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関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会(平成29年8月23日)議事録

本稿は、平成29年8月23日の関税・外国為替等審議会 関税分科会 特殊関税部会の議事録です。

 

午後3時00分開会

佐藤部会長  それでは、定刻でございますので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会特殊関税部会を開催いたします。

 委員の皆様には、御多用のところ、本日、御出席をくださいましてまことにありがとうございます。

 まず、事務局の構成につきましては、本年7月に人事異動がありましたところ、お手元の座席表をもって御紹介にかえたいと存じます。

 続きまして、飯塚関税局長より一言御挨拶を頂戴したいと存じます。よろしくお願いいたします。

飯塚関税局長  この7月11日より関税局長を務めております飯塚と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。 また、先生方におかれましては、本日、大変暑い中、また、大変お忙しいところ、御出席を賜りましてまことにありがとうございます。

 平素から、私ども税関の行政あるいは関税の政策につきまして、多大なる御理解、御協力を賜り、この場をかりて厚く御礼を申し上げたいと思います。

 本日は、特殊関税部会ということではございますけれども、せっかくの機会ですので、少し全体的なお話もさせていただきたいと思います。 私ども、ボーダーでの取締りを通じた国民生活の安全・安心の確保というミッションを帯びております。また、税関手続の迅速化等を通じた貿易の円滑化の推進という取締りとは相反するようなミッションを帯びているわけでございます。こうした中にありまして、昨今、覚醒剤の密輸でございますとか、テロのリスクが増大してきているという状況でございます。

 また、加えて申し上げますと、私ども、関税ですとか、あるいは内国消費税の公平な徴収といったミッションも帯びているわけでございますけれども、これに関して申し上げますと、恐らく内国消費税の徴収を逃れるためということだと思いますが、昨今、金の密輸が急増しているというリスクもありなかなか難しい状況でございます。

 加えて申しますと、これはちょっと目線の違う話でございますけれども、国際関係で、先般、日EUのEPAが大枠合意いたしましたが、これに加えまして、今、アメリカが抜けた後、TPP11をどうするかという議論が始まっておりますし、また、RCEPというアジアと環太平洋の経済連携交渉といったものも進んでいるというところでございます。

 こういったさまざまな課題を、私ども関税局・税関は抱えておりまして、こうした中で、いろいろな面で努力をしているところではございますけれども、ぜひ先生方には、今後とも多大なる御支援をお願いしたいと思っております。

 本日は特殊関税部会ということで、中国産のいわゆるPETの不当廉売に係る暫定的な不当廉売関税の課税について御審議をいただく予定にしております。何とぞ御審議を賜りますようよろしくお願い申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。

 本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

佐藤部会長  飯塚局長、どうもありがとうございました。

 なお、本会議につきましては、霞が関の働き方改革を加速するための懇談会が取りまとめました提言等に基づきまして、事前に御案内のありましたとおり、試行的にお手元にありますタブレットパソコンなどによって資料を説明させていただく予定ということになっております。ぜひ御理解、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 それでは、本日の議事に入らせていただきます。

 本日の議題はお手元の議事次第のとおりでございます。中華人民共和国産高重合度ポリエチレンテレフタレートの不当廉売に係る暫定的な不当廉売関税の課税について御審議いただきたいと存じます。

 この件につきましては、昨年9月に当部会において調査を開始する旨を事務局より御説明いただいております。調査は、昨年9月末より開始をいたしまして、本年8月4日、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入の本邦産業に与える実質的な損害などの事実を推定することについての決定がなされております。中華人民共和国産高重合度ポリエチレンテレフタレートの不当廉売につきましては、お手元の資料1のとおり、財務大臣から暫定的な不当廉売関税の課税について当審議会に諮問がされております。これを受けて、本件が当部会に付託されているところでございます。本日は、委員の皆様方に本件を御審議いただいた後、答申の取りまとめを行いたいと存じますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 それでは、高重合度ポリエチレンテレフタレート産業の現状につきまして、岩崎経済産業省製造産業局素材産業課企画官より御説明をお願いいたします。

岩崎経済産業省製造産業局素材産業課企画官  資料2−1に沿って御説明させていただきます。

 まず、1ページ目をご覧下さい。

 最初に、高重合度ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法を簡単に御説明させていただきます。

 ページ中央に対象物質の写真や製造フローを簡単に記載しております。プラスチックの一部でございますので、原料は原油から精製されましたナフサ、こちらを化学工場におきまして幾つかの分解工程を経て取り出されます固体状のテレフタル酸、それと液体状のエチレングリコール、この2つの物質が主に主成分となっております。この2つの物質に幾つかの触媒物質を加えまして、プラントの反応器の中で加熱しながら混ぜ合わせる溶融重合という過程や、乾燥状態の物質に不活性の窒素などのガスを吹きつける固相重合という過程を経まして、いずれも二百数十度の高温と、高い真空状態の中でのプラント内の化学反応の処理過程を経まして、高重合度PET樹脂を製造しております。

 資料の写真ではわかりづらいのですけれども、溶融重合された左側のペレットは、色が透明の状態になっております。右側の固相重合のペレットについては、色は白色状態です。

 今回の対象物質は、PET樹脂と呼ばれて市場取引、流通等をされておりますけれども、1グラムにつき0.7デシリットル以上の高重合度の樹脂が対象でございます。具体的な用途は、街中で見かけます様々な形のペットボトルや、包装やその梱包用の透明なシートなどに加工されます。

 国内の製造事業者ですが、現在、三井化学株式会社、また、三菱ケミカルグループなど、記載の8社・グループを確認しており、いずれも国内の工場で生産を行っております。

 なお、記載の事業者には、使用済みのペットボトルをリサイクルした再生樹脂も活用し、先ほど御説明しました溶融重合や固相重合の、同じ処理過程を経て、最終的に高重合度PET樹脂を製造している事業者も含めています。

 2ページに移ります。

 高重合度PET樹脂の輸入の推移ですけれども、中国からの輸入量ですが、記載した3年分だけでも、約20%前後の割合で年々増加しており、2015年度に約36万4,000トンに達しております。国別の輸入量ですけれども、やはり中国からの輸入量が最も多く、直近の2017年上半期を合計しますと24万3,000トンと、既に2013年度の年間量に迫る量になっております。国別割合も中国が53.2%と過半に達しており、次いで台湾が25.2%の数量となっております。

 3ページに移らせていただきます。ただいま御説明したまとめとしまして、高重合度PET樹脂は、主に飲料用のペットボトル等に使用されている樹脂材料でございます。昨年9月の調査開始以降、中国からの高重合度PET樹脂の輸入は継続している状況にあります。申請者から、暫定課税の早期発動を求める意見が提出されております。アンチ・ダンピングは、ルールに違反する貿易に対抗するため、各加盟国にWTO協定上認められた措置でございますので、ルール違反を速やかに是正し、公正な市場競争環境を確保することは極めて重要であります。

 私からは以上でございます。

佐藤部会長  どうもありがとうございました。

 引き続き、諮問の内容を含め調査の概要及び暫定措置の発動の必要性につきまして、武次特殊関税調査室長より御説明をお願いいたします。

 委員の皆様からの御意見、御質問は、後でまとめてお受けいたしますので、その際に、ただいまの御説明についても御質問ください。

 それでは、武次室長、よろしくお願いいたします。

武次特殊関税調査室長  特殊関税調査室長の武次でございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の議題でございます中華人民共和国産高重合度ポリエチレンテレフタレートに係る不当廉売関税について説明いたします。

 主に資料2−3を用いて説明したいと考えておりますが、資料2−2は不当廉売関税の制度と課税状況の説明資料、資料2−4は8月4日に公表しております中間報告となっております。

 では、資料2−3、表紙をおめくりいただいて、1ページ目でございます。

 まず、経緯でございます。昨年9月6日に三井化学、三菱化学等国内生産者からの課税の求めを受けまして、同月末より調査を開始いたしました。その後、利害関係者等への質問状の送付をはじめ、本年3月から4月にかけまして現地調査も実施いたしました。調査の結果、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入の本邦の産業に与える実質的な損害等の事実を推定できたことから、今月4日に仮の決定を行ったところでございます。

 続きまして、調査の概要でございます。不当廉売関税を課すには、まず、不当廉売の事実があるということ、それから、国内産業で損害が出ているということ、その両者に因果関係があることが必須でございますので、これらについて調査をいたしました。

 まず、調査対象貨物でございますが、さきに経済産業省より説明のありました高重合度ポリエチレンテレフタレートでございます。

 次に、調査対象期間でございますが、不当廉売輸入の事実につきましては平成27年4月1日から平成28年3月31日までの1年間、損害の事実については平成25年4月1日から平成28年3月31日までの3年間でございます。不当廉売輸入の事実と損害の事実とで期間に差がございますが、WTOの勧告によって、不当廉売事実について1年、損害は少なくとも3年間を調査期間とすべきとされておりますので、このようにしております。

 では、2ページ目に参ります。

 調査対象国は、香港地域及びマカオ地域を除く中華人民共和国でございます。

 次に、調査の現状に参ります。質問状に対する回答状況でございますが、表1を御覧ください。質問状は、供給者21、輸入者18、本邦生産者11、産業上の使用者33に対し送付いたしました。

 この回答の状況でございますが、11者の海外供給者から調査に協力するとの回答をいただいたのですが、数が少し多いものですから、標本抽出を行いました。質問状に全て回答した者のうち、本邦向けの輸出量上位の者から標本として選定したものでございます。

 それでは、次のページに参ります。

 中国の供給者は、中国の産業における高重合度ポリエチレンテレフタレートの生産及び販売につきまして、市場経済条件の浸透の事実があることを明確に示すことはできませんでした。このため、注2にございますように、中国に対する特例措置を用いまして、中国と比較可能な最も近い経済発展段階にある国、これを第三国という言い方をしておりますが、この国における価格を正常価格として用いることにしました。この選定に当たりましては、調査対象者からも意見をいただきつつ、また、一人当たり国民総所得(GNI)が中国に近い国を選定いたしました。我が国への輸出価格につきましては、標本抽出しました中国企業4者の本邦向け輸出取引のうち、調査当局で検証できたもの及び知ることができた事実に基づいて認定をしております。不当廉売の有無につきましては、本邦への輸出価格と正常価格を比較したところ、輸出価格が正常価格よりも低くなっており、不当廉売された貨物の輸入の事実が推定されております。算出された不当廉売差額率は輸出者によって幅がございまして、表2にございますが、40.41%から53.85%となりました。調査に非協力であった輸出者及び我々調査当局が知り得なかった輸出者につきましては、53.85%をとっているところでございます。

 続きまして、不当廉売された貨物の輸入の本邦の産業に与える損害の事実について説明申し上げます。これについては、表3を御覧になっていただければと思います。

 国内需要量につきましては、指数表記でございますが、25年度から27年度にかけて5%増えているところです。その間、中国からの輸入量は4割以上増えております。この間、国産品の販売量は2割以上減っておりますし、当然ながら国産品の市場占拠率も下がっているところでございます。期間中、原材料である石油化学製品が値下がりしておりましたので、国産品の製造原価も抑制されていましたが、このような状況下にありましても、中国産品の値下がりの影響で国産品も値下がりを続け、利益を確保することができませんでした。調査期間中におきましては、中国からの不当廉売輸入以外に本邦産業に影響を及ぼした可能性、例えば、先ほど経済産業省からも説明がありましたが、中国以外の第三国からの輸入の急増といったものは特に見られておりません。これらのことから、不当廉売された調査対象貨物の輸入が本邦産業に損害を与えたとする因果関係が推定されたものでございます。

 以上が調査の実施状況でございますが、続きまして、暫定措置発動の必要性について御説明いたします。

 関税定率法第8条第9項は、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入の本邦の産業に与える実質的な損害等の事実が推定され、国内産業を保護する必要が認められるときは、調査終了前であっても、政府は暫定的な不当廉売関税を発動することができると規定しております。昨年9月の調査開始以降も中国からの当該貨物の輸入は継続しており、かつ、中国から不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入の本邦の産業に与える実質的な損害の事実が推定されており、国内産業は中国からの調査対象貨物の輸入による損害を受け得る状況にございます。また、先の経済産業省の説明のとおり、国内産業からも早急に暫定措置の発動を求める意見が出ております。

 以上のことから、調査中に生じる損害の拡大を防止し、本邦産業を保護するため、暫定措置を発動する必要が認められるということでございます。

 したがって、調査によって明らかになった不当廉売差額率に基づきまして、不当廉売関税率は、表4にございますが、供給者ごとに39.8%から53.0%とし、措置の期間はWTO協定及び国内法令で認められた期間内である4か月間とする暫定措置を発動することは適当であると考えております。

 私からは以上でございます。

佐藤部会長  ありがとうございました。

 それでは、ただいま事務局から2つの報告をいただきましたが、この御説明につきまして、御質問、御意見を委員の皆様から頂戴したいと存じます。非常に駆け足の御報告でしたから、どうぞ資料2−2、2−3を改めてごらんいただきましてお考えのところをお述べください。

 まず、私から1点、武次室長に伺っておきたいのですが、資料2−3の3ページの表2の不当廉売差額率と、今回発動を御提案になっている5ページの表4の不当廉売関税率との関係というのはどうなっているのですか。

武次特殊関税調査室長  不当廉売差額率は、3ページの注4にございますが、正常価格から輸出価格を引いたものつまり、不当廉売差額を輸出価格で割っているものでございます。

 一方、5ページ目、表4の注8でございますが、不当廉売関税率は、不当廉売差額を本邦の輸入価格を分母として割っておりますが、輸出価格より本邦輸入価格の方が大きいものですから、実際には、不当廉売差額率よりも不当廉売関税率のほうが若干低くなるという関係でございます。

佐藤部会長  ありがとうございました。今の御説明のようなことで微妙に差が出ているということで理解をいたしました。

 委員の方々、いかがでしょうか。

 相澤委員、どうぞ。

相澤委員  結論については異論ありません。ただ、措置を早くしないと、日本の産業の被害がひどくなりますので、今後の事案についても、迅速かつ適切に進めていただくことが必要であると思います。

佐藤部会長  ありがとうございます。

 他に御意見ございますでしょうか。

 特にありませんようでしたら、答申の取りまとめに移りたいと存じますが、よろしゅうございますか。

 それでは、事務局で用意しました答申(案)を配付していただきます。

 (答申書(案)配付)

佐藤部会長  それでは、武次特殊関税調査室長より答申(案)の朗読をお願いいたします。

武次特殊関税調査室長  平成29年8月23日

 財務大臣 麻生太郎殿

 関税・外国為替等審議会会長 小川英治

 答申書(案)

 平成29年8月23日付財関第1040号をもって諮問のあった暫定的な不当廉売関税の課税について、本審議会の意見を下記のとおり答申する。

 記

 関税定率法第8条第9項第1号の規定に基づき、中華人民共和国(香港地域及びマカオ地域を除く。)産高重合度ポリエチレンテレフタレートに対して暫定的な不当廉売関税を課することについては、諮問のとおり行うことは適当であると認める。

佐藤部会長  ありがとうございました。

 ただいまの答申(案)につきまして、御質問、御意見はありますでしょうか。

 特に御質問、御意見がございませんようでしたら、本部会として、本案のとおり決定することといたしたいと存じますが、よろしゅうございますか。

 (「異議なし」の声あり)

佐藤部会長  ありがとうございます。

 御異議が無いようですので、中華人民共和国産高重合度ポリエチレンテレフタレートの不当廉売に対する暫定的な不当廉売関税の課税につきましては、当部会といたしまして、この案のとおり決定することといたします。ありがとうございます。

 関税・外国為替等審議会議事規則第7条及び第8条の規定により、部会に付託された調査審議事項については、部会の議決をもって審議会の議決とすることとされておりますので、これにより関税・外国為替等審議会として財務大臣に答申いたしたいと存じます。

 最後に、事務局より連絡事項がございますので、泉関税課長より、よろしくお願いいたします。

泉関税課長  関税課長の泉でございます。

 委員の皆様には国家公務員法上の守秘義務が課されております。議事録等で公開されていない情報で、審議会の委員として職務上知り得た秘密につきましては公にされませんよう、改めてお願いいたします。

佐藤部会長  ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 以上をもちまして、本日の部会を終了させていただきます。

 本日は暑い中、また、御多用のところ、このように御出席くださいましてまことにありがとうございました。


 

午後3時26分閉会

財務省の政策