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関税・外国為替等審議会 関税分科会 議事録(平成24年11月21日開催)

本稿は、平成24年11月21日の関税・外国為替等審議会関税分科会の議事録です。

午前10時開会

○伊藤分科会長それでは、時間になりましたので、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催したいと思います。

委員の皆様には、御多用中のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

議事に入ります前に、仁平委員の異動に伴い、その後任として末永太委員が新たに当分科会のメンバーになられましたので御紹介させていただきたいと思います。

○末永委員末永と申します。どうぞよろしくお願いします。

○伊藤分科会長それでは、本日の議事に入らせていただきたいと思います。

本日の議題は、お手元にお配りしております議事のとおり、平成25年度関税改正検討項目及び、引き続き検討すべき事項について御議論いただいた後、しばらく時間を置きまして、これまでの御議論をとりまとめました平成25年度関税改正に関する論点整理案につきまして御意見をいただきたいと思います。

それでは、平成25年度関税改正検討項目として、納税環境の整備につきまして事務局より説明をお願いします。

○柴ア関税課長資料1−1、「納税環境の整備について」という資料で御説明させていただきます。

1枚おめくりいただきますと、まず1ページ、延滞税等の見直しについてでございます。関税を法定納期限までに完納しないなどの場合には、債務不履行に対する遅延利息として延滞税を納付する必要がございます。これは期限内納付の促進や納税者の負担の公平の見地から設定されたものでございまして、年7.3%の割合で、また2月(ふたつき)を経過いたしますと年14.6%の割合で課されるというのが本則になってございます。関税のこの規定はとん税に準用され、とん税の規定が特別とん税に準用されることになってございます。

また、関税の過誤納金を還付する場合、利子として還付加算金を加算いたしますけれども、これは延滞税とのバランスを考慮して設けられておりまして、年7.3%の割合で加算されるということでございます。

2ページ目でございますけれども、(3)の特例基準割合でございます。今申し上げましたような7.3%という数字につきましては、平成11年度改正におきまして、低金利の状況を勘案し、当分の間の措置として基準割引率(公定歩合)に4%を加算した割合が年7.3%に満たない場合、特例としてその割合を使うこととされておりまして、現在は4.3%という割合が使われております。

2の「背景及び改正の必要性」のところでございますけれども、延滞税につきましては、平成24年度税制改正大綱において、そのあり方について検討する旨が盛り込まれておりますほか、本年3月の閣議決定において、「延滞税の利率を含めた負担の見直しについては、税の確実な収納を勘案しつつ、低金利下における利率のあり方、事業者の負担等を考慮し、平成25年度税制改正時に成案を得る。」とされたところでございます。これを受けまして、現在、内国税についても取り扱いが検討されているところでございますけれども、その状況を見ながら、関税につきましても納付を促す効果に配慮しつつ、現下の低金利の状況等にかんがみ、特例的に延滞税及び還付加算金の利率を見直すことが適当ではないかというのが3ページにかけての論点に書かせていただいているところでございます。また、これに併せまして、とん税及び特別とん税についても同様の見直しを行うことも論点に入れさせていただいているところでございます。

次に、1枚おめくりいただきまして、4ページを御覧ください。災害によって更正の請求について期限の延長があった場合などにおける更正等の期限の延長について御説明申し上げます。現行の関税法の規定では、更正の請求の期限が災害により延長されるなどの場合、更正の請求の期限は延長される一方、更正の期限は延長されないという状況が生じることがございます。

次の資料1−2の2ページ、資料全体を裏返していただきますと出てまいりますけれども、それを見ていただければと思います。下のほうに「注1」と書いてございますけれども、この更正の請求及び更正に関する期限につきましては、平成23年度改正において、これらの期限を5年としたところでございます。ただ、この改正は平成23年12月2日以降に法定納期限が到来する関税について適用されるものでございます。この資料においては、東日本大震災が平成23年3月11日に発生したことを念頭に置きまして、法定納期限がその1年前の平成22年3月11日に到来した事例をもとに作成しているものでございます。このため、更正の請求の期限は1年、更正の期限が3年という形で図をつくってございまして、平成23年度改正前のものとなっていることに御留意いただきたいと思います。この事例におきましては、許可及び法定納期限を平成22年3月11日ということにしておりまして、その結果、更正の請求の期限が平成23年3月11日、更正の期限が平成25年3月11日に到来することになってございまして、これが本則でございます。しかし、更正の請求の期限の末日でございます平成23年3月11日に震災が発生したことにより、関税法第2条の3の規定によって、更正の請求の期限は延長されております。これが更正の期限でございます平成25年3月11日を越えて延長されますと、更正の請求はできても、それに応じた更正ができないという状況が生じることになります。

なお、東日本大震災の被災地のうち福島県の一部につきましては、現在のところ、この延長の期限の指定は行われていない状況になってございます。

また、先ほど申し上げましたとおり、平成23年度改正で更正の請求及び更正の期限は5年ということになりましたけれども、これが適用された後であっても同様の問題が生じることには変わりございません。

資料1−1の4ページから5ページにお戻りいただきますと、今申し上げたような問題につきましては、関税だけではなく、内国税におきましても同様の問題が生じておりまして、そちらでも見直しが検討されているところでございます。こうした状況をにらみつつではございますけれども、関税についても、被災者からの更正の請求に対して必要な更正ができるように、更正に関する期限を見直すなどの手当てを行うことが必要ではないかというのを論点としているところでございます。

私からは以上でございます。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等をいただければと思います。よろしいでしょうか。

それでは、特に御意見がないということで、引き続き検討すべき事項に移りたいと存じます。「国際郵便物に関するセキュリティ対策の強化」及び「EPA税率の適用に関する原産地手続についての検討」について、事務局から続けて説明をお願いします。

○高見業務課長業務課長の高見でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、お手元にお配りしてあります資料の2と3に沿って御説明申し上げたいと思います。

資料2を御覧ください。「国際郵便物に関するセキュリティ対策の強化」でございます。表紙をめくっていただきまして、1つ目、現行制度の概要でございます。米国やEUをはじめとする諸外国において、テロへの対応としてセキュリティ対策の強化に対する関心が高まっております。セキュリティ対策の強化を図る上で貨物情報の早期入手及びその分析は特に重要でございますが、国際郵便物に係る情報は事前提供がなされていない状況にございます。国際郵便物の国際輸送形態は、1つの郵袋の中に複数の郵便物が混在しており、個々の郵便物の情報を把握することが困難であることから、我が国におきましては、国際郵便物に係る情報について、関税法基本通達に基づき事前提供を省略することにしております。これは、関税法15条の入港手続で通常、外国貿易船等に対して求められている積み荷目録、マニフェストの提出を郵便の場合には省略するという扱いになっております。また、近年、拳銃・麻薬等の社会悪物品及び知的財産侵害物品の輸送手段として国際郵便物が利用されることが懸念されておりまして、これは10月の当分科会で御報告申し上げているとおりでございます。

2.背景及び検討の必要性でございます。2010年のイエメン発米国向け航空貨物からの爆発物の発見事案、ギリシャ発の郵便物からの爆発物の発見事案等を契機として、国際貨物や国際郵便物等に関するセキュリティ対策の強化について、米国やEUをはじめとする諸外国や関係の国際機関において関心が高まっております。これに関連して、本年9月から10月に開催されました万国郵便連合の第25回万国郵便大会議において、国際郵便物に関するセキュリティ対策の強化を図るため、国際郵便物に係る情報の電子的な方法による事前提供に関する改正を含む万国郵便条約の改正案が採択されております。本条約は2014年から施行される予定でありますが、その具体的な内容については、2013年4月以降、万国郵便連合において、各加盟国・郵便事業体の間で審議・決定されていくものとなっております。

参考までに、関連する条約の部分でございますが、第9条、郵便業務の保障というふうに和訳されておりますけれども、英語ではpostal securityというタイトルになっておりまして、2行目にありますとおり、「郵便業務のすべての段階における業務の保障に関する活動の戦略を採用し、及び実行する。この戦略には、加盟国及びその指定された事業体の間の閉袋の運送及び繰越しについての確実性及び業務の保障の維持に関する情報の交換を含む。」とあります。この情報の交換に関して、今回、改正案として、参考2にございますとおり、電子的な方法による国際郵便物に係る情報の事前提供に関する原則を盛り込むこととなったものでございます。

我が国といたしましても、郵政行政を所管する総務省、あるいは事業体の日本郵便株式会社と連携を図り、万国郵便連合における検討状況を確認した上で、電子的な方法による国際郵便物に係る事前の情報提供に向けた課題等に関する検討を開始するとともに、諸外国やWCOなどの国際関係機関と積極的に情報交換・連携し、作業を進めていく必要があるということでございます。これに関しては、WCOで12日に、この条約改正を歓迎するとともに、各国の郵政当局と税関当局の協力強化の必要性を強調する内容のプレスリリースが発表されております。

また、電子的な方法による国際郵便物に係る情報の事前提供については、具体的な業務方法等について万国郵便連合において合意が得られ、途上国を含むすべての加盟国にシステムが整備されるにはかなりの期間を要することが想定されることから、まずは国際郵便物に係る情報の事前提供以外の手段について、関係者間で幅広く検討し、実施することが必要とございます。

今後の対応でございます。今後、関係者と連携を図り万国郵便連合における検討状況を確認した上で、電子的な方法による国際郵便物に係る情報の事前提供に向けた課題等について検討を開始することとしたいと考えており、あわせて、事前提供される国際郵便物に係る情報を活用したリスク判定システムの構築を検討することとさせていただきたいと思います。

また、我が国におけるセキュリティ対策の強化の観点から、国際郵便物に係る情報の事前提供の実施を待つことなく、通関に関連する業務全般について検証し、国際郵便物の適正かつ効率的な通関が可能となるよう、あらゆる方策について総合的に検討した上で、可能なものから早期に実施することとしたいと考えております。

国際郵便物に関しては以上でございます。

続きまして、資料3も御説明申し上げます。資料3、「EPA税率の適用に関する原産地手続についての検討」でございます。

資料の1ページ目を御覧ください。我が国におきましては、EPA税率の適用に当たっては、当該輸入貨物が相手国の原産品であることを条件としており、税関において原産品であることを確認する方法として、輸出国の発給当局が発給する証明書、いわゆる原産地証明書に基づくという方法を基本としてございます。

なお、一部の経済連携協定におきましては、認定された輸出者が仕入書等の商業書類に特定の申告文を記載する原産地申告をもって原産地証明書と同様に扱うという認定輸出者による自己証明制度を採用しております。

2でございますが、我が国における最初のEPAである日シンガポール協定が発効してから今年で10年目となり、現在13本のEPAが発効しております。EPA税率を適用した輸入申告も着実に増加してきており、原産地手続に関し、税関としても利用者に対する情報提供などの支援を行ってきたところでございます。しかしながら、例えばEPA税率の適用に当たっては、原産地証明書を輸入者が入手する必要がございますが、発給当局の事情等により原産地証明書に不備があり、EPA税率の適用ができないという問題や、原産地証明書は原本が必要とされることから、通関関係書類のペーパーレス化――これは既に今年7月から始まっております区分1について書類の提出省略でございますが、この対象外となっているといった問題が指摘されております。

現在、複数のEPAが交渉中であり、EPA利用者の数もさらに増加すると予想されますことから、EPA税率を適用するための原産地手続についても、適正・公平な関税徴収等の観点から、協定が規定する原産品であることについて引き続き的確に確保しつつ、輸入者の利便性も向上するような施策を実施していくことが我が国の貿易の円滑化や国際競争力の強化の観点から必要であると考えられます。

したがいまして、3番の今後の対応といたしまして、EPA税率適用のための原産地手続について、今後のEPA交渉の推移や既存協定の規定を踏まえ、原産品であることについて引き続き的確に確保しつつ輸入者の利便性も向上するような方策について検討させていただきたいと考えております。

以上でございます。御審議をよろしくお願いいたします。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの説明につきまして、御質問あるいは御意見等ありましたらいただきたいと思います。

○鈴木委員EPA税率についてですが、EPAが増加してきますと、その弊害を小さくするためにこのような検討をするということは重要であると思いますので、ぜひ進めていただければと思います。

ただ、基本的には、EPAが錯綜してくる中で、あれもこれもさらに同時並行的に増やしていくということについては、弊害を小さくする視点から、慎重に国益にかなうEPAを選択する姿勢も併せてお願いしたいというコメントでございます。

○野坂委員国際郵便物のセキュリティについて質問をしたいと思います。この資料2の2ページに、今後、「全ての各加盟国にシステムが整備されるには、かなりの期間を要することが想定される」とありますけれども、現在、加盟国としてこの問題についての合意の目標年、何年ごろまでにというような見通しが出ているのかどうか、それについてまず伺いたいと思います。

2点目としては、その次の行ですけれども、「事前提供以外の手段について幅広く検討し、実施することが必要である。」ということです。この「事前提供以外の手段」としてどういうことが考え得るのか、これについて御説明していただけますか。

○高見業務課長御質問、ありがとうございます。

EPAの最初の鈴木委員の御発言については、ただいまの御意見も賜りながらしっかり検討していきたいと考えております。

2点目、野坂委員の国際郵便物に関する説明に関して、最初に、加盟国で実施に向けて目標年をどのように今考えているかという点については、本日、総務省の川野室長にも御同席いただいておりますので、実際に御出張されたということもあって、補足をお願いできればというふうに思います。

私のほうでお答えできるのは、2つ目の御質問の「情報提供以外の手段」でありますが、これは国際郵便物の通関でございますけれども、説明で最初に申し上げたように、郵袋という形で送られてくる。そうすると、国際郵便物を取り扱う郵便局にその袋が着いて、それをほどいて出す。そこで初めて税関職員が一個一個ラベルを見て開披検査や課税の要否について判断していくという作業、つまり、手を使って一個ずつ取り扱うという点、あるいは目で見て確認するという非常に手間のかかる体制になっております。そこは何がしか機械で読み取る形で、我々の持っている何かデータベースと突き合わせるような手段が考えられるのではないか、検査機器のほうでもう少し工夫をすることができないか、あるいは麻薬探知犬を増やすとかいうこともあります。いずれも厳しい予算の制約の中で何ができるかということはすぐに申し上げることはできませんけれども、事前情報以外のところでまだまだ工夫する余地があるのではなかろうかと考えております。そこについては日本郵便ともよく相談させていただいて、ぜひできるところから実施させていただきたいと考えております。

○川野国際企画室長(総務省)総務省の川野でございます。

御質問の、今回、UPUの大会議におきまして採択された条約改正につきまして、1ページの下からありますとおり、我が国も来年、条約の批准手続、国会で承認いただくことを想定しておりまして、実際に施行されるのが2014年からで、各国はそれに向けて条約の準備をするという段階です。これは条約だけが決まっておりまして、具体的に事前情報をどういった郵便物に対して、何の情報を送るかというのは極めて実務的に詰めなければならず、1ページから2ページ目に書いてございます来年の春に、万国郵便連合の下に管理理事会と郵便業務理事会という2つの理事会がありますが、恐らくこの郵便業務理事会が中心になると思いますけれども、ここで具体的なものを議論していく段階でございます。要は、どうやるかもこれからということで、逆に言えば、途上国なども含めて加盟192カ国がいつ入れられるかというのは見通しがまだ立っていないというのが正直なところでございます。そういうこともございまして、業務課長からも今お話がありましたけれども、加盟各国の全部が整うのを待っているとなかなか時間もかかるだろうから、日本郵便株式会社と関税当局の具体的な業務を見直すことでお互い効率よくできるのではないかということで、この秋、関税局と総務省でもいろいろ協議を重ねてきているということです。今、課長からお話があったアイデアも出てきているので、そこはうまくやっていこうという話をさせていただいているところでございます。

○石毛委員EPA税率の「今後の対応」のところで、「原産品であることについて引き続き的確に確保しつつ輸入者の利便性も向上するような方策について検討したい」というのは、どういう具体的な対策をイメージしているのですか。1ページ目の参考のところで日スイス協定云々、こういうような例外的な取り扱いのものをもっと増やすという意味ですか。どういうふうにするという方向性を考えているのでしょうか。

○高見業務課長御質問、ありがとうございます。

基本的な考え方としましては、原産品の確認をしっかりやるといいながら利便性の向上にもつながるということでありまして、実はまだ確たる方向性というのは持ってございません。今後の課題でございますけれども、諸外国の制度あるいは既存のEPAの取り扱いなどをよく踏まえて、参考にさせていただいて、具体的にどういうことが可能かということを経産省さんとも御相談させていただきながら考えていきたいと思います。

○青山委員私もその点についてお伺いしたいと思いました。まず、鈴木委員がおっしゃったように、EPAを発効するについてはかなりの時間と努力が課せられてしっかりと発効したということだと思います。また、現在、発効に向けての調整中、交渉中というところもあります。そういう点では、10年の歴史の中から今の輸入者が困っている状況等をしっかりと精査しながら、今後に向けての改善策といいますか、小さなとは言わないけれども、書類の不備等々で輸入者がその利便性を享受できない不便さというのはきちんと改善されなければならないだろうと思います。そういう点では、今具体的にどういう状況かというのはまだお分かりになっていらっしゃらないということですけれども、さまざまな角度から検証していただく。そのためにはしっかりと予算を確保して検証することが必要かなと思いますので、まずは応援のための意見として御対応いただければありがたいというふうに思います。

○櫻井委員基本的な質問ですけれども、資料2の国際郵便物に関することです。制度の基本的な概念を教えていただきたいのは、貨物と郵便物については、国内の宅急便と郵便の違いみたいな議論もございましたけれども、国内法でどうなっていて、それから国際的な仕切りとしてはどういう整理になっているのかということを簡単に教えていただければというふうに思います。

それから、情報の事前提供の話ですけれども、これはそもそも送り出す国においてまず情報を収集するということですが、貨物の場合には基本的に、私が一部知っているのは、自己申告をベースにしているのと、あと当局で把握している情報があるんですかね。それを事前に、例えば日本に来る前に提供するというようなイメージでよろしいのでしょうか。そうすると、郵便の場合にはどういう形でされるのかというのを具体的にお伺いできればと思うんです。

○高見業務課長ありがとうございます。

制度の違いは、委員が今おっしゃったとおり、通常の輸入貨物の場合には輸入申告という形で輸入者が、場合によっては通関業者に頼んでということでありますけれども、こういう貨物について数量が幾つあって、価格が幾らでという申告情報を入れて輸入申告するという取り扱いでございます。郵便に関しましては、差出人から郵便を送ってくるという基本的な考え方の違いもあります。賦課課税と呼んでおりますが、国際郵便物を取り扱う郵便局に着いたところで実際に税関職員がその郵便物を見て、何が入っていて、幾らで、それに対して関税が幾らかかるということを職員が行うというのが大きな違いとなっております。したがって、先ほども御説明申し上げたように、現在は、国際郵便物の到着前に情報が入ってくることにはなっていないということであります。一部、20万円を超える郵便物については申告が義務付けられておりますけれども、大部分はまだ賦課課税というやり方で処理しておりますので、そういった取り扱いの違いがございます。

○櫻井委員物品と郵便の違いはいかがですか。

○高見業務課長物品というのは……。

○櫻井委員貨物。だから、基本通達で事前提供省略ということですので、日本語の問題として、貨物の定義と、郵便物をどうやって除外しているのかというときの国内法の定義の問題と、国際法上の理解の仕方はどう違うのかということです。

○高見業務課長関税法上では、貨物の中から郵便物を除くという形での体系というか、そういう制度の仕方にしてございます。それは国内の取り扱いということで、これはよろしゅうございますか。

○櫻井委員はい。

○高見業務課長国際的にはというのは、万国郵便条約というのは基本的に通信手段としての郵便というところから派生してきているものでありまして、基本的には郵便は郵便局で受け付けたものを、郵便業務として、それをそのまま受取人のところまで届ける義務を負うという考え方でその取り扱いを定められております。それがだんだん派生して、信書と一緒に少し荷物を入れるような形になり、これが郵便小包という形にだんだん業務範囲として拡大してきているわけですけれども、郵便物の中にそういった郵便小包もどんどん含まれていく形で今整理されております。

○川野国際企画室長(総務省)ちょっと補足させていただきますと、万国郵便連合の枠組みは、もともと19世紀からあり、世界の市民を通信でつなごうというコンセプトに基づいておりまして、各加盟国が具体的に指定する郵便事業体、日本ですと日本郵便株式会社がそれぞれ郵便物を引き受けて相手国にちゃんと渡す。それを交換と言っているのですけれども、そういう枠組みになっております。そういう意味では、日本郵便株式会社とすれば、各国、アメリカですとUSPSとか、中国ですと中国郵政とか、フランスはラ・ポストとかありますけれども、そういう郵便事業体から、どこで受けたとか一切関係なく、丸々郵便物を受け取るような仕組みになっております。通常のいわゆる輸出入の場合は、私の所管ではないですけれども、基本的には輸出者と輸入者がそれなりに事前に契約を結んで、こういうものを買うから、じゃ、送ろうということになるので、事前に相手が分かって送受信がなされるものです。郵便は、御案内のとおり、事前に御連絡して送る場合もあるでしょうけれども、プレゼントを例えばおばあちゃんがボストンに留学している孫に送るときに、送るからねと言うこともあるでしょうけれども、そうではなくて、郵便局に出すといきなり着くということがございますので、事前の情報を郵政当局がすべて把握することのしにくさが商売上の貨物の場合とちょっと違うというのが大きな特徴かと思います。

○櫻井委員1点だけですけれども、ということになると、水際対策でセキュリティ対策を立てるといったときに、小包的なものも含めると、貨物の場合とそんなにリスクは変わらなかったのではないかとむしろ思うのですが、そういう沿革的、制度的な差があったがために郵便のほうは比較的後れていたという理解でよろしいんでしょうか。

○川野国際企画室長(総務省)そういう意味で、通関の手続上は非常にやりにくい対象物だと思います。ですから、この事前情報も、先ほど委員から目標年次は決まっているのかという御質問がありましたけれども、正直申しまして、本当に192カ国に入れるのはかなり大変だろうという気はしております。そういう意味で、今おっしゃった水際、向こうから情報が来るのを待っているとなかなか進まないので、日本側できちっと効率よく仕分けるやり方を模索しなければいけないということを、総務省と財務省では話をさせていただいていたということでございます。

○潮田委員ちょっと細かいことをお尋ねいたします。つまり、セキュリティの度合いというか、妙なものが通過する可能性が郵袋に入っているもののほうが高いというふうに受け止められるのですけれども、郵袋というのは、一般貨物と同様に、一般の乗客が乗っている航空機で運送されるものですか。それとも専用機でやるのですか。

○川野国際企画室長(総務省)一般的には普通の民間の飛行機に、日本郵便株式会社ですと預けていらっしゃるということがございます。通関の手続とは別に、ICAOという航空の保安関係等の機関もありまして、結局、飛行機に載せる荷物は、郵便物であろうと商業貨物であろうとセキュリティをきちっと確認することが、9.11以降非常に厳しくなっております。例えば日本郵便株式会社が郵便物を飛行機に載せるためには、先週ぐらいにICAOの国際機関の方々が来て国内の検査を全部されていたのですけれども、郵便会社が無条件に引き受けるのではなくて、載せられないものを全部リストで郵便局でお見せして、「ないですね」ということを全部宣誓させて、最後、国際郵便交換局においてはエックス線検査を全部行ってから日本としては出しているということなので、正直言うと、日本から出る郵便物ではあまりそういうものは出ないのかなという気はしております。ただ、日本郵便株式会社と同じクオリティーを残りの191カ国の郵便事業体がきちっとやってくれるかどうかというと、そこは非常に心配な面もあるので、事前情報がとれればそれにこしたことはないですけれども、とれなくても日本のほうで見ていく必要もあろうかなとは考えております。

○相澤委員郵便に関しては、万国郵便連合に基づいて国際的に円滑な郵便が行われていますので、それを阻害することのないように、各国で調和して行われるようにお願いします。

セキュリティについての重要性というのは十分に理解をしますが、現在における円滑な郵便の流通が阻害されないように、また、新たなコストが発生することのないように御留意をいただきたいと思います。

原産地については、EPAなどを締結した場合に、証明書のところをきちんとしないと、第三国原産品が締約国の原産品に紛れ込むことにより適正な関税の賦課が損なわれる虞がありますので、その点にも留意していただければと思います。

○川野国際企画室長(総務省)1点目の御指摘は全くごもっともでして、今回の万国郵便連合の会議の条約改正では、冒頭御説明があったように、セキュリティの確保のために事前情報を提供しなければならないという規定が加わったことに加えて、今おっしゃった話と全く同じ趣旨で、郵便線路、郵便網、郵便ネットワークの特異性を考慮して、世界的な郵便の流れあるいは取引を妨げるようなことがないように実施されなければならないという条項も併せてその改正条文に入ってきたということがございます。これに関しては、今回の資料にもございますけれども、2010年のイエメン発の貨物があったときに、アメリカあてということで、アメリカは国土安全保障省等を中心に、郵便あるいは貨物について基本的にチェックしていないものは引き受けないといったことを突然発表しました。何が起こったかというと、各国、日本も含めた郵便事業体が引き受けたアメリカ宛の荷物が、各国の郵便局の中に滞留して送れなくなり、結局、返送してしまうということが起こって、当時、UPUの国際事務局長からヒラリー国務長官あてに、そういう事情はちゃんと考えてくれという書簡を送ったりというようなこともございました。ですので、セキュリティ確保は、人命・財産に関わることなので非常に大事ですけれども、他方で、誰でも簡単に出せる郵便の利便性を損なうおそれもある。そこのバランスをうまくしていかなければいけないというのが、今後の具体的な業務方法を決めていく上での非常に大きなハードルになってくるかと思います。

○高見業務課長御質問、ありがとうございます。

コストという話、あるいは迅速という点については、私どももそこはきちんと意識して考えております。ただ、今回の事前情報の提供で、やはり事前に情報をいただくことで選別をもっと速くすることができる。したがって、そこは効率化の部分、あるいは迅速化の部分でも効果があると考えられます。いずれにしても、いただいた点を踏まえてきちんと検討していきたいと思っています。

それから、EPA税率の話で、証明書のところに関しましては、今後の検討におきまして、原産品の確認はきちんとやっていく。それは当然の前提で、その上で輸入者の利便にもつながる方策を検討していきたいと考えております。

○石原審議官いろいろ御質問をありがとうございました。

今御説明申し上げました国際郵便とEPAでございますけれども、今いろいろお尋ねがありましてお分かりいただけたと思いますけれども、いずれもかなり道のりの長い話でありまして、それぞれ非常に特殊性もありますし、いつまでにきちんとスケジュールを立てて整然とやっていけるということが今申し上げられないような事柄でございます。そうであるがゆえに、今回、我々は先生方に、こういった課題があるということをこの場で御説明して、ともしますと役所というのは人事異動がありますと、ころっと忘れてしまうようなこともある中で、ここは課題としてきちんと我々はお約束をしたということでございます。そうは言いつつもなるべく早く困難な課題に取り組んで解決策を見出していこうと思っておりますので、どうぞ叱咤激励をよろしくお願いいたしたいと思います。

○高見業務課長1点ご説明したい事項がございます。

実は本日、資料を用意しておりませんけれども、関税局・税関におきましては、貿易円滑化の観点から通関関係書類の電子化・ペーパーレス化を促進することとしておりまして、昨年度に通関関係書類の簡素化について当分科会で御審議いただき、その結果を踏まえて関係法令を改正させていただきました。今年度におきましても、引き続き通関関係書類の電子化・ペーパーレス化の促進に取り組んでいくこととしておりまして、来年25年10月から通関関係書類をPDF等により電子的に提出することを可能とするための所要の規定の整備を図ることとしております。そちらについてもよろしくお願いいたします。

○伊藤分科会長よろしいでしょうか。

それでは、これまでの議論を踏まえまして事務局から論点整理案を準備いたしますので、今から10分ほど休憩を挟ませていただきたいと思います。10分後にお席にお戻りいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

午前10時42分休憩
午前10時52分再開

○伊藤分科会長それでは、議事を再開したいと思います。

平成25年度関税改正につきましては、これまで委員の皆様に大変熱心に御議論いただきましたが、これよりその内容をとりまとめました論点整理案につきまして御意見をいただきたいと思います。

それでは、まず事務局より説明及び朗読をお願いします。

○柴ア関税課長ただいまお手元にお配りいたしました資料4、「平成25年度関税改正に関する論点整理案」について御説明申し上げます。

1枚おめくりいただきますと、左側のページに目次がついてございます。まず、これに沿って論点整理案の項目の御紹介をさせていただきたいと思います。

一として平成25年度関税改正の背景ということで、関税率等を巡る国際状況と税関行政を巡る状況について整理をしてございます。次に、二として平成25年度関税改正についての考え方につきましてまとめております。(一)が関税率等の見直しということで、暫定税率、特別緊急関税制度等の取り扱い、さらに特恵関税制度に係る事項について整理をしております。(二)で貿易の円滑化として、指定保税地域の指定対象の拡充について、(三)は適正かつ公平な関税の徴収として、関税評価に係る規定の整備についてまとめております。さらに、(四)に納税環境の整備といたしまして、延滞税等の見直し、及び、災害による期限の延長等の場合の更正の請求に対する更正等に関する期限の延長について整理をしております。最後に、三として、引き続き検討すべき事項の2点、国際郵便に関するセキュリティ対策の強化、及びEPA税率の適用に関する原産地手続についてまとめているところでございます。

それでは、1ページから本文を朗読させていただきます。

○事務局では、読ませていただきます。

一.平成25年度関税改正の背景

1.関税率等を巡る国際状況

我が国は、世界経済の構造変化を背景に、グローバル化への対応や持続可能な社会の実現等の課題に直面している。また、リーマン・ショック後の世界的な景気後退を背景として、世界貿易にも大きな影響が出ており、保護主義や世界経済縮小の懸念が高まっている。

我が国が、アジア太平洋地域を始めとするグローバルな成長力を取り込み、経済成長を維持・増進し、引き続き、世界経済に貢献していくためには、率先して、高いレベルの経済連携を進め、新たな貿易・投資ルールの形成を主導していく必要がある。

そこで、我が国は、主要な貿易相手国を始めとする幅広い国々と戦略的かつ多角的に経済連携を進めるため、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP:Free Trade Area of the Asia-Pacific)の実現に向け、現在交渉等が行われている日豪や日加の二国間の経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)や日中韓FTA(Free Trade Agreement)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP:Regional Comprehensive Economic Partnership)といった広域経済連携の取組みを推進するとともに、環太平洋パートナーシップ(TPP:Trans-Pacific Partnership)協定については、交渉参加に向けた関係国との協議を進めることとしている。また、日EUについても早期交渉開始を目指しているところである。

世界貿易機関(WTO:World Trade Organization)については、産業界からのニーズの高い情報技術協定(ITA:Information Technology Agreement)拡大交渉の早期妥結等を目指しつつ、引き続き、ドーハ・ラウンド交渉妥結に向けて積極的に対応を進めているところである。また、APEC(Asia Pacific Economic Cooperation)については、環境に配慮したグリーン成長を促進する観点から、環境物品とサービスにおける貿易・投資の促進に取り組んでいるところである。

2.税関行政を巡る状況

税関行政については、経済・社会のグローバル化・ボーダレス化を背景に、我が国を取り巻く、国際的な物流や人的交流が拡大・変化する中で、「安全・安心な社会の実現」、「貿易の円滑化」及び「適正かつ公平な関税等の徴収」を基本的な使命とし、セキュリティ確保と両立させながら、通関手続の簡素化・迅速化や輸入者の利便性向上に取り組み、我が国の貿易の円滑化や国際競争力の強化を図っていく必要がある。

「安全・安心な社会の実現」については、覚醒剤の密輸事犯の全体の摘発件数及び航空機旅客による摘発件数が過去最高を記録する中、密輸手口が悪質・巧妙化し、不正薬物の密輸リスクが高まっており、引き続き、水際の厳重な取締りが求められている。知的財産侵害物品については、輸入差止件数が5年連続で2万件を超え、中国来貨物の一極集中化の傾向が顕著の中、各税関に知財取締対策本部を設置し、税関内の連携を推進するなど、その取締りを強化している。また、出港前報告制度についても、その実施に向け、鋭意準備を進めているところである。

「貿易の円滑化」については、セキュリティ確保と両立させながら、我が国企業の国際競争力の強化を図っている。通関手続の改善及び電子化・ペーパーレス化の推進に取り組み、輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS:Nippon Automated Cargo and port Consolidated System)について、更新、関連システムの統合及び更なる開発を進める一方、アジアに切れ目のない市場を作り出し、その成長を取り込む観点から、アジア・カーゴ・ハイウェイ構想を推進しており、ベトナムへのNACCS型システム導入プロジェクトを進めるなどの技術支援を通じ、アジア地域の貿易円滑化にも寄与している。また、各国の税関の手続の簡素化・調和を進め、国際貿易の安全確保と円滑化の両立を図るため、世界税関機構(WCO:World Customs Organization)と積極的な協働を進めているところである。

「適正かつ公平な関税等の徴収」については、豚肉の差額関税制度の下、関税等を不正に免れる事案が後を絶たないことから、制度を適切に運用し、一層適正な通関を確保するため、審査・検査の充実を図っている。近年、我が国の産業構造の変化に伴うグローバルなサプライチェーンの構築や輸入貨物の製造とサービスの融合が進展した結果、輸入貨物に係る取引形態の複雑化や貨物の輸入を取り巻く事情が多様化し、輸入貨物に係る関税の課税価格の計算が困難な事案が出てきており、関税評価に係る規定の整備を可能な限り早期に進める必要がある。

こうした中、今後とも、経済・社会のグローバル化・ボーダレス化の下、幅広いニーズを取り込んだ、税関行政の実施を進めていく必要がある。


二.平成25年度関税改正についての考え方

(一)関税率等の見直し

1.平成25年3月31日に適用期限の到来する暫定税率の取扱い

(1) 基本的な考え方

平成25年3月31日に、433品目に設定されている暫定税率の適用期限が到来する。これらは、その必要性について見直しが行われつつ、近年は単年度ずつ延長が行われてきている。

基本税率が、長期的な観点から、内外価格差や真に必要な保護水準を勘案して設定されている税率であるのに対して、暫定税率は、一定の政策上の必要性等から、適用期限を定めて、基本税率を暫定的に修正する税率であり、その水準及び必要性については、常に見直していくことが重要である。

(2) 延長の必要性

以下の点を踏まえ、基本的に暫定税率を引き続き維持する方向で対応することが適当であると考えられる。

イ.国内の生産者と消費者等との利益調整に及ぼす影響

関税率には、産業保護を求める国内の生産者と安価な供給を求める消費者・需要者との間の利益調整を考慮して設定される面があり、この水準を変更しようとする場合には、その国内経済への影響を考慮する必要がある。

特に、暫定税率が基本税率等を引き下げる措置となっている現状を踏まえれば、仮にこれを廃止した場合には、関税率を引き上げる結果となり、広く消費者等の負担水準を引き上げることとなる点に留意する必要がある。

ロ.WTO交渉との関係

ウルグアイ・ラウンド合意を踏まえて暫定税率により枠内税率が設定されている関税割当品目及び国家貿易品目については、一定の数量までその関税率での市場アクセス機会の提供を国際的に約束していることに留意する必要がある。

また、現在設定されている暫定税率に関連する多くの事項がWTOドーハ・ラウンド交渉の対象となっているが、同交渉において新たな市場アクセスの枠組みに係る合意がまとまっておらず、今後の同交渉の行方を予断することなく注視していく必要がある。

ハ.関係国との協議結果に基づく税率の引下げ措置の履行に及ぼす影響

ウルグアイ・ラウンド合意に際して、関係国との協議の結果に基づき、協定税率から更に実行税率を引き下げるために暫定税率を設定している牛肉等の品目については、こうした関係国との協議の経緯を考慮する必要がある。これらの品目について、仮にその暫定税率を廃止しようとすれば、関係国との再協議が必要となる。

ニ.国内政策上の必要性

国内政策上の要請に応じて暫定税率が設定されている品目については、その時々の政策上の必要性を考慮し、常に見直した上で暫定税率設定の是非を判断する必要がある。その際、内国税において同様の施策が採られている場合には、それとの関係にも留意する必要がある。

(3) 基本税率化の適否

暫定税率が長年にわたって設定され定着している場合には、これを基本税率化(暫定税率を廃止して、同水準の基本税率を設定)することも検討の余地があるが、その際、各々暫定税率として設定されてきた経緯等を考慮する必要がある。

例えば関税割当制度については、無税又は低関税が適用される輸入数量を限定する国境措置であり、過度の輸入抑制効果や国内産業の合理化の阻害などの弊害を生じないよう常に見直しを行い、一般税率への移行の可能性を検討すべきものと位置付けられたことから、その関税率は暫定税率として設定されてきている。

平成25年3月31日に適用期限が到来する暫定税率について、暫定税率として設定されてきた経緯等を踏まえると、基本的には、現時点で基本税率化することは適当ではないと考えられる。

(4) 適用期限

暫定税率の適用期限を延長する場合、その時々の政策上の必要性や直近の国際市況に基づいて暫定税率の要否を判断するという趣旨から、適用期限の延長は1年とすることが適当と考えられる。

2.平成25年3月31日に適用期限の到来する特別緊急関税制度等の取扱い

(1) 特別緊急関税制度等の適用期限の延長

ウルグアイ・ラウンド合意に基づき関税化された農産品に係る数量及び価格に基づく特別緊急関税制度並びに牛肉等に係る関税の緊急措置(以下「特別緊急関税制度等」という。)も、近年、単年度ずつ延長されてきており、平成25年3月31日にその適用期限が到来する。

特別緊急関税制度は、ウルグアイ・ラウンド合意に基づき関税化された品目(関税割当品目及び国家貿易品目等)の輸入急増時等の安全弁として、関税化措置と一体として設けられたものである。また、牛肉等に係る関税の緊急措置は、ウルグアイ・ラウンド合意の際の関係国との協議の結果に基づき、協定税率より低い水準まで実行税率を自主的に引き下げることとした際、これと一体として、牛肉等の輸入急増時の安全弁として設けられたものである。

このように、特別緊急関税制度等についても、関税率の設定と一体として設けられていることから、暫定税率と一体的に見直しを行う必要がある点を踏まえ、暫定税率と同様に、適用期限を1年延長することが適当と考えられる。

(2) 牛肉に係る関税の緊急措置の発動基準数量の算出基礎

牛肉に係る関税の緊急措置の発動基準数量の算出基礎は、関係国との協議の結果、原則では前年度の輸入実績とされているが、平成18年度から平成24年度までの各年度においては、牛肉の輸入数量が米国でのBSE発生(平成15年12月に確認)前の水準には回復したとは言えない状況の下で、特例として、当該年度の前年度の輸入実績又は平成14年度と平成15年度の輸入実績の平均値のいずれか大きい方としてきたところである。

平成25年度においても、仮に発動基準数量の算出基礎を前年度の輸入実績のみとする考え方に戻せば、今後の輸入動向によっては、BSE発生前の水準以下の輸入数量であっても緊急措置の発動が生じ得ることとなり、消費者に過度の負担を課するおそれがあることから、この特例を継続することが適当と考えられる。

3.特恵関税制度に係る事項

(1) 国別・品目別特恵適用除外措置

特恵関税制度は、開発途上国を支援する観点から、開発途上国の産品に対して一般の税率より低い特恵税率を適用する制度であるが、開発途上国からの産品であっても国際競争力が高いものは国及び品目を指定して同制度を適用しないこととしている(国別・品目別特恵適用除外措置)。その基準は、一の特恵受益国(後発開発途上国(LDC)を除く。)の産品であって、過去3年間の平均輸入額が15億円超、かつ、同一物品の総輸入額の50%超であることとしている。

上記の基準に該当する以下の品目で、中国産のものについては、平成25年4月から特恵税率が適用されず、一般の税率(協定税率)が適用されることとなる。

関税率表の項番号(HS4桁) 54.03

主な品目 再生繊維又は半合成繊維の長繊維の糸(67デシテックス未満の単繊維のものを含むものとし、縫糸及び小売用にしたものを除く。)

原産国 中国

協定税率 4%〜6.6%

特恵税率 3.2%〜5.28%

関税率表の項番号(HS4桁) 96.16

主な品名 香水用噴霧器その他これに類する化粧用噴霧器及びこれらの頭部並びに化粧用のパフ及びパッド

原産国 中国

協定税率 3.9%

特恵税率 無税

(2) 特恵受益国・地域からの卒業

特恵関税制度において、世界銀行統計の「高所得国(1人当たり国民総所得が$12,276以上(2010年(平成22年)))」に3年連続して該当した国・地域については、特恵関税の適用対象から除外することとしている。

クロアチアについては、上記基準に該当したため、平成25年4月から特恵受益国から除外することとする。

(二)貿易の円滑化

指定保税地域の指定対象の拡充

(1) 指定保税地域とは、開港又は税関空港における税関手続の簡易かつ迅速な処理を図るという公益的見地から、国や地方公共団体又は港湾施設や空港施設の建設若しくは管理を行う法人であって政令で定める者が所有し、又は管理する土地又は建設物その他の施設(以下「施設等」という。)について、外国貨物の積卸し若しくは運搬をし、又はこれを一時置くことができる場所として財務大臣が指定する保税地域である。したがって、指定保税地域の対象となる施設等は、公共性を有するものとされている。

(2) 平成23年、港湾法の一部が改正され、港湾運営会社制度が創設された。これは、一定の要件を備える株式会社について、国際戦略港湾では国土交通大臣が、国際拠点港湾では港湾管理者(地方公共団体)が港湾運営会社に指定し、港湾運営会社が、国や港湾管理者が所有・整備する施設等の貸付けを受け、自らが所有・整備する施設等と合わせ、一体的かつ一元的に運営することを認めるものである。

(3) 港湾運営会社は、その指定に当たり、港湾の施設等(埠頭群)の運営に関する事業の内容が当該港湾の港湾管理者が定める港湾計画に適合していなければならず、国又は港湾管理者は、当該事業の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、港湾運営会社に対し、業務に関し監督上必要な命令を行うことができることから、港湾運営会社が運営する施設等は公共性を有していると考えられる。

(4) 港湾運営会社に貸し付けられた施設等は、国や地方公共団体が所有する施設等に該当するため、既に指定保税地域の対象になっているものの、港湾運営会社が自ら所有・整備する施設等については、これに該当しないことから、指定保税地域の対象にはならない。港湾運営会社によるこれらの施設等の一体的な運営を行うという制度創設の目的を達成するためには、これらの施設等を指定保税地域の対象に加える必要がある。

(5) 港湾運営会社が運営する施設等の公共性に鑑み、港湾運営会社が運営する施設等を指定保税地域の対象に加えることは、税関手続の簡易かつ迅速な処理を図ることにより、外国貿易の円滑化や促進に資するという指定保税地域の設置の目的に合致しており、適当と考えられる。

なお、港湾運営会社が運営する施設等が全て指定保税地域に指定されることで、港湾運営の民営化や港湾運営会社による施設等の整備を推進し、我が国の港湾の国際競争力の強化に資するものと考えられる。

(三)適正かつ公平な関税の徴収

関税評価に係る規定の整備

(1) 関税における輸入貨物の課税価格を決定することを関税評価といい、我が国における関税評価は、関税定率法及び関税定率法施行令(以下「法令」という。)の規定に基づき実施されている。これらの規定は、GATT関税評価協定が1981年(昭和56年)に発効するに当たり、同協定に準拠するよう1980年(昭和55年)に改正されたものの、現在に至るまで約32年間、改正は行われていなかった。

(2) 他方、近年、我が国の産業構造の変化に伴うグローバルなサプライチェーンの構築や輸入貨物の製造とサービスの融合が進展した結果、輸入貨物に係る取引形態の複雑化や貨物の輸入をめぐる事情の多様化が生じ、輸入者による課税価格の計算が困難になっている。また、WTO関税評価協定(以下「評価協定」という。)に基づく関税評価は、税関における輸入貨物の課税価格の計算において、恣意的な、又は、架空の価格が用いられることを排除することを目的とするものであり、輸入貨物の課税価格の計算に際しては、当該輸入貨物の取引に係る書類やその他の客観的な資料に基づき行うものとされているが、輸入者から十分かつ正確な資料が提供されない場合や、真実性や正確性に疑義のある資料が提供される場合があり、税関長が適正かつ公平に課税価格の計算を行うことが困難な事案が出ている。

(3) そこで、本年6月に関税・外国為替等審議会関税分科会企画部会の下に「関税評価のあり方に関するワーキンググループ」(以下「WG」という。座長:小寺 彰 東京大学大学院総合文化研究科教授)が設置され、関税評価に係る法令の規定のあり方について議論を行い、本年9月21日、以下の座長とりまとめが行われた。

WG座長とりまとめ(ポイント)

1.輸入貨物に係る取引形態の複雑化を踏まえた関税定率法上の課税要件の明確化

租税法律主義に鑑み、輸入者の予測可能性を向上させ、納税申告における輸入者による適法な課税価格の計算を確保するためには、課税要件を可能な限り明確化する必要がある。

また、買手により無償で又は値引きをして提供される物品や役務に要する費用については、納税申告における課税価格への算入額の計算に誤りが見られ、また、製造原価に基づく課税価格の決定方法の適用可能性について誤った解釈をする輸入者が見られる。そこで、

  1.  「輸入取引」、「買手」、「売手」、「買付手数料」及び「輸入取引の条件として、支払われるもの」の意義を法令に規定する
  2.  買手により無償で又は値引きをして提供される物品又は役務の費用の算定方法について、基礎となる事項を法令に規定する
  3.  製造原価に基づく課税価格の決定に係る規定が適用できる輸入貨物並びに「製造原価」及び「利潤及び一般経費」の決定方法を法令において規定する

ことが適当と考えられる。

2.十分かつ正確な資料が提供されない場合における関税評価の明確化

現行の関税評価に係る法令の規定は、輸入者から資料が提供され、かつ、資料が真実の契約関係・取引実態を示すものであることを前提とするが、十分かつ正確な資料が提供されない場合における関税評価について明らかでない。そこで、

  1.  「課税価格の決定の原則」の規定、「同種又は類似の貨物に係る取引価格による課税価格の決定」の規定又は「国内販売価格又は製造原価に基づく課税価格の決定」の規定(以下「課税価格の決定の原則等」という。)に基づき課税価格を計算する際、

    イ.各規定に定める要素(取引の形態、価格、費用、契約上の条件等)を示す資料が輸入者から提出されない

    ロ.輸入者から提出された資料が不十分であり、各規定に定める方法により課税価格を計算できない

    ハ.輸入者から提出された課税価格の計算のための資料の真実性や正確性について税関が有する合理的な疑義が解明されない

    場合は、当該規定は適用出来ない旨を法令で規定する。その際、
  2.  「特殊な輸入貨物に係る課税価格の決定」の規定により計算される課税価格として、

    イ.輸入者により税関に提出された資料に基づき、課税価格の決定の原則等に規定する方法に準ずる方法により合理的に計算できる場合には、その計算により得られる価格

    ロ.上記イの価格が計算できない場合、輸入者により税関に提出された資料に基づき、税関長が合理的と認める方法により計算できるときは、その計算により得られる価格

    ハ.上記イ及びロの価格が計算できない場合、輸入者以外の者から入手できた価格表その他の資料に基づき、税関長が合理的と認める方法により計算される価格

    とするとともに、評価協定で禁止された課税価格の計算方法を用いてはならない旨、法令で規定することが適当と考えられる。

(4) 以上の座長とりまとめを踏まえ、輸入貨物に係る取引形態の複雑化を踏まえた関税定率法上の課税要件の明確化及び十分かつ正確な資料が提供されない場合における関税評価の明確化を行うことが適当と考えられる。

(四)納税環境の整備

1.延滞税等の見直し

(1) 関税を法定納期限までに完納しない等の場合には、納税義務者は、その未納等に係る関税額に対し、法定納期限等の翌日から納付する日までの日数に応じ、年7.3%(納期限の翌日から2月を経過する日後は、14.6%)の割合の延滞税を納付しなければならないこととされている。また、税関長は、過誤納金がある場合、その金額に年7.3%の割合の還付加算金を加算し還付することとされている。これらの年7.3%の割合は、当分の間、特例基準割合(基準割引率に年4%を加算した割合)と年7.3%を比較し、その低い割合とすることとされている。

(2) 延滞税については、平成24年度税制改正大綱に、「その延滞税のあり方について検討する」旨が記載され、また、「税制抜本改革法案の国会提出に伴う今後の対応について」(平成24年3月30日閣議決定)に、「延滞税の利率を含めた負担の見直しについては、税の確実な収納を勘案しつつ、低金利下における利率のあり方、事業者の負担等を考慮し、平成25年度税制改正時に成案を得る。」旨が盛り込まれたことを踏まえ、内国税については、納付を促す効果に配慮しつつ、現下の低金利の状況等に鑑み、特例的に延滞税の利率を見直すとともに、これに伴い還付加算金の利率についても見直すことが検討されている。

(3) このような中で、関税についても、現下の低金利の状況等を踏まえ、特例的に延滞税及び還付加算金の利率を見直すことが必要と考えられる。

(4) そこで、関税の延滞税及び還付加算金について、内国税についての見直しの状況を踏まえ、現下の低金利の状況等に鑑み、特例的に利率の見直しを行うことが適当と考えられる。また、これに併せ、関税についての延滞税に係る規定を準用しているとん税及び特別とん税についても、同様の見直しを行うことが適当と考えられる。

2.災害による期限の延長等の場合の更正の請求に対する更正等に関する期限の延長

(1) 関税についての更正の請求に関する期限について、災害により期限が延長される等の場合、更正の請求に関する期限については延長されるが、更正に関する期限については延長されない状況が生じる。

(2) 上記の状況から、被災者等からの更正の請求に対し、更正等ができない場合があり、これに対処するため、更正等に関する期限の延長について見直しを行う必要があると考えられる。

(3) 内国税についても、同様の問題が生じる場合があることから、現在、更正等に関する期限の延長について見直しを行うことが検討されている。

(4) 以上のことから、被災者等からの更正の請求に対し、更正等ができるよう、関税についての更正等に関する期限の延長について、内国税についての見直しの状況を踏まえつつ、見直しを行うことが適当と考えられる。

三.引き続き検討すべき事項

1.国際郵便物に関するセキュリティ対策の強化

(1) 米国やEUを始めとする諸外国において、テロへの対応としてセキュリティ対策の強化に係る関心が高まっている。

(2) これに関連して、本年9月から10月に開催された万国郵便連合の第25回万国郵便大会議において、国際郵便物へのセキュリティ対策の強化を図るため、国際郵便物(書状や郵便葉書又は一定の重量を下回るものを除く。)に係る情報の電子的な方法による事前提供に関する改正を含む万国郵便条約の改正案が採択され、その具体的な内容については、2013年4月以降、万国郵便連合において各加盟国・郵便事業体の間で審議・決定されていくこととなったところである。

(3) そこで、今後、関係者と連携を図り万国郵便連合における検討状況を確認した上で、電子的な方法による国際郵便物に係る情報の事前提供に向けた課題等について検討を開始する必要がある。併せて、事前提供される国際郵便物に係る情報を活用したリスク判定システムの構築を検討する必要がある。

(4) また、国際郵便物に係る情報の事前提供の完全な実施までにはかなりの期間を要することが想定されることから、我が国におけるセキュリティ対策の強化の観点から、国際郵便物に係る情報の事前提供の実施を待つことなく、まずは通関に関連する業務全般について検証し、国際郵便物の適正かつ効率的な通関が可能となるよう情報の事前提供以外のあらゆる方策について総合的に検討した上で、可能なものから早期に実施する必要がある。

2.EPA税率の適用に関する原産地手続

(1) 我が国における最初のEPAである日シンガポール協定が発効してから今年で10年目となり、現在13本のEPAが発効している中、EPA税率の適用に関する原産地手続についても、一定の定着が進んでいるところである。

(2) 他方、発給当局の事情等により原産地証明書に不備がある事例も生じているところ、EPA税率適用のための税関での原産地手続について、今後のEPAの交渉の推移や既存協定の規定も踏まえ、原産品であることについて引き続き的確に確保しつつ輸入者の利便性も向上するような方策について検討することが必要である。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

それでは、ただいま説明のございました案文につきまして、御意見、御質問をいただきたいと思います。

○櫻井委員5ページ目の「貿易の円滑化」というところの文章ですが、こういうそもそも論をされるときは、私は専門が行政法ですけれども、たまにはもうちょっと行政法の勉強をしたほうがいいですよという感じがしまして、ちょっと表現がプリミティブなんですよね。(1)で指定保税地域の対象となる施設は公共性を有するとか言っておられて、(3)にいくと、港湾運営会社が運営する施設は公共性を有しているというので、公共性、公共性だからこれも入れていいんじゃないか、そういうロジックの立て方ですけれども、非常に稚拙だと思うんです。

だから、どうやって修文しましょうかと思うのですが、(1)に戻っていただくと、「公共性」という言葉はそんなふうにむき出しに使うような文言ではないです。もっと緻密に使わないといけません。何かを論理的に展開するときの決め手の言葉になるようなものでは本来ないんですね。もっと具体的に詰めて言わないと非常にロジックがアバウトになってしまうということなので、仮にですけれども、例えば(1)ですと、書いてあることはいいのですが、最後の「したがって」以下の一文は、私は要らないと思います。それから、(2)ですが、要するに、港湾運営会社制度ができて、それを踏まえて、会社がみずから所有・整備する施設等について、これも指定保税地域の対象になるようにしたいということが結論だと思いますので、(2)はこれでいいと思うんです。(3)ですけれども、港湾計画に適合とか、監督上の措置があるとかいうのだけれども、公共性の話とかもいかにも取ってつけたようでして、(3)は全部要らないんじゃないかという気がしています。要するに、港湾運営会社制度が創設されたという法改正を踏まえて(4)にいっていただいて、本来であれば、国・地方公共団体が所有する施設等について、これは指定保税地域対象になっているのに、新たに港湾法で別途つけ加えられたところの港湾運営会社みずからが所有・整備する施設等についてはこれが外れている。しかし、これは一体として扱ったほうがよろしいので、これを入れるということだと思います。(4)は、そういう意味で肝のところだと思います。それで(5)にいきまして、最初の「港湾運営会社が運営する施設の公共性に鑑み、」は要らないので、だから、そういう法改正を前提とした上で改めてこの指定保税地域をかぶせるかかぶせないかということを考えると、入れるのがよろしいだろうと。結論はそれでよろしいと思うんです。「なお」というのもいかにも付け加え的なので、これは「そして」ぐらいにしていただいて、こういうふうにやってあげることが最終的に我が国の港湾の国際競争力の強化にも資する。みんなハッピーではないかという文章になるのだと思うので、ここはぜひ修文をしていただきたいと思います。

もう1点だけあって、これも基本的には言葉遣いかもしれませんが、2ページ目の下の「関税率等の見直し」の(2)のイのところですが、最後の行あたりに、「消費者等の負担」というフレーズがここと4ページの(2)のところにも出てくるんです。ここも少し気をつけたほうがいいのは、すごくピュアに言ってしまえば、関税率を引き上げると消費者の負担が増えるということも言っているのですけれども、そもそも関税の存在自体が消費者の利益を損なっているという本質的な問題が実は前提にあるので、あまりそういうことを強く言ってしまうと、非常に御都合主義で消費者の議論を出しているのではないかという印象を少し持ちます。2ページ目の「特に、」のところ以外は、現在、基本税率を暫定税率で下げるという形で使っているので、仮にこれを廃止すると、当然、関税率を引き上げるということではないので、事実上相対的に関税率が引き上げられる結果をもたらし、ひいては消費者の負担増につながるおそれがあるので、それに留意する必要があるというぐらいにして止めないといけないんじゃないかと思います。

それから、4ページの(2)の2段落目のところは、発動基準数量の算出基礎をどうするかというお話ですが、これも現状を踏まえると、緊急措置の発動が比較的容易に生じ得ることになって消費者に過度の負担を課すというのですけれども、過度というよりは不測の負担みたいな話ではないかと思うので、少し神経を使って消費者のことについては言及されたほうがよろしいのではないかと思います。結論自体については特段異論があるわけではございません。

○藤井委員内容を確認させていただきたいのですが、3ページ目の(3)「基本税率化の適否」の2パラ目の「例えば」のところは何をおっしゃりたい内容なのか、私、必ずしもよくフォローできませんでした。特に3行目、「常に見直しを行い、一般税率への移行の可能性を検討すべきものと位置付けられたことから、その関税率は暫定税率として設定されてきている。」ということですが、分かりにくいので、内容を確認的に教えていただければと思います。

○相澤委員関税評価につきまして、これを法令に規定することについて異論があるわけではありませんが、立法化によって、通関等の円滑化が損なわれることのないように留意をしていただきたいと思います。

○石毛委員今のことに関して、6ページ目に、1980年に関税評価の協定が改正されて、それ以後32年間改正がされていないということです。質問ですけれども、こういったことに関して、WTOだとか、いろいろな地域経済統合の議論の中で見直しをしようという考えはあるのでしょうか。あるいは、日本はこういうふうな直し方をするときに、近隣国に対して、こういう改正を我々はするのだ、したがって、これを貴国も導入してはどうかというようなリードをすることはあるのでしょうか。あまりそういうようなことは考えないということでしょうか。なぜかというと、貿易円滑化、サプライチェーンというのは極めて重要になってくる中で、日本だけこういうふうにやったからといって、ほかの国もならないとなかなか効率は上がらない面があるのが実態だと思うものですから質問をする次第です。

○伊藤分科会長ほかに質問とかコメントとかございますか。よろしいですか。

それでは、今までの件をまとめて。

○柴ア関税課長それでは、私のほうから、まず2ページ目の一番下の部分、先ほどお話がございました、「広く消費者等の負担水準を引き上げることとなる」という文言についての御指摘でございます。ここで申し上げているのは、暫定税率が廃止された場合には協定税率なり基本税率なりが適用されることになってしまいますので関税率が引き上がる結果となって、それ自体は、お話しのとおり、関税自体が負担だということであると思いますけれども、率が上がることで広く消費者の負担水準が引き上げられることになるのだと。これは、今回だけではなくて、例えば昨年のこの論点整理におきましても同じ文言をとらせていただいていることもございまして、この文言を置かせていただいております。御指摘も踏まえて、文言をどういうふうにするかということについては会長とも御相談させていただければと考えております。

それから、3ページ目の(3)の「例えば」の関税割当制度の部分の御指摘でございます。ここも従来と同じ文言を置かせていただいているわけでございますが、「位置付けられた」というのが分かりにくいところがあるのかと思います。過去の関税率審議会等において累次指摘がなされ、位置付けがされてきているということでございます。関税割当制度については、そこにあるようなさまざまな弊害が生じ得る面もあるので、これについては常に見直しを行って、一般税率への移行の可能性を検討すべきものというご指摘をいただいていることから、「その関税率は暫定税率として設定されてきている。」という文言を置いているものでございます。ここのパラグラフの意図、意味ということだと思いますけれども、「例えば」と書いてございますように、もともとこの(3)で暫定税率の基本税率化についての適否を論じているところでございますので、関税割当制度についてはこういう指摘が過去になされてきている中で基本税率ではなく暫定税率として設定されているのだということを書かせていただいているものでございます。

次に、4ページの真ん中あたり、(2)、先ほどの2ページのところと同様のことで、「過度の」という言葉がございます。文言自体は、先ほど来申し上げていますとおり、これも過去使ってきている文言でございますけれども、御指摘も踏まえて、どのような文言が適当かということはもう少し検討させていただきたいと考えております。

○高見業務課長関税評価について御質問いただきまして、ありがとうございます。今回の規定の整備の趣旨でございますけれども、ワーキンググループの座長とりまとめの最初のところに書かせていただいているとおり、輸入者の予測可能性を向上させ、適法な課税価格の計算を確保することを目的としております。この32年間、法改正をしておりませんで、その間、関税定率法の規定、それから規定のない部分については協定の直接適用、あるいはその協定の解釈について、WCOの関税評価技術委員会における議論、そういったものを踏まえて通達の改正により対応してまいりました。ここにつきましては、今回の改正ではっきり法令に規定することによって、従来、例えば法令の解釈について輸入者との相違があって、事前相談とかの場で何度も資料を追加で出していただいたり、あるいはそのときのやりとりが十分でなかった場合に事後調査等でまた新しく議論したりとか、そういう手間がかかっていた。そういう点でコストがかかっていたものが、今回の法令改正によって少なくすることができる。円滑化の面でも決してマイナスではなくて、むしろプラスになるというふうに考えております。

また、EPA等で関税評価については特段議論しておりません。また、WTO等の場でむしろ我が国の法改正について説明する必要、これはまさにおっしゃるとおりでありまして、実はワーキンググループのとりまとめの中で、あるいは議論において、やはり委員の先生方からそういった御意見を承っております。今日はお配りしておりませんけれども、具体的にはレポートの12ページにおいて、WTO等の場の機会を利用して問題提起していくべきだというふうに御意見を承っております。我々が輸入者から伺う話として、例えば途上国等における関税評価について相当恣意的なものがあると。そういったものについてはWCO等の場で我々も問題提起して是正を求めているところですけれども、そういったものも含めてマルチ等の場で問題提起をしていくことはやっていきたいと考えております。

○菊川監視課長指定保税地域の指定対象の拡充につきましては、御指摘を踏まえて、分科会長と御相談しつつ修文させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○伊藤分科会長ほかに御意見がございますか。あるいは御質問でも結構ですけれども、よろしいですか。

それでは、ただいまいろいろ御意見もいただきましたので、本論点整理案の今後の取り扱いにつきましては、よろしければ私に御一任いただきたいと思います。また御相談させていただくこともあると思いますけれども、よろしくお願いします。

それでは、平成25年度関税改正の検討につきましては、これまで3回にわたり熱心に御議論をいただきました。委員の皆様方の御協力に厚くお礼を申し上げたいと思います。

財務省におかれましては、平成25年度関税改正に向け、今後の御検討をよろしくお願いしたいと思います。

以上をもちまして、本日の議事を終了させていただきます。

本日はどうもありがとうございました。

午前11時44分閉会
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