関税・外国為替等審議会関税分科会特殊関税部会(平成24年11月8日)議事録
本稿は、平成24年11月8日の関税・外国為替等審議会関税分科会特殊関税部会の議事録です。
○小寺部会長ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会特殊関税部会を開催いたします。
委員の皆様方には、御多用中のところ御出席をいただき、ありがとうございます。
それでは、早速、本日の議題に入らせていただきたいと思います。
本日は、南アフリカ、中国及びスペイン産の電解二酸化マンガンに係る不当廉売関税の課税期間の延長に関する調査の開始について、事務局から説明を受けるということでございます。
それでは、水谷特殊関税調査室長より説明をお願いいたします。
○水谷特殊関税調査室長それでは、電解二酸化マンガンの件につきまして、資料1に沿って御説明いたします。
1ページ目の1.を御覧ください。本年8月30日に東ソー日向株式会社及び東ソー株式会社の2者から電解二酸化マンガンについて不当廉売関税の課税期間の延長申請が提出されました。注2にございますように、南アフリカ、中国、スペイン、オーストラリア産の電解二酸化マンガンにつきましては、現在、平成20年9月より来年8月末までを課税期間といたしまして不当廉売関税が課されているところでございます。このうちオーストラリアにつきましては、生産者が既に廃業しておりまして、今回の申請の対象にはなっておりません。この申請の内容につきまして、関係法令に照らして検討を行いました結果、関税定率法に基づく調査を行う要件を満たしている。すなわち、不当廉売された貨物の輸入及びその輸入の本邦産業に与える実質的な損害等の事実が課税期間の満了後において継続し、又は再発するおそれがあるということについて十分な証拠があることが認められましたものですから、不当廉売関税の課税期間の延長の可否につきまして財務省と経済産業省合同の調査を開始することといたしました。
この調査開始の旨は、10月30日の告示で公表いたしまして、同時に報道発表資料をホームページに掲載、それから海外供給者、輸入者などの利害関係者へ調査開始の通知を行っております。
まず、電解二酸化マンガンの商品概要について、3ページの別紙2を御覧ください。電解二酸化マンガンは、灰黒色の粉末でありまして、主に電池の正極材、プラスの極に詰めるようなものの原材料として使用されるほか、わずかではありますけれども、マッチ原料、ガラス工業用途、触媒原料にも使用されるものでございます。
輸入量の推移を見てみますと、表にありますように、不当廉売関税の課税前の平成19年度は合計で1万7,000トン、その後5,000トン、2,000トンと減少いたしましたが、22年度は8,000トン、23年度は1万トンと増加しております。直近の23年度で見てみますと、中国、南アフリカ、スペインの3か国で約8割を占めておりまして、中でも中国産が大部分を占めている状況になってございます。
なお、欧米の状況でございますが、欧州連合では南アフリカ産に対しまして、米国では中国産と豪州産に対しまして、日本とほぼ同じような時期に不当廉売関税が課されております。
続きまして、今回の申請書の概要について、2ページの別紙1を御覧ください。
まず、1の不当廉売された貨物の輸入が継続又は再発するおそれにつきましては、ここでアルカリ電池の正極材として使用される電解二酸化マンガンの場合を示しておりますけれども、輸出価格は1トン当たり14万円台であるところが、正常価格といたしましては15万円から18万円台になっているというような計算になっておりまして、現に対象国からは正常価格を下回る価格で輸出されていることが示されております。したがいまして、不当廉売された貨物の輸入が今後継続し又は再発する可能性があるということが主張されております。
次に、2の本邦産業に与える実質的な損害等の事実が継続又は再発するおそれについてであります。まず、(1)の表で3か国からの輸入量を見てみますと、先ほどの表と同じでございますが、平成20年からの不当廉売関税の課税に伴いまして輸入量は1万トンから2,000トンに一旦は減少を示しておりますけれども、直近23年度は8,000トンと顕著な増加を示しております。また、対象国におきましては高い余剰生産能力、供給余力を有しておりまして、課税期間が延長されなければ、我が国にさらに輸出が振り向けられる可能性があるということが主張されております。
本邦産業の状況を示す指標については、(2)の表で、19年度を100としました指数で示しております。本邦産業は、平成20年からの不当廉売関税の課税に伴いまして、21年度の欄にございますように、状況が好転しておりまして、課税の効果を見ることができると思います。しかしながら、先ほど申し上げました輸入の増加によりまして、23年度で見てみますと、指標の多くが悪化を示してございます。したがいまして、本邦産業に与える損害が継続し、又は再発するおそれがあることが主張されております。
以上のことから、申請者は、今回、電解二酸化マンガンに係る課税期間の延長を求めているものでございます。
今後の予定につきましては、1ページ目に戻っていただきまして、2.に記載しておりますけれども、調査は原則といたしまして1年以内に終了するとされておりまして、今後、利害関係者からの証拠の提出、情報の提供等の機会を設けるとともに、対象国の企業、国内生産者等に対する実態調査を行いまして、客観的な証拠の収集を行ってまいります。これらの結果を踏まえまして、WTO協定に定められた国際ルール、それから関係法令に基づきまして、不当廉売された貨物の輸入及び当該輸入の本邦産業に与える実質的な損害等の事実が課税期間の満了後に継続し、又は再発するおそれの有無につきまして、利害関係者による反論の機会を設けた上で認定を行いまして、最終的に課税期間の延長の可否を判断することとなります。
私からの報告は以上でございます。
○小寺部会長 ありがとうございました。
それでは、事務局からの説明につきまして、御質問、御意見等をいただきたいと存じます。いかがでしょうか。
1点だけお尋ねしますが、電解二酸化マンガンの国内における全体の販売量というのはどんな推移になっていますか。
○水谷特殊関税調査室長 2ページの2.(2)の表にありますように、これは指数で示しておりますけれども、19年度、課税を始める前を100といたしますと、2年後の21年度は193ということでピークを示しておりまして、その後やはり輸入の増大によりまして、価格競争の影響で徐々に国産品のシェアが奪われておりまして158と……
○小寺部会長 いや、私がお聞きしたのは全体の……
○水谷特殊関税調査室長 全体ですか。東ソーは我が国唯一の生産者でございまして、この販売量の指標の推移が我が国の国産品の販売量の推移を示していると……
○小寺部会長 いや、国産品と輸入品と合わせた……
○水谷特殊関税調査室長 国産品の販売量と輸入量をあわせた、電解二酸化マンガンの国内総需要量としましては、19年度から21年度にかけて減少しましたが、その後増加し、23年度は19年度と概ね同水準となっております。輸入品のシェアが増えているということでございます。
○小寺部会長 もう1点だけお聞きしますが、最近、太陽光とかいろいろな形で電池が出てまいりましたね。この電解二酸化マンガンというのは、そういう新たな用途が出てきたというものじゃないんですか。
○水谷特殊関税調査室長 従来は乾電池がほとんど用途の中心でありましたけれども、最近では電気自動車に搭載いたしますリチウムイオンバッテリーがありまして、この正極材にも電解二酸化マンガンが利用されることもございます。従来に比べまして、ここ数年そういった需要が増加しております。ただ、全体的に占める割合はまだ小さくて、引き続きアルカリ乾電池への使用が大部分を占めております。
○小寺部会長 どうもありがとうございました。
よろしいでしょうか。
それでは、御質問等ございませんようでしたら、以上をもちまして本日の議事を終了させていただきたいと存じます。
本日は、御多用中のところ御出席をいただきまして、ありがとうございました。
