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財政投融資分科会(平成23年11月14日開催)議事録

財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録

平成23年11月14日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第

平成23年11月14日(月)15:00〜17:09
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.平成24年度財政投融資計画の編成上の論点

    • (株)日本政策金融公庫(危機対応円滑化業務)

    • (株)日本政策投資銀行

    • (独)住宅金融支援機構

    • (独)福祉医療機構

  • 3.閉会

  • 配付資料

    資料1−1 説明資料 株式会社日本政策金融公庫(危機対応円滑化業務)
    資料1−2 参考資料 株式会社日本政策金融公庫(危機対応円滑化業務)
    資料2−1 説明資料 株式会社日本政策投資銀行
    資料2−2 参考資料 株式会社日本政策投資銀行
    資料3−1 説明資料 独立行政法人住宅金融支援機構
    資料3−2 参考資料 独立行政法人住宅金融支援機構
    資料4−1 説明資料 独立行政法人福祉医療機構
    資料4−2 参考資料 独立行政法人福祉医療機構
  • 出席者

    分科会長

    富田俊基

    田中理財局長

    富屋理財局次長

    美並総務課長

    中尾財政投融資総括課長

    渡辺管理課長

    成田計画官

    馬場財政投融資企画官

    藤本法人等財務分析官

    今井地方財務分析官

    木勢資金企画室長

    委  員

    江川雅子

    翁   百 合

    川村雄介

    土居丈朗

    臨時委員

    吉野直行

    専門委員

    中島厚志

    原 田 喜美枝

       

    財務省

    堀田大臣官房政策金融課企画官

    中小企業庁

    三浦事業環境部金融課長

    株式会社日本政策金融公庫

    丸山危機対応等円滑化業務部長

    株式会社日本政策投資銀行

    古宮常務執行役員

    松田財務部長

    国土交通省

    井上大臣官房審議官

    松本住宅局総務課民間事業支援調整室長

    独立行政法人住宅金融支援機構

    河村理事長代理

    厚生労働省

    山崎社会・援護局長

    池永医政局総務課長

    独立行政法人福祉医療機構

    長野理事長

    宮地理事


午後3時00分開会

〔 富田分科会長 〕それでは、予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。

本日は、お手元の議事次第にございますように、平成24年度財政投資計画の編成上の論点といたしまして、(株)日本政策金融公庫(危機対応円滑化業務)、(株)日本政策投資銀行、(独)住宅金融支援機構、そして(独)福祉医療機構につきましてご審議をいただきます。

まずはじめに、日本政策金融公庫の危機対応円滑化業務についてご説明をお願いいたします。

〔 成田計画官 〕計画官の成田です。どうぞよろしくお願いいたします。

資料1−1の1ページをご覧ください。危機対応円滑化業務では、24年度の要求額は1,320億円と、現時点では前年と同額となっております。

まず最初に、危機対応円滑化業務の概要についてご説明いたします。別添の参考資料1−2の2ページをご覧いただきたいと思います。ここに危機対応業務の事案が列挙されております。これは、現時点で危機対応の対象として認定されている事案ですが、一番上が災害関連となっておりまして、これが1つの柱です。そのほか、インフルエンザや円高対策などが(2)の特別相談窓口の中にありまして、東日本大震災は、一番下にありますように特出しされているわけであります。

次に、1ページ前に戻っていただきまして、この資料の1ページをご覧ください。「危機対応円滑化業務の概要」となっております。今のような危機認定がなされますと危機対応業務が始まるわけですが、財政融資資金を原資といたしまして政府から日本公庫に貸し付けがなされます。図の政府と日本公庫の間の一番上に「資金の貸付け」とあるのがそれでございます。続いて上のラインで続いていくわけですけれども、公庫から指定金融機関にツーステップ・ローンで、いわば素通りする形で指定金融機関に貸し付けがなされます。

なお、この指定金融機関には民間金融機関もなることができますけれども、現状は、ここに記載されておりますように、政策投資銀行と商工中金の2行のみとなっております。

そして、指定金融機関が、例えば、被災した事業者に対して貸し付けやCPの買い取りを行うという流れになります。

続きまして、この資料の真ん中のあたりですが、公庫と指定金融機関の間に損害担保とあります。これは、指定金融機関が貸し付けた事業者が倒産するなど損失が発生した場合に、その一定割合を公庫が負担するという損害担保契約です。公庫が負担する損害分につきましては、政府が公庫に対して出資という形で補填をいたします。この出資は一般会計からなされます。

次に、一番下のラインですが、被災した事業者が、例えば、一定の要件に該当すると、通常のツーステップ・ローンよりもさらに低利の貸し付けを行うことができる仕組みがあります。その利息減収分は、公庫が指定金融機関に対して利子補給を行います。その原資は政府が公庫に対しまして、これも一般会計から利子補給金の交付を行うことになります。以上が概要です。

続きまして、この資料の3ページをご覧ください。こちらは「危機対応円滑化業務の実績」であります。一番上の段がツーステップ・ローンです。一番右側の累計をご覧いただきますと、右から3列目に6兆1,745億円、うち政策投資銀行向けが、すぐ右ですが、4兆3,930億円、商工中金向けが1兆7,815億円となっております。

次に、真ん中の段に損害担保契約の額が載っております。全体で見ますと、右から3列目ですけれども、4兆6,900億円。政策投資銀行向けが2,668億円に対して、商工中金向けが4兆4,232億円となっておりまして、損害担保契約につきましては大部分が商工中金向けであります。したがいまして、中小企業向けが大宗を占めているということが言えます。

それから、この財政融資資金を原資としまして、東日本大震災向けのツーステップ・ローンがどれくらいかと申しますと、これは、一番上のツーステップ・ローンの真ん中にあります23年度の9月までの累計がほぼ相当することになります。累計額を記載しておりませんけれども、9月が1,900億となっておりまして、これを足しますと約4,700億円となります。そして、22年度の中に23年3月下旬に出た300億円ほどがありますので、それを合わせますと9月末時点で約5,000億円が震災復興のためにツーステップ・ローンで出されたという状況になっているということであります。

続きまして、もとの資料に戻っていただきまして、2ページをご覧いただきたいと思います。左側の欄の要求の内容です。2つ目の●のところですけれども、「対象事業の性格上、資金需要は経済状況等に大きく左右されるが、24年度の要求については、今後想定される経済状況及び融資実績等を踏まえて、所要額を要求するものである。ただし、東日本大震災に関する事案にかかる所要額については今後調整することとしており、要求額には含まれていない」ということであります。

その下に参考として、危機対応円滑化業務の事業規模の推移を載せております。23年度につきましては、当初1,320億円でしたが、1次補正と3次補正の追加がありまして、3次補正後の見込みとしまして4兆6,920億円となっているところであります。

続いて、右側の論点の欄ですが、論点としまして、現時点においては、「24年度の事業規模の中に『東日本大震災に関する事案』にかかる所要額については含まれていないが、東日本大震災からの復旧・復興の資金需要等をどのように考えるべきか」としております。

1つ飛ばしまして、下から二番目の○のところですけれども、「現時点におきましては、事業規模については、今回の震災被害の状況、23年度上半期の貸付実績、被災地における復興計画の策定状況及び過去の阪神・淡路大震災時における資金需要の実績等を踏まえて算定中」としております。これらの事業規模について、これまでの東日本大震災にかかる危機対応業務の実績も踏まえ精査していく必要があると考えております。

以上でございます。

〔 富田分科会長 〕はい、ありがとうございました。ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。どうぞ、吉野委員。

〔 吉野臨時委員 〕ご説明ありがとうございました。1つ教えていただきたいと思います。資料1−2の図のところですが、この真ん中の損害担保のところで一部補填というご説明ですけれども、これは何%ぐらいとか、そういう比率が決まっているのかということです。

それから、阪神・淡路大震災の経験を踏まえて、こういう支出はいいけれども、こういう支出はよくないのだということも、ぜひ考えていただいてやっていただきたいということでございます。

〔 富田分科会長 〕翁委員、どうぞ。

〔 翁委員 〕参考資料を見ますと、22年度につきましては危機対応円滑化業務勘定、当初計画改定後が3兆8,000億円に対して実績が約4,000億円にとどまっているわけですが、23年度については、今の段階でどのような状況になっているのかということを教えていただきたいと思います。

〔 富田分科会長 〕それでは、今のお二方からのご質問に対しまして、事務局お願いします。

〔 成田計画官 〕最初に吉野先生からご質問がありました損害担保の一部補填の比率ですけれども、中小企業の場合は8割を公庫が負担いたします。それから、大企業の場合はいろいろ条件があるのですが、5割から8割を公庫が負担するというのが制度になっております。

〔 三浦中小企業庁事業環境部金融課長 〕翁先生がお尋ねの足元の実績ですけれども、上期分で4,698億円となっております。

〔 富田分科会長 〕はい、中島委員、どうぞ。

〔 中島専門委員 〕基本的なところを教えていただきたいのですが、危機対応業務の事案ということで今までも幾つか災害関連特別窓口、相談窓口関連があって、今回、東日本大震災関連が別枠で出てきているということですが、これは、全て時限的な措置になっているのかどうかということです。すなわち、今までの危機対応での融資ですけれども、何年かたつと時限があって、そこまでということなのか、それとも、これに絡む案件が出てくれば、それはもう何年も継続して出していくということなのか、この点を教えていただきたいと思います。

〔 富田分科会長 〕それでは、続けて原田委員、どうぞ。

〔 原田専門委員 〕資料1−1の2ページの表で、20年度から金融機関で660億円という融資枠が最初についていて、その後ずっと継続して、5年目になりますが、この危機対応円滑化業務で出てきた今までの融資の信用リスクの管理・把握がどうなっているのかということを質問いたします。

〔 富田分科会長 〕はい、それでは事務局、そして日本政策金融公庫、よろしくお願いいたします。

〔 三浦中小企業庁事業環境部金融課長 〕まず、中島先生からのお尋ねで、措置の時限性の議論がございますが、資料にあるとおり、今まで幾つも特別相談窓口を開き、危機対応の告示を行い、この措置を発動してきておりますけれども、基本的には1年の期限で行って、1年後にまた見直すという考え方で今まで運用を行ってきております。東日本大震災につきましても、とりあえず1年ということでスタートとしておりまして、おそらく、当初5年の集中復興期間とか、何らかの形でまた出口を考えていくということだろうと思います。

〔 丸山(株)日本政策金融公庫危機対応等円滑化業務部長 〕日本公庫の丸山でございます。よろしくお願いいたします。ただいま原田先生からご質問がありました信用リスクの管理につきましてご説明いたします。

危機対応円滑化業務におきまして、貸出先にかかる与信判断は指定金融機関に委ねられているというスキームになっております。したがいまして、私ども公庫のほうでは、個社のリスク管理という意味では、毎年度、決算期におきまして引当金を計上するという形でそちらの損失に備えるということで決算を組んでおります。

ちなみに、1年間の報告は決算等で行っておりますが、22年度3月末におきまして、損害担保の我々が補填すべき残高ですが、これは1兆8,690億円という数字になっております。こちらの推移という形の残高に対しまして、毎期、決算の都度、適切な引当金を計上しているということでございます。以上でございます。

〔 富田分科会長 〕今の引当金の計上方法はどのような形になっているのでしょうか。

〔 丸山(株)日本政策金融公庫危機対応等円滑化業務部長 〕ご説明いたします。私ども決算におきましては、まだ制度が始まってから二、三年しか経っていないということでございますので、それぞれ、大企業向け、中小企業向けと分けまして、私ども日本公庫の中のほかの事業部における引当金の水準を参考にして引当率を計上し、毎期、決算のほうで引当金を立てているという状況でございます。

〔 富田分科会長 〕はい、ほかにいかがでしょうか。どうぞ、吉野委員。

〔 吉野臨時委員 〕今のところは日本政策投資銀行と商工組合中央金庫のみが指定金融機関になっていますから、あまり心配することはないと思いますが、将来、仮に普通の民間金融機関が指定されたときに、危なくなったところを危機対応の貸し出しとして、自分の資金はいいところに貸すというようなモラルハザードが起こることはないでしょうか。つまり、指定金融機関自身が、危なそうだと判断したときだけ危機対応を使って8割を補填してもらうと。現状の制度はそういうモラルハザードが起こるようなことがないようになっているのでしょうか。

〔 三浦中小企業庁事業環境部金融課長 〕中小企業庁の金融課長の三浦でございます。吉野先生の今のご指摘ですけれど、基本的には、そういったことが起こらないようにという観点から、一部、指定金融機関サイドにもリスクを持っていただくということで、100%ではなくて、50から80%の部分填補と、損失については5割から8割までしか負担をしないといったような仕組みを入れているということであろうかと思います。

〔 富田分科会長 〕吉野委員、よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。今の吉野委員のご質問に関係いたしますが、業務としては、民間金融で対応できなくなった部分ではなく、政策金融として対応できない部分に対する施策であると理解しておりますが、いかがでしょうか。

〔 三浦中小企業庁事業環境部金融課長 〕こちら、確か資料1−1の2ページ目、左上の部分ですけれども、そもそも、この制度を創設した経緯といたしましては、政策金融として対応できなくなった、すなわち商工中金と日本政策投資銀行を民営化するということを平成18年に決めた際に、他方で、商工中金なり政投銀が担っている危機対応の機能というものについては、やはり政策的に何らかの手当てが必要ではないかと、こういうご議論があったという経緯がございまして、当時、商工中金、政投銀が担っていた危機対応の機能を何らかの形で民間金融機関に担っていただくというために導入された措置でございます。

〔 堀田財務省大臣官房政策金融課企画官 〕財務省政策金融課企画官の堀田でございます。今のお話に少しつけ加えさせていただきます。政策金融機関、特にお話のあったように政投銀、商工中金がやっていた政策金融の機能の部分が今後、民営化の方向になりますと担えないということになります。ただ、危機対応制度の発足当初は自然災害を念頭に置いていたものが、その後、リーマン・ショック等々に対応する中で膨らんできたのですが、そういうものに対応するために日本公庫が必要な措置を取る必要があると。ただ、一方で、特に大企業、中堅企業、それから商工中金の顧客、その辺りの顧客層が日本公庫の従来の顧客層には必ずしも含まれないということになってしまうものですから、政投銀、商工中金、この2社、みなし指定金融機関ですが、それに加えて、民間金融機関すべてに幅広く呼びかけて、そういった政投銀、商工中金を含む民間金融機関のリスク管理能力を生かして、あるいは顧客層の広がりを期待してこうした制度が導入されたということだと理解しております。

〔 富田分科会長 〕今のことに関連してですけれど、信用保証協会の保証対象と、こちらの対象とはどのように違うのでしょうか。つまり、指定金融機関を経由して事業者に融資するこの制度と、民間金融機関の融資に対する信用保証協会の保証です。融資規模とか事業者の規模の違いなどはどのようになっているのでしょうか。

〔 三浦中小企業庁事業環境部金融課長 〕中企業庁金融課長の三浦でございます。制度上、明確な切り分けがあるということではないのですけれども、一般的なことで申し上げますが、信用保証協会については、基本的に、比較的小規模な企業の利用が多いということかと思います。大体、イメージで申し上げますと、信用保証協会の平均残高を個別ベースで見て、1,000万円に満たないくらいの企業が利用しているということでございますので、それに対して、政投銀であれば中堅・大企業が中心、商工中金であれば、信用保証協会の顧客層よりはもう少し大きい、中小企業の中でも相対的に規模の大きいところが相手というような事実上のすみ分けになっております。

〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。それでは、次の議題に移りたいと思います。

日本政策金融公庫の皆様にはご退席をいただきます。ありがとうございました。

それでは、日本政策投資銀行についてご説明をお願いいたします。

〔 成田計画官 〕資料2−1の1ページをご覧ください。24年度の要求額は2兆円、前年が1兆6,000億円で、4,000億円の増となっております。財政投融資で見ましても、要求額が1兆500億円。前年が6,500億円ですので4,000億円の増となっております。他方で、真ん中あたりにあります自己資金等や、その内訳である財投機関債につきましては、前年と同額で、それぞれ9,500億円、3,500億円となっております。

次のページをご覧ください。まず、要求の内容ですけれども、「平成24年度における事業規模については、平成23年度当初計画額の1兆6,000億円に加え、東日本大震災からの復旧・復興にかかる資金需要のうち、復興に必要な資材などの増産のための事業資金や、直接被災していない企業、工場の耐震増強工事のための事業資金などの危機対応業務の要件に該当しないものの、東日本大震災との関連性が高い資金ニーズに対して確実に対応する必要がある」ということで、震災関連として2,000億円。それから、東日本大震災に関連する取り組み以外でも、再生可能エネルギーに関連するプロジェクト、太陽光発電、風力発電、水力発電や、総合特区内での設備投資プロジェクトにかかる資金ニーズ、円高・サプライチェーンの途絶といった日本経済を取り巻く外部環境の変化に対応するための企業が新たに取り組む事業再編や海外進出等にかかる資金ニーズに対応する必要があるということで、新規取り組みとして2,000億円。以上から、平成23年度当初計画額比で4,000億円増額の2兆円としている件ということであります。

下の●ですが、上記の事業規模に対し、自己調達の現状も踏まえた結果、財政投融資の予算要求については平成23年度当初計画額6,500億円比、4,000億円増額の1兆500億円を要求するものであるということであります。

右側の論点ですけれども、「事業規模が大幅な伸び、前年度比で25%増となっているが、経済の状況や融資実績、自己調達の現状等を適切に踏まえたものとなっているか。また、資金調達に占める財政投融資の割合を高める要求となっていることをどう考えるか」ということです。

ここで、別冊の参考資料2−2をご覧ください。3ページをお願いします。ここに「資金計画の推移」が載っております。政策金融改革の中で、日本政策投資銀行が株式会社化しましたのが20年10月です。一番左の20年度の計画が、その前の最後の計画ということになります。上から3段目のところに財政投融資がありますが、6,980億円で、その1つ上の段に要調達額というのがありまして、これが1兆2,180億円。そして、この要調達額に占める財投の割合が、財投のすぐ右隣にありますが、57.3%となっております。その後、株式会社化した後の推移を見ますと、21年度から23年度当初までですが、財投は6,500億円と横ばいで推移しております。要調達額に占める割合も53.7%が2年続いて、今年度当初が51.6%と漸減しております。しかしながら、今年度の3次補正後の見込みとしましては、1次補正と合わせて2,200億円の追加となりますので、財投が8,700億円、割合は58.8%となります。そして、一番右側の24年度の要求ですが、1兆500億円で、割合は63.3%と高まっております。

続きまして、もとの資料の2ページにお戻りいただきたいと思います。論点に対する考え方ですけれども、1つ目の○の最後の2行のところをご覧いただきますと、左記の震災関連に2,000億円、新規取り組みに2,000億円という要求を日本政策投資銀行が担う役割を踏まえてどう考えるか、としております。日本政策投資銀行では、東日本大震災からの復旧・復興にかかる取り組みや、我が国の成長に資する取り組みを支援していくことが必要としておりますが、これらの取り組みが財政投融資の対象とするにふさわしいものであるかについて精査する必要があると考えております。

ここで若干、補足させていただきますと、震災関連のみならず、この新規取り組みとされるものも、環境エネルギーやまちづくり、競争力強化といったためのものでありまして、総論的に見ますと、純粋に民業というよりは、国として力を入れている政策の方向性に沿った分野での事業であると見ることができるのではないか。そうであれば、財政融資資金を原資とすることに特段の問題はないと考えられるかという問題意識であります。

それから、もう1つは、完全な民間金融機関との競合性の観点ですが、日本政策投資銀行に対する財政融資資金からの融資は、15年と20年のみの長期のものとなっております。したがいまして、日本政策投資銀行から事業会社への貸し出しも相対的に期間が長いものとなりますので、必ずしも、民間金融機関と競合しないと見ることができるのかどうか、そういった問題意識も持っているということを、つけ加えさせていただきます。

以上でございます。

〔 富田分科会長 〕はい、ありがとうございました。ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。中島委員、そして土居委員、お願いいたします。

〔 中島専門委員 〕2点、質問です。1つは、今、何回か触れられたところですが、この2番目の2,000億円、再生可能エネルギーに関連するプロジェクト等の部分です。確かに、背景に15年、20年の財投資金がベースにあるということで民間資金との差別化はあるのですが、果たして、あえてこういう形で分ける必要があるのかどうかという点が1点です。15年、20年で、それだけの超長期の資金をつけないと回収できないというのは、ちょっとこれは普通のプロジェクトとしても採算性がやや乏しいのではないかという気がいたしますし、他方で、普通のプロジェクトであれば民間との競合性があるのではないかというのが1点目の質問です。

それから、2点目の質問ですが、根っこの部分の1兆6,000億円、ここの部分についてのご説明がなかったですけれども、足元の資金需要は全般的に回復しつつありますが、ただ、それは大震災後の復興がらみとか、電力会社の需要が増えているとか、そういう背景があって、当面は多分変わらないと思います。そうだとすると、なぜ、あえてこの1番目の震災関連として2,000億円を財投資金という形で分けなければいけないのか。危機対応業務が別途ありますので、それ以外ということになっておりますだけに、そういう区分けで、あえて財投資金を入れる対象にする必要があるのかどうか、この2点でございます。

〔 富田分科会長 〕続けて、土居委員。

〔 土居委員 〕資料の2−2の2ページにある図を用いて質問させていただくのが簡便かと思います。この2ページにありますように、対象事業として、「世界に通じる競争力強化」、「まちづくり」、「環境・エネルギー」と書いておられますけれども、例えば、再生可能エネルギーに関しては、今後の我が国のエネルギー政策をにらみながら再生可能エネルギーの促進、さらにそれは民間金融機関では必ずしも十分に投融資ができないということであるならば、日本政策投資銀行が、補完しながらプログラムを進めていくということは意義のあることではないかと思いますし、さらには、例えば、世界に通じる競争力強化の中でも、広域医療圏を見据えた医療拠点の整備というのは、今後、高齢化が進む中で重要な話だと思います。

1つ、気になっているのは、国の政策の進展と、日本政策投資銀行が行おうとしているプログラムとの整合性というところであります。例えば、再生可能エネルギーに関して言えば、エネルギー供給をどうするかということについて確たる政府の方針が定まっていない状況でありながら、必要性としては理解できるというようなことで先走って、結果的に国の政策と不整合が生じてしまうというようなことにならないように注意する必要があるでしょうし、先ほど申し上げた医療の話につきましても、厚生労働省の今後の医療提供体制の整備、さらには各県における医療計画等々と、ここで言っている広域医療圏を見据えた医療拠点の整備というものとは整合性を保たなければならないと思います。各政策の所管省庁との連携、政府の政策との整合性をどのようにとっていかれるのかということが、まず、1点目の質問であります。

それから、もう1つは、これらの事業に関連して、ほかの財投機関でも似たようなことを行っている可能性がある。医療機関に対しては福祉医療機構も貸し付けている。それから、まちづくりに関しては都市再生機構もやっているということですので、デマケーションといいましょうか、それぞれの財投機関との役割分担というものはきちんとなされているのかということを確認したいというのが2点目の質問です。

最後の質問は簡単な話ですが、医療拠点の整備というのは非常に重要ですけれども、どういう医療機関を対象に、ないしは、医療機関ではなくて、実際にどういう対象にこういうサポートをなさるのかというところをお伺いしたいと思います。

〔 富田分科会長 〕吉野委員どうぞ。

〔 吉野臨時委員 〕はい。3点ほどありまして、1つは、今、民間金融機関の場合、ほとんどが国債をたくさん保有されていて、なかなか貸し出しが伸びないわけですけれども、要求されているような分野に対して民間が出てこられないのは、やはり、新しい分野であってリスクが大きいからなのでしょうか。それとも、先ほどおっしゃっていたとおり長期の資金でないと、需要につながらないからなのでしょうか。それが第1点です。

第2点目は、15年とか20年というのは非常に長いですけれども、ある程度の期間がたちまして、民間でも自分たちができそうだというときにも、以前は、ずっと貸し続けてしまうということがあったわけですが、5年とか10年してこの分野がうまくいくようになったときに、既存の貸し出しをうまく民間のほうに回してあげればシードマネーとしての意味がすごくあるのではないかと思います。

最後は、資料2−2の3ページの資金計画で、下のほうの自己調達の財投機関債と民間借入ですけれども、これがどんどん増えていけば、民間の補完と考えていいのではないか。つまり、社債を発行して民間から資金を集める。または、民間の金融機関から借り入れて、それを政策投資銀行が企業などに貸し出す。これは、ノウハウを使って民間から資金を調達しているということになると思いますから、そうであれば、もっと自己調達を増やしていかれて頑張るということは、これからも可能なのでしょうか。その3点です。

〔 富田分科会長 〕原田委員、どうぞ。

〔 原田専門委員 〕関連しまして1点だけ。今、吉野委員が最後におっしゃったことに関連いたします。どう資金調達するかという点について多少疑問に思っているところがありまして、事業規模、これは大幅に伸びております。事業規模の増加に対応する形で増えているのが財政投融資だけというのが多少気になるところであります。自己資金などのほうでは何も変化がないということで、株式会社としての資金調達の道をもう少し模索するということが考えられないのだろうかと考えております。

完全民営化を見据えているわけですから、財政投融資を増すだけではなく、例えば、財投機関債を発行するとか、民間から借り入れるとか、民間との競争という点で言えば、シンジケートローンとか、マーケットが非常に伸びているところもありますので、民間との協調ということも1つ、考えられる道ではないかと思いました。以上になります。

〔 富田分科会長 〕関連して、川村委員どうぞ。

〔 川村委員 〕今のことに関連して、最後の点です。吉野委員からご指摘いただいて原田委員もおっしゃったことですけれども、直感的に、やはり、この自己調達をもっと増やしていくというのが多分筋ではないかと思います。つまり、財投が増えて自己調達は変わらない。そもそも論から言っても、財投機関債をもっと増やしていくというのが流れとしては一番いいわけですが、おそらく、そうすることができない理由があるのではないかと思います。つまり、この文章で言えば、財投の割合を高める要求となっていることをどう考えるかということを、数字だけで見れば今申し上げたようなことだと思います。

そこで、質問したいのは、仮にこの4,000億円の増える部分を全額、自己調達、例えば、財投機関債で2,000億円プラスして、民間借入2,000億円とするようなケースのときと、要求どおりに全て財政融資で対応した場合で、日本政策投資銀行のコストがどのくらい違うのか、逆に言うと、国のコストとしてはどれくらい違うのか。ここの部分が何となく文章的に意義があるとかないとかいうよりも、コストを見たときに、どっちが、どれだけプラス、マイナスがあるのだろうか。それを見たときに、このくらいだったら、例えば、民間の資金需要で、逆ツーステップ・ローンではないですけれども、これだけ金がある中で、民間から日本政策投資銀行が借りてきてスルーするというやり方も、あり得るのではないか。その辺の数字的な裏づけが少しあったほうがいいのではないかと思って質問させていただきました。

〔 富田分科会長 〕はい、ありがとうございます。では、まとめて事務局、そして日本政策投資銀行よりお願いいたします。

〔 古宮(株)日本政策投資銀行常務執行役員 〕日本政策投資銀行の業務企画部長をしております古宮でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、確認をしながらお答えします。まず、最初の中島先生のご趣旨ですが、一番最初の質問、この2番目の、いわゆる新規の取り組みについて、2,000億円について、これは採算性が厳しいので、分ける必要があるのかということをおっしゃったのでしょうか。

〔 中島専門委員 〕はい、そうです。これは基本は分ける必要があるのかという質問で、後の質問とかぶるところがありますが、15年、20年の超長期の資金をバックにせざるを得ないというものだとすると、それは、逆に言うと短期では採算がとれない、なかなか民間では立ち上がらないということになるのか、さらにもう一歩進めて、採算性があまりないとすると、逆に、あえて事業としてどのように考えていくのかということのバランスが出てくるのではないか。ですから、後のほうの、いかに政策的にプロモートするのかというお話があったので、そことも若干絡むような問題意識だと思いますけれども、いずれにしろ、ここの部分というのは、本当に超長期でなければならないものなのかどうか、あるいは、別建てにしないと回らないものなのかどうか、そもそもが、通常の貸し出しの範囲内でできることではないかと、こういう質問です。

〔 古宮(株)日本政策投資銀行常務執行役員 〕わかりました。これは、何年で回収できるかというのはなかなか言い難いところなのですが、おっしゃるように、ここに例として3つ挙げられているようなエネルギーとか特区の問題、それから、円高サプライチェーンというのは、どちらかというと採算性が厳しいというか、回収が長くかかるという意味で、なかなか民間ではやりにくいものだと思います。我々から見ても、後で1兆6,000億円の話も出てまいりますけれども、通常融資として我々が行っている分に比べると、少しそういう面では厳しいのかなととらえています。ただ、そこが明確に分けられるわけではないのですけれども、やはり、こういう分野というのは、ある意味では突然出て来たというような事態が多いのと、どうしても規制緩和に関わってくる問題があるので、今までにないような事業というのがどうしても多くなってまいります。そういう面では、15年、20年という期間になるか事前にはわからないところではありますが、相対的には、今、我々が民営化の中で取り組んでいる主な事業に比べると、少し長い、あるいは、そういうリスクがあるのかなと考えているところでございます。今回は、そういう意味で、あえて財投をお願いしているのは、若干そういう面での資金性というのでしょうか、そういう面で分け立ててお願いをしているというのがここでございます。

ただ、民間が全くできないのかというと、そんなことはないと思います。民間の銀行、あるいは金融機関というのは、こういったところのプロジェクトをいろいろ研究されて、まさに協調というふうになるかどうかは分かりませんが、我々と、サプライチェーンなどでも一緒にファンドを組んだりしていますので全くできないわけではないのですが、我々がそういう形で、ある程度、入っていくことによってやりやすくなっているのかなと私どもは理解しているということでございます。

それから、2番目の質問で、1兆6,000億円の資金需要です。これは1のほうで、これも同じような趣旨だと思います。震災対応の中で、我々も危機対応融資の資金をいただいていますから、これ自体でやれれば、もちろんそれで対応しようというところはあるのですけれども、ここに挙げているような項目というのは、残念ながら危機対応のルール、通知文という形で我々、定義づけをされて危機対応融資を行っているわけですが、そこでは若干読めない分野が幾つかあります。これがまさにこういうところで、直接被災をしていない人が震災関係の事業をやるとか、今回全く被災はしていないけれども、今のこういう震災対応の中で、防災の準備もしていかなければいけない。例えば、電力会社なども、東電以外のところがいろいろな津波対策をしていくとか、いろいろな事業があります。これは実質的には震災対応の事業と似ているようなところがございます。これが、残念ながら危機対応の資金が使えないものですから、そういうところについては通常の資金ではなくて、危機対応と同類になるわけですけれども、財投のお金をお願いできないかと、こういう趣旨でこの2,000億円、1番目はそういう意味でお願いをしているところでございます。

それから、土居先生のご質問ですが、まず、医療とか、国の政策とどういうふうな連携をとっているのかということだと思います。これは、我々はもう政策金融機関という意味では厳密には離れていますので、政策に完全にのっとって行っているというわけではありません。ただ、我々も当然、いろいろな面で政策を追いながら、今、何が必要かというのは当然理解しながら行っているつもりでございますし、特に自治体なんかですと、当然、医療の問題というのは非常に重要になりますので、当然我々は、各自治体と連携をしながら、その地域医療がどのようにあるべきかというのはいろいろなご相談をしながら行っているというところでございます。

特に我々が行うとすると民間の病院という形になります。自治体病院のほうは自治体のほうで行われますが、場合によっては、自治体病院なども民営化するとか、これからPFIがあるとか、そういうことはありますので、そういうお手伝いはあるのですけれども、基本的に対象とするのは民間の通常の病院になっています。そんなに数は多いわけではありませんけれども、最近、こういった病院が建て替えの需要、かなり病院が古くなっているという状況があるので、まとまったお金を我々に、そのスキームも含めてご相談があってご融資をしているというのが徐々には出てきています。

順番が逆になりましたが、デマケの問題もあったかと思いますが、実は、デマケという面で言うと、我々はもうデマケもなくなってしまっているという認識なんです。結局、ある意味では採算がとれて、事業性がきちっとあって、その趣旨があれば、我々としてはご融資していくということになりますが、率直に申し上げて、多分、福祉医療機構のほうが条件はいいと思います。ですから、民間がそれを選ばれるかどうかということになってしまいます。特にすごく長いお金で、相当低利で福祉医療機構などは出されていますから、それはもうそこで選ばれてしまうということです。

我々は、そういう意味では、むしろ、日ごろのお付き合いでいろいろなご相談を受けている中でスキームをつくり、あるいは、そういう中で日本政策投資銀行と取り引きをしたいというところがあればそういう対応をしていますけれども、別にそこで、何かここまでが役割があちらで、ここからが日本政策投資銀行だというやり方は特にはしていないという状況でございます。ただ、いずれにしろ、この分野というのは、都市開発にしろ、広域だけではないですけれども、医療とかヘルスケアというのは、おっしゃるように政策性が非常に大事なところなので、あまり勝手に我々がどんどん行くとか、エネルギーのところも、今、まさに原発の問題が出ていますけれども、それを全く無視したというか、そういう形で進めるということは、まさにお金のむだ遣いにもなりますので、我々としては、そこはきちんと見極めながら、もちろん収益性も考えながら、ということで対応していきたいと、こういうスタンスでございます。

それから、吉野先生からのご質問でございますが、まず、最初は、要求している分野に対して民間金融機関が出てこられないのは、リスクが大きいからか、あるいは長期の資金が求められているからかというご質問だったと思います。我々も、もちろんリスクが大きいところは当然、私どもに来られることが多いです。あるいは、長期のところも多いのですけれども、それだけでは言えないのかなという感じも持っています。逆に、後でもご質問がありましたけれども、民間銀行と一緒にやっているというのがほとんどなので、私どもだけでやっているということではございません。やはり、今、私どもが一番日本政策投資銀行に求められると直接感じているのは、ロットなんです。1ショットのロットが非常に大きい。非常にというか、大きなロットを一度に出せる銀行であるということ、これが非常に大きいです。それから、やはり、我々は「中立」と言っていますけれども、系列がないということがあるので、場合によっては、そういうところに意義を感じていただくというと変ですけれども、比較的、そういう面では日本政策投資銀行はつき合いやすいとか、本音を語れるとか、そういう意味で、大きなプロジェクトになってくると私どもをご利用いただくということがあるように思います。もちろん、ベースとしては、リスクをとりやすいとか、大きいということも、ある意味ではリスクなのですけれども、そういう形で来られることが多いように思います。

それから、長い融資をして、かなりプロジェクトとして安定してきて、あるいは、もう大丈夫だというときは切り離せということだと思います。これは我々も当然、今、そういう努力をしています。むしろ早い段階で、一旦テイクをするのですけれども、そこからもうパートアウトするとか、逆に、できるだけパートアウトできるような仕組みで最初に我々が仕組んで、金利とか条件等をつくって、それを、主に地方銀行などに一種の債権譲渡していく、こういう努力はしておりますが、まだまだ量的には少ないです。これは、いろいろな事情があるようです。地方銀行などの場合は、やはりエリアに非常にこだわられるということがあって、自分のエリアでなければ取らないということがありますし、金利条件が実際にやってみるとなかなか合わないことがあったりして、そういう意味で取られないということがあるようです。

ですから、私どもも、長く持っているものについては、いずれ資金調達の問題が出てきますので、ずっと持ち抱えるというよりは、なるべく早く流動化しようという工夫をいろいろしています。例えば、カバードボンドの研究会というのも始めたりしていますけれども、なぜそういうことをやっているかというと、やはり、我々は自分のアセットをうまく回しながらやっていかないと無理だなという認識も持っていますので、そこのところは理解はしているつもりなのですけれども、現実問題として、それを実際に切り離していくといろいろな条件のところでネックになるというのが現在のところです。ただ、それは、嫌がっているわけではなくて、何とかしてつくっていきたいという認識は持っているということでございます。

あと、お三方、同じような趣旨の質問だったと思います。自己調達のところです。基本的に、自己調達がもっと増えればいいのではないか、ある意味では、民の補完にもなるとか、そういうことがあったと思います。これは、まず、1つ申し上げると、民間調達については本当はもっと増やしたいというのもあります。ただ、これも現実問題になってしまうのですが、テクニカルな話になりますけれども、機関債を、大体、定例債というのを年に4回出します。これは四半期ごとに一定のときに機関投資家が取ってくれますので、1本500億円とか、そういうオーダーを4回行うということで2,000億円です。これ以外にも今、MTNの仕組みをつくったり、あるいはスポットの公募債というのを行っているのですが、3,000億円というのは結構大変なロットです。これを安定的に出してくるというのは結構大変だなというのが実感としてあります。もちろん、レートをどんどん上げていけば、それは取ってくれるところはあると思いますが、これは民間借り入れについても同じでございまして、民間借り入れが今、2,600億円というふうな予算になっていますけれども、これもやってみると、地方銀行、実はもう50行近く我々お声をかけてお取り引きをいただいています。1つの銀行が年間50億円を超えるというのはなかなか大変なのです。これは大口の問題があるのだろうと思います。すなわち、50億円×40行としても2,000億円とか、そういうオーダーになってくるのです。それ以外に、生保とか信託などいろいろお願いをしているのですけれども、やはり、生保の場合は絶対金利の問題があるとか、そういった水準から見るとなかなか取れないということで、これも2,000から2,500億円というのは、結構、上限的には厳しいなというのが実感なのです。ですから、我々としても、もう少しそれは広げていかなければいけないと思っていますし、原田先生がおっしゃいましたが、シンジケートローンなども今、実はやろうとしているのです。シンジケートローンの中で取っていこうとか、そういったことも考えていこうと思いますが、なかなかこれが、今のレート感の中で調達をしていこうとすると非常に難しいというのが現実です。

全額自己調達した場合のコストについてご質問がありました。なかなか数字でどうなるかということは難しいのですけれども、おそらくこれを全部入れかえるとなると相当レート感が上がってしまうということは事実です。したがって、私どもが、ある程度のレート感の中で、今までやってきた日本政策投資銀行の一応の収支のレート感の中でやっていこうとすると、現状は非常に厳しいというのがあります。今回、2兆円という事業規模をお願いする中で、なぜ財投をこれだけ4,000億円乗せたかというと、そこのところが残念ながら、今、持っている能力というんでしょうか、調達能力から見たときに、かなりここに限界を超えているなというのは事実でございます。もちろん、そもそも、2兆円もやること自体がどうかという議論はあるかと思いますが、我々として、その事業規模が必要であると考えたときに、その前提となるレート感の適切なといいますか、合理的なレートでの調達が、ちょっと自己能力としては限界があるので、今回こういったようなお願いをしているということでございます。

十分だったかどうかわかりませんが、以上でございます。

〔 富田分科会長 〕はい、いかがでしょうか。土居委員、どうぞ。

〔 土居委員 〕ご回答どうもありがとうございます。今のお話をお伺いしていると、やはり、財政融資と、民間調達との間の哲学といいましょうか、その部分については、やや難があるなという感じがいたしました。これはコメントですので直接お答えいただかなくても結構ですが、やはり、財政融資を借りるということは、すなわち、それだけ政策を遂行する上での1つのよりどころというか、ツールということで、もう少し政策意図と連携をして業務を営んでいただく、融資をしていただくということがなければ、わざわざ国債という低利の資金を国債と利ざやなしで貸すということになりにくいのではないか。つまり、目下、民間からなかなか借りられないから財政融資でお願いしたいという説明に聞こえなくはなかったので、そういう説明の仕方だと、では財政融資というのは一体何なのだと、そういう気がするわけであります。やはり、政策との連動、連携、これをもう少し明確に打ち出しながらも民間との補完性をきちんとして役割分担をして政策金融を実行していくことが、やはり大事なことなのではないか。

確かに、今の日本政策投資銀行のお立場からすると、これを完全民営化にするのか、しないのかという、よくわからない状況に置かれているということだと思いますが、少なくとも、財政融資で賄ったお金をどういう形で使っていくかということになれば、もう少し政策との連携を意識しながら使っていただかないといけないのではないか。民間から調達するのであれば、多少高い資金調達コストになるかもしれないけれども、それでもなお一般の民間金融機関にはできないことを行っているのだという話にできると思いますが、そうではなくて、財政融資だということであれば、やはり、外部経済とか、つまり、平たく言えば公益性ということですけれども、便益に見合っただけの費用を金利として払っていただくということが難しいような性質のプロジェクトであるということで、それは当然、財政融資でサポートして、その外部経済、ないしは公益性というものをよりよく実現していく、そういう関係にあるのではないかと私は思います。

〔 富田分科会長 〕はい、ありがとうございます。

〔 古宮(株)日本政策投資銀行常務執行役員 〕一言、よろしいでしょうか。別にお答えということではないかもしれません。1つだけ強調させていただきたいのですが、確かに昔のような政策とのリンケージは弱くなっているなというのは私も思いますが、今回なぜこういうお願いをしたかというのは、ちょっと連続的に広げている部分もあるのですけれども、あくまでやはり震災だったということです。我々、別に震災関係でなければ、こういう形ではないのだろうと思います。本当は、民営化の中でストレートに行くのだと思います。

先ほど申し上げたように、危機対応融資だけではどうしても読めないのだけれども、危機対応的にやらなければいけない分野がどうも膨大にありそうだなと、一種のそういう予感といいますか、そういうものがあって、その部分についてはお願いできないかなというところなのです。ですから、今までの流れと逆行して、これからずっと増やしていくとか、この部分はもう既存の既得権益的にこれをやるということではなくて、今の時期に日本の中でこういう危機が起きている中で、その部分、張り出しとしての危機対応的な部分について、一種の、これも政策といいますか、財投の活用も語られていたものですから、その部分について、ある程度お願いできないかと、こういう趣旨でございます。

〔 富田分科会長 〕川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕特にこれは意見というか、コメントですけれども、自己調達と財投からの部分について数字でということを申し上げたのは、まさに先ほど土居委員もおっしゃったようなこと、それから、ただいまコメントに対するご説明をいただいたのですが、例えば、「震災対応ですから」というのは、ものすごくわかりやすい言葉ですが、震災以降半年以上たってきますと、震災というものも多層的になっていて、どこまでが震災で、どの部分への対応なのかを見極めて、コストとベネフィットも明らかにすることが必要なのではないか。

確かにいろいろな前提があってなかなか簡単にはいかない、先ほどおっしゃったようなマーケットの状況もある、調達能力もある、クレジットもある、それはよくわかりますけれども、であるとするならば、例えば、良い悪いは別として、今、電力債がストップしてしまって、その分の起債の枠が事実上あいて、事業債が増えているという現状があって、社債そのものは増えている。ある意味で行けば、クレジットの高いものであれば、ひょっとしたら、もう少し余裕があるかもしれない。しかし、特に今みたいなときは、ここを超してしまうとコストがこのくらい変わってくる、だからこうすべきだというようなシミュレーションをしっかり行っていただいて、次回以降はお示しいただいたほうがいいのではないか。

例えば、2兆円というと、調達コストが1ベーシスで2億違うわけです。これが常に変動しているわけで、しかもそれが期間10年とか15年の長期間になれば、100億、200億円の差が出てきてしまうわけです。ですから、何となく文章での説明ですと、わかったようでわからないところがあるので、ぜひ、例えば、こういうシミュレーションを行ったらこうだということを、お示しいただければありがたいと思います。

〔 富田分科会長 〕はい、ありがとうございます。江川委員、どうぞ。

〔 江川委員 〕日本政策投資銀行に関しては、民営化ということで走り出した後にリーマン・ショックですとか、今回の大震災とか、むしろ政策金融の重要性が高まる事象があったので、それから政治の先が見えないということもあって、これからどういう方向に向かっていくかというのがすごく難しい状態ではないかと思いましたので、質問を差し控えていたのですが、先ほど、自己調達をこれ以上増やすのは難しいというお話があったので、その点について質問させていただきます。

実際に政策投資銀行が自立して民営化ができるかというのは、やはり、自力でマーケットからお金が調達できるかということが重要だと思いますが、これが増やせないということであれば、幾つかの理由が考えられて、マーケットの状況ということもあるでしょうし、事業内容がはっきりしないということもあるのではないかと思います。その点を政策投資銀行としてどのように考えておられるのか、今の段階では難しい質問になるかもしれませんが、例えば、マーケットの状態がよくなれば調達を増やすことができるのか、そういった見通しをお聞かせ下さい。

〔 富田分科会長 〕はい、では、お願いいたします。

〔 古宮(株)日本政策投資銀行常務執行役員 〕お答えいたします。確かに、なかなかまだ確たるビジネスモデル、明確な差別化とか、そういうものが整い切れていないので、正直つらいというのはそのとおりでございます。このままで自立できるとも、もちろん思っていなくて、もう少し自己調達を増やしていかなければいけないと思います。それなりにいろいろなバリエーションというんですか、さっきも、単に民間借り入れではなくて、やはりシンジケートローンみたいなものをどうするかとか、これから大きなポイントになるのは、先ほど申し上げたように、自分たちのアセットをどういうふうに回していくかということに行き着いていくかと思います。さらに言うと、事業規模が今は1兆5,000億円とか1兆6,000億円が通常ベースです。あるいは、今回は2兆というふうに出しましたけれども、どうも今の感じだと1兆5,000億円ぐらいかなというのが定常状態になってきています。そもそも、このレベルもどうかという議論もあるかと思います。我々としては、もう少しコンパクトになるかもしれないし、もっと言うと、単なるバランスシートを使うビジネスではなくて、M&Aとか、いろいろな形でフィービジネスをやっていくということもあります。ですから、そういうのも含めてビジネスモデルを少し変えていきつつ、ローンでまとまったお金をこういう形で出すということ自体が変わっていくのかなと。そういう中でもう少し今、話が行ったり来たりしますけれども、自己調達のところはいろいろな工夫の中で広げていきたいとは思いますし、場合によっては、そういうアセットの回転というような形でやっていくのかなというふうに考えています。そのくらいのところです。

〔 富田分科会長 〕はい、ありがとうございました。

それでは、このあたりで次に移りたいと思います。日本政策投資銀行の皆様には大変ありがとうございました。

それでは、住宅金融支援機構につきまして、ご説明をお願いいたします。

〔 成田計画官 〕それでは、資料3−1の1ページをご覧ください。24年度の事業規模要求額は2兆2,021億円と、前年が2兆8,204億円ですので、6,183億円の減となっております。これは証券化支援事業の需要がフラット35の制度の変更によりまして、減少することを見込んだ結果、2兆1,900億円と前年から8,800億円の減となっていることが大きく影響しております。他方で、財投につきましては24年度要求額は3,000億円、前年の300億円から2,700億円の増加となっております。この2,700億円の増加は、右側の論点1に記載しておりますが、東日本大震災にかかる災害復興住宅融資の事業に充てるものであります。その規模が妥当かどうかが論点の1つ目です。

なお、ここには記述しておりませんけれども、簡単に補足いたしますと、住宅金融支援機構は平成19年4月に従前の住宅金融公庫が廃止されたことに伴って設立されましたが、その際に、従前行っておりました個人向け住宅ローン融資を廃止いたしました。ただし、災害発生時の被災者による住宅の再建に対しましては、例外の1つとして現在も住宅ローンを直接融資しております。それがこの災害復興住宅融資でございます。

次のページですが、左側の要求の欄です。上から2番目の●のところですけれども、「財政融資資金の借入れの対象としている災害復興住宅融資は、その需要が災害の発生状況により大きく変動する性格のものであることから、過去の一定期間の実績を勘案して事業規模を定めることとしている」。「24年度の要求については、相当規模の災害が発生した場合においても、被災者に対して迅速に対応できるよう必要な規模として平成23年度予算と同額の300億円を要求するほか、東日本大震災への対応分として2,700億円を要求」となっております。

その下に参考としまして、積算方法があります。全体事業量が6万戸、1戸当たり単価1,800万円を掛けて全体として1兆800億円。この事業量や単価は阪神・淡路大震災のときの実績と、東日本大震災の違いを踏まえて算出しているということであります。

更に24年度につきましては、阪神・淡路大震災のときの資金交付実績、2年目の割合が26.1%だったということで、これを6万戸に掛けて1.5万戸、そして、単価を掛けて2,700億円の要求額を算出しているということです。

右側の論点1ですが、「東日本大震災に係る災害復興住宅融資の事業規模は、被災地の資金需要を踏まえたものとなっているか」としております。考え方としまして、上から2行目の中ほどからですけれども、「現時点の融資状況をみると、内陸部の中古住宅購入が中心となっており、住宅再建のための用地確保が困難であること、勤務先も被災した方については、生業確保が優先であり、自ら借り入れを実行して住宅再建するまでには時間がかかる状況にあるものと考えられる」、「東日本大震災に係る災害復興住宅融資の初年度である23年度の融資実績がみえない中で、阪神・淡路大震災を参考に事業規模を推計することはやむを得ないと考えられるが、引き続き足元の融資状況を確認し、資金需要の実態を把握する必要がある」と考えております。

その下の参考に実績がついております。10月末時点ですけれども、申込み受理件数が、一番下の合計2,249件で、貸付件数が171件、貸付金額は19億1,100万円となっております。

続きまして、次の3ページ、論点の2です。右の欄の論点2をご覧いただくと、「平成17年度〜平成21年度に実施された財政融資資金に対する繰上償還(補償金免除)の前提とした経営改善計画や中期計画における経営改善への取組は着実に実施されているか」としております。

左の欄のほうには財投総点検のフォローアップ、平成17年12月のものを掲げております。住宅金融公庫の財務の健全性についての指摘部分でありますが、下のほうの下線部を読みますと、「今後とも、経営改善計画の着実な実施が重要である。当分科会もこれを監視していくこととする」とされております。

続きまして、右側の欄の、論点に対する考え方でありますけれども、「中期計画においては、第一期中期目標期間(平成19年度〜平成23年度)中に常勤職員数については10%以上、一般管理費については15%以上の削減を目指すこととしている。これに対する22年度末時点の実績は、常勤職員数は10.4%、一般管理費は21.2%の削減となっており、進捗状況については特に問題を認めないが、今後とも動向を注視していく必要がある」と考えております。

次の4ページですが、右上の○のところ、既往債権管理業務の円滑な運営、この既往債権管理業務と申しますのは、先ほど住宅金融公庫の時代に個人向け住宅ローン融資を行っていたと説明しましたけれども、その住宅ローン債権のストックの管理業務であります。その勘定が左側の欄の一番下にあります既往債権管理勘定となります。この勘定では、ご覧のとおり、損失が続いてきておりますため、1つ上の参考3にありますように、一般会計から補給金が措置されてきております。

本文に戻りまして、「既往債権管理業務の円滑な運営を図るために措置されている一般会計補給金については、経営改善計画において、第一期中期目標期間中に所要額を全て措置することを前提に廃止することとしており、これについては、財政融資資金の繰上償還(補償金免除)に加え、他勘定への資金融通、補償金ありの財政融資資金の繰上償還等を実施することにより、平成24年度より、補給金脱却が図られる見込みとなったところである」。

ここで、左側の、先ほどの参考3、一般会計補給金の推移ですが、一番右側にある平成24年度の要求額はなしとなっております。

それから、補償金免除の関係ですが、一番上にあります参考2の上から2番目「補償金免除相当額」とありますが、これが右側の合計額で見ますと1兆3,000億円になっております。このように、補償金免除の効果もありまして、補給金からの脱却は図られる見込みとなったところですが、東日本大震災の影響によりまして、貸倒引当金を積み増している状況にありますので、引き続き注視していく必要があると考えております。

次の○ですが、2行目の中ほど、「平成23年度までには単年度収支を黒字に転換、平成28年度までには繰越欠損金を解消することとしているが、直近平成22年度は171億円の損失を計上していることから、東日本大震災の影響等を踏まえた収支推計を行い、計画の達成見込みを確認する必要がある」と考えております。

すぐ左側の参考4の決算の推移で、平成22年度の欄の一番上が法人単位のもので、171億円の損失、そのすぐ下の繰越欠損金が、285億円という状況であります。

以上でございます。

〔 富田分科会長 〕はい、ありがとうございました。ただいまの説明に対しましてご意見、ご質問等がございましたらどなたからでもお願いいたします。吉野委員、どうぞ。

〔 吉野臨時委員 〕資料3−1の2ページのところの一番下の参考の表を見ますと、貸付件数が171件と非常に少ない感じがします。これは実務上のことなのか、やはりリスクがあるのかということと、それから、全体の大枠はわかるのですけれども、どういう県、あるいはどういう市町村にどれくらいの貸し付けをするかという細かい部分についてはニーズに従って貸付けているということでしょうか。

〔 富田分科会長 〕原田委員、どうぞ。

〔 原田専門委員 〕事業の柱である証券化支援業務について2点ほどお伺いさせてください。資料3−1の最後のページ、4ページ目を見ますと、証券化支援勘定では258億円の赤字になっていまして、法人単位では当期損失が171億円であるのに対してこの258億円というのはかなり大きな数字だと思います。サブプライムローンを裏づけにしたアメリカのRMBSなどと違って住宅金融支援機構が出している証券化RMBSは非常に優良な資産で人気もあると思いますが、どうしてこれだけの赤字になっているのかということが少し気になりました。

例えば、1つ考えられることとして、この裏付資産を入れかえている、例えば、東日本大震災関連で被災した地域の住宅ローンが裏付資産に入っていたら別のものと差しかえているというようなことがあるかと思いますが、そういったことの影響なのか、それとももっと別の組成にかかわるところの影響なのかということをお伺いしたいと思いました。

それともう1点、同じ資料の1ページ目にあります24年度の要求額が証券化支援事業では8,800億円ほど減っております。これは、先ほどフラット35の制度の変更だとおっしゃいましたが、これによって来年度以降の証券化、商品の発行の予定などが変更になるのかどうかということも、あわせてお願いいたします。

〔 富田分科会長 〕江川委員、どうぞ。

〔 江川委員 〕災害復興住宅融資に関して、災害復興の枠組みは県とか市町村単位でもいろいろなことが行われているようですが、住宅を復旧するということについては、地域レベルで対応されることと、住宅金融支援機構の事業とはどのように調整されて、その結果として、現在の段階でどれくらいの需要があるかということ。また、その組み合わせによってどういうシナリオがあり得るのかということを教えていただけますか。

〔 富田分科会長 〕それでは、お願いいたします。

〔 井上国土交通省大臣官房審議官 〕国土交通省住宅局でございます。まず最初の件数が少ないというご質問ですけれども、最後のご質問とも絡むかと思います。阪神の場合に比べて立ち上がりの件数が遅くて、かつ、内容を見ますと、内陸部に既にある中古住宅の購入の貸し付けが多くて、住宅の倒れたもの、流されたものの再建については非常に限定的だということでございます。幾つか理由があると思いますけれども、今回の被災の多くは津波で流されたものが多く、これにつきましては、流れた地域が危ないということで建築制限をかけたり、行政指導として「ちょっと待ってください」みたいなことをしていたりということで、当面の再建用地、少なくとも、もとのところに建てるということがままならないということが1点。

それから、被災した方も、まず生業の確保をしなければいけない。どこで、どういう職業につくかということがまず先で、借り入れして建てる話は、もうちょっと先だなということもあるということで出足が鈍くなっていると考えております。

建築制限については引き続き復興都市計画の建築制限等に引き継がれてまいりますので、復興計画が定まって、ここにはこういう形で土盛りなどをして建てていいというようなことが決まっていかないと、この部分はどうしても今後とも遅れがちになるのではないかと考えております。阪神の場合は都市型でございまして、下水等も復旧すれば、もとの土地に直ちに建てられたところが多かった。それから、復興住宅についても、区画整理等の計画が既にあって、それを前倒しして災害復旧向けに建てたというようなこともございましたけれども、今回は災害の形が全く違うということで、今、申し上げたようなことになっていると思います。

それから、この貸し付けについては、市町村枠というご議論もあるのですけれども、まずは、私ども、阪神と、被災戸数、被災地の高齢者の方の割合とか、被災を受けた戸数とか持ち家率とか、こういうものを勘案をしてマクロで計算をして、とにかく、最初5年は無利子でご融資できるというようなことをお見せして被災地の方に安心していただくということを優先いたしましたので、いまだにまだ数字の積み上げはマクロで、県別にどうするかということは、これからニーズに従って、制度上も何の制約もございませんので、被災状況に応じてお貸しするということですので、ニーズに従って進めてまいりたいと思っております。

それから、証券化勘定の赤字が平成23年度も多いのではないかということですが、実は、証券化の費用の中で大きな割合を占めます発行事務費等、これは初年度にまとめて載せる仕組みになっております。実は、証券化の発行量が多ければ多いほどその年は費用が多く出るという構造になっておりますので、先ほど来ございますフラット35の金利の引き下げ措置を経済対策で行っておりまして、この関係で昨年から非常に戸数が伸びておりますが、その分、費用を圧迫しているということで、これは来年以降は、あるいは、今年度も一応黒字になる予定ですけれども、確実に好転する予定でございます。

それから、要求額8,800億円で減っているという話はご指摘のとおりでございまして、これまで1%の引き下げをしていたフラット35Sというものの金利を、今度の第3次補正予算で、被災地は1%引き下げのままですが、その他については0.7%に、それから、来年10月以降は0.5%の引き下げというように段階的に引き下げ幅を圧縮して、その分、金利が上がっていくということです。これに応じまして今年度発行10万8,000戸の予定のものを来年度は6万7,000戸で予定しているということでございますので、戸数は、ご指摘のとおり減るということでございます。

最後のご質問は先ほどお答えしたとおりでございまして、現在のところはまだマクロな積算と、被災地の現状に応じてご融資はさせていただくということで、まだ予算は積んだけれども動いていないということであれば、それはご指摘のとおりだと思います。

〔 富田分科会長 〕ほかにいかがでしょうか。1点、ご質問させていただきたいのですけれども、直接融資の不良債権化率と申しますか、そういうものは証券化の対象のものと違っているのかどうか、被災地対象のものと一般の金融機関経由のもの、その違いについて何か統計的に把握なさっているでしょうか。

〔 井上国土交通省大臣官房審議官 〕今回の被災地関連の数字というのは、当然まだ上がっていません。阪神のケースは、ちょっとすぐには、分かりかねます。申しわけございません、恐縮です。

〔 富田分科会長 〕それでは、事務局経由でいただければと思います。

それでは、このあたりで次に移りたいと思います。住宅金融支援機構の皆様には、ありがとうございました。

それでは、福祉医療機構についてご説明をお願いいたします。

〔 成田計画官 〕それでは、資料4−1の1ページをご覧ください。平成24年度の要求額、事業規模は3,839億円、前年の3,338億円に比べ501億円の増となっております。財政投融資につきましては、要求額が3,378億円、前年が2,460億円で918億円の増額要求となっております。要求が大幅な伸びとなっておりますが、これが妥当なものかどうかというのが論点の1であります。それから、機構の金融機関としての審査体制などが論点の2となります。

まず、福祉医療機構の概要ですけれども、別冊の参考資料の4−2をご覧ください。1ページ目です。「福祉医療機構の沿革と事業」となっておりまして、社会福祉事業振興会と医療金融公庫が統合されて平成15年に独法の福祉医療機構が設立されました。ここに機構が行っている事業が種々載っておりますけれども、この中で、現在、財投から融資している事業は、一番左上の福祉医療貸付事業のみであります。融資残高が3兆290億円となっております。

この事業の概要につきましては、この資料の3ページをご覧ください。左側が福祉貸付事業です。特別養護老人ホーム、保育所及び障害者施設等に対して建築資金等を長期・固定・低利の資金を提供することにより福祉の基盤整備を支援するというものです。右側が医療貸付事業。病院、診療所及び介護老人保健施設等の整備に対して建設資金等を長期固定低利の資金を提供することにより、良質な医療サービスの提供による地域の医療機能の底上げを支援するというものです。

また、もとの資料に戻っていただきまして、2ページをご覧ください。左側の要求の内容です。2つ目の●のところですが、「これらの施設の経営主体である社会福祉法人や医療法人は、非営利で公共性が高く、財政基盤も脆弱であるため、民間金融市場のみによる長期資金調達は難しいことから、機構融資は、そうした民業を補完して行っているものである」としております。福祉事業、そして次の医療貸付事業も同様ですけれども、平成24年度の要求におきましては、これまでの実績や調査の結果等を踏まえて算出して、需要等の変化を適切に踏まえたものとしているということであります。

2枚めくっていただいて4ページをご覧ください。要求内容の続きでありますけれども、「東日本大震災の対応」ということで、震災で被災した社会福祉施設及び医療施設の早期の復旧並びに安定経営の回復を支援することが急務となっているということです。右側の欄に参考3として、東日本大震災の優遇措置などを掲げております。通常の融資よりも優遇措置をとって積極的に対応しているということであります。内容も、貸付限度額につきましては7.2億円という上限を外しまして担保額での制限のみとしているほか、融資率も100%、それから3段目、据置期間を3年から5年に延ばしています。貸付利率も財投金利から、当初5年間は7.2億円までを無利子にしているということです。(注)にありますように、さらに二重債務となる者については償還期間の延長ということで、30年を39年に延ばしているということです。

それから、左側の要求の内容に戻りまして、2つ目の●ですけれども、財政投融資の運用残についてですが、平成22年度におきましては、「福祉貸付において平成21年度補正予算により造成された介護基盤緊急整備等臨時特例基金及び社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金等による施設整備の増加の影響等により資金交付が増加し、財投は全額執行となった」ということです。

2ページに戻っていただきまして、右側の欄の論点1です。「事業規模・財投」ですが、事業規模は対前年で15%増、財投は37.3%増と要求は大幅な伸びとなっておりますが、22年度実績及び今後の需要等を的確に踏まえたものになっているのかとしております。考え方ですけれども、機構の22年度の財投執行は10年ぶりの全額執行となっています。足もと23年度の執行状況を見ても9月末で当初計画比52.8%と資金ニーズは依然高い状況にあります。近年、資金需要が旺盛となっている要因・背景を確認していく必要があると考えておりますが、他方、政策金融改革の基本方針、これが17年11月の経済財政諮問会議ですが、その趣旨を踏まえた融資業務の見直しとして、機構の中期目標において、「平成24年度予算における新規の融資額(契約ベース)を17年度実績と比べて20%程度縮減すること」とされています。「24年度要求の事業規模は、この削減目標が達成されていない状況となっているが、この点について整理が必要である」としております。24年度の資金需要を通常分や震災対応分等に分けた上で個々の事業について積算の内容を精査する必要があると考えております。

次のページの右の欄の下側、参考2の棒グラフをご覧ください。「福祉医療貸付における貸付規模(契約額)の推移」です。一番左側が、今申しました17年度の実績で、これから2割減の水準が赤い点線で示されております。24年度の要求は、一番右ですが、点線の水準を上回っているわけですけれども、そのうち赤い部分は震災対応分ということですので、それを除けば目標が達成されている状況にあるということです。

続きまして、5ページをお願いします。こちらが論点2になります。まず、左側の要求の内容ですけれども、財務の健全性への影響、財政投融資資金の償還確実性についての説明を記載しております。「平成22年度実績における貸倒償却率、延滞率は、福祉貸付事業はそれぞれ0%、0.32%、医療貸付事業はそれぞれ0.03%、1.31%と共に低く、償還確実性も高いと言える」ということです。

右側の論点に移りまして、論点2「金融機関としての機能等」ですが、「近年、機構の貸付契約件数及び金額ともに増加傾向にあり、また、貸付残高は3.1兆円に上っているが、金融機関としての審査体制、貸付先の業況把握及び債権管理・回収能力等は十分に備わっているのか」ということです。考え方といたしまして、そうした観点から、白い○の最後の2行のところですけれども、「どのような取り組みが進められ、その効果はどのように発現しているのか確認する必要がある」と考えております。

私からの説明は以上ですが、引き続きまして、厚生労働省と福祉医療機構の方からガバナンスの現状等についてご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔 山崎厚生労働省社会・援護局長 〕厚生労働省で福祉医療機構を担当しております社会・援護局長の山崎でございます。

私からは簡単に状況をご説明したいと思います。ガバナンスについては理事長からご説明させていただきたいと思います。

この資料の4−2がございますが、7ページ目をちょっとあけていただきたいと思います。この福祉医療機構、実は福祉医療分野の雇用を大変支えているということだけご説明したいと思います。7ページの図にありますように、ちょうど雇用の面で言いますと、医療・福祉、こちらは地方都市においては、この部分が雇用増の主力になっております。特にリーマン・ショック以降そうですが、経済対策においても、実は、この医療・福祉分野の雇用をしっかり確保するということで、この福祉医療機構が、ある面、事業を引っ張っていっているという状況でございます。

もう1つは、2枚、おめくりいただきまして9ページ目で、東日本大震災です。これも大変大きな問題になっておりますが、実は、これに関しましても福祉施設だけで3県で875の施設が実は、全壊もしくは半壊しております。これに関しましても、機構のほうでこういう形で相談特別事業を行っておりまして、これからこの部分が、復興にきっと5年程度はかかってまいりますので、この辺を引っ張っていただくということが行政においても大変大事だと考えている状況でございます。

それでは、ガバナンス等、金融機関としての機能の面については長野理事長からご説明させていただきたいと思います。

〔 長野独立行政法人福祉医療機構理事長 〕福祉医療機構理事長の長野でございます。ガバナンス態勢についてご説明したいと思います。

資料4−2の10ページをあけていただきたいと思います。私ども福祉医療機構は、独立行政法人としまして公共的使命と社会的責任を認識して、適切で健全な業務運営を行いまして、私自身は、経営理念を実現するためガバナンス態勢の強化を経営の重要課題として位置づけております。このガバナンス態勢につきまして、内部統制と外部チェックの機能の2つの視点から説明をいたします。

まず、内部統制について3点であります。役員会、経営企画会議、その他委員会の位置づけと役割分担を明確にしているということであります。これはもちろん、どの独法も行っているわけですが、役員会は理事長、理事、監事で構成されまして、定例役員会は月1回であります。東日本大震災対応へ迅速に対応するということで、現在は毎週1回、役員連絡会を定例役員会のほかに開催しております。

それから、2番目ですが、コンプライアンスの関係ですけれども、22年4月に役職員の法令遵守における基本方針ということで、法令の遵守に関する規程を定めました。同時に、コンプライアンス委員会を設置したところであります。その後、職員の内部通報制度も22年12月に制定しております。

続きまして、リスク管理体制ですが、21年10月にリスク危機管理基本方針を策定いたしました。ここは業務遂行上のリスクを把握して適切な予防措置を講じているところであります。危機管理を機動的かつ円滑に実施するために、この方針に基づきリスク管理委員会を設置いたしまして、各業務におけるリスクを洗い出し、リスクの管理を行っているところであります。また、リスク対応計画の策定と実績の評価を行い、次につなげているところであります。リスクの種類としては、信用リスク、市場関連リスク、流動リスクなど7つのリスクを特定いたしまして、このリスク管理という面では全職員が参加して行っているところであります。

また、このリスクへの対応としては、例えば、先ほど申し上げた信用リスクについて申し上げれば、貸付先の財務状況の悪化等によりまして資産の価値が減少または消失することで機構が損失を被るリスクはありますが、この対応としては、貸し付けの審査でありますが、11ページをご覧ください。まず、償還確実性の判断というために、私どもは過去の2万2,000件に上る貸付案件の事業報告書データを審査に活用する。あるいは、法人の定性面での評価二十数項目を統計的に処理いたしましたスコアリング評価の活用、そして財務格付等によりまして償還確実性を判断します。これに加えまして、福祉医療貸付の特性を踏まえて専門的視点から審査を行っているところであります。その内容は11ページのところにも記載があります。

また、12ページにありますように、専門性を身につけた職員の育成ということにも主眼を置いているところであります。以上がリスクへの対応であります。

それから内部の監査ということでありますが、監査室を理事長の直轄に置きまして独立性を保持するなどを行っております。それから、監事の監査を含めまして適正な内部統制を図っているところであります。ちなみに、2人の監事は民間金融機関の監査部長の経験者でありまして、民間の視点からも監査をいただいているところでございます。

また、10ページに戻っていただきたいと思います。2つ目、外部チェック機能についてお話ししたいと思います。外部チェック機能としては、独法の評価委員会の評価、会計検査院の検査、会計監査人による監査というのは通常どおりございますが、私どもは、ISO9001の認証に基づきます品質管理の評価を受けております。また、財投機関債発行に伴う市場からの評価も受けているところであります。

以上が私どものガバナンス態勢ですが、このような取り組みもありまして、効果という意味では、例えば、リスク管理債権比率は20年度末では2.97%、先ほどの資料では3%と四捨五入で表示されておりますが、そこまで上昇しましたけれども、その後、21年度末で2.49%、22年度末2.67%ということで抑制傾向にあるということも、こういったガバナンス態勢の強化のあらわれの中のものと私どもは理解しているところであります。

以上で私の説明を終わります。

〔 富田分科会長 〕はい、ありがとうございました。江川委員、どうぞ。

〔 江川委員 〕論点1の、事業規模が昨年に比べてかなり大きくなっているということに関連しまして、これは、中期的に見たときに、今後かなり大きく需要が見込まれるということなのか、あるいは、短期的な特殊事情によるものなのかということと、それから、今後この分野が伸びるということであるとすれば、例えば、人員の配置に関してどういうことを考えていらっしゃるのかということもお聞きできればと思います。資料の2ページのところに役職員260名という図がありましたが、人員を増やすのか、あるいは、独立行政法人は効率化を目指すということになっていますので、全体を拡大しない中で対応されていくのか、という点について教えてください。

〔 富田分科会長 〕では、続けて、吉野委員、そして原田委員。

〔 吉野臨時委員 〕民間の金融機関では今、資金需要がなくて、国債がどんどん買われていますが、先ほどのお話ですと福祉医療機構は非常に資金需要が旺盛だということですので、なぜそんなに資金需要があるのか。これは、やはり長期低利資金ということが需要につながっているのか、それとも、この分野は民間でも資金需要があるけれども、何らかのリスクがあるので貸せないということなのか。

それから、2番目は、このように長期、低利で貸付けが行われますと、メリットは最終的に利用者に行っていることになると思いますけれども、もし、そういった推計があれば、どういう方々にどのようなメリットが生じているのか。また、そうだとしますと、こういうものが融資できる地域だけメリットを受けて、そうではない地域の方々はメリットを受けないということになると思いますので、こういう事業が、だれに、どういう形で便益が行っているのかを教えていただきたいと思います。

〔 原田専門委員 〕1点のコメントと1点の質問がございます。まず、コメントにつきましては、資料4−1の4ページ目に書かれていて、ほかのところにも書いてあることですけれども、二重債務の問題を考えて、既にある債務と新規の融資を分けて支援できるというのは政策対応ならではだと思いますので、これは非常によいことだと思っております。

それに関連して1つ、質問があります。同じ4ページに書いてある条件変更ですが、例えば、金利の見直しとか償還期間の延長をするということ、これは必要な措置と言えるのかもしれないのですが、中期的に見れば、問題を先送りしていることになる可能性もあると思います。条件変更というのは、今の時点ではコストは何も伴わないのですが、将来、コストが発生するかもしれないという点から考えれば、論点2のほうにも挙げていらっしゃるように、債権の管理ですとか、回収などについてもう少し考える必要があるのではないかと思っております。以上になります。

〔 富田分科会長 〕はい、では、翁委員、そして川村委員、お願いします。

〔 翁委員 〕不良債権の額がそれほど大きく変わっていないというか、わりと管理されているというご説明でしたけれども、金融円滑化法の関係で、例えば、不良債権が金額として表に出にくくなっているというようなことがあるのかどうかをお伺いしたいと思います。

それから、今、貸出条件の緩和については年4回、検討会を開催して対応されているという資料もいただいておりますけれども、医療機関は赤字のところが多いように聞いておりますので、もう少し早い段階から再生を図るといった対応を福祉医療機構のほうから取り組んでいくというようなことはお考えになっておられないのかということ、2点お伺いしたいと思います。

〔 富田分科会長 〕川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕24年度については多分、東日本大震災への対応と言われてしまうと、まあ、そうだろうなということになって、つまり、これについてなかなかイエス、ノーをはっきり言えるという根拠がないために、結果としては「イエス」ということになってしまうわけです。問題は、先ほどもありましたように、17年度比20%減というところまで来たところ、資料1の3ページのグラフだと、はっきりオレンジ色で出ているので、これが震災影響だとわかるのですが、ほかの機関などを見ていても、大体、リーマン危機以降、毎年危機で、第一次、第二次世界大戦と同じぐらい危機の年数が続いてしまっているわけです。つまり、危機なのか、平時なのかわからなくなってしまっている。その場合に、福祉医療機構が、今後どういう中期的な姿を描いておられるのだろうかということが今ひとつ見えないところであります。ほかが悪過ぎるから結果としてこういうセクターが伸びているということもあるでしょうし、多分、答えはそう単純ではないだろうと思います。

資料4−2の2ページの組織図を見ますと、私などは、いくつか疑問が沸いてきます。独法のあり方というのはまた別の場でいろいろ議論されているところでもあるので、ここでとやかく言う話ではないと思いますが、例えば、二百五十数名いらっしゃる役職員の方が今後どうなっていくのか。例えば、増えて300人になっていくのか、逆に減って100人になるのか、また大阪に26人いらっしゃるけれども、これはどうなるのか。ガバナンスのこともご説明いただきましたけれども、ここで審議役が、ここの脇に出ているのだけれども、どういう機能を果たしていて、なぜこれは役員に吸収できないのかとか、質問したいことがたくさん出てくるのでこれ以上は申し上げませんけれども、そういう中期的なパースペクティブの中でどうするのかということについては、ある程度はっきりしておいていただいてもいいのではないかという、意見を持つところであります。

〔 富田分科会長 〕それでは、お答えをお願いいたします。

〔 山崎厚生労働省社会・援護局長 〕厚生労働省社会・援護局長ですが、まず、私のほうから少し簡単にご説明したいと思います。

まず、ご質問の中で、今後のニーズといいましょうか、この融資はどういう展望になるのかというご質問がございました。この資料4−1の3ページ目の右下に貸付規模の推移がございます。私もちょっとご説明いたしましたが、これを見ていただくと、22年から23年も確かに伸びています。この辺は、実はまさに経済対策の効果でございました。今、先生が言われたように、それが本当に産業構造上、いいかどうかという議論が確かにございましたが、残念ながら、雇用問題を考えたときに、結局一番底がたいのがこの医療・福祉分野であるというのが1つの経済対策の面でも力点でございました。逆に言いますと、そこに1つ、引っ張っていこうという政策意図もありまして、こういう格好で実は引っ張ってきております。加えて、24年度にありますように震災対応という形になっております。

もちろん、産業構造、日本の経済構造に本当にどうかという議論はございますけれども、今の状況でいった場合、実際に、都市部を含め、雇用を本当に吸収できるところは、ここの部分がかなり強い部分がございますので、もちろん、この福祉医療機構の融資だけがそれを支えているわけではございませんけれども、一方で、新設していく施設設備はどうしてもこの融資が必要になってまいりますので、ここはどうしても一定を見込んで、むしろ、必要になってくるだろうと考えております。

加えて、この長期・低利の融資を考えた場合、どういうメリットを含め、構造になっているかということです。実は、医療・福祉のこういう長期・低利の融資の背景になっていますのは、もともとの経常の収入が診療報酬とか、いろいろな介護の報酬といった格好で非常に、かたいのですけれども、ある面、それほど弾力性があるわけではないと、こういう形で規定されていますので、その中でこの融資という形で長期・低利という形になっています。そこの面が裏腹になっておりますので、逆に言いますと、この長期、もしくは低利というのは、そもそも、こういう福祉・医療分野は新しい設備投資をするとか何かをする場合にはどうしても必要な部分、そこはどうしても制約がありますので、それを支援する場合にどうしても必要だという面で、医療・福祉全般にわたって進めていく効果がございます。

加えて、最近の状況で申し上げますと、大ざっぱに言いますと、震災の被災地を除きますと、田舎の部分はかなり満たされてきております。むしろ、今からはきっと増えてくるのは、大都会のニーズがものすごく増えてくると思っております。逆に言いますと、そこで雇用とニーズが両方マッチして、そこに今からの投資は進んでいくのではないかという感じを持っております。

それから、ガバナンスとか不良債権の問題は理事長からご説明させていただきますが、翁先生からご指摘いただきました再生の話です。実は、252人というのは、これは全員、専門家です。役所の人間はだれもおりませんで、15年ぐらいかかってこの医療・福祉の分野でずっとやってきている人たちです。医療も福祉も、かなりの部分が地方銀行と協調融資が多いです。福祉医療機構の審査が決まった段階で地方銀行も一緒に行っていくということで、かなり専門的な人材はそろっていると思っております。そうなりますと、再生の問題も、本来でありますと、ハンズオンの再生的な人材を含め、この機構は本当は私はもっと前向きにやるべきではないかと思っています。ただ、体制は、正直言って、融資の部分でかなり手いっぱいですので、そこは考えてございますが、オールジャパンで見ますと、かなりの専門性を持った人材が集まっておりますので、医療・福祉の分野においては積極的にそういった面での再生にも、企業再生支援機構とも大分協調させていただいておりますけれども、今後ともやるべきではないかと考えております。

〔 長野独立行政法人福祉医療機構理事長 〕人員のことでご質問があったかと思いますが、今現在の融資体制では、この258名の職員のうち、その間接部門の割り振りの人間も含めて約120名で対応しているところであります。近年の伸びにつきましては、この4月には管理部門の部の数を2つほど減らしたわけですが、管理部門から現業部門へ、そういう人の配置をこの中で行っております。それから、来期も8名程度の新規採用をする予定なのですが、これは、増員というよりは、むしろ現状を補充するという観点でありまして、今、第2期の中期計画の中では人件費を5年間で5%削減するという枠の中でやりくりをしているところであります。今、申し上げた、管理部門から現業部門へ、あるいは、同じ現業部門の中でも人員を業務の繁閑を見計らいながら対応しているということであります。

そして、今後の市場がどうかということでは、今、局長からもお話がありましたけれども、常に、介護基盤の整備が必要だ、あるいは、保育所の整備がまだまだ必要だという部分と、それから、病院については耐震についての整備が、まだ未耐震のところがあるわけですから、その整備に加えて、日常的に30年ぐらいで病院を建て替えるというニーズもあるわけで、この辺のニーズは見極めながら、第3期の中期計画では、さらに人員増が必要であれば、そこで要請をしていきたいと私は考えているところでございます。

あと、理事の宮地から回答をいたします。

〔 宮地独立行政法人福祉医療機構理事 〕補足させていただきます。既往債権への対応ということで幾つかご質問があったかと思います。まず、金融円滑化法への対応ですが、手元の資料が6月末現在ですが、約200件の申し込みに対応しております。これにつきましては、3カ月ごとにホームページで対応の状況についてご報告をさせていただいております。

それから、既往債権につきまして、条件変更についてのご質問があったかと思いますが、私どもの基本的なスタンスですが、私どもの債権は、説明がございましたように、医療機関、福祉施設ということでございますので、仮に延滞があったような場合にも、回収を促進するというようなことでは全くありませんで、基本的に施設の存続を前提に対応させていただいております。延滞が生じましたら早い段階で状況等についてヒアリングをし、必要なアドバイスをするというところから入るわけでございますが、どうしても既往債権につきまして金利、ないし期間、あるいは毎年の返済の額等につきまして、これを緩和する必要があるという場合につきましては、相談のもとで計画をつくっていただきまして、私どもとしては、2年を1つのめどとして、その緩和の計画に沿って対応していただきまして、その間、フォローをさせていただく中で、また2年後に戻っていれば正常化していただきますし、さらに、必要ということであれば、またご相談に応ずると、このような対応の仕方で来ております。

このような対応につきまして、中期的に問題先送りではないかということで、この辺についてはなかなかお答えしにくい部分がございますが、例えば、最終的な損失に至る、いわゆる償却額等で見ますと、20年度が最終的な償却が約9億円、貸出残高に対して0.03%、21年度が6億強で0.02%、22年度につきましては5億5,000万円、0.02%ということで、これまでのところはその損失ということについては抑制された水準で来ているのではないかと、このように考えております。

〔 富田分科会長 〕はい。それでは、ほかにいかがでしょうか。中島委員、どうぞ。

〔 中島専門委員 〕今の最後の話に絡んで、貸倒れの償却率、これは低くて、今、金額が5億、6億というお話があったのですが、非営利でいらっしゃるので、ここは引き当て等を積んでそれを充てることにはならないと思いますが、このお金というのは、一般会計から出るということなのか、どういう形で埋めているのか、教えていただきたいのですけれども。

〔 宮地独立行政法人福祉医療機構理事 〕一般会計のほうから資金をいただいて、最終的には穴埋めをさせていただいているということでございます。

引当てというお話がございましたのでファクトとして申し上げますが、平成22年度末におきましては、全体で116億円の貸倒引当金を積んでおります。ただし、このうちには、3月11日の震災で被災した地域につきまして、会計士協会のほうで合理的な基準に基づいて引当金を積むということがございまして、私どもとしては、この分について43億円ほどの引当金を積んでおります。したがいまして、この震災部分を除く引当金としては約72億円という水準でございます。最終的には、先ほど申し上げましたように、この引当金のうち、最終損失として処理している部分につきましては、平成22年度は5億5,000万円という水準でございます。

〔 富田分科会長 〕はい。ほかにいかがでしょうか。

それでは、このあたりで質疑を終了したいと思います。福祉医療機構の皆様にはご退席いただきます。ありがとうございました。

それでは、本日の議事はここまでといたします。

最後に本日の議論を踏まえまして成田計画官から一言お願いいたします。

〔 成田計画官 〕委員の皆様におかれましては、貴重なご意見を賜りまして誠にありがとうございました。本日いただきましたご意見を踏まえまして、年末に向けて精査・検討してまいりたいと考えております。

なお、政策投資銀行に関しまして、富屋次長からコメントがございます。

〔 富屋理財局次長 〕局長がほかの業務で途中退室いたしましたので、私のほうから、今日、日本政策投資銀行について、多くのご意見、ご質問が出ました点につきまして、理財局内の問題意識を発言させていただきたいと思います。

震災等もあって、財政投融資と日本政策投資銀行の関係が、これまでと同じような考え方でいいかどうかということも議論しているところですが、土居先生がおっしゃったように、財投である以上、政策との整合性が必要だということは、至極当然なわけですけれども、先ほど日本政策投資銀行からの説明があったように、若干そこがあやふやな状態になっているところがあります。日本政策投資銀行に対する財投は、当初、完全民営化に至るまでの移行措置として手当てするという考え方で推移してきているものですから、主に政策的な対応はツーステップ・ローンを使って、政策投資銀行への直接の融資は徐々に減らしていくというような考え方があったわけです。ところが、リーマン・ショック以降、さまざまな政策的対応が必要になったものですから、日本政策投資銀行のあり方の検討も先送りをされているわけです。

そういう中で、震災への対応が出てきて、更には円高ですとか、政策的に対応が必要な状況が幾つか生じてきていると認識をしておりまして、政府としても、さまざまな施策に財投を活用すべきだと考えているところでございます。この財投を活用すべきだという際には、これまで政策投資銀行が便利なツールとしてあったのですけれども、今は、一応、民営化の過程ということもあって、これにどれだけのことを担わせるのかということがきれいに整理できていない現状の中で、さまざまな政策に対して、やはり、当面、相当の役割を担ってもらってもいいのではないかという考え方がございます。今回、23年度補正で震災対応に2,200億円ほど追加をさせていただいておりますけれども、それについても政治の場では「これで足りるのか」という声はあっても、民業圧迫になるといった批判的な議論は出てこないような地合いとなっています。

民業補完論とか、民業圧迫論ということについても、これも議論はいろいろあって、そう簡単に割り切れるものでもないかもしれませんけれども、先ほどの日本政策投資銀行の説明の中でも、中立性があるとか、ある程度のまとまったロットがあるということで、むしろ民間とうまくコラボレーションができて、協調融資もそれなりに行われているのだというような説明とか、他方、新しい手法で切り離しをしていくという話もございましたけれども、そういった、民業補完論的なものについての実態も踏まえながら、日本政策投資銀行がやりたいからということではなく、当面、さまざまな政策に対して、政府の姿勢、方針として日本政策投資銀行を活用する余地がないのかということについて問題意識を持っております。本日、各委員の方からのご質問やご意見の中でさまざまな貴重な観点をいただきましたので、そういった点もよく踏まえながら適切な財投編成になるように今後検討をしていきたいと思います。

〔 富田分科会長 〕はい、ありがとうございました。本日の議論はここまでといたしたいと思います。土居委員、どうぞ。

〔 土居委員 〕今の次長のご発言に対して、私も、基本的にそういう発想で思っておりまして、つまり、政府として日本政策投資銀行に、こういう部分を担ってくれというミッションを明確に与えて、それを財政融資資金でサポートしていくという、そこを明確にするということが重要なのではないか。そうでないと、私はあえて針小棒大に申し上げますけれども、民間でなかなか起債できないから財政融資をお願いするという説明だと、何を担っているのかというところが弱いという感じがしますので、ぜひ、政府から日本政策投資銀行に対してこういうことをお願いしたいというミッションをより強く明確にメッセージとして出していただきたいと思います。

〔 富田分科会長 〕はい、よろしいでしょうか。江川委員、どうぞ。

〔 江川委員 〕一言だけ。私も外から見ておりまして、民営化して上場するというのは若干難しいのではないかと思っております。逆に、その辺に関しては、できる範囲で、方向性を明確にしたほうが、民営化ということで遠心力が働いているところで、政策との整合性がうまく整理できるのではないかと思います。

〔 富田分科会長 〕はい、ありがとうございました。

それでは、本日の議論はここまでといたしたいと思います。

あすは本日と同じ午後3時から、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、日本学生支援機構、農林漁業成長産業化支援機構、及び地方公共団体についての審議を予定しております。

本日はご多忙の中、誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。

午後5時09分閉会
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