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関税・外国為替等審議会 関税分科会 議事録(平成23年11月9日開催)

関税・外国為替等審議会関税分科会議事録

本稿は、平成23年11月9日の関税・外国為替等審議会関税分科会の議事録です。
午前10時10分開会

○伊藤分科会長ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたしたいと思います。

委員の皆様には、お忙しいところ御出席を賜りまして誠にありがとうございます。

議事に入ります前に、新たに当分科会のメンバーとなられた委員の御紹介をさせていただきたいと思います。本日は御都合によりお見えではございませんが、仁平章委員が新たに当分科会の委員になっておられます。

それでは、本日の議事に入らせていただきたいと思います。本日の議題は、お手元にお配りしております議事のとおりでございます。

それでは、まず平成24年度関税改正検討項目につきまして、事務局より説明を受けたいと思います。牛肉及び豚肉に係る関税の緊急措置の取扱い及び牛肉をめぐる状況につきまして、事務局から説明をお願いします。

○岸本関税課長資料1−1の「牛肉及び豚肉に係る関税の緊急措置の取扱い」につきまして御説明申し上げます。

資料1−1の1ページを御覧いただきたいと存じます。平成24年3月31日に牛肉に係る関税の緊急措置、豚肉に係る関税の緊急措置の適用期限が到来いたします。これらは、前回御審議賜りました特別緊急関税と同様に単年度ずつ延長されてきたものでございます。

この制度は、暫定税率によりまして協定税率より低い水準にまで税率を引き下げておりますものを、輸入数量が一定水準を超えた場合に関税率を引き上げるという措置でございます。例えば牛肉の場合には、協定税率50%よりも低い38.5%の暫定税率を設定しておりますが、輸入数量が一定の水準を超えた場合には関税率を50%まで戻すという措置でございます。これは、ウルグアイ・ラウンド合意の際の関係国との協議の結果に基づきまして、協定税率より低い水準まで実行税率を自主的に引き下げることとした際、これと一体として、安全弁として設けられたものであるということでございます。このような関税率の設定と一体として設けられているという事情がございますので、暫定税率と一体的に見直しを行う必要があると考えております。したがいまして、暫定税率と同様に1年間適用期限を延長する方向で対応することが適当ではないかと考えております。

続きまして、2ページでございます。牛肉の関税の緊急措置につきましては、発動基準数量の取扱いについてここ数年特例を設けてきております。これにつきましては、資料1−2の2ページにグラフがございますので、併せて御覧いただきたいと存じます。牛肉に係る関税の緊急措置の発動基準数量の算出基礎は、原則的には前年度の輸入実績としているところでございます。しかしながら、平成18年度から23年度までの各年度におきましては、牛肉の輸入数量がアメリカでのBSE発生前の水準に回復したと言えない状況の下で、特例といたしまして、前年度の輸入実績あるいは平成14年度と15年度の輸入実績の平均値、そのいずれか大きい方としてきているところでございます。

本年度におきまして、冷凍牛肉の発動基準数量の算出基礎につきましては、輸入実績が増加したことから平成22年度の輸入実績となっております。一方で、生鮮・冷蔵牛肉の発動基準数量の算出基礎につきましては、輸入数量が冷凍牛肉ほどには増加いたしませんでしたので、平成14年度と15年度の輸入実績の平均となっているところでございます。しかしながら、まだ冷凍牛肉を含めて牛肉の輸入が米国でのBSE発生前の水準に回復したとは断言できないのではないかと考えておりまして、今後の輸入動向によっては、BSE発生前の水準以下の輸入数量で緊急措置の発動が生じ得ることがないように、引き続きこの特例を来年度においても維持することが適当ではないかと考えているところでございます。

なお、牛肉をめぐる状況につきましては農林水産省に説明をお願いしたいと存じます。

○渡邉食肉鶏卵課長(農林水産省)農林水産省の食肉鶏卵課長でございます。私の方から、資料2「牛肉をめぐる状況」という資料がございますので、それに基づきまして、需給あるいは価格の状況を御説明させていただきたいと思います。

まず、資料2の1ページ目でございます。上のグラフでございますけれども、牛肉の供給量の推移でございます。赤色が米国産の牛肉でございます。BSEが平成15年に発生したものですから、平成16年で赤色がなくなっておりますけれども、その後、平成17、18、19、20年度と再開後は米国産の牛肉の輸入量が漸増傾向で来ているということでございます。ただ、漸増傾向で来てはおりますけれども、平成12、13、14、15年度のあたりの、かつてBSEが発生前の状況を御覧いただきますと、米国産が輸入の大体半分程度、あるいは半分弱だった頃と比べますと、まだそこまでは戻っていない状況になるということでございます。

下のグラフでございますけれども、平成23年度の4〜9月を前年と比べております。この直近まで同じように米国産の漸増傾向が続いてきているということで推移をしてきている状況でございます。

次に、2ページを御覧になっていただきたいと思います。これは、上が生鮮・冷蔵牛肉で、下が冷凍牛肉の輸入牛肉の供給量を示したものでございます。生鮮・冷蔵につきましては、平成23年度に入りまして若干減少、一方、冷凍牛肉については、これもわずかにでございますけれども、若干増加しているものでございます。これは、震災あるいは食中毒の事件などございましたけれども、それによりまして、食卓で使われる、いわゆるテーブルミートとして利用される生鮮・冷蔵が減りまして、業務用の、例えば震災後、レトルトの需要等が増えたことで、冷凍牛肉が漸増したということではないかと私どもは見ているところでございます。

次に、3ページは、上のグラフが小売価格の動向でございまして、下のグラフが枝肉の卸売価格でございます。上の方の牛肉の小売価格でございますけれども、米国のBSE発生後、需給が逼迫ということで、青色の国産牛肉、赤色の輸入牛肉のいずれについても価格は上昇したわけでございますけれども、為替レートの問題、あるいはどうしても景気の影響で、近年ここ数年間は牛肉の消費の停滞から価格も低下傾向にある状況でございます。卸売価格の状況、下のグラフでございますけれども、青色が国内産乳用種の去勢のB2、いわゆるホルスタインの肉、赤色が豪州産でございます。赤色の豪州産ですけれども、米国産牛肉の輸入停止以降、比較的高値で推移をしてきましたけれども、最近は豪ドルの為替の問題などがありまして低下をしてきております。他方、乳用種の牛肉ですけれども、これが豪州産あるいは米国産と最も競合する国産牛肉ということでここに掲げております。乳用種の牛肉についても、米国からの輸入が停止した後は比較的堅調だったのですけれども、最近、景気の低迷ですとか、特に直近では、例の放射性セシウムの影響もございまして、低迷をしている状況でございます。

次に、資料の4ページでございます。これは食肉全体の供給量を参考までに掲げさせていただいておるものでございます。概して申しまして、国内でのBSEあるいは米国でのBSEの発生後、牛肉全体の供給量が減ったわけでございます。その分を当面数年間は豚肉が増加することで食肉全体の供給を賄ったということでございます。最近ここ数年は特に景気の低迷がある中で低価格志向ということで、豚肉がまたさらに減りまして、一方で鶏肉が増えている状況で供給量が推移をしているようなことでございます。

最後に、先ほど財務省から説明がございました特例措置の件でございますけれども、こういった状況にかんがみまして、財務省のように1年間の延長という方向で私どもも検討いただきたいと考えているところでございます。

私からは以上でございます。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等をいただければと思います。よろしいですか。

それでは、特に御意見、御質問等ございませんようですので、次の個別品目の関税率の見直しにつきまして、事務局より説明をお願いしたいと思います。

○岸本関税課長資料3−1の「個別品目の関税率の見直し」につきまして御説明申し上げます。

1ページを御覧いただきたいと思います。「個別品目の関税率の見直し」とございまして、そこに経緯の説明がございます。平成23年度の関税改正におきまして、特恵関税制度について見直しを行いました。開発途上国からの産品であっても国際競争力が高いものについては、国、それから品目を指定して特恵関税制度を適用しないこととする適用除外の基準の見直しを行いました。この結果、3,500品目程度ございます特恵関税制度の対象品目のうち、四百数十品目が対象から外れたわけでございます。そのほとんどは中国の産品でございました。その際、開発支援のためではなく、我が国の事情として関税率を低くしたいというものについては、基本税率を引き下げることによって対応するという方針で臨んだわけでございます。実際に平成23年度改正におきましては、27品目につきまして基本税率の引下げを行いました。

このような経緯がございますが、第2段落でございますけれども、中国産の「しょうが」、「主として香料用、医療用等に供するその他の植物」に対しまして、同様の経緯で平成23年4月から特恵税率(無税)が適用されないことになっているわけでございまして、現在2.5%の税率が適用されております。これらの品目には、ショウキョウでありますとかシャクヤクでありますとか、その他いろいろな漢方薬原料が含まれておりまして、これにつきまして、開発途上国だけではなく全世界を対象として一般的に適用される税率であります基本税率を無税とするという要望がございます。また、平成24年4月から、同じく中国に対しまして特恵税率(無税)の適用が除外されることになりますふっ化水素、これにつきまして3.3%の税率が適用されることになるわけでございますけれども、同様に基本税率を無税にするという要望がございます。

まず、しょうが、その他の植物のうちの漢方薬原料についてでございますけれども、これは輸入量の約99%を占める中国産のものにつきまして、31年間にわたって特恵税率(無税)が適用されてきたという経緯がございます。したがいまして、基本税率を無税としたとしても実質的に従来の関税水準を変えるものではないというふうに考えられます。また、我が国における漢方薬原料の生産量は国内需要の約1割程度を占めているわけでございますけれども、これは輸入者であります漢方薬メーカー自身が、関税率が無税という状況のもとで、原料調達の安定のために農家との契約栽培により生産を拡大してきているものでございます。2ページに入りますが、こういうふうなことで引き続き国内生産の継続が見込まれているということでございます。

なお、これらの品目には、ハーブなど食用、香料用等に供するものも含まれておりまして、こういうものは漢方薬原料とは若干事情を異にするわけでございますけれども、種類や形態によりまして漢方薬原料と区別することができると考えております。

それから、ふっ化水素でございますが、これはコーティングに使うふっ化樹脂の材料になるとか、あるいは半導体の洗浄のための加工材になるといったようなものだそうでございますけれども、これにつきましても輸入額の約96%を占める中国産のものにつきまして、31年間超、特恵税率(無税)が適用されてきております。基本税率を無税としたとしても、実質的に従来の関税水準を変えるものではないと考えられます。また、世界的にふっ化水素の需給は逼迫しているということでございまして、関税を撤廃したとしても先進国からの輸入が急増する可能性は低いと考えております。

こういうことから、ここにございますような2つの品目のうちの漢方薬原料並びにふっ化水素につきまして、基本税率を無税とすることで対応したいと考えているところでございます。

続きまして、3ページですが、特恵関税制度に係る事項につきまして御説明申し上げます。先ほど申しました特恵関税の適用対象から競争力の強い国の競争力の強い産品については外れてもらうという措置でございますが、この基準に該当したものですから、表にございますような品目につきまして来年4月から一般の税率を適用することにしたいと考えております。

それから、4ページでございますが、特恵関税の適用対象となる国・地域の出し入れの問題でございます。

(1)にございますが、独立をいたしましたコソボでございますけれども、特恵関税の適用の申請がございまして、他の要件も満たしていることから、特恵受益国に指定したいと考えております。

それから、(2)でございますが、そこにございますカリブ海の国々あるいはスペイン領の国々につきまして、7地域ございますけれども、これらは3年連続して高所得国に相当したということでございます。したがいまして、基準に該当するので、特恵対象の国・地域から除外することとしたいと思います。

なお、注でございますが、赤道ギニアにつきましては、3年連続して高所得国に該当するということでございました。これは天然ガスの産出があるということで、国民所得自体は高いのでございますけれども、国連においては、さまざまな事情を総合勘案して、引き続き後発開発途上国に指定するということでございますので、LDC特恵の対象国としての指定を維持したいと考えております。

説明は以上でございます。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見をいただければと思います。

○飛田委員特恵関税の関係ですけれども、特に薬草の関係でございますが、1つの制度があるにもかかわらず無税にするということでございまして、私は生産者の一人としてお話をさせていただきたいというふうに思います。無税にすることによって、国内の生産者、特に新規に耕作をしたいだとか、そういう方々に対する考え方――これは意見を言わせていただくことで、反対ということではありませんが、無税にすることによって生産者に被害がないように、関係省庁については、今説明があるように、契約という形で取引をされているということでございますけれども、その契約についてもぜひ指導体制をしっかりやっていただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。

○伊藤分科会長特によろしいですか。わかりました。では、承るということで。

他にどなたか、御質問でも御意見でも。

○野坂委員特恵関税適用除外基準に関して今年度大幅な見直しを行ったわけですけれども、年度途中ではございますが、適用除外基準の見直しによる影響といいますか、効果といいますか、それについてはどのように分析されているか教えていただけますか。

○岸本関税課長まだ4月以降のことでございますから、現在直ちにどういう効果があるかというのはなかなか申し上げにくいところでございますけれども、私どもとしては、特恵税率の対象となっている金額、昨年の改正時の足元の金額、輸入額で大体1.6兆円ぐらいが特恵税率の対象でございまして、そのうちの9割弱ぐらいは中国が対象であるという状況でございました。この見直しをすることによって、中国の割合が大体全体の3分の2ぐらいになるのではないかと見込んでおりました。実際の結果どうなるかにつきましては年度末まで見きわめてみないとわからないところではございますけれども、そういう状況でございます。

○相澤委員特恵関税制度について、日本よりGDPの大きい中国が特恵地域に当たるということですが、日本より経済規模の大きい国が特恵地域にあたるとすることは、発展途上国の助成という制度の趣旨に悖るのではないかと思います。特恵制度を考えるときに再考していただきたいと思います。

○岸本関税課長反論ということではございませんけれども、昨年の審議の状況を御報告するとすれば、御指摘のような考え方もあったわけでございます。他方において、国際的に1人当たり国民所得で見ていこうというのが各国のやり方であるということを勘案すれば、GDPとしては日本を抜く状況にはあったけれども、人口が何といっても日本の10倍ございますから、1人当たりにしますと日本の10分の1ぐらいになってしまうということで、そういう世界各国の特恵関税に対する考え方を踏まえて現在のような状況で対応しているということでございます。

○伊藤分科会長他にどなたかございますか。よろしいですか。

どうもありがとうございました。それでは、次に行きたいと思います。

続きまして、海上コンテナー貨物に係る積荷情報の事前報告制度の早期化、詳細化及び電子化につきまして、事務局から説明をお願いしたいと思います。

○菊川監視課長それでは、海上コンテナー貨物に係る積荷情報の事前報告制度の早期化、詳細化及び電子化について御説明させていただきます。

まず、資料4−1の1枚目をおめくりください。また、資料4−2の5ページに「我が国の積荷情報の事前報告制度の推移」という絵がありますので、これを使いながら御説明させていただきます。この「事前報告制度の推移」にございますように、平成13年9月の米国同時多発テロ以降、テロの脅威に対応するため、セキュリティの強化を目的としてさまざまな取組みがなされてきたわけですが、この一環として、アメリカ、EU等においても積荷情報を早期に入手して分析することで水際の取締りの強化を図ってきたところでございます。我が国におきましては、まず平成16年度の改正でマスター積荷情報を入港前に求めることができる。従前、入港後に取っていたものを入港前に取ることができる規定といたしました。その後、平成18年度の関税改正におきましてこれを義務化したところでございます。また、平成19年度の改正で、いわゆるハウス積荷情報を求めることができるという規定を入れたところでございます。

このマスター積荷情報、ハウス積荷情報について簡単に御説明しますと、コンテナーを積む場合は、船社がそのコンテナーを積むわけですけれども、船社から出される船荷証券の情報をマスター積荷情報と呼んでおります。この場合、船社が直接荷主と契約した場合は、積荷情報には荷主、荷送人、荷受人、またその貨物の情報を船社が持つわけです。一方、利用運送事業者(NVOCC:Non Vessel Operating Common Carrier)と呼んでいますが、自分は船を持たなくて、船社のサービスを利用して貨物を運送する事業者がございます。そうすると、利用運送事業者の方が実際に荷主と契約をしてコンテナーに詰めて送るということで、船社の方は利用運送事業者の名前しかわからない。利用運送事業者の方が実際どんな貨物で、誰がどこに送るのかというより詳細な情報、ハウス積荷情報を持っているものでございますので、そういう場合、実際にハウス積荷情報を見ないと何がどこに送られるかわからないこととなります。

続きまして、資料4−2の1ページ目をあけていただければと思うのですが、改正の背景について御説明させていただきます。まず、WCO(世界税関機構)におきましては、9.11以降の国際貿易の安全確保と円滑化の両立のための方策の検討を行っておりまして、ここに書かれておりますように、「国際貿易の安全確保及び円滑化のためのWCO「基準の枠組み」」、いわゆる「基準の枠組み」と呼んでおりますけれども、これを採択いたしました。現在164カ国・地域が実施の意図を表明しているものでございます。これはいわゆるガイドラインという位置づけのものでございますが、その中に積荷情報につきまして書かれております。ここの2.に書かれておりますように、海上コンテナー貨物については、船積前に情報を入手する。リスクが高いもの、危険なものについては「船積禁止」又は「船卸禁止」の通知を、情報提供後一定時間内に発出されるようなシステムを持つべきだ。また、そのためには電子的な情報の報告が求められるというようなことがガイドラインとして書かれてございます。

続きまして、4ページ目をご覧ください。現在、諸外国でどういうふうな制度になっているかということを御説明いたしますと、アメリカ、EU等におきましても、海上コンテナー貨物を対象に船積前の事前報告制度を義務づけて水際取締りを強化しているところでございます。まず、報告期限でございますが、原則、船積24時間前となっております。また、報告義務者につきましては船社及びNVOCC、先ほど申しました利用運送事業者でございます。また、その代行を認めております。報告方法につきましては、電子的な報告を原則的には義務化している状況でございます。これと現在の我が国の海上コンテナー貨物の事前報告制度を比較いたしますと、まず報告期限ですが、積荷情報の報告は、船積前ではなくて、原則入港24時間前となっている。また、積荷につきましては、いわゆる船社から出されるマスター積荷情報は義務化しておりますけれども、混載貨物等、NVOCCが取り扱う貨物につきましては、実際の荷送人や荷受人、貨物等について不明なことが多いという状況がございます。積荷情報の報告方法でございますが、マスター積荷情報も電子的報告を義務化しておりませんので、ほぼ100%とはいえ、まだ電子化されていない積荷情報が依然として混在しております。また、税関が必要と認めた場合に提出していただいておりますハウス積荷情報については、ほとんどが紙とかファックスとか、そういう形での提供となっております。

そういう状況におきまして、コンテナー貨物の積荷情報を利用したリスク分析に基づく水際取締りにつきましては、より詳細な情報を、より早く入手することにより、また電子的に入手することにより、そのセキュリティを強化し、分析を迅速かつ効果的に実施することができるのではなかろうかと考えております。

続きまして、実際にどういうふうな具体的措置が考えられるかということでございますが、資料4−1の一番最後に概念図がございますので、これを使いながら御説明させていただきたいと思います。まず、今まで入港前に積荷情報をいただいていたわけですが、これを船積前とする。例えば諸外国におきましても原則船積24時間前ということから、やはり分析等の時間等々を考えますと原則船積24時間前といたしたいと考えております。ここで船積24時間前とはなっているのですが、注1にございますように、コンテナー船にコンテナー貨物を積む場合、船積みは何時間もかけてやりますので、実際にいつ貨物が載ったかというのを客観的に計るのはなかなか難しいことから、規定する場合は、報告期限は客観的にわかる出港の24時間前までに報告をいただきたいという規定にしたいと考えております。また、コンテナー貨物の報告でございますが、海外の船社と利用運送事業者からいただく。このいただき方については、例えば船社経由、国内の事業所から、それ以外には、例えばアメリカとかEUの例を見ますと、実際にデータを送ることが困難な場合、それを専門とするプロバイダーという業種の方が実際にそのデータを報告するような形にしておりますので、同じようにプロバイダーを使った報告の仕組みを考えております。

また、今のところ通過貨物については、当面の間はいわゆる「できる規定」ということで、すべての通過貨物の情報を義務化しないで、必要な場合は情報を取ることを可能とする形にしたいと考えております。報告項目につきましては、WCOの「基準の枠組み」において事前貨物情報の報告項目が列挙されております。また、アメリカ、EU等既に報告制度を入れている国がございます。現在、税関の積荷情報につきましては、NACCSを使いまして情報をいただいておりますので、これらの報告項目を基本として検討していきたいと考えているところでございます。

いただいた情報をどうするかということでございますが、まず、情報がテロ等の高いリスクだということが判断された場合は、この貨物がこのまま日本に来たら積卸しができないという通報を船社、情報報告者に返す。持ってきても貨物が卸せませんので、当然それについては船積みをしないという運用となろうかと思っております。また、報告の内容が不備な場合は、これでは駄目だということを返して報告の訂正を求める。問題ない場合は、船積みして本邦に持ってきて船卸しを認める、そういう手続になります。仮に報告期限後に報告が来た場合は、船卸しについて許可をとらないと卸せない仕組みにいたしまして、許可の申請からリスクを分析して問題がないことがわかった時点で船卸しの許可をするという制度を考えております。また、報告がなかった場合は船卸しの禁止をする制度としたいと思っております。事前報告につきましては原則出港24時間前でございますが、近隣の諸国につきましては、船の運航距離も短うございますので、国際的な基準に相当するセキュリティレベルを確保しつつ、可能な範囲内で物流の実態に配慮し、今後の検討におきまして緩和措置を置くことも検討していかなければいけないと考えております。

雑駁でございますが、御説明を終わらせていただきます。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見がございましたらお願いいたします。

○石原委員出港24時間前に関する解釈の問題が今盛んにいろいろな雑誌や業界紙などで出始めていますが、途中でもって、例えば釜山港や香港等でトランシップされるような場合、24時間というのは、トランシップ貨物をどこで管理するんだ、実際はざるになるのではないかというような意見が結構業界の中で出てきています。したがって、出港24時間前という言葉の中に、当該貨物が日本向けに最初に船積みされた港とかなんとか一言縛りを入れておかないと、今言った途中でトランシップされる貨物の出港24時間前という場所が非常にあいまいになってしまうのかなという気が、いろいろな業界の中で話していますと出てきているというところを一言申し添えておきたいと思います。

○菊川監視課長これは、コンテナーをどういうふうに動かすかということでございますが、実際に例えば船卸しをして、船を替え、B/Lを切り替えた場合どうなのかとか、いろいろとあろうかと思います。原則としては日本向けにコンテナーが船積みされ、出港したときと考えておりますが、例えば通過とかその辺につきましてはまたちょっと違うかと考えております。

○石毛委員資料4−1で多少御説明になられたのですが、4ページ目の上の方に「ただし、近隣諸国から船積みされるコンテナー貨物については」ということで、特別に配慮をする必要があるというふうなくだりがあるわけです。先ほどちょっと触れられましたけれども、「近隣諸国から船積みされるコンテナー貨物」というのは具体的にどんなものをイメージしているのか、ちょっとお話をいただきたい。

それから、そもそもこの制度は、安全性と、他方、物流にどんな支障があっても構わないということではなくて、その両方を満たすことを考えているのではないかと思うんですけれども、実際に物流にかかわっている人たちからこれは十分意見を聴取されたものなのでしょうか。もしそうでないのであれば、そういったようなことをきちっと聞く必要があるのではないかと思うんです。

○菊川監視課長現在、原則入港24時間前ということで積荷情報の提出義務を課しているわけですが、この場合も距離的要因を考慮して、一番近いところについては入港前、また近隣におきましてはその距離を勘案して入港12時間前、そういうふうな形での報告制度となっております。どういう貨物ということでございますが、例えば韓国からの貨物の場合、鮮魚や野菜がございますので、そういう貨物の場合、実際の物流の形態を見ますと、魚をとって冷凍して日本に持ってくるということで、実際の詳細な積荷情報が、船積前のどの時点で取れるかというふうなことも検討していく必要があろうかと思います。

資料4−1の6ページにも書いておりますが、実際の施行のタイミングは、やはりシステムの構築、それから関係者への周知等を考えますと、大体2年ほどの期間を置いて施行することになろうかと思っております。その間、御指摘いただいたように、実際の物流にどういうふうな影響があるのか、またセキュリティをどういうふうに確保するのかということを考えながら、関係者の方々のお話も伺いながら円滑な制度の実施に努めたいと考えております。

○塚越審議官1点補足させていただきます。御質問の、これは十分業界とお話ししているかということでございますが、実はこれ自身は2年前に当審議会で検討課題としていただいております。それ以来、関税局の方では、いろいろな団体の皆様、関係する運送・運航会社等々からお話を聞いて、何度か現場の方からも税関を通してお話を聞いてまいりました。今度制度化することに対しましても、十分に関係業者の方のお話を聞いて対応したいと考えております。

それから、御指摘のとおり、本件はセキュリティ対策ということでございます。ただし、最大限物流のあり方には配慮していかなければいけない。その際は一方的に現在の物流にすべて制度を合わせるというわけではなく、やはりセキュリティということで物流業者等にも御協力をいただく。双方から歩み寄って適切な制度につくり込んでいきたいということで、施行期間までは十分な期間をとっていきたいというふうに考える次第でございます。

○石毛委員それに関連して、既に施行している国がありますね。そういうところでの評価というのはどういうふうになっているのでしょうか。

○塚越審議官簡単にお答えいたします。御存知のように、米国、カナダは導入したのが非常に早い時期でございまして、こういった国では、当初どういった情報をとるか、どういうシステムを使うかということで大議論がございました。ある意味で私たち日本は、米国、カナダ、EUが導入した後に、その経験を踏まえた上で導入したいと考えております。私どもの感触としても、大手の船社等は米国、カナダ、EUでかなりお慣れになっていますので、そういったことも十分考慮しながらやっていくと。他方で、私どもの場合は近海の中国、韓国とございますので、こちらはまたそういった経験も踏まえながら実情に応じて対応していきたいと考えております。

○相澤委員セキュリティについては、例外をつくるとそこは攻撃対象になります。近隣諸国の例外をつくるときに、そこがセキュリティホールにならないように十分御配慮いただきたいと思います。

○塚越審議官本件は、貿易円滑化ワーキンググループでもいろいろ御議論をいただきまして、そういった御議論を踏まえて対応したいと思います。ただいま相澤委員から御指摘の点は基本でございますので、我々のリスク分析能力等を十分勘案して、そういったセキュリティホールにならないようするにということが一番の課題と考えております。

○野坂委員先ほどのセキュリティの穴を設けないということと関連するかと思いますけれども、罰則について伺いたいと思います。罰則は、罰則規定の整備を行うという説明がペーパーに書いてございますけれども、これについては現行法を適用する方向で検討することになるのか、どういうお考えでいらっしゃるのか教えていただけますか。

○菊川監視課長ここに書かれているように、現行法におきましても、積荷に関する事項について報告せず、また偽った報告をした船長に対する罰則規定がございますので、それと同様な形での罰則ということを考えております。

○伊藤分科会長他にどなたかございますか。よろしいでしょうか。

それでは、次の通関関係書類の簡素化につきまして議論したいと思いますので、まず事務局から説明をお願いしたいと思います。

○臼杵業務課長通関関係書類の簡素化について御説明させていただきます。

まず、資料5−2、資料編の3ページ目をおあけいただけますでしょうか。「NACCSにおける輸入通関手続等の流れ」と書かれてございまして、NACCS等によって輸入申告を受けた場合、税関内で区分1、区分2、区分3と分類しておりまして、区分1は即時に許可を認めるもの、区分2は書類審査までするもの、区分3については書類審査・現物審査まで行って問題がなければ輸入許可をするものというふうに分かれてございます。現状、大部分が区分1で出されるわけでございますけれども、注1にも書かせていただいているように、インボイス等の通関関係書類を輸入許可後3日以内に紙で税関へ提出する現状となってございます。区分2、区分3につきましては、通関関係書類を書類審査の際に紙で税関へ提出することが現状でございます。

資料5−1の1ページ目をおあけいただければと思います。現行制度の概要でございますけれども、先ほど申しましたように、輸出入申告に際しては原則として仕入書を税関に提出しなければいけないという義務規定になってございます。また、一般の輸入者の輸入申告については、仕入書を税関に提出することとしているために、輸入者がこれを保存しなければいけないこととはされていないということでございます。税関に提出することで輸入者は保存義務を免れているのが現状でございます。

2.背景及び改正の必要性でございますけれども、関税局・税関においては、「貿易の円滑化」を「安全・安心な社会の実現」、「適正かつ公平な関税等の徴収」と並ぶ税関の使命と位置付け、さらなる貿易の円滑化の観点から、関税分科会企画部会のもとに貿易円滑化ワーキンググループを置いて取りまとめられました「とりまとめ」におきまして、平成29年度のNACCS稼働時までに通関関係書類のペーパーレス化を推進することとし、平成25年度のNACCS更改時に通関関係書類のPDFによる提出を可能とする旨の提言をいただき、その方向で検討しているところでございます。

書類の審査及び貨物の検査が不要と判断されたものにつきましては、即時に輸出入を許可し、輸出入の許可の日から3日以内に通関関係書類を税関に提出することとされておりますけれども、通関関係書類のペーパーレス化を推進し、PDFによる提出を可能とするために、審査等が不要と判断される輸出入申告、まさしく区分1につきましては通関関係書類の提出を求める必要はないのではないか。さらに、審査等が必要と判断される輸出入申告であっても、通関関係書類の提出は必要最低限とする必要があるのではないかといった簡素化を図る必要があるという貿易円滑化ワーキンググループの取りまとめの提言もいただいているところでございます。

2ページ目の3.検討でございますけれども、審査等が不要と判断される輸出入申告につきましては、輸出入許可の日から3日以内に通関関係書類が提出されておりますけれども、税関において必要に応じて事後的に輸出入申告の内容を確認している、これを事後確認と言っています。審査等が不要と判断される輸出入申告について通関関係書類の提出を求めないこととする場合、事後確認を行うことができなくなることから、輸出入申告の適正性をどのように確保するかということが問題となっております。税関におきましては、輸出者または輸入者等のところに赴き、質問をいたしまして、帳簿書類を検査する、いわゆる輸出入の事後調査を行っていることから、事後確認を行うことができなくなったとしても、これを輸出事後調査及び輸入事後調査にゆだねることとすれば、輸出入申告の適正性を確保することが可能と考えられるのではないかと考えております。

その場合、輸出入者において税関に提出しない通関関係書類を適切に保存されないとすれば、適正な輸出事後調査及び輸入事後調査を行うことができなくなることから、税関に提出しない通関関係書類については輸出入者において保存しなければならないこととし、かつ、必要に応じて関係帳簿書類の提示、提出を求めることができることとするとともに、電子取引を行った場合の電磁的記録を保存しなければならないものとする必要があると考えられます。

注3でございますけれども、既に輸入された貨物につきましては、事後的に関係帳簿書類の検査に加え、その提示、提出を求めることができることを規定しております平成23年度関税改正法が既に成立しておりますけれども、国税通則法の関係でまだ施行はされていないのが現行でございます。今回、そういう意味では、輸入された貨物についてはもう法整備がされておりますので、輸出された貨物についてどうするかというのが一つの論点になってございます。

さらに、3ページの(5)の真ん中のところでございますけれども、審査等が必要と判断される輸出入申告であっても、その内容の確認に当たっては、仕入書以外の通関関係書類によって、輸出または輸入しようとする貨物の品目、数量、価格等が明らかとなるのであれば、必ずしも仕入書の義務規定は必要ないのではないかと考えられるところでございます。

以上から、論点といたしまして、輸出入申告に際し、原則提出しなければならないこととしている仕入書について、他の通関関係書類と同様、必要があると認めるときに提出を求めることができることとすることが適当と考えるがどうか。その際、以下の措置を講じることが適当と考えるがどうか。一般の輸入者については、仕入書を税関に提出しない場合には、これを保存しなければならないこととしてはどうか。輸出された貨物について、事後、関係帳簿書類の提示、提出を求めることができることとしてはどうか。一般の輸出入者について、電子取引を行った場合の当該電子取引に係る電磁的記録を保存しなければならないこととすることとしてはどうかと考えてございます。

事務局からは以上でございます。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

それでは、御質問、御意見等あればいただきたいと思います。

○青山委員これはワーキングでもお話し合いをして、基本的に問題はないのではないかという感じがしているんです。事業者と税関双方にとってかなりメリットがあることになるであろうと予測されますので、いいのかなというふうに思っているのですけれども、1点だけお聞きしたいんです。必要があると認めるときに提出を求める、その必要があると認めるときはどういうことを予想されますか、ちょっと教えてください。

○臼杵業務課長恐らくこれから検討していかなければならない事項ではございますけれども、例えば今でも原産地証明とか関税割当証明とか還付の話とか、そういう場合には基本的にそういう書類は出してもらう必要があるのではないかというように考えております。そういうのは、厳正に税金を戻したりする場合には、本当に大丈夫かどうか確認しないといけない。そういう必要性があるものについては、「求めることができる」という規定を使って求めていきたいと考えております。

○青山委員何か恣意的にやられると現場が混乱するのかなというふうに思ったものですから。わかりました。

○國井委員賛成ですが、日本の産業力強化、国際競争力強化にITの活用というのは非常に重要なので、ぜひともITを活用して、最低限PDF化でどんどん電子的にいろいろな処理が効率的に行われることをお願いしたいと思います。

○伊藤分科会長他に何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、続きまして、免税コンテナーの国内運送への使用に係る条件等の緩和につきまして、事務局から説明をお願いしたいと思います。

○菊川監視課長それでは、資料6−1と6−2を使いまして御説明させていただきたいと思います。

まず、外国から貨物を詰めて輸入された海上コンテナーが輸出しようとする貨物を詰めて再び輸出されるまでの一般的な流れを御説明したいと思います。資料6−2の1ページをあけていただければと思います。この上のところにそのイメージでございますが、どういうふうな形でコンテナーが使われているか御説明したいと思います。我が国に輸入されるコンテナーにつきましては、我が国が加盟しているコンテナーに関する通関条約及び同条約の実施に伴う関税法等の特例を定めた国内法である、いわゆるコンテナー特例法等に基づきまして、原則として3か月以内に再び輸出されることを条件として、コンテナーに課される関税、消費税を免除することとしております。ただ、現在、コンテナーの関税は無税でございますので、実際には消費税だけが免除されていることになります。

また、免税で輸入されたコンテナーにつきましては、国際運送の用以外の用途に供したとき、または輸入の許可の日から3か月以内に再輸出されなかったときは、免除を受けた関税及び消費税を直ちに徴収することとされております。ただし、一定の条件の下で、輸入貨物の取出地から輸出貨物の詰込地までの間で免税コンテナーの輸出入貨物以外の貨物を運送することに使用することが認められています。

その使用する条件というのは具体的にどういうものかといいますと、空で輸入されたコンテナーは国内運送には使用できない。必ず外国貨物を詰めて輸入されたコンテナーである必要がある。国内運送に使用する際の運送経路は、貨物の取出地から詰込地までの運送に際して普通にとられる運送の経路であること。免税コンテナーを国内運送に使用できるのは1回に限られます。また、国内運送に使用する場合はあらかじめ税関長に届け出る必要がございます。こうした国内運送の使用に関する条件がいろいろ課されているわけですが、物流の効率化の観点からその緩和を求める声が産業界から出されており、具体的には下の比較表の改正案にあるとおり、これらの条件を廃止して欲しいという要望でございます。

資料6−1をあけて、その2ページ目の3.検討のところを見ていただければと思うのですが、これらの国内運送に使用する際の条件を廃止することがコンテナーの物流の効率化や物流のコストの低減につながる。ひいては我が国の貿易円滑化、国際競争力の強化に資するものと考えられます。また、これらの先ほど御説明した条件でございますが、これはコンテナー特例法の制定当時、国内にコンテナー製造業者の方が複数存在して多くのコンテナーが国内で製造されていたという事情もございます。しかしながら、現在コンテナーについては専ら海外において製造され、国内では一部の特殊なもの以外製造されておりませんので、これらの条件を設ける必要性は消失しているものと考えられます。

他方、コンテナー条約との関係でございますが、条約の議定書には、条約は最低限の便益を定めるものであり、同条約の規定により一層広い便益を与えることは条約の趣旨に合致するものである旨が規定されておりますので、国際運送の使用条件を緩和して同条約の規定よりも広い便益を与えることは、条約との規定上、整合性について問題ない、また条約の趣旨にも合致するものと考えられます。

以上を踏まえれば、免税コンテナーを国内運送に使用する際の条件については、これを廃止する方向で検討することが適当ではないかと考えております。

次に、再輸出期間の延長でございます。現行のコンテナー特例法では再輸出期間を原則3か月と規定しておりますが、制定当時ほとんどのコンテナーが3か月以内に再輸出されていたということがございます。ところが、現在のコンテナー物流の形態が大幅に変わりまして、内陸地に所在する荷主の下まで運送する、いわゆるドア・ツー・ドアのサービスが一般化しております。この結果、資料6−2の2ページでございますが、3か月以内に再輸出されないケースが恒常的に発生しており、その都度コンテナーの管理者が延長手続をとっているのが実情でございます。したがいまして、現行の3か月という再輸出期間が実態に沿ったものとは言えなくなってきているので、これを見直す方向で検討すべきではないかと考えております。

また、見直し後の再輸出期間につきましては、現状、大多数の免税コンテナーが1年以内に再輸出されております。本来、輸入後に再輸出される貨物に適用する、いわゆる再輸出免税制度の再輸出期間が原則1年と定められておりますので、原則1年とすることが適当ではないかと考えております。

以上の検討を踏まえて、論点でございますが、我が国の貿易円滑化、国際競争力の強化に資するため、免税コンテナーを国内運送に使用する条件を緩和するとともに、再輸出期間を延長する方向で検討することが適当と考えられるがどうかということにつきまして御審議をお願いいたしたいと思います。

以上でございます。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

それでは、御質問、御意見等ございましたら御発言いただきたいと思います。

○石原委員これは物流の面から見ますと、コスト削減という観点からいくと非常にいいことだと思います。ただ、逆に、トラック業界から反対意見が出てくるのではないかということが予想されます。これをやられますと、トラック業界にしてみますと、そうでなくても料金が低くて十分収受準拠できていないところに、コンテナーでまとめて運べるということになりますと、しかもトラック業界は中小が多いですから、逆に言うと民を圧迫するというような反対意見が出てくるのではないかなということが懸念要因というような気がいたします。

○菊川監視課長実際に現在、免税コンテナーがどのくらい使われているかということでございますが、平成21年の実績を見ますと、この資料にございますように、使用個数が約1万1,000個でございます。コンテナーのサイズは20フィートとか40フィートとかたくさんあるのですけれども、全部40フィートの一番大きいもので目いっぱい荷物を入れた場合どのくらい使われているかというと、最大で約30万トンの国内貨物を運送していることになります。一方、平成21年にどれだけトラックというか、自動車で国内貨物を運送されたか、平成21年の数字を拾いますと約44億5,400万トンという数字でございます。これは頭の体操でございますけれども、何%かというと、0.007%ぐらいのコンテナーだと。仮にこれが10倍になったとしても0.07%ぐらいにしかならないので、実際にこれを緩和したときに、国内のトラック業界に重大なインパクトを与えるかというと、それほどではないのではないか。ただ、コンテナーを扱っている方にしますと、例えば空のコンテナーと実入りのコンテナーを分けなければいけないとか、そういうふうな手間とかがございますので、そちらの方にはかなり効率化が進むと思うのですが、国内のトラック業界の方にどこまでかというと、それほど心配することはないのかなという気はしております。

○伊藤分科会長よろしいでしょうか。他に何か御質問、御意見はございますか。

では、特に御質問等はそれ以上ないということでございますので、平成24年度の関税改正検討項目の審議は以上でございます。

続きまして、関連する事項につきまして事務局から説明を受けたいと思います。

まずは、不服申立制度の見直しにつきまして説明をお願いします。

○臼杵業務課長資料7の「不服申立制度の見直しについて」を御覧いただければと思います。

1ページ目でございますけれども、平成22年8月以降、総務大臣、行政刷新担当大臣を共同座長として、行政救済制度検討チームにおきまして、行政救済制度のあり方について検討が進められておりますので、御報告をさせていただきたいと思います。

まず、関税法に係る不服申立制度の現状でございますけれども、税関長が行った処分に不服のある者は、不服申立てといたしまして、税関長に対する異議申立て、財務大臣に対する審査請求を経て、訴訟を提起することができる二重前置というふうになってございます。

その後に3ページ目の概念図がございますけれども、まさしく現状は左側の現行でございまして、関税の確定等に関する処分につきましては、異議申立て、審査請求の前置で初めて訴訟にできることになってございます。

そもそも行政救済制度検討チームの基本的な考え方といたしましては、1ページの真ん中の注1のところにございますように、不服申立てと訴訟の、要するに前置でなくて、自由に国民が選択できるようにしてはどうかとか、異議申立て、審査請求、両方を前置にするのではなくて、異議申立てを廃止してはどうかという方針が示されているところでございます。

ページをめくっていただきまして2ページ目でございますけれども、「関税法に係る不服申立制度の見直しの検討状況」でございます。本年9月7日、関税の不服申立制度の見直しに係る議論を行うため、財務省に対して検討チームワーキンググループによるヒアリングが行われ、現行の異議申立て、審査請求の二重前置から、審査請求のみの1段階前置とすることの見直し案が今示されているところでございます。

その見直し案の概要は3ページ目の右側でございまして、異議申立てがなくなりまして、財務大臣に対する審査請求だけというふうになってございます。他方、関税の不服申立てにつきましては、税関手続の簡易化及び調和に関する国際規約(改正京都規約)というのがございまして、その中には、税関に対して最初に不服申立てを行う権利を定めることとされておりまして、これを現行の異議申立制度によって担保しているところでございます。財務省は、異議申立制度にかわる制度として、審査請求人が自己の選択により処分庁(税関長)に対して不服を申し立てることのできる略式裁決の存置が必要である旨の意見を検討チームワーキンググループに提出させていただいているところでございます。この略式裁決というのは3ページ目の見直し案の概念図の右側、さらに「審査庁 財務大臣」と書いてあるところの右側に、審査請求人の同意等によって税関長等に移送して略式裁決を受けるという点線の部分でございまして、関税局としてはぜひともこの略式裁決が必要だということを現在主張しているところでございます。

4.今後の対応でございますけれども、不服申立ての見直しについて本年中に検討チームの取りまとめが行われる予定であり、略式裁決の存置が認められるよう適切に対応していきたいと思っております。

以上、報告で恐縮ですけれども、よろしくお願いいたします。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

ただいまの事務局からの説明につきまして御質問、御意見がありましたら後ほどまとめていただくことにしまして、最後に医薬品関税相互撤廃の対象品目見直し作業(第4回)の現状につきまして、事務局から説明いただきたいと思います。

○宇野参事官(国際調査担当)国際調査担当参事官の宇野でございます。

お手元の資料8に沿いまして、簡単でございますが、御報告させていただきます。

本件は、ウルグアイ・ラウンド交渉の一環といたしまして、WHOが指定します医薬品のリスト(INNリスト)と医薬品製造のための中間体(原料)についての関税を相互撤廃することが日本、アメリカ、EU、カナダ等々の33カ国によりまして合意されまして、1995年1月から約6,000品目について実施してきたところでございます。

この医薬品の関税相互撤廃につきましては、少なくとも3年に1回対象品目の見直しを行うことになっておりまして、最初の見直し品目413品目については1997年7月、2回目が576品目について2000年6月、3回目の見直し対象が1,110品目あったわけでございますけれども、2008年7月ということで、それぞれ撤廃してきておりまして、今回が4回目の見直しになります。

4回目の見直し作業につきましては2009年7月から進められてきたところでございますけれども、昨年7月に対象品目の見直し案が取りまとめられまして、733品目のうち、既に我が国が無税で譲許している98品目を除きます635品目が今回の見直しの対象になることになっております。各参加国はこの見直し案をもとにいたしまして自国のWTO上の譲許表の修正手続を行う段取りになっております。

我が国につきましては、今次見直し対象品目につきまして、本年11月4日付でWTOにおける譲許表の修正に必要な手続を終了したところでございます。具体的には、修正案をWTOの各加盟国に配布しまして、3か月間の異議申立期間を経て、異議が出ませんでしたので、それでWTOの中では了承されたことになります。

今後は、事務局から発出されます譲許表の修正に関する確認書が参ります。確認書を締結するための国会承認を要しますので、所要の国内手続を行いました上で関税を撤廃することとしております。

以上、御報告でございます。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

それでは、今事務局から説明がございました2件につきまして、御質問あるいは御意見がございましたら御発言いただきたいと思います。

○石毛委員医薬品の関税相互撤廃の件ですけれども、参加国が33というふうに注2で書いてあります。中国とかそういったような国は、これについてはどういうような立場をとって、どういうふうになる見通しですか。それから、ロシアがWTO加盟を認められると思うのですけれども、それはどういうふうに扱われそうですか。

○宇野参事官(国際調査担当)お答え申し上げます。この33カ国というのは、かなり数的にも限られているわけでございまして、全部の先進国が入っているわけでもございません。例えばオーストラリア等は入っていない状況でございます。もちろん、中国も参加していない状況でございます。もともとウルグアイ・ラウンドの中で決まっていたこともありますので、今後さまざまな交渉の中でこれについてまた議論されることになるのでございますけれども、御指摘のとおり、一方で、今回の関税撤廃につきましては、医薬品全体で言いますと、医薬品貿易量の9割を超える国は参加しているということでございまして、いわゆる中国とかがそれにフリーライドしているのではないかという問題はほとんどないと考えているところでございます。

なお、政府としては、一層の自由貿易の促進の観点から、このWTO加盟作業の際等々に、非加盟国、ロシア等につきましても当然、医薬品関税撤廃措置への参画を促していく方針で対応しているというふうに聞いております。

○伊藤分科会長他に何か御質問とか御意見とかございましたら。よろしいでしょうか。

それでは、少し時間は早目ですけれども、特に御質問、御意見等ございませんようでしたら、最後に事務局から今後の取り運びについて説明をお願いいたします。

○塚越審議官1点、手続面について補足させていただきます。先ほど御議論いただきました海上コンテナー貨物に係る積荷情報の事前報告制度の早期化、詳細化及び電子化の議論につきましては、先般の分科会で貿易円滑化ワーキンググループ座長の圓川委員からも御報告をいただきまして、その際、ワーキンググループでもいろいろ御議論があったこと、また本日いろいろ御議論を賜りました。また、入港前の義務化ということで制度を導入した平成18年度改正の際におきましても、パブリックコメントという形で広く御意見を聞いておりますので、今回もこの件につきましてこの後パブリックコメントに付して、国民の皆様の広い御意見を聴取したいと考えております。この点、付言させていただきます。

○伊藤分科会長どうもありがとうございました。

それでは、以上をもちまして本日の関税分科会を終了いたします。

次回は11月17日木曜日午前10時から、本日同様ここの第3特別会議室で開催しますので、皆様よろしく御出席いただきたいと思います。

本日は、御多用のところ御出席いただきまして、どうもありがとうございました。

午前11時23分閉会
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