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財政制度等審議会 財政投融資分科会(平成23年10月12日開催)議事録

財政制度等審議会 財政投融資分科会
議事録

平成23年10月12日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第

平成23年10月12日(水)10:30〜12:05
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.藤田財務副大臣挨拶・意見交換

  • 3.理財局長挨拶

  • 4.平成24年度財政投融資計画要求

  • 5.質疑・応答

  • 6.財政融資資金等の実地監査について

  • 7.質疑・応答

  • 8.閉会

  • 配付資料

    資料1 平成24年度財政投融資計画要求
    資料2 財政融資資金等の実地監査について
    別冊 平成24年度の財政投融資計画要求書
    民間基準会計財務諸表
  • 出席者

    分科会長

    富田俊基

    藤田財務副大臣

    田中理財局長

    富屋理財局次長

    美並総務課長

    中尾財政投融資総括課長

    渡辺管理課長

    成田計画官

    山根計画官

    馬場財政投融資企画官

    藤本法人等財務分析官

    今井地方財務分析官

    木勢資金企画室長

    委  員

    翁   百 合

    川村雄介

    土居丈朗

    臨時委員

    池尾和人

    吉野直行

    専門委員

    冨山和彦

    原 田 喜美枝

       

午前10時30分開会

〔 富田分科会長 〕ただいまから財政制度等審議会財政投融資分科会を開会いたします。

本日の議題は、「平成24年度財政投融資計画要求」及び「財政融資金等の実地監査について」となっております。

本日は、藤田副大臣にご出席をいただいておりますので、最初に藤田副大臣にごあいさつをいただきたいと思います。

〔 藤田財務副大臣 〕おはようございます。財政投融資分科会の開催に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。

このたび、9月5日に副大臣を拝命いたしました藤田でございます。よろしくお願いいたします。

分科会の委員の皆様におかれましては、日ごろより財政投融資に関しまして、大変有意義なご意見を賜り、ありがとうございます。現在、震災復興や円高対策に関して、政府を挙げて全力で取り組んでおります。先週の10月7日には、平成23年度第3次補正予算及び復興財源の基本的方針を閣議決定いたしました。こうした中で、税外収入の確保については、財投特会の剰余金の活用やJT株式の売却など、当分科会にも関連する事項も含まれておりますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

さて、本日より、例年より1カ月遅れではございますが、24年度財政投融資計画の編成に向けた当分科会のご審議をお願いすることになるわけです。今後、年末に向け、引き続き当分科会で皆様のご意見をお聴きしながら編成作業を進めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

改めて申し上げるまでもございませんが、財政投融資につきましては、平成13年度の財投改革以降、対象事業の重点化・効率化を通じて、財投規模のスリム化が行われてまいりました。近年はリーマン・ショックに端を発する世界的金融危機や東日本大震災からの復旧・復興に伴う資金需要の高まりに積極的に対応してきています。

24年度の財政投融資計画につきましては、去る9月30日に要求が提出されたところでございますが、今後の編成作業に当たりましては、引き続き対象事業の重点化・効率化に努めるとともに、震災復興や我が国の成長・再生に向けた取り組みをしっかりと後押ししていくことが必要であると考えております。

分科会委員の皆様におかれましては、専門的な見地から、率直で忌憚のないご意見を頂戴できればと思っております。いただきましたご意見を活かしつつ、今後の財投編成を行ってまいりたいと考えておりますので、どうぞ委員の皆様、よろしくお願い申し上げます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、藤田副大臣にお時間をいただきまして、意見交換をさせていただきたいと思います。

せっかくの機会であります。日本経済や震災復興など、視野を広げてご意見をお願いできればと思いますが、どなたかいかがでしょうか。どうぞ、吉野委員。

〔 吉野臨時委員 〕せっかく副大臣がいらっしゃっていますので、少し大きなところから意見を申し上げさせていただきたいと思います。今、非常に国債が大量発行になっておりまして、民間に流れる資金がほとんどなくなっております。それからヨーロッパではギリシャをはじめとして、財政の問題が非常に大きくなっておりますので、財政規律をまずしっかりするということと、資金の流れを国から民間に持っていくという、やはり民間のほうに資金が行かなければならないと思いますので、第1点は、ぜひそれをお願いしたいと思います。

2番目は、先ほど震災復興のお話がございましたけれども、今、復興については、財源のほうがすごく議論されておりますが、復興の対象となる事業をどうすれば最も効率的に震災の地域を復興させられるかという、そういう議論のほうが欠けているような気がいたします。昔は、財政投融資はインフラの整備から、大企業、中小企業、ほとんど全てを対象にしていたわけですけれども、現在の財投、特に政策金融ですと中小企業が中心ですので、もう少し幅広く、インフラの整備から、大きな企業、中小企業、農業までを含めて、対象として考えるというそういうご議論をぜひしていただきたいと思います。

以上、2点でございます。

〔 藤田財務副大臣 〕今朝、安住財務大臣ほか政務三役、それから事務次官、各局長を含めまして、経団連の皆さんと1時間半ほど意見交換してまいりました。その際に安住大臣がおっしゃっていたことですけれども、安住大臣は就任後、最初の仕事は国際会議でございまして、今週も14日からまたG20に行かれますが、今回のギリシャに端を発したヨーロッパの問題を見ておりますと、財政恐慌というような話が出てくるくらい財政規律の問題というのは非常に重要であると。と同時に、IMFの専務理事や、ガイトナー財務長官から、よくこういった時期に3次補正で、いわゆる復興財源ができましたねと言われたというお話がございました。いかに財政規律の問題と景気、経済の問題等が関係しているかということを、改めて実感したというのが今の世界の流れであると思います。したがって、財政の問題というのは、日本という国の政治そのものに対する信任であるので、これからもぜひしっかりと取り組んでいただきたいというお話もございましたが、まさに吉野委員のご指摘のとおりだと思っております。

民間に資金をということでございますけれども、まさに円高空洞化対策についても、実は経団連の幹部の皆さんからもご意見がございましたが、例えば円高対策については、できるだけ立地補助金というような形で、日本の企業が日本に残れるようにということと同時に、中小企業の政策金融ばかりではなく、例えばM&Aに関してもかなり思い切った政策が必要であるというお話が出ておりました。そういう意味では、一時は財投に対して否定的な見方もあったようでございますけれども、多元的な政策を総動員するに当たって、この財投の仕組みに対する期待も高まってきておりますので、今おっしゃいましたように、大中小、各レベルの企業、あるいは国際展開している企業への支援も含めまして、財投の役割についても重要視していくべきではないかと感じております。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。

川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕機会をいただき大変ありがとうございます。今、副大臣から大変心強いお言葉を頂戴し、また、先ほどの吉野先生のお話とも重なるのですけれども、3つほど申し上げたいと思います。まず第1点目は、まさに財政規律の問題でございます。財投、この五、六年でしょうか、リーマンショック以降、ずっと危機が続きまして、その度に危機対応ということで役割を果たしております。私がこの会議に参加させていただくようになって、平時という経験がないわけで、そうなると、ちょっと表現は悪いですけれども、戦時体制の財政のような状況になっているのかなと思います。

そうすると、そういう中で、国債の累増という大きな問題、また、ある種ギリシャを他山の石というと失礼でありますけれども、そのような状況になっている。また、ヨーロッパを回ってきている人や、ヨーロッパで働いている人からは、日本で報道されるよりもはるかに現地の状況が深刻であるというようなことを聞く中で、最後の頼りは財政の規律であるということは我々も肝に銘じなければいけないと思いますし、往々にして、とにかく金さえ出せばいいということにはならないのだということを自戒しておく必要があるというのが1点目です。

2点目は、さりとて、使うという場合に、これは選択と集中をしっかりすると同時に、やはり大なたを振るうような政策、これはなかなか行政レベルではできない、やりにくいことだと思いますけれども、大なたを振る、例えば特区構想のような政策が必要だと思います。しかしながら、総合特区であれ、あるいは復興震災地域の特区、これは大変いい構想だと思いますが、中身を見ると、どうも小さいものがたくさん集まるといった感じでありますので、このままでは起爆剤にはなりにくいような気がいたします。

そして、特にグローバル化というとき、今、副大臣のお話にもございましたけれども、産業界は、日本企業が出て行ってしまうという議論ばかりするのですが、実はいろいろな実証研究なんかを見ても、逆に外資を日本に導入することが、結果として、空洞化どころか、日本の国内の経済がよくなるというような研究も数多くある中、OECDの主要国の中で、まともな外資導入の政策をとっていないのは、おそらく日本ぐらいではないかと。アメリカでもとっていますし、韓国の大きな成功の事例もある。出ていくことを心配するだけではなくて、入ってくることを誘致するというような発想もぜひお持ちいただければありがたいと思っております。

3点目は、財政制度に対しての世の中のいろいろな誤解というものを引き続き解いていかなければならないということでございます。例えば、よく埋蔵金とか、特会をどのように使うかという議論がなされますが、剰余金をどうするかという問題については、それ自体は大変重要な議論であり、実施しなければならない部分も相当あるとは思いますが、何か外為特会というと、そこにドルと金塊が山のように積んであって、それを何か引き当てに出せば、お金が何十兆円と出てくるんだと言わんばかりの報道でありますとか、あるいは財投の金利変動準備金についても、将来のリスクに備えて持っていなければならないものであるにもかかわらず、もうゼロでもいいということは、自転車操業を強いているにほかならないわけでありまして、先ほどの危機対応ということとも兼ね合いますけれども、できる限りそのような誤解は排していかなければならないのではないかと思います。

それと、財政制度というのは大変難しい制度で、私はそれを語るほどのまだ見識を持っておりませんけれども、それでもやればやるほど難しいわけで、一般の国民にとってはもっと難解な部分があるのではないかと思います。これをよりわかりやすく、国民に正しくご理解いただくような方向で、引き続き注力してただしていただければ大変ありがたいと思います。以上でございます。

〔 藤田財務副大臣 〕平時の出費、それから戦時体制というお話がございましたが、原発問題は別にしまして、復旧から復興に、そして財政や経済の問題をできるだけ早く解決して日本の成長につながるようなプロセスまでもって行かなければいけないと考えております。日本の自動車産業が震災後わずか5カ月で昨年のレベルを超えたということが、世界に脅威を与えたというように、今後に期待がもてるような状況も出てきておりますので、災いを転じて福となす、そういうきっかけにしたいと思っております。

それから、選択と集中のお話がございましたけれども、例えば外資の問題ですが、外資が日本に来るという場合に、いわゆるハード面ばかりではなく、ソフトの面も含めた外資が日本に入ってくるような環境整備が必要ではないか。そういう意味では今般の危機を観光、人、モノ、お金が入ってくるようにシステムを変えるために、既存の法律体系やさまざまな制約・規制を変える機会として前向きにとらえていかなければいけないと思っております。

例えば除染活動についてもかなり戦略的なシステムをつくって、その中で各省庁が、あるいは福島県と協力しながらやっていく必要がありますし、医療の新しい分野の支援を福島市、郡山市を中心として展開していこうというようなことも範疇に入ってくると思っております。

それから3つ目の誤解という点でございますが、実は私の担当しております1つの大きな宿題が朝霞の公務員住宅の問題でございます。今、マスコミでは、増税や政治の問題を、朝霞につなげて報道することが多くなっておりますが、そういう負のイメージがついた問題を理詰めだけで説明してもなかなか理解され難いので、イメージを変える何らかのアクションが必要なのだろうと思っています。そういう意味でも、いろいろな幅の広い知見をお持ちで、発信力もある先生方のお力添えをいただきたいと思っております。

〔 川村委員 〕ありがとうございます。

〔 富田分科会長 〕では、原田委員、どうぞ。

〔 原田専門委員 〕先ほど吉野委員、川村委員がおっしゃったことにつきましては、多分、ここに座っている委員の皆さんが同意するところだと思いますので、追加で手短に2点だけ申し上げたいと思います。

まず1点目としましては、震災後の議論が復興財源のあり方に偏っていて、それが先行しているのが現実のように見えます。成長シナリオというものが見えてこない。いかに成長させるかということも必要であるのにもかかわらず、今のところは財源をどうするかという議論だけが先行しているということがまず1点気になっているところではあります。

もう1点目としましては、今、いろいろな試算がございますけれども、消費税を10%に上げたところで、例えば2020年になっても基礎収支の黒字化は達成できないということがわかっているような現状ですので、いろいろな国の議論も先ほどご説明いただきましたけれども、政治家の方々が日本の現状を説明する義務を怠っているのではないかと思っております。例えば、日本は非常に大きい国ですので、Too Big to Saveという言い方をされますが、大き過ぎて助けることができないと言われているような点も強調するべきですし、これもよく知られていることですが、国債の95%は国内で保有されている状況ですので、外国が真剣に助けてくれるかということについても、疑問のあるところだと思います。財政がどれだけ危機的な状況にあるのかということを、メディアに煽られるだけではなく、もっと政治家の方が発信するべきであるのではないかと考えております。以上になります。

〔 藤田財務副大臣 〕ありがとうございます。成長シナリオをできるだけ早く打ち出していきたいというのは、多分、今の政府関係者全員が思っていることだろうと思っております。今度の補正につきましては、先週、基本的な方針を閣議決定をしたところでございます。内容につきましてはこれから協議を進めていくこととなりますので、まだ詳細を明らかにできていない部分もありますが、野党の皆さんの意見も既に入っておりますし、私自身も、できるだけめり張りのついたものにしなければならないという意識を強く持ってございます。

例えば、立地補助金、もちろん中小企業ばかりではなくて、大きな企業も想定しておりますけれども、これも初めは2,000億円、3,000億円と言われておりましたが、5,000億円に増やしております。先ほど申しましたけれども、大がかりに成長戦略を組み立てていくための機会として、皆さんのお知恵をいただきまして、よりめり張りのきかせたものに集約して高めていきたいと思っています。

それから、アカウンタビリティーの問題ですけれども、今の財政規律の問題が、ギリシャの問題、それからアメリカの財政の問題を含めて、世界的にすぐ連鎖してしまう状況にありますが、その基礎には財政の問題があるのだと思います。したがって、今回の3次補正では所得税、法人税が中心になりますけれども、来年には税と社会保障で、社会保障費の抑制、それからTPPの問題もありますけれども、いろいろなステークホルダーが複雑になっておりますので、ステークホルダー間の協議をしていただいて、その上で、例えば実際に交渉に入った場合のことを想定して、かなり実質的に議論を進めていかなければいけないのではないかと思っております。そういう過程の中で、ステークホルダー間では本音の話をしていただいた上で、最終的にはいよいよ税と社会保障の問題で、政治として日本の浮沈をかけて議論をするという意気込みといいますか、覚悟を持ちながら進めていく必要がございます。それをしないと、政治自体がもつか、もたないかというところに追い込まれるという危機感を私自身は持っております。そういう場面で、今のお話を参考にしながら、アカウンタビリティーというのはクレディビリティーの問題だろうと思っておりますので、そういう姿勢で取り組んでいきたいと思っています。

〔 富田分科会長 〕土居委員どうぞ。

〔 土居委員 〕復興財源について、税外収入で政府保有株の売却ということが予定されているのですが、ぜひともバーゲンセールにならないように、安売りしないようにということをよろしくお願いいたしたいと思います。東京メトロの株も、東京都は安く買いたいと思っているけれども、国民の共有財産である政府保有株でありますので、公正な価格で売っていただきたい。さらには、他のいろいろな株式もありますけれども、やはりビジネスモデルといいましょうか、郵政なら郵政の将来をどういうふうに考えるかということを明確にしないと、ビジネスの価値が高まらない。高まらないと、なかなか高い値段で売るにも売れないということですので、ぜひともいい形で、売却するならば、そうしていただきたいと思います。以上です。

〔 藤田財務副大臣 〕ありがとうございます。その部分は2段階になっている部分と、10年間の間にという部分の中で、経済状況を踏まえながら、いい形で売却ができるようにしていきたいと思っております。

〔 富田分科会長 〕副大臣、どうもありがとうございました。ご意見まだまだ尽きないようでありますけれども、日程の都合もございますので、この辺で一区切りとさせていただきます。藤田副大臣におかれましては、ご多忙の中、御出席をいただきありがとうございます。

(藤田財務副大臣・退室)

〔 富田分科会長 〕それでは、続きまして、先般の人事異動で就任されました田中理財局長より、ごあいさつをいただきたいと思います。

〔 田中理財局長 〕8月2日付で局長を拝命いたしました田中でございます。副大臣との話の中にもたくさん出てまいりましたけれども、財政投融資を新しい経済活性化の手段として、どういう活用の仕方があるのかという観点を我々はもっと持つべきだろうと思っています。

私は、15年度予算編成のときに財投総括課長をやらせていただきましたが、当時はまだ小泉改革の延長線上で、とにかく財投は量を切れという要請を強く受けるという流れの中での財投編成でございました。ここに来て、先ほどから出ておりますこの国の経済の活性化、大きく言えば、どうやってこの国はこれから食べていくのかという議論が非常に大事だと思っております。その中で財投の占める役割は、さほど大きいものではないかも知れませんけれども、出来る限り活用していく方向で根本的に制度の中身を議論していく必要があるのではないかと思っております。

委員の皆様に持ち回りでご審議をお願いし、ご了承をいただきました第3次補正予算における財政投融資計画の追加につきましても、復興基本法の「財政投融資に係る資金の積極的な活用を図ること」という趣旨の範囲で適切に対応したつもりでございます。

今年は理財局が、要求官庁になるようなつもりで財政投融資の編成作業を進めてまいりたいと思っております。ただ、一方で注意を払わなければならないこともありますので、先生方のご指導をよろしくお願いいたします。今日は24年度の財政投融資計画の要求、あるいは実地監査等についてご審議をいただくこととなっておりますが、忌憚のないご意見を賜りますとともに、今後とも、ご指導、ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。

議事に入る前に、委員の皆様にご報告がございます。先般、緊急に議決を経る必要があったことから、持ち回りによりご審議をいただきました「平成23年度財政投融資計画補正について」等につきましては、委員の皆様全員からご賛同をいただき、原案どおり了承とさせていただきましたことをご報告させていただきます。

なお、委員の皆様から、「財投からの融資が、震災地域の経済復興のために有効に使われるべきである」、「財政投融資の本質が変貌することがないよう、積立金の取り崩しや、これに伴う財投特会の財務の健全性を確保するための措置が安易に行われることがないようにすべきである」といったご意見をいただいておりますので、改めて、この場で確認させていただくとともに、財務省においてしっかりとご対応をいただきますようお願いいたします。

これに関連いたしまして、東日本大震災からの復旧・復興財源を巡る状況を、中尾財政投融資総括課長より説明いただきたく思います。よろしくお願いします。

〔 中尾財政投融資総括課長 〕それでは、ご説明いたします。本年6月に成立、施行されました東日本大震災復興基本法におきましては、第7条の第2号に「財政投融資に係る資金の積極的な活用」という規定がございます。また、復興財源をめぐる全体の議論にかかわりますのが第8条でございまして、国は、復興債について、その他の公債と区分して管理するとともに、あらかじめ、その償還の道筋を明らかにするものとするとなっております。

この法律に基づきまして、7月29日に東日本大震災復興対策本部の基本方針が決定されました。この中では、5年間の集中復興期間中に少なくとも19兆円程度の事業規模が見込まれるとされております。この19兆円に対しまして、1次補正、2次補正で既に6兆円ほどが措置されておりますので、残る13兆円を歳出の削減、国有財産売却のほか、特別会計、公務員人件費等の見直しや、さらなる税外収入の確保及び時限的な税制措置によって確保するということが決められたわけでございます。

なお、この段階では歳出削減、税外収入を3兆円と仮置きした上で税制措置の検討が進められるという状況であったわけでございますが、その後、政府・与党の調整を経て、税外収入と歳出削減で5兆円程度を確保することとされ、さらに、今後10年間を基本としつつ、2兆円程度を想定していくという方針になっているところでございます。

最初に3兆円程度と、基本方針で仮置きされた財源につきまして、この段階では、東京メトロ株式の売却や、子ども手当の見直し等の歳出削減ということでございましたが、その後追加された2兆円の中に財投特会の剰余金0.8兆円+α、それからJT株の売却、すなわち、政府保有義務を2分の1から3分の1とすることで0.5兆円という、財政投融資に関する項目が入ったところでございます。

さらに、今後10年間を基本としつつ、想定する2兆円程度についてでございますが、政府保有株式をはじめとする税外収入等による財源確保に努めて、財源確保額が確定した場合には、それ以降の時点における復興の財源フレームの見直しの際に織り込むということで、JT株については政府保有を3分の1からさらに0ということができれば1.0兆円になるとされたわけです。ただし、このためには、たばこ関連産業への政府の関与のあり方を勘案の上政府保有株式の見直しを検討する必要があるとされているところでございます。

以上の議論、調整を経まして、先週の10月7日に23年度第3次補正予算及び復興財源の基本的方針が閣議決定されました。この中で、財政投融資計画については、株式会社日本政策金融公庫等に対し、1.3兆円程度を追加するということが決定されております。

また、復興財源との関係でありますが、5年間の集中復興期間における財源確保額5兆円として、先ほどご説明いたしました財投特会の剰余金とJT株の話が入っておりまして、さらに、その先の10年間として、たばこ関連産業への政府の関与のあり方を勘案の上政府保有株式の見直しを検討することにより、売却可能となった政府保有株式をできる限り速やかに売却することとされたところでございます。

それから、この閣議決定には復興財源確保法案の骨子のイメージも付記されておりまして、この中では、財政投融資特別会計財政融資資金勘定から、予算で定めるところにより、国債整理基金特会に繰り入れることができること、また、現在産投勘定が保有しておりますJT株式の所要数を国債整理基金特会に所属替えをすることに加えまして、財政投融資特別会計財政融資資金勘定の健全な運営を確保するために必要な措置の創設が決められているわけでございます。

若干おさらいで恐縮でございますが、昭和30年より前の制度では一般会計と資金運用部特別会計との間で相互に繰り入れの規定がございましたけれども、昭和30年の法改正でそれを廃止いたしまして、自収自弁の原則が確立いたしました。その後、昭和47、53、54年度に資金運用部特別会計が赤字になりましたけれども、このときには積立金の取り崩しにより対応したという経緯もございます。今回、財政投融資特別会計の健全な運営を確保するための措置を講じることとされておりますが、私どもといたしましては、今後とも基本的には自収自弁の原則を維持することが必要だと考えておりまして、決算上の不足は、基本的に積立金により補足する仕組みを維持するという考え方に立っているところでございます。また、自収自弁の原則によりまして、財政融資の金融事業としての規律を引き続き維持していくという点につきましては、申し上げるまでもございませんけれども、財政融資資金法第1条で確実かつ有利な運用となる融資を行うという規定もございますので、このような考え方は全く変わらないということでございます。原則として租税負担を伴わない政策ツールとしての意義を今後とも重視していく必要があると考えております。

今般の措置は、財政投融資以外の要因、すなわち復興債の償還財源に充てていくことで積立金が不足する状態が続く懸念がある中で、財投特会の財務の健全性を制度的に担保するための例外的な措置として位置づける必要があり、また、法律は今検討中でございますけれども、時限的な措置ということになるものと考えているところでございます。

ご説明は以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。これまで経緯のご報告でありますけれども、何か確認しておきたい点等ございましたら。池尾委員、どうぞ。

〔 池尾臨時委員 〕少々一般論になりますが、財政状況を考えるときに、特に債務の状況を考えるときにグロスで考えるのか、ネットで考えるのかという問題があります。両方で債務管理を考えていく必要があるのでしょうけれども、しばしばそこが使い分けられていて、債務状況が深刻だというときにグロスのデータを示すと、いや、ネットで見ればそんなこともないんだみたいな議論がされる。その一方で、今回のように資産を売却すれば財源になるという議論がされます。今ここの場で言うまでもないですけれども、ネットで見れば、決して新たな財源が出てきているという話ではないわけでありまして、もちろん不要な資産を保有する必要は全くないわけですが、その売却収入というのは既存債務の返済に一義的には充てられるべきであって、既存債務の返済に充てないでほかの用途に使うということは、新たな債務負担行為をするのと基本的には同じなんだという点を、もう少ししっかりと説明していくべきではないかと思います。前半の副大臣とのやりとりの中でも、財政の制度についての理解を深める必要があるという話がありましたが、保有株を売れば、国民負担が軽減されるごとくのプレゼンテーションがなされることがありますが、そのあたりは何とかならないかなという思いが私にはあって、保有株を売ったとしても、既存債務の返済に充てずに、他の用途で使ってしまえば、結局は、将来国民負担に振り替っているんだということを、もう少しどこかできっちり言っておく必要があるのではないかという気がいたしましたので、あえて申し上げました。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございます。私もそのとおりだと思いますし、多分、委員の皆さんも同じ思いであろうと存じます。

〔 吉野臨時委員 〕今の関連ですが、例えば財投リポートに、準備金を取り崩しても、見合いの資産が減ってしまうので、解決にならないということを、次のときにしっかり入れていただくといいのではないかという気がいたします。

〔 富田分科会長 〕今回の措置は、政治の決定なわけですけれども、これまで自収自弁が前提であるがゆえに、コスト分析等によって融資の確実なる回収の検証などを、精神論ではなく、具体的に行ってきました。SNA統計でいえば、公的企業だったわけです。これからもそうですけれども、仮に一般会計から繰り入れをすることになると、池尾先生がよく使われる言葉で言えば、予算制約がソフトになるわけです。だから、それによる影響が発生しないように、コスト分析などを通じて、償還確実性をどう担保していくかとか、そういうことをしっかりやっていませんと、長い目で見たら、財政支出、歳出と財政融資はどこが違うのかということになりかねないということが一番懸念されるところであります。先ほど中尾課長から最後にご説明がありましたけれども、例外的な措置として時限的に位置づけるということ、これがぎりぎり健全に歳出と融資を分ける意味で大事な要素だと思いますので、ぜひともこれを肝に銘じる必要があると思います。

どうぞ、冨山委員。

〔 冨山専門委員 〕今の話、普通の会社にあてはめると、これだけ借金を抱えた赤字の会社がさらに借金する場合、保有している資産は必ず担保に入っているはずなので、言うなれば、この株の処分というのは担保資産の処分であって、まさに今おっしゃったとおり、これは銀行に返済されておしまいというのが基本であると私も思います。

それと少し離れるのですが、個人的な話ですけれども、私どもの会社はちょうど被災地でバス会社をやっていまして、2,100人の従業員と1,200台のバスを今でも走らせております。そもそも今回の十何兆円という復興対策の話について、地元でバスをやっていながら、私は疑問を感じておりまして、こういうことは絶対地元の人は言わないので、あえて申し上げますが、地域の岩手県とか福島県、特に岩手県の雰囲気で言うと、この地域というのは、全国のたしか4%ぐらいのGDPしかないはずですから、20兆円ぐらいのGDPしかないところに、それに近いお金が降ってくるという話に今なっているわけです。これは釈迦に説法ですけども、そうすると、ムードとしては、もともとあった港湾にしろ、道路にしろ、あるいは鉄道にせよ、昔以上に豪華なバージョンになってもう1回つくり直せるのではないかという期待感があります。多分、ご出身の議員の方々も期待感が非常におありかと思いますけれども、それが生産的な議論かというと、これは申しわけないですけれども、くどいようですが、そこでバスを経営している我々としても、ちっとも生産的ではないと思っています。

将来的に、長期的にこの地域の産業を活性化していく上で、政治的にかなり無意味な議論が跋扈する可能性が高いと思っておりますが、少なくとも財投が出ていく局面においては、私は救済の原理と経済活性化の原理はちゃんと峻別すべきだと思っております。一般会計予算的に財投を出されると、現実問題としてかなりの額が救済の原理で使われて、おそらく港湾や道路や鉄道もつくられてしまうと思います。ただ、それでは本質的に意味がないわけです。救済の原理というのは、気の毒か気の毒ではないかというのが基本的な価値観になるわけですが、経済活性化の原理というのは、競争の中で勝てそうか勝てそうではないか、あるいは収益が上げられそうかそうではないかということが基本的な原理になるわけですから、これは価値観が180度とは言わないけれども、90度は違うはずで、要は独立の角度になるはずなので、ここはぜひ、今後、財投が出動する局面においては特に厳密に見ていっていただきたいと思っております。

なぜこんなことを申し上げるかというと、この先、二、三年のことだけでいいのであれば、大いに金を降らしてもらったほうがいいのですが、バス会社を経営している、この先、20年、30年、この地域で産業をやっていくという立場で考えると、むしろ変なカンフル剤みたいなものを打たれてしまうと、その後はかえって疲弊します。そこは本来あるべき超長期的に、20年、30年という単位でこの地域にしっかりした産業をつくっていくという視点でお金を使っていただきたいと思っております。ここは、私は最後の砦は財務省だと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。それでは、引き続き中尾課長より、本日の議題、平成24年度財政投融資計画要求につきまして、ご説明をお願いいたします。

〔 中尾財政投融資総括課長 〕それでは、まず資料1を使いましてご説明をいたしたいと思います。

去る9月30日に各省庁から要求書の提出を受けました。お手元の資料1の表紙をめくっていただきますと目次がございますが、さらに1枚おめくりいただきたいと思います。1ページと振ってあります。まず、一番下の合計欄をご覧いただきますと、24年度の要求額は総額で15.8兆円、平成23年度当初計画に比べて9,200億円、率にして6.2%の増加となっております。この総額につきましては、去る10月5日に一般会計の概算要求額とともに公表しておりますが、これからご説明する内訳につきましては、本日、当分科会にご説明した後、対外的に公表することとしております。

まず、この表の左の区分の欄でございますけれども、一番上に1.企業等金融支援関連とございまして、以下、2.地方と続いておりますけれども、これは昨年末に23年度計画を公表したときと同じ区分で整理をいたしております。

具体的な内容をご説明いたしますと、まず、1.企業等金融支援関連につきましては、対23年度比、約4,500億円増の5.4兆円となっております。この中で金額の変動が大きかったのが、この区分の下から2番目、日本政策投資銀行でございまして、東日本大震災からの復旧・復興に係る資金需要への対応に加え、再生可能エネルギーや総合特区に係るプロジェクトなど成長分野への取り組みを積極的に支援するための要求が要因となり、23年度の6,500億円から1兆500億円へと4,000億円の増加となっております。また、その上にございます日本政策金融公庫の中小企業者向けと農林水産業者向け業務がそれぞれ資金需要に応じて5%台の伸びとなっております。

次に、2.地方でございますけれども、表の下の脚注1に書いてありますとおり、例年と同様、現時点では地方債計画全体の規模が仮置きとなっておりますので、24年度の財投計画の要求額につきましても仮置きの数字となっております。

続きまして、3.海外投融資等支援関連でございますが、まず、表の右の貸付規模の欄をご覧いただきますと、23.6%と大幅な増加となっておりまして、金額としては約6,700億円増加の3.5兆円となっております。これに対しまして、財政投融資は42.6%減少の1.2兆円の要求となっておりますが、これはこの区分の一番上にございますとおり、23年度に1兆5,400億円を計上しておりました日本政策金融公庫の国際協力銀行業務に対する財投計画が、24年度要求におきましては、株式会社国際協力銀行の要求額6,115億円に減少したことが要因となっております。これにつきましては、委員の皆様は既にご案内かと存じますが、8月に公表されました外国為替資金特別会計からの借入金を原資といたします円高対応緊急ファシリティーの創設に伴い、24年度の自己資金、すなわち外国為替資金特別会計からの借入金が増加したことによるものでございます。

なお、国際協力銀行につきましては、本年4月に成立いたしました法律に基づいて、日本政策金融公庫から分離独立して、来年、平成24年4月1日に株式会社国際協力銀行になる予定でございますので、この表におきましても、そのように整理をしてございます。

次に、4番の教育・福祉・医療関連でございますが、このうち日本学生支援機構につきましては、貸与人員の増加等により10.2%の増加。また、福祉医療機構につきましては、通常の資金需要に加えて、東日本大震災の復旧・復興に係る資金需要を見込んだ結果、37.3%と大幅な増加となっております。

最後に、5.その他でございます。この中で、日本高速道路保有・債務返済機構につきましては、全額が政府保証債の要求となっておりまして、約6,200億円、35.8%の増加でございます。この機構は、日本道路公団等から承継した債務を各道路会社から受け取る高速道路の貸付料収入で返済しておりますが、過去に発行された債券等の借換のための資金需要が増加したことが要因でございます。

1ページおめくりをいただきまして、2ページの表は、ただいまご説明いたしました要求額から東日本大震災の復興対策分を抜き出ししたものでございます。一番下の合計額ですけれども、6,256億円+αとなっております。まず、6,256億円の内訳でございますけれども、住宅金融支援機構が2,700億円。先ほどご説明いたしました日本政策投資銀行と福祉医療機構がそれぞれ2,000億円と846億円となっております。また、+αの部分につきましては、表の下の脚注に書いておりますとおり、日本政策金融公庫の国民一般向け、中小企業者向け、危機対応円滑化の各業務の復興対策に係る所要額が今後の集計を経て計上される見込みでございまして、9月末の時点での要求額には含まれていないという事情によるものでございます。

なお、地方公共団体につきましては、先ほど申し上げましたとおり、地方債計画全体の規模が仮置きとなっておりますので、要求額3兆8,400億円の内数とさせていただいております。

次に、3ページをお開きいただきたいと思います。産業投資の要求を整理した表でございます。産業投資につきましては、合計1,669億円の要求となっており、23年度との比較では大幅な減少となっておりますが、それ以前の20年度から22年度の3カ年の当初計画の平均が1,000億円程度であったことと比較いたしますと、経済の成長や再生といった観点からの大きな金額の要求となっているのではないかと考えられます。

主な増減をご説明いたしますと、日本政策金融公庫の国際協力銀行業務につきまして、23年度はパッケージ型インフラ海外展開支援など戦略的海外投融資の財源として2,000億円を計上いたしましたが、これが皆減となっております。上から5番目の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)につきましては、従来から実施しておりました金属鉱物の探鉱開発事業に加えまして、新たに天然ガス田の資産買収事業や、石炭・地熱部門においても探鉱開発事業等を実施するため、その財源として947億円の要求となっております。

また、新規の要求として、下から2番目、仮称がついております農林漁業成長産業化支援機構200億円がございます。これは総理大臣が議長となっております「食と農林漁業の再生実現会議」の中間提言に基づいた、農林水産業の競争力の強化への対応の一環としての要求となっております。

次に、4ページでございますけれども、財政投融資計画のこれまでの推移をグラフにいたしたものでございます。一番右の24年度の要求額は総額で15.8兆円となっておりますが、先ほどご説明した震災復興対策分0.6兆円を除く通常分15.2兆円と23年度の当初計画14.9兆円を比較いたしますと、約2%と、微増の要求となっておりますが、先ほど申し上げましたとおり、震災対策分として、上に向いた点線の矢印がございますとおり、今後、日本政策金融公庫の危機対応円滑化業務等で増額の要求が出る可能性もございますので、こういった形のイメージで示させていただいております。

次に、5ページ以降は少し割愛をさせていただいて、3枚おめくりいただいて、7ページをお開きいただきたいと思います。この表は財投機関債の発行予定額をまとめたものでございます。一番下の合計欄の内訳をご覧いただきますと、普通社債はほぼ前年度並みの金額となっておりますが、資産担保証券が大きく減少しております。これは住宅金融支援機構の証券化業務に係るものでございますが、フラット35Sの金利引き下げ措置の縮小等によって事業規模が縮小することを見込んだ結果を反映したものでございまして、これらにより財投機関債の総額も約5,600億円の減少となっております。

以下、参考資料をお付けさせていただいておりますが、これまでのご説明と重複いたしますので省略させていただきます。駆け足で恐縮ですが、私からは以上です。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、ただいまの説明に対しまして、ご意見、ご質問等がございましたら、どなたからでもお願いいたします。どうぞ、土居委員。

〔 土居委員 〕ご説明ありがとうございます。2点ほどございまして、まず、資料1の3ページの産投の要求ですけれども、農林漁業成長産業化支援機構について、もちろん、まだ確定的ではないとは思いますけれども、今の段階で、200億円の扱いがどうなっているかということです。つまり、株式会社ということですので、おそらくしかるべき資本金を積むことになると思いますけれども、それが誰の出資によるもので、かつ、これが産投の出資ということであれば、位置づけがどうなっているかということについてお伺いできればと思います。

2点目は、関西国際空港に関連したところで政府保証230億円の要求ということですけれども、新会社になっても、なお政府保証を付すということは、新会社の政府としての位置づけとどういう対応関係にあるかと。つまり、ある程度民間の株式会社の方向に持っていくということであれば、政府保証ということから、むしろ卒業していただくという方向に持っていくことになるのではないかという気もするのですが、確かに要求額は今年度よりも減少してはおりますけれども、もちろんこれら2つの質問ともに確定的な段階ではないかもしれませんけれども、今の見込みとしてお伺いできればと思います。

〔 富田分科会長 〕まとめてお答えいただくとして、他にご質問、ご意見等ございませんでしょうか。翁委員、どうぞ。

〔 翁委員 〕1ページの表で見ますと、日本政策投資銀行が6割の伸び率になっておりまして、次のページを見ると、震災復興対策分というのは、そのうち2,000億円ということで、かなり震災復興以外の部分で金額が大きくなっていると思います。おそらくこれは日本政策投資銀行でなければできないリスクマネーの供給とか、そういったものもあるとは思いますけれども、環境分野とか、業界の再編とか、そういったことに関しては、民間の金融機関との棲み分けといったことも課題になってくるのではないかと思います。具体的にどのような内容を要求されているのかお伺いしたいと思います。

〔 富田分科会長 〕他にございませんでしょうか。どうぞ、原田委員。

〔 原田専門委員 〕先ほど土居委員が1点目におっしゃった株式会社農林漁業成長産業化支援機構について、もう少し追加でお伺いさせてください。私、農林漁業信用基金という独立行政法人の評価委員をしておりますが、農林漁業といったときに、林業は特に日本では衰退産業になっていまして、信用基金ですら損失を出しているという状況にあります。その中で、産業投資の中から資金を出して株式会社をつくる要求ということで、どのように採算をとっていくのか、どういう事業を主にやるのかというところが気になっております。以上になります。

〔 富田分科会長 〕吉野委員、どうぞ。

〔 吉野臨時委員 〕財投は、今非常時といいますか、それで規模が大きくなっているわけですけれども、翁委員の議論とも関係しますが、ある程度民間が元気になったときには、この財投の融資がスムーズに民間の融資に肩がわりしてもらえるような形で渡していかなければ、山がずっと続くというような気がしまして、政府が出ていくときと、それから今度は民間が元気になって出られるときには、そこにスムーズに動かせるようなことも考えていただければと思います。

〔 富田分科会長 〕それでは、まず、山根計画官からお答えいただきます。

〔 山根計画官 〕農林漁業成長産業化支援機構についてお答えいたします。いずれにしましても、今後よく精査させていただきますけれども、現時点でどういう要求が出されているか、若干ご説明させていただきますと、先ほど財政投融資総括課長からもご説明がありましたとおり、「我が国の食と農林漁業の再生のための中間提言」において、6次産業化に取り組む農業法人等については、資金需要が大きくなるとともに対外的な信用力の確保が必要ということで、資本力増強のためのファンドによる支援を行うことが必要であるというのがございました。この6次産業化というのは何かと申しますと、農業が1次産業で、加工が2次産業、販売が3次産業ということで、例えば、酪農家がミルクを搾ってチーズに加工して、それを自分で販売し、さらにネットワークをつくると、それが6次産業のイメージでございます。先ほど林業においては若干どうかというご意見もいただきましたけれども、今後の農林漁業の成長産業化、競争力強化ということで非常に重要な施策であることは事実でございます。こうしたことで、6次産業化に取り組むところに関しまして、出資をするという要求となっています。

出資割合ですが、事業スキーム全体としては概ね国と民間1対1のファンドをつくります。まず、国からは200億円で、民間は、例えば、金融機関や企業から出資をもらいまして、株式会社をつくります。ただ農業というのは1つずつの規模が小さいものでございますので、本体で全部見るのはなかなか難しいということで、サブファンドを地域につくりまして、そこにまた出資すると。その地域ファンドには地銀とかJAなどの民間の出資金も集めて6次産業化等を行う事業者を支援していくと。大体こういう構想でございまして、国からの200億円に加えまして採算性などにつきましてもよく精査していきたいと思っております。

〔 富田分科会長 〕成田計画官お願いします。

〔 成田計画官 〕土居委員からの関西空港に関する質問ですけれども、新しくなる関西空港会社につきましては100%政府保有ということで存続していくことになりますが、コンセッション方式によって運営権を民間に売却することになります。経営につきましては民間がやるということですので、その際の政府保証のあり方につきましては今後考えていきたいと思います。ただ、現在の関西国際空港が1兆円以上の債務を抱えておりまして、かつ、繰越欠損金もかなりあるということですので、当分は政府保証が必要になるのではないかと考えております。

それから、もう一つの翁委員からの日本政策投資銀行の要求についてのご質問ですけれども、今回4,000億円の増加要求のうち、2,000億円が復興関係、残りの2,000億円が新しい成長分野に進出する企業への取り組みを支援するというものですが、日本政策投資銀行からは大きく分けて3つ、その中で、1つは世界規模の競争力強化に資するもの、もう一つは環境エネルギーに資するもの、もう一つがまちづくりというようなカテゴリーになると伺っております。ただ、民間との関係で言いますと、震災復興との関係があるところに注力していきたいということですので、必ずしも復興とは関係のない分野だということは言い切れないということです。ただ、具体的な中身については、これから精査していきまして、その対応を考えていきたいと思っております。

〔 中尾財政投融資総括課長 〕吉野委員からご指摘のあった財投と民間との役割につきましては、ずっと議論のあるところでございまして、6月の分科会におきましてもリーマン・ショック後の出口戦略といったご議論もあったように承知しています。例えばリーマン・ショック後の対応につきましては、20年度から22年度まで規模を拡大いたしましたけれども、23年度当初においては、金融市場の改善を踏まえて規模を大幅に縮小するという対応をしたところでございます。

今回の3次補正での追加でございますけれども、東日本大震災からの復興需要に対応するということで、民間金融機関を補完する観点から、いわゆるツーステップ・ローンである危機対応融資ですとか、それから中小、国民向けの融資を拡充してございます。これらの制度は基本的に期限つきの措置でございますので、民間金融機関によって十分な対応が可能となった暁には、財投による政策的な融資というのは縮小していくということになるのではないかと思っておりますが、いずれにしても、冒頭局長からのお話にもございましたとおり、財投の使い方と民間との棲み分け、これは常に気をつけていく必要があるのではないかと思っております。

それから、今ほど計画官から個別に現状をご説明いたしました各項目は、財投編成上の論点になろうかと思っておりますので、会長ともご相談の上、年末に向けて、どのようなご審議をいただくことがいいのかを検討させていただきたいと思っております。

〔 富田分科会長 〕どうぞ、冨山委員。

〔 冨山専門委員 〕今の、特に農林漁業のところに、さっき申し上げた私の件は典型的にあらわれるわけです。これはエクイティ性資金を出すという話なので、私が昔、産業再生機構でやったこととまさに同じなのですが、あのときに実は非常に苦労したテーマで鬼怒川地区の旅館の面的再生みたいな話があって、結局、我々が支援決定した旅館は、中でも競争力のある旅館でございました。要は農林水産業については、別に林業に限らず、一番弱者救済的な話が忍び込みやすいところでありまして、特に6次産業化ということになれば、多分ついていけるところは、さほど数多くいるわけないと思います。相当人材にも恵まれて、あるいはいろいろな条件にも恵まれた事業者だけがこの世界についていけるはずで、他の人は悪いけど廃業してもらったほうがいいというような世界なんだと私は思っています。

そうすると、問題は、特にサブファンドという形になると、ますます統制が弱まりますので、次の実地監査の話かもしれませんけれども、ここはぜひ金の出し手としてのガバナンスを効かせていただきたい。特にこれはエクイティ性資金ですから、特に一般の人は、補助金とほとんど頭の中は差がないはずです。普通の農家の人たちの感覚でいうと、返さなくてもいい金だと。いい方向に働けば、これはすごく大事なテーマで、有効な資金になると思いますが、大学発ベンチャーでも同じように勘違いしている教授がいっぱいいたのを知っていますけど、そういう混同がすごく起きやすい領域なので、少しくどいですけれども、しっかりとガバナンスが効くような制度にしていただきたいと思います。一つ間違えると全滅ということになる危険性もあるので、ここはぜひよろしくお願いいたします。

〔 富田分科会長 〕重要なご指摘ありがとうございます。

〔 吉野臨時委員 〕国と民間から1対1で出して、地域ファンドみたいなものをつくって出すということですけれども、そのときに優先権とか、レート・オブ・リターンといいますか、ある程度収入が入ってきたときに、どういう形で分けるかという分配の仕方もきちんとしておきませんと、後で国が全部損の部分を負ってしまうというようなことになると思いますから、事前にしっかり棲み分けをというか、規定をつくっておいていただきたいと思います。

〔 富田分科会長 〕それでは、本日の最後の議題でありますけれども、財政融資資金等の実地監査につきまして、渡辺管理課長より説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔 渡辺管理課長 〕それでは、お手元の右肩に資料2とございますA4横長の資料をご覧ください。前半で法人等実地監査、後半で地方公共団体の実地監査についてご説明申し上げます。

まず、お開きいただきまして、1ページ目でございますが、法人等実地監査につきましては、上の方にございますとおり、平成16年12月の財投分科会におけるご提言を踏まえまして、平成17年度から始めたものでございます。資料の中段でございますけれども、公的資金の貸し手としての視点から、枠内にあります123、3点ございますが、これらの実態を実地において確認しているというものでございます。

次に、2ページ以降で監査の実施状況についてご説明申し上げます。22事務年度でございますが、表のとおり、4つの機関に対し監査を実施しております。この表の中で、第4・四半期のところが空欄になってございますけれども、これは脚注に示しましたとおり、東日本大震災の発生を踏まえまして、監査の実施を見合わせたというものでございます。

次に、3ページから4ページ目が今回の監査の状況でございます。まず、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)でございます。事業の概要でございますけれども、この機構におきましては、財投特会の投資勘定からの出資金を原資としまして、試験研究に係る委託事業を実施しているところでございます。具体的に申し上げますと、鉱工業の基盤技術に関する研究というものを民間企業等に委託しまして、その成果による収益が生じた場合には収益の一部を納付していただくと、こんな仕組みになってございます。資料の12において監査で指摘した事項を書いております。下の箱の中に、その背景にあります監査において確認した事実を記載しております。したがいまして、12がそれぞれ箱の中の上段、下段に対応していると、そういう形になっております。

1点目でございますけれども、1と枠内の上段にありますとおり、この機構は、委託先に対しまして、委託費確定のための検査でありますとか、企業化、事業化に向けての状況調査を行っておりますが、その際、把握、あるいは指摘した事項の記録がきちんと組織的に管理されていないということが監査で確認されましたことから、委託先の管理を適切に実施するよう求めたところでございます。

2点目でございますけれども、委託先は、機構に対しまして毎年収支見込みを提出しておりますが、納付実績と大幅に乖離しているという状況にございます。このため、もう少し案件の絞り込みを行って、そこに人員を投入する等々、収益の最大化を図るよう所要の改善を求めたところでございます。

次に、その下の森林総合研究所でございます。当研究所におきましては、水源林造成事業というものを行っておりまして、研究所が造林費用の負担を行います。造林地所有者、土地の所有者が土地を提供いたします。そして造林者が森林を造成保育すると。この三者間で「分収造林契約」を結びまして造林による収益を、三者間、各契約当事者間で一定の割合に分配すると、こういう仕組みになってございます。

指摘事項でございますが、1に「長伐期化」という言葉がございますが、現在、この研究所におきましては、森林が持っています公益的機能、つまり水源涵養機能でございますとか、国土の保全、あるいは地球温暖化の防止等々、こういった森林の持つ公益的な機能をより持続的に、かつ、高度に発揮させるといった視点から伐採期を、従来50年程度であったのですが、これを80年程度に長期化、長伐期化ということを推進しております。そのため、長伐期化にあわせまして、先ほど申し上げました「分収造林契約」の変更を行っているところでございますが、契約相手方の相続問題等々ございまして、契約の変更に時間を要しているなど当初の契約期間が経過しているという事案が幾つか確認できました。このため、契約変更を適切に実施するため、本部が主導して組織全体として所要の改善を図るよう求めたところでございます。それから、2でございますけれども、「分収造林契約」に基づく施業に際しまして、契約の透明性、あるいはコスト削減の取り組みを図るよう求めたところでございます。

次に、4ページでございます。奄美群島振興開発基金でございますが、当基金におきましては、これも財投特会の投資勘定からの出資を原資としまして、奄美群島における中小事業者に対しまして、債務の保証と事業の資金の貸付を行っているところでございます。指摘事項でございますが、1と箱の上段にありますとおり、融資の審査におきまして、資金繰り計画の計数誤りを見過ごしている等々、審査が不十分な事例が見受けられました。このため、保証と融資の実行時における審査を適切に実施するよう求めたところでございます。それから、2にございますとおり、今度は融資の実行後の管理でございますけれども、不十分な事例が見受けられましたことから、債権管理を適切に実施するよう所要の改善を求めたところでございます。

次に、その下のエネルギー対策特別会計でございます。同特別会計は石油と石油ガスの国家備蓄事業を実施しております。国家備蓄事業のうち、財政投融資の対象になっているものは2つございまして、国家備蓄基地の建設と、もう一つはいわゆる資本的支出、基地建設の改良・更新工事でございます。事業の実施に当たりましては、同特別会計を所管しております資源エネルギー庁から、1に記載がございますけれども、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に対しまして、国家備蓄基地の建設・管理を委託しているという仕組みになってございます。

指摘事項でございますが、箱の上段でございますけれども、基地の建設に当たりまして、平成19年に金属管の腐食事故が発生いたしました。その事故に関しまして、委託先である機構、JOGMECの管理や判断の適切性、つまり機構自身の管理態勢でありますとか、判断の適切性について問題がなかったかどうかの検証ができていない、こういう状況がありましたことから、資源エネルギー庁に対しまして、機構に対する監督を適切に実施するよう求めたところでございます。

また、2にありますとおり、改良・更新工事につきましては、今後、施設の老朽化に伴う増加が見込まれます。このため、基地ごとに作成しております計画の精度を高めるといことと、現在、基地全体の中長期計画がないものですから、中長期計画の策定をすることを求めたところでございます。

次に、5ページと6ページでございます。これは昨年度報告させていただきました実地監査のその後の反映状況、フォローアップの状況でございます。5ページには日本学生支援機構がございますが、左側に監査での指摘事項、右側にその対応状況を記載しております。左側にありますとおり、黒ポツが2つありますが、まず、機関保証制度について代位弁済請求が行われていないとか、あるいは法的措置につきましても事務が遅延していると、こういった指摘がございました。それに対しまして、右にありますとおり、マニュアルの整備でありますとか、法的処理の実施計画の策定とか、組織の改編、こういったことを通じまして、計数をお示ししておりますけれども、請求未了債権が大幅に減少しております。それから強制執行予告、あるいは申し立てもかなり増加しており、改善が図られているというところでございます。

さらに、一番下でございますが、昨年の当分科会におきましても概略をご説明申し上げさせていただきましたけれども、文部科学省におきまして、外部有識者による第三者組織を立ち上げまして、奨学金事業運営のあり方を検証いたしました。その検証意見の取りまとめ及び同時にアクションプランを策定しまして、昨年平成22年9月に文部科学副大臣自らが記者会見の上、公表したということでございます。

機構におきましては、このアクションプランに基づきまして、諸々の課題につきまして、今年の4月から本格的に施策を実施しているところでございます。当局といたしましても、引き続き機構に対するフォローアップをしっかりと行ってまいりたいと考えております。

その他の機関でございますが、次のページに記載しております。左に監査における指摘事項、右にその対応状況を記載しておりますが、各機関におきまして、所要の改善が図られているというところでございます。ご覧いただければと思います。

続きまして、地方公共団体に対する監査についてご説明いたします。7ページでございます。地方公共団体の監査につきましては、資料の1番上の行でございますけれども、全国の財務局・財務事務所の資金実地監査官等が行っております。資料の下の段、これまでの経緯というところにありますとおり、これまでは貸付対象外の費用が混入していないかどうかといったことにつきましての確認を中心とした監査をやってきましたが、ここにありますとおり、平成17年12月の当分科会におけますご指摘を踏まえまして、平成20年度から、公営企業の経営状況の実態把握及び評価というところに重点を置きまして、監査手法の充実に努めているところでございます。

8ページをご覧ください。これは22年度の公営企業の経営状況把握に係る実地監査の実施状況についてでございます。22年度におきましては、経営状況があまり芳しくない企業でありますとか、この表にございますように、全国的に普遍的に実施されている事業、上水道とか下水道とか、病院等5事業を対象としております。企業数でございますけれども、この表のA欄でございますが、その合計欄に5,337企業、全国でこれだけございます。このうち、ちょうど真ん中ぐらい、C欄でございますけれども、監査対象企業数とございまして、5,189企業。これが財政融資資金が貸し付けられている先、監査の対象先でございます。このうち、D欄でございますが、620企業に対して、昨年度監査を実施いたしました。実施割合は11.9%でございます。

次に、この結果でございますけれども、9ページをお開きください。9ページの一番上にございますとおり、620企業に対しまして監査を実施しました結果、悪化または悪化傾向にある企業数というのがございますが、経営状況が悪化または悪化傾向にあると認められたものが142企業ございました。このうち、45企業につきまして、「要処理事案」といいまして、文書照会等の措置を講じております。この「要処理事案」と申しますのは、この表の一番下の注2と注3に、細かい字で恐縮でございますけれども、さらに経営指標等に一定の乖離が認められるというものにつきまして、文書を交付しまして、改善策を求めるというものでございます。

続きまして、次の10ページ以降で、件数の多い上水道、下水道、病院の3つの事業の監査結果の概要についてご説明申し上げます。10ページは上水道でございますが、62企業に対しまして監査を実施しましたところ、「1.」の6企業が足元の景気悪化等々により料金収入の減少ということで、経営状況の悪化または悪化のおそれありということでした。これらのうち、1企業につきまして文書注意を行いました。「2.」でございますが、文書注意を行いまして、今後の経営改善に向けた具体的な取り組みについて報告を求めましたところ、「3.」にありますとおり、料金の改定に向けて審議会での審議を踏まえ、改定の予定であると、そういった報告を受けているところでございます。

次の11ページは下水道でございます。これは417企業に監査を実施しまして、枠内の「1.」にありますとおり、94企業において、原価を適正に反映した料金設定となっていないこと等々から、経営状況が悪化または悪化のおそれありと認められたわけでございます。これらのうち、「2.」にありますとおり、これだけの企業に文書注意、文書照会を行いまして、その結果、「3.」にありますとおり、料金改定でありますとか、戸別訪問による水洗化率の向上、人件費の削減、管理業務の見直し等々、コスト削減による改善策が提出されているというところでございます。

次に、12ページでございます。病院でございますけれども、131企業に対して監査を実施しまして、40企業において、医師不足等による患者数の減少、医業収益の減少等々から、経営状況が悪化または悪化のおそれありと認められたものでございます。このうち、11企業に対して文書注意、2企業に対して文書照会を行いまして今後の経営改善に向けた具体的な取り組みについて報告を求めました。「3.」がその対応策でございますけれども、地元大学との連携強化による医師の育成でありますとか、医師バンク登録、こういった方法によりまして医師を確保して、医業収益を増加させる、あるいは業務委託の促進によってコスト削減に取り組むと、こういった改善策が提出されているところでございます。

次に、13ページは経営改善計画の策定状況とそのフォローアップでございます。表の合計欄にありますとおり、一番左の620企業のうち、A欄、計画を策定したものが382企業ございまして、そのうちA欄の内訳で、計画どおり進捗していないとか、あるいはB欄にありますとおり、計画をつくっていない、こういったところがありますけれども、そういった先に対しては文書注意等々行いまして、既存の計画の見直し、新たな計画の策定を求めているところでございます。

最後、14ページでございます。これは従来から実施しております適債性に係る実地監査について取りまとめをしております。まず、1でございますけれども、実地監査の実施状況でございますが、21年度末現在、全国で事務組合を含めまして、3,190の団体がございます。このうち、2,634団体が監査の対象先、財政融資資金の貸付先となっております。このうち318団体、12%ほどでございますが、ここに対して実地監査を行っておりまして、その結果でございますけれども、2でございますが、本来貸付対象とならないような少額の備品、消火器でありますとか、石油ストーブ、そういったものが混入していたというものがございまして、20件の不適切事案を確認し、文書注意等を行いました。

以上で私からの説明は終わらせていただきますけれども、今後とも監査手法の充実に努めるとともに、効果的・効率的な監査に取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。私からは以上でございます。

〔 富田分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、ただいまのご説明に対しまして、ご意見、ご質問等がございましたら。川村委員、どうぞ。

〔 川村委員 〕特に地方公共団体のほうですが、今回の震災の影響があった自治体はいっぱいあるわけですね。そうすると、上下水道でありますとか、病院などは、ほとんどゼロベースから再出発しなければならない地域もあるのではないかと思います。そのような場合に、今までのは、もう既に何年も行われている事業を監査するという視点だと思いますけれども、従前の実地監査のいろいろな教訓なり、ノウハウなり、知恵というものを生かした形で、再出発をする地域に対してアドバイス機能をぜひ果たしていただきたい。ある同一の県の中でも、全部が被災しているわけではなくて、部分的というところもあろうかと思います。その場合には、そこの部分だけの別途会計なども併用しながら支援していくといったように、従前から時間と手間とマンパワーを要してきた実地監査でありますので、その成果をある意味で前向きに生かすチャンスではないかという気もしますので、ご検討いただければありがたいと思います。

〔 富田分科会長 〕吉野委員、どうぞ。

〔 吉野臨時委員 〕2点あるのですが、1つは、こういう実地監査をやるコストと改善効果としてのベネフィットについて。多分ベネフィットが相当大きいと思いますけれども、いつかの段階でこれくらいベネフィットがありますということが出れば、実地監査の価値があるのではないかと思います。

2番目は、上下水道とか、病院を見ていますと、これは財投の融資対象なので実地監査をしているわけですけれども、財投の融資対象ではないところに非効率な状況が起こっているとすると、それは誰が見ているのかという点ですか。やはり会計検査院などがきちんと見ているのかどうかをお聞きします。

〔 富田分科会長 〕池尾委員、どうぞ。

〔 池尾臨時委員 〕これは、以前も一度同じことをお尋ねしたと思いますけれども、監査して問題があったときに文書で注意をしているということになるわけですが、文書で注意しても埒が明かなかったときには、その次のステージでは貸し手としてどういうことができるのか。究極的には貸さない。追加的な貸し出しを拒絶するとか、そういうことになっていくのでしょうけれども、そういう貸し手としてのプレッシャーをどれだけクレディブルな形で及ぼせているのかという、そのあたりの、監査で問題が発見された後の処理に関してお伺いしたいと思います。

〔 富田分科会長 〕翁委員、どうぞ。

〔 翁委員 〕少し関連いたしますが、例えば病院などについては、おそらく経営が悪化している背景はほとんど共通のものがあると思うので、できれば、どういう改善策でどういう効果が出てきているかという事例が集まってきましたら、それを集めて広く紹介するとか、そういうような形を行っていかないと、おそらく問題はまたさらに深刻化していくのではないかなという感じがいたします。

〔 富田分科会長 〕それでは、まとめてお答えいただければと思います。

〔 渡辺管理課長 〕1点目の川村先生からのご指摘、ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりでございまして、公営企業を見ていますと、上水とか下水とか、一番生活のインフラの非常に大事なところでございますので、そういったところが機能しませんと大変なことになると。ご質問は、翁先生のご指摘とも関連するものでございますが、私どもいろいろ病院とか上水とか、そういった先を監査しながら、いろいろな対応事例等を集積していきませんと、なかなかいいアドバイスもできませんものですから、まず、事例の集積をして、監査に行った際にこういった方法がありますよということが言えるような、そういったノウハウを今後とも蓄積してまいりたいと思っております。

それから、コストとベネフィットの関係でございますが、まず、コスト面でございますが、監査の実施に当たりましては、コストを十分意識しながら効率的な監査をやっております。例えば現地に赴く前に、可能な限り資料をもらって、オフサイトでまず対応します。そういったことを通じまして、出張に行く人員も絞り込むこともできますし、我々だけではなくて、監査先の負担軽減にもなるということでやっています。ちなみに、金額的な面で申し上げますと、人件費と出張費がほとんどでございまして、22年度の実績で申しますと、法人監査の場合、専任は4人ですが、年間で約2,600万円、こういったコストがかかっております。それに対してベネフィット面でございますが、今回、例えば資料の5ページ目に日本学生支援機構の対応状況ということが、件数でございますけれども、計数をお示しいたしました。このように可能な限り、定量的に把握できるものは定量的に把握したい。ただ、一方で規程の改正とか、定性的な対応もございますので、すべてを定量的に把握するというわけにもいかないものですから、まずそういったことをしっかりやっていくと。いずれにしましても、まずコストを十分切り詰め、監査を効率的に行うというのと、なるべくできる限り改善効果の定量的な把握にも努めたいというふうに考えております。

それから、財政融資資金が公営企業に流れているから我々が監査をするのですが、例えば第三セクターでありますとか、地方公社といった先は、株式会社組織でありますと、一応監査制度ということでチェックがきくのかと思いますが、あと自治体のほうでどうしているか、そういったところへも何らかの形でチェックはできるのかなと考えておりますが、現状では我々の手は及んでないというところでございます。

それから、文書注意と文書照会、確かに行っているんですけれども、大きく分けて2つございまして、最後に説明しました適債性の監査につきましては、繰上償還しなければいけない事案があった場合には、億単位で繰上償還を即求めている場合がございます。他方、経営状況の監査につきましては、20年度から始まったばかりでございまして、例えば文書照会、文書注意があって、その次に繰上償還、貸付制限といった手順を踏んでいくわけですけれども、経営状況の場合には、まず文書注意等でウォーニングしておいて、それでもだめな場合には繰上償還又は貸付制限と、そういった仕組みとなっております。今のところまだその実績はございませんが、いずれ必要になれば、繰上償還や貸付制限など、そういった手順を踏むことになろうかと思います。

〔 富田分科会長 〕よろしいでしょうか。

それでは、予定の時間を若干過ぎてしまいましたので、本日の議論はここまでとしたいと思います。ありがとうございました。

なお、本日の分科会の審議状況については、この後、事務局より記者発表を行わせていただくとともに、議事の模様につきましては、後日インターネット等に掲載する予定としておりますので、ご了承願います。

例年ですと、この後、年内は11月までに「要求の論点」についての審議をした後、12月下旬に「財政投融資計画」の審議のための会議を開催しておりますが、今後の日程につきましては、後日事務局よりご連絡させていただきます。

本日は、ご多忙の中、まことにありがとうございました。これにて閉会いたします。

午後0時5分閉会
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