財政投融資分科会(平成22年11月12日開催)議事録
財政制度等審議会
財政投融資分科会
議 事 録
平成22年11月12日
財政制度等審議会
財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第
平成22年11月12日(金)14:00〜16:28
財務省第3特別会議室(本庁舎4階)
1.開会
2.平成23年度財政投融資計画の編成上の論点
(財)民間都市開発推進機構
(独)福祉医療機構
(独)日本学生支援機構
地方公共団体
3.質疑・応答
4.閉会
配付資料
| 資料1−1 | 説明資料 財団法人民間都市開発推進機構(都市再生推進会計(仮称)) |
|---|---|
| 資料1−2 | 参考資料 財団法人民間都市開発推進機構(都市再生推進会計(仮称)) |
| 資料2−1 | 説明資料 独立行政法人福祉医療機構 |
| 資料2−2 | 参考資料 独立行政法人福祉医療機構 |
| 資料2−3 | 厚生労働省説明資料 独立行政法人福祉医療機構(福祉・医療政策の現況及び新成長戦略に基づく施策について) |
| 資料3−1 | 説明資料 独立行政法人日本学生支援機構 |
| 資料3−2 | 参考資料 独立行政法人日本学生支援機構 |
| 資料3−3 | 文部科学省説明資料 独立行政法人日本学生支援機構(高等教育に対する公的支援の現況及び今後のあり方について) |
| 資料4−1 | 説明資料 地方公共団体 |
| 資料4−2 | 参考資料 地方公共団体 |
出席者
| 分科会長 | 吉野直行 | 中村理財局長 池田理財局次長 菊地総務課長 美並財政投融資総括課長 阿曽管理課長 臼杵計画官 辻計画官 藤本地方財務分析官 今井資金企画室長 財団法人民間都市開発推進機構 西原専務理事 独立行政法人福祉医療機構 長野理事長 瀬上理事 長門企画指導部長 独立行政法人日本学生支援機構 月岡理事 国土交通省 花岡大臣官房審議官 栗田まちづくり推進課長 日原会計課長 厚生労働省 清水社会・援護局長 岩渕総務課長 文部科学省 加藤大臣官房審議官 松尾学生・留学生課長 総務省 満田地方債課長 | |
| 委員 | 池尾和人 江川雅子 富田俊基 | ||
| 臨時委員 | 今松英悦 林田晃雄 若杉敬明 | ||
| 専門委員 | 川村雄介 | ||
〔 吉野分科会長 〕それでは、皆さんおそろいですので、ただいまから財政制度等審議会の財政投融資分科会を開催させていただきたいと思います。
今日も前回に引き続きまして、平成23年度の財政投融資計画の編成上の論点ということでございまして、全部で4つの機関の方々からお話を伺うことになっております。議事次第が皆さんのところにあると思いますけれども、民間都市開発推進機構、福祉医療機構、日本学生支援機構、地方公共団体、この4つになっております。各機関30分程度を考えておりますけれども、議論が少し長引いた場合には、少し延ばしていただく可能性もありますので、なるべく30分ずつでやらせていただきたいと思います。
それでは最初に、財団法人民間都市開発推進機構に関しまして、臼杵計画官からご説明をお願いいたします。
〔 臼杵計画官 〕それでは、資料1−1をご覧ください。財団法人民間都市開発推進機構についてでございます。
ページをおめくりください。1ページ目でございます。こちらは民間都市開発推進機構が、民間都市開発事業にミドルリスク部分の社債取得の財源として、政府保証債320億円を要求するものでございます。左のほうに事業規模がございますが、630億円でございます。そのうち、財政投融資の部分の要求が政府保証債で320億円、自己資本といたしまして、出融資のリスクバッファーとして政府補助金50億円を主計局のほうに要求されると同時に、メザニンローンの財源として政府保証借入310億円を要求されてございます。
ページをおめくりください。2ページ目でございます。要求の趣旨でございますけれども、左側の要求の内容の一番下の参考のところを見ていただければと思います。一番下から2つ目の丸ですけれども、新成長戦略の成長戦略実行計画工程表の早期実施事項(2010年度に実施する事項)として、「民間都市開発プロジェクトに係る規制緩和・金融措置等」として位置付けられておりまして、この金融措置等の中に民都機構のメザニン支援業務が位置付けられているとされてございます。
左側の要求の内容でございますけれども、一番上の黒いポツでございますが、優良な都市開発事業を通じた都市のリニューアルは、我が国の経済活力の源泉であり、生活の質の向上、経済成長につながるものである。とりわけ国際競争力の強化や地域活性化等の高いポテンシャルを有する地域において行われる波及効果の大きい質の高い都市開発事業は、我が国や各地域の成長を牽引するものであり、着実に事業化を推進する必要がある。これらを踏まえ、民都機構は優良な都市開発事業に限って支援を実施するという観点から、@都市再生を図るために重要な地域(都市再生緊急整備地域等)に限定して支援を実施すること、A環境に配慮した都市開発事業である等の政策的に必要なものに限って支援を実施すること、B市場補完の視点に限って支援を実施することを前提に、真に支援が必要な優良な都市開発事業に対し、特に市場において不足しているミドルリスクの資金供給の円滑化のための措置として、メザニン支援業務を創設することとしたいとしております。
右側の論点でございますけれども、論点の1つ目といたしましては、民都機構がメザニン支援業務を行うことにより、どのような政策効果を発揮し、どの程度経済的波及効果が生じるのか。この論点に対する考え方でございますが、優良な民間都市開発事業は、都市機能の高度化、都市の居住環境の向上等の効果が認められ、とりわけメザニン支援を必要とする大規模な民間都市開発事業については、投資の直接効果やその波及効果も非常に大きく、経済成長を牽引していく原動力になるものと考えられます。国土交通省においては、2次波及効果を含めると数千億円程度の規模になると試算しており、実行可能性や政策的効果を勘案しつつ、政府保証を行う適否について検討していく必要があると考えてございます。
ページをおめくりいただきまして論点の2でございますが、事業規模について、資金需要、民業補完性、償還確実性を踏まえて適切なものとなっているか。この論点に対する考え方でございますけれども、国土交通省は、来年度のメザニン支援業務の規模として約600億円、支援対象事業規模全体として約4,500億円を見込んでいるが、都市開発事業の市場規模、実施機関における融資体制等を勘案しつつ、適正な事業規模を検討していく必要がある。また、都市開発事業に対する金融支援を行うに当たっては、民業を圧迫することがないよう注意する必要があり、国土交通省は個別案件ごとにシニアの貸し手やエクイティの事業者との調整・外部の金融実務家等による審査を踏まえるなどの体制を構築するとしているが、適切に民業補完性が確保されるか検証していく必要がある。最後の丸でございますが、さらにミドルリスクに当たるメザニン部分の金融支援であることから、償還確実性について慎重に考える必要があり、十分な資本増強、外部の金融実務家によるチェック、個別契約条項による債権管理等、償還確実性の確保のために必要な措置が講じられているか検証していく必要があると考えてございます。
私からは以上です。
〔 吉野分科会長 〕どうもありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明に関しまして、どなたかご質問、ご意見ございますでしょうか。では、川村委員からどうぞ。
〔 川村専門委員 〕2つございまして、いずれも償還確実性との関係なんですが、優良な物件でメザニン、一般的には優良な案件だったらシニアと考えるので、少なくとも日本ではメザニンは、もうかなり、どちらかというとサブオーディネイトという受けとめ方のほうが一般的なので、そこがやや矛盾するのではないか。こちらの資料のほうも拝見しているのですが、本当にこのキャッシュフローの償還確実性は大丈夫なのかということが1つと、その絡みで、若干細かいのですが、3ページ目の最後の論点2の一番右下の丸のところに、「個別契約条項による債権管理等」という記載がございますけれども、これはどうなのでしょう。政保債の場合は、通常の社債のコベナンツなんかとは違うんだと思うんですけれども、一般的に社債のコベナンツの場合は、社債間同順位で普通のローンとは遮断されてしまっているわけです。つまり、デフォルトをやったときに、社債の間でのデフォルトだと単月切り換えとか全部働くんだけども、結果としてローンとの間に壁があるので、ローンのほうの債務がデフォルトに陥ると、社債が劣後に置かれてしまうという現状コベナンツになっていて、そこを何とか改善しないかという議論もあるのですが、この本債権の場合に、その辺はどんなふうになるのか、この2点です。
〔 吉野分科会長 〕今の2点につきまして、いかがでしょうか。
〔 花岡国土交通省大臣官房審議官 〕よろしいでしょうか。国土交通省都市・地域整備局の花岡と申します。よろしくお願い申し上げます。
今、川村委員からご指摘のあった2点でございますが、まず1点目といたしまして、シニア、メザニンの考え方でございますけれども、例えば、最近、民都機構が支援を実行いたしました大阪梅田の北ヤードといわれる大きな物件がございますが、その案件なんかを見ましても、それは多分、大阪市役所、市長さんにとってみれば、大阪市を背負って立つような大きな優良プロジェクトだと考えておりますが、その金融のストラクチャーを見ますと、シニアローンとメザニンローンと、それからエクイティの部分というのが、やはりそれぞれの割合でございまして、そういった場合でもシニアローンは、現状、リーマン・ショックから立ち直りまして、少し言い過ぎかもしれませんけれども、貸出し競争に近いような事態も起きております。ただ、やはりメザニンの部分は、プレーヤーの数が非常に限られておりまして、なかなか十分な支援が得られないということがございまして、そういったようなことで政策的な支援の必要性があるものと考えております。ですから、物件の優良性とは別に、その中でのストラクチャーの優先順位の問題としてメザニンの部分ということでございます。
それからコベナンツでございますけれども、ここで書いてありますコベナンツの話は、一番分かりやすい例でいいますと、融資、支援を実行した後、毎年、不動産の評価とか、あるいは賃料収入の見通しとか、そういったものを随時見直しまして、それで債権管理をしていく予定もいたしておりますけれども、そういったときに例えば一定の数値を割り込みますと、例えばエクイティを追加で出してくださいとか、そういったようなコベナンツをつくるということを想定いたしております。
実際に先ほど申し上げました大阪の北ヤードの件でも、事業者の方から要望があった金額に対しては、我々、民都機構のほうでいろいろ検討した結果、その数字だと難しいと、もう少しエクイティを積んでくださいといったようなお願いを事前にさせていただいておりましたけれども、コベナンツで支援を実行後に管理する場合も含めて、そういった対応をすることを典型的には考えております。
以上でございます。
〔 吉野分科会長 〕ほかにございますか。
では、江川委員、どうぞ。
〔 江川委員 〕今、大阪北ヤードのプロジェクトのことを教えていただいて少しイメージがわいたのですが、例えば、こういう優良都市開発のプロジェクトのイメージとか、それからメザニンのイメージが少し分かりにくいので、これがどういうような感じのプロジェクトかというのを少し教えていただきたいのと、それから、今、メザニンの需要がリーマン・ショック後少ないというお話だったのですが、ほかに出しているところはどういうところで、それなりのリスクがあるということなので、どの程度の貸倒れ率を見込んでいらっしゃるのかということを教えていただければと思います。
〔 吉野分科会長 〕時間の関係で、先に質問だけいろいろ聞かせていただきます。
若杉先生、どうぞ。
〔 若杉臨時委員 〕今、ほかの委員から質問があったようなことも重要なことなのですが、やはり日本の国土を、全体としてどういうふうに使うかというグランドデザインが一番大事だと思うんです。どういうところを都市にして、どういうところを郊外とか、農業の中心にするかとか、そういうグランドデザインが大事だと思うのですが、そういうのをなしに、ただいたずらに個々のところにやっていっても、あまり長期的に見て意味がないのではないかと思うのですが、その辺のグランドデザインの有無について、私はお聞きしたいと思います。
〔 吉野分科会長 〕ほかにありますでしょうか。
富田委員、どうぞ。
〔 富田委員 〕政府保証を財政投融資でつけるのと、あと短期の政府保証借入という形でほとんど政府保証に依存しているわけですが、政府の法人に対する債務保証というのは、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律というのがあって、厳しくというか、原則禁止と読めるような法律になっているのですが、それとの関係で、この案件についてどのように考えるかということをお聞きしたい。
〔 吉野分科会長 〕ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。
では、私が追加をしますと、2ページ目のこのスキームというのは、ある程度、リスクのところを民都機構が入れるということでいいことだと思うのですが、あまりにやり過ぎますと、民間金融機関がリスクをとらないで、危ないところは全部政府に見てもらうというふうになりかねないと思うのですが、こういうことをやりながら、民間金融機関がメザニンも入れてくるというふうに徐々に進めるためには、どういうふうにしたらいいとお考えかも教えていただければと思います。
今の点で、大体よろしいでしょうか。江川委員、若杉委員、富田委員、私のも含めましてお願いいたします。
〔 花岡国土交通省大臣官房審議官 〕それでは、順次お答えをさせていただきます。
まず最初に、どういう事業を支援するかということのイメージでございますけれども、お手元に資料1−2という形で参考資料をお配りしてあるかと存じますが、それの7ページをご覧いただきたいと思います。7ページの左側の絵は、まさに先ほど申し上げた大阪の北ヤードの絵でございますけれども、その前の6ページに書かせていただいておりますが、公共施設の整備、あるいは都市利便施設の整備を行うということと、あとは環境的に性能が高いものも、これは今回新たに追加をいたしまして、そういったようなビルについて支援をしてまいりたいということでございます。
それからメザニンというもののイメージでございますけれども、同じ資料の11ページをご覧いただきたいと存じます。先ほどもご説明したように、1つの案件の金融の組成につきまして、シニア、メザニン、エクイティと書いてございますけれども、現状、私どもが一般的と考えております割合は、シニアが30%から40%、メザニンが20%から30%、エクイティが30%から40%、もちろんこれは案件ごとに異なって然るべき数字ではございますけれども、これぐらいのイメージを持たせていただいているところでございます。
〔 江川委員 〕すいません。お聞きしたのは、どういうプレーヤーが実際に少ないということなのですが。
〔 花岡国土交通省大臣官房審議官 〕はい。では、次にお答えいたします。
その点につきましては、同じ資料の、今度は4ページをご覧いただきたいと思います。4ページにつきましては、私どものいろいろな会議等でいただいたご発言を抜き書きさせていただいているものでございまして、本分科会で本日お配りさせていただくということについても、それぞれのご了解を得ているものでございますけれども、これは政投銀の都市開発部長がおっしゃったことだと思いますけれども、やっぱりメザニンのプレーヤーは現在なかなかいないと、案件組成そのものが難しいと。正直言いまして、民都機構が従来行っておりましたシニアローン的な部分につきましては、政投銀とダブっている感じがあるけれども、メザニンについては補完関係にあると考えていると。実際に、大阪の北ヤードの案件の場合には、政投銀もメザニンを一部とっておられます。これはビルが何棟かに分かれておりますので、ビルごとに分かれているという感じでございますけれども、しかし、個別案件のことをあまり申し上げると適切ではないかもしれませんが、多分政投銀だけでは、そのプロジェクト全体のメザニンは少し荷が重いというふうにお考えだったかなと我々は受けとめているところであります。それから、ドイツ銀行はメザニンをとっているわけではないのですが、やはりそういったものが少なく、リーマン・ショックから回復しつつあるとはいえ、現状ではそういったものが必要だといった声をいただいているところでございます。
それから、どこでもかしこでも支援するのかという点でございますけれども、これはまた同じ資料の6ページをご覧いただきたいと存じます。6ページの左下でございます。これも正直言いまして、従前の民都機構は特にエリア限定は設けておりませんでした。それこそ日本中、シニアも含めて支援を行ってきたところでございますけれども、今回、私どもが考えておりますのは、都市再生法に基づきまして、きちんと国が位置取りをした政策エリアに限定して行っていただくということを考えております。これはグランドデザインについての若干間接的なお答えの仕方でございますけれども、そういうことでございまして、特に、ここに3つ書いてあるうちの上の2つにつきましては、国が直接、政令で地域を指定するといったような制度になっておりまして、そういったところを特に重点的にやっていきたいと考えているわけでございます。
それから、富田先生がおっしゃった政府保証の原則禁止という点については、もちろん私どもとしても意識をいたしているところでございます。政府保証を行っていただくためには法律が必要だと考えておりまして、民都機構、過去にも実は政府保証をいただいて、一部業務を実施させていただいていたときがございますが、それもすべて法律で手当てをさせていただいて実施をさせていただいておりますが、今回、ご当局にお認めいただければ、来年の通常国会にそういう法案を提出したいということで、今、内閣法制局等と準備を進めているところでございます。もちろんそれは形式的なことでございまして、中身につきましては、先ほどから申し上げておりますけれども、政策的に意義があるものについて、民間とダブらない範囲で支援をさせていただくと。ただし、民都機構は、現状は財団法人でございまして、なかなか信用力だけでは資金調達ができませんので、そういった政府保証というご支援をお願いしたいということでございます。
それから、最後に分科会長がおっしゃった民間にもだんだんそういった部分をやっていただくべきではないかといったご意見だろうと思いますけれども、その点は全くおっしゃるとおりでございまして、何も民都機構が日本の大型都市開発のミドルリスクをすべて引き受けようとは思っておりませんし、そんな力もございませんし、それから、もちろんそういったものが発達してくれば、いつまでも同じ形で業務をすることではないと考えております。
〔 吉野分科会長 〕ほかにございますでしょうか。
富田先生、どうぞ。
〔 富田委員 〕お聞きしたのは手続面のことというよりも、結局は直接融資というか、財投による融資もあるし、ここでそういうものにかえて政府保証を要求されている理由を聞きたいのと、財政融資の場合ですと、将来の償還確実性を評価するために政策コスト分析というのをやっているわけですけれども、政府保証になったらそれを全然やってないんです。だから、余計分かりにくくなってしまうので、このプロジェクトというか、ここの政府保証をつけるとした場合に、償還確実性をどのように計算しておられるかということなんです。
〔 吉野分科会長 〕お願いいたします。
〔 花岡国土交通省大臣官房審議官 〕償還確実性は、民都機構がお借りした資金をきちんと返せるのかということでございますけれども、その点につきましては、リスク管理をきちんとさせていただくことが大事だと思っております。現在のところ、今日お出ししているいろいろな資料、一般的なもので格付ベースでリスク管理の関係の数字をお出ししておりますけれども、実際には個別の案件ごとのいろいろな、審査の体制という意味では、先ほどからご説明しておりますお手元の資料の10ページに審査体制の充実という項目が載っておりますけれども、先ほど計画官からのご説明にもございましたが、今までは審査と債権管理を同じにやっていたのですが、民都機構の中に独立した審査部を改めて設けまして、あと専門家の方からなる審査委員会も新たに設けまして、きちんと体制を整備するとともに、内部の審査基準もきちんと整備をした上で管理をしていきたいと思っております。
具体的な審査基準といたしましては、都市開発プロジェクトでございますので、いろいろな許認可の問題等も含めて、長期間にわたって事業がきちんと実行されるかといったような事業の完工の面のリスク、あるいはキャッシュフローとかそういったものを見まして、採算性のリスク、さらには金融の構造という意味でLTV、その他償還能力の問題、企業から民都機構に対する償還能力等と、そういった項目について審査基準を整備いたしましてきちんとリスク管理をしていくと、それによって民都機構が調達した資金の、また確実な償還を図っていきたいと考えております。
〔 吉野分科会長 〕今いただきました資料の11ページの左上のところに、メザニンのところだと思うのですが、例えばBBからBBBでデフォルト率が過去ですと2.48%から13.15%ということですから、多分こういう比率で起こってくる可能性があると思うのですけれども、だから、この分は最終的な政府保証に回る部分になる可能性はあるのではないかと思うのですが、そういうふうに理解してよろしいのでしょうか。
それから、もう一つはこれぐらい入れたとしても、ここでやったさまざまなプロジェクトが、経済成長に結びついて、日本全体として、これ以上のリターンが上がればいいんだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
〔 花岡国土交通省大臣官房審議官 〕お答えさせていただきます。
今ご指摘のあった11ページの数字につきましては、BBBが2.48%、BBが13.15%というのは直近の数字でございますけれども、これにつきましては予想される貸倒れということで、基本的に貸倒引当金で対応すべきものと考えております。理財局と事務的にやりとりさせていただいているものでは、そういったものに対応した貸倒引当金をきちんと積ませていただきますというご説明をいたしております。さらに、そういった期待損失ではない、突発的な損失等に対応するためには、別途自己資本的なものが必要だということでございまして、民都機構の中でやりくりするお金は当然でございますが、その点につきましては一部不足が見込まれますので、その点は予算上ご支援をお願いしていると、先ほど計画官から50億円とご説明があった分でございます。
以上です。
〔 栗田国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課長 〕もう一点、少し補足をさせていただいてよろしいでしょうか。
〔 吉野分科会長 〕では、今の説明に関連して、どうぞ。
〔 栗田国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課長 〕政策コスト分析のお話がございました。それから、その前に富田先生から財融直接というお話もございました。財融につきましては、財政融資資金法第10条で、基本的には国、地方公共団体以外の者の出資がないこと、というような幾つかの要件がございますので、この法人は現状において財投の直接の融資を受けられるポジションにはないということでございまして、いろいろなこととの比較考量の上、政府保証をお願いしているということでございます。
それから、政策コスト分析でございます。政府保証ということでありましても、これは理財局のご趣旨も踏まえまして、きっちりとしなくてはいけないというように思っております。今やっておりますことは、政策コスト分析につきまして、資本準備金として、冒頭、臼杵計画官から50億円の要求を主計局のほうにお願いしておりますということを申し上げました。この50億円を、例えば来年度以降20年間にわたって運用した元利合計金額、これを現在価値に割り引いた額と、来年度、お願いベースでありますが、50億円そのものを現在価値に割り引いた額、その比較した差額が通常の考え方のもとでの政策コスト分析に当たっていると思っておりまして、その元手はマイナス1億円という結果になっておりまして、これはマイナスの場合はコストに見合う効果ということでございます。
その他政策コストの考え方はいろいろあり得るかと思います。調達にかかります機会費用はいろいろ要るかと思いますし、それから、それは何に対してのコストかということになりますと、冒頭からいろいろと計画官のほうからもご説明をしていただきましたような波及効果とか、いろいろな外部効果とか、そういったこととの見合いできっちりと政策評価的なところの分析も積み重ねていきたいというように考えております。
〔 吉野分科会長 〕それでは、今松委員、どうぞ。
〔 今松臨時委員 〕2点というか、1点に集約できるかと思いますが、参考資料の2枚目に最近の都市開発事業の市場規模の推移というのが書いてあって、その次の3ページ、これは民都機構に対する支援の要請の件数です。おそらく2010年度は上期で195件ですから、これは増えてくると思うのですが、この間の実際の件数、市場規模でいくと2007年度ぐらいから、その後いきなりガクンと落ちている。これだと、こういう都市再生開発に対するニーズは、引き続いて非常に強いというふうに捉えていいのかということと、もう一つは、例えば都市開発事業の市場という規模の中で、今回対象になるメザニン支援の@、A、Bと2枚目にありますけれども、それに適合するようなというか、案件というのは、例えばこの図1とか、あるいは支援要請等々の中で、そういうような要請が相当程度というか、どの程度、例えば、今年度4月〜9月で195件ですけれども、そういうものがあれば、非常に我々としては使いやすいとか、そういうようなニーズはあるのか、その点分かったら教えてください。
〔 吉野分科会長 〕お願いいたします。
〔 花岡国土交通省大臣官房審議官 〕お手元の資料の2ページの一番上に書いてございますけれども、私ども、国土交通省の成長戦略を作らせていただいたときの認識としては、都市開発市場の市場規模は、大体、少ないときで3兆円、多いときで5兆円という状態が、ここ当分は続くものと考えております。例えば大手町のような大規模開発、新規開発に近いものもございますけれども、特にこれからは、例えば環境とか、そういったようなことに配慮して、老朽化したビルの建て替え、昭和40年代に相当のビルができておりまして、それの建て替えのニーズみたいなものも相当出てくるといったふうに把握をしているところでございます。
〔 栗田国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課長 〕それから現状におけるニーズ、あるいは近未来におけるニーズという趣旨のお話であったかと思います。今、お手元の1ページのところで「2020年までに実施すべき成果目標」ということで、「最大5〜8兆円の民間投資を実現」ということを申しておりますが、2ページ目のところで「市場規模3〜5兆円」ということを申しております。2ページのグラフをご覧いただきましても、この市場規模は、これまで長期的な趨勢で、やはり経済環境、それからオフィス需要、いろいろ見て変動してきているところではございます。ただ、落ち込みましたものをきっちりと政策的に下支えするということで、今、審議官から申し上げました更新投資を含めて、実現すべきところは多々あろうかと思います。
3兆円から5兆円というようなことの中でのこの今回のメザニン支援によりまして、支えていきたいというところですが、今回、我々が要求しております枠が600億円でございます。それにつきまして、冒頭、計画官のほうからは4,500億円という直接の建設投資ということでございますが、これは、具体的に案件を見ましてそうでありますし、あるいは少なくとも3,000億円台というようなところは、メザニン支援の全体の資金組成の割合というところから逆算しても見ていけるということかと思っております。それだけのニーズのお話につきましては、これは民都機構のほうに、現状におきましても、相当数の案件、要請の下相談が来ておりまして、ただ、今回お話ししておりますことは、極めて高い政策性も相伴わせたいということでございます。そういう意味では、今般、理財局のご指導もいただきまして、環境性能ということを極めて強い要件にしていきたいというように思っています。ですから、来たものすべてにお答えするということではありません。政策的な要請に見合ったものにお答えしたいということですが、先ほど申し上げましたような需要については十分あるというに思っております。
ちなみに、これは一般会計のほうでのお話ではありますが、昨年度、補正も含めまして、600億円相当の支援を実施いたしておりますが、それは、正直、満杯状態でお断りしている部分もございましたということが実態でございます。
〔 吉野分科会長 〕富田先生、どうぞ。
〔 富田委員 〕すみません。また、政策コスト分析というか、この事業を来年度メザニン支援で600億円の事業を行いますと。それに伴って、将来にわたって発生するであろう国民負担についての考えなんですけれども、先ほどのご説明の中で、政府補助金として50億円を要求なさっているわけですけれども、これとの関係はどうなのでしょうか。つまり、新規にメザニン600億円支援やると、将来にわたって国民負担が50億円ほど発生しそうだということで、50億円を要求なさっていると考えてよろしいでしょうか。
〔 吉野分科会長 〕お願いいたします。政策コスト分析に関してですが。
〔 花岡国土交通省大臣官房審議官 〕50億円の要求につきましては、当面、自己資本比率8%を維持するというためには、現状の民都機構の手持ちの資金ではそれぐらい足りないのではないかと。630億円の融資基盤に対して、8%を維持するためにはその分ぐらいないと8%維持できないということで、計算してお願いさせていただいている分でございます。
〔 吉野分科会長 〕富田先生、どうぞ。
〔 富田委員 〕そうしますと、新規に要求なさっているメザニン支援事業600億円とは関係なくて、メザニン支援を行うとまた幾ばくか政策コストが発生するかもしれないということですか。
〔 栗田国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課長 〕お答えしてよろしいでしょうか。
〔 吉野分科会長 〕はい、お願いいたします。
〔 栗田国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課長 〕今回のこのメザニン支援業務というものは、全く新しい業務として創設させていただきたいというようにお願いしております。このためにきちんと特別の会計を設けまして、債権管理等をしていきたいと思っています。
600億円というのは、メザニンですから相応のリスクがあります。それにつきまして、期待される損失部分は、先ほど審議官から申し上げましたけれども、毎年度の貸出しに対する償還の中から一定割合を引き当てとして積んでいきたいと思っています。先ほど、江川先生から、貸倒れ率のお話もございました。BBBですと、2.48〜13.15%というのが10年間の貸倒れ率ということで統計が出ております。そういうことを見合わせまして、貸出している債権の幾ばくかを償還の中からきちんと引き当てを取りたいということです。
ただ、それだけでは対応できない非期待損失という部分があり得るということに対してもきちんと備えを持たなくてはいけない。そうすると、新しく設けます会計の中に、これまで民都機構の中にあります融通できるお金を寄せ集めまして、なおかつ、この先、将来約20年程度を見つめまして、600億円の貸出しを繰り返しその償還を受けながら、その間におきます自己資本比率が、BIS規制のいわゆる海外業務をやるときの基準の8%と、これを下回らないための資本を持っている、20年の通期において用いるための資本性のお金としての50億円を要求させていただいているということでございます。
〔 吉野分科会長 〕では、池尾先生、林田委員、どうぞ。
〔 池尾委員 〕期待損失の部分は引当金を積むということですが、引当金の原資というのはどこから捻出するんですか。きちんと取れるような利ざやを想定するということですか。
そうすると、どうして民間ベースでそれが逆にできないのかという疑問が生じたりするのですが。そのあたりはどういう関係になっているのか少し追加説明していただけたらありがたいのですが。
〔 花岡国土交通省大臣官房審議官 〕もちろん、リスク関係の分は利ざやでというふうに申し上げているところでございますけれども、仕上がりの金利が、政策的な支援効果があるためには、例えば、10%でお貸ししても全く意味はないわけでございまして、仕上がりの金利がそこそこにおさまるようにと、今だと、多分5%を超えると相当高いということになるんだと思うんですけれども、といったようなことを考えながら、リスク管理もきちんとやると。民都機構の場合には、配当する必要はないと考えていますので、そういった分のプレミアムは要らないと。
〔 池尾委員 〕そうすると、自己資本に関するコストの分が政策効果になって、逆に言うと、それが政策コストに該当するというそういう理解ですね。
〔 栗田国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課長 〕そういうことが1つの考え方に当たっていると。
〔 吉野分科会長 〕林田委員、どうぞ。
〔 林田臨時委員 〕政府補助金の50億円は、メザニン支援に出すお金の自己資本比率の低下を防ぐ意味合いの資本増強だと思うんですが、そうしますと、これは、20年にわたってやるとおっしゃっていた貸付の残高がない場合には、この補助金の行方というのはどうなるんでしょうか。元へ戻す、国へ戻すということもあるのか、その業務は必ず天井まで行く目途があって、必ずそこにはこれだけの資本増強を政府から出し続ける想定なのか、その辺を教えてください。
〔 栗田国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課長 〕お答えしてよろしいでしょうか。
〔 吉野分科会長 〕はい、お願いいたします。
〔 栗田国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課長 〕今、50億円の将来的な扱いについてのお尋ねということであろうかと思います。それから、1回目の分科会長のお尋ねで、この業務と、あるいは民間のプレーヤーとの関係ということもあったかと思います。現在、大変市況が厳しい中、きちんと意味のある都市開発市場を支えていきたいということで、政策的なところの出番であるというように思っておりまして、我々、今回こういう要求をさせていただいております。
ただ、先ほども申し上げましたように、都市開発市場の規模全体、これは、言ってみましたら、都市開発に向ける金融機関の態度の裏返しという面もあろうかと思います。そういったものも、今後、いろいろ、もちろん循環していく局面はあろうかと思います。我々、政策的な出番があるときにはきちんとしていきたいと思っておりまして、現状の判断として、600億円ということを申し上げておりますし、安全性の高い、安全度の高い管理を将来的にもしていくということで、600億円ベースの将来的な20年の試算をきちんとして、それでも管理できるということの立証を今きちんと差し上げようと努力しているところでございます。
ただ、将来的に、この業務自身が、例えば、民間プレーヤーがまた出てきたら、リーマン・ショック以前は、今ほど不在ということでもなかったんだろうと思います。出てくるということであれば、またそこは、その市場の環境を見ながら、業務の規模、そのときの市場規模、民間のプレーヤーの存在度合いということを見まして、この市場の規模ということが決まってこようと思います。そのときに、この50億円が仮に資本の多寡として過大である、ここまでは要らないということであれば、我々はそれを国庫にお返しするということも含めて柔軟に考えたいと思っています。
民都機構は、今回、新設を要望しているこの業務以外に、過去、いろいろな業務をしてまいりました。そのことに対しまして、国からの無利子貸付とか、補助金を原資にする基金というお話がございました。仕分けという契機もございましたが、不要だと判断されるものはきれいさっぱり我々は返してきているつもりでおります。近未来に発生するそういう可能性もあるものもちゃんと返すという意思表示をさせていただいております。この50億円についても、政策的な必要性がないと判断されるタイミングには、きちんとそういう考え方で臨みたいと思っています。
〔 林田臨時委員 〕要は、その自己資本の中で分別管理ではありませんけれども、これはメザニンの分なんですよということは、後々、我々が何か書類を見て分かるようになっているということでよろしいでしょうか。
〔 栗田国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課長 〕そういうことでございます。
〔 林田臨時委員 〕分かりました。
〔 栗田国土交通省都市・地域整備局まちづくり推進課長 〕逆にそういうことをきっちりと、理財局の皆様からも求められているということでございます。
〔 吉野分科会長 〕仕分けのときにも透明性ということがよく言われたそうですので、是非民都機構の方々も、今日のご説明で大分分かりましたけれども、一般の方々が分かるような工夫を少ししていただければと思いますので。
ほかによろしいでしょうか。では、どうも、今日はありがとうございました。
引き続きまして、福祉医療機構の方々にお願いしたいと思います。
それでは、引き続きまして、厚生労働省及び福祉医療機構の方々がお越しでございますので、辻計画官から、福祉医療機構につきまして、説明をお願いいたします。
〔 辻計画官 〕それでは、座ったままで恐縮でございますが、ご説明させていただきます。資料の2−1をご覧いただきたいと存じます。
資料2−1でございます。表紙をおめくりいただきまして、1ページをご覧いただきたいと思います。左側のほうに23年度要求の概要の数字を掲げてございます。福祉医療機構でございますが、社会福祉施設とか、医療施設に対して資金の貸付けを行っている独立行政法人でございますけれども、23年度の事業規模につきましては、3,236億円、638億円の増、真ん中あたりに財投の数字がございますが、こちらが2,653億円、570億円の増という要求になってございます。
編成上の論点といたしまして、3点掲げさせていただいておりますが、1点目が、福祉・医療政策の現況と今後の施策という比較的大きなテーマでございます。2点目が、融資制度拡充の要求について。3点目が、事業、財投の規模についてという論点でございます。
1枚おめくりいただきまして、2ページをご覧いただきたいと存じます。まず、論点1でございますが、読ませていただきますと、高齢化の進行等により福祉・医療を取り巻く状況が厳しさを増す中で、当該分野の政策に何が求められ、厚生労働省としてどのように対応しているのか。また、福祉医療機構とのかかわりは今後どうなっていくのかという論点でございます。非常に大きなテーマでございますので、この論点につきまして、私から論点を3つご説明させていただいた後に、厚生労働省のほうからもご説明いただくという段取りにさせていただいております。
この論点に対する理財局としての考え方でございますが、医療・介護サービスの基盤強化等は、新成長戦略にも掲げられているとおり、重要な施策であることから、財投の対象である福祉医療機構の貸付事業についても、財務の健全性等に留意しながら、的確な実施がなされる必要があるというふうに考えてございます。
下のほうに、参考といたしまして、新成長戦略等の関連部分を抜粋して付けさせていただいております。
1枚おめくりいただきまして、資料の3ページをご覧いただきたいと思います。論点の2つ目、制度拡充要求についてでございます。23年度の制度改正要求において、医療機械購入資金の拡充要求が出されているが、国の施策等を踏まえた内容になっているか。また、中期目標に掲げる融資の重点化等と整合的な内容になっているかという論点でございます。
論点に対する考え方でございますが、ポイントとしては2点ございまして、1つは、融資限度額が30億円という要求になっておりますが、この30億円という金額をどう考えるかという点と、それから、もう1点、医療機械購入資金につきましては、実は、過去、貸付制度がありましたものを独法の業務の見直しの一環ということで、一旦廃止したという経緯がございまして、これと今回の要求の関係をどう整理するかという点でございます。
論点に対する考え方を読ませていただきます。本要求は、先進医療技術の普及促進に資するものと考えられるため、財政投融資の活用については妥当性が認められるが、融資限度額、30億円については過大な要求となっていないかどうかを慎重に見きわめる必要がある。また、本要求は、民間金融機関が融資しない場合の先進医療機器が対象であり、19年度に廃止した旧制度とは、技術レベル等が大きく異なるものであると考えられるが、旧制度は、独立行政法人の業務の見直しの一環として廃止された経緯があることから、行革推進本部の判断を踏まえつつ、適切に審査を進める必要があるということでございます。
左下に19年度までの旧制度と今回の要求内容を比較した表が出てございます。今回のものは、融資条件のところにございますように、民間金融機関が融資しない場合に限っており、また、19年度は、7,500万円までの比較的安い医療機器を対象としておりましたけれども、今回の要求は、先進医療技術等を用いるための高額の医療機器を対象としているものでございまして、旧制度を単純に復活させるものではなく、新しい融資制度とも言えるのではないかというようなお考えを厚生労働省は持たれているということでございます。
1枚おめくりいただきまして、4ページをご覧いただきたいと思います。論点3の事業、財投の規模についてでございます。最初に申し上げましたとおりでございますが、事業規模については、対前年度比24.6%の増、財投につきましても、27.4%増の要求ということで、大幅な伸びになってございますけれども、21年度実績及び今後の需要見通し等を適正に反映した内容になっていると言えるかという論点でございます。
論点に対する考え方でございますが、事業規模及び財投の要求は高い伸びとなっているが、足もとの融資申請は旺盛な状況であり、また、要求額は中期目標に掲げる水準を維持するものとなっている。そのような状況の中で、福祉・医療は、国民の安全・安心に直接かかわる重要な分野であることから、資金ニーズには的確に対応する必要があるということでございます。
そこの一番下の表をご覧いただきたいと存じますが、機構における融資申請の受理状況について、過去3年の状況を月ごとに並べたグラフになっておりますが、22年度の受理状況は非常に高い水準になってございます。
本文の、「なお」以下でございますが、福祉・医療貸付事業の規模につきましては、行政刷新会議の事業仕分けで現状維持とされているため、現在、厚生労働省は行政刷新会議等に対して、要求規模の必要性や補正予算の影響を除いた通常ベースの事業規模は現状維持となっている状況等を説明していると承知しております。
資料の2−2の3ページをご覧いただきたいと思います。今申し上げた補正予算の影響ということでございますけれども、下の方にございますが、21年度の補正予算で、例えば、災害拠点病院等の耐震化の促進といったことで国費が措置されてございます。これを国が都道府県に出しまして、都道府県が自己負担分を合わせて事業者に補助をするという仕組みがございますが、全額補助ではございませんで、その表の一番右下にございますように、一部事業者負担が必要となりまして、この部分に福祉医療機構の医療貸付に対するニーズがあるというような形になってございます。
上の方のグラフをご覧いただきたいと存じますが、2段組のグラフになっておりますけれども、上の段の方が補正予算の影響でございまして、これが特殊要因と整理されるとすれば、その下の青い部分、通常分についてはほぼ横ばいになっているということでございまして、刷新会議で指摘された現状維持という考え方に沿っているものになっていると、こういう考え方を厚生労働省ではとられているところでございます。
私からは以上でございます。
〔 吉野分科会長 〕それでは、補足説明といたしまして、厚生労働省の方、お願いいたします。
〔 清水厚生労働省社会・援護局長 〕厚生労働省の社会・援護局長の清水と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私どもの資料は、資料の2−3でございます。1ページ、2ページあたりを横目で見ながら私のイントロをお聞きいただきたいと思いますけれども、福祉医療機構にやっていただいております業務は、私どもの省の5つか6つの部局にかかわります。したがいまして、必ずしも私の所管でないところもございますが、それらをまとめて私のほうからご説明申し上げます。
我が国は、急速に少子高齢化が進行しているということはご承知のとおりでございます。我が国の内政上の問題、大きく2つ、経済成長の問題と、もう1つは、やはり、安心できる社会保障をどう築き上げていくか、改革していくかということだと考えてございます。
民主党内閣に変わりまして、社会保障の位置付けが大分変わったところもございます。社会保障は、従来はコストの面が非常に強調されていた嫌いもございましたけれども、この分野はいろいろな成長が見込めます。雇用創出効果も高くなっております。新成長戦略におきましても、やはり、これらの医療、介護、健康といったような分野を成長牽引産業という位置付けもいただいております。ライフ・イノベーションによる健康大国戦略という形も打ち出されているところでございます。
もう少し具体的に申し上げていきます。資料の3ページをご覧いただきたいと思います。福祉や医療の貸付けに関しまして、どのような需要があるかということでございますが、第1番目は、子どもの関係でございます。保育所などの待機児童ということは、都市部を中心に大きな問題になってございます。男女共同参画の観点からも大きな問題になっているところでございます。民主党内閣におきましては、すべての子どもの子育てを社会全体で支えるという考え方でございます。
政策的には、今年の1月に、政府全体として、子ども・子育てビジョンを策定したわけでございまして、就学前の保育、それから小学校低学年児を中心とする放課後の児童クラブの計画的整備を打ち出したわけでございます。安心こども基金という基金も国費で都道府県に造成いたしまして、その整備を後押ししているわけでございます。
また、現在、内閣府の村木統括官を中心に、子ども・子育ての新しいシステムの検討を厚生労働省等とも協力して行っているところでございまして、来年の通常国会に関連法案を出したいということで、内閣全体として検討を急いでいるというのが待機児童解消対策絡みでございます。
2番目に、介護サービスの基盤整備と書いてございます。要介護、身体的、あるいは認知症などのご老人のケアをどうするかということでございますが、1つは在宅、在宅といいましても、必ずしも自宅だけではなくて、国土交通省の高齢者専用賃貸住宅でありますとか、あるいは私どもの省の関係でやっております認知症老人のグループホームなどを含めての在宅サービスということがございます。それが1つと、それから、特別擁護老人ホーム等の施設、これらの両方を充実させまして、利用者のご希望に応じて利用者が選択できるといった形で整備を進めたいということでございます。
特養につきましては、やはり待機者が多いわけでございまして、次の欄に書いてございますように、21年度から23年度の3年間で、これは国費で都道府県に基金を積んでございます。介護基盤緊急整備等臨時特例基金という基金を積んでいますので、この基金を用いまして、16万床の整備をしてまいりたいということでございます。
また、ちょうど10年経ってございますけれども、介護保険制度も改革することを今審議会で検討中でございまして、年内に方向性を取りまとめて、来年の通常国会に改革案を出していきたいと考えてございます。
第3欄に書いてございます耐震化というのは、昭和56年以前の建物ということになりますから、一番新しい建物でも29年経過してございます。したがいまして、耐震化整備といった場合は、ほとんどが建て替え整備になるわけでございます。これは、巨額の費用が掛かるわけでございます。また、スプリンクラーの整備も進めなければいけないということでございます。
医療分野にいきたいと思います。4ページでございます。ここに書いてございます資金需要として大きいものは、医療機関の耐震化、第2欄の関係でございます。もちろん、いろいろと小児科不足とか、救急の問題等のことにつきましては、第1欄に書いてございます形で補正等で予算措置もしてさまざま進めているところでございます。また、その担い手としての社会医療法人といった法人格も新たに作るということになってございます。
多少雑駁に申し上げますと、我が国の医療はベッド数が多い一方、医療従事者の数は1ベッド当たり極めて少ない。また、人口当たりにおいても医師、看護師数等が少ないと言われてございます。これをアメリカ並みとはいきませんけれども、一歩でもヨーロッパ標準のほうに近づけていくというのが大体医療関係者の共通理解になっているかと思います。現に病院数もやや減、ベッド数も減、一方、患者の療養環境は多床室を少人数室、あるいは個室にしていくという実態となっています。あるいは外来で抗がん剤の投与等というような新しい療法も出てまいりましたので、それに対応したようなスペース整備もするといったことが最近の病院整備の1つの考え方でございます。
また、医療機器の話が計画官からございましたけれども、iPS細胞自身はまだ実用化されてございませんけれども、手術ロボとか、ポジトロン照射、あるいはCTにいたしましても64列のもの等の高度化は、ベッド数減等とあわせて進んでいくという形になってございます。これにつきましては、8ページにその考え方が書いてございます。詳しい説明は略させていただきます。
最後に、一言申し上げたいと思います。先ほど、理財局資料の4ページで見ていただいたように、非常に今年度に入りましてから資金需要が高まってございます。これは、補正予算で耐震化整備を進めるという予算措置で、現に医療機関が資金を使えるようになったのは今年の3月ごろかと思います。現に使えるようになったということを見て、計画が再度ブラッシュアップされて、福祉医療機構と相談の上、融資申請に至ったと、そういうものが急激に前年の2倍から3倍ということに月を経るごとになっているわけでございます。これは実需だと思っております。このような形で整備が、ほとんどが建て替えでございますけど、進んでいくことは政策意図とぴったり合致していると、そのように考えてございます。
以上、大変、駆け足でございますけれども、厚生労働省としての説明でございます。
〔 吉野分科会長 〕ありがとうございました。いかがでしょうか。江川委員、先にご退席でしたら、先にご質問いただいて。
〔 江川委員 〕医療関係は、私、専門ではないですけれども、資料2−1の3ページのところで、機械購入資金に30億円ということで、こういった先進医療機器を対象にこういったものを設けるというのが、本当に今医療にかかわる予算が限られている中で、適切な資源の配分なのかというのが少し疑問に思いました。ニュースなんかで、例えばPETとか、そういったものが日本ではほかの国に比べてすごく多いとか、そういったことで、医療機器の特に高度なもの、もちろんある程度必要なのは分かるんですけれども、それをほかにも医療の関係の予算が必要な中で、これがどれぐらい非常に重要なのかというのを教えていただければと思います。
〔 吉野分科会長 〕今の質問にお答えいただけますでしょうか。
〔 瀬上福祉医療機構理事 〕福祉医療機構の理事で、瀬上と申します。大変貴重なご質問をいただきましてありがとうございます。今のご質問の中に具体的に出ましたPETは、確かに過剰でございます。これは一般の金融機関が大変さまざまな病院に融資し購入をすすめたため、全国的に過剰配置になったものと考えております。
しかしながら、今回お願いしているさまざまな治療機械につきましては、例えば最も高額なものが、例示させて頂いております陽子線装置、あるいは重粒子線装置というようなもので、手術ではなかなか対応できないような顔の奥にあるがん、あるいは脳の中にあるがん、こうしたものにメスを使わずに治療ができる機器として大変期待されているところでありますし、日本で開発した技術でもあることから、こうしたものを今、多くの国民の方々が治療を期待して、実際3カ月、6カ月待ちという状態を作り出しているものと考えております。
そのかかる医療費につきましては、現時点では残念ながら診療報酬の対象となっておりません。このため、多くの利用者の方々は民間の保険等を活用して、高額ではありますけれども、先進技術を利用しようという動きが出ているものと考えます。
資源の配分ということで制限的になっているのは、やはり社会保障としての診療報酬等、公的財源が使われている医療費をこの領域に配分するのはいかがなものかというのはご説ごもっともと思われますが、将来どうしても、こうした治療が国民の多くの人にとって必要というときには、一部は診療報酬の世界に入っていくかと思いますが、当面は民間保険のレベルでの医療費と、こんな世界ではなかろうかと思います。
〔 吉野分科会長 〕よろしいですか。
それでは引き続きまして、池尾先生どうぞ。
〔 池尾委員 〕論点には直接かかわらないんですが、福祉医療機構に関しては毎年同じことを質問させていただいていて、それは、厚生労働省の説明資料にもありますように、前身の一つは医療金融公庫だったわけで、業務内容も貸付事業が中心で、そういう意味では政策金融機関だというふうに言っても機能的には間違いではないと思うんですが、ただ、制度的には政策金融機関としては位置付けられていないので、政策金融改革からは、対象からは外れたというような経緯があるんですが、繰り返しになりますけれども、申し上げたように、機能的には政策金融機関といって大過ない存在だと思うんですが、そうしたときに、金融機関としてのリスク管理体制なり、金融機関としての体制整備というふうな点についてどの程度充実しているのかと。例えば、他の政策金融機関と比較したときに遜色のないだけのきちっとしたリスク管理の体制とか、そのための人材とか、そういうことが業務を裏付けるバックとしてどれだけのものがあるのかということを、改めてまた今年も聞かせていただきたいということです。
〔 吉野分科会長 〕では、お願いいたします。
〔 長野福祉医療機構理事長 〕福祉医療機構理事長の長野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。私はこの場面には初めて出席させていただくのですが、2年半ほど前に民間企業からこの理事長に就任したわけであります。今、先生のご質問に答えるという意味では、ガバナンスの強化について私自身が今までしてきたこと、あるいは考えてきたことをお話ししたいと思うのですが、2年半前に来ましたときに、私はこの機構について、この法人の進むべき道が分かりにくい、見えないなということを強く思いまして、その思いで経営理念というものを策定いたしました。
これは、「民間活動応援宣言」という形で20年10月に策定したわけでありますが、続きまして、この独立行政法人の使命を果たしていく、あるいはこの経営理念を実現していくということでは、我々のこの法人はガバナンス体制の強化というものが必要であると強く感じまして、これも取り組んできたところであります。具体的には、一つは内部体制という点では、まず、これは小さなことかもしれませんが、私どもの監査室が総務部の所管でありましたけれども、それを理事長の所管にするということで、直接私が見るということを21年4月にやりました。
それから2つ目は、私どもは監事が2人いますが、その監事2人につきましては民間の金融機関の出身者を2名ほど、これは大臣に任命いただいたということであります。この両監事が私どもの貸付業務も含めまして8事業ありますが、助言、意見をいろいろな、あらゆる場面でいただいております。
それから3つ目ですが、私どもの貸付事業を含めた8事業についてリスクの洗い出しを行いまして、その洗い出しを行った上でそれぞれ各事業ごとにどういうリスクがあるかということを認識した上で、リスク管理委員会というものを、これは昨年10月に設置をいたしました。
それから4つ目ですが、法令遵守の徹底ということで、これは日ごろからそういう話はしながらも、コンプライアンス委員会というものがなかったのですが、この4月にコンプライアンス委員会を設置したということであります。
これが内部体制ですが、あと、外部のチェックというのは厚生労働省はじめ主務省の統制がございますが、それ以外に会計監査人であったり、あるいは契約監視委員会、それから独法の評価委員会などがありますが、そのほかに私どもは平成17年にISO9001の認証取得を受けていまして、この中で、品質マネジメントシステムというQMSというものがありますが、ここの審査を毎年受けております。これは貸付業務に限らず、8事業すべてについて、この審査を受けているということでございます。
それから、この8月には「お客さまの声」という制度を導入して、広くお客さまの声を経営に反映するということで、ここが外部チェックのことでございます。
以上の取り組みに加えまして、私自身、民間企業時代から含めた私の経営の柱というのは2つありまして、お客さま目線で判断するということと、健全性で判断するということであります。この2つを職員に徹底しているわけですが、お客さま目線というのは、例えば貸付けで言えば、「貸してあげる」という考え方から「借りていただく」ということに変えることによって、いろいろ創意工夫が生まれてくるということがお客さま目線であります。
それから健全性というのは、お客さま目線でニーズを何でも迎合するということではなくて、コンプライアンス等の法令に適しているかどうかという、この2つの目で見るということをお話ししているのですが、これを毎回、私どもの経営企画会議がありまして、そこで理事長が経営についてどう考えるかということで話をさせていただき、この内容は全職員にイントラネットで通知を直ちにしております。
それから最後にもう1つですが、係長以上の職員と個人面談をしまして、この組織が抱えている問題、課題は何かということを私が直接把握するということを続けております。
貸付けの審査も、以上お話ししたガバナンス体制の中で、実行されていると私は認識しています。
以上でございます。
〔 池尾委員 〕少なくとも3年ぐらいは同じような質問をしたんですが、今年は非常に力強いお答えをいただきまして、感謝いたします。
〔 吉野分科会長 〕ほかにありますでしょうか。
富田先生、どうぞ。
〔 富田委員 〕これは福祉と医療と貸付けを合計いたしますと、残高で8兆円余りの巨大な政策金融機関と言っていいと思うんですけれども、今、理事長からいろいろお話があったんですが、我々が知りたいのは、この融資に伴ってどれだけ国民負担が発生するのか。つまり、不良債権の発生比率がどうで、事故率と、その事故が起こった場合の回収率、これがそれぞれ、この政策コスト分析では合計では出ているんですけれども、それぞれについて出ていないんですが、医療と貸付けそれぞれですね。そしてまた、今回のご要求のような1件当たりが巨大な融資の金額ですと、また当然、統計分析になかなか過去のものとは馴染みにくいんですけれども、そこらをどのようになさるかということもお聞きしたいんですが。
〔 吉野分科会長 〕では、今の政策コスト分析に関しまして、いかがでしょうか。
〔 長門福祉医療機構企画指導部長 〕企画指導部長の長門と申します。ただいまのリスク管理、国民にどういう負担が生じるかというお話がありましたが、リスク管理の債権の状況でございますけれども、これは全体の貸付けの中で、融資残高の中でリスク管理債権の比率は21年度末で2.49%でございます。この2.49%の中には、条件緩和でありますとか、3カ月以上、6カ月以上の延滞が入っておりますので、いわゆる破綻先の債権は、この中では0.21%、金額にしますとリスク管理債権全体、21年度末ですと金額で約782億円ありますが、その中で破綻先は2.49%分の0.21%を占めるだけでございます。
そういう意味では、リスク管理についてはかなり厳格な運用をしておりまして、その背景としましては、私どもの場合には利子補給を、特に政策的な金利優遇をしたものについては利子補給をいただいているものもメニューの中にはありますので、貸付けに当たっては非常に厳格な運用をさせていただいていると、そういう状況でございます。
〔 富田委員 〕すみません、今のは合計の分ですよね。医療と福祉と、それぞれについて見たものはないですか。なければ、後でまた事務局経由で届けていただければ。
つまり我々が政策金融機関として期待しているのは、そういうことを即座に、いろいろなリスク管理をやっているとかいうことを言われるのはいいのですが、そういうことを具体的なことで聞きたいんです。総論ではないんです。
〔 長門福祉医療機構企画指導部長 〕すみません、ちょっと今、破綻先、6カ月以上延滞、3カ月以上延滞、条件緩和の内訳を手元に持ち合わせておりませんが、福祉と医療との内訳で申し上げますと、21年度が、条件緩和以外のリスク債権の比率ですから、破綻先と6カ月以上延滞、3カ月以上延滞の比率でございますが、それが、福祉が0.43%で、医療のほうが1.64%でございます。傾向としては、医療のほうがどちらかというと比率が高くなっておりますが、総体的にあわせましても、福祉の場合1%を切る、あるいは医療の場合でも3%前後でリスク管理債権が推移している状況でございます。
〔 瀬上福祉医療機構理事 〕追加でよろしいでしょうか。
〔 吉野分科会長 〕はい、お願いします。
〔 瀬上福祉医療機構理事 〕ご質問の中にありましたフォローアップに関して、私どもは独自の仕組みを講じております。貸出先に対して毎月の元利金の入金状況をチェックいたしまして、そのあたりで遅れが生ずるなどのところに対して、医療機関あるいは福祉施設の運営状況に関しての調査などを聞き取りで初めは行い、そして必要に応じて出かけてまいりまして、具体的な経営状況に問題点があるかないか。ある場合には、それに対して早期の改善に関しての適切な指導を行うなどの方法を講じているところでございます。
そういった点が、数値的には若干リスク管理債権として出ておりますけれども、他の金融機関に比べますと極めて低いところに抑えられている要因の一つではなかろうかと考えております。
〔 吉野分科会長 〕ありがとうございます。
〔 長門福祉医療機構企画指導部長 〕すみません、先ほど、医療と福祉の細かい状況は手元にないと申し上げましたが、手元にありましたのでご報告しますと、福祉貸付けは全体で、先ほどの数字の中で、福祉の貸付けは0.94%がリスク管理債権になっております。この中で、条件緩和が0.51%、3カ月以上の延滞が0.04%、6カ月以上の延滞が0.39%、破綻先は、0%でした。
それから医療のほうでございますが、こちらについては、3.66%になります。内訳が、条件緩和が2.02%、3カ月延滞が0.12%、6カ月延滞が1.15%、破綻先が0.37%でございます。追加でご説明させていただきました。
〔 吉野分科会長 〕ありがとうございました。先ほどの両先生の質問の関係で資料2−2の3ページの下を見てみますと、やはり福祉医療機構の場合には補助金と、それに対して事業者負担のところに、こういう貸付けをされていまして、ですからやはり、こう見ると、政策の一環として直接やるのか、それとも融資でやるのかというような雰囲気が強いような気がしまして、こういうところもだんだんに政府系がやっていて、それから民間にこれを肩がわりしてもらっていくという努力はされていらっしゃるんでしょうか。それとも、こういうところはもう福祉医療機構しかできないという感じなのでしょうか。
それから先ほどの経営方針の中で、お客さまの目線と健全性というのと、やはりもう1つ、民業補完であって、徐々にそれが民間でできるようになるというようなところも必要なのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。お願いいたします。
〔 瀬上福祉医療機構理事 〕ありがとうございます。ただいまのお話ですが、まず、福祉施設と医療施設に関しては、建設方針も資金の拠出の仕方も非常に異なりますので、初めに補助金等が非常にふんだんに使われております福祉関係から申し上げたいと思います。
福祉施設につきましては、原則として、担保に供すること、事業用に使っております施設・土地を担保に入れるということができないということになっております関係で、基本的に民間金融に馴染まないというのが本来のこうした公的融資制度を作る段階での考え方だったと思います。
現在は、これに対して福祉医療機構がご融資をする場合に、それに協調して民間銀行が同時に融資をしますと、協調融資という制度のもとで、私どもとともに担保を供することができるという制度になりましたために、民間銀行が協調融資の中に入り込んできております。
一方、医療機関の場合ですと、昭和20年代に公的な医療機関で日本の医療を進めるか、あるいは民間医療機関で進めるかという議論の結果、民間医療機関を中心にした医療提供の仕方を進めようという方針が出て、それに基づき、補助金ではできない医療施設の建設について公的融資制度がつくられたといういきさつがございます。これに基づいて、その後、施設の老朽化に対する更新築、あるいは高度化に対する増築や改築につきましても、長期、固定、低利の公的融資を行っております私どもと民間銀行を合わせて借りていただくという仕組みになっております。
現在私どもでは、融資を行うに当たりまして、その医療機関のメイン銀行と、できるだけ同調して融資を行っていただけるよう話し合いをしているところでございますが、我々が融資決定をしますと地方銀行、信金等は喜んで同調して、融資に乗っかってくるという仕掛けになっております。独自で融資判断をするということ、極めて利益幅の低い医療機関に対して長期、固定の融資をするということに対しては、民間銀行ができないということで、日本の医療政策上、利益幅をつけることができない現状の流れの中では長期、固定、低利の融資を欠かすことができないのではないかと、このように考えております。
〔 吉野分科会長 〕ありがとうございます。
それでは、林田委員どうぞ。
〔 林田臨時委員 〕非常に素朴な疑問で、これは多分、理財局への質問になると思いますが、医療機械購入資金にかかわる要求の概要というのが資料2−1の3ページにありますけれども、融資条件として、民間金融機関が融資しない場合に限るという、この「何々しない場合に限る」という条件の設定、要するに、どこもないという意味なのか、しない部分をここで持つということなのか、もし、全くないという証明は難しいでしょうし、少しでも貸したいと思っている民間金融機関があるのに、もしそこが貸すと言い出すとできないというのであれば締め出しにもなってしまうんですけれども、そのあたり、ここはどういう整理になっているんでしょうか。
〔 吉野分科会長 〕お願いいたします。
〔 辻計画官 〕これは厚生労働省から要求をいただいた内容でございますけれども、全く存在しないという証明はもちろん難しいわけでございまして、これは、機構への融資の申し込みをした際に、一度民間金融機関に当たってみていただいて断られましたというようなことを言ってきていただければ、審査の対象として見るというようなことと聞いております。
〔 吉野分科会長 〕アメリカで昔ありました、クレジットディナイアル(Credit Denial)といいまして、民間に借りに行ったんだけれども借りられないから政府系に借りにくると。そのときは、こういう条件で貸してほしいと民間に行くんですね。それで、この金利とこれでは貸せませんという、それに近いのではないかと思います。
〔 池尾委員 〕ただ、そういうものは証明書を出す制度とか、日本にあるわけでもないから。
〔 吉野分科会長 〕そうですね。
〔 池尾委員 〕そうすると何か、行ってきましたという経験を語るだけになってしまって。
〔 吉野分科会長 〕アメリカの場合には、1枚の紙がありまして、それを持って政府系に行くというのがありました。
〔 林田臨時委員 〕非常に高額の融資で、この制度を受けられると非常に有利な感じがするものですから、その辺、実務上の話になるのかもしれないんですけれども、よく見て貸していただかないと財投としても困ってしまうなという感じです。
〔 吉野分科会長 〕富田先生、どうぞ。
〔 富田委員 〕先ほどのご説明の中で、診療報酬の対象外の機械のことを言われて、だからこれでということになると、結局、民間金融機関からしたら、保険も使えない機械でそれを貸すのか、そういう機械に貸すのかということになって、貸しにくいと思うんですね。極めて常識的に考えたらですね。だから僕はこれを聞いていて、何か、民間が貸しそうにないやつを対象にして30億円を貸すのかというふうに読んで、これは少し噴飯ものだなと思ったんだけれども、そこはどうなのですか。
〔 吉野分科会長 〕いかがでしょうか。
〔 瀬上福祉医療機構理事 〕お言葉を返すようでございますが、確かに民間が大変貸しづらい状況だと思います。さりとて、それではそれをすべて国公立でこうした医療施設を必要な数だけに限って作ることができるかといいますと、現在の状況では、国公立としてなかなか作りにくいということで、既に民間の医療機関が設置をしている例もございます。陽子線治療というものに対しては、国民の、大変ながんを患っている方々にとっては、本当にもう唯一の望みの機械でございますので、これに対して待ち行列が3カ月、6カ月できているという現状を考えますと、先ほどの繰り返しになりますが、やはりどこかで作っていただかなければならない。その場合に、民間の医療機関が作る、しかし金融機関は貸さないという状態の場合に、公設に代わって国の財投資金を使っていただいて、それを償還を確実にしていただきながら国民の皆さんに喜んでいただくということは、当然政府として進めるべき正しい道だと、このように考えております。
〔 吉野分科会長 〕川村先生、どうぞ。
〔 川村専門委員 〕これは質問というよりも意見になってしまうんですけれども、今のお答えは大変分かりやすいんですが、そうなると、それは特別会計でやる話なのかという議論にまでなってしまうのではないか。つまり、そこまで汎用的に必要があるのであるならば、国として出し切りで抱えてしまってもしょうがないというレベルまでなりますね。つまり、ここは財投分科会で、要するに、融資なり投資であるというもので、いわば元本の償還確実性とか事業性ということを勘案して出すお金として適格かという範囲の質問が富田先生のご質問の趣旨だったんだと思うんですが、今のお答えを伺ってしまうと、何か、それを超えてしまっている結構危険なお答えのような気がしたものですから。
〔 瀬上福祉医療機構理事 〕申し訳ございません。利用料はそういう流れの中で、例えば陽子線ですと1クール、1週間あるいは15日ほどの治療になるかと思いますが、1クール300万円ぐらいの費用がかかることになっております。現在、これは民間の生命保険、医療保険関係、民間の保険のほうでこうした特約が作られておりまして、患者の皆さんは何とか調達しながら治療を受けている状況です。
そんなことから、設置した、ウェイティングリストができているような高度な医療機能をその他にも持っていて、この治療法を持っているところでは償却が現在できるようになってきたということであります。自己資本で作ったけれども、償却ができるようになってきて、ほっとされているところと聞いております。
〔 吉野分科会長 〕多分、我々共通のこちらの認識としては、医療・福祉の場合に、どうしても一般会計とか補助でやる部分と、それから融資でやる部分というのが、両方混在化されているようなところがありますから、融資でやる部分はしっかりそこで償還確実性があり、またそこから収益性があるというのでないといけないと思いますので、是非これからもそういうことに心掛けていただきたいと思いますので、どうも、今日はありがとうございました。
では、どうぞ。
〔 辻計画官 〕よろしいでしょうか。今、医療機械購入資金につきましていろいろご議論をいただきました。陽子線装置の必要性につきましては、るるご説明がございましたけれども、私どもとしては、この点については、既に全国にかなりの数があるということでございまして、現時点では公的機関を中心として、整備中のものも含めて既に7カ所あると承知しております。そういった中で民間でさらに需要があるかという点でございますとか、あるいは償還確実性の観点、そういった観点も踏まえまして、この30億円という金額については今後さらに議論をしていきたいと考えてございます。
〔 吉野分科会長 〕はい、ありがとうございました。
それでは引き続きまして、文部科学省の方と、それから日本学生支援機構の方、お願いいたします。
それでは辻計画官の方から、日本学生支援機構に関しまして、ご説明をお願いいたします。
〔 辻計画官 〕それではご説明させていただきます。資料3−1をご覧いただきたいと存じます。
表紙をおめくりいただきまして、1ページをご覧いただきたいと存じます。左上に23年度の概要の数字が出ておりますが、学生支援機構に対する財投、有利子の奨学金が対象でございますけれども、これの事業規模は23年度が8,215億円、前年度比709億円の増、財政投融資につきましては7,768億円、前年度比528億円の増の要求となってございます。
編成上の論点といたしましては3点ございまして、1点目が高等教育に対する公的支援の現況と今後のあり方という、比較的大きなテーマ。論点2が貸与資金の回収強化の点。3点目が事業・財投の規模についてでございます。
1枚おめくりいただきまして、2ページをご覧いただきたいと存じます。論点1でございますが、過去10年間を振り返ると、専ら有利子奨学金事業の規模の拡大によって奨学金の充実が図られてきておりますが、高等教育に対する公的支援の現況はどのようになっているのか。また、今後の支援のあり方をどのように認識しているのかという点でございます。
この点につきましては大きなテーマでございますので、後ほど文部科学省の方からもご説明させていただく段取りといたしておりますが、私どもの考え方といたしましては、奨学金制度の充実は、新成長戦略にも掲げられているとおり、重要な施策である。このうち、財投の対象である有利子奨学金事業については、着実な実施を図るため、引き続き、債権管理体制の強化を含む回収努力が求められるということでございます。
1枚おめくりいただきまして、3ページをご覧いただきたいと存じます。論点2、回収の状況でございます。この点は、繰り返し当分科会でもご議論いただいているところでございますけれども、機構は、理財局の実地監査のほか、事業仕分けにおいても回収の強化が求められており、これらを受けて、9月2日でございますが、有識者による検証意見の取りまとめが公表されたところ。この改善策は、貸与資金の回収にどのような効果を発揮するのか。
論点に対する考え方でございますが、文部科学省の検証意見については、業務量の増加に対応するための組織体制の強化や体制整備に係る財源の確保が盛り込まれており、その効果が期待されるところであるが、機構に対する財政融資資金の貸付残高は年々増加し、21年度末現在では約3.1兆円に上っている。公的資金である財政融資資金の償還確実性の確保を図る観点から、検証結果の着実な実施が必要であると考えてございます。
1枚おめくりいただきまして、論点の3、事業規模・財投についてでございます。冒頭、ご覧いただきましたように、事業規模については、対前年度9.4%の増、財投についても7.3%の増ということで要求が伸びておりますが、21年度の実績及び学生のニーズ等を適正に反映した内容となっているか。また、貸与に当たっては、大学等における審査を強化するなど、責任の所在を明確にするべきではないかという点でございます。
考え方でございますが、事業規模の要求は、直近における採用状況を踏まえた積算がなされているところ。採用した学生の適格性については、毎年、大学等を通じて学業成績等をチェックし、採用条件である学修の意欲の審査「適格認定」がなされている。また、個人信用情報機関の活用も本格化しており、機構においては、これらの取り組みを厳格に行うことにより、奨学金制度の信頼を高め、学生のニーズに適切に対応すべきである。
今、「適格認定」という言葉が出ましたので、資料3−2の3ページをご覧いただきたいと存じます。今、申し上げました「適格認定」でございますけれども、一番上の囲みにございますように、機構は毎年1回、学校長の協力を得て、奨学生の「適格認定」というのを実施してございまして、これによりまして、奨学生が引き続き学修意欲などの採用基準を満たしているかどうかを学校を通じて確認しているということでございます。
具体的には、一番下をご覧いただきたいわけでございますが、例えば留年した場合は奨学金を廃止するとか、単位取得状況が悪い場合は奨学金を停止するとか、そういった認定作業をやっていただいているということでございます。
それから、真ん中のあたりの経済状況のところでございますけれども、奨学生の収入と支出の状況を確認いたしまして、必要に応じて必要最小限の月額を選択するよう、奨学生に指導するということも学校にお願いしているところでございます。
私からは以上でございます。
〔 吉野分科会長 〕ありがとうございます。では、引き続きまして、文部科学省の方、お願いいたします。
〔 加藤文部科学省大臣官房審議官 〕文部科学省から補足の説明をさせていただきます。
それでは、資料3−3に基づいて説明させていただきます。論点1に関係するということでご説明させていただきます。
まず、右下に1ページとあるところをご覧いただきますと、我が国の教育支出の公費負担割合は、諸外国に比べ低いということでございまして、これは簡単に申し上げれば、大学に教育関係で入ってくるお金のうち、公財政から入ってくるのが約3割、私費負担で入ってくるのが約7割ということでありまして、この絵を見ていただきまと、OECD平均に比べてもかなり私費負担が高いという状況です。
次に行きまして、2ページ、家計の最近の状況がどうかということでございますが、給与所得者の平均給与については、もう先生方ご承知のとおり、左のグラフのように下がってきているわけでございます。一方、国立大学にしても私立大学にしても、授業料そのものが上がってきていることもあって、またこういった平均給与の下降と相まって、給与額に占める授業料の割合というのが、国立でも、ここ10年の間に約4%だったものが9%、私立の場合ですと9%弱が14%という状況です。
そういった中で、次の3ページでありますが、学生生活費、これは生活だけではなくて学費も含んでいますけれども、それを賄うための収入区分がどうなっているかということですが、平成12年と直近の平成20年を比べますと、家庭からの給付が72%から66%、一方、奨学金が8.5%から15.3%ということで、非常に重要性を増してきております。
また、奨学金を受けられなかった場合、修学できるかどうかというアンケート調査を見ましても、受けられない場合、「修学が著しく困難」、あるいは「困難」というのを合わせますと、85%ぐらいがそういう状況になるということです。
現在、学生への支援の状況はどうなっているかということでございます。4ページですが、ここは学部と大学院の修士課程、大学院の博士課程、それぞれについてどうかということを見てございますが、一番主なものが奨学金でございます。日本学生支援機構の奨学金でございますが、これが全課程通しますと、借りている学生が約100万人弱という状況でございます。
それから、給与型の支援といたしまして、大学院の学生に対して、ティーチング・アシスタント、あるいはリサーチ・アシスタントという形の支援がございます。
それから3番目の大きな柱として、授業料減免というものがございます。これにつきましても、それぞれの課程でどれだけの学生が受けられているかといったことが括弧内のパーセンテージなどで示されている状況でございます。これをご覧いただきましても、奨学金というのが非常に重要な役割を果たしているということでございます。
5ページでございますが、先ほど、計画官からのご説明にもございましたけれども、平成10年度以降、奨学金を受けている学生が非常に伸びてきている状況でございまして、ほとんどが有利子奨学金を伸ばすということで、それをさせていただいているところでございます。
一方、次の6ページでございます、授業料減免でございますが、これにつきましても、今回、来年度の要求では授業料減免もより強化していくということで、国立大学につきましては、今後3年間で過去最高水準、これは12.5%の学生が減免を受けられるという状態でしたけれども、そこに持っていく。その際、博士については25%が減免を受けられるようにする。私立大学につきましても、今後3年間で対象学生を倍増すべく、私学助成で対応していくという要望をさせていただいているところであります。
それから、先ほども少し触れました給与型の支援でございます、ティーチング・アシスタントとリサーチ・アシスタントでございますが、実際、どれぐらい受けられているかということでありますが、ティーチング・アシスタントですと、これは専ら修士課程の学生が対象でございまして6万3,000人ぐらい、修士の学生の約4割、受けている額が1人当たり月額9,000円。それから、リサーチ・アシスタントにつきましては、こちらは博士課程の学生が受ける主体になってまいりますけれども、1万2,000人が受けていて、博士課程の学生の約16%、受けている額が月額平均4万円という状況でございます。
それから、今後どうしていくかというのが次の8ページでございますが、新成長戦略でも奨学金を充実していくということが入っているわけでございます。あと、その際、そういったものを受けまして、来年度の要求、要望では、1つは無利子奨学金を拡充していくということをしてございます。有利子につきましては、おかげさまで、貸与資格を満たす学生が全員受けられている状況でございますけれども、無利子につきましては、貸与基準を満たしながら財源不足で受けられない学生が学部、大学院合わせて2万6,000人ございます。それを解消していくということ。それから、学力基準が今は上位3分の1ですけれども、これを5年かけて上位5分の2にしていくということを盛り込んでございます。また、授業料減免につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。
それで、このように経済支援を強化していく一方で、民主党政権で言われております「新しい公共」についても、大学生のうちに新しい公共の担い手として育ててもらうということ、これをうまく連携・融合させて進めていこうという考え方にしております。こういった経済的支援を受ける学生については、ボランティア活動、あるいは研究成果のアウトリーチなどをきちっと行ってもらうというふうにしていく、それをうまく織り込むような仕組みを今、専門家の意見も聞きながら検討を進めている状況でございます。
それで、ここでは奨学金については無利子奨学金だけ書いてございますけれども、これは当然、有利子奨学金を受ける学生についても、こういった新しい公共の担い手としての活動をきちっとやっていくということをよく見て支給していくというふうに進めてまいりたいと考えてございます。
以下は参考の資料でございますので、説明は省略させていただきます。以上でございます。
〔 吉野分科会長 〕ありがとうございました。それでは、いかがでしょうか。
先ほど、先に退席されました江川先生から、1つご質問がございまして、資料3−3の5ページ、今ご説明いただきましたところですけれども、この図を見ますと、平成10年ぐらいですと無利子奨学金が大半で、それが今、奨学金は伸びていますけれども有利子が多い。こうしますと、結局、大学卒業時に多額の債務を負って就職しなくてはいけないという人たちが増えているものですから大変だと思いますがということが書いてありますが、もう少し無利子奨学金というのも考えていただけないでしょうかというコメント、ご質問がございました。
あと、ほかにございますでしょうか。いかがでしょうか。では、川村先生。
〔 川村専門委員 〕以前、この会議の場でもお聞きしたことだと思うんですけれども、これ、調べられているんでしょうか、デフォルト率の推移と特性、この辺がどうなのか。概要で結構なんですが、教えていただきたいということが1つ。
もう一つ、審査というんでしょうか、貸していい相手かどうかというのは、どうしても相手が学生ですから、定性的な判断にせざるを得ないという部分、あるいはそれを中心にせざるを得ないという部分があるんだろうと思うんですが、これまた、財投の一環として原資といいますか、あるということになると、そこはそこで政策目的といっても、やっぱり返してもらうものは返してもらわなくてはいけないという当然の縛りがあるわけで、そういう意味での審査体制。私も10年、大学の現場にいましたけれども、はっきり言って、あれは審査ではないですね。書類を出して、形式的に当たればそれでオーケーみたいなもので、君、きちんと返すんだよというのが審査と言えば審査というのが、実際、大学窓口の現場になっております。
そうすると、返さなくてはいけないお金を貸しているんだよ、利息も取られるんだよというところのチェック機能というのを、従前は極めてミクロで、私はあんまり整っていなかったという印象があるんですが、これだけ社会問題化もする中で、現在、そして今後どうされていくのか、審査体制、この2つについて教えていただければと思います。
〔 吉野分科会長 〕ほかにございますでしょうか。では、林田先生、どうぞ。
〔 林田臨時委員 〕今の質問に関連して、適格審査というのを学校長が確認をするということになっています。デフォルトになった場合に、学生は返せと回収を求められるけれども、審査をした学校に対しては何か、デフォルトがすごく多い学校に対してはこうだとかいうものはあるのでしょうか。
〔 吉野分科会長 〕学校の責任ですね。
〔 林田臨時委員 〕何かそういった一定の牽制効果があるのかないのか、その点を教えていただければと思います。
〔 吉野分科会長 〕それはよろしいですね。よろしいですか。では、今松先生、どうぞ。
〔 今松臨時委員 〕事実関係がわかればなんですけれども、ここのところの大学生の就職率が落ちているというか、4年終わった段階でなかなか就職できない、あるいはしない学生が増えている中で、そのあたりは、その影響というのはどういう格好で実際の返済等に響いてきているのか。確か、卒業時点でしっかりと将来を把握し、例えば就職した場合には給与口座からということ等というのは、前、議論されましたけれども、そのぐらいならいいんですけれども、必ずしもそうでもない、相当、学生自体が、就職しているのかしていないのか分からない状況にその後なってくると、極めて分かりにくいというか、それで放っておいたら、さらに把握不可能というか、難しくなってくると思います。そういう現状というのはどうなっているんでしょうか。
〔 吉野分科会長 〕では、以上の点ですけれども、いかがでしょうか。文部科学省、それから日本学生支援機構の方、お願いしたいと思います。
〔 月岡(独)日本学生支援機構理事 〕日本学生支援機構の月岡と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初のデフォルト率ということでございますけれども、私ども、毎月毎月、返還の履行額を出しますので、各年度、どれだけの分の金額を回収する必要があるのかといったことを算定し、それに対してどの程度回収できているかということを調べております。昨年、平成21年度の段階では、3,983億円が要回収額でございましたけれども、それに対して80.0%の3,186億円が回収されているところでございます。
それから、対学生への審査が十分されていないのではないかということでございます。確かにご指摘のとおり、私ども、奨学金は、どちらかといいますと、経済的な事情が苦しくて奨学金の貸与を受けないと進学ができない、学業を継続することができないといった学生を中心に貸与いたしておりますので、学生そのものの例えば経済状況とか、そういったことを見ているわけではございませんけれども、これが貸与の奨学金であって、必ず返済しなければいけない。それから、返済をされた皆さん方の返還金が次の学生の奨学金の原資になっている。したがって、そういった意味では、奨学金という仕組みを通して、返還をするということを通して、皆さん方と同じように、経済的に苦しいけれども、向学心がある学生を支援することができる、そういった意義もあるといったことなどを中心として、必ず返すことと責任を持って返すことといったようなことを繰り返し指導いたしておりまして、その指導をさらに強化していかなければいけないと思っているところでございます。
それから、学校へのペナルティーでございますけれども、確かに延滞者の割合、返還をしなければいけない人数に対する延滞している人の割合というのは、学校ごとに違いがあるところでございまして、そのような延滞率の大きさに着目いたしまして、各学校に対しまして、推薦することができる枠を算定する際に、延滞率が高いところにつきましては推薦する枠を縮める、延滞率が低いところについては、逆にそういった措置は講じないといったような形で、延滞率を反映する度合いを昨年度少し重くしたというところでございまして、その点、学校にも説明をしつつ、学校に対して在学生、あるいは卒業生に対しての返還の指導ということを強力に行ってくれるようにといったことをお願いしているところでございます。
それから、就職率の悪化が返済状況にどのように結びついているのかということでございますけれども、これは把握することがなかなか難しいところではございますが、私どもの奨学金は3月に卒業いたしまして、貸与が満期となりますけれども、その後、7カ月後、つまり10月から返還が始まる仕組みでございます。3月の卒業生にとりまして、今年の10月が第1回目でございますけれども、その際に、初めから返還ができないといったことにならないようにするために、経済的に苦しければ返還期限の猶予といった仕組みもありますよといったことを周知いたしております。
今年の現在の状況でございますけれども、新卒者、それ以外のものも全部含めまして、返還期限の猶予を申し出てくる者の割合が、この8月、9月ごろでは、昨年度の1.3倍ぐらいとなっておりまして、そういった意味では経済的に苦しい人も増えてきているのではないかと感じているところでございます。残念ながら、就職率とか、そういった詳細につきましては、私どもデータがございませんで、十分なお答えができないことをおわび申し上げたいと思います。
以上でございます。
〔 吉野分科会長 〕では、川村委員、どうぞ。
〔 川村専門委員 〕先ほど伺った21年度で、デフォルト率ではなくて未回収率と言うべきなんでしょうけれども、ほぼそれに似た概念、およそ2割ですよね。2割のものが、ありていに言えば、取りっぱぐれている特殊な金融であるという世界で、もちろん、相手が学生であり、かつ、社会的な意義というものも大変分かるんですけれども、しかしこれは絶対放置はできないのも他方で事実で、そうすると、これが資料3−3の5ページ、先ほど、江川委員のご指摘の5ページと、それから10ページと、これをよく見てみると、もちろん就職状況とかそういうのもあるんでしょうが、ありていに言うと、母数になる学生の数はそんなに変わっていない中で、毎年フローベースで50万人、平成10年度で50万人が借りていたものが直近だと131万人ですか、3倍近くになっている。そうすると、要するに不良貸出し先がどんどん増えているのか、あるいは未回収率20%という数字は、そんなに過去から変わっていなかったのか。
これは想像ですが、多分急速に回収率は悪くなっているのではないかという想像をするんですが、もし仮にそうだとしたら、先ほどおっしゃっていたような、人に道を説くような審査ということだけで今後もやっていっていいのか、それは大変疑問に思うんですが、いかがでしょうか。
〔 吉野分科会長 〕お願いいたします。
〔 月岡(独)日本学生支援機構理事 〕今、金額ベースで申し上げましたけれども、人数ベースの数字も実はございまして、平成21年度末の段階で、私ども返還をしていただく必要がある人数というのは、273万1,000人いると把握いたしております。それに対しまして、返還期日を3カ月以上経過して延滞している人数というのが21万1,000人でございまして、7.7%という状況でございます。
なお、人数ベースで申し上げますと、返還を要する人数に占める返還期日を3カ月以上経過、延滞している人数の割合でございますけれども、平成18年度末が9.0%、平成19年度末が8.5%、平成20年度末が8.0%、平成21年度末が7.7%ということで、また先ほど80.0%という数字を申し上げましたけれども、これも平成18年度におきましては78.5%であったものが、現在、80.0%ということでございまして、この審議会でのご指導、ご意見その他も踏まえまして、回収には意を用いてきているところでございます。
そういったことの成果もありまして、徐々に延滞の解消といいましょうか、あるいは延滞の削減といいましょうか、そういったものの成果が出てきているところではないかと思っておりまして、引き続き強力にこのことは推進してまいりたいと考えております。
〔 吉野分科会長 〕よろしいでしょうか。では、池尾先生、どうぞ。
〔 池尾委員 〕個人的な感想みたいなことを言って申し訳ないんですが、本来的には国民負担率をもっと高めて、それに見合って公教育に対する公的負担、公的支出を拡大して、奨学金も貸与ではなくて給付型を増やすというのが、私は個人的にはそれが望ましい姿だと思っているんですが、増税がかなわない現実の中では、貸与型の奨学金を中心にやっていかざるを得ないということになると、現実の問題としては、育英会ではなくて金融機関なんだということで、業務を遂行してもらうしかない現実になっているのではないかと思うんです。
ただ、金融機関としての体制という意味でいうと、それの整備は十分ではなくて、それが過去の延滞の問題等につながったんだと思いますが、それが徐々には体制整備が進んできているということは、今、ご紹介のあった数字等に反映されているんだと思います。なかなか私ども、教育に携わっていて、金融機関としてやってくださいと言うのが、少し本意でないところがあるんですが、制度上は財投機関として、金融機関として体制整備をしてやっていただかざるを得ない、そういう現実ではないかということで、そういう現実からすると、まだまだ体制整備という点において課題があるような気がいたします。意見ですが。
〔 吉野分科会長 〕では、富田先生、最後にどうぞ。
〔 富田委員 〕基本的には池尾先生と同じ見解なんですが、それを踏まえて質問させていただきたいんですけれども、回収率とか不良債権の比率が、改善が見られてきたというのはおっしゃったわけですけれども、それに機関保証の制度がどのように関係しているのかということをお聞きしたいんです。
これは、住宅金融公庫の場合でも、やはり保証会社に非常に大きな国民負担がたまってしまった。そういう意味で、保証機関が現在どうなっているか。保証料も結構高くて、私も学生から聞きますと、月5,000円だと。月5,000円というと、君、1日のアルバイト料だろうと、1日勉強するのをやめて、アルバイトして保証料を払うのかねという問題でもあるわけでして、だから機関保証の制度がどういう形で役に立っているかということをまずお聞きしたいと思います。
〔 吉野分科会長 〕お願いいたします。
〔 月岡(独)日本学生支援機構理事 〕今、富田先生からひと月5,000円の保証料というお話がございましたけれども、確かに保証料を保証機関に支払うことによって連帯保証を受けているというのが機関保証の仕組みでございます。
大学の二種の場合で、例えば8万円を4年間借りるといった形で動きますと、大体4,500円ぐらいになっております。これは、金利との関連で動いてまいりますけれども、そのような状況かと思っておりますが、機関保証は平成16年度に導入されまして、そういった意味では19年度に、4年間フルに貸与を受けた人間が卒業していくということで、20年度、21年度と徐々に、機関保証によって代位弁済を受けなくてはいけないという状況になる学生が徐々に増えてきているという状況でございます。
したがって、保証機関の経営状況というものにつきましては、まだまだ慎重に見定めていく必要があろうかと思いますけれども、保証機関の保証制度の永続性、継続性ということもございますので、機関保証の進行状況といいますか、そういったものについて、毎年レビューをすることにいたしておりまして、今年もそれで行ってまいりたいと思っております。
昨年度やった段階では、回収強化策などを講じながら進めることによって、一定期間は安定した経営ができるんではないかということではございましたけれども、それも回収率に依存するところが大きいわけでございますので、今年度改めてまたレビューをしたいと考えております。
〔 吉野分科会長 〕もう一つ、どうぞ。
〔 富田委員 〕もう一つ、先ほど、毎年1回、機構が大学の協力を得て適格認定を行うと、これの実施状況と、その効果ですね。先ほどは延滞率の高いところには枠の設定を厳しくするんだというお話があったんですけれども、そういうのはどこかに公開されているんでしょうか。
〔 吉野分科会長 〕いかがでしょうか。
〔 月岡(独)日本学生支援機構理事 〕延滞率が枠の設定に反映するということは、各学校にはお知らせいたしております。
〔 富田委員 〕公表はされていないんでしょうか。つまり納税者に分かるような形になっているかどうか。
〔 月岡(独)日本学生支援機構理事 〕学校ごとの延滞率の公表は現時点ではまだいたしておりません。今後、どのようにするかということを検討しているところでございます。
それから適格認定の実施状況でございますけれども、これは毎年1回、必ずやっていただくということになっておりまして、まず学生に対しまして、適格認定の前提となります奨学金の継続願いというものの提出を求めております。その際には、併せて、あなたが現在、幾ら借りているかといったことの情報もお渡しをして、現時点における経済状況とか、あるいは自分自身の、先ほど、計画官のご説明にもございましたけれども、奨学金も含めた収入と支出の差額などを記入させまして、奨学金が必要かどうかということと、現在、借りている金額が多過ぎないかといったことについて点検することをいたしております。
もちろん、それ以外に、学業成績その他につきましても、これは各大学、学校が点検するところでございますけれども、点検させまして、それをベースに継続すべきかどうか、あるいは継続するとしても、無警告で通していいのか、警告、激励、そういった措置を講ずべきなのかといったことを判断いたしております。
ちなみに、平成21年度におきましては、84万5,000人程度が適格認定の審査対象でございましたけれども、そのうち学業成績不振によって廃止となった者が3,153人、学校処分によって廃止となった者が334人、奨学金の停止という形で、学業成績の不振で停止となった者が1万324人と、そういったような形で廃止、停止、あるいは警告、激励といったことを本人に与えているところでございます。そのような廃止、停止、警告、激励の対象となった人数の合計は6万5,314人でございまして、全体では7.7%となっております。
なお、先生ご指摘のように、各学校においてきちんとされているかどうかというところもございますので、今年度、一部の学校を抽出いたしまして、実態調査を行いまして、そのことを踏まえて、改善すべき点を抽出し、改めて指導するということといたしております。
〔 加藤文部科学省大臣官房審議官 〕少し補足してよろしいですか。
〔 吉野分科会長 〕お願いいたします。
〔 加藤文部科学省大臣官房審議官 〕体制整備について幾つかご意見が出ておりました。この件につきましては、文部科学省で行いました有識者による検証でも、きちんとした体制整備が必要だというご指摘をいただいておりまして、来年度の要求では、日本学生支援機構の運営費交付金全体が減額しておりますけれども、その中でも奨学金の回収強化のための施策については増額要求をいたしているところでございます。
〔 吉野分科会長 〕引き続き、先ほど、池尾先生のご意見もありましたけれども、一応金融ですので、フォローアップというのをしていただきたいと思いますし、今日のこの議論にありますように、あまりにも不良債権比率といいますか、貸倒れが大きいところに関しては、今年は少しずつそういうところは減額するということをやられていますけれども、公表まで含めて、責任というのもある程度あるんではないかということを考えております。どうもありがとうございました。
では、最後は、地方公共団体に関しまして、総務省の方にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
今日は少し時間がオーバーしてしまっているのですが、十分に聞いていただいたほうがいいのではないかと思いますので、申し訳ありませんがよろしくお願いします。
それでは、地方公共団体に関しまして、まず辻計画官からご説明いただき、その後、総務省からご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
〔 辻計画官 〕それでは、地方向けの財投についてご説明させていただきます。資料といたしましては、右肩に4−1と4−2とあるものがございますが、最初に4−2のほうをご覧いただきたいと思います。
4−2の資料、1ページ目をご覧いただきますと、地方公共団体の23年度の要求の概要を掲載しております。23年度の地方債計画の見込額でございますが、資料の真ん中あたりにございますように、総計で15兆4,583億円、前年度比で4,393億円の減になってございます。減となっている主な要因としては、臨時財政対策債、退職手当債といったものの減少がございます。
表の下のほうに資金区分別の数字がございますが、23年度につきましては、今申し上げました総計の見込額につきまして、基本的に22年度のシェアそのままで単純に按分計算した数字を仮置きしてございまして、財政融資資金については4兆2,200億円、前年度比で1,190億円減の要求となってございます。
ご留意いただきたい点でございますが、下のほうの注1でございますけれども、この数字はあくまで8月時点での総務省の見込みの数字でございまして、注2にございますように、この計数につきましては、今後12月に行われる地財折衝で大きく変動する可能性があるということでございまして、あくまで現時点での仮置きの数字ということでご理解いただきたいと存じます。
2ページ目をご覧いただきたいと存じます。財投の総額と地方向け財投のフローの推移でございます。地方向け財投、これは先ほど申しました地方向けの財政融資のほかに、現在の地方公共団体金融機構への政府保証を含んだ金額でございますが、これが平成13年からの財投改革後、特に16年度、17年度あたりから大幅に減少し始めて、20年度では4.0兆円の水準まで下がってきております。その後、少し増加しておりますけれども、主な要因としては、21年度はリーマン・ショックの影響、22年度は地方公共団体の大幅な税収減の影響がございます。
4ページ目でございますが、地方債計画の総額と地方向け財政融資の推移を示した資料でございます。財政融資資金比率については、財投改革がスタートいたしました13年度当時で5割近い水準になっており、また、財政融資資金に地方公共団体金融機構資金を合わせた数字である公的資金比率については13年度当時は6割近い水準になっていたわけでございますが、これが直近では財政融資資金比率で約3割、公的資金比率でも約4割の水準まで縮減されてきているということでございます。
6ページ目でございますが、都道府県・指定都市・市町村別の20年度の地方債の発行実績を示した資料でございます。
都道府県等のところをご覧いただきますと、財政融資資金は11%程度にとどまっておりまして、市場公募と銀行等引受を合わせた民間資金が9割近い数字になっているということに対しまして、市町村等のところをご覧いただきますと、財政融資、地方公共団体金融機構を合わせた公的資金が6割近く、民間資金が4割程度の数字になっているということでございます。地方向け財政融資におきましては、民間資金を基本といたしまして、公的資金はこれを補完するという立場に立って、自治体ごとの資金調達能力の差を踏まえた重点化を図ってきているわけでございますけれども、そういった考え方に沿った実態になっているということがご確認いただけるのではないかと存じます。
前置きが長くなりまして恐縮でございますが、資料4−1のほうに戻っていただきたいと存じます。
編成上の論点としては、2つ掲げさせていただいております。1つが、地方向け財政融資については、民間資金を補完するものとしての位置付けを踏まえて策定すべきではないかという点。2点目が、臨時財政対策債のような赤字補填の性格を有する地方債に対する財政融資資金のあり方についてどう考えるかという点でございます。
2ページ目の論点1『地方向け財政融資については、財投改革の趣旨を踏まえ、地方公共団体の自立的な財政運営を促す観点から、市場公募等の民間資金によることを基本とし、公的資金はこれを補完するものとの位置付けをしっかりと踏まえて策定すべきではないか』に対する考え方の1点目でございますが、先ほどご覧いただきましたように、財投改革後、財政融資資金の地方債計画に占める割合は、約50%から26%(20年度)まで縮減を図ってきております。21年度はリーマン・ショック、22年度は国・地方を通じた大幅な税収減を背景として、財政融資資金比率を増加させてきておりますが、来年度についてはこのような特殊事情が見込まれないことから、平時対応ベース、20年度ごろを念頭に置いた水準に回帰すべきではないかと考えております。
論点に対する考え方の2点目でございますが、財政融資資金については、地方公共団体の資金調達能力や資金使途に着目した重点化を着実に実施していくべきではないかと考えております。
3ページ目の論点に対する考え方の3点目でございますが、同じく公的資金である地方公共団体金融機構資金の地方債計画に占める比率は、公営企業金融公庫からの移行前より高まっているが、地方公共団体金融機構法の規定を踏まえ、適切な規模の縮減を図っていくべきではないかということでございます。
4ページ目の論点の2『地方公共団体の財務規律の維持・向上を図る観点や、地方公共団体金融機構との役割分担の観点から、臨時財政対策債のような赤字補填の性格を有する地方債に対する財政融資資金のあり方についてどう考えるか』に対する考え方でございますが、財政融資資金は、災害復旧事業など国が責任を持って対応すべき分野や、一般公共事業など国の政策と密接な関係のある分野に重点的に配分すべきであり、臨時財政対策債のような赤字補填の性格を有する地方債は相応しくない面を有することを踏まえ、財政融資資金による引受割合について見直しを行うことが適当と考えられるのではないかということでございます。
私からは以上でございます。
〔 吉野分科会長 〕それでは、総務省の方からご説明をお願いいたします。
〔 満田総務省自治財政局地方債課長 〕総務省地方債課長の満田でございます。平素から資金の手当てにつきましてご高配を賜り、心からお礼を申し上げたいと思います。
来年度の財政投融資の地方分につきましては、今、辻計画官の方からご説明がございましたとおりの要求をさせていただいているところでございます。今後、地方財政対策がいろいろ講じられるに従いまして、手前どものほうの地方債で手当てすべき金額も変動してまいりますが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
あわせまして、1点、ご報告を申し上げたいと思います。去る9月に総務大臣が片山善博大臣にかわられたわけでございますけれども、片山総務大臣から、地方債に対する国の関与のあり方の見直しについての指示を今、内部で受けているところでございます。これは、参議院の総務委員会、10月21日でございますが、こちらでも言及されております。ここは誤解があるといけないので、大臣の答弁の部分をそのまま読み上げたいと思います。
「今のように、一件一件の事業について、一つ一つを微に入り細をうがって国がいいの悪いのと言うような、そんなことはやめるべきだと思うんです。じゃ、全くフリーにしていいかというと、それは私は必ずしもそうは思っておりません。個々の個別の事業について、これはいい、あるいは悪い、そんなことまでやる必要はない。あくまでも、包括関与はいいけれども、個別の関与はやめるべきだというのが私の考え方であります」。
昨日もまた、同じく参議院の総務委員会でございましたが、同様の質問が出まして、「前回議論をしましたけれども、私は全く野放図にしたらいいという論者ではありません。ただ、現実はもう一つ一つの事業について微に入り細をうがって」――中略しますが、「チェックを入れているわけです。木を見て森を見ざるとは言いませんけど、実は木を一生懸命見ているわけです。もっと総枠として、これぐらいの規模の自治体ならばこれぐらいの債務の発行はまあ許容されるだろうというぐらいの基準を決めて、その中は自由にして、それをはみ出るときにはチェックをする、こういう包括的な関与のほうがいいのではないかと思うのです。そういう意味でいいますと、既にもう地方公共団体の財政の健全化に関する法律というのはありますから、そこでは自治体の規模の財政力に応じて総体としての債務がどれぐらいかというので、その指標によって、黄信号、それならある程度の国の関与があります、赤信号、もうかなりの強い関与がありますというのが今仕組みとしてありますから、そういうものがもう数年前にできていますので、ですから今のような個別の、木ばっかり見るようなそういう、木ばっかりじゃない、葉っぱまで見るような、そういう関与はもう撤退したらどうかというのが私の考え方であります」と。
ほぼ同様のことを内部でも指示を受けておりまして、決して個々の団体の財政状況を悪化させるとか、ましてや返済について疑念を生じるなどという信用にかかわる話を起こすということは一切なくて、ただ、個々の事業についての事前の関与ということでなくても、信用力・信用ある借り手としての財政運営ができるだろうという趣旨でございまして、個別の国による関与から事前にルールを包括的に決めていって、事後にチェックをするという方向に移行すべきだという話を受けております。
年末まで、ないしは来年の春までの時間もないところではございますが、今、どのような制度的手当てが必要で、ないしは可能であるのかということを内部で検討しているところでございます。
以上でございます。
〔 吉野分科会長 〕どうもありがとうございました。今のご説明ですと、財政融資資金からの貸出しは、全体のプールとして返済できるかどうかを見るべきであって、個々の事業を見るべきではないと私は解釈したのですがいかがでしょうか。
〔 満田総務省自治財政局地方債課長 〕それは資金のいかんを問わずということであろうと思います。つまり個々の団体で、どの程度の規模まで借り入れて、それは返済力との関係でいって、やや注意しなくてはいけないのではないかと思うとか思わないということでありまして、資金の別ということではなくて、借り入れの総量という格好になろうかとは思います。
以上です。
〔 吉野分科会長 〕ありがとうございます。それから、諸外国ではプロジェクトボンドやレベニューボンドによって、水道事業等に民間の資金を入れてきて、公的な資金をなるべく少なくして、自立的にやっていこうという動きもあると思いますので、全部を国が見る、あるいは地方債で見るというのではなくて、民間の資金を入れるという努力も必要なのではないかと思います。
それから、資料4−2の6ページのところで見ますと、ここに3つの図がございますけれども、一番左が都道府県で、市場公募債の比率が非常に高い。それから、指定都市も高いと思います。これは、マーケットとしてもここだったら買えるだろうということでしょう。一方で、一番右側の市町村・特別区は、ほとんど市場公募がなくて、公的な部分の比率が多くなっていますが、そうなると、返済可能性というよりは、やはり資金がないところが公的資金に頼っているように見えるのですが、この点について後でお答えいただければと思います。
それから、ほかの先生方、いかがでしょうか。では、富田先生、どうぞ。
〔 富田委員 〕今の片山大臣からの包括関与の方向でというお話ですが、これは地方財政計画全体への影響をどのように見ておられるのでしょうか。例えば、事業ごとに起債充当率があって、また基準財政需要額を個別に算定して合計を出しておられますが、そういったものと、地方債の包括関与との関係は、どのようになっているのでしょうかという質問です。
〔 吉野分科会長 〕今松先生、どうぞ。
〔 今松臨時委員 〕実際にこれから先、事業等やっていくに際して、片山大臣の発言は私も理解できますが、具体的に、その後のつじつまをどう合わせるのでしょうか。つまり、これまで財投の分科会でも議論になっていた事業そのものについての、返済可能性まで踏み込んだ場合、実地監査等を通じていろいろな問題も出てきていますので、財政融資資金と機構資金の両方で資金を融通する場合の仕組みを整備していただかないと、後々になって大きな問題になるのではないかと思います。つまり、自治体がやっているから何でもオーケーではないということは、貸し手側からすれば当然のことなので、実際、住民にとっての十分な便益は出ている一方で、実態的にそれが金融から見て赤字になるといった場合には、それをどのようにフォローしていくかについて、また、包括関与の場合には、一歩踏み込んで、どのようにそれを担保するのかを考えていただければと思います。少なくともその点については今後、明確にしてもらわないと、一方的には難しくなってくるのではないかという気がします。
〔 吉野分科会長 〕川村先生、どうぞ。
〔 川村専門委員 〕吉野分科会長ご指摘の参考資料4−2の6ページを見ると、市町村・特別区と都道府県と、明らかに借り手が違うわけですね。都道府県については、市場公募地方債がマーケットに近い形で発行されるようになり、これはこの10年で大変大きな進展だと思いますが、一方で、財政融資資金を銀行等引受よりも多いポーションで市町村に貸し付けているという状況をどう考えるかは非常に重たい議論であり、地方をどうするかという大変重たい問題や従来からの経緯等がある中で、簡単には結論が出ないとは理解しております。しかし、特に「財投金融機関」という立場から見たときに、全く違う借り手に対して、結果として同じやり方で貸し付けていることについては、今後相当考えていかなくてはいけないのではないかと、また総務省においても、是非お考えいただきたいと思います。
〔 吉野分科会長 〕では、今の意見に関して、お願いいたします。
〔 満田総務省自治財政局地方債課長 〕先に川村先生のご意見について申し上げますと、確かに市町村・特別区の中には小さい規模の団体もありまして、結果としてこういう形になっているということですけれども、ただ、確かに、一に何よりも民間金融機関から借りるということが自助で、 次に機構という共助があって、公助があるという言い方を近年、我々も地方公共団体に対してはよく行っておるところです。
ですから、小規模なところは当然市場公募債を起こさなくても借りられるわけですので、民間から借りるということを原則にしていって、それから先ほど、辻計画官からもご説明があったように、公的なものというのはやはり重点化していくという方向性には変わりはないんだろうと思っています。
それから、金額は非常に少ないんですけれども、住民公募、少し今、金利が低いので少し止まっているんですけれども、住民公募の動きは広がっていて、また時期がよくなれば広がっていくだろうと思っていますので、少し時間はかかりますけれども、この点についても我々も努力していきたいと思っています。以上でございます。
〔 川村専門委員 〕ありがとうございます。
〔 満田総務省自治財政局地方債課長 〕最初に座長から言われましたのが、レベニュー債的な、ないしは民間の多様な資金というご指摘もございましたが、繰り返しになりますけれども、公的なものは、特に公助の部分は重点化であるということはそのとおりだと思います。
アメリカのレベニュー債が、今、日本の公営企業の仕組みですぐ出来るかどうかは、日本とアメリカの公営企業の独立性の違いですとか、あるいは租税との関係などもいろいろと整理しなければならないかなと思いますけれども、ただ、いずれにせよ、例えば外郭団体で一切保証なしに借り入れているなんていう事例も、これは当然地方債ではないわけですけれども、出始めておりますし、資金調達のあり方について、いわゆる市場化をさせていくということについては、地方公共団体側もよく考えて進んでいるのではないかと思っております。我々も、現在の制度内で可能なものについては進めていかなければならないと思っております。
それから、富田先生から言われました地方財政計画との関係ということですが、各事業の地方負担分については、交付税の中でどこの部分まで交付税で措置して、どこに地方債を充てるという、財源充当の考え方があるわけでございますが、この点につきましては、現在の考え方を前提としながら、地方債に関する国の関与の見直しを進めていくんだろうと思っております。
つまり、それを全部白紙にしてしまって、財源充当など考えずに、言ってみたら各団体の上限まで、すぐに上限まで借りなさいということではありません。地方債についての国の関与のあり方を変えることによって地方財政のあり方そのものを左右するというのでは、どこか、しっぽが胴体を振るような具合になりますので、そこは意図していないだろうと思っています。ただ、まだその辺の議論までは内部でできておりません。
ですから、現在のいわゆる地方財政的な発想や仕組みを前提とした上で、個々の団体への関与の仕方は、そこまでやらなくてもいいのではないかという部分があるという、そこの部分を我々としては洗い出していかなければならないと、このように今、自分たちの役割を考えております。以上です。
そして、今松先生がおっしゃられました、後になって、公的資金を借りる場合も、民間資金も同じですけれども、各団体で、監査のほうはしっかりとやるようにという制度改正も行ってきております。あと残り2点、資金配分の段階で、地方公共団体金融機構との配分調整の問題、機構との調整というのは、その問題のご指摘かと思いますが、こうした点については、実務的に問題がないよう、いろいろ考えていかなければならない。特に、現在の仕組、いろいろな手続の流れの中に何か問題があるかというと、どうもそういう具合でもないようですので、よく現状を踏まえて、そしてまた、関係者の意見をよく聞いて、公的資金の調整の仕方については工夫が要るだろうとは思っております。
それから、公的資金を意義ある分野に投入しなければならないということですけれども、ざくっと申し上げまして、今でも一般公共事業ですとか、あるいは大規模な国庫補助を伴います水道だとか地下鉄だとか、あるいは過疎事業で、補助、公共を伴う事業が財政融資資金をちょうだいしているところでございます。つまり、当該事業そのものを国庫補助対象とするかというところで、さまざまなチェックもされた後に、それに要する財源手当て、資金の借り入れとして財政融資をあわせていただくという形態になっておりまして、事業そのもので、ものすごく問題があるというものを選んでいるような仕組みにはなっていないと思います。おそらく今後は、どういう分野に財政融資をいただくかということについては事業分野単位で考えてゆくことになってくるのではないだろうかと考えているところでございます。
以上でございます。
〔 吉野分科会長 〕ありがとうございます。他の機構の方々も同じだと思いますが、補助で行う部分と融資で行う部分は、本質的には異なるものだと思いまして、つまり、リターンがあって、かつ低利で貸付けを行うということは、それ以上の外部効果等があって、理想的にはその地域が、その後自分で成長していくという形が最も良い公的資金の入れ方ではないかと思います。
そういう意味では、是非今後とも公的資金を投入する分野をしっかり考えていただきまして、どの部分が税金で、どの部分が交付税で補うか考えた形で、返済を前提とする財政融資資金の活用を考えていただきますようよろしくお願いいたします。
では、今日はどうもありがとうございました。
〔 満田総務省自治財政局地方債課長 〕よろしいでしょうか。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございます。
〔 吉野分科会長 〕それでは最後に、臼杵計画官と辻計画官から、もし追加がございましたらお願いしたいと思います。
〔 臼杵計画官 〕本日は、民間都市開発推進機構につきまして、委員の皆様から貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。これから年末に向けて、政策的な必要性とか、償還確実性、民業補完性などにつきまして、しっかりと精査していきたいと思います。どうもありがとうございました。
〔 辻計画官 〕私も同様でございまして、本日いただきましたご意見を踏まえまして、年末に向けて作業をしてまいりたいと考えております。ありがとうございました。
〔 吉野分科会長 〕今日は随分長くなってしまいましたが、十分な議論ができたと私は思いましたので、少し長目でもやらせていただきました。
今日の議論を踏まえまして、理財局の方々には平成23年度財政投融資計画の編成や、それから今後の財投運営に関しまして、是非今日の意見を踏まえながら実施していただきたいと思います。
それから最後ですけれども、この後、記者レクを前回と今回あわせてお願いしたいと思います。
それから、持ち回りで、平成22年度の財政投融資計画の補正につきまして、皆様に議決を求めたところでございますが、原案どおり可決ということでご了承いただきました。どうもありがとうございました。
今日は長時間ありがとうございました。これで終了させていただきます。
