございます。

そういうことで、一応絶対数は減るのでございますが、赤い折れ線グラフでございますけれども、いわゆる受給率で見ますと、先ほど申し上げましたとおり、真ん中辺でございますが、平成11年を境に急速に伸びております。平成11年では約11%前後でございましたが、これが平成22年度で35.9%の受給率になってございます。この受給率は、当該年度の大学・短大の全学生数に対する当該年度の受給者の率でございます。

7ページ目をご覧いただきたいと思います。高等教育では、非常に教育の私的負担というのが問題になってございます。マル1は、平均給与が年々減少しているというグラフでございますけれども、マル2をご覧いただきたいと思います。年収に対する授業料の割合がどのように変化しているかということで、赤が私立大学でございますけれども、ちょっと数字がつぶれていて大変恐縮でございます。昭和51年が8.6%でございます。これが右側の平成18年度データでは14.2%まで年収に対する授業料の割合が増えているということでございます。

青いほうは国立大学でございますが、これは昭和51年では、3.7%でございます。平成18年度では9.1%ということで、授業料の占める割合が増えてございますので、年収的に非常に厳しい限度にきているというような私費の負担が増えているということでございます。

したがって、右側のマル3でございますけれども、具体的にどうしているのかということですが、そこにございますように、かつては72.4%、156万円を家計から負担していたということでございますが、これが平成12年度でございます。20年度では65.9%ということで、大分減少ということでございます。

その下の欄でございますが、アルバイトは平成12年度は38万円となってございますけれども、なかなかアルバイトが伸びない、なかなか難しい問題もございまして、平成20年度では横ばいでございます。

それに対しまして、奨学金につきましては、平成12年度18万円、8.5%から平成20年度におきましては34万円ということで、奨学金に頼っているという現状のデータを示させていただいております。

8ページ目をお願いいたします。もう1つの適格認定の問題でございます。先ほど概要の説明がございましたが、左側のマル1は平成22年度の実施結果の取りまとめでございますけれども、上の欄にございますように、「廃止」、「停止」、「警告」、「激励」といった4分類の対応をしているところでございます。全体といたしまして、「計」の欄でございますが、こうした何らかの処置を受けた者は5万4,900人ということでございます。割合は8.6%になってございます。

右側は実際に貸与月額の減額をした人数でございます。21年度の適格認定結果に基づきまして、22年度は1万1,000人、2%が月額を減額したということでございます。

9ページ目でございます。時間がないのでポイントだけご説明申し上げますが、適格認定の厳格化ということで、1番目から6番目までのいろいろな取組をこれからやっていこうということでございますが、5番目の認定基準があいまいであるということがございました。それを受けまして、例でございますけれども、(1)(2)(3)とございますように、「○%」というのはこれから具体的に調査して決めたいという数字でございますけれども、このように具体的な数字を決めまして、適格基準を明確化するというような対応をとらせていただきたいということでございます。

大変恐縮でございます。以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。

ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問。どうぞ、川村委員。

〔 川村委員 〕奨学金については根っこの問題がいっぱいあると思いますが、今日の論点に限定して伺いたいと思います。資料2−1の3ページに連帯保証人に対する支払督促申立をした数、昨年度の場合、一番下に695人。それから、もう1つは4ページの右下の参考の表の中に、親の収入の上限、これは実際に延滞が生じている奨学生の保証人の年収ゾーンということにもなるのでしょうか。第二種で1,207万円の年収というのは、日本の平均から言えばかなり高額の年収だと思いますね。まして夫婦共働きの上限額1,700万円というのは、かなり豊かな生活をしている層だと思います。

そういう中で、参考資料2−2の7ページにあるように学生生活費のうち、家庭からの給付が百四、五十万円であるということを考え合わせてみると、おそらく保証人の年収層で延滞率にもかなりのばらつきがあるのではないか。その実態をお聞きしたい。

それから、アクションプランをご説明いただきましたが、私も10年間現場にいて、果たして効果はあるのかということ。特に適格認定制度ですけれども、資料2−1にある「在学学校長の協力を得て」ということですから、あまり局部で物を申してはいけませんが、かなり形骸化しているのではないか。要するに、学務係とか学生係等に丸投げしていて、書類だけの形式審査で上がってきたものを学長が決裁するというケースがほとんどだと思いますね。

この辺、いくらアクションプランを作って形式論でやっても、現場ベースの審査がしっかり機能しなければ意味がないし、また回収のほうも奨学金制度全体のあり方自体にもっと深い問題があると思いますがそこはあえて目をつぶって、財投の観点からだけで申し上げれば、回収に努めると同時にリスク債権の解消を図らなければならない。なぜかというと、政策の方向性もあって、先ほどの説明では36%というレベルまで極端に受給者が上がっているわけです。

これは要するに貸し出しのリスクがものすごい勢いで上がっている状況と言えると思いますが、ある意味でいくら事務的にアクションプランをつくっても、返せないような人たちにどんどん貸し込んでいるわけですから、貸し倒れが起こるのはある意味で当たり前で、ここのところも改善しなければならないのではないかなと。後半は純粋に個人的意見ですけれども、特に前半の質問についてお答えいただければと思います。

〔 富田分科会長 〕では、原田委員、どうぞ。

〔 原田専門委員 〕ご説明いただきましてありがとうございます。

質問と、あとコメントが1点ございまして、まず質問のほうから申し上げますと、民間委託をなさっていらっしゃるということで、これにかかる費用はどのくらいなのだろうかということが少し気になっております。資料2−2の1ページに平成21年度から民間委託を始めていらっしゃるということで、委託件数ですとか、回収率などは出ていますが、民間委託してよくなっているか、なっていないかということを考えるのであれば、平成20年よりも前の数字があったほうが、民間委託してこれだけコストがかかっているのだけれども、これだけ回収率が上がっていますという議論ができるのではないかなと思いました。

そして、資料2−2の7ページに所得が減っているような図などがありますけれども、日本はデフレ経済ですので、名目で減っているのはいたし方ないのではないかということで、物価水準も加味した実質値で見るほうが、適切なのではないかと思いました。

あと1点コメントとしましては、貸付残高が3.6兆円ということで、かなり増えている状況ですので、これをバランスシートに持ったままでは今後のリスクが大きくなるように思いますので、何らかの形でオフバランス化するということも考え始めてもいいのではないかと思っております。

直観的な話で申しわけありませんが、住宅金融支援機構の証券化のスキームなどは、多分参考にできる部分があるのではないかと個人的には思っておりまして、月次のキャッシュフローがある小口債権で、ともに独法の資産であるといった共通点もあります。オフバランス化、バランスシートのスリム化ということも、今後考えることの1つなのではないかと思いました。

以上になります。

〔 富田分科会長 〕はい、吉野委員、どうぞ。

〔 吉野臨時委員 〕3点ほど、お聞きします、日本全体の奨学金制度のうち公的主体が行っているのが大体何割ぐらいなのか。アメリカですと、各大学が独自にやっている部分がかなりあると思います。

それから、2番目は有利子と無利子の関係ですけれども、有利子が増えているのはやはり財投から出ているからだと思いますが、財政の問題はありますけれども、日本の生活が苦しくなるのであれば、一般会計から無利子のほうを増やすという政策もあるのではないかと思います。

最後の3番目は、民間委託の場合にも、おそらく委託業者によっては非常に回収率がうまいところと下手なところがあると思いますので、同じ業者でずっとやり続けるのではなくて、やはり中身の精査というのも、今後お願いしたいと思います。

以上、3点。

〔 富田分科会長 〕それでは、お答えをお願いします。

〔 奈良文部科学省大臣官房審議官 〕ご質問の、まず連帯保証人の親の収入の状況ということでございます。今数字を調べております。

全般といたしまして、機関保証を行っておりまして、四十数%の学生が奨学金から一定金額を保証料として支払うということで、機関保証の仕組みを使っておりますが、基本的に本人が将来返すという仕組みですので、普通のローンとはちょっと違いまして、20年というオーダーをかけて本人が返していくということを基本にしておりますので、基本的にはリスク管理として本人の判断で機関保証のほうに一定金額を奨学金から払って、それで将来払えなかった場合に代位弁済するというのを基本に考えております。

それから、適格認定ですが、これにつきましては、学校で厳格にやっていただいているというふうに考えております。

他方、見込みの成績で審査してございますので、学校から適格認定の報告を受けた後、機構のほうから成績をもう一度学校側に問い合わせて、データを集めましてチェックするという仕組みを設けることとしておりまして、学校側からの報告をそのままということでなくて、機構側がチェックするということを今検討しております。

他方、それにつきましては、いろいろな議論がございまして、もうちょっと厳格にやったほうがいいのではないかというご意見もいただいておりますので、検討課題と考えております。

それから、いろいろコメントをいただきました、先ほどのオフバランスの議論も当然ながら税金を使いまして、貸し出しをして、回収して、それを原資にして、次の世代に奨学金を貸し出すということですので、回収は非常に重要だと認識しております。ただ、20年にわたる長期なものでございます。それから、学生本人に貸すということと、教育の機会均等という観点もございまして、若干一般の教育ローンとはちょっと違う観点がございます。

今回たくさんの議論をいただいておりますので、考え方の整理はさせていただきたいと思っていますけれども、基本的に学生本人に将来返せるであろうということで、教育の機会を与える、教育的な観点から貸すという仕組みで、なおかつ返済につきましても、20年が基本ですけれども、最長25年といった長い間をかけて返していただくという制度をとっておりますので、一般の教育ローンとは違う性質を有しているのではないかと考えております。

〔 松尾文部科学省高等教育局学生・留学生課長 〕あと、事実関係、先ほど日本全体の中で奨学金全体を見ると、JASSOの有利子、無利子奨学金がどれくらいの規模かということでございますけれども、8割から9割がこの日本学生支援機構の奨学金でございます。

人数ベースで見ますと、73.4%、金額ベースで見ますと87.6%でございます。あと十数%が民間の奨学金、それから大学独自の奨学金でございます。

ちなみにアメリカでございますけれども、アメリカはペル給付奨学金と、スタフォードのローンということと、それから大学独自の奨学金でございますが、その組み合わせでございまして、具体的にどれくらいの割合かというのは今データを持ち合わせておりませんが、ただ、日本の中では民間と大学の奨学金が1割前後というところでずっと続いているというのが現状でございます。

それから、もう1点、無利子奨学金にうまく切りかえていくべきじゃないかということでございますが、これはおっしゃるとおりだと思います。資料2−2の5ページをご覧いただければと思いますけれども、この中で、先ほど奈良のほうから申し上げましたが、オレンジ色が有利子の奨学金でございます。青が無利子の奨学金でございますが、若干ではございますけれども、事業費ベース、それから人数で伸びてはいるのですけれども、この伸びは有利子とは格段の違いでございます。

私ども、やはりしっかりと地域で学生を支えるという観点から、有利子とともに無利子をしっかり伸ばしたいと思っておりまして、またそれだけではなくて、逆に言えば今度は給付という概念もできないかということで、そういった形で検討をし、24年度の要求をしているところでございます。

あと、ほかの収入のゾーンというのは、JASSOさんのほうからご説明をさせていただきたいと思います。

〔 月岡独立行政法人日本学生支援機構理事 〕収入の件でございますけれども、基本的には所得の低い方を中心に貸与していくというスキームでございます。有利子につきましては、700万円から800万円というところが一番割合の高いところとなっております。ここを中心として、主に低いほうに伸びたグラフを描いております。1,000万円を超えるところというのは、数的には少のうございます。

生活費を中心に見ているわけでございますけれども、例えば子供の数が多いと、子供さんが、例えば私立の高等学校に行って、今はちょっと状況が変わっておりますけれども、あるいは子供さんがもう1人私立の大学に行っているとか、いろいろな状況もございますので、そういったことにかかっているお金を引きながら、適格かどうかということを考えております。したがって、子供さんの数が多くても、あるいは家族の中に介護を必要とする方がおられても、その人の分が支障となって奨学金を受けられないといったことがないようにしているような感じでございます。

それから、回収委託のコストでございますけれども、回収委託は早期化分といいますか、返還が4回滞った段階から回収委託を行っております。こういう早期化分というのと、それから、ある程度、もう3年、4年、5年といったように延滞が長くなってしまった人、これは早期化を始めたのが最近でございますので、それ以前に滞っている人がおります。そういった方などを中心にして、2つのスキームで行っておりますけれども、早期化分につきましては、22年度におきまして約1億円程度かかっております。その結果、17億円程度の回収をしております。

また、中長期分でございますけれども、こちらのほうは2億円程度の手数料がかかっておりまして、19億円程度の回収となっております。早期化分、あるいは中長期分、いずれにいたしましても、回収のコストにかけた分以上の回収はされていると考えております。

以上でございます。

〔 奈良文部科学省大臣官房審議官 〕先ほどアメリカの学生支援の概要ということで概数を申し上げますと、いろいろな種類がございますが、連邦が実施している、給付型とローン型と両方あるんですけれども、約74%が連邦が支給しているという奨学金でございます。それから、州自体が実施しているのが4%、大学が独自に実施しているのが17%、民間雇用が5%ということになってございますので、大体率から言うとそういうことでございます。

〔 富田分科会長 〕今の連邦は、給付ではなく、貸与、ローンではないでしょうか。

〔 奈良文部科学省大臣官房審議官 〕全体です。給付型は内数で21%でございます。先ほど74と申し上げたのは、ローン型とか、給付型とか、ワークスタディーという事実上のお金の支援とか、減税型とか、全体を合わせたのが74%で、そのうち給付型が21%でございます。

〔 富田分科会長 〕はい。池尾委員、どうぞ。

〔 池尾臨時委員 〕ご説明があったように、平成11年度に当時の自公政権のもとで政策方針が大きく変更になって、奨学金の規模が急増した。しかし、貸し出すほうは急増したけれども、それに伴っての態勢整備というのが直ちには行われなかったので、回収面で問題が生じた。こうした経緯を受けて、アクションプラン等を実施されて、態勢整備を急がれているという構造だと理解しております。そこで、態勢整備が現時点でどこまで追いついてきたかというのが論点1だと思いますけれども、ほぼ態勢整備が追いついたという判断なのか、まだ体制整備まで数年を要するという感覚なのか。態勢整備の進捗についての評価をお聞かせください。

〔 富田分科会長 〕はい。お願いします。

〔 月岡独立行政法人日本学生支援機構理事 〕今、先生からご指摘のように、態勢を整えることを目指して回収状況の改善に努めております。一種、二種、合計の回収状況でございますけれども、16年度におきましては77.9%ぐらいの回収状況でございましたけれども、22年度、昨年度は80.6%のところまで伸びてきておりますので、徐々に態勢を整えながら取り組んできていることの成果は出てきているものと思っております。

それで、私ども独立行政法人日本学生支援機構は、この回収率に関しましては、中期目標上の計画がございまして、それは第2期終了時におきまして、82%を超えることが目標でございます。それに向けて、現在取り組んでいるところでございまして、現時点、22年度におきましては、80.6%の回収でございましたけれども、22年度の私どもの目標といたしましては、80.7%を目指しておりましたので、0.1ポイント届かなかったというところでございます。

22年度は21年度よりも改善の傾向がありましたので、その傾向を23年度も継続していると、私は現在評価しておりまして、23年度につきましては、何とかして、当初中間的な目標としております年度の目標を達成したいと。そのことをばねにして、中期計画の82%を何とかして達成したいと思っていろいろな努力を重ねているところでございます。

〔 富田分科会長 〕はい。川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕基本的なことを確認しますけれども、先ほどの民間委託、1億円の費用で17億円回収できたから、コスト以上の効果があったというお話がありましたが、それはそういう考え方でいいのでしょうか。つまり、フローで1億円の経費を出して、ストックの債権が17億円が返ってきたとしても、もとをとれたことにはならないと思います。

もともと何もしなくて本来返されてくるべきものに、1億円の経費を掛けて、それでもとがとれたと評価するのは、ちょっと数字のマジックのようで違う気がいたしますのでご説明をお願いします。

〔 月岡独立行政法人日本学生支援機構理事 〕2つのスキームでと申し上げましたが、早期化部分というのは、21年10月以降に振替不能となったものから、振替不能が4回連続した段階で回収委託に出すという方針で行っております。したがって、それまでの間は、それ以前は、機構で回収の努力をしていたわけでございますので、そこは比較できるかなと思うのでございますけれども、そういう意味では、早期化分につきましては、回収率が向上していると評価しておりますので、成果はそれなりに出ているのではないかなと思っております。

〔 川村委員 〕いや、私が質問したのはそういうことではなくて、成果が出ているのはわかりますが、費用対効果の考え方として、フローで費用をこれだけ突っ込んだからストックの資産が戻ってきたという考え方は、おかしいのではないかと伺っているのです。

〔 月岡独立行政法人日本学生支援機構理事 〕ちょっと勘違いしているところがあるかもしれませんけれども、私ども回収した資金につきましては、そのまま当該年度、あるいは次年度の奨学金の資金として使用することとしておりますので、現に延滞となっていたものが解消して返ってきたといたしましても、それはそれで私どもとしてはその年度の収入としては使えるので、効果があるのではないのかなと思っております。

〔 川村委員 〕これ以上の質問はやめますが、大分私の認識と違いますので、疑問は留保しておきます。

〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。

それでは、私からですけれども、回収率の向上に努力しているという説明がありましたが、機関保証もやっており、戻ってこないお金が機関保証という形で国民負担につながってしまうリスクというのもあるわけですので、単に表面的な回収率だけではなしに、やはりもっと体系的に考えないと、この問題は小手先で片付くようなものではなくて、本当に持続可能な形の奨学金制度とはどういうものであるか。これは、やはり入り口のところの審査と申しますか、川村委員がご指摘の問題ですね。それをどのように取り組んでいくかということが一番重要であろうと思います。

はい。翁委員、どうぞ。

〔 翁委員 〕審査のところについては、以前から大学ごとにかなり格差があるというような話も聞いておりまして、そういった点について、もう少し大学などの教育機関に対して審査を充実させるようにインセンティブをつけるような方策が考えられないのでしょうか。ディスクローズをするというような話も以前あったと思いますが、そのあたりの検討は進んでいるのでしょうか。

〔 奈良文部科学省大臣官房審議官 〕まず、先ほどご説明いたしましたけれども、審査基準を明確化して、それで恣意的なものにならないようにということで、一定の基準をこれから各大学に示したいということが1つございます。

それから、もう1つはチェック機能を高めるという、これは宿題かもしれませんが、今後機構によるチェック機能、または第三者とかのチェック機能を高めることについて検討したいと思います。

もう1つは情報公開でございます。これも小口の大学の情報を出せるかどうかというのは、なかなか議論のあるところでございますけれども、ただ、そういう面ではなくて、もう少し全体像として国民にわかりやすいように情報公開していくというようなことも、あわせて検討させていただきたいと思っています。

いずれにいたしましても、先生ご指摘の点は重要だと思っていまして、大学側との関係もございますけれども、なるべく明確な形で、わかりやすい形で、チェック機能を強化するということについて、少し検討させていただきたいと思っております。

〔 富田分科会長 〕少しではなしに本格的にお願いしたく思います。

〔 奈良文部科学省大臣官房審議官 〕失礼しました。本格的にやらせていただきます。

〔 富田分科会長 〕きょうはこれまでにします。ちょっと時間がございませんけれども、ご説明ありがとうございました。

それでは、ここで次のテーマに移りたいと思います。学生支援機構の皆様には、大変ありがとうございました。

それでは、農林漁業成長産業化支援機構(仮称)について、ご説明をお願いいたします。

〔 成田計画官 〕資料3−1の1ページをご覧ください。24年度要求額200億円、これは新規の要求であります。これは6次産業化を推進するために官民共同のファンドを設置しまして、それを、今あります産業革新機構のように株式会社形態で設立するというものであります。その仮称が、今会長からご紹介ありました農林漁業成長産業化支援機構ということであります。

ここで別冊の参考資料、3−2をご覧ください。1ページ目ですけれども、「今、6次産業に取り組む理由」とあります。一番上のほうですけれども、今、1次産業は生産額が約10兆円にとどまっているということです。他方で、食品関連の2次産業、3次産業をあわせますと約90兆円ということで、その下のほうに行きまして、この農林水産業者が商工業者との連携を通じて2次・3次産業に参入することによって、農林水産業者が生み出す付加価値を拡大していこうということでございます。

3ページをご覧いただきたいと思います。一番上の矢印の中にありますけれども、これまでも、6次産業化といわれるような先進事例はあったわけですけれども、この6次産業化の確立期の前後の過程に、20年から30年近くの長期を要しており、かつ、成功事例も多くはないということです。そこで農林水産省としましては、これをより短期間、上から2つ目の矢印ですけれども、10年から15年で集中的に成功事例を生み出そうという取り組みを始められたということです。

2ページをご覧ください。その取り組みの最初が、左側にありますもののうち、マル3の農商工連携であります。しかし、この場合の連携は契約関係が基本であることから、農業者側の立場が弱く、利益を十分に享受できないといった課題があるということです。

続きまして、その下のマル4の6次産業化のほうに移りまして、昨年12月に法律が成立いたしました。ただ、真ん中に赤字で書いてありますように、他産業とのマッチングコストの大きさ、あるいは農林漁業者の過小資本性等がネックになっていると認識されているということです。

そこで、さらにその下に行きまして、マル5の6次産業化、ファンドによる戦略的連携ということで、これらの課題を克服するためのものとして、このファンドの構想が出てきているということです。

4ページをご覧ください。ここに、ファンドによる支援スキームが示されております。左から2番目のピンクのところが、「農林漁業成長産業化ファンド」と書いてありますけれども、これが支援機構とイコールで、株式会社形態になります。そこに国である産業投資勘定から出資、あるいは民間からも出資をすると。出資比率はここには記載しておりませんけれども、国からが、おおむね9割、民間からが1割を念頭に置いているということです。

次に、この支援機構から右のほうに、地域ファンド、テーマファンドがあります。いわゆるサブファンドですけれども、農林漁業は地域の特性があるために、サブファンドとして地域ファンドをつくるとか、また、1つのテーマに応じたファンド、いわゆるテーマファンドをつくることも考えられるということです。この地域ファンドないしテーマファンドのサブファンドには、機構からの出資比率はおおむね50%、それから上にあります緑色の民間等からも50%の出資を念頭に置いております。そしてそこの地域ファンドから、右側の支援対象であります農林漁業成長産業化に取り組む事業者、これは合弁会社を予定していますが、ここに地域ファンドから50%の出資を予定しているということです。この合弁会社に対して、一番右側ですけれども、農林漁業事業者と、6次化パートナー企業がそれぞれ25%ずつ出資をするということを念頭に置いております。

ただし、ポイントの1つは農林漁業事業者のほうが主たる経営者であるということであります。そうすることによりまして、農林漁業者側が、いわゆるパートナー企業と対等以上の立場を確保して、農林漁業者側の利益を確保するということが1つの要件になっているということであります。

あと、機構の下側に6次産業化プランナーと黄緑色で書いてありますが、このプランナーにつきましては、いわゆる中小企業診断士やコンサルなどが多いらしいのですけれども、農林水産省がプランナーとして認定いたしておりまして、この方々が6次産業化の事業者に対して事業計画などのアドバイスをする、ここに「ハンズオン」と書いてありますけれども、経営支援を行っていくということであります。

もとの資料にお戻りいただきまして、2ページをご覧ください。要求の内容は重複しますので、少し省略しますが、一番下の●ですけれども、「6次産業化への農林漁業者と他産業の事業者による戦略的連携が民間により自発的に醸成され、農林漁業の構造転換が自律的に起こるようになるための『呼び水』としての役割を担うという観点から、機構は20年の時限付きの法人とする」ということです。

右の欄の論点1に行きまして、農林漁業の成長産業化を支援するため、新たなファンドを創設することとしているが、具体的なシーズがどこにあるのか、政策的必要性や支援対象の妥当性を有しているかという論点です。考え方のところは同趣旨のことが書いてありますが、参考としまして、「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」というものが今から3週間ほど前に決定されまして、一番下のところですけれども、「ファンドの組成について具体的に検討し、平成23年度中に結論を得る」ということが記載されております。

次のページに移りまして、3ページですが、右の欄の論点です。上から4行目の途中からですが、「ファンドによる支援により、農林漁業者の立場の対等化・強化が図られ、従来の業務提携の課題が解消されると考えられるのではないか」、「支援対象となる6次産業化事業者が、新たな商品開発等を通じて競争力を高めることができれば、農林水産物を生産する農林漁業者にも利益が還元され、また、新たな需要の創出や内外の新規市場の開拓を通じ、農林漁業の成長産業化に資するものと考えられるのではないか」としております。

4ページ、こちらは論点2になります。まず、右の欄の上ですが、「投資の手法や組織形態等、具体的な事業スキームが、適切なガバナンスや収益性を確保できるものとなっているか」ということです。

左側の要求の内容ですが、「民間資金及び民間の人材・ノウハウを最大限活用するため、地元の金融機関等により設立される地域ファンド等のサブファンドを活用した出資を基本とする」としておりまして、参考1ですけれども、機構とサブファンドの主な業務を記載しております。まず機構ですけれども、1番がGP(General partner)、これはサブファンドの主たる運営者になりますが、その募集とかサブファンドの組成。マル2が外部投資委員会。この外部投資委員会といいますのは、主として外部の人で構成されるという意味でございます。産業革新機構でいうところの産業革新委員会と同様のものでございます。それを通じたサブファンドに対する支援、監督。それからマル3が、出資等の基本政策の策定などであります。

少し飛ばしまして、サブファンドですけれども、マル1として、地域金融機関や地元企業などの出資先等を通じて案件を発掘。マル2で出資の決定及び機構への協議。それからマル3出資先企業の継続的成長に向けた総合的経営支援、役員の派遣による経営参画も含みます。それからマル4として出資先のモニタリング、報告などであります。

次のページですけれども、5ページの左側、要求の続きですが、一番上の●です。「機構は民間による効率的・効果的な運営を基本とし、その出資は、適切な支援基準の下、客観性・中立性・専門性を確保した農林漁業成長産業化委員会(仮称)」、これは先ほど申しました外部投資委員会のことでありますが、この「支援決定に基づいて行われ、並行してハンズオン(経営支援)が行われることにより、事業リスクが軽減されるため、償還を確実なものとすることができる」としております。

それから、次の6ページですけれども、「ファンドの投資期間は最長15年として、6次産業化の新たなビジネスモデルの構築に資する新たな企業群を育成する。当初10年間は重点育成期間とし、モデル企業の収益率(ROA8%)を目指す」としております。

4ページに戻っていただきまして、右側の論点のほうですけれども、論点の2で、「投資の手法や組織形態等、具体的な事業スキームが、適切なガバナンスや収益性を確保できるものとなっているか」ということですが、考え方としまして、一番下のところですけれども、「地域ファンド等のサブファンドを通じた間接出資スキームは、ガバナンスの確保が重要であると考えられる。本スキームは、支援基準に従い、機構の意思決定が確実に投資に反映されるようなチェック体制を構築することとしているが、支援基準を具体的に策定する際は、ガバナンスの確保が確実に図られる内容とする必要がある」と考えております。

5ページですけれども、右側の論点です。「当該ファンドの運営を成功させるために必要な人材の要件を検討し、その要件を満たす人材を確保することが重要である」と考えております。それから、「農林漁業者が2次・3次産業の収益性を取り込むことに加え、6次産業化プランナーやサブファンドによる強力なハンズオン(経営支援)を行うことによって収益性を確保することとしているが、収益性の試算が一定の合理性を備えた考え方に基づいて計算されているか精査していく必要がある」と考えております。

私からは以上ですが、引き続き農水省の方から具体的なシーズ等についてご説明をいただきます。お願いします。

〔 針原農林水産省食料産業局長 〕9月に新局ができました。農林水産省、食料産業局長の針原と申します。よろしくお願いいたします。

補足説明として、シーズを含めたこのファンドの農政上の意義について補足してご説明申し上げます。

これまで農政は、特に加工施設、1次産業に対する直接支援ではなく、加工支援については補助金とか融資をもってやってきたわけです。これはずっと昔から続く、第1次農業構造改善事業というようなことを主体にしてやってきておりました。ただ、この手法によりますと、1次産業サイドでリスクが完結してしまうということで、生産・流通・加工の各段階でバリューチェーンが分断されるきっかけをつくってしまっているという反省がございます。場合によっては、共同利用要件というのが補助金の場合はつきますので、協同組合主体の助成になるということで、イコールフッティング上、企業には補助金が行かないということで、地域によっていろいろな対立を起こすことすらあったわけでございます。特に補助金でつくる加工施設にこういう共同利用要件があって、全体が参画できないということと、どうしても規模が小さくなりがちで、マーケットのニーズを十分踏まえるということから見ると、なかなか対応できなくなる。最初はよかったのですけれども、だんだん競争が激化するうちにできなくなっているというような状況になりました。

今回のファンドは、補助金・制度融資とは異なり、2次産業、3次産業とリスクを共有する、資本連携をしながら、リスクを共有しながら、設備投資その他の新規の取り組みを促進する、6次化の取り組みを一緒にやっていくという、新しい政策ツールを農政にもたらすもので、農水省としては初めての取り組みでございます。

このことにより、考えられるだけでいろんな効果があると思いますが、例えばバリューチェーンをつなげ、生産から消費に至る段階で付加価値が向上してマーケットに行く。これは、普通の製造業はやっているのですけれども、1次産業から配置するときはそれが分断される。それがつながるという、普通の産業がやっている普通の行動がこの世界に導入されるということです。例えば、最近は漢方薬がはやっているのですけれども、漢方薬をつくっている生産農家と製薬会社が共同出資で会社をつくることにより、バリューチェーンがつながるということが考えられる可能性がございます。ただ、その場合、今までですと、1次産業がないものですから、なかなか製薬会社と資本提携ができなかったというきらいがございます。しかし、本事業によりマーケットの情報が即座に、どんな漢方薬の薬草をつくればいいのかというのが把握できるという、こういうようなことにもなるのではないかと。

もう一つは、それによって対立からウィン・ウィンの関係になる。損するときも儲かるときも一緒だという関係ができるのではないか、こういうことでございます。

また、1次産業サイドにとっては、産業界が培ってきたノウハウ、それから技術、これが、同じ経営の中で活用することができるようになる。それで、より大きな、1次産業だけでは向かうことができない、例えば輸出マーケット等々につなげていくということで、成長軌道に乗せる大きなきっかけになるのではないかということも考えているわけです。

もう一つは、食品産業にとって、地域を越えた大きな農家との資本提携をやると、大ロット、もう一つは同じ品質のものが終年安定供給されるという効果を生み出す。地域の農協だけでは、ちょっと品質の悪いものも抱え込んでしまうというところがあって、なかなか、食品産業にとっては資本提携といいますか、原料入手面で不安定なところがあったのが、そういう効果を期待することができる。これは、いろいろな実際のシーズとしても、外食産業がこれに着目して、我々のところに問い合わせが来ているという具体的な話があるわけですが、そのことによって、今までそういう企業は外国産のものを仕入れていたわけです。それを国産にチェンジする、そういうような動きにもつなげるという担当者の話も出てきております。

それからもう一つは、今まで補助金でつくってきた零細な施設の再編成という、再生型ファンドとして使うことによって、今までの施設をいかすという、それで効率を上げるということも期待できるのではないか。どうしても、中小の乳業とかハムだとか、製材工場、それから直売施設、ちょっと過剰投資みたいなところが出てくる部分が若干ございますので、そこは再編成しないと伸びないという部分がございます。ぜひ、そういうようなことのきっかけ、これまでは具体的なシーズしか出てきていませんが、そういうことにも使い得るということで、そういう具体的な動きをつくっていきたいなと。

ただ、最初は200億円ということで、昔の補助金規模からいえばそんなに大きな額ではございませんけれども、ただ、優良な案件をつくって、こういうものであったら、ほかの地域もやってみようかなという気になるようなものを最初に手がけて、全体が伸びる、要は 100兆円を120兆円の産業にして、10兆円の1次産業と90兆円の2次・3次産業が、20兆円の拡大部分を共同でシェアすると。10年で20兆円というのは、年利ですと、20兆円を10年で割ったら2%、複利ですと1.8%ぐらいの成長率で、普通の成長見込みを、少しおとなしめでもあるのですけれども、そういうような世界をつくるきっかけにしていきたいということで、ぜひ、ご理解をお願いいたしたいと思います。

〔 富田分科会長 〕なかなかいい投資話に聞こえてしまうのですけれども、いい話には注意しなければいけないので。

池尾委員、どうぞ。

〔 池尾臨時委員 〕会長がおっしゃったとおりの感想を持つのですが、だからうまくいけば、非常にバラ色の将来が展望できるというのはそのとおりだと思うのですが、それにかかわって肝心なのは、論点に出ていますが、1つはガバナンスの問題と、それからもう一つはやはり人材の問題だと思います。ここで、ハンズオンで経営指導してということがうたわれていますけれども、そういうことをやれるだけの人材が現にいるのかという問題がありますし、そういう人材をどういう形で確保、あるいは養成して、こういうプロジェクトに引き込んでいくのかという、人の問題が非常に大きいと思います。

それから、ハンズオンで指導するというだけではなくて、支援対象に対する規律づけということが非常に重要だと思いますので、規律づけという意味でのガバナンスを、投資対象に対して本当に行使していけるのか。これも人の問題とかなり絡むと思いますが、制度的に規律づけの仕組みをどう仕組んでいくのかという点。この、人材とガバナンスの面というのがクリアされないと、絵に描いた餅にしかならない。きれいな絵だけどという話になりかねないと思いますので、その2点に関して、論点の直球ですけれども、お答えいただければと思うのですが。

〔 富田分科会長 〕吉野委員、どうぞ。

〔 吉野臨時委員 〕もう一つは、それぞれのアクターのインセンティブ・メカニズムがきちんとあるかどうか。ですから、例えばいい事業をやれば、その方々にボーナスでも入るというような仕組みがないと、やはりどうしてもこちらの最初の産投の出資に頼ってしまって一番悪かった第3セクターの失敗をまた繰り返す可能性があるような気がいたします。そういう意味では、この出資について民間、あるいはこの農林漁業成長産業化ファンドが、リターンをどういう形で分配し、それから民間の人たちに対しては、どれくらいのレート・オブ・リターンが出るのかという、もう少し具体的なスキームがあるといいのではないかと思いました。

それから先ほどのお話ですと、やはり加工に関しては補助金でやっていると、マーケットメカニズムに従わずに過剰投資になってしまうわけで、そうすると、この出資の部分も、ずっと続けると、ある部分では過剰投資を同じように伸ばす可能性はあると思います。ですから、いかにマーケットメカニズムをここの中に入れてくるかということ。

それから最後は、なぜこれまで第2次、第3次産業と農家が結びつかなかったのか。第3次産業、第2次産業は、まさにマーケットメカニズムで動いていたわけですけれども、それが第1次産業と結びつかなかったのは、何か規制があったのか、それともマーケットとしてそこがうまくいかなかったので、それをこういう形でやれば資金が回るからいいのかどうか、ぜひ教えていただきたいと思います。

〔 富田分科会長 〕原田委員、どうぞ。

〔 原田専門委員 〕何点か質問させてください。

まず、1点目としては新たな組織を設けるコストは当然かかってくるわけですが、ベネフィットについてもう少しお示しいただければと思いました。農林漁業者を支援する類似の組織というのは既に幾つかありますので、そこに機能を追加するような形という可能性もあるのではないかなと思いますが、6次産業化への事業を支援するということだけで、新たな組織をつくるメリットはどのくらいあるのだろうかということを、少し疑問に思っております。

2点目としましては、資料3−2の4ページに、ファンドのスキーム図がありますけれども、この一番右のほうに、主たる経営者は農林漁業事業者であるということが書かれてありますが、これは多分、参入をはばむ規制になり得るのではないかなと思います。今まで農業生産法人が伸びてこなかった理由としましても、似たようなところに原因があるのではないかと思いますので、スキームが、これですごくいいものかどうかということは、もう少し考える余地はあるのではないかなと考えます。

最後に、6次産業のポテンシャルが非常に大きいというような見方。そうなのかもしれないのですけれども、デフレ経済で、どう競争していくのか、国内の原材料や人件費で競争できるのかというところ、もう少し詰めなければいけない課題ではないかなと思いました。

以上になります。

〔 富田分科会長 〕冨山委員、どうぞ。

〔 冨山専門委員 〕基本的に全体として、多分これ、産業再生機構モデルの延長線上でやろうとしているという認識で、幾つかコメントと質問です。

1点目は出資の判断のところです。少し生々しくなってしまいますが、これは地域ファンド型でまず出資の判断をして、それを機構と協議する形になると思いますが、再生機構モデルにおける出資判断というのは100%裁量的な行為になりますので、要は、一定基準を満たしたからといってもお金は出さないんです。そうすると補助金と同じことになってしまうので。

要は、基準を満たしていても産業再生機構で支援していない会社はたくさんあります。最後はきわめて主観的な、経営的な裁量判断で決めているので、そうすると、裁量性と中立性が両立するというのは簡単ではなくて、そこで裁量的に落とした場合、必ず、特に地域に行けば行くほど、すごい勢いでいろいろな注文が来るわけです。私も色々な政治家とかに大分呼び出されましたが、地域に行けば行くほどこの問題は深刻で、実は、産業再生機構案件で最も苦労したのは、はっきり言って地方案件です。これはとてもくせ者で、これをどうやって終わらせるかというところが1つのポイントで、私の意見は、これは基本的に機構側に最終的な決定権を全部持たせるという形にしないと、地域ファンドに持たせることはきわめて危険だと思いますので、この辺をどうお考えかということが1つ目。

ただ、それを機構側の外部投資委員会だけで最終的に担保するのも実は危険で、要は、結局執行部の顔ぶれなのです。先ほどありましたようにディシプリン、動機づけのところをしっかりやらないと、外部委員会は外向けのアリバイづくりとしてはいいですけれども、実質的には執行部が勝敗を決するので、やはり執行部の顔ぶれをきちんとしなければならないわけです。この辺の人選は結構大変だと思います。私も結構大変だったので、外部委員会でオーケーという感じは正直しません。

それから3つ目、ハンズオンのところ。このハンズオンの問題は、一方でエコノミクスの問題がすごく難しくなってくるところがあって、ハンズオンというのは、言うのは簡単ですけれども、やるのはものすごく大変です。やっている本人の経済的なリターンとか報酬の問題と、例えば案件の規模等のところで、実はものすごくいろいろなトレードオフが起きてまいります。それで、200億円という規模でやるのであれば、案件数は相当絞り込んで、大きい案件、200億円だったらせいぜい10件ぐらいに絞り込んでやらないと、多分、ハンズオンでやると絶対に経済性が合わないはずです。これは、実際、商売でやっているからよくわかるのですけれども、絶対に合わないです。

逆に、小さい案件規模に合わせてハンズオンの人を連れてくると、ろくでもない人が来てしまう。要するに仕事がない人だったらやってくれますけれども、大したことのない人が来てしまうので、大した人を使おうと思うと、やはりそれなりの単価になりますので、その辺を考える必要があります。すいません、何かコンサルティングをやっているみたいですけれども、案件数は絞ったほうがいいかと思います。

4つ目、これで最後です。先ほど、何人かの委員からありましたが、実は、全プレーヤーの動機づけを非常に大きく決めるのはエグジットをどうするか、要はエグジットスキームをどう考えるかというところが、実は勝負どころだと私は思っているのですが、これ、いろいろな人がステークホルダーで買いますよね、それで多分、機構自身はどこかで、15年ですか、出ることになるわけですが、エグジットがどういうデザインになっているかによって、ここにかかわる、特に民間の人たちの動機づけがすごく異なってくる。これはやる本人、ハンズオンの人もエクィティでもらう可能性があるので、このエグジットのところのスキームをどのように詰めておられるのか、この点、お願いします。

〔 富田分科会長 〕川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕すいません、3つ教えてください。

1つは、6次産業というのは、私自身はあまり知らなかった言葉なのですが、今までなかなかできなかったことが、こういうファンドの形態をつくれば、相当部分が解決できるのではないかというご発想だと思いますけれども、果たしてそうなのか、より、もっと農林行政なり、農林法制の根幹部分とか、そういうことにかかわっているところがありはしないのかと、素朴なところで感じました。それが1つ目です。

2番目、200億という金額の範囲の中で見たときに、選択と集中が相当程度必要ではないかなと思います。その場合に、先ほど漢方薬の例をご提示されましたけども、そうはいっても、この6次産業的な、今日までの成功事例というのはないのか。

つまりこれは、ただ単に新しいブランド米をつくるというような話ではなくて、2次産業、3次産業とのシナジーを求めてバリューアップさせるという、こういうご発想だと思います。その理念というのは大変賛同するものでありますけれども、私も地方の県で、いろいろな農業関係の革新的な取り組みというものが100ぐらいあっても1つも成功していなかった実例を見ているものですから、先行事例として範とするものがあるのか、あれば教えていただきたいというのが2点目。

3番目が、これはご専門の委員もいらっしゃるので、私が聞くのも変ですけれども、資料3−2の5ページに出ている、これは多分、投資信託の目論見書だったら、一発で金融庁から指摘されてしまうのではないかと思うような基本シナリオのような気がします。IRRが産投で10.3%、機構で14.7。Net Present Valueを見てもすごい結果になっていますのでこれなら喜んで出資しますと考えてしまいそうですが、本当にこういうシナリオでよろしいのかというのが3つ目です。

以上です。

〔 富田分科会長 〕それでは、お答えください。

〔 針原農林水産省食料産業局長 〕ありがとうございました。

私ども、非常に気を使っている、まさにそのことを、また、人材の発掘は気を使うと同時に、これから、来年の10月に設立させていただければ、その間ずっと、私ども担当者が悩み続けなければいけない問題だろうと思います。

まず、人材につきましては、必要とする人材は2つの要素に分かれるのではないかなと。1つは1次、2次、3次の現場の実態を知っている、そういうような人が1、2、3をくっつける、マッチングさせて資本提携させるという、今まで、契約関係で対立してきたかもしれない人たち、そういうヒューマンスキルを持っている、かつ、あまり見込みに走らず、儲かりますみたいなことを言わないで、きちんと本人たちも納得させてという、そういう人たち、これは地域のそういうことに取り組んでいる、今までの人材の集まりからいくと、地域おこし専門士みたいな、そういう総務省のあれとか、そういう方々の固まりの中、要は地域の元気印みたいな人たちの中から選ぶという、まず、そういう案件形成、きちんとした案件形成をやる人と、もう一つは、もう少し冷徹に審査をして、ガバナンスをしっかり規律づける、そういうグループの方々、審査能力とか、それから今後の経営としての予見能力、こういう方が、むしろ地域の元気印の元気だけよりも、民間のそういう、企業経営の経験のある方、あるいはそれを指導してこられた方、この中にもたくさんいらっしゃると思いますが、そういう方々から見つけていくのかなと思います。ですから人材は、いい案件の発掘とそれを育てていく人、ガバナンスを効かせるタイプの方、これからやっていかなければいけないと思いますが、例えば産業革新機構の場合は、出向は許さないと、とにかく前の環境を遮断してきてくださいと。そのかわりエグジットがあった場合は、その後、その次の人生がありますから、このとき成功すれば、必ずその次のステップで、人生として評価されますと、そのかわり、そのとき失敗したら、もう二度とこの世界では生きていけませんよみたいな思想で選ばれたというふうに、我々は勉強して聞いております。そういうことも参考にしながら人選びというのをやっていきたいなと思います。

そういう中で、そういう方々にインセンティブ・メカニズムをどうつけるか、例えば固定給で、後でリターンとして少し上乗せしますというような評価、事後評価システムを効かせて契約をするというようなやり方、これも革新機構のやり方のようですが、それも参考にしながらやっていくのかなと思っております。

それから、何人かの委員の方から、例えば、同じような過剰投資になるのではないか、これをやったらなぜそういうのが防げるのか、あるいはマッチングはできるのかというようなご指摘がありました。もう一つは、このファンドで全部解決できるのか、根幹部分、もっと問題があるのではないかということもございました。それは、多分このファンドだけで今の農林漁業が成長産業化するという、そういう甘い見通しを持っているわけではございませんで、この10月25日に食と農林漁業の再生推進本部で決定いたしました、農林漁業再生のための7つの戦略というものがございます。

その戦略の7つの第一は、まず、新規に優秀な人材を農業界に呼ぼうではないかと、そのために就農支援資金を、年間、例えば150万、それを最大7年間供給して、早く卒業された方はもっと短いのですけれども、呼び込もうではないか。

もう一つは、今いる経営を5年間で集中的に拡大して、20から30ヘクタールを中核とする土地利用型の農業構造を実現しようではないかと、このために、今の直接支払いのやり方も見直していこうではないかという戦略1というのがあります。

2つ目は、このファンドを中心とする成長産業化の路線でございます。その中には、輸出という拡大するアジア市場に、1次、2次、3次の原料供給力と、資本力と技術力、ノウハウをあわせたもので、外に打っていこうというのも含んだ戦略のほうに。

3つ目は、再生可能エネルギーへのチャレンジということで、今、一極集中型の電力発電から、地域分散型のシステムに持っていくという中で、結局、土地を広く使うのですから、農地(耕作放棄地)を使いましょう。あるいは林の上に風力発電を使いましょう、そういう中で、地域に所得と雇用を生み出しましょうと、それが戦略の3。

戦略の4は林業の再生。戦略の5が水産業の近代化、あとは災害に強いインフラの整備、それから原発への誠実な対応、これで全部、7つの戦略なのですけれども、これが相まって、その中にこのファンドが位置づけられて、ここでようやく成長産業化というものが有機的にいくのではないか。確かにご指摘のとおり、このファンドだけにすべてを背負わせるという、200億円のファンドをやったからどうのこうのという話ではなくて、200億円をきっかけにして、ほかの政策措置を加えながら、この200億円がゆくゆくは2,000億円程度になれば、かなりの成長が期待できるのではないかということでございます。

あとは、主たる経営者は農林漁業事業者であるということが新しい規制になるのではないかと。ここは、その前のご質問の、既存の組織に新しい機能を付加すればいいのではないかということとタイアップするわけですが、ここのエグジットスキーム、別途ご質問をいただきましたけれども、15年のスキームでエグジットするわけですが、その際に、10年目から1年ごとに総投資額の1割ずつ、それで、15年目に残りの出資分を譲渡するというようなエグジットスキームを想定しております。

先ほど、ROAで8%を目指すということでございますが、ROAを4年目には黒字化し、7年目から配当を開始し、最終的にはROA8%を目指すと。これは、今までの6次化の成功事例。農業自体は二、三%のROAでしかないので低いのですが、6次化の販売、流通・加工部分の分野でございますので、そういうところの平均値が7.9%ぐらいだったので、それを使わせていただいております。

これまでの成功事例のご質問があったので、あわせてご説明いたしますと、例えば畜産農家で、まず、畜産でやっていたのですけれども、ハムの加工をしました。養豚農家はハムの加工で売り出しました。そこに教育ファームを持ってきましたというので、25年ぐらいで十数億の売り上げの会社を育てていった例とか、そういう例を参考にして、8%という数字を組ませていただいたわけです。

〔 冨山専門委員 〕すみません、だれに売るのですか。要するに企業に売却するのか、農業従事者なのか。これ、逆にすごく利回りが高くなっていると売却する金額が高くなるので、農業従事者の方が買い取ると言っても結構大変なような気がいたしますけど、その辺はどうですか。

〔 針原農林水産省食料産業局長 〕そこは確かに、農業従事者の方に、10年目までにどのぐらいの資本蓄積がされているかという問題とかかわる問題であると思います。10年間の中で、農業従事者の中に、資本蓄積をきちんとやるような指導をしないと、今、とんでもない、買えなくて、どうするのか、行き場を失うのではないかというようなことになってしまうので、そこは非常に、ハンズオンのときにしっかりとしていかなければいけない問題だろうと思います。

あと、ポテンシャルの問題は、100兆円が伸びるというのは、新しいマーケット、健康産業とか、輸出とか、そういうものに持っていかないと、ポテンシャルというのは発揮できないだろうなということで、食い合いにならないような指導をしていくということだろうと思います。

あと何か、答え忘れたことありますか。

〔 富田分科会長 〕時間も大分遅れてしまっておりますが、先ほど来、冨山委員ご指摘のエグジット、だれが買ってくれるのかという話ですね。そこのところがまだよく見えて来なくて、また、お教えいただければと思いますので、さらなるご検討をよろしくお願いいたします。

〔 針原農林水産省食料産業局長 〕また、ご指導をよろしくお願いいたします。

〔 富田分科会長 〕それでは、このあたりで次に移りたいと思います。農林漁業成長産業化支援機構(仮称)の皆様にはご退席をいただきます。ありがとうございました。

それでは、地方公共団体についてのご説明をお願いいたします。

〔 山根計画官 〕地方公共団体向け財政融資でございます。お手元に説明資料と参考資料がございますが、まず、参考資料の1ページ目をご覧いただければと思います。ここに24年度の地方債計画(案)を載せてございます。Bの欄でございますが、全体で14兆832億円、前年度対比で、当初比でございますけれども、3,492億円増ということになってございます。この増加の主な要因としては、臨時財政対策債の増加ということがございます。

表の下のほうに資金区分の数字がございますが、平成24年度につきましては、基本的に23年度の当初計画におけるシェアをもとに案分した数字を仮置きしてございます。なお、下の(注2)にございますが、これは毎年申し上げているかと思いますが、この計数につきましては例年と同様に、今後の地財折衝で大きく変動するということでございまして、あくまで現時点での数字であるということでございます。

次に編成上の論点についてご説明させていただきます。説明資料の1ページをご覧いただきたいと思います。1ページ目の右に論点1、2と書いてございますが、要約して申し上げますと、1点目でございますけれども、地方向け財政融資につきましては、重点化を着実に実施しながら段階的に縮減していくべきところでございますが、東日本大震災がございましたので、地方の起債需要につきましては、今後の財政措置を踏まえながら積極的に対応する必要があるのではないかという点でございます。

2点目でございますが、臨財債のような、いわゆる赤字補填の性格を有する地方債に対する財政融資については引き続き縮減を目指すべきではないかと、大まかに言ってこういう論点でございます。

ページをおめくりいただきまして、論点1に対する考え方でございます。1つ目の○でございますが、地方向け財政融資につきましては、財投改革や行革推進法の規定なども踏まえながら縮減を図ってきたところでございまして、引き続き、これは当分科会での累次の報告でもご指摘をいただいてございますが、資金調達能力や資金使途に着目した重点化措置を実施すべきということではないかと考えてございます。

ここで参考資料の2ページをご覧いただきたいと思います。財投計画の総額と地方向け財投のフローの推移でございます。この地方向け財投につきましては、先ほどの財政融資と地方公共団体金融機構への政府保証を加えたものでございますが、これにつきまして、平成13年の財投改革以後、横ばいでございましたけれども、16年度以降、本格的に重点化措置を導入しまして大幅に減少しております。20年度においては4.0兆円まで下がってございます。21年度、22年度におきましては、リーマン・ショックや地方公共団体の大幅な税収減ということで、増加に転じているところでございます。24年度要求につきましては、先ほど申し上げましたとおり臨財債の増加を主な要因としまして、当初ベースで比較しますと増加となってございます。いずれにしましても、この24年度要求につきましては、今後変動いたしますし、また、東日本大震災関係の復旧・復興事業分については、別途事項要求とされてございます。

恐縮でございますが、また、説明資料にお戻りいただきたいと思います。2ページ目でございますが、2つ目の○でございます。ただし、東日本大震災の災害復旧事業のような、国が責任を持って対応すべき分野については、東日本大震災復興基本法におきまして、「財政投融資に係る資金の積極的な活用を図ること」とされていることもございます。これは今後、一般会計で、地方負担について、実際どのような措置がされるかということとの兼ね合いもございますが、財政投融資としても、東日本大震災からの復旧・復興については、できることをやっていきたいということとしてはどうかということでございます。

駆け足で恐縮でございますが、4ページをあけていただきまして、論点2でございます。これは、臨財債のような赤字補填債についてでございますが、これについては引き続き縮減を目指すべきではないかということでございまして、この臨財債につきましては、左側の参考にございますが、当分科会の累次のご報告でも、基本的に赤字補填の地方債の財融資金による引受けについては望ましくないですとか、引き受ける場合としても投資的経費の範囲内にすべきというご指摘をいただいているところでございます。

こうしたご指摘を受けまして、これまで臨財債の政府資金の引き受け割合を段階的に下げてきております。平成13年度時点におきましては50%でございましたが、直近では、右下の参考にございますが、財政融資資金で30%から29%というように引き下げをしてきているところでございます。

他方、一番右の合計のところをご覧いただければわかりますが、近年リーマン・ショックや地方公共団体の税収減等の影響で、臨財債自体は非常に増加傾向にあるというところでございます。こういう状況でございますが、私どもとしましては、先ほどの報告書も踏まえまして、基本的には赤字補填的な性格を有する地方債、臨財債からは、なるべく手を引くべきではないかということで、この引き受け割合を引き下げることが適当ではないかということで考えているところでございます。

駆け足でございましたが、以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。

ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問等ございましたら、どなたからでもお願いいたします。

中里委員、どうぞ。

〔 中里委員 〕東日本大震災の発生とその後の状況を踏まえて、財政融資資金についても起債運営全体の中で考えるべきだということになって、ここで示されているように微増の要求になっている。これは妥当な線だと思います。

ただし、今お話にもありましたように、臨財債については、やはり引き続き縮減をしていくべきだと考えます。理由は幾つかありますけれども、1つは、現状、地方債の発行環境を考えた場合に、別にそれほど困難化が生じているわけではないということ。これは市場公募債の話ですが、電力債が発行できないのでむしろスプレッドはタイト化しているわけですね。ですからその点で、リーマン・ショックの後のような対応というのは必要ないと。

それからもう一つ。ここにあるように、臨財債を「赤字補填の性格を有する地方債」と書くと、総務省さんとしては、これはちょっと違うというご見解になるかと思いますけれども、とはいえ、これは一般会計の経常的な経費を賄うようなものに充てられているものであると。そうすると、地方金融機構が一般会計債についても引き受けができるという形で改組されたこととの整合性を考えて、やはり引き続き縮減していくべきではないかと考えています。この点、どう整理されるかということを伺いたいと思います。

以上です。

〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。

それでは、今の中里委員のご指摘に対しまして、お答えください。

〔 末宗総務省自治財政局地方債課長 〕総務省の地方債課長でございます。日ごろから財政融資資金についてご配慮いただきまして、ありがとうございます。

今のご質問の点でございますけれども、私どもも、できるだけ臨財債自体を縮減したい、基本的にはそのように思っているのですけれども、なかなか、税収動向によってやむを得ず発行せざるを得ないと、特に23年度は大幅に減らしたのですが、来年度の状況が全くわかりませんので、今回の要求では少し増えておりますが、できるだけ減らしたいというのはもともとございます。

ただ、その中で、臨財債の引き受けにつきましては、やはりもともと、本来、交付税率の引き上げで対応すべきところを、やむを得ず国と地方が折半で対応しているということですので、やはり、地方公共団体にあまり迷惑をかけるわけにはいきませんので、特に資金調達能力の低いところにあっては、財融なり機構なり公的なセクターが出ていく必要があるのではないかと。ただ、一方で都道府県など、市場公募債で対応できるようなところは、できるだけそのような線でいくべきではないかと思っております。

〔 富田分科会長 〕吉野委員、どうぞ。

〔 吉野臨時委員 〕ヨーロッパではデクシアが、地方にお金を貸していて、うまくいかなかったわけです。ミクロで考えますと、こういう積み上げというのはよくわかるのですけれども、マクロで、こういう臨時財政対策債などのさまざまな地方債をどういう形で返済していくかという計画は立てておられるのでしょうか。何年後にこれくらいで、こういう財源を使って返済するということがわかれば、財政融資資金からも出しやすいような気がするのですが。

〔 富田分科会長 〕それではお答えください。

〔 末宗総務省自治財政局地方債課長 〕今の点でございますけれども、地方債の発行残高や大体の償還期間というのはわかっておりますので、公債費が後々どれほどの規模になってくるというのは、大体、ある程度推計されるわけでございます。それに加えて、新発債を今後どうするのかということがございますので、そういう意味では、地方債について大体の推計ができるということと、それからこれはちょっと違いますけれども、交付税特別会計の借入分がございますので、それもきちっと償還計画を法律で定めておりますので、そのような見通しを立てながら返済をしているところでございます。

〔 山根計画官 〕補足でございます。委員の皆様はご案内のとおりでございますが、財務省といたしましても、各自治体の償還能力につきましては財務状況把握という形でチェックしてアーリーウォーニングを行っているところでございます。必ずしも計画そのものではございませんが、我々としても貸手の責任として見ているというところでございます。

〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。

それでは私からですけれども、来年度の予算については、中期の財政フレームでいきますと、プライマリーバランス対象経費について71兆円で横ばいに設定されているわけですね。そういう制約の中で地方交付税を考える。もう一方で、地方財政については、一般財源について、横ばいとは申しませんけれども、そういう制約もあると。そういたしますと、可能性は低いと思いますけれども、もし来年度も、本年度よりも景気が停滞して、地方税が伸び悩むということになると臨時財政対策債にプレッシャーがかかってくる、増発圧力ですね。

その一方で、マクロ的に考えますと、国、地方をあわせたプライマリー赤字については、結局この臨時財政対策債の枠というのも、プライマリー赤字としてマクロ的には計上しなければいけない。けれども、予算編成においては国の基礎的財政収支の対象外として扱われてしまう。そういう形であるがゆえに、私はこの臨時財政対策債に圧力がかかり易いのではないかと思いますけれども、その点、総務省におかれてはどのようにお考えでしょうか。

〔 末宗総務省自治財政局地方債課長 〕今の地財全体で申し上げますと、3カ年で折半ルールでやってきているわけです。半分は一般会計のほうから特例加算をし、一般会計は、もともと13年度から特会借り入れをしていたのを、目に見えにくい形で借金が増えているのはまずいということで折半ルールを導入して、国が加算する、地方が臨財債を発行するという形が続いてきているわけでございます。

先ほども申し上げましたように、好んで多くの臨財債を発行するわけではないのですが、おっしゃったように税収が増えないときは、臨財債発行額と一般会計加算額にプレッシャーがかかるというのはおっしゃるとおりでございますが、他方で、中期フレーム3カ年で、71兆円という中で交付税も考えなければいけませんし、地財の歳出抑制なども含めて取り組んでいる中で、地方債も含めて検討していかなければならないと思っています。

〔 富田分科会長 〕地方財政計画の抑制、歳出の効率化ということが大事だというお話でございました。ほかにいかがでございましょうか。

それでは、ただいまの件できょうの質疑は終了したいと思います。総務省の皆様、ありがとうございました。ご退席いただきまして結構でございます。

それでは、本日の議事はここまでといたします。最後に、本日の議論を踏まえまして、代表して成田計画官から一言お願いいたします。

〔 成田計画官 〕委員の皆様におかれましては、昨日に続きまして精力的にご議論いただきまして、また、大変貴重なご意見を賜りましてどうもありがとうございました。

本日いただきましたご意見を踏まえまして、年末に向けまして、検討してまいりたい、そしてまたご報告したいと思います。どうもありがとうございました。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。

この後、昨日及び本日の審議状況につきまして、事務局より記者レクを行わせていただくとともに、議事の模様につきましては、後日インターネット等に掲載する予定としておりますので、ご了承願います。また、今後の日程につきましては、後日事務局より連絡をさせていただきます。

本日は、ご多用の中、また、予定よりも20分ほど経過いたしましたけれども、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。

午後5時17分閉会
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