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財政投融資分科会(平成22年11月10日開催)議事録

財政制度等審議会
財政投融資分科会
議 事 録

平成22年11月10日

財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政投融資分科会議事次第

平成22年11月10日(水)16:02〜17:59

財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

1.開会

2.特別会計事業仕分けの結果について

3.平成23年度財政投融資計画の編成上の論点

(株)日本政策金融公庫(特定事業促進円滑化業務)

(株)日本政策金融公庫(国際協力銀行業務)

(株)産業革新機構

4.質疑・応答

5.閉会

配付資料

資料1 特別会計事業仕分けの結果について
資料2−1 説明資料 株式会社日本政策金融公庫(特定事業促進円滑化業務)
資料2−2 参考資料 株式会社日本政策金融公庫(特定事業促進円滑化業務)
資料3−1 説明資料 株式会社日本政策金融公庫(国際協力銀行業務)
資料3−2 参考資料 株式会社日本政策金融公庫(国際協力銀行業務)
資料4−1 説明資料 株式会社産業革新機構
資料4−2 参考資料 株式会社産業革新機構

出席者

分科会長

吉野直行

中村理財局長

池田理財局次長

菊地総務課長

美並財政投融資総括課長

阿曽管理課長

臼杵計画官

辻計画官

藤本地方財務分析官

今井資金企画室長

株式会社日本政策金融公庫

小林国際協力銀行国際財務部長

丸山危機対応等円滑化業務部長

株式会社産業革新機構

佐藤マネージングディレクター

経済産業省

浜辺環境経済室参事官

高田産業再生課長

土本産業資金課長

村瀬情報経済課長

財務省

岡村開発政策課長

佐藤政策金融課企画官

        

委員

池尾和人

土居丈朗

富田俊基

臨時委員

今松英悦

林田晃雄

若杉敬明

専門委員

川村雄介

冨山和彦


午後4時02分開会

〔 吉野分科会長 〕少し遅れてしまいましたけれども、ただいまから財政制度等審議会の財政投融資分科会を開催させていただきたいと思います。

今日の議題は、お手元にありますように、大きく2つございますが、まず最初は、特別会計の事業仕分けの結果について、美並課長からお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。その後に、平成23年度財政投融資計画の編成上の論点を議論させていただきたいと思います。では、お願いいたします。

〔 美並財政投融資総括課長 〕それでは、特別会計事業仕分けの結果について、資料1で御説明したいと思います。

表紙をめくっていただきますと、ワーキンググループの評価結果がございます。もう御承知だと思いますけれども、今回、全特別会計を対象にして、先月の27日から30日の4日間で事業仕分けが行われました。財政投融資特別会計につきましては、一番最後のセッション、土曜日の午後行われたところでございます。蓮舫大臣、枝野議員をはじめとする国会議員の仕分け人の方、それから、民間の有識者の仕分け人の方も参加されまして、約2時間、当方から説明の上、議論が行われた結果がこの1枚目でございます。

順次御説明させていただきますと、財政投融資特別会計のうち財政融資資金勘定につきましては、委員の皆様も御承知のように、毎年度剰余金が発生して、それを金利変動に備えるための金利変動準備金として積立金で積んでいるわけでございますけれども、平成20年度補正予算以降、一般会計の厳しい財政事情を踏まえて、特例的に一般会計への繰り入れということが行われた結果、積立金につきましては、平成22年度末の見込みとして0.1兆円見込まれるところでございます。この積立金につきましての評価結果といたしましては、金利変動リスクに備え必要額を積み立てということでございます。

それから、剰余金の扱いでございますけれども、剰余金につきましては、過去の高金利の貸付けが残っているために、決算上、剰余金が生じているわけでございますけれども、この金額自体は年々小さくなっておりまして、平成22年度見込まれる剰余金というのは0.9兆円ということでございます。この扱いにつきましては、金利変動リスクと健全性を勘案しつつ積み立てを行った上で、可能な範囲で一般会計に繰り入れという評価結果でございました。

次の「投資勘定(金融資産のあり方)」という表題になっておりますけれども、ここはむしろ財政融資、産業投資の両方について、融資・投資のあり方等について議論が行われた結果と理解しております。したがって、資産規模というところも、ストックのみならずフローも含めてということかと考えておりますけれども、これにつきましては、融資・投資併せて目的や透明性を明確に整理した上で、可能であれば規模圧縮を検討という評価結果でございました。これら3つを踏まえた結果が、1ページの一番下の「とりまとめ内容」というところに書かれているわけでございます。

特に、融資・投資のあり方については、これまでもこの分科会で議論をいただいているところですけれども、政策的必要性や民業補完性に加え、償還確実性あるいはリターンの可能性という観点から、従来以上に徹底した精査を行いたいと思っていますので、御協力お願いいたしたいと思います。いずれにせよ、この評価結果を踏まえて、まずは来年度の財政投融資計画編成に臨んでまいりたいと考えております。

私からは以上でございます。

〔 吉野分科会長 〕美並課長、どうもありがとうございました。この議論、以前に、池尾先生が、資産と負債の額を見れば、結局、こっちの剰余金を落とせば、持っている国債も減ってしまうので同じとおっしゃっていた、まさにその議論ですから、政治家の先生方がそれを理解していただけたら何の問題もないと思うんですけど、富田先生、いかがでございましたでしょうか。

〔 富田委員 〕美並課長にきれいにまとめていただいたんですけれども、議論のプロセスは決してそのようなものではなくて、97年当時の財投が伏魔殿であるとかというような議論はさすがに影を潜めてきましたけれども、依然として、融資先の特殊法人問題と同じように、独立行政法人については、果たしてきっちりと事業は執行されているかどうか、不良債権がたまっていないかどうかという問題の御指摘がやはりあったように思います。

そういう問題をすべて財投があるからという問題なのかどうかということはあるわけでして、それは格好よく、イエス様のように、十字架を背負って、ゴルゴタの丘に登ったのと同様に、財投機関のいろんな問題点を全部財投が背負うというのもあるんでしょうけれども、それでは決して国民のためにならないわけでありまして、やはり今、課長がお話になったように、償還確実性、民業補完性といった観点から、引き続き財投の一層の透明化を図っていく必要があろうと思います。

やはり議論としては、透明化をさらに求める議論が非常に多く、また、これから来年度の財投要求の議論があるわけですけれども、コスト分析という武器を有効に使っていくことが、透明性を高めるためにも非常に重要だと思います。

〔 吉野分科会長 〕どうもありがとうございました。

ほかに、この点に関して何かコメントございますでしょうか。

透明性について、もう少し具体的に、どのようにすれば透明性がさらに高まるのでしょうか。

〔 富田委員 〕結局は、低い金利で融資して、政策を遂行するというのはよしとすれど、それで不良債権化していって、また一般会計からたくさんの税金が投入されているのではないかということについてのご懸念が広く持たれているような感じを受けました。

融資ですから、100%確実に戻ってくるというのは非常に難しいわけでして、やはり融資の執行機関における効率的な事業の運営のあり方とか、そういうことを財投としてきっちりと監視するだけではなしに管理するというか、そのための手法としてのコスト分析というか、それも大きな勘定ごとでどうだということだけではなしに、個別に、このごろはかなりビッグプロジェクトに対する融資なんかもあるわけですから、精査していくための手段としてコスト分析があるのではないかと。つまり、融資先の財投機関と一緒にそういうコスト分析をやっていくということもあるんですけれども、やはり融資する側としての最終的な融資者としての立場からコスト分析を行い、それによって、融資機関にどのような金利で融資してもらうかとかそういうことも考えないと、やはり不良債権化と、それに伴うコストの発生という問題について可能な限りの答えを出しにくいのではないかなと思いました。

今年の6月に、当分科会で、財投の透明性の向上のために、いろいろ公開が進んでいるという話がございまして、量が多ければいいということではないんですけれども、やはりそういうものの中にもっと、できるだけ透明性が、いろんな観点から納得がいくようなものを準備していく必要があるんだと思いました。

〔 吉野分科会長 〕ありがとうございます。

では、川村先生。

〔 川村専門委員 〕今のお話を伺っての感想めいた話になってしまうんですけれども、おっしゃるとおり、透明性というのはもちろん当然であるし、今御指摘のとおり、この場でも、富田先生御指摘のいろんな検討をして、ホームページの分かりやすさ等工夫してきているんだと思うんですが、もう一つ重要な点は、専門性というのでしょうか、大変複雑な財政、財投の仕組み、物やお金の流れがどうなっているかということについて、やはり正しい理解、幅広い理解をきっちりした上で議論に臨んでいかないと、少し危険な結論なり早合点というのが出る恐れはないのかなと、それがないことを祈りますけれども、そこが若干心配です。

例えば、今、富田先生から伺った話で、きちんとした、不良債権化してないような融資をしているのか、その疑問はもっともでありますけれども、では、今度、それが本当にきちんとしているかどうかという眼力というものを、全く知的武装、ノウハウがない人が見てしまうと、これ、間違ってしまうかもしれないですね。私自身の経験でも、昔、中学、高校なんかで、苦手な科目の教科書はやたら難解で、難解だから、やらないうちに間違えて点数が低いという経験が何度もあるわけですが、この分野、特にそういうことになってないか。それを非常に感じるんですね。

もう一つは、こういう問題のときには、なまじ変に専門家のような人、あるいは非常にそこに造詣の深い経験者であったという人が極論をおっしゃると、それが非常にポピュリズム的に受けてしまって、勉強したての初学者にとって、はるかに飛び越えた専門知識を得たような錯覚を与えられてしまう。それが大きな方向性をミスリードしてしまうというようなことが、これは私はたまたま書店の店頭等で感じるだけでありますけれども、そのようなリスクもあるということをやはりきっちり認識していかなくてはいけないのかな。少し抽象的な感想で恐縮ですが、そのように感じました。

〔 吉野分科会長 〕ありがとうございます。

ほかにありますでしょうか。では、今松委員、どうぞ。

〔 今松臨時委員 〕私も少し感想めいたところなんですけれども、これ、全体で見て、妥当な意見等が出ていると思うわけですけれども、いつもここでの議論、特に富田先生がある程度のところもされるべきだというのは、例えば、財投機関債等ですね。これについて最初のところを見ると、5人ぐらいの方がとにかく財投機関債を増やすというか、全体として、それと3つ目ぐらいの、これは財投全体としての資産規模の圧縮とかそういうところにつながると思うんですけれども、このあたりのところというのは、財投が今どれだけの、つまり政策的妥当性、これまで透明性であるとか、いろんな意味での妥当性、それは基本的には存続しているということでこれまで来ていると思うわけです。そうすると、やはりその妥当性というところをしっかりと明確にし、その上で、特にこれは、財投機関債について一定のところまではいいけど、では、コスト面等を考えたときどうなのかというところについて、十分理解等が進んでいないというか、より財投そのものを圧縮、スリム化するということに目が向いているというところがあるので、やはりこの点はこれから、より努力等していく必要があるのではないかと。もちろんできるところは、財投機関債を出すことでコストを下げ、低いところで借りられればいいわけですけれども、政策的に必要な事業等についてどうなのかというときの広い意味でのコストというものをどう捉えるのかというのが、やはり今後、引き続いて議論等が必要かなと思います。

〔 吉野分科会長 〕ありがとうございます。

ほかにありますでしょうか。林田委員、どうぞ。

〔 林田臨時委員 〕これは、出席された富田先生へ御質問になってしまうかもしれないんですけれども、投資勘定の「可能であれば規模圧縮」というところに絡んで、産投というのは、2枚目、3枚目にちらっとありますが、どの程度の議論があって、いわゆる投資の呼び水効果というのはどういう評価を受けているのか。こんなことをお聞きするのも、実は日銀が成長基盤融資というのを始めていたりして、要するに、今、リスクを民間が取らないものをどう元気づけていくかという話が、政府だけでなく動いている中で、ここをあまり保守的に今考えたほうがいいのかどうなのか、そのあたり、財投としての役割をどのような評価を受け、どのように担っていったらいいのかという、そのあたりが少しあいまいになっているかなという気がしたので、その辺、もし御議論があったのなら教えていただきたいと思います。

〔 吉野分科会長 〕富田先生。

〔 富田委員 〕議論といたしましては、特別会計の仕分けという脈絡の中でやっていますので、投資も特別会計でやっているという、名前が特別会計だから、何か変なことがあるのではないかという前提で、ずっとこの会議を通じて無意識にそういうのが出てきて、一番最後が、財投特会だったので、そういう脈絡で、やはり一般会計に入れてやったらどうかとか、そういう見方の方もおられました。

それはやはり、これ、一般会計の歳出を査定するのと違って、投資をどうするかという議論なので、歳出だとか税制というのと全く違った投資ですと。あるいは、財政融資ともまた違うということで、そういうことがまず議論というか、議論としてはそういうものにだんだん落ちついていったように思います。つまり、もう普通の歳出と同じではないかという議論から、ある意味スタートしている。これの重要性については、新成長戦略ということでもって、その必要性、重要性については多くの仕分け人が共有していたということです。

〔 林田臨時委員 〕ありがとうございます。

〔 吉野分科会長 〕まだまだ議論があるかと思いますけれども、次の議題でございますが、財政投融資計画の編成上の論点についてに入りたいと思います。是非、今日のこのいろいろな特別会計の仕分けの視点については、今後、財投を議論していくときに、冨山先生がよくおっしゃる、ペイシェントリスクマネーでだれも出さないんだという御議論もありますので、政府がやるべき部分と民間がやるべき部分というのは、我々、ここでなるべく議論させていただいて、それから、透明性がさらに増すように一緒に考えさせていただきたいと思いますので、次回からも、もし可能でしたら、恐縮ですけれども、資料1「特別会計事業仕分けの結果について」をいつも置いておいていただいてよろしいですか。

〔 美並財政投融資総括課長 〕はい。

〔 吉野分科会長 〕それでは、日本政策金融公庫の編成上の論点といたしまして、財務省と経済産業省、日本政策金融公庫の方に来ていただいております。よろしいでしょうか。

それでは、日本政策金融公庫の特定事業促進円滑化業務につきまして、臼杵計画官から御説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔 臼杵計画官 〕計画官の臼杵でございます。座って説明させていただきます。

まず、資料2−1をご覧ください。株式会社日本政策金融公庫(特定事業促進円滑化業務)となってございます。1ページおめくりください。

ここでは2つの業務を取り上げたいと思います。1つ目は、論点1にもありますとおり、特定事業促進円滑化業務について。もう一つが、まだ仮称でございますけれども、事業再編関連資金調達支援業務でございます。

1つ目の特定事業促進円滑化業務につきましては、本年5月に成立しました低炭素投資促進法を受けたもので、太陽光発電、電気自動車、蓄電池等のエネルギー環境適合製品の開発・製造を行う事業に対しまして、長期・低利の融資を日本政策金融公庫を通じ、指定金融機関を経由して融資する、いわゆるツーステップローンでございます。22年度計画額は1,000億円でございまして、23年度要求額も1,000億円となってございます。

論点2の新規事業の事業再編関連資金調達支援業務でございますけれども、こちらにつきましては、次期通常国会で、いわゆる産活法、産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の改正を行いまして、事業再編を行う企業に対しまして、上と同じくツーステップローンで長期・低利の融資を行うものでございます。23年度要求といたしましては、1,000億円の要求でございます。

まず、論点といたしましては、特定事業促進円滑化業務につきましては、政策的背景は何かとか、具体的にどのような分野でどの程度の資金需要を見込み、市場規模拡大等の効果を見込んでいるのかというのが挙げられます。

論点2で、事業再編関連資金調達支援業務につきましては、具体的にどのような事業への資金供給を想定し、事業実施による効果をどう考えているのかという論点が挙げられてございます。

1ページおめくりいただきまして、2ページでございますけれども、要求の内容のほうは先ほど申し上げたとおりでございますが、左側の一番下でございますけれども、22年8月、低炭素投資促進法の施行がされまして、22年9月に指定金融機関の申請の受け付けを開始したところでございます。

右のほう、論点に対する考え方、1つ目の丸でございますけれども、低炭素関連産業は、今後内外で高い需要が見込まれる中、欧米主要国ではかかる産業に対して、低利融資や補助金等の各種の支援措置が講ぜられ、誘致合戦が繰り広げられており、我が国としても何らかの支援策を措置しなければ、産業競争力や雇用を喪失する恐れがある。

かかる状況を背景といたしまして、エネルギー環境適合製品を開発及び製造を行う事業に対しまして、指定金融機関を通じた低利・長期の融資制度が創設されたところでございます。

経済産業省が把握している資金需要といたしましては、年間1,000億円程度の本制度の利用を見込んでいるところでございます。この結果、指定金融機関が他の金融機関と協調して融資を実施することにより、年間3,000億円程度の設備投資を喚起する効果を見込んでいるところでございます。実際の業務はこれから開始されるところでございまして、22年度の執行状況を見つつ、実行可能性や市場規模拡大等の効果を吟味しながら、適正な事業規模を検討していく必要があると考えてございます。

なお、経済産業省において、エネルギー環境適合製品に不可欠な素材、例えば、電気自動車の素材となる炭素繊維を開発及び製造を行う事業や、エネルギー環境適合製品を導入する事業、例えば、次世代コークス炉を導入する事業等を支援対象とすることも併せて今検討しており、もちろんこれも要法律改正事項でございますけれども、その場合は事業規模の増額要求もあり得ると考えてございます。

1ページおめくりいただきまして、3ページでございますけれども、続きまして、産活法を改正しまして、事業再編について、新規事業について説明したいと思います。

まずは、事業再編の必要性について、恐縮ですが、資料2−2の10ページ目をご覧いただければと思います。「事業再編・産業再編促進の必要性」というところで、「我が国産業は同一産業内に多くの企業が存在。国内消耗戦の結果、低収益」というところで、左側の棒グラフを見ていただければ、海外勢と日本勢との利益率というのは、海外企業の約半分程度となってございます。それはなぜかといいますと、1ページめくっていただきまして、11ページでございますけれども、我が国産業は、韓国に比べて、自国市場に占める企業数が多く、国内では消耗戦。韓国企業は自国市場を足場に、グローバル市場に向け、大胆で迅速な投資戦略を行っているところ。

例えば、乗用車について見てみますと、日本と韓国で全体の市場規模はもちろん日本のほうが相当大きいわけでございますけれども、日本では企業数が6社、韓国では1社しかない。それから、1社当たりの市場規模を見ると、日本は70万台、韓国は102万台というところで、日本の場合は市場規模が非常に小さくなっているのではないかということでございます。

もとの資料にまた戻っていただきまして、資料2−1の3ページ目でございますけれども、論点に対する考え方といたしましては、経済産業省は、先ほど説明したとおり、我が国産業は同一産業内に多くの企業が存在することから低収益となっており、我が国経済が持続的に成長するには、世界市場で戦える強い企業を国内に生み出していくことが必要と認識しております。そのための戦略的な事業再編を支援すべく、産業活力の再生及び産業活力の革新に関する特別措置法を改正し、産業再編の円滑化に向けた法整備を行うとともに、指定金融機関を通じた低利・長期の融資制度の創設が必要としているところでございます。

経済産業省が把握している資金需要としては、エレクトロニクス分野、石油化学分野等における複数事業者による再編に対し、年間1,000億円程度の本制度の利用を見込んでいるところでございます。この結果、指定金融機関が他の金融機関と協調して融資を実施することにより、事業規模として年間8,000億円程度の再編を起こすことができると見込んでございます。これらの想定される案件について、実行可能性や政策的効果を吟味しながら、適正な事業規模を検討していく必要があると考えてございます。

以上でございます。

〔 吉野分科会長 〕臼杵計画官、どうもありがとうございました。

ただいまの点につきまして、御質問はございますでしょうか。池尾先生、どうぞ。

〔 池尾委員 〕論点の手前の前提のようなことで御質問したいんですけれども、ツーステップローンの枠組みについての質問なんですけれども、現行制度上の制約があって、日本政策金融公庫を介したような形をとらざるを得ないという制度制約があることは承知しているんですけれども、指定金融機関に実際上、日本政策投資銀行と商工中金しか手を挙げないという現状がある中では、機能的に、ツーステップローンという枠組みをとること自体についてはやはり冗長感があるというか、そこはもっと制度的にシンプルにする。だから、ある種、制度改正が必要になるとは思いますけれども、制度的にシンプルにして、こうした業務を実施するというやり方は考えられないんだろうかというのが、大前提的なことで申し訳ないんですが、質問なのですが、いかがでしょうか。

〔 吉野分科会長 〕幾つかまとめてがよろしいですか、それとも1つずつお答えいただきますか。どちらがよろしいですか。

〔 臼杵計画官 〕では、まとめてお願いします。

〔 吉野分科会長 〕まとめてでよろしいですか。はい。

ほかにございますでしょうか。

川村委員、どうぞ。

〔 川村専門委員 〕論点1と論点2いずれもなんですが、1,000億円の今回のそれぞれの措置によって、論点1、低炭素投融資のほうが3,000億円の設備投資を呼び込むと。他方、論点2の再編のほうは8,000億程度の再編を呼び込むという、それぞれ全く性格の違うものですから、いろんな前提を置かれたんだと思うんですが、簡単にそれぞれの論拠というのでしょうか、それをお示しいただければと思います。

〔 吉野分科会長 〕ほかにございますでしょうか。

林田委員、どうぞ。

〔 林田臨時委員 〕不勉強で申し訳ないんですけれども、事業再編の支援のために出す1,000億円のお金というのは、再編の何にどのように使って、8,000億円の再編が起こるという数字も、どの数字を意味しているのかがよく分からないので、ここは費用対効果みたいな話だと思うんですけれども、そこの前提というか、何にどう使い、どういう果実になるのかという点を教えていただきたいのが1つ。

あと、これはそもそも論になってしまうんですけれども、事業再編の話が出てくると、必ず韓国の例が挙がってくるんですが、ほかに何か例はあるんでしょうか。というのは、韓国の場合は、IMF体制になって、もうやむにやまれずグローバル化を丸呑みしてやってきた国ですので、単純に韓国がこうだから、日本の産業界もこれになろうよという感じには、多分、産業界自身がなっていないと思うので、もし、もう少し日本と比較しやすい例があれば教えていただきたいというお願いです。

以上です。

〔 吉野分科会長 〕冨山委員、どうぞ。

〔 冨山専門委員 〕今の話にやや近いんですが、これ、仮に韓国を比較で見てしまうと、要は、ほとんど独占状態を前提にしているような再編なので、そうすると、政策全体の整合性で言うと、いわゆる独禁法行政の問題が必ず引っかかってくるはずで、というか、私も経験したので、そういう話を実際に産業再生機構時代に。恐らくその辺も、今の議論とある意味でかぶるんですけど、よく全体で整合してないと機能していかないので、その辺はどう考えるのか、これ、公庫ではないかもしれませんけれども、そもそも論に近いところなんですけれども、教えていただきたいと思います。

〔 吉野分科会長 〕土居先生、どうぞ。

〔 土居委員 〕今の話、私も全く同感で、資料2−2の11ページにあるように、確かにそういう見せ方もあるんだとは思うんですけれども、むしろ市場占有率のほうが本質的な問題なんだろうと。確かに、自国の国籍を持った企業の数といえばそうなんですけれども、当然、外国籍というか、外国企業もその市場に参入していて、それで、ある産業においては、確かに日本企業が日本市場において占めているシェアが小さいと、外国企業に市場シェアをとられているというようなことがあるとすれば、おっしゃりたいことは分からないでもないんですけれども、単純に、自国企業が全部独占しているという話だと、独占禁止法との関係とかそういうような問題にも当然なってくるんだろうと思うので、そうすると、おっしゃりたいことは、会社の数という話だけでは単純に見てとれるものでもないのかなと。むしろ、それぞれの国のそれぞれの産業でどういう市場シェアになっているかというのが重要な意味を持つのではないかと思います。

〔 吉野分科会長 〕今松委員、どうぞ。

〔 今松臨時委員 〕これは分からないかもしれませんけれども、もし少し動向があるなら教えていただきたいのは、論点1の「論点に対する考え方」の中で、22年度の執行状況を見つつ適正な事業規模とありますけれども、これ、実際、今、どのような動向になっているのかというのが1点。

あとは、論点2のほうでは、具体的な、経産省が資金需要等の中で想定している業種なんですけれども、石油化学というのは、恐らく石油精製から始まって、実際には今かなり集約化が始まっていると思います。そうすると、ある意味、今動きがあるところに対して、よりそれを促進するというような、そういうことで競争力を強めていくというか、そういう考え方と捉えてよろしいのかどうなのか、この2点です。

〔 吉野分科会長 〕では、私からも。大体、皆さんの意見と似ていると思うんですけれども、今、やはり韓国が強いわけですけれども、韓国はやはり賃金が安いですし、日本よりもいろいろコストが低い。あるいは技術力があるからなのか。それとも、ここにあるように、政策金融とか、あちらがいろいろ補助をされていて強いのか。それをいろいろ見た中で、これをやることによって、本当に日本の企業が強くなれるのかどうか。そうしなければ、いくらいろいろやってもしょうがないと思います。

それから、もう少し違った見方をしますと、国内でうんと競争があると、そこでさらに技術進歩ができて、外でももっと頑張れるという見方もあるのではないかと思いますけれども、この産活法を利用することによって、いろんな議論がある中で、やはりこれが一番いいんだというのを少し教えていただければと思います。

たくさんの議論で申し訳ないんですけれども、よろしくお願いいたします。

〔 臼杵計画官 〕私のほうから、ツーステップローンの関係、池尾先生の質問でございますけれども、恐らく前の政策金融改革で、日本政策投資銀行というものが民営化された関係で、危機とかそういうときに、大企業向けの融資というものが基本的に直接、日本政策投資銀行を通じてできなくなったと、政策金融ができなくなったということで、危機対応とかそういうものについてはツーステップローンという仕組みを考えたものでございます。

そういう意味では、今回も大企業向けの支援をどうするかというときに、既存の同じスキームであるツーステップローンを恐らく経済産業省は使われたものだと思っております。いずれにしても、大企業向け融資はどうあるべきか、政策金融はどうあるべきかということは、23年度末までに政権として一定の検討をするということをお約束しておりますので、その中で検討されるのではないかと考えております。

〔 土本経済産業省産業資金課長 〕続きまして、論点1に関しまして、3,000億円の設備投資と言っているものの論拠、あるいは、それに絡みまして、今年度の貸付け実態がどうなっているかという点にお答えしたいと思います。

まず、この3,000億円でございますが、現状、我々が把握をしております企業側の低炭素投資の実需、今日、個別企業の名前を申し上げるわけにはまいりませんが、大雑把に申し上げて、例えば、太陽光発電のパネルの製造設備を作りたいと、パネルメーカーが工場建設の話を持っていると、こういうのが複数社ございます。それから、リチウムイオン電池について、自動車用にリチウム電池がこれからかなり大きく伸びるということで、電池メーカーが国内での設備投資ということで何件か検討してございます。さらには、原子力関係で、原子力の各パーツについても、例えば、圧力容器であるとか、かなり大きなパーツのところの製造しておりますメーカーが実は設備投資の計画を持ってございまして、こういったものを積み上げていきますと、3,000億円ぐらいの投資規模というのは見込めるのではないかなと考えております。このうち3分の1ぐらいをツーステップローンの形で供給し、残りの部分については、事業者側の自己資金であるとか、それ以外の資金調達をして投資をしていくということを想定して、1,000億円の要求とさせていただいております。

今年度の実績ということでございますが、この根拠となります法律、略称して低炭素法と呼んでございますが、前通常国会で通りまして、法律の施行が今年の8月16日でございます。それ以降、法律に基づきまして、低炭素製品とは何かという告示をつくりまして、9月末から指定金融機関の申請の受け付けを開始してございまして、現状、1件の申請が来ておりまして、その手続をしているということでございまして、申し訳ございませんが、今時点で、実際に貸付けの実績というのが出ている状況にはございませんが、今申し上げましたように、産業界のほうで、やはり低炭素投資ということに向けて様々なプロジェクトが動いてございますので、今年度、しっかりとした実績が出てくると経済産業省としては考えております。

〔 高田経済産業省産業再生課長 〕続きまして、産業再編関係の1,000億円が8,000億円の事業規模と推定していることにつきまして、お二方の委員から御指摘いただきました。これにつきましても、一応、私ども、いろいろな分野でのあらまほしき再編をある程度想定しておりまして、経営判断を伴うものですので、具体例についてはいろいろな問題がありますけれども、この積算としましては、例えば、石油精製、石油化学などを想定しています。こうしたところで、いろいろ産業界のお話を聞きますと、あくまで民が主であるけれども、政府系資金の長期資金を出していただけると非常にありがたいものがあると。と申しますのも、例えば、アメリカですと、再編が起こった場合、すぐレイオフして、割と早くV字カーブを描けたりもするわけですけれども、日本の場合ですと、そこはなかなか簡単な話でもなく、もう少し時間をかけながら、人員配置の見直し、あるいは、先ほど申し上げたような業種の中では、設備廃棄を伴わなければ再編の効果が出ないようなものがございます。そういうところでは、直ちにキャッシュフローにならない投資がございまして、そういう意味で、投資したときに即重点投資でキャッシュフローにつながってくるようなものにつきましては、民間の短期資金で入れながら、長期の部分はこういうツーステップがあると有効だということで、それらを組み合わせて考えますと、1,000億円に対して8,000億円ぐらいの事業規模が想定されるということになっております。

それから、韓国との比較につきましていろいろ御指摘をいただきました。本当におっしゃる点、ごもっともなことだろうと思います。韓国につきましては、一事例であります。私ども、つい韓国を引き合いに出しますのは、現在、日本が競争している分野におきまして、非常に似たビジネスモデルが展開されている分野が多くございます。半導体、液晶パネルなどですね。今、例えば、自動車などでも、シンガポールや中国に御出張に行かれると気が付くと思いますけれども、少し前までクラウンのコンフォートがタクシーとして多かったわけですけれども、今、どんどんヒュンダイに切り替わってきています。こういうことで、やはり産業界としても、1つには韓国を意識せざるを得ない。一方、韓国だけということに対しましてはそうではありませんで、やはり欧米でも積極果敢な再編、合従連衡が行われているのに比べて、日本はスピードが遅いと。これは内外のアナリストの言うところでありまして、私自身、化学産業を担当したことがございますが、欧米の化学産業が医薬を切り出したり、あるいは石油化学といった汎用品の部分を固めたりしているのに比較しますと、日本の場合は、かつて三井東圧と三井石油化学、あるいは三菱油化と三菱化成が合併して以降、大きな合併もなく再編もありません。それから、石油のほうも、今回、JXができましたけれども、もう一段再編が必要であると言われる中、なかなかその次が起こりません。また、委員の中に、そういう動きを後押しするものかという御指摘、まさにおっしゃるとおりでございます。いろいろ再編して競争力を高めなければいけない時代になると思いますけれども、1つのことによって決定的にとまっているというよりは、いろんな複合要因がございます。その中で、例えば、資金面での障害があるなら、できるだけそれをサポートしていく。公正取引委員会との関係があるなら、公正取引委員会にもいろいろデータ提供したいと思っています。それから、もちろん競争政策は大事でございまして、独占を作ろうということを考えているわけではございませんが、総体的に申し上げると、先ほど、計画官の紹介された資料にありましたけれども、欧米と比べましても、1分野に企業が多いという傾向があり、世界的な上位の企業の収益率を見たときに低くなっているという状況であります。

そして、最後に、これで本当に強くなるのかと、むしろいろんな切磋琢磨があったことが競争力の源泉だったのではないかという御指摘がございました。その点いろいろ産業構造審議会で議論ありまして、まさにそれが日本の強みであったわけでありますが、1億人のマーケットで切磋琢磨して競争力を持てた時代と、今のグローバルに一体化したマーケットの中で切磋琢磨する時代と急速に変わってきているのではないかと。特に設備投資、研究開発がより巨大化して、日本の企業の中でもお互い重複投資をしているのではないかということが感じられるような時代になってきていまして、ここで国内の発展のみならずグローバルに発展していくということを考えると、もう一段の再編が必要ではないかということが産業構造ビジョンで言われた次第であります。

以上です。

〔 吉野分科会長 〕ありがとうございました。まだまだ御意見あるかと思いますけれども、時間の関係で、若杉先生だけお願いいたします。

〔 若杉臨時委員 〕今最後にお答えいただいたことがすごく重要だと思うんですが、今までの国内で競争していたときの規模の経済と、今、全然スケールが違うんですよね。そういうことで、今、韓国との比較がどうかという話が委員の方から出ましたけれども、私は経産省のほうの肩を持ちたいんですが、そういうことで、規模がものすごく重要になっているんですよ。ですから、国内で独禁法がどうとかそんなことを言っている時代ではないんですよね。ですから、独禁法も大事ですけれども、そういう日本の企業の規模が大きくなることを考えないと、もう携帯だって何だってみんな負けているわけなんですから。ノキアなんて何億台と作っているわけで、日本は何千万台ですよ。もう全然コスト違うんですから。

もう皆さんご存じでしょうけれども、今、マイケル・ポーターの『競争の戦略』というのがはやりなんですけれども、とにかくコストが競争力の大源泉で、そのためには規模の経済をいかに使うかということが大事であって、もっともっと日本の企業は大きくならないと、世界的に見て、どんな分野でもものすごく小さいわけですから。そういうことで、委員の方々の見方が少し違うのではないかなと私は思ったので、あえて言わせていただきました。

〔 吉野分科会長 〕富田先生。

〔 富田委員 〕今の議論、また置いとくとして、ツーステップローンでお聞きしたいんですけれども、財投のほうでね。これ、企業に対する融資金利については、指定金融機関が裁量で決める形になっているんですか、それとも政策決定なんですか。つまり、信用リスクを自分で指定金融機関が判断して、上乗せをどれだけスプレッドをとるとか、期間をどうするとか、どの程度の裁量があるんでしょうか。

〔 丸山(株)日本政策金融公庫危機対応等円滑化業務部長 〕日本公庫のほうからお答えいたします。ツーステップローン、今、危機対応の中で既に実施しておりますが、金利の決定の裁量については、指定金融機関に任されております。今、まだ準備中ではございますが、低炭素の業務につきましても同様ということで、今準備はしておりますが、まだ指定金融機関との交渉に入っておりませんが、スキームとしてはそういう形で認識しているところでございます。

〔 吉野分科会長 〕土居先生。

〔 土居委員 〕確かに規模の経済を考えて議論しなくてはいけないというのはおっしゃるとおりだと思いますが、かといって、日本国内を1社で独占して、それでよろしいと、それでその力をてこにして海外に進出してよろしいという話だと、内外価格差というか、国内だけ独占利益を得て、その糧を使って海外に打って出るという話になると、これはたちが悪い。だから、相互乗り入れをお互い、外国と日本とそれぞれやりながら、それこそグローバルに競争して、かつ日本でも外国企業が入ってきて、外国企業と対等に競争できる日本企業を作るという話にしないと、単純に日本の中で1社にまとめて独占力をつけて、そこから打って出ろという話になるのではまずいと思います。

〔 吉野分科会長 〕あんまり議論していると先に進みませんので、この辺で次に移りたいと思います。どうもありがとうございました。

それでは、引き続きまして、日本政策金融公庫の国際協力銀行業務につきまして、これも臼杵計画官からでよろしいんでしょうか。席を移動していただければと思います。

それでは、よろしいでしょうか。国際協力銀行業務につきましてお願いいたします。

〔 臼杵計画官 〕お手元の資料3−1をご覧ください。株式会社日本政策金融公庫の国際協力銀行業務で、ページをおめくりいただきまして、国際協力銀行業務につきましては、左の図の下にございますように、先週でございますけれども、新成長戦略や円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策を受けまして、原子力や高速鉄道等といった具体的なインフラ分野の海外展開を促進するため、国際協力銀行業務の事業規模5,000億円、産業投資2,000億円、政府保証3,000億円の追加要求がなされたところでございます。

ページをおめくりいただきまして2ページ目でございますけれども、論点といたしましては、新成長戦略等を受け、原子力、高速鉄道等といった具体的なインフラ分野の海外展開に際し、今後どの程度の資金需要を見込んでいるのか。論点に対する考え方でございますが、新成長戦略に関し、原子力、鉄道、水等のインフラ分野を中心とした政令改正対象分野等に係る資金需要について、他国との国際的な競合や案件自体の成否・進捗によるものの、JBICは現時点で追加的に2兆円(融資1.8兆円、出資0.2兆円)の規模を見込んでいるところでございます。

なお、日本勢の受注状況次第ではさらに増加する可能性がございます。

資料3−2の5ページをおめくりいただきまして、こちらは、先月、財務省で「JBICを活用した戦略的海外投融資について」ということで取りまとめたものでございますけれども、右側の2(1)のところで、「外為特会によるJBICの外貨資金調達への支援」ということで、外貨調達環境が依然として厳しい状況にある中、JBICがインフラや資源関連その他の戦略的海外投融資を機動的に行うことができるよう、必要に応じ、外為特会がJBICに対し、当面1.5兆円を目途に融資により外貨資金を供与し得る体制を整備するということを発表しております。

またもとの資料の2ページに戻っていただきまして、そのことがまさしく(注)のところ、外為特会が云々のところに書かせていただいているところでございます。

さらに、次の論点といたしましては、これらの海外投融資の出融資財源等として、JBICから23年度当初予算で産業投資2,000億円、政府保証3,000億円の追加要求がなされたところでございます。

原子力、鉄道、水等のパッケージ型インフラ事業について、国際的な受注競争が激化する環境のもと、新成長戦略等を受け、見込まれる出資案件について、我が国の高い技術を活用した海外展開に資するか、民間資金の呼び水として適正な額か、一定のリターンが期待できるか等の観点から、投資勘定の原資事情を踏まえつつ、精査していく必要があると考えてございます。

次、3−2の参考資料のほうでございますけれども、1ページおめくりいただきまして、1ページでございますけれども、「国際協力銀行(JBIC)の概要」ということで、最近のトピックスということで、下から2つ目でございますけれども、先進国で日本企業が参画する新幹線や都市間高速鉄道事業を支援対象に追加というのが今年の4月からでございます。一番下でございますけれども、先進国で日本企業が参画する7事業、都市鉄道、上下水道、送配変電、効率的な石炭発電、石炭ガス利用、石炭回収貯蔵、省エネ及び高度情報通信を追加する政令改正案のパブコメを踏まえ、まさしく今、政令改正の準備をしているところでございます。

ページをおめくりいただいて2ページ目でございますけれども、「インフラ・プロジェクトへのJBICの主な支援実績」ということで、平成19年度から21年度でございますけれども、ここに書いてございますように、電力、水、物流、放送・通信、エネルギーとか、あと、インフラファンドの出資等に既にたくさんの実績があるところでございます。

もう1ページおめくりいただきまして3ページでございますけれども、今回、海外向けインフラを展開するに当たって、JBICインフラ・投資促進ファシリティというものを新たに予定していまして、そのスキーム例でございます。JBICのほうから、一番下のほうは、環境分野、インフラ開発分野を対象としたファンドへのリスクマネーを供給すると同時に、右側でございますけれども、パッケージ型インフラ海外展開を支援したりとか、海外M&A案件等への投資促進のためにJBIC自体が出融資を行ったり、民間が融資するのに保証をつけるとかというスキームを考えているところでございます。

4ページ目は、既にございますJBICアジア・環境ファシリティの概要ですし、あとは、JBICの業務についての資料が添付されてございます。

私からは以上でございます。

〔 吉野分科会長 〕ありがとうございました。いかがでしょうか。

では、富田先生、それから冨山先生。

〔 富田委員 〕これ、出資が2,000億円、政府保証3,000億円で、外為特会からの融資が1兆5,000億円というのは1つのワンパッケージでと考えたらいいんですか。と申しますのは、先ほどの資料で、インフラ・投資促進ファシリティの話とアジア・環境ファシリティと、両方話が出てきたんですけれども、両方合わせたもので2,000億円の出資と1兆8,000億円の融資ということなんですか。

〔 吉野分科会長 〕どうしましょうか。では、今の質問だけ、先にお願いします。

〔 小林(株)日本政策金融公庫国際財務部長 〕JBICの小林でございます。今、富田委員から御質問いただきました点につきましては、私ども、今後行おうとしておりますJBICインフラ・投資促進ファシリティ、これは従前行ってまいりました、参考資料3−2の3ページと4ページでございますけれども、4ページのJBICアジア・環境ファシリティ、これはもう従前から行ってきているんですけれども、これを今後、先行的なパイロットケースと考えて発展的に拡大していこうというものが、JBICのインフラ・投資促進ファシリティでございます。発展拡充していくこと、こういうようなことを考えております。したがいまして、ワンパッケージかという御質問につきましては、ワンパッケージで大きくしていこうということでございますので、ワンパッケージとお考えいただいて結構でございます。

その全体規模が、今後考えられる追加的な規模といたしまして、2兆円、今、規模で考えられますので、出資2,000億円、政府保証、私どもの場合には外債の発行になりますけれども、これを3,000億円。以上が財政投融資でお願いしている分でございまして、それとは別に1兆5,000億円の外為特会からの外貨の融資をご措置いただくと、こういう考え方でございます。

〔 富田委員 〕もう一回確認ですけれども、3ページの絵でいくと、ファンドに出資するというのがありますよね。編成上の論点のイメージでいくと、私は、融資を増やすので、財務上の安定性をJBICが確保するために、この出資があると思ったのですけれども、そうではなしに、出資というのはすべて外に出ていく出資、外に出ていくというか、事業そのもののための出資なんですか。

〔 小林(株)日本政策金融公庫国際財務部長 〕お答えさせていただきます。今回、産投でお願いしております2,000億円の資金使途でございますけれども、まずもって大きく考えておりますのは、私どもからの出資を1つ考えております。これは、今ご覧いただきました3ページの資料で申し上げますと、もちろんファンドへの出資もございますけれども、やはりこれだけの大きな出資をお願いしているということは、3ページの一番右上にございますパッケージ型インフラの海外展開支援、この関係の出資が基本にございます。加えて、ファンドへの出資があったり、あるいは右下にございますM&A等、あるいは資源もございますけれども、こういったものを想定しているということでございます。

しかしながら、今、富田委員に御指摘いただきましたように、では、これだけの2,000億円をそれだけなのかということにつきましては、このページでもございますように、私ども、出資だけではなくて融資も行うということでございますので、出資の原資だけではなくて、融資のリスクバッファーとしての出資という役割もお願いしているものでございます。

〔 吉野分科会長 〕冨山委員、どうぞ。

〔 冨山専門委員 〕今の議論と若干かぶるんですが、そもそも論的な話で、今の3ページですか、この絵でいいと思うんですけれども、パッケージ型インフラ海外展開支援というのは、従来、どちらかというと物売りの世界から比べると、これ、完全に多分、運営受託型の事業を展開しましょうという話だと私は理解して、それが増えるだろうということを想定して理解しています。私、前職のときに、某有名な水の会社と某水道事業の売買の交渉をやったことがあるので、向こうのこと、割と分かっているつもりなんですが、せんなく言ってしまうと、運営受託で成功するしないというのは、半分技術的な問題もありますが、残りの半分は、ある種、契約技術というか、運営に伴う長期的なリスクをどう評価するかという、ある種、金融評価的な側面が強いです。某ヨーロッパの会社は、ほとんどそれで儲けるようなメカニズムになっていたので、何でこんなところに売らなくてはいけないんだと思って売るのをやめたんですけど、要は、そこのところを逆に言うと、与信の対象というのが、従来であれば、むしろ、物を作りました、代金回収どうしますかというリスク評価だったものが、恐らく運営そのものを、10年、20年という単位で、それこそカントリーリスクを含めてどう評価するかというふうに、すごく色彩が変わってくると思うんです。多分、こうだと思って聞いているんですが、その辺の転換というんですか、それについて、与信にかかわるときの与信能力と与信管理能力というのは、今後どういうふうに行っていこうと考えておられるのかというのが質問その1。

その関連の出資のところなんですが、産業革新機構も出資機能が、この水の分野とかって、今、取り組んでいるわけで、要は、出資をする意味合いとその出資のスタンスの問題なんですが、産業革新機構もの会社の形というのは極めてガバナンス投資に近くて、むしろ事業主体を自分たちで担うという形のかかわり方だと理解しているんですが、こちらの国際協力銀行業務の領域における出資というのは、その辺の立ち位置はどういう整理なのか。今伺っていると、どちらかというと、ある種の融資に対するエクイティ・バッファー的な色彩とか、あるいは民業補完的な色彩が強いのかなと。私としては、その辺はどんな立ち位置でもいいんですけれども、そこが割と整理されていると、それこそ民間の側でこういうものを使おうとしたときに、割と使いやすい面もありますので、それはどんな整理になっているのかなと、この2点、よろしくお願いいたします。

〔 吉野分科会長 〕先に、皆さんから御質問を伺いたいと思います。

池尾先生、どうぞ。

〔 池尾委員 〕今の冨山さんの質問とも少し関連しますけれども、出資をしたりするのはいいとして、インフラ事業、先ほどもありましたように、20年とか30年とかの長期にわたるわけですよね。出資した後、どういう形でエグジットしていくのか。20年、30年、ずっと出資し続けるという話なのか、それとも、プライマリーのステージでは出資をして支援をするけれども、その後、運営が軌道に乗った段階のセカンダリーのステージになると民間のファンドに引き継ぐとか、そういう形で、産投の資金も貴重ですから、ずっと長期間出資したままというのではなくて、できるだけ早くリサイクルして、また別のプロジェクトに再投資していくというふうに効率的に使うべきだと思うんですけれども、出口戦略的というか、インフラ輸出等を支援するときに、本当に政策的に支援しなくてはいけないステージに限定して支援するというふうな重点化というんですか、そういうところをきちっとやっているのかどうかというのが質問です。

〔 吉野分科会長 〕ほかにございますでしょうか。では、土居先生。

〔 土居委員 〕池尾先生の話に引きつけて1つ質問させていただきたいんですが、先ほど、富田先生からの質問にもありましたけれども、既にお答えで、出融資、保証、それぞれいろいろお使いになられるということなんですけれども、どのぐらいの年限でなさる、最大何年かとか、ないしは平均するとどのぐらいの期間になりそうな見通しであるのかとか、それを少しお伺いできればと思います。

それから、あとは、保証と出資と融資とそれぞれ、もちろん今までのJBICでもやられていることではあるんだけれども、今回、特にインフラ関連ではどういうような使い分けをなさるご予定で今の要求を出しておられるのかということをお伺いできればと思います。

〔 吉野分科会長 〕林田委員、どうぞ。

〔 林田臨時委員 〕まず1つお伺いしたいのは、前提としては、アジアを含めた新興国のインフラ投資を後押しして成長戦略に資するということについては異論はないのですが、その前提の上でお伺いしますが、やはりこうしたものに金融というか出資が入っていく場合には様々なリスクがあるというのと、最近、非常に急激にこのニーズが高まって、金額も膨らむでしょうし、そのバリエーションも増えてくる。そういった競争相手みたいな、ライバルの国も増えているという中で、やはり気をつけなくてはいけないのは、審査の体制とか審査の基準、あるいは実務的なマニュアルをどうするのかとか、やや急ぎ過ぎてそうしたところに抜かりがあってはいけないなという、そのあたり、どういうふうに考えているのかと。もちろん、最近、意識されている、国によってのカントリーリスクというのもありますし、それから、事業そのもののうまくいくかどうかという事業のリスクもあるし、さらに言えば、冨山先生がおっしゃられたビジネスを運営して永続していくことのリスクもあるし、そのあたり、今までとは事業の手法が、中身がやや変質してくる可能性もあるので、そのあたり、どういう備えをされているのかをお聞きしたいと思います。

〔 吉野分科会長 〕ほかによろしいですか。では、川村委員、どうぞ。

〔 川村専門委員 〕簡単なことで、すみません。先ほど、政府保証の3,000億円、これ、外債とお聞きしたと思うんですが、その場合に、外債でなければいけないということは、法律上というか、ルール上決まっておられることなのかということ。というのは、これだけ内外の金利の状況とか為替の状況とかいろいろ考えると、調達コストを適時適切にしたほうがいいのかなと。ただ、決まっているのだったらそうでなくてはいけないと。

〔 吉野分科会長 〕為替の関係があるのではないですかね。まあ、後でお聞きしますけど。

〔 川村専門委員 〕それと、もう一つは、仮に外債だった場合、それも、ドル債というふうに決まっている話なのか、ありていに言うと、地域がアジアと考えられた場合に、現地通貨とかそういうものは考えられないのか、そういう点だけです。

〔 吉野分科会長 〕今松委員、どうぞ。

〔 今松臨時委員 〕1点ですけれども、インフラ・プロジェクト、具体的な支援の実績というのが1ページ目にあるわけですけれども、大体こういうふうな案件等になると思うんですけれども、輸出企業等であれば従来からの輸出金融でいくと思うんですけれども、実際にプロジェクトそのものを組成してそれでやっていく場合には、これまで日本の手法で言えば、円借款という援助の手法はあったわけですけど、こことどのように兼ね合いをつけていくのか。つまり、真の出所は若干違う2つのところから出るわけですけれども、それをうまい具合に効率的に使っていかないと、それはもったいないということになるし、あるいは、それがより促進するような形で進め得るようなことというのは、これから考えていかれるのかどうなのか、その点お願いします。

〔 吉野分科会長 〕私からも幾つか、コメントを含めてなんですけれども。

慶應に来る前に埼玉大というところにいて、アジアのインフラはいろんなところをずっと、20年ぐらい見て回っているんですが、インフラの整備の段階で日本人がすごくいっぱい行くんですね。その整備ができた後、金融サービス業になると白人ばかりで、日本人がほとんどいなくなってしまう。こういう意味で、一生懸命やってあげて、最後は欧米に全部持っていかれているというところもあるような気がするものですから、こういうインフラの整備で、最終的に日本が相当収益が得られるというような、その次のステップがもう一つ必要かなというのをいつも思って、悔しい思いをしております。

それから、インフラのときにはPPPのような形で、もっと民間のお金をいろいろ持ってくることができると思いますし、いわゆるバイアビリティーファンドという形で出資の比率を変えるという、そういうようなやり方も個別にあるような気がするんです。ですから、先ほどの出資とか融資とか、それとの組み合わせということと関連する質問でございますけれども、それもできればと思います。

たくさん質問がありましたが、よろしくお願いいたします。

〔 小林(株)日本政策金融公庫国際財務部長 〕それでは、順を追いまして御説明させていただきます。

まず最初に、冨山委員から御指摘いただきました、今後、こういったパッケージ型インフラを行っていくとなりますと、委員御指摘の1つのご事例でございますけれども、水でありますように、確かに運営受託、いわゆるO&Mと呼んでいますけれども、オペレーション・アンド・メンテナンス、この部分が事業期間を通じてずっと出てくることになると。そこも含めた、リスク評価と委員おっしゃっていただきましたのは、当初の部分ももちろんだけれども、その後の部分のリスク評価が重要になるだろうという御指摘でございます。もう御指摘のとおりかと思っております。

そして、実はこの資料のところで、3ページにパッケージ型インフラの事業分野、図示もさせていただいておりますけれども、どれがとは申し上げませんけれども、やはりそれぞれの事業分野で日本勢の強い分野、比較的ちょっとどうかなという分野が、恐らく委員お気づきだと思いますけれども、あるのも事実かと思います。そういう意味では、やはり今後進めていく中で、そういったところが結果として現れてくる可能性は私はあると思いますが、一例で申し上げますと、例えば、10年ほど前でありますと、電力の分野で、いわゆるIPPがございますけれども、日本勢はどちらかというと、電力は特に、電力会社がほとんど国内でやっておられるということもありまして、海外がどちらかというと弱いというような評価がございました。海外勢のほうがそこは強いということでございましたけれども、やはりその分野に進出された電力会社、あるいは商社といったようなところがございまして、最初、私どもも、いろいろ審査させていただきましたけれども、やはりこれは将来性も考えれば、取り組んでいくべきという判断をいたしまして、先ほどの結果、2ページの世界地図のところにありましたようなIPP、電力であったり、あるいは、さらにそこに淡水化がついております、海水の淡水化など、IWPPであったり、そういったところで成功事例が出てまいりましたので、弱いところも含めまして、可能な限り支援させていただきたいとは思いますけれども、O&Mが非常に重要になってきますので、そこについてのリスク評価を慎重に是非やらせていただきたいと思っております。

次に、これも冨山委員から御質問いただきました産業革新機構の出資との関係はどう考えるのかということでございます。産業革新機構は、確か官民出資の、期間は15年の株式会社であると承知しております。やはり何といいましても、お名前に冠がついておりますように、革新性のある事業、これを支援していこうという、このことがまず法定されておられると承知しております。それに対しまして、私どもの場合には、革新性を否定するものでは決してないわけですけれども、組織自体も特に期間限定ということではございませんので、長期的に見て事業を支援していきたいと思っております。後ほどの御質問の中にもございましたように、相当超長期のものもございますので、そういったものも支援していこうと思いますと、やはりじっくりとした、相当長い目で見たご支援をさせていただく必要があるのかな。おのずと、そういったあたりで、うまく利用者の皆様にも考えていただけるのではないかと期待しております。

次に、池尾委員から御質問いただきました点でございます。エグジットの関係でございます。やはり出資をする以上は、政府機関が産投のお金をお預かりさせていただいて出資するということは、永久に出資し続けるという前提ではないということだと考えております。したがいまして、いずれかの段階で、エグジットの方法はいろいろあると思います。うまくいきましたときに一緒に、私ども、金融機関ですので、事業そのものを単独では決してできませんので、一緒に投資を行われる、先ほどの例でいきますと、例えば、O&Mをやられる会社とか、いろんなところが入ってこられると思うんですけれども、そういったパートナーに売却するという方法もあれば、場合によっては、市場を活用して、IPOの形でエグジットしていくということもあると思いますので、もちろんのことながら、IPOをやろうと思ったら、IPOに耐えるだけの企業価値が出てこないとそれはできないわけですけれども、やはりそういったタイミングを我々として見計らってエグジットを是非していくということかと思いますし、エグジットすることができれば、それはそのものをまた新しいプロジェクトに、御指摘のとおり投資することもできますし、エグジットする前でありましても、もし収益性がきちんと確保されれば配当は出てまいりますので、配当を新しいプロジェクトに、あるいは、私どもの場合、旧組織から旧の日本輸出入銀行、あるいは旧の国際協力銀行の時代から計算いたしますと、おかげさまで26年度連続で国庫納付もさせていただいておりますので、そういった形でまた戻させていただくとか、いろいろなことができようかと思いますので、投資をする以上は、やはりエグジットを含めて考えていきたいと思っております。

続きまして、土居委員から御指摘いただきました点でございます。年限等をどう考えていくのかという点でございますけれども、やはり事業によりまして、まず、そもそも一言で言いますと、例えば、業種といいますか、これが原子力発電の事業であるのか、送配電の事業であるのか、水の事業であるのか、再生可能エネルギー、風力とか地熱とかそういったものが入ってきますけれども、そういった事業の内容と、同じ事業の中でも、また収益性の観点、これらを総合的に見て、例えば、融資の年限であるとか、先ほど御指摘いただきました出資のエグジットまでの年限であるとか、そういったことを考えていかないといけないと思っております。そういう意味では、平均すれば何年なんだということを、今この場で確定的に申し上げることは当然できないわけでございますけれども、私ども、従来も比較的海外のプロジェクトに融資の実績がございますので、比較的長期、あるいは超長期の事業にも融資、あるいは出資を行うということは実績としてはございますので、そういった自分たちのノウハウを、今後当然のことながらまた活用していく必要があると思っております。

それと、出資、融資、保証の使い分けの御指摘でございますけれども、まず、使い分けの前段階といたしまして、当然のことではありますけれども、民業補完がございますので、まず、民間資金をどれだけ動員できるんだということがあるかと思います。そうした中で、物によっては、もう出資は民間事業者だけで集まるということであれば、私どもはそこには手を出さないということも当然、まずそこから来ることがあるかと思います。

しかし、やはり出資もして、さらに融資のほうもと。融資も、特に年限、御指摘のとおり、超長期の年限にわたるものが結構出てくるかと思いますので、民間金融機関だけではそれが対応できないということであれば、そこのところを私どもが超長期資金を供与するということ。あるいは、民間金融機関が超長期を出すにしても、保証というクレジットサポートが必要だということであれば、私どもとして保証も供与していかないといけないと思っております。したがいまして、そういう意味では、1つの一定のルールで使い分けというのができるわけではないと思うんですけれども、民業補完を果たしつつ、この3つの機能を効率的に活用していきたいということでございます。

続きまして、林田委員から御指摘いただいた点でございます。リスクに対してどういうふうに対応していくのかという点でございますけれども、おっしゃられるとおり、カントリーリスク、事業リスク、あるいは永続させていくための事業運営をしていくリスク、そういったものがあるわけでございますけれども、私どもとしても、特に年限も長くなってまいりますので、審査体制のさらなる強化ということは非常に重要になってこようかと思います。従来からも、当然のことでありますけれども、金融機関として、内部での牽制関係を働かせると。融資部門と審査部門が牽制関係を働かせる、これはやってまいりましたけれども、さらに審査の質を上げていくということが必要だと思います。それは、経験を通じてもそうですし、委員御指摘のとおり、やはりマニュアルを作り、また、マニュアルをよりよいものに絶えずレベルアップさせていくといったような努力も必要だと思っております。

おかげさまで、プロジェクトに対する融資という意味では、とりわけプロジェクトファイナンス、主には我々は、どちらかといいますと、資源の関係でよくやらせていただきましたけれども、LNGの関係、あるいは銅鉱山の開発といったようなものにつきまして、途上国、もちろん先進国もガスの場合にはございますけれども、そういったところでのプロジェクトファイナンス形態での融資をこれまで長く行ってまいりました。これも20年以上行ってきておりますので、そういったところで蓄えたノウハウも是非とも有効活用していく必要があると認識しております。

また、カントリーリスクの点につきましては、長らく相手国、とりわけ途上国をイメージしていただいていると思うんですけれども、途上国に対する直接の融資等も行ってまいりました。そういった融資を通じたカントリーリスクを抑止する力といいますか、抑止力としても従来から民間金融機関からも期待されてきましたし、事業主体からも期待されてきましたので、そういったところでのカントリーリスクの抑止力という点でも、少しでも貢献することができればと考えております。

次に、川村委員から御指摘いただきました、外債なのかどうなのかという点でございますけれども、法律上はその定めはございません。政府保証債を発行するのにはそれはございませんが、やはり海外での事業の資金ということになりますので、為替リスクを回避したいということで、私どもに対する資金需要は、多くが外貨での資金需要ということでございますので、そうなりますと、外債で外貨を調達し、円転することなく、そのまま外貨で融資をさせていただいて御期待に応えるということでやっていく予定でございます。

また、同じ外貨の中でも、ドル建てだけなのか、現地通貨、途上国の通貨も含めたドル以外の通貨もどうなのかという御指摘でございますけれども、私どもの実績といたしましては、まず、ハードカレンシーにつきましては、例えば、ドル債、ユーロ債、あるいは、それ以外の、かつての、ユーロができるまでのヨーロッパ通貨、あるいはポンドといったような債券の発行実績はございます。また、現地通貨という意味では、タイバーツでの発行の実績はございます。そういった場合にはバーツで調達しまして、そのままバーツ資金を供与させていただくということでございますけれども、やはりまだまだ途上国の資本市場が十分に成熟しておりませんので、そのあたりに制約もあるかと思いますので、そこらあたりは、必要な資金と制約とよく比較考慮して発行通貨を考えていく必要があると考えております。

次に、今松委員から御指摘いただきました、従来のものは主に輸出であった。しかし、こういったパッケージ型となってきますと、事業型とでも言いましょうか、海外事業ということになっていくわけでございますけれども、とりわけ、その点で円借款との関係という御指摘もいただいております。円借款との関係は、やはりうまく協調してやっていく必要があろうかと思います。まあ、国にもよります。例えば、先進国事業となりますと、これはもう援助の世界ではございませんので、これは民間金融機関と一緒にやらせていただくということになろうかと思いますけれども、円借款を供与することができる途上国ということになってまいりますと、とりわけパッケージ型インフラというのは、1つ1つの案件は非常に大きいですし、かつインフラも周辺分野まで広げますと、非常に広範囲に日本として支援していく必要があると思いますので、そこらあたりは、やはり円借款とうまく協調して行っていく必要があると思っております。

次に、吉野分科会長から御指摘いただいた点でございますけれども、インフラ整備の後の支援につきまして、個人的には是非そうあってもらいたいと。とりわけ民間の銀行であったり、証券会社であったり、そういったところで欧米の金融機関が活躍されているのは事実だとは承知しておりますので、是非そこにおけます収益も、日本勢でもということかと当然考えております。

実は、手前味噌ではございますけれども、平成22年度の私どもの事業計画におきまして、産業投資のほうから2億ドル相当、180億円の産業投資を。全体では今年度は355億円なんですけれども、そのうちの180億円は実はASEANプラス3の枠組みの中で、この地域におけます資本市場の育成を目標とした仕組み、ファシリティを作ろうと。それによりまして、例えば、その地域におけます地場の企業が債券を発行する。そのときに保証を付けるとか一部買い取るというようなことで、資本市場の育成にも資するようにということでお付けいただいておりまして、今、枠組み、着々と作っている最中でございますけれども、そういったような貢献も日本としても行っているわけでございますので、是非、日本の金融機関の収益にもさらに結びついていただければということでございます。

最後に、インフラでございますので、インフラ分野におきましても民間資金の活用という点も分科会長から御指摘いただきましたけれども、私どもは、まずは民間資金をどれだけ動員できるのかということを第一として出融資業務を行っていきたいと考えております。

長くなりましたが、以上でございます。

〔 吉野分科会長 〕どうもありがとうございました。

時間も押しておりますので、ここら辺で国際協力銀行業務については御説明を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

〔 小林(株)日本政策金融公庫国際財務部長 〕どうもありがとうございました。

〔 吉野分科会長 〕それでは、引き続きまして、経済産業省、産業革新機構の方にお越しいただきたいと思います。

それでは、続きまして、産業革新機構についての御説明を臼杵計画官からお願いいたします。

〔 臼杵計画官 〕資料4−1をお願いいたします。ページをおめくりいただきまして、産業革新機構でございますけれども、左側、図の下の注1、注2に書かれてございますように、先日、持ち回りで説明させていただいたところでございますけれども、22年度補正予算におきまして、円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策を踏まえ、海外買収案件に対する支援を拡充するため、23年度当初予算要求額200億円のうち100億円を前倒しして補正予算に計上したところでございます。

23年度改要求額400億円につきましては、当初要求額の残額100億円、これはまさに海外買収案件に対する支援でございますけれども、残りの100億円とスマートコミュニティ分の300億円の合計額となってございます。スマートコミュニティというのは、後ろのほうの資料にもございますけれども、主に新興国におきまして、太陽光発電等を活用したエネルギーシステムや電気自動車等を活用した交通システム等と情報ネットワークを融合化させ、快適性と省エネを両立した新しいまちづくりを指し、新成長戦略に掲げられているパッケージ型インフラ海外展開の一環とされているものでございます。

右を見ていただきまして、編成上の論点といたしまして、論点1として、新たに国内企業が自社では有しない経営資源を有する海外企業を取り込むことを目指した海外買収案件に対する支援を拡充することとしているが、企業の海外流出による我が国産業の空洞化につながる恐れについてどのように考えるのか。さらに、具体的にどのような支援を想定しているのか。

論点2といたしまして、新成長戦略において、金融の役割は経済をリードすることとしており、また、機構が遵守すべき支援基準においても、機構は個別案件に関する民間投資ファンド等との補完性に努めることとされているところであるが、現状はどうかというものでございます。

ページをおめくりいただきまして2ページ目でございますけれども、要求の内容は先ほど説明したとおりでございまして、右側の論点に対する考え方、右側の真ん中、下の@でございますけれども、海外企業の買収、例えば、水ビジネスにおいては、我が国企業が海外において建設したプラントの運転・保守を実施する海外企業を現地において買収し、現地調査、設計、プラント建設、運転・保守までを1つのパッケージとして提供することを可能とすることにより、国際競争力のある次世代産業として成長させることが急務であると考えてございます。その際、日本国内の生産・雇用の確保など、投資の果実が我が国にもたらされる案件が支援対象となる仕組みを確保するため、支援基準にその旨を明記することとしており、その適切な運用が重要であると考えております。

さらに、主務省及び機構は、こうした海外買収案件支援のスマートコミュニティ案件支援に係る300億円を含め、合わせて産投出資400億円を要求してきており、今後、具体的な案件の積み上げを精査し、適正な産投出資規模の検討をすることが必要であると考えてございます。

さらにページをおめくりいただきまして、4ページ目右側、論点2でございますが、論点に対する考え方といたしまして、機構が投資を行う際に求められる役割は、民間のみでは対応が困難な長期リスクマネーを供給することにより、民間投資の呼び水効果を果たし、協調投資を誘導することにあると考えられております。

官民の投資比率につきましては、機構本体及び機構からの投資先を合わせたスキーム全体で投資比率1対1を目指すこととしており、現状、機構本体については、官からの820億円の出資に対し、民間からの出資は100億1,000万円となっており、官からの資金供給が大幅に多くなっている状況でございます。このため、機構の採択した案件については、民間からも一定の投資がなされるよう、経済産業省及び機構に要請してきたところであり、現状、機構による約153億円の出資に対し、民間からは112億円の投資がなされるところでございます。

さらにページをおめくりいただきまして、民間から一定の投資が入れば、収益性の低い投資を回避するなどの点でよりチェック機能が働き、投資規律が向上することが期待できるところでございます。また、機構が15年後には解散する期間限定法人であることを考慮すると、機構が解散した後も、我が国において自立的なオープンイノベーションが推進される土壌を涵養していく必要があると考えてございます。こうした観点から、機構の投資においても、民間投資もできるだけ引き出しておくことが重要であると考えてございます。

私からは以上でございます。

〔 吉野分科会長 〕どうもありがとうございました。

それでは、皆様から、御意見、御質問、いかがでしょうか。

皆さんが考えている間に、私から最初に。これも感想になるんですけれども、こういうのが海外で進むと同時に、国内でも、例えば、水ビジネスなんていうのは、地方公共団体がばらばらにやっていますので、そういう規模の経済性みたいのができればいいのではないかと思うんですけれども。

2番目の点は、5ページのところですけれども、これ、後で冨山先生にもご感想を伺いたいんですけれども、この機構が15年で解散するわけですけれども、そうしますと、本当に超長期のものができるのかなと。それから、だんだん解散の時期が近づいてきますと、そういうことができなくなって、もちろんこういうふうに期限を切るということはいいことだと思うんですけれども、そのデメリットというのもあるのかなというのが印象です。

冨山先生、どうぞ。

〔 冨山専門委員 〕最初にコメントなんですが、今日のすべての議論について、最初、再編の話があって、次がインフラ、特に海外インフラの話があって、これは産業革新機構もそうなんですけれども、いずれも冒頭、吉野先生が言われたペイシェントリスクマネーがかかわる問題で、だから、いずれも私は、基本的スタンスは、公の役割として頑張らなくてはいけないと思っているスタンスです。それは一応確認した上で、本当は、さっき言い逃しましたけれども、私は、独禁法の考え方を根本的に変えたほうがいいと思っているくらいなので、本当はそういう議論ももっときちんと。今どき、独禁法の考え方、国内シェアで議論するというのははっきり言ってナンセンスですよと思っているので、そういうのを含めて、基本的にポジティブということを確認した上で、産業革新機構の個別のことについて伺いたいんです。

論点から少し離れてしまうのですが、今までの実績で言うと、幾つかの案件が出ているんですけれども、特に再編絡みのところで言うと、実は再編の話というのは、今日の1つ目の話では融資という話だったんですが、実は再編に実際かかわると、ほとんどエクイティがそこで毀損するという問題に多くの場合、対峙するんですよね。除却とか償却とか、あるいはリストラをやるときにいろんな損を出さなくてはいけないので、要するに、自己資本を毀損するという問題が、1つ、極めて実務的な障害としてあって、そういった意味で言うと、多分、産業革新機構はエクイティ性の資金供給ができる立場ですので、その辺は個人的には非常に期待、いろんな想定した分野、大分それぞれのモデルケースが出てきているとは思うんですが、次の頑張ってほしい分野として期待しているんですが、その辺、今、どのようなお考えかということが1つ。

それから、あと、論点1に関してなんですが、ビジネスがグローバル化しているので、それをいろんな意味でエクイティ的に投資をしていくという議論と、国内の生産、雇用の問題がやや短期的、短絡的にトレードオフのような議論はされがちではあるのですが、私個人の意見で言えば、やはり国際競争力のある事業展開、産業展開をすることが大前提であって、例えば、事業規模が10倍になれば、結果的に国内雇用は絶対増えるんですよ、どんなやり方したって。要は、本社、本部の機能が日本ベースである限り、日本で本社、本部、あるいは研究開発とかそういう機能は、所詮ホームグラウンドに残しますから、どんな会社も。ですので、この整理というのは、ある種、偏狭な短期的な発想でこの議論が展開されてしまうと、恐らく本末転倒、要は、競争というのは、競争に負けてしまったら全滅するので、そこのところは私はそういうふうに思っているんですが、その辺、言いにくいかもしれませんけれども、産業革新機構として、突き詰めた整理としてはどういうふうにお考えかということを伺いたいということ。

それから、論点2にかかわって、民間と一緒にやっていくということに関して、これも基本的に私は賛成なんですが、先ほどの期間の問題とも少し絡むんですけれども、今の時期ということを考えたときに、これはリスクマネーは世界的な大収縮状態です。もう世界中どこ行っても、逆さに振ってもリスクマネー出てこない状況なので、これは一般論としてこのとおりだと思うんですが、今年、来年ぐらいの時間軸で考えたときに、「民間の比率をとにかく上げなくてはいけないから、産業革新機構の投資規模を小さくするとか、あるいは投資を諦める」とかというのは、今のこの時点を考えたときに本末転倒だと、割とラディカルなんですけれども、思っています。民間とのマッチングは確かに望ましい話ではあるんだけれども、今の時点で、これをもし必要条件と設定してしまうと、むしろ今の世界の金融情勢とか世界のリスクマネーの動きの中で産業革新機構に期待されている役割からすると、一番大きな役割を果たせるときにその役割を果たし損ねるのではないのかなと思うので、これは必要条件的な議論としてこの議論をしているのか、それとも、十分条件的な議論としてされているのか、私はそういう意見なので、どのようにお考えかということを教えていただきたいと思っています。

最後に、もう一回コメントなんですが、実際の案件、参考資料の案件の状況、出方を見ていると、今までのところ、相当いろんなことを慎重に考えられて、かつ1つ1つモデルケースを展開されてきているように思いますが、全般的な議論として、こういう、ある種、予算立ての議論をしたときに、とりわけリスクマネー供給の場合にはものすごく大事な問題なんですが、予算消化的な議論になってきてしまうと、たくさん使ったから次の年も予算を出します的な議論になってしまうことを私は警戒しています。殊、リスクマネーに関しては、それはやはりすごく危険な議論で、使わなかったからといって、ある意味で、予算立て上不利になるようなこともあってはいけないし、使ったからといって増やせばいいというものでもないので、これ、理財局長に対する質問かもしれませんけれども、こういう、特にリスクマネーの投資の世界に関しての予算組みの考え方というのは、私はそういう整理をしておくべきだと。要は、よくない案件はやらなければいいし、やらないことが正しいし、逆に言うと、それによって妙に予算枠が消化されるようなことが起きてきてしまうと、変なインセンティブが働いてしまうので、その辺の整理はどのようなのをお考えなのかというところを、最後。これはすごくジェネラルな質問ですけれども。

〔 吉野分科会長 〕土居委員、どうぞ。

〔 土居委員 〕論点1に関してなんですけれども、参考資料等で挙げられているのが、どちらかというとインフラ関連のものなのですけれども、私は基本的に、海外企業を取り込むような買収案件は支援するということに値すると思っていますけれども、必ずしもインフラ関連だけではないだろうと。それこそ、先ほどから議論があるように、いわゆる規模の経済が働くような、ないしは、もう少し別の言い方をすると、費用逓減産業でもう少しきちんと、海外をにらんで、ある種、企業の買収とか統合というものが行われるということはあっていいのではないか。

そういう意味では、国籍を問わず支援すると。もちろん、海外で外国企業同士を支援するというのは、この財投には馴染まないわけですけれども、少なくとも国内企業がアクションを起こすところで支援するというのは馴染むのではないかと思うんですけれども、質問としては、ここではインフラ関連の企業の話しか想定されてないようですけれども、今、私が申し上げたような、必ずしもインフラとは関連しないような費用逓減産業のところで、そういう買収を支援するというようなことは想定しておられるのかどうかというのをお伺いしたいと思います。

少しくどいかもしれませんけれども、確かに、冨山先生がおっしゃったように、国内市場だけを見て独禁法というか、市場シェアという話をするのはおかしいというのはそのとおりだと思いますが、ただ、独禁法は別に企業のためにあるのではなくて、消費者主権のためにあるわけであって、国内消費者が不利益をこうむらないようにするためには、海外と市場が分断されている限りにおいては、国内の市場でも独占による弊害が起こってないかということはチェックする必要があって、それは極端に言えば、この産業革新機構が、海外企業と統合、合併等々を支援するという場合でも、国内の市場シェアがどうなのかということ自体は、日本の消費者のためにとって、きちんとそれはそれとして見ていかなくてはいけないところだと思います。

〔 吉野分科会長 〕池尾先生、川村先生、富田先生の順番で。

〔 池尾委員 〕論点1の空洞化云々のところの話ですが、結論的には、先ほど、冨山さんがおっしゃったことと同じというか、意義はそれでいいんだと思うんですけれども、少し微妙かなという感じはあって、国民の税金なりを使って政府がやる活動である限りは、一番いいのは、結果として、間接的な経済効果として、税収が増えるという効果があるのが望ましいし、そこまでいかなくても、国内雇用なり、とにかく広い意味での納税者の利益につながるような効果がどこかで出てくるということが、結果的にうまくいけば自然とそうなるんだというよりは、もう少し強目にそういうところの原則というか、財投の活動としてやっていく上では求められるのではないかと。もちろん短期的にそれをリジッドにどうのこうのというのは、おっしゃったように決して好ましいことだとは思ってないですけれども、プリンシプルとしては、やはりその辺はあるのではないかと思っていて、この論点1に関するお答えを改めて聞かせていただきたいということです。

〔 吉野分科会長 〕川村先生、富田先生。

〔 川村専門委員 〕私も、土居委員や池尾委員と少しかぶるんですけど、この金額、非常に小さい金額だと思うんですね。なぜかというと、それとの対比で出てくる例示、あくまでも例示ということなんでしょうが、そうはいっても、水とかスマートコミュニティというのは、金額的にもかなり大きいものではないのかなと。そうすると、多分、例示されたとはいえ、あぶり出し絵的に出てきたということは、実際にそういうニーズとか具体的な話があって、エビデンスもあってシュアなものだから出してきているという理解でよろしいんですよね。つまり、一般論とすれば、さっき、4−2の2ページにあるように、こういうグラフでいけば、@とかCとかいうところで重なるところがあると思うので、いわゆる最先端技術とかそんなに資本投入要らないけれども、リスクはあるけれども、将来的に大きく花開くという可能性のある分野、いろいろあるんだと思うんですが、その中で、端的に言えば、なぜ水なのか、なぜスマートコミュニティなのかという、そこについて確認をさせていただく、こういうことです。

〔 吉野分科会長 〕富田先生、どうぞ。

〔 富田委員 〕この産業革新機構、最初、エレキとかバイオとか、いわゆるそういうところにペイシェントリスクマネーが乏しい。また、マネジメントノウハウだとか、そういうものもうまく活用できてないということで始まったように記憶しているんですけれども、9ページの資料、実績を見ますと、先ほどから話題になっております海外買収案件的なものがかなり多くて、また、来年度の要求もそういうのが出ているんですけれども、国内のそうした、そもそもの、いわゆるベンチャービジネスに対するリスクマネーの供給といったもののニーズが乏しいのか、要は、まだ何か、私、しっくりこないのは、ペイシェントリスクマネーがないからベンチャーが起こらないんだというふうな理屈がずっとあって、その流れの中にこの機構もあったんですけれども、ふたを開けてみて、支援決定案件というのを見ますと、今申しましたようなこととか今度の要求みたいなことですね。海外のものが多いと。そこらをどのように考えたらいいのかということをお教えください。

〔 吉野分科会長 〕よろしいですか。では、お願いいたします。

〔 高田経済産業省産業再生課長 〕ありがとうございます。まず、冨山委員から最初に、再編についてエクイティの問題が出てくるという問いについてですが、この分野、今、具体的な分野について、かなりデリケートなので申し上げられませんが、問題意識を持って、実際取り組んでいる活動がございます。やがて発表できることを、私どもも期待しています。

それから、空洞化につきまして、冨山先生、池尾先生から御質問がございました。もちろん国内あっての財投ですし、財務省からも、雇用への留意を厳命されております。海外を見てみますと、今、円高で、相対的に安価になっている、こういうときこそやれという意見もございます。そういう意味で、意味のある買収案件ならば国民にとっても意味があるのではないかということで、産業革新機構のほうでも、雇用については十分踏まえながらやっていくことになると思います。

それから、民間との関係で、財投資金そのものについては財務省の指導に従いたいと思っていますけれども、必要条件か十分条件かにつきましては、おっしゃるとおり、今、いろいろ私もお話を聞いていますと、民間資金がかなりタイトになってございます。そんなときに、実体経済がありますので、ある一定比率にとらわれて、それがないから案件が出ないというか、現在、産業革新機構が取り組んでいるものについては、例えば、バイオベンチャーなどはかなり初期のものですから、産業革新機構自身が相当出資していくということも行っていまして、ロングタームでは必要十分条件になっていかなくてはいけないと思っていますけれども、今現在の手掛けているところでいきますと、十分条件的な考え方でやらせていただいています。

それから、土居先生から御指摘のあった、海外買収案件は必ずしもインフラ案件ではないだろうという点については、それはおっしゃるとおりでありまして、インフラというのは、今、内閣官房挙げて取り組んでいますので、例示として使わせていただいています。ただ、戦略的に、日本にない技術ですとか、日本にないノウハウですとか、そういうものがあったら、それは別にインフラに限らず対象になると思っています。

それから、川村先生の要求金額についてですが、金額が小さいのは、そもそもの制約があるからです。ただ、それを裏づける見通しがあるのかという意味では、それはそういうふうに思ってやっております。例えば一例を紹介しますと、これは結局、最後、競争に負けてしまいましたが、欧州の送電網のノウハウを持っているアレバ社が売りに出たとき、1,000億円もかかるような企業でございました。一方で、水ビジネスの中にも、小さいものもございます。その案件ごとということだと思いますが、裏づけをもって要求させていただきます。

それから、富田先生の、もともとエレキとかバイオとかこういう技術、これが少ないという。産業革新機構でも、この辺、非常に大事だと思っていまして、取り組んでございます。今のところ、件数で半分ぐらいになっていますけれども、私どもが聞いていますのは、やはり初期の段階のものは、正直申し上げて、結構手間がかかっているということです。例えば、バイオベンチャーも始めましたけれども、複雑な権利関係があって、その中には、権利者の方から退出していただいたり、例えば、知財の使い方や企業ができ上がったときの取締役の体制とか、いろいろ資金をつないでいる段階で複雑な構図ができ上がっているような案件もあったりするので、整理に時間がかかる。

あるいは、いい技術であるのだけれども、事業ということでは、その販路をどうするか、あるいは事業体としてのマネジメントをどうするかとかいうものも結構手間がかかるようでありまして、そういう意味で、まだ件数的には多くは出ていませんが、決して買収ばかりやれということではなくて、こういう技術が事業になっていくという案件ももちろん重要で、例えば、経済産業省で言えば、NEDOとか産総研とかいろいろ研究開発、補助金等で支援しています。これが事業につながっていって、配当という形で返ってくるという形が望ましいわけですから、そういう意味で初期の段階のものも大事だと思っております。

以上です。

〔 吉野分科会長 〕冨山先生。

〔 冨山専門委員 〕私も富田先生と近い問題意識があって、私の想像なんですが、恐らく実際にこのベンチャーの領域にかかわっていった、今、感じておられるイメージとして、当初、割とレイトステージでたくさん資金が要るときに産業革新機構が入っていって、それをマーケットにつなげるというところで済むのかなという感じがあったような気がしていましたが、実際に取り組んでみると、特に、ここ2、3年、ベンチャーキャピタルファンドがいっぱい潰れてしまったので、技術は結構良いミドルステージの案件のステークがいろんなところに流れていってしまっていて、対応が必要なのではないかと考えています。ただ、私の感じでは、それを整理するステージというものがある程度必要なんだろうなという、それは時間的に猶予が必要なんだろうなと思います。このため、さっきまさしくおっしゃった、産総研とか理研とかの、比較的アーリーステージのところまでさかのぼることを腹をくくったほうがいいような気がしていて、要は、そこの間を従来やっていたのが、なぜかベンチャーキャピタルがやっていたんですけど、これが今、全滅状態に近いので、レイトステージで構えていても、アーリーステージの、まだ橋がかかってない、橋の向こうの端っこが意外と遠かったのではないのかなという感じが、私は、昔、ここで議論していたときよりも、今、すごく長いような気がしています。

ですので、そこを、結局、両方から橋を延ばしていかないとつながらない議論なので、そうすると、ある意味で、既存のベンチャーキャピタルが、みんな疲れきっている今こそ橋をつなぐ時期である気がしますので、可能であれば、産業革新機構の中でやっていくスコープを広げることにチャレンジしてもらえるとうれしいなという感じがします。

それから、さっき、吉野先生が言われたことについでに答えてしまおうと思っているんですが、恐らく今出ている買収型のものに関して言えば、15年というのは十分に長過ぎるぐらい長過ぎるような気がします。15年でだめだったら、それは最初の判断が、相当問題のある話で、むしろ、この15年というタームが現実に問題になってくるとすれば、今申し上げたベンチャー型の案件、あるいは開発投資型の案件で、かつ今まで想定していた以上にアーリーステージに食い込んでいったときにどうするかという問題は出てくるような気がいたします。

もともとの想定は、恐らくレイトステージで、もう既に、場合によっては上場しているようなケースで、実際の開発資金が枯渇したときにはどうしますかということを想定していたはずなので、ああいう場合であれば、今から十何年かあれば十分だと思うんですが、もう少しさかのぼっていったときには、先生御指摘のとおり、15年というのが結構どうなのかという議論は今後は出てくるような気がしています。

あと、確かに残りの年限が短くなっていったときには、新規案件をやっていったときに残りの年限はこれでいけるんですかという議論は、これは当然されるべきで、そこは多分、産業革新機構の側でも当然そういう議論がされていると同時に、出す側でも、この案件、要は、時間が先に行けば行くほど後ろが短くなってくるので、当然、超長期型の案件は取り組みにくくなるので、むしろレイトステージになればなるほど、再編とかバイアウト物が増えるのが自然な感じがしていて、逆に言うと、さっき申し上げたような、富田先生が言われているような案件は、今のうちに取り組んでおかないと、例えば、5年後、6年後にやるというのは逆にすごくしんどくなるような気がしているので、もちろんそういうことは意識して運営していただけるとうれしいなという感じがいたします。

〔 吉野分科会長 〕ありがとうございます。

では、若杉先生、最後に。

〔 若杉臨時委員 〕今日、いろいろリスクの問題点、いっぱい出ているわけですけれども、日本の場合には、世界的にそうなんですけれども、お金がないということではなくて、お金はだぶついているわけで、日本の中で特に問題は、既存の経営者がリスクをとれなくなっているんですよね。ですから、リスクをとるマインドがないということが一番大きなことなわけです。それはいろんな理由があるわけですけれども、今まで、日本は技術が進んでいるということですね。自分たちには守るべきものがあると思っている人がすごく多いんですね。そういうことで新しいところに飛び込めないということがあるので、あまりリスクを恐れないでやっていくことがすごく大事なわけで、リスクをとるというマインドを引き出すようなことを産業革新機構がやらないと意味がないと思うんですね。お金ではないんですね。大事なことは、リスクをとるマインドを日本人の中で生み出すということがすごく大事なんですよね。ですから、是非そういう観点から行っていただきたい。会社の名前がそういう名前なんですから、是非そういう点で。リスクを恐れていたら何もできませんから、ノーリスク・ノーリターンですから。リスクをとらなくてはしょうがないということですね。そういうことで、よろしくお願いします。

〔 吉野分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、最後に美並総括課長から、先ほどの枠の問題についてお願いします。

〔 美並財政投融資総括課長 〕冨山委員から、リスクマネーについて予算消化的な考え方になるのを警戒するという理財局に対する質問がありましたので、私から答えたいと思います。

資金運用報告などで、分科会でも意見、御議論をいただきましたように、財投の場合、一般論としても、執行について、基本的に、とにかくついているから、年度内に無理して消化という考え方には立っておりません。特にリスクマネーについては、経済金融情勢、個別の事情等ございますので、適宜に判断して執行していくということが大事だろうと思っています。

それから、計画額につきましても、これも予算なんかで時々批判される前年度主義といいますか、前年幾ら使ったから来年幾らつけると。何割だったらいいけど何割だとだめとか、そういう考え方には立ってないと思っていまして、まさに見込みとか見通しを踏まえて来年度の計画をどうするかということが大事だと思います。それと同時に、逆に、見込みはないけれども、大事な額だから格好だけつけるということもあってはならないという認識で臨んでいきたいと思っています。

以上です。

〔 吉野分科会長 〕では、次長お願いします。

〔 池田理財局次長 〕一言だけ申し上げたいと思うんですが、雇用の問題なんですが、先ほど、経産省の方からメンションがなかったので、あえて申しますけれども、産業革新機構の支援基準に、「今回、海外買収案件を産革機構の業務に追加するに当たりまして、戦略分野における経営資源を活用するものであって、国内の生産、雇用を確保しつつ」という1文を実は入れていただきました。すなわち、私どもも海外買収といったときに、買収して、雇用が外に逃げるような、工場を外に出すようなという典型的なそういう案件はここの対象にはならないよねということについては経産省と合意をしてございまして、産革機構もそれはよく承知のことと存じます。今の買収案件、インフラ型などが、直接すぐに国内で雇用を生まないのはそのとおりですが、雇用を外に出すものでもございませんので、長い目では、国内に雇用をつくっていくということに中期的にはつながっていく、そういうものが対象という理解でございます。念のため。

〔 吉野分科会長 〕どうもありがとうございました。

最後に、臼杵計画官から、もし何かあれば、お願いいたします。

〔 臼杵計画官 〕委員の皆様におかれましては、貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。本日いただいた御意見を十分踏まえ、施策の実行可能性、政策効果、民業補完性の観点に加え、融資の場合には償還確実性、産投の場合にはリターンがあるかどうかを十分精査した上、適正な事業規模を年末に向けて検討していきたいと考えております。どうもありがとうございました。

〔 吉野分科会長 〕それでは、これで終了させていただきますが、次回の予定でございますけれども、11月12日の午後2時から、民間都市開発推進機構、福祉医療機構、日本学生支援機構、地方公共団体の平成23年度財政投融資計画の編成上の論点について、また臼杵計画官と辻計画官から御説明していただくという予定でございます。

また、今日の議事の模様につきましては、後日、インターネットに掲載させていただきたいと思います。本日はご多忙の中、どうもありがとうございました。

午後5時59分閉会
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