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関税・外国為替等審議会 関税分科会 議事録(平成23年11月17日開催)

関税・外国為替等審議会関税分科会議事録

本稿は、平成23年11月17日の関税・外国為替等審議会関税分科会の議事録です。
午前10時開会

○伊藤分科会長それでは、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。

委員の皆様には、お忙しいところ御出席いただきましてありがとうございます。

本日の議題は、お手元にお配りしております議事日程のとおり、平成24年度関税改正に関する論点整理案についてでございます。平成24年度関税改正につきましては、これまで3回にわたり本分科会を開催し、委員の皆様に御議論いただいたところでございます。本日はその内容を取りまとめた論点整理案につきまして御審議いただきたいと思います。

それでは、事務局より説明及び朗読をお願いしたいと思います。

○岸本関税課長資料1を御覧いただきたいと思います。資料1「平成24年度関税改正に関する論点整理案」でございます。

1枚おめくりいただきますと、目次がございます。目次を簡単に御覧いただきますと、まず一として平成24年度関税改正の背景を記しております。次に、二として平成24年度関税改正についての考え方について述べています。(一)は関税率の見直しについてです。個別品目の関税率、特恵関税制度、暫定税率、特別緊急関税制度について述べております。

次のページでございますが、(二)は、貿易円滑化・水際取締り強化のための税関手続の改善についてであります。通関関係書類の簡素化など5項目にわたって改正の方向性をまとめております。続いて、(三)として、沖縄における関税制度上の特例措置について述べております。最後に、「三.引き続き検討すべき事項」として不服申立制度の見直しについて記しております。

それでは、1ページから順に読み上げます。読上げをお願いします。

○事務局

一.平成24年度関税改正の背景

1.関税率等を巡る国際状況

WTO(世界貿易機関)のドーハ・ラウンド交渉は、現在、膠着状態にあり、楽観を許さない状況が続いているものの、本年11月に開催されたG20首脳会合においても多角的貿易体制の価値が再確認されており、我が国としては、諸外国とともに、多角的な自由貿易体制の強化に引き続き貢献していくことが重要である。

経済連携協定(EPA)については、我が国は、昨年11月、「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定し、世界の主要貿易国との間で高いレベルの経済連携を進めると同時に、そのために必要となる競争力強化等の抜本的な国内改革を先行的に推進することとした。また、現在交渉等が行われている二国間のEPA・広域経済連携の取組についても加速化することとしている。さらに、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定について、交渉参加に向けて関係国との協議に入ることとしている。

2.税関行政を巡る状況

税関行政については、経済のグローバル化、物流の高度化等が進展する中で、水際における国民生活の安全・安心の確保や関税等の適正な徴収に努めつつ、個々の通関手続について不断の見直しを行い、我が国の国際競争力の強化や貿易の円滑化を図っていく必要がある。

不正薬物の水際取締りについて、覚醒剤の密輸事犯の摘発件数は過去最高を記録した平成21年から引き続き平成23年においても高水準となっている。入国旅客や輸入貨物が増加する一方、密輸手口が悪質化・巧妙化し、不正薬物の密輸リスクが高まっており、引き続き、水際における厳重な取締りが求められている。また、平成13年(2001年)9月の米国における同時多発テロ事件以降、世界各地でテロ事件が発生しており、我が国が、あるいは我が国を介して他国がテロの脅威にさらされることがないよう、引き続き国際物流におけるセキュリティの確保を図って行く必要がある。

貿易の円滑化については、セキュリティ確保との両立を図りながら、通関手続の改善や電子化の推進が行われてきている。米国における同時多発テロ事件以降、国際物流におけるサプライチェーンの安全確保と貿易円滑化の両立に向けた取組みが国際的に進められており、我が国においても、国際標準に則ったAEO(Authorized Economic Operator:認定事業者)制度が平成18年3月に導入され、その対象事業者が順次拡大され、サプライチェーン全体をカバーするAEO制度が構築されている。また、諸外国とのAEO制度の相互承認も同時に進められており、これまでに世界最多の6組(ニュージーランド、米国、EU、カナダ、韓国、シンガポール)のAEO相互承認取決めが行われている。今後ともAEO制度におけるセキュリティの維持や更なる利便性向上を図るなどの必要な見直しや、AEO相互承認の拡大を継続的に行うことが求められている。

二.平成24年度関税改正についての考え方

(一)関税率の見直し

1.個別品目の関税率の改正

(1) 特恵関税制度の適用除外の基準に該当したことから、中国産の「しょうが(生鮮のもの以外のもの)」及び「主として香料用、医療用等に供するその他の植物」は、平成23年4月から特恵税率(無税)が適用されず、関税率が2.5%(協定税率)となっている。また、中国産のふっ化水素は、平成24年4月から特恵税率(無税)が適用されず、関税率が3.3%(協定税率)となる。

(注)特恵関税制度は、開発途上国を支援する観点から、開発途上国の産品に対して一般の税率より低い特恵税率を適用する制度であるが、開発途上国からの産品であっても国際競争力が高いものは国及び品目を指定して同制度を適用しないこととしている(国別・品目別特恵適用除外措置)。その基準は、一の特恵受益国(後発開発途上国(LDC)を除く。)の産品であって、過去3年間の平均輸入額が15億円超、かつ同一物品の総輸入額の50%超であることとしている。

(2) 「しょうが(生鮮のもの以外のもの)」及び「主として香料用、医療用等に供するその他の植物」のうちには、ショウキョウ、シャクヤク等の各種の漢方薬原料が含まれている。これらの漢方薬原料については、輸入量の約99%を占める中国産のものについて長期にわたって特恵税率(無税)が適用されており、基本税率を無税としたとしても、実質的に、従来の関税水準を変えるものではないと認められる。また、我が国における当該漢方薬原料の生産量は国内需要の約1割を占めるが、輸入者である漢方薬メーカー自身が農家との契約栽培により生産しているものであり、引き続き契約栽培による国内生産の継続が見込まれている。なお、これらの品目には、ハーブなど食用・香料用等に供するものも含まれており、これらについては先進国からの輸入が相当程度あること等、漢方薬原料とは異なる事情があるが、種類・形態により漢方薬原料と区別することができると考えられる。

(3) ふっ化水素については、輸入額の約96%を占める中国産のものについて、長期にわたって特恵税率(無税)が適用されてきており、基本税率を無税としたとしても、実質的に、従来の関税水準を変えるものではないと認められる。また、世界的にふっ化水素の需給が逼迫しており、各国とも輸出余力が小さいことから、基本税率を無税としても、直ちに先進国からの輸入が急増する可能性は低いと考えられる。

(4) 以上を踏まえ、「しょうが(生鮮のもの以外のもの)」及び「主として香料用、医療用等に供するその他の植物」のうちの漢方薬原料並びにふっ化水素について、基本税率を無税とすることが適当と考えられる。

2.特恵関税制度に係る改正

(1) 国別・品目別特恵適用除外措置

特恵関税制度の適用除外の基準に該当する以下の品目で中国産のものについては、平成24年4月から特恵税率が適用されず、一般の税率(協定税率)が適用されることとなる。

@農水産品

御覧の表のとおりでございます。

A鉱工業産品

御覧の表のとおりでございます。

(2) 特恵受益国の追加

平成20年2月にセルビアからの独立を宣言したコソボ(我が国は同年3月に国家承認)について、今般、同国より特恵関税制度の適用の申請があり、他の要件も満たしていることから、特恵受益国に指定することとする。

(3) 特恵受益国・地域からの卒業

英領アンギラ地域、英領ヴァージン諸島地域、英領ジブラルタル地域、英領タークス及びカイコス諸島地域、英領フォークランド諸島及びその附属諸島地域、スペイン領カナリー諸島地域並びにスペイン領セウタ及びメリリア地域について、3年連続して世界銀行統計における「高所得国」に相当することから、特恵受益国・地域から除外することとする。

(注)赤道ギニアは、3年連続して「高所得国」に相当するが、国際連合において総合的に勘案して後発開発途上国(LDC)に指定しているため、引き続き、LDC特恵受益国に指定する。

3.平成24年3月31日に適用期限の到来する暫定税率の取扱い

(1) 基本的な考え方

平成24年3月31日に、415品目に設定されている暫定税率の適用期限が到来する。これらは、その必要性について見直しが行われつつ、近年は単年度ずつ延長が行われてきている。

基本税率が、長期的な観点から、内外価格差や真に必要な保護水準を勘案して設定されている税率であるのに対して、暫定税率は、一定の政策上の必要性等から、適用期限を定めて、基本税率を暫定的に修正する税率であり、その水準及び必要性については、常に見直していくことが重要である。

(2) 延長の必要性

以下の点を踏まえ、基本的に暫定税率を引き続き維持する方向で対応することが適当であると考えられる。

イ.国内の生産者と消費者等との利益調整に及ぼす影響

関税率には、産業保護を求める国内の生産者と安価な供給を求める消費者・需要者との間の利益調整を考慮して設定される面があり、この水準を変更しようとする場合には、その国内経済への影響を考慮する必要がある。

特に、暫定税率が基本税率等を引き下げる措置となっている現状を踏まえれば、仮にこれを廃止した場合には、関税率を引き上げる結果となり、広く消費者等の負担水準を引き上げることとなる点に留意する必要がある。

ロ.WTO交渉との関係

ウルグアイ・ラウンド合意を踏まえて暫定税率により枠内税率が設定されている関税割当品目及び国家貿易品目については、一定の数量までその関税率での市場アクセス機会の提供を国際的に約束していることに留意する必要がある。

また、ドーハ・ラウンド交渉は、現在、膠着状態にあり、楽観を許さない状況が続いているが、我が国としては、粘り強く交渉を続けるべきとの立場であり、現在設定されている暫定税率に関連する多くの事項が同交渉の対象となっていることに留意する必要がある。

ハ.関係国との協議結果に基づく税率の引下げ措置の履行に及ぼす影響

ウルグアイ・ラウンド合意に際して、関係国との協議の結果に基づき、協定税率から更に実行税率を引き下げるために暫定税率を設定している牛肉等の品目については、こうした関係国との協議の経緯を考慮する必要がある。これらの品目について、仮にその暫定税率を廃止しようとすれば、関係国との再協議が必要となる。

ニ.国内政策上の必要性

国内政策上の要請に応じて暫定税率が設定されている品目(例:バイオETBE)については、その時々の政策上の必要性を考慮し、常に見直した上で暫定税率設定の是非を判断する必要がある。その際、内国税において同様の施策が採られている場合には、それとの関係にも留意する必要がある。

(3) 基本税率化の適否

暫定税率が長年にわたって設定され定着している場合には、これを基本税率化(暫定税率を廃止して、同水準の基本税率を設定)することも検討の余地があるが、その際、各々暫定税率として設定されてきた経緯等を考慮する必要がある。

例えば、関税割当制度については、無税又は低関税が適用される輸入数量を限定する国境措置であり、過度の輸入抑制効果や国内産業の合理化の阻害などの弊害を生じないよう常に見直しを行い、一般税率への移行の可能性を検討すべきものと位置付けられたことから、その関税率は暫定税率として設定されてきている。

平成24年3月31日に適用期限が到来する暫定税率について、暫定税率として設定されてきた経緯等を踏まえると、基本的には、現時点で基本税率化することは適当ではないと考えられる。

(4) 適用期限

暫定税率の適用期限を延長する場合、その時々の政策上の必要性や直近の国際市況に基づいて暫定税率の要否を判断するという趣旨から、適用期限の延長は1年とすることが適当と考えられる。

4.平成24年3月31日に適用期限の到来する特別緊急関税制度等の取扱い

(1) 特別緊急関税制度等の適用期限の延長

ウルグアイ・ラウンド合意に基づき関税化された農産品に係る数量及び価格に基づく特別緊急関税制度並びに牛肉等に係る関税の緊急措置(以下「特別緊急関税制度等」という。)も、近年、単年度ずつ延長されてきており、平成24年3月31日にその適用期限が到来する。

特別緊急関税制度は、ウルグアイ・ラウンド合意に基づき関税化された品目(関税割当品目及び国家貿易品目等)の輸入急増時等の安全弁として、関税化措置と一体として設けられたものである。

また、牛肉等に係る関税の緊急措置は、ウルグアイ・ラウンド合意の際の関係国との協議の結果に基づき、協定税率より低い水準まで実行税率を自主的に引き下げることとした際、これと一体として、牛肉等の輸入急増時の安全弁として設けられたものである。

このように、特別緊急関税制度等についても、関税率の設定と一体として設けられていることから、暫定税率と一体的に見直しを行う必要がある点を踏まえ、暫定税率と同様に、適用期限を1年延長することが適当と考えられる。

(2) 牛肉に係る関税の緊急措置の発動基準数量の算出基礎

牛肉に係る関税の緊急措置の発動基準数量の算出基礎は、関係国との協議の結果、原則では前年度の輸入実績とされているが、平成18年度から平成23年度までの各年度においては、牛肉の輸入数量が米国でのBSE発生(平成15年12月に確認)前の水準には回復したとは言えない状況の下で、特例として、当該年度の前年度の輸入実績又は平成14年度と平成15年度の輸入実績の平均値のいずれか大きい方としてきたところである。

平成24年度においても、仮に発動基準数量の算出基礎を前年度の輸入実績のみとする考え方に戻せば、今後の輸入動向によっては、BSE発生前の水準以下の輸入数量であっても緊急措置の発動が生じ得ることとなり、消費者に過度の負担を課すこととなるおそれがあること等から、この特例を継続することが適当と考えられる。

(二)貿易円滑化・水際取締り強化のための税関手続の改善

1.通関関係書類の簡素化

(1) 我が国においては、年々増加する輸出入申告を適正かつ迅速に処理するため、NACCS(Nippon Automated Cargo and port Consolidated System:輸出入・港湾関連情報処理システム)を導入し、現在、輸出入申告の約98%を電子的に処理している。

更なる貿易の円滑化の観点からは、平成29年度の次期NACCS稼働時までに通関関係書類についてのペーパーレス化を推進することとし、平成25年度のNACCS更改時において通関関係書類のPDFによる提出を可能とすることが適当であり、これを推進するためには、まず、通関関係書類の簡素化を図ることが必要と考えられる。

(2) 輸出入申告に際しては、原則として仕入書を税関に提出しなければならないこととしているが、NACCSにより行われる輸出入申告のうち、書類の審査及び貨物の検査(以下「審査等」という。)が不要と判断されるものについては、即時に輸出入を許可し、運用上、輸出入の許可の日から3日以内に仕入書等の通関関係書類を税関に提出することとし、必要に応じ、事後的に輸出入申告の適正性を確認している。

(3) 審査等が不要と判断され、即時に輸出入を許可した輸出入申告については、事後的に通関関係書類の提出を求めないこととしても、輸出入者等のもとに赴き、質問し、帳簿書類を検査する、いわゆる輸出事後調査及び輸入事後調査(以下「輸出事後調査等」という。)により、輸出入申告の適正性を確認することに支障はないと考えられることから、通関関係書類については、原則として提出を求めないこととすることが適当と考えられる。

(4) その場合、輸出事後調査等による輸出入申告の適正性の確認を担保するため、税関に提出していない通関関係書類については輸出入者において保存しなければならないこととし、かつ、税関が必要に応じて関係帳簿書類の提示、提出を求めることができることとするとともに、電子取引を行った場合の電磁的記録を保存しなければならないこととすることが必要であると考えられる。

(5) なお、輸出入申告に際しては、原則として仕入書を税関に提出しなければならないこととされているが、仕入書以外の通関関係書類により、輸出入申告の適正性が確認できるのであれば、必ずしも仕入書による確認に限る必要はないものと考えられる。

(6) 以上を踏まえ、通関関係書類の簡素化を図るため、輸出入申告に際し、原則、提出しなければならないこととしている仕入書について、他の通関関係書類と同様に、必要があると認めるときに提出を求めることができることとすることが適当と考えられる。

また、これに併せて、@仕入書を税関に提出しない場合には、これを保存しなければならない、A事後、税関が関係帳簿書類の提示、提出を求めることができる、B電子取引を行った場合の電磁的記録を保存しなければならないこととする規定を整備することが適当と考えられる。

2.免税コンテナーの国内運送への使用に係る条件等の緩和

(1) 貨物を詰めて輸入された後に再輸出されるコンテナー又は空で輸入された後に貨物を詰めて再輸出されるコンテナーについては、昭和31年(1956年)に関係国間で締結され、昭和46年に我が国が加入したコンテナーに関する通関条約(以下「コンテナー条約」という。)及び昭和46年に制定されたコンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律(以下「コンテナー特例法」という。)に基づき、輸入する際の関税及び消費税を免除することとされている。

(2) ただし、関税及び消費税の免除を受けて輸入したコンテナー(以下「免税コンテナー」という。)について、国際運送の用以外の用途に供したとき、若しくはこれに供するため譲渡したとき、又は輸入の許可の日から原則として3月以内(運用上、延長の手続をとれば、原則として1年以内)とされている再輸出すべき期間(以下「再輸出期間」という。)に輸出しなかったときは、免除を受けた関税及び消費税が直ちに徴収される。

また、貨物を詰めて輸入された免税コンテナーについては、あらかじめ税関長に届け出ることにより、当該貨物の取出地から輸出貨物の詰込地等までの通常の経路により運送される間において、再輸出期間内に1回に限り、国内運送に使用することができることとされている。

(3) 免税コンテナーの国内運送への使用に係る条件等は、コンテナー特例法制定当時、国内運送に使用される国産コンテナーとの競合を調整する必要があったため設けられたものである。しかしながら、現在、コンテナーについては一部の特殊なものを除き国内では生産されておらず、国産コンテナーとの競合を調整する必要性は失われていると考えられる。

また、コンテナー特例法制定当時と異なり、輸入貨物をコンテナーに詰めた状態で内陸地まで運送することが一般化し、免税コンテナーが3月以内に再輸出されないケースが恒常的に発生している。そのため、近年、多くの免税コンテナーについて再輸出期間を延長する手続がとられている状況にある。

(4) このような状況の変化を踏まえ、免税コンテナーの国内運送への使用に係る条件等については、これを緩和することにより、コンテナー物流の効率化や物流コストの低減が図られ、我が国の貿易円滑化、国際競争力の強化に資するものと考えられる。

(5) コンテナー条約は、締約国が設けなければならない最小限の便益を定めているものであり、我が国が免税コンテナーの国内運送への使用に係る条件を緩和し、また、再輸出期間を延長して、同条約の規定より一層広い便益を認めることとしても、条約の規定との整合性につき問題はなく、むしろ条約の趣旨に合致するものと考えられる。

(6) 以上を踏まえ、基本的に、免税コンテナーの国内運送への使用に係る条件を廃止し、併せて、当該条件を満たしているか否かを把握するために設けられている、免税コンテナーを国内運送へ使用する際の税関長への届出についても廃止する方向で対応することが適当と考えられる。また、再輸出期間についても、現状、大多数の免税コンテナーが1年以内に再輸出されていること、また、関税定率法の再輸出免税制度における再輸出期間が原則1年と定められていることを踏まえ、基本的に原則1年に延長する方向で対応することが適当と考えられる。

3.海上コンテナー貨物に係る積荷情報の事前報告制度の早期化、詳細化及び電子化

(1) 平成13年9月に発生した米国同時多発テロを契機とし、WCO(世界税関機構)は、「国際貿易の安全確保及び円滑化のためのWCO「基準の枠組み」」(以下「基準の枠組み」という。)として、税関当局が国際貿易の安全確保及び円滑化の両立を推進するために国際的に実施すべき方策を取りまとめた。

「基準の枠組み」では、海上コンテナー貨物については電子的な事前貨物情報をコンテナー貨物が船積みされる前に輸出地及び/又は輸入地の税関に提出されるべきとされている。また、その報告期限は船積みの24時間前を超えるべきではないとされている。

(2) 米国、EU等においては、当該国向けの海上コンテナー貨物を対象に、「基準の枠組み」において認められている最も早いタイミングである積出地における船積24時間前を報告期限として、その積荷に関する詳細情報を電子的に報告することを義務付けている。

(3) 我が国における海上コンテナー貨物に係る積荷に関する事項については、現在、原則入港24時間前までの報告を義務化しているが、船積前の報告は義務付けていない。

また、運航者(船会社等)が発給する船荷証券(マスターB/L)の情報を基とした積荷情報の提出のみを義務化しているが、複数の荷主の貨物等をコンテナーに混載して運送する事業者が当該貨物の荷主に発給する船荷証券(ハウスB/L)の情報を基とした積荷情報の提出は、税関長が必要と認める場合に求めることができるとするに留まっている。更に、こうした情報の電子的報告を義務化していない。

(4) このように、我が国の海上コンテナー貨物に係る積荷情報の事前報告制度は、「基準の枠組み」や米国、EU等の制度と比較した場合、セキュリティ上の課題が存在していることから、一層の改善によるセキュリティ確保を図っていく必要がある。

(5) 以上を踏まえ、開港に入港しようとする外国貿易船の運航者及び当該外国貿易船に積み込まれているコンテナー貨物の利用運送事業者に対し、当該外国貿易船が入港する際に積み込まれているコンテナー貨物に関する情報について、当該コンテナーの船積港を当該外国貿易船が出港する前に、マスターB/L情報を基とした積荷情報に加え、ハウスB/L情報を基とした積荷情報も電子的に報告することを新たに義務付けることが適当と考えられる。

(6) 具体的な制度については、以下を基本としつつ、関係者の意見も踏まえ、詳細を検討していくことが適当と考えられる。

イ.報告期限の早期化

(イ)運航者による積荷情報の報告義務

外国貿易船の運航者は、当該外国貿易船に積み込まれているコンテナー貨物に関する情報(マスターB/Lの情報を基としたもの)について、原則として、船積港を出港する24時間前までにその入港しようとする開港の所在地を所轄する税関に報告しなければならないこととする。なお、基準となる出港時間は、日本に入港する外国貿易船が日本向けのコンテナー貨物を積み込む外国の港を出港する時間とする。

(ロ)荷送人(利用運送事業者)による積荷情報の報告義務

外国貿易船に積み込まれているコンテナー貨物について、荷主等と運送契約を結びハウスB/Lを発行する荷送人(利用運送事業者)は、積荷に関する詳細な情報(ハウスB/Lの情報を基としたもの)について、原則として、船積港を出港する24時間前までに、その入港しようとする開港の所在地を所轄する税関に報告しなければならないこととする。

(ハ)近隣諸国からの貨物に対する緩和措置

上記(イ)及び(ロ)の報告に関し、近隣諸国から船積みされるコンテナー貨物については、国際的な基準に相当するセキュリティレベルを確保しつつ、可能な範囲内で、物流実態へ配慮する必要がある。

(ニ)通過貨物

上記(イ)及び(ロ)の報告に関し、通過貨物(本邦において船卸しをしない外国貨物)については、税関長が必要と認める場合に報告を求めることができるものとする。

ロ.報告内容(項目)

上記イ.(イ)及び(ロ)の積荷情報の報告内容(項目)は、「基準の枠組み」、既に船積前事前報告制度を導入している米国、EU等における報告項目及び現行の電子情報処理組織(輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS))における積荷情報の報告項目を基本として検討する。また、別途、「基準の枠組み」で求めることができるとされている積付計画書及び出港時間についても報告を求めることを検討する。

ハ.電子的報告の義務化

上記の報告については、電子情報処理組織(輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS))を使用して報告しなければならないこととする。

なお、船会社や国内の事業所を介してだけでなく、電子情報処理組織の運営主体である輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社が一定のセキュリティ要件等を満たすプロバイダーと利用契約を締結することなどにより、海外の報告義務者が当該プロバイダーを介して報告できるようにする。

ニ.船卸しの禁止等

税関長は、上記の報告があった場合において、関税法の規定の実施を確保するため必要があると認める相当の事由がある場合には、当該報告に係るコンテナー貨物について、本邦の港における船卸しを一時停止するものとする。

また、報告期限後に報告がされた貨物については、税関長の許可を受けた上で船卸ししなければならないこととするとともに、現行法と同様、上記の報告がない場合には、該当するコンテナー貨物の船卸しをしてはならないこととする。

なお、船卸しを一時停止する措置を実施する必要がある場合には、取締り上支障がある場合を除き、運用上の措置として、報告の受理後24時間以内に、該当コンテナー貨物に係る報告義務者及びその運送に係る船会社に対し、通知することとする。

ホ.罰則

事前報告制度の早期化、詳細化及び電子化に合わせ、その実効性を確保する観点から罰則規定の整備を行う。

ヘ.導入時期

事前報告制度の早期化、詳細化及び電子化に当たっては、早期の実施を基本としつつ、関係者の準備等に必要な期間を考慮し、法律の公布の日から2年程度を置いて施行する。また、施行までの間に制度の運用について関係者と十分な協議を進め、円滑な制度の実施に努める。

4.外国税関当局との情報交換の拡充

(1) 我が国から外国税関当局に提供する情報については、現行関税法上、当該外国における裁判所又は裁判官の行う刑事手続には使用されないよう適切な措置をとることとされている。我が国と外国税関当局との情報交換においては、こうした我が国の現行法の枠内で行われることから、我が国から外国税関当局に提供する情報について当該外国の刑事手続に使用できないことはもとより、相互主義の原則のもと、我が国が外国税関当局から入手する情報についても、我が国の刑事手続に使用できない状況にある。

(2) 近年、不正薬物等の密輸事犯について、犯罪組織のグローバル化、密輸手口の悪質・巧妙化が進んでいる結果、犯則事実を立証するためにこれまで以上により多くの情報が必要な状況となっており、外国税関当局から入手する情報を刑事手続に使用することが可能となれば、犯則事実を立証する上で有益であると考えられる。

(3) 現行関税法の規定は、外国の刑事手続の捜査に必要な証拠の提供について、非政治性、双罰性及び相互主義の確認等を前提としている国際捜査共助法の潜脱を防ぐ観点から設けられたものであることから、これを別途の方法で担保できる場合には、我が国が外国税関当局へ提供した情報を当該外国における刑事手続に使用できることとして問題ないものと考えられる。

(4) したがって、外国税関当局から要請があったときは、当該外国税関当局に提供した情報について、非政治性、双罰性及び相互主義の確認等を前提として、当該要請に係る外国における刑事手続に使用することに同意できることとし、もって、我が国が外国税関当局から入手した情報についても我が国の刑事手続に使用することができるよう環境を整備することが適当と考えられる。

5.両罰規定に係る公訴時効期間の見直し

(1) 関税法において、違反行為者を処罰するとともに併せて法人等を処罰する、いわゆる両罰規定を適用することとされている違反行為のうち、関税ほ脱罪については、法人等に対する公訴時効期間は、違反行為者に対する公訴時効期間によることとする規定が設けられている。しかしながら、関税ほ脱罪以外の違反行為については、このような規定が設けられておらず、刑事訴訟法の規定の適用を受け、法人等に対する公訴時効期間は、刑罰が罰金刑であることから一律に3年となっている。

この結果、関税ほ脱罪以外の法定刑が10年以下又は5年以下の懲役とされている罰条に該当する違法行為について、両罰規定を適用する場合にあっては、違反行為者の公訴時効期間は7年又は5年であるのに対し、法人等の公訴時効期間は3年であり、両者の公訴時効期間に差異が生じている状況にある。

(2) 両罰規定の趣旨は、違反行為について、その違反行為者の刑事責任を問うことは当然として、その違反行為が使用人等の従業者により法人等の業務として行われた場合は、当該法人等は当該使用人等を監督する義務を有していることから、その義務を怠った法人等についても刑事責任を追及するというものである。

関税法上の罪について、知的財産侵害物品を輸入する罪や無許可輸出入罪は、特に法人等の業務として行われる場合があり、その違反行為により実質的な利益が帰属するのは法人等であることに鑑みれば、違反行為者のみを処罰するのではなく、その利益が帰属する法人等も併せて処罰すべきであると考えられる。

(3) したがって、関税法において両罰規定を適用することとされている関税ほ脱罪以外の違反行為についても、法人等を適正に処罰することができるようにするため、関税ほ脱罪と同様に、法人等に対する公訴時効期間をその違反行為者に対する公訴時効期間と同一とすることが適当と考えられる。

(三)沖縄における関税制度上の特例措置

沖縄の総合的かつ計画的な振興を図ること等を目的とする沖縄振興特別措置法(以下「沖振法」という。)を受け、特定免税店制度、選択課税制度及び保税蔵置場等許可手数料の軽減といった関税制度上の特例措置を講じている。これらの措置は、平成24年3月31日に適用期限が到来する。

1.特定免税店制度

(1) 特定免税店制度は、沖縄から沖縄以外の本邦の地域へ出域する旅客が、税関長の承認を受けた小売業者から沖振法に規定する空港内の旅客ターミナル施設において購入した物品又は当該小売業者から沖振法に規定する特定販売施設において購入し当該旅客ターミナル施設において引渡しを受ける物品であって、当該旅客により当該出域の際に携帯して移出されるものについて、その関税を免除するものである。

(2) 特定免税店制度は、国内の特定地域に着目して関税の免税措置を講ずるものである。これは、国内産業保護の機能を果たすため国土全体において一律に適用すべきものであるという、関税の基本的な性質に反する面がある。

しかしながら、特定免税店制度は、関税法上、外国とみなされていた復帰前の沖縄からの土産品に適用されていた携帯品免税の機能を実質的に引き継いでいるものであること及び沖縄に歴史的・地理的等の特殊事情があることを考慮し、他の地域にない極めて特別な制度として沖縄に限り設けられたものである。

また、平成16年に観光振興地域の区域内にある特定販売施設が開店して以降、飛躍的に利用実績が伸び、沖縄の観光振興及び雇用促進等に関し、一定の効果を果たしていると考えられる。

したがって、特定免税店制度は、沖縄以外の他の地域に拡大すべきではないが、沖縄において引き続き5年間維持することについては、沖縄の特殊事情に大きな変化がない状況においては適当であると考えられる。

(3) 引渡し場所として港湾内の旅客ターミナル施設を新たに指定することにより、海路で沖縄から沖縄以外の本邦の地域へ出域する旅客を制度の対象とすることについては、近年、沖縄にはクルーズ船が多数寄港しており、海路による入域観光客が増加傾向にあることを踏まえれば、その効果が期待できるものと考えられる。

海路により出域する旅客を対象とすることは制度を拡充することに違いはないが、空路による旅客と海路による旅客とは本質的に異なるものではないことを踏まえれば、新たに指定する港湾内の旅客ターミナル施設において、現在指定されている空港内の旅客ターミナル施設と同程度の体制が整備され、販売物品が確実に移出されることが担保されることを前提として、海路で沖縄から沖縄以外の本邦の地域へ出域する旅客も対象とすることが適当と考えられる。

2.選択課税制度

(1) 関税法の原則では、総合保税地域又は保税工場において外国貨物を原料として製造した製品を国内に引き取る場合、その原料に対し関税を課すこととされているが、沖振法の規定により自由貿易地域又は特別自由貿易地域(以下「自由貿易地域等」という。)の区域内の総合保税地域又は保税工場において外国貨物を原料として製造した製品を国内に引き取る際は、原料に対する関税と製品に対する関税とのいずれかを輸入者が選択できることとしている。

(2) 関税は、国内産業の保護を目的としており、原則として、外国貨物を原料として製造した製品を国内に引き取る際に原料に対し課税することとしているのは、その原料に係る国内生産者を保護するためである。このため、原料に対し設定された関税率より低い関税率を選択することを認めることは、関税の国内産業保護の機能を弱める面がある。

しかしながら、選択課税制度は、沖縄の歴史的・地理的等の特殊事情を考慮し、他の地域にない極めて特別な制度として沖縄に限り設けられたものである。このような導入の背景を踏まえれば、沖縄以外の他の地域に拡大すべきではないが、沖縄の特殊事情に大きな変化がない状況において、新沖振法の下においても、選択課税制度を引き続き5年間維持することは、沖縄の産業振興に寄与するものである限り、政策として適当であると考えられる。

3.保税蔵置場等許可手数料の軽減

(1) 沖振法の規定により自由貿易地域等の区域内において保税蔵置場、保税工場、保税展示場又は総合保税地域(以下「保税蔵置場等」という。)の許可を受けた者が納付すべき当該許可に係る手数料(以下「保税蔵置場等許可手数料」という。)は、2分の1に軽減されている。

(2) 保税蔵置場等許可手数料は、保税蔵置場等の許可期間を通じて発生する税関の行政コストを受益者である保税蔵置場等の被許可者から手数料として負担を求めているものであり、こうした趣旨からすれば、基本的には軽減を行うべきではないと考えられる。しかしながら、保税蔵置場等許可手数料の軽減は、沖縄の歴史的・地理的等の特殊事情を踏まえ、自由貿易地域等の区域内にある保税蔵置場等の入居企業が厳しい経営状態にあることに鑑み、入居企業の事業活動を拡大するとともに新たな企業の立地を促進し、自由貿易地域等の活性化を図るために導入されたものである。現在、自由貿易地域においては12の保税蔵置場及び保税工場が、特別自由貿易地域においては9の保税蔵置場が軽減の適用を受けており、一定の効果を果たしているものと考えられる。このような導入の背景を踏まえれば、沖縄の特殊事情に大きな変化がない状況においては、軽減措置を引き続き維持することが適当であると考えられる。

三.引き続き検討すべき事項

○不服申立制度の見直し

平成22年8月以降、総務大臣と行政刷新担当大臣を共同座長とし、政務三役等及び有識者で構成される行政救済制度検討チームにおいて、行政救済制度のあり方が検討されている。関税法の不服申立制度については、現在、税関長に対する異議申立て及び財務大臣に対する審査請求の二段階の不服申立手続が行政訴訟に前置されているところ、同検討チームワーキンググループから、審査請求のみの一段階とする見直し案が示されている。

他方、税関に係る事項についての不服申立てについては、国際条約である改正京都規約(税関手続の簡易化及び調和に関する国際規約)が締約国に国内法令上「税関に対して最初に不服申立てを行う権利を定める」ことを義務付け、これを現行の異議申立制度によって担保している。

同検討チームにおいては、審査請求人が自己の選択により処分庁に対して不服を申し立てることのできる「略式裁決(仮称)」の手続を設けることが検討されており、関税法の不服申立制度については、条約の履行を確保するため、「略式裁決(仮称)」の手続を設けることが適当と考えられる。

以上を踏まえ、関税法の不服申立制度の見直しについて引き続き適切に対応する必要がある。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

それでは、今朗読していただいたわけですけれども、この案文等につきまして御意見とか御質問があればいただきたいと思います。

○小寺委員この論点整理案は、審議に加わっていなくても見て理解できるということが大切だと思います。内容自身については私は非常に結構だと思うのですが、2点、読んだときに理解しにくい部分がありますので、質問をいたします。

1ページの下から6行目ですが、「サプライチェーン全体をカバーするAEO制度が構築されている」というように書かれています。私など、サプライチェーンというと、現在ではグローバルに日本企業のサプライチェーンが展開されているというように理解をしているのですが、この場合のサプライチェーンというのは、その後に、「また、諸外国とのAEO制度」云々と続きますので、恐らく国内のことをおっしゃっているように読めるんですね。そうすると、この「サプライチェーン全体」という言い方がちょっと誤解を生むといいますか、理解しにくいという感じがいたします。

もう1点は2ページ目の(2)、しょうがの部分です。これも内容自身については、前から申し上げていたように、基本税率をゼロにするということは、消費者にとってもいいので大変結構だと思うのですが、この下から5行目の「なお」以下の部分、要するに、「ハーブなど食用・香料用等に供するものも含まれており、これらについては先進国からの輸入が相当程度あること等、漢方薬原料とは異なる事情があるが、種類、形態により漢方薬原料と区別することができる」と書かれていて、「区別することができる」というのは一体どういう意味なのか。つまり、今回の関税率の改正については、「主として香料用、医療用等に供するその他の植物」ということについてここに書かれているわけですが、これは「主として」ということなので、ハーブなど食用・香料用等に供するものもこの中に含まれるのではないだろうかと理解できるのです。そうなると、これが区別できるということの意味が、一体どういうことをここでおっしゃりたいのか、ちょっと私には理解できないのです。

以上2点でございます。

○岸本関税課長どうもありがとうございました。

まず、第1点の「サプライチェーン全体をカバーするAEO制度が構築されている」という点につきましては、御指摘のように、昨今、サプライチェーンという言葉を日本の世界的な展開を主として念頭に置いて使われる局面もあることを考えますと、若干言葉足らずであるなというふうに思います。AEO制度でございますから国内事業者を対象としてつくっている制度でございますので、ここで言っておりますサプライチェーンは、御指摘のとおり、国内のものを念頭に置いた記述でございます。ちょっと工夫をするようにしたいと存じます。

それから、第2点でございますが、「区別することができる」というのは、御指摘のとおり、改めて言われてみますと確かにわかりにくいなと思いました。これは、私ども税関の仕事をしている者の目で文章を書いてしまったがためにこんなことになってしまったのかと思います。これは、通関手続としても区別することができるというぐらいの気持ちでございます。漢方薬原料とそれ以外の食用・香料用に供するハーブなどについては、通関手続として区別して取り扱って、漢方薬原料については無税を適用するけれども、ハーブなど食用・香料用等に供するものについては、別の事情があるので、基本税率は無税にしないで、もとの協定税率2.5%を適用します。それは通関手続としても区別することができるというぐらいの気持ちでございます。

○伊藤分科会長他に御意見でも御質問でも結構です。

○松下委員前回のときにもTPPについての意見をちょっと申し上げましたが、今回TPP協定について野田総理が交渉参加への協議入りを表明されました。我々経済界としてはもう少し早くしてほしかったというような気持ちはあるものの、総理の決断を高く評価しております。現在、特にマスコミでは、農業とその他の産業界の対立といった取り上げられ方がされております。しかし、私ども関経連はじめ経済界では、TPPの話が出てくるずっと前からEPAの推進を主張する一方、農業の強化についても提言を行いまして、農商工連携による農業の6次産業化も支援してまいりました。ということで、この論点整理案についてどうこうと申し上げるんじゃないのですけれども、この関税のあり方につきましても、TPPの推進とか農業の強化といった大きな国家戦略と整合性を持った各論の審議ということが必要ではないかと思いますので、来年度以降の議論に向けた意見として申し上げておきたいと思います。

○飛田委員今の御意見でございますが、私ども農業関係者は、TPPについては、WTOと違い、全ての関税を撤廃するということが大きな目的だということからすると、国内における農業生産は、現行制度を維持し、関税で農業を守っていくのだという基本姿勢はやっぱり貫いてもらわないといけないということであります。よって今御意見があったこととは反対の関係でございます。そこはしっかりと見きわめた中で対策を講じてもらいたいということです。

○圓川委員直接この論点整理と関係しないと思うのですけれども、セキュリティを確保しながら一方で税関業務の効率化を図るといった意味でいいますと、AEO制度の拡大が非常に大事だと思うんですね。貿易円滑化ワーキンググループでも3番目の柱としてAEO制度の拡大・慫慂ということを言っているのですけれども、今回の論点整理で、例えば区分1になった場合には書類の提出義務から電子保管で済むように、AEO事業者でなくてもできる。あるいは、10月から始まった保税搬入原則の見直し、これはものすごくいいことなんですけども、逆に言いますと、AEO事業者のメリットとAEO事業者でない事業者のメリットとの差が薄れてしまったような傾向もあると思うんですね。ですから、ぜひAEO事業者のメリットをさらに拡大するような方策も今回の論点整理の中でなくていいですけれども、別途考えていただきたいと思います。実際にAEO事業者以外の方が簡素化のメリットを感じられている一方で、逆に、AEO事業者の方はAEOを取得してもメリットは少なく何となくAEO事業者以外の事業者との差が縮まってくるというような感覚を持っているという声があります。私自身もそう思っているのですけれども、その辺、よろしくお願いしたいと思います。

○臼杵業務課長圓川委員にまとめていただいた貿易円滑化ワーキンググループの報告書におきましても、「通関業などの物流サービス事業者や輸出入者等への通関手続上の更なる緩和措置の提供を推進していくこととする。」というふうに書かれてございまして、これらを踏まえ適切に考えていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○伊藤分科会長他に御質問とか御意見とかありましたらどうぞ。平成24年度の改正に関しては最後の機会でございますから、この論点整理案についての御質問、御意見以外にも、一般的な関税行政、その他等について御感想でも御意見でも結構です。何人かの方にいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

○青山委員今回の取りまとめ案については本当によくまとまっているし、基本的に全然異議があるものではないのですけれども、実は4ページの「適用期限の到来する暫定税率の取扱い」に関して、ここ何年間かこの審議会に参加させていただいておりますけれども、結構見直しをしながらも、とにかく1年間1年間ずっと更新されていて、暫定が暫定でないような感も見受けられます。これ自体はもちろん消費者にとっては本当にいいことではあるのですけれども、恒常的に見直しをした上で、これは1年間延長することが妥当であるということをきちんと検証しているかどうかというところをお聞かせいただければありがたいと思います。今、消費者はこれだけ円高であってもちっとも円高メリットを享受できている消費生活ではないということから考えれば、これは適切とは思うのですけども、その辺、バックデータとしてこうしているというところをお聞かせいただければありがたいです。

○岸本関税課長私もこの審議会を担当させていただいて3回目でございまして、この暫定税率の取扱いについても、今回いろいろと御説明させていただくのも3回目ということになります。毎回それぞれの物資を所管していらっしゃる省庁の方からそれぞれの品目を取り巻く事情について詳しくお聞きして、それぞれの必要性について、事務当局としてではございますけれども、十分に時間をとった議論をしているところでございます。また、審議会におきましても、ちょうど2年前の審議のときもそうでございますが、暫定税率の取扱いについて特に長い時間をとっていただいて審議していただいたりもいたしました。その後いろいろな事情があって、確かに暫定と言いながらそのまま延長ということを毎回お願いしているところではございますけれども、それぞれ取り巻く事情、できた経緯、あるいは特別な制度を背景にしているとかいったような事情もあり、他方において、また恒久化するというところまでなかなか踏み切れないところもあり、そういうことで1年ずつお願いしているところでございます。御指摘は真にごもっともでございますので、今回こういうことでお願いいたしますけれども、これからまた来年以降についてもきちんとした作業をしていきたいと思っております。

どうもありがとうございます。

〔五十嵐副大臣入室・着席〕

○伊藤分科会長他に何か御意見とか御感想とかございますか。

それでは、五十嵐財務副大臣がお見えになりましたので、御挨拶いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○五十嵐副大臣皆さん、ありがとうございます。おはようございます。私、関税局担当の副大臣、五十嵐文彦でございます。昨年に引き続いて副大臣を拝命いたしております。

伊藤分科会長はじめ委員の皆様におかれましては、これまで熱心に御審議をいただいたことにつきまして厚く御礼を申し上げます。

関税は、国内産業保護の要請と消費者利益保護の要請を調整する重要な政策手段でございます。また、税関手続の整備や適正な税の賦課・徴収や国民の安全・安心を確保しつつ、貿易の円滑化を図る上で欠かせないものでございます。今般、関税分科会におきましては、関税率の見直しや税関手続の整備に関して専門的な観点からの御審議をいただいたと承っております。特に通関関係書類の簡素化等の課題について論点の整理をしていただきました。円滑な通関行政がこれで大いに進むものと期待をいたしております。今後、論点整理でお示しいただいた視点や考え方を十分に踏まえつつ、平成24年度の関税改正の検討を進めてまいる所存でございます。

皆様の御尽力に重ねて感謝を申し上げますとともに、今後ともなお一層御指導、御鞭撻をいただきますようお願い申し上げまして、簡単ですけれども、挨拶とさせていただきます。

ありがとうございます。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

議論は本日の会議が最後になるわけですけれども、ただいまいただきました御意見等を踏まえまして、具体的な修正の文言につきましては私に一任いただければと思います。よろしくお願いいたします。

それでは、本日まで平成24年度関税改正に関する議論、論点整理の取りまとめに向けた熱心な御審議をいただきまして、厚く御礼申し上げたいと思います。

以上をもちまして本日の議事を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございます。

午前11時03分閉会
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