関税・外国為替等審議会 関税分科会 議事録(平成23年10月25日開催)
関税・外国為替等審議会関税分科会議事録 |
| 本稿は、平成23年10月25日の関税・外国為替等審議会関税分科会の議事録です。 |
○伊藤分科会長それでは、ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。
委員の皆様には、御多用中のところ御出席を賜りまして誠にありがとうございます。
議事に入ります前に、本日は本年4月より新たに貿易円滑化ワーキンググループにおける議論に参加していただいております委員がお見えですので、私から紹介をさせていただきたいと思います。
石原伸志委員でございます。
○石原委員 石原でございます。よろしくお願いいたします。
○伊藤分科会長 椿弘次委員でございます。
○椿委員 椿でございます。よろしくお願いします。
○伊藤分科会長 よろしく願いいたします。
それでは、本日の議事に入らせていただきたいと思います。
本日の議題は、お手元にお配りしております議事日程のとおり、まず貿易円滑化ワーキンググループの取りまとめにつきまして圓川座長より御報告いただいた後、平成24年度関税改正検討項目につきまして事務局より説明を受けたいと思います。
それでは、まず、貿易円滑化ワーキンググループ座長とりまとめ報告につきまして圓川座長より御説明をお願いしたいと思います。
○圓川委員(貿易円滑化ワーキンググループ座長) 資料1−1でございます。内容についてかいつまんで御報告申し上げます。
まず、1ページでございますが、「はじめに」のところでワーキングの位置付けについて書かせていただいています。我が国を取り巻く国際物流の状況が変化する中、今後、我が国税関が貿易円滑化を国際物流におけるセキュリティ確保との両立を図りながら推進する必要がある。こういった認識から、本年4月、本分科会企画部会の下に貿易円滑化ワーキンググループを設置し、まず「通関関連手続の電子化の現状と将来におけるペーパーレス化の展望」、2番目に「国際物流における我が国のAEO制度のあり方」、そして「積荷情報の入手に係る早期化・詳細化・電子化」、この3項目について貿易関係事業者から意見を聴取しながら6回の議論を行ったものでございます。最初の国際物流の現状あるいは税関業務の現状につきましては割愛させていただきまして、本論であります「取り組むべき課題」が7ページからございますけれども、その内容について御報告させていただきます。
最初に、8ページの最初の項目、「通関関連手続の電子化の現状と将来におけるペーパーレス化の展望」、これの「基本的考え方」と「今後の取組み」が8ページから9ページに記載してございます。現在、通関手続はNACCSを利用して98%電子化されていますけれども、他法令手続等を含めた通関関連手続については、適正な通関を維持しつつペーパーレス化を推進する必要があることを述べさせていただいています。また、通関関連手続の電子化の過程でNACCSがカバーできる業務の範囲を広げることによって国際物流情報プラットフォームとしての機能の強化を目指す必要があるということを記述させていただいています。
あと、なお書きで、ペーパーレス化を推進するに当たっては、諸外国の民民間の商取引の電子化の状況、電子技術の進展や国際物流の現状も踏まえて、通関関連手続をどこまで電子化するのが適切であるかを判断しつつ、必要な場合には前倒しすることを検討する必要があると書かせていただきました。
「具体的な取組み」でございます。9ページから11ページにございます。
まず、9ページの早期に取り組む事項でございます。イ)としまして「電子インボイス業務の利用促進」とありますが、NACCSの電子インボイス業務の利用を促進させるため、入力できる品名の桁数を増やすなどのプログラム改変を行うとともに、貿易関係事業者への電子インボイス業務の利便性を説明する必要があると記述させていただきました。
10ページですけれども、ロ)としまして「通関関係書類の簡素化」、現在、関税法の規定に基づき求めている書類のうち、輸出入申告に係る審査・検査において真に必要な書類についてのみ提出することとし、その明確化を図る必要があると述べさせていただいています。また、輸出入申告を行うとNACCSにより、区分1(即時許可)、区分2(書類審査)、区分3(検査)、この3つに仕分けられるのですけれども、このうち区分1になった場合、許可後に提出させている通関関係書類は輸出入者が電子情報または書面により保存することとし、提出を原則省略することが必要であると書かせていただいています。
それから、平成25年度NACCSの更改に対応するものですけれども、これまでに取り組む事項としまして、ハ)「通関関係書類のPDF等による提出」、現在、輸出入申告における区分2または区分3となった場合にはインボイス等の通関関係書類を書面で提出することになっていますが、電子インボイス業務の利用を促進しつつ、その利用状況を見ながら電子インボイスを利用しない事業者を対象にPDF等による提出を認めることを検討する必要があると書かせていただいています。
それから、これは次期NACCSの稼働に対応したものですけれども、平成29年度までに取り組む事項としまして、11ページの「ホ)原本性が求められる通関関係書類の提出方法」でございますが、通関関係書類のうち、原産地証明書や他法令の許可書など原本性が求められる書類につきましては、当面の間、書面により提出することとする。このうち、原産地証明書については、相手国の発給機関が電子情報による発給を行う場合には我が国税関も対応していく必要がある。また、当事者が原産地を証明する制度を導入することによるペーパーレス化の可能性も検討する必要があると書かせていただいています。
それから、「ヘ)他法令手続の電子化の推進」でございますが、電子化されている他法令手続のうち、利用率の低い手続につきましては、システム利用の周知に努めると共に、電子化されていない他法令手続については、状況等を見極めつつ、関係省庁と協議しながら電子化の推進を検討する必要があると書かせていただいています。
「ト)通関手続に関連する民民間の貿易取引における電子化の推進」でございますが、船会社等が発行する海上運送状や損害保険会社が発行する保険明細書の受渡しなど通関手続に関連する民民間の貿易取引についても電子化を推進し、NACCSとの連携を図ることを検討する必要があると書かせていただいています。さらに、貨物の状態がリアルタイムで判る可視化の推進がサプライチェーンの効率化にとって大変重要と考えられます。したがって、今後NACCSがその役割を担うことによって、国際物流情報プラットフォームとしての機能を強化することが期待されると書かせていただきました。
最後に、「チ)通関手続に係る電子手続の原則化」でございますが、業として輸出入申告する者を対象に、輸出入申告及び通関関係書類の提出を電子手続により行うことを原則化することを目指す必要があると書かせていただいています。
2番目の「国際物流における我が国のAEO制度のあり方」、これは12ページ以降でございます。まず、「基本的考え方」と「今後の取組み」でございますが、AEO制度の普及により、国際物流全体におけるセキュリティの向上による国民の安全・安心が確保されると共に、AEO事業者はリードタイムの短縮、コスト削減が可能になっている状況であります。貿易の円滑化を推進するために、AEO事業者に対して更なる緩和措置を講じることが制度の魅力を高めることに繋がり、AEO制度の普及が進展しまして、その結果、貿易の円滑化が全般的に一層推進される、こういった好循環がうまく働く。そういうことの結果として我が国を取り巻く国際物流においてもセキュリティ対策が強化されることになると述べさせていただいています。
一方、税関は、貿易円滑化の推進と国際物流におけるセキュリティ向上のために、AEO事業者が関与しない輸出入貨物に関する審査・検査の重点配分の実施を強化し、「安全・安心な社会の実現」に繋げていくことが望まれると書かせていただきました。
「具体的な取組み」としましては、13ページ以降でございますが、まず最初に「関税局・税関によるAEO取得の奨励の実施」、関税局・税関から貿易関係者の意思決定に係る役員等に対して、AEO取得による貿易関係事業者のセキュリティ向上への取組み強化の必要性や、欧米ではビジネス戦略上AEO取得が必須となっていることも併せて本制度について説明し、AEO取得を奨励していく必要があると書かせていただいています。
それから、13ページの「貿易円滑化の推進を目指したAEO制度の改善」でございますが、最初のイ)、ロ)の輸出入手続の緩和でございますが、AEO輸入者については、これまで貨物のセキュリティ確保や法令遵守体制の整備を要件として、税関長が予め承認した者であることなどを踏まえまして、担保提供の要件緩和、それから数量等輸出許可内容の訂正に係る簡易な手続の導入等、更なる緩和措置が考えられると書かせていただいています。なお、AEO輸出者に限定して輸出許可制度を廃止し、輸出事後報告の制度を導入するといった議論もあるのですけれども、現在、世界各国で国際物流に関するセキュリティ向上を図っている中、WCO等における国際的な動向を踏まえつつ慎重に検討することが考えられると書かせていただいています。
「AEO制度の相互承認による円滑化措置等の拡大」は、国際展開する日本企業の国際競争力向上や我が国AEO制度の国際的普及の観点から、我が国と相互承認締結の要望の強いアジアを対象に制度の構築や改善に向けて協力していくことが望ましい。但し書きとしまして、相手国の制度や運用状況等が我が国と同じレベルである必要がある点を慎重に勘案しながら相互承認の交渉に当たる必要があるということも併せて書かせていただいています。
最後に、3番目の「積荷情報の入手に係る早期化・詳細化・電子化」は、15ページから17ページにかけて書かせていただいていますけれども、最初に「基本的考え方」と「今後の取組み」であります。グローバル化する国際物流の中にあって、セキュリティレベルが国際基準に比べ脆弱な場合、その国がセキュリティホールとなってテロ等が国際的に拡散される虞が生じるわけでございます。米国、EU等諸外国においては海上コンテナ貨物について積荷情報の入手に係る早期化・詳細化・電子化等により積荷情報を活用したリスク管理に基づく水際取締りの強化を図る取組みが進展しているところであります。したがって、我が国においてもセキュリティレベルを国際基準に合わせていくことは極めて重要であることから、海上コンテナ貨物の積荷情報について入手時期の早期化、内容の詳細化及び税関への報告を電子的に行うようにする必要があると書かせていただいています。
なお、当該報告の報告義務者について、出港前に当該積荷情報を有する貨物の輸送者、船社及びNVOCC等の運送者とする必要があり、実施時期につきましては貿易関係事業者の十分な周知、リスク分析に必要なシステムの変更と体制整備が必要であることから、2年程度の期間を置くのが望ましいと付記させていただいています。
また、現在、航空貨物に係る積荷情報は入港前に提出することとなっていますが、WCO等の国際的な場において海上コンテナ貨物と同様に航空貨物のセキュリティ確保が求められている状況です。こういうことを踏まえまして、今後これらの動向を見つつ、航空貨物に係る積荷情報の入手時期の早期化についても検討を行う必要があると書かせていただいています。
「具体的な取組み」について、16ページから17ページのイ)とロ)でございますが、積荷情報の入手に係る早期化及び詳細化は、積荷情報の報告期限を早期化し、原則、出港24時間前までとする必要がある。ただし、近隣諸国から船積みされるコンテナ貨物については、物流実態への配慮について検討することが望ましい。情報の内容については、マスター情報から、より詳細なハウス積荷情報とする必要があると記述させていただきました。
最後にハ)の「積荷情報の電子化」でございますが、積荷情報については、マスター積荷情報に加えハウス積荷情報についても電子的報告を義務化することを目指す必要がある。なお、積荷情報が電子化されていることは、結果として、国際物流における、いわゆる川上の情報から電子化されるということでありまして、貨物の可視化など一連の貿易関連手続の電子化の一層の進展が期待されると書かせていただきました。
最後に、18ページの「おわりに」は以上の論点をまとめさせていただいたものでございます。
以上でございます。
では、福田税関調査室長から補足をお願いします。
○福田税関調査室長 今、圓川座長より御報告いただいた具体的な取組みを今後どのように進めるのかというのを、お手元の資料1−2の行程表にさせていただいていますので、これについて説明させていただきます。
3つの施策がございまして、1つはペーパーレス化です。これは貿易の円滑化のためにはぜひ必要な措置でありまして、大きく3つの段階に分かれて、最終的には平成29年度にペーパーレス化を一層促進するという形で進めるようにしております。具体的には、まず先程の早期に取組む事項ということで通関関係書類の簡素化がございましたが、本当に必要な書類かどうかを今一度洗い直して、必要なものは順次電子化していくことになろうかと思います。また、既にNACCSに電子インボイス業務というのがございますけれども、これはあまり利用が進んでおりませんので、いろいろ改善を図りながら電子化を進めます。先ほど座長からも報告がありましたが、インボイスは、なかなか電子化できない部分がございます。これは電子情報ではございませんけれども、PDFという形で、平成25年度から順次進めていき、ペーパーレス化の方向へ進めます。そして、それ以外に原本性が求められる通関関係書類とか他法令の手続とか民民間の貿易取引における電子化も平成23年度から、関係の民間事業者や他省庁といろいろ相談をしながら、平成29年度に向けて順次実施をしたいと思います。最後に、こういう電子化を進めて、申告手続は現在98%電子的にできますが、添付されている通関書類をこれから順次電子化をしていき、最終的には申告も添付する通関関係書類も電子化ということを目指していきたいと考えております。
その下が積荷情報の入手に係る早期化・詳細化でございます。この内容につきましては、次回以降、本分科会において法令改正も含めての御議論をいただけるかと思います。仮に法令改正になりますと、先ほどお話しした我々のリスク管理の問題、それから貿易関係者、今回新たに、例えば今まで報告を義務化していたのは船に乗っている船長ですけれども、今度は外国にある船会社等から24時間前という報告になります。そういう方々への周知等を入念にやる必要がありますので、概ね2年程度の期間を見たいと思っておりまして、早ければ、平成26年頃から実施と考えております。
その下の、AEO制度につきましては、既にサプライチェーン全体をカバーしておりまして、AEO事業者数等はどんどん増加しております。この制度というのは、通関手続も含めまして我が国のサプライチェーン全体の効率化、リードタイムとかコスト削減を図るというものでございます。今後は、座長からの報告にもございましたが、AEO取得の奨励の実施とか、担保提供等のいろいろな手続の緩和、それから相互承認を進める形でさらなる円滑化に向かって検討していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○伊藤分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして御質問、御意見等をいただきたいと思います。
○石毛委員 石毛です。初めて参加させていただきます。
AEOの相互承認の仕組みですけれども、貿易の効率化に役立つ話で非常にいいと思うのですが、ここに書いてあるアメリカ、EU、カナダ、ニュージーランド以外にこれからどういった国に広げようとしているのか。先ほどASEANの国とのサプライチェーンの効率化という観点も座長のほうから説明がありましたけれども、どういう方針でいこうとしているのか。そのときに、どういう問題があって、財務省関税局としてどういう支援をしていこうとしているのか、その辺のところについてお話をいただければありがたいと思います。
○臼杵業務課長 お答えいたします。既に締結している国以外でございますけれども、現在、中国、マレーシアとAEOの相互承認について協議や研究をしている段階でございます。やはりAEOを結ぶためには、相手国に対しても相応のセキュリティレベル、コンプライアンスが必要でございますので、そのレベルに達しているかどうか。達していなかったら、達するようにいろいろ協力することもやって、今後とも相互承認を積極的に取り組んでいきたいと考えてございます。
○野坂委員 質問が2点ございます。先程、電子インボイス業務はなかなか利用が進んでいないという説明がございました。ペーパーにも若干触れていましたが、その背景としてどういう分析をされているのか、また、利用促進のために、具体的にどういうことを現在なさっているのか伺いたいと思います。
2点目は、今回の「とりまとめ」の中で、ペーパーレス化の観点で、「必要な場合には前倒し」という文言がございますけれども、この「必要な場合」というのはどういうことを想定されているのか。また、前倒しとして何年程度とか、そういった議論が実際ワーキンググループの中であったのかどうか教えていただきたいと思います。
○水井事務管理室長 電子インボイスの話についてお答えします。もともと電子インボイスというのは、随分古くからある機能ですけれども、元々はe-Japan重点計画のときに、すべての手続を電子的に提出できるようにするということでつくっていたのです。しかし、実態としてはあまり利用が伸びておりませんでした。その理由としては、NACCSの参加者にまず輸出入者がそれほど多くなく、通関業者が多いのですが、インボイスを出すのは基本的に荷主である、という点があります。それと、いまだに取引相手によっては紙やPDFなど修正ができない形でやり取りされており、電子的なテキスト情報ではないものを使っているという実態があります。ただ、ここに来まして、一部荷主さんが自社のシステムを改変して電子インボイス業務に対応しております。ただ、対応してみたら、実は桁数、欄数が足りないという問題が判明しまして、社内システムから自動的に流し込むものですから、NACCSと十分コンパチブルでないと使い勝手が悪いということでした。そういう荷主さんからの要望があって、桁数欄数についてプログラム変更させていただこうと思っております。そういうことで、全社的にシステムを組んでやっているところが通関業者へのインボイスの送付が機械的に自動でできるようになれば明らかに人の省力化につながります。効果が出いる例があれば、それをフォローしてくれる人たちも増えてくるのではないかと考えております。
○臼杵業務課長 原則化につきましては、まず諸外国の状況とか、民民間の貿易取引の状況とか、そういうものを踏まえる必要を考えてございます。諸外国の状況を述べさせていただきますと、現在、シンガポール、韓国、台湾は原則義務化されておりまして、EUが新しい関税法で義務化を目指しているような状況でございまして、それ以外の諸外国の状況が今後数年内にどうなるか。あと、民民間の貿易取引におきましても、まだ現在なかなか進捗がない部分もありますけれども、画期的に進むということもございますので、そういうことを見極めて、今後原則化について議論する必要があるのではないかということでございます。
あと、ワーキンググループで具体的に何年という議論でございますけれども、できたらなるべく早くというような意見が出たということでございます。何年という話はありませんでしたけれども、できるだけ早くという意見を述べていただいた先生もいらっしゃいます。
○潮田委員 決まってもない話なのであれなんですが、この貿易円滑化のお話とTPPの関連ですね。仮にTPPの話し合いに参加するとした場合に、ここでいろいろと御研究、実行なさっていることが、日本のTPPとのかかわりでどのようなメリットを持ってくるのか、あるいは関係ないのか、そこら辺のお話があれば……。
○塚越審議官 お答えになるかどうかでございますが、まず私どもが聞いている範囲では、TPPにおいても貿易円滑化という一つの分野がございまして、そちらのほうでいろいろ御議論をいただいていると聞いております。日本が参加し得るということになりましたら、これまでWorld Customs Organization(WCO)ですとか、あるいはWTOの場合でも貿易円滑化を日本がリーダーシップをとって交渉させていただいておりますので、当然一般論といたしまして、こういった貿易円滑化を進めることにおいて日本はさらに国際的なリーダーシップをとり得るのではないかというふうに考えております。
それから、本会、ここで述べさせていただいております貿易円滑化――貿易円滑化といってもいろいろな分野がございますが、その中でも中心になるAEO制度、それからペーパーレス化の流れでございますので、こちらをさらに日本国内の問題としても深めていくことによって、更にはそういったような国際場裡で日本が途上国等に伝えて支援をする際の一つの高い能力として維持できるのではないかというふうに期待しているところでございます。
とりあえず私の方からそのようにお答えさせていただきます。
○伊藤分科会長 他に御質問とかございますか。よろしいでしょうか。また何かあれば後程ということで。
次に、平成24年度関税改正検討項目につきまして、事務局より説明を受けたいと思います。
まず、暫定税率等の適用期限の到来につきまして、事務局から御説明をお願いします。
○岸本関税課長 資料2−1、それから資料2−2に基づきまして、暫定税率などの適用期限の到来後の取扱いにつきまして御説明させていただきたいと思います。
まず、参考資料の資料2−2を先に御覧いただきたいと存じます。資料2−2の5ページに「関税率の種類と関係」という図がございます。関税定率法に基づきまして基本税率を設定しておりまして、これは長期的な観点から、内外価格差や真に必要な保護水準を勘案して設定されている恒久的な税率でございます。これに対しまして、関税暫定措置法に基づきまして暫定税率が設定されております。これは、一定の政策上の必要性などから適用期限を定めて基本税率を暫定的に修正する税率でございまして、現在、適用期限1年で415品目が設定されているところでございます。この適用関係につきましては、下の四角にございますように、暫定税率が基本税率に優先して適用されます。また、これらとは別に、WTO協定の中で日本が国際的に約束している関税率がございまして、これを協定税率と呼んでおります。これと基本税率、暫定税率との関係につきましては、基本税率、暫定税率と、それから協定税率のいずれか低いほうが適用されるという関係にございます。
6ページでございますが、現在設定されております暫定税率は415品目あると申しましたけれども、それがどのようなものかというのを一覧表にまとめたものでございます。それぞれ経緯がございまして、様々な事由から暫定税率として設定されているものでございます。例えば上の四角にございますのは、ウルグアイ・ラウンド合意以前に既に関税割当制度を導入した品目でございます。また、ウルグアイ・ラウンド合意に基づき、関税割当あるいは国家貿易といったような制度の対象にしている品目がございます。こういった品目につきまして1年間の適用期限を定めて実施しているわけでございますが、その適用期限が来年3月31日に到来するものでございます。
そこで、その期限到来後の取り扱いにつきまして、説明資料の本文のほうでございますが、資料2−1の1ページを御覧いただきたいと存じます。資料2−1の1ページに「暫定税率の取扱い」という項がございまして、その1と2につきましてはただいま御説明申し上げました。3の「検討」というところから御覧いただきたいと存じます。検討に当たって様々な観点があると思いますが、まず第1に、延長の適否について検討する際の留意点でございます。関税率には産業保護といった面と、それから安価な供給を確保する面の両方を調整して設定されるという面がございます。この関税率の水準を変更しようとする場合には、国内経済への影響を考慮する必要があると考えております。特に暫定税率が関税率を引き下げる措置と現在なっておりますものですから、仮にこの暫定税率を見直すことで関税率を引き上げる結果となれば、消費者などの負担水準を引き上げることとなる点に留意する必要があると考えております。
WTO交渉との関係につきましては、ウルグアイ・ラウンド合意を踏まえて、暫定税率により枠内税率が設けられている関税割当品目あるいは国家貿易品目につきましては、市場アクセス機会の提供を国際的に約束していることに留意する必要があると考えております。他方、ドーハ・ラウンド交渉につきましては、現在膠着状態にあって楽観を許さない状況が続いておりますが、我が国としては粘り強く交渉を続けるべきとの立場でございまして、関連する多くの事項が交渉の対象となっていることに留意する必要があると考えております。
ハ.関係国との協議結果に基づく税率の引き下げ措置の履行に及ぼす影響でございますが、ウルグアイ・ラウンド合意に際して、関係国との協議の結果に基づき、協定税率から更に税率を引き下げるために暫定税率を設定している品目がございます。
ニ.国内政策上の必要性でございますが、バイオETBEなど国内政策上の要請に応じて暫定税率が設定されている品目もございます。こういうものにつきましては、その時々の政策上の必要性を考慮して見直していく必要があるというふうに考えております。
(2)基本税率化の適否でございますけれども、これは暫定税率ではなく、期限のない恒久的な税率にすることの適否についての検討でございます。暫定税率が長年にわたって設定され定着している場合には、これを基本税率化することも検討の余地はありますけれども、その設定されてきた経緯等も考慮する必要があるのではないかと考えております。例えば関税割当制度につきましては、弊害を生じないよう常に見直しを行っていく観点から暫定税率として設定されてきているような経緯がございます。
(3)適用期限についてですが、暫定税率を延長するとなりました場合には適用期限をいかほどにするかという問題がございます。従来は期限を1年としてやってきた経緯がございます。こういった観点から検討してみました結果、暫定税率につきましては引き続き1年間適用期限を延長する方向で対応することが適当ではないかと現在考えているところでございます。
4ページでございますが、「特別緊急関税制度の取扱い」でございます。これもやはり平成24年3月31日に適用期限が到来する制度でございますが、これにつきましても近年、単年度ずつ延長されてきたものでございます。
制度の説明でございますが、特別緊急関税制度は、ウルグアイ・ラウンド合意に基づきまして関税化されました農産品につきまして、輸入数量が一定の水準を超えた場合、あるいは課税価格が一定の水準を下回った場合に関税率の引き上げを行う制度でございます。これは、ウルグアイ・ラウンド合意に基づき関税化された品目の輸入急増時の安全弁として、関税化措置と一体として設けられた経緯がございますので、暫定税率と一体的に見直しを行う必要があるのではないかと考えております。
以上を踏まえまして、特別緊急関税制度につきましても1年間適用期限を延長する方向で対応することが適当ではないかと考えておりまして、結論といたしまして、従前どおり両方の制度を合わせまして引き続き1年間実施する方向で考えてはいかがかということでございます。
それから、この機会に、前回御質問いただきましたバターの特別緊急関税につきまして補足的な説明をさせていただきたいと存じます。資料2−2に戻っていただきまして、14ページでございます。一番最後のページでございますが、「バターに係る輸入数量に基づく特別緊急関税の停止について」とございます。これを御説明させていただきます。これにつきましては、制度改正の問題ではございませんで、現在執行しております執行状況につきましての御報告ということでございます。
「概要」という欄を御覧いただきたいと思います。バターですけれども、本年度8月末までのバターの累計輸入数量1万1,071トンが輸入基準数量――これは過去の平均的な輸入数量を基にして算出したものでございますが、この輸入基準数量9,958トンを超えました。この結果、10月1日から特別緊急関税が発動される条件が整ったところでございますが、今回、関税暫定措置法に基づく政令を制定することで特別緊急関税の発動を10月1日から本年度末まで停止し、引き続き従前どおりの関税率が維持されたということでございます。
(2)にありますが、輸入基準数量を超えた場合に、その超えることとなった月の翌々月から関税率が3分の1引き上げられるというのが特別緊急関税の制度でございます。下の絵がございますけれども、枠内輸入――これは国家貿易と称しておりますが、独立行政法人農畜産業振興機構が国に代わって輸入をするものにつきましてはこの低い税率が適用される、それ以外に一般の民間の方が輸入される場合には枠外税率、高い税率が適用されるという制度なのですが、この枠内税率の3分の1引き上げを行う措置を特別緊急関税と呼んでおりますが、それを発動しないということでございます。その要件は、上にございますように、国内産業に損害を与える虞がないと認められるときということでございます。
その背景としましては、本年度の生乳生産が昨年度の猛暑などの影響から落ち込みが続いており、バターについても生産量が需要量を大きく下回る見込みであること、それから今回の輸入基準数量の超過は、そういった状況を踏まえてバターの安定供給を図るために、先ほどの独立行政法人がバターを輸入したことが主たる原因でございます。その独立行政法人の国家貿易としての輸入の累計量が1万942トンでございまして、そういったことを勘案しましても国内産業に損害を与えるものではないと考えられたものでございます。
以上の結果、10月1日からの発動を行わなかったという状況でございまして、前回質問がございましたものですから、この際、補足説明をさせていただきました。
以上でございます。
○伊藤分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明につきまして御質問、御意見をいただければと思います。
○松下委員 個別の暫定税率の延長に関する意見ではございません。我が国の今直面する成長産業のあり方、また関税のあり方などについて意見を申し上げたいと思います。この場がそういった意見を述べるのに相応しい場かどうかよくわからないまま申し上げたいと思います。
現在、政府においてTPPの早期交渉参加に向けた議論が真っ只中と推察しておりますが、TPPへの交渉参加の検討は、まさしく我が国の将来の産業のあり方を官民挙げて建設的に再検討する、貴重で重要なきっかけとも言えると思います。本分科会では、根本的に関税のあり方、暫定税率のあり方などについても議論するべきだと考えております。特に暫定税率の設定品目を見ると、既に40年以上も関税割当品目に指定され、暫定税率が適用されている品目も農業分野を中心にございます。TPPの交渉参加を控え、この農業の基本方針と行動計画が議論されている中、暫定税率も歩調を合わせて検討をするべきではないかと考えております。本年は既にこのような議論が進んでおりますので、実質的に暫定税率を変更するという実務にまでは到達できないと推測いたします。来年度に向けて、今から官民挙げて今申し上げた点を踏まえた議論がなされることを期待しております。
○伊藤分科会長 こちらは御意見ということでよろしいですか。では、御意見ということで拝聴しました。
他にどうぞ御質問あるいは御意見がございましたら御発言いただきたいと思います。よろしいですか。
それでは、次の件に移りたいと思います。次は、外国税関当局との情報交換の拡充につきまして、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○柴田調査課長 調査課長でございます。
外国税関当局との情報交換の拡充について説明します。資料は本文の資料3−1と参考資料の3−2ですが、資料3−1に従いまして、適宜資料3−2を参照しつつ説明したいと思います。
本件は、近年の犯罪組織のグローバル化や密輸手口の悪質・巧妙化の進展を背景としまして、我が国税関が外国税関当局との間で交換する情報について、刑事手続においても使用することができるように見直すことが適当ではないかという内容であります。
まず、資料3−1の1ページ目、現行制度の概要についてであります。関税法108条の2におきましては、財務大臣は、関税法等我が国の関税法令に相当する外国の法令を執行する当局、この外国税関当局に対しまして、その職務の遂行に資すると認める情報の提供を行うことができるとされておりますが、同条の3項においては、提供される情報については、外国における裁判所又は裁判官の行う刑事手続に使用されないよう適切な措置がなされなければならないこととされております。
2.「改正の必要性」でございますが、我が国と外国税関当局との情報交換は、関税法108条の2の規定の範囲内において締結する支援協定等に基づいて実施することとしております。すなわち、関税法108条の2に定めている刑事手続における使用を禁止する旨については支援協定等の情報提供に係る条項に盛り込んでおりまして、このことが適切な措置をなしているというものであります。ただし、情報交換は相互主義が原則でありますので、提供する情報を外国の刑事手続に使用できないということはもとより、我が国が外国税関当局から入手する情報についても我が国における刑事手続に使用できないという同様の制約を受けることとなっております。税関が関税法に係る事件を摘発し、検察官に告発する場合は刑事手続に移行することになりますが、外国税関当局から入手している情報については、犯則事実の立証に有効な情報であっても刑事手続には使用できない状況にあります。なお、刑事手続に使用する場合には、既に外国税関当局から入手している情報であっても、再度外交ルート等を通じて入手することが必要となっております。
しかしながら、近年、不正薬物等の密輸事犯について、犯罪組織のグローバル化や密輸手口の悪質・巧妙化が進んでおり、犯則事実の立証のためにはこれまで以上に多くの情報が必要な状況となっております。例えば犯則嫌疑者の外国における行動に関する情報、犯則嫌疑者の関係者との繋がりに関する情報などであります。そのような外国税関当局からの情報について刑事手続に使用することが可能となれば犯則事実を立証する上で有益となるものと考えられますので、そのための改正が必要であると考えております。
資料3−2の1ページ目を御覧ください。このような現行制度について図式化したものが図の左側の(1)現状のところであります。関税法108条の2に規定しております情報提供時に必要な条件については支援協定等にも盛り込まれて、外国税関当局からの入手情報についても我が国における刑事手続には使用できない制約が課されていることを示したものであります。右側の(2)「改正に向けての検討内容」ですが、関税法において、提供情報について外国における刑事事件に使用することができることとして、もって入手情報についても我が国における刑事手続に使用することができるとする環境を整備する必要があるのではないかというものであります。それは、右側の下の図に示しておりますように、外国税関からの入手情報を公判での使用を前提に告発時の資料や告発後の補充調査に使用できるようにする必要があるのではないかということからであります。
本文資料3−1に戻っていただきまして、2ページ目の3の「検討」について説明いたします。まず、なぜ現行関税法108条の2第3項の規定が設けられているかについてであります。外国の刑事事件の捜査に必要な証拠の提供は、国際捜査共助等に関する法律、いわゆる国際捜査共助法によることとなっておりまして、同法に基づき、原則として外交ルートを通じ、かつ非政治性、すなわち対象とする犯罪が政治犯罪ではないこと、双罰性、すなわち、対象とする犯罪が仮に我が国において行われたとした場合、その行為は我が国法令により罪に当たるものであること、及び相互主義の保証があることについてのそれぞれの確認などを前提としまして、外国の要請に応じて必要な証拠の提供を行うこととなっているものであります。
現行の関税法108条の2第3項の提供情報の刑事手続への不使用の規定については、この国際捜査共助法の潜脱を防ぐ観点から設けられたものであります。従いまして、この点について別途の方法で担保できる場合には、提供した情報を外国における刑事手続に使用できることとしても問題は生じないものと考えるところでありまして、実際、関税法108条の2が設けられて以降の立法例としまして、外国執行当局に提供した情報について要請があったときは、一定の条件の下、外国の刑事手続に使用することに同意することができるとしたものがあります。
具体的には注の箇所に3つの立法例を示しております。入国管理法における出入国管理に関する情報、特定電子メール法における迷惑メール対策に関する情報、犯罪収益移転防止法における疑わしい取引に関する情報についてであります。これらにおいては、所管官庁はカウンターパートである外国の執行当局への情報の提供に関する規定があるのですが、国際捜査共助法に定められております非政治性及び双罰性についての法務大臣の確認を受けるプロセス、また相互主義についての外務大臣の確認を受けるというプロセスを設けることによりまして、国際捜査共助法の潜脱とならないことを確保して、提供した情報を刑事手続に使用することに同意することができるとされているものであります。これらの立法例は、近年の国際的な犯罪対策やテロ対策に係る国際協力において、専門性を有する執行当局相互の情報交換の重要性を背景として定められたものと承知しておりますが、これらの立法例を参考としまして検討を行ったものであります。
4の「論点」でありますが、関税法108条の2第3項において、外国税関当局に提供する情報について、外国における刑事手続に使用されない旨規定されておりますけれども、非政治性の確認等を前提としまして刑事手続に使用できるよう見直しを行い、もって我が国が外国税関当局から入手した情報についても我が国の刑事手続に使用することができるように環境を整備することが適当と考えるがどうかということであります。
以上で説明を終わります。
○伊藤分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、今の説明につきまして御質問あるいは御意見がございましたら御発言いただきたいと思います。
○石毛委員 こういった手続に関して、他の国と他の国との間で既に例があるのだろうと思いますが、どの程度他の国との間でそういったようなことが行われているのか。ちょっと感じを教えていただければありがたいと思います。
○柴田調査課長 我々の相互支援協定締結等の交渉などを通じましていろいろ確認してみたこともあるのですけれども、刑事手続への使用に対する制約がない国が多いように聞いております。ただ、刑事手続という性格から、その提供に当たっては国の事情によって幾つかの要件があるようでありまして、一定の要件の下で使用に同意することができるという仕組みになっているように聞いております。
○石毛委員 ということは、国際的な相場からすると、日本が極めて厳格にというか、制限的に運用してきた、そういうことと理解していいわけですね。
○柴田調査課長 はい、現行はそういうことであります。
○相澤委員 現在、国際捜査共助法というのが刑罰手続における外国からの証拠資料の利用についての基本的な制度となっているわけでありまして、この制度の基本は、司法手続が各国において異なることによって、デュープロセス等を含めた基本的人権が侵されることがないように証拠の提供が行われなければいけないということをその基本としていると思います。その例外をここでつくるのであるとすると、そういうデュープロセスを含めた点についての配慮がなされなければならないだろうと思います。
それから、現在の例外では、非政治性及び双罰性、相互主義についての確認を前提としていますが、論点の枠内では「非政治性の確認等」となっているのですが、この「等」には双罰性、相互主義の確認を含むものと理解してよろしいですか。
○柴田調査課長 そのあたりにつきましては、既存の立法例を参考としまして、あるいは現在の関税法の情報交換の規定におきまして、我が国の関税法令の適切な執行に支障を及ぼす虞がある場合、あるいは我が国の利益を侵害する虞がある場合については情報を提供しないというような例外規定が定められております。それを前提としまして、我々としましても、現実の情報提供に当たりましては、個々のケースごとに情報を提供することによる影響とか、例えば相手側の要請に係る相手国側の事情とか、我が国関係者に及ぼす影響の有無、我が国としてのメリット、デメリット、そういった点を総合的に検討して要請に応じることが適当かどうか判断しているということでございます。今後の議論ですけれども、このような慎重な検討は、刑事手続における使用についての要請があった場合にも当然必要になるのではないかと考えております。
具体的に法的にどういう要件を規定するかということについては、国際捜査共助法の考え方、それから既存の立法例の考え方、あるいは現行関税法の情報提供に係る要件を踏まえて法的な検討を深めたいというふうに考えております。
○石黒委員 これは関税の場合ですが、他方で租税の場合、国税局の関係の話ですが、税務当局が入手した情報を国内の問題として刑事手続に使えるかというと、金子宏先生の体系書の中にも書いてあるように、否定的な見解が有力ですよね。関税の場合というのは一般の租税と違うということで、要するに、拝見していると、外国から入手したものを日本で刑事手続に使いたいという願望が見られるような感じがするのですが、租税と関税とのパラレルの度合いというものをどういうふうに考えるかということが1つです。
もう1つは、しゃべり出したら止まらないぐらい、今、論文の詳細なものを書いているまさにテーマなのですけれども、外国に情報を渡したときに刑事手続に使えるか使えないかというか、それ以外の他目的、other purposeに使えるかという話もあるはずで、そこはどういうふうなガードが考えられているのか。つまり、OECDのモデル租税条約の場合には、77年の最初の26条の情報交換のときから色々な他の目的で使えることになっていて、今は2008年のモデルの26条だったら、タックス以外の目的でも合意すれば何でもできるといって、結局、租税の場合がループホール化する。渡ってしまった情報を色々な目的で使うという現象もあるわけで、この先、関税の方もどんどんそちらの方向に吸い取られていくのかとか多々感ずるところがあるのですが、御検討いただければ幸いです。
○柴田調査課長 私の勉強不足であれば御指摘願いたいと思うのですけれども、国税につきましては、OECDモデル条約を基に各国との間で二国間の租税条約を締結し情報交換を行っていると聞いておりまして、そのモデル条約においては刑事手続にも使用されるというふうに規定されていると聞いております。我が国における国内法としましては、租税条約の実施に関する特例を定めました、いわゆる租税実特法におきましてそういう刑事手続への使用が認められているという解釈であると伺っております。
○石黒委員 それは特例法に規定がありますか。ないんじゃないですか。
○柴田調査課長 租税条約に基づいて特例法で刑事手続への使用が認められているという解釈であると聞いております。
2点目の質問の目的外使用の件でございますけれども、現在の関税法108条の2第2項に幾つか要件が定められておりまして、守秘義務の厳守、これは我が国と同程度の守秘義務が確保し得ること、それから目的外使用の禁止を要件としております。これらの要件につきましてはそれぞれ各国と締結しております協定等に盛り込みまして、その厳格な運用を図ることとしておるところでございます。
○水野委員 ちょっと御説明をいただきたいと思うのですが、税関相互支援協定というものの内容に、1ページ目の下にある「情報提供時に必要な条件」が一緒に定められていれば問題はないと思うのですが、法律の中で相互主義の規定を置いたり、あるいは我が国からの情報を刑事手続に使用することを禁止すると。これは誰に対して禁止しているのかというところがはっきりしないのですが、例えば税関の相互支援協定があるけれども、そういう規定が欠けていた、そういう場合には関税法108条の2によって、我が国はこういうものによって拘束されているのでこれにはお応えできませんということになるのか、そのあたりはいかがでしょうか。相互支援協定の中にみんなこれは入っていますと、こういう理解でもよろしいのでしょうか、お教えください。
○柴田調査課長 お答えいたします。参考資料の3−2の図を見ていただければと思うのですけれども、左側の(1)で「情報提供に必要な条件」ということで、108条の2の各号に要件が定められております。これは関税法の規定としまして我々の日本の税関を律した規定でございます。他方、これと同内容の条件を支援協定等に盛り込みまして、二国間相互のルールとして定めているというのが現在の支援協定等の仕組みでございます。
○國井委員 素人でよく分からないのですけれど、非政治性の確認というのは非常にセンシティブでなかなか難しいんじゃないかなと思うのですけど、これはどのように進めるのですか。
○柴田調査課長 その要請が政治犯を追及するためのものではない、その事件が政治犯であるとか、あるいは政治犯に係る事件であるとか、そういったものについては刑事手続に使用する場合の情報提供は認めないというのが国際捜査共助法の考え方でございます。
○伊藤分科会長 よろしいですか。それでは、もしよろしければ次の議題に行きたいと思います。
続きまして、両罰規定に係る公訴時効期間の見直しにつきまして、事務局より説明をお願いしたいと思います。
○柴田調査課長 それでは、両罰規定に係る公訴時効期間の見直しについて説明します。資料は2種類であります。本文の資料4−1に従って、適宜4−2を参照しつつ説明したいと思います。
本件は、関税法の両罰規定に係る公訴時効期間につきまして、法人等と違反行為を行った従業者との間に差異があることから、これを同一とすることが適当ではないかというものであります。
まず、資料4−1の1ページ目、1.「現行制度の概要」について説明します。関税法の両罰規定につきましては117条の1項において定められておりまして、法人等、従業者がその法人等の業務または財産について、関税ほ脱罪、無許可輸出入罪等の違反行為をしたときは、その行為者を罰する他、その法人等に対し当該各条の罰金刑を科することとするというものであります。
さらに、同条2項において、関税法で両罰規定を適用することとされている違反行為のうち、関税ほ脱罪に関しましては、法人等に罰金刑を科する場合における公訴時効期間は、違反行為者に対する公訴時効期間によることとする旨の規定が設けられております。これによりまして、法人等及び違反行為者いずれも公訴時効期間は同一の7年となっております。しかしながら、この関税ほ脱罪以外の違反行為につきましては、法人等に罰金刑を科する場合における公訴時効期間についてこのような規定が設けられておりません。そのため、刑事訴訟法250条の規定を受け、一律に3年となっております。
参考といたしまして、なぜ関税ほ脱罪については法人等と違反行為者の公訴時効期間が同一とされているのかについて記述しております。関税ほ脱罪についても従前は両者の期間に差異があったのですが、租税全体の罰則整備の一環として、昭和56年に一括整備法で措置したものであります。その考え方は、関税ほ脱罪については、その違反行為者は法人等の業務または財産のために犯罪を行う場合が多く、法人等を処罰することが妥当な例が少なくないにもかかわらず、公訴時効期間の差異から、違反行為者のみが処罰され、法人等を処罰できないという、実情に即さない面が生じていたためというものであります。
以上の現行制度についての補足と、2.「背景及び改正の必要性」について、資料4−2で説明いたします。左側の表は、刑事訴訟法250条2項に規定されている、人を死亡させた罪以外の公訴時効期間であり、該当する罪に係る法定刑の種類に応じましてその期間が定められております。例えば法定刑が15年未満の懲役の場合は公訴時効期間は7年となります。また、法定刑が罰金の場合は3年となります。右側の表は、関税法の法定刑の公訴時効期間について整理したものです。例えば111条の無許可輸出入罪については、5年以下の懲役または500万円以下の罰金とされております。両罰規定を適用する場合における公訴時効期間は刑事訴訟法250条2項によりまして、行為者については10年未満の懲役に該当しますので5年、法人等については罰金刑ですので3年となっておりまして、両者に差異が生じている状況となっております。
この差異が生じていることから、現実に問題が生じている事例について下の図で示しております。これは、日付は変えておりますが、実際に起こりました事件をモデルとして図式化したものであります。ある法人の代表者が外国為替及び外国貿易法(外為法)の規定によりまして、本来、経済産業大臣の輸出許可が必要な物品を外国に輸出する際に外為法の規定に該当しない物品であると偽った書類を提出して不正輸出をしていた事件であります。犯則行為があった日、すなわち当該外国に輸出した日は平成20年8月1日でした。このような事犯は、違反行為の手口も巧妙化しており、税関における申告の際の審査・検査だけでは発見できない場合があり、事後的な調査を実施し発見に努めることとしておりますが、事実認定のために関係者に事情を聞いたり証拠収集に時間を要することが多くあります。この場合においても不正行為が判明したのは平成23年7月で、告発は平成23年9月1日となりました。行為者についての時効は5年ですので、平成25年8月1日となり問題はなかったのですが、法人の時効は3年で平成23年8月1日であったため、行為者のみを告発し、法人は告発できないという事例であります。このように同一の事犯にかかわるものでありながら、公訴時効期間の差異から、行為者のみが処罰され、法人等を処罰できない事案が発生している状況となっております。
資料4−1にお戻り願います。2ページ目の3.「検討」についてでございます。両罰規定の趣旨は、違法行為について、その違反行為者の刑事責任を問うことは当然としても、その違法行為が使用人等により法人等の業務として行われた場合は、当該法人等は当該使用人等を監督する義務を有していることから、その義務を怠った法人等についても刑事責任を追及することとして、もって違反行為を防止することを目的としたものであります。
関税法上の罪につきましても、特に知的財産侵害物品を輸入する罪あるいは無許可輸出入罪は、法人等の業務として行われる場合が多く、それにより実質的な利益が帰属するのは法人等であるということに鑑みれば、違反行為者のみではなく、併せてその利益が帰属する法人等を処罰するべきであると考えられます。
また、最近の立法例としましても、いわゆる知的財産権法や外為法などにおきまして、近年、両罰規定を適用する場合における法人等に対する公訴時効期間と違反行為者に対する公訴時効期間に差異が生じることにより、法人等を処罰することができない事態を避けるため、公訴時効期間を、法人に対するものと違反行為者に対するものを同一とする法改正が行われております。具体的には知的財産権法が平成18年、外為法や独占禁止法は平成21年、廃棄物処理法が平成22年になされたと承知しております。
以上の点を踏まえますと、(4)に示しておりますとおり、法人等を適正に処罰することができるようにし、抑止効果を確保するため、関税法117条に規定する両罰規定を適用することとされている関税ほ脱罪以外の違反行為についても、関税ほ脱罪と同様、法人等に罰金刑を科する場合における公訴時効期間を当該違反行為者についての公訴時効期間と同一とすることが適当と考えるがどうかということが論点であります。
説明は以上でございます。
○伊藤分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの件につきまして御質問、御意見等ございましたら御発言いただきたいと思います。よろしいですか。
それでは、特に御質問等ございませんので、続きまして、沖縄における関税制度上の特例措置につきまして、事務局より御説明をお願いします。
○岸本関税課長 資料5−1、それから資料5−2に基づきまして、沖縄における関税制度上の特例措置について御説明させていただきます。
まず、資料5−2を先に御覧いただきたいと思います。資料編ということでございます。1ページでございますが、「沖縄振興計画による振興策」と題しまして図が示してございます。沖縄が昭和47年に本土復帰して以来10年ごとに計画を立てまして沖縄の振興策を講じてきているということでございます。現在4つ目の計画が進行しているわけでございますが、この現行計画が平成23年度末で期限を迎えるというものでございます。そこで、内閣府を中心といたしまして、来年4月以降の新しい計画あるいはその裏づけとなります新しい法律について政府全体として検討が進められているところでございます。
2ページでございますが、これは現行法でございます。現行の「沖縄振興特別措置法の概要」と書いてございますが、沖縄振興計画を中心といたしまして政府全体として各般の支援策を講じているものでございます。
3ページでございますが、こういった政府全体の様々な支援措置の中で、関税制度におきましても3つの支援措置を講じております。これを順次御説明させていただきます。
1つ目が免税店の制度でございます。3ページの図にございますが、上の段が通常の免税店でございまして、これは成田空港とか関西空港とかにございますような免税店でございます。国外で使用・消費する物品を購入して、購入した人はそのまま携帯して出国するというものでございますので、国内流通するものではございません。輸入がなく、そもそも関税の課税対象外であるというものでございます。これに対しまして、沖縄の免税店の制度が下にございます。これは国内旅行者のための免税店制度でございまして、沖縄に国内旅行する旅行者が沖縄で土産物を買う、そのような場合を想定しております。国内で使用・消費する物品を購入し、携帯して国内の他の地域に移動するということでございますので、輸入されるということでございますから、本来、関税を課すべき場合に当たるわけですが、その関税を免除する措置でございまして、まさに特例的な制度になっているわけでございます。
4ページでございますが、このような特例的な制度ができた経緯をまとめております。昭和47年に沖縄が本土に復帰したわけでございますが、それ以前は日本国でありながら米軍の施政下にあったがために、関税法上は外国として取り扱われておりました。従いまして、通常の外国からの携帯品の免税制度が利用できたわけでございますけれども、本土復帰したがためにそれが利用できなくなるということで、観光関係者のことを配慮して、観光戻税制度というのが創設されたわけでございます。その制度を今日に引きずっているわけでございますけれども、真ん中に四角で囲っておりますように、沖縄を取り巻く様々な歴史的・地理的な特殊事情も勘案して、また昭和47年以前の歴史的な経緯も踏まえて今日の制度が設けられているということでございます。
5ページでございますけれども、あと2つ関税関係の特例制度がございますので、それを御説明いたします。自由貿易地域という制度がございまして、これは企業の立地を促進するとともに貿易の振興に資するために必要な地域として那覇地区が指定されているものでございます。下の四角にございますような様々な支援策が講じられているところでございます。
また、6ページでございますが、特別自由貿易地域として、企業の立地が進んでいない地域であって企業等の集積を促進すること等が必要とされる地域ということで、中城湾の地区が指定されております。これにつきましても、下の四角にございますような様々な支援措置が講じられているところでございます。この様々な支援措置のうち、関税に関係するものが2つございます。
1つが7ページにございます選択課税制度というものでございます。7ページの選択課税制度の図を御覧いただきますと、外国から原料を輸入して、保税工場で製品に加工して、これを国内に引き取る場合を想定した図でございます。本来でありますれば、原料の関税率で課税するのが原則でございます。しかしながら、沖縄のこの制度の下では、製品の関税率の方が原料の関税率より低い場合には製品の関税率を選択して課税することが選べるという制度でございます。
最後、8ページでございますが、同じく自由貿易地域あるいは特別自由貿易地域の中において保税蔵置場、保税工場を設ける場合には、本来でしたらば課される手数料を半額にするという特例措置が講じられているところでございます。
以上が関税関係の3つの特例措置でございまして、これにつきまして資料5−1でさらに御説明させていただきたいと思います。資料5−1の2ページを御覧いただきたいと思います。1ページにつきましては、ただいま御説明したことの概要でございます。2ページの2に「改正要望の内容」がございます。沖縄振興の法律が来年3月31日に失効するということで、現在新しい法律が検討されているわけでございますが、その新しい法律の下での支援策として、現在講じられている特例措置を引き続き5年間延長することが要望されております。現在の措置は5年間の特例措置として講じられているわけですが、それをさらに5年間延長するという要望でございます。さらに、特定免税店制度につきましては、現在、空路で沖縄から沖縄以外の地域に出域する旅客に適用されているわけでございますけれども、これに加えて海路、フェリーで沖縄から沖縄以外の地域へ出域する旅客を対象とすることも要望されております。また、選択課税制度と保税蔵置場の手数料につきましては、現行の自由貿易地域、それから特別自由貿易地域を発展的に国際物流拠点産業集積地域(仮称)にして、その地域内の制度として延長することが要望されております。
これにつきまして以下のように検討いたしましたので、御説明させていただきます。
まず、免税店制度です。免税店制度は、観光産業の振興を図って沖縄の経済発展を目指すことを目的として平成10年度に創設された制度でございますが、この特定免税店制度は、国内の特定地域に着目して関税の免税措置を講ずるものでございますので、国内産業保護の機能を果たすために国土全体において一律に適用すべきであるという関税の基本的な性質に反する面がございます。しかしながら、関税法上外国扱いされていた占領下の沖縄からの土産品に適用されていた携帯品免税の機能を実質的に引き継いでいるものであること、それから沖縄の歴史的・地理的な特殊事情があることを考慮いたしまして、極めて特別な制度として沖縄に限り設けているものでございます。
3ページでございますが、これが経済的に一定の効果を果たしていることも事実でございます。従いまして、沖縄においてこの制度を維持することにつきましては、特殊事情に大きな変化がない状況においては適当ではないかと考えております。また、引渡し場所として、現在の空路に加えまして海路、クルーズ船、フェリー、そういったものを対象とすることにつきましては、空路と海路とで本質的に異なるものではないことを考えますと、海路で沖縄から沖縄以外の地域に出域する旅客も対象とすることとして問題はないのではないかと考えております。
それから、選択課税制度についてでございます。この制度は、沖縄における保税工場の利用を促進して貿易振興、加工型産業の集積を図ることを目的として10年度に設けられたものでございます。関税は、国内産業保護を目的としておりまして、外国貨物を原料として製造された製品を国内に引取る際に原料に対して課税することを原則としております。その理由は、原料に係る国内生産者を保護するためでございます。原料に対して設定された関税率より低い関税率を選択するということを認めるのは、関税の国内産業保護の機能を弱める面があることは否めないと思います。しかしながら、沖縄の歴史的・地理的な特殊事情を考慮して、特別な制度として沖縄に限り設けたという導入の背景を踏まえますと、4ページでございますけれども、引き続き選択課税制度を維持するということは沖縄の産業振興に寄与するものである限り適当なのではないかと考えております。
3として「保税蔵置場等許可手数料の軽減」でございますが、保税蔵置場の許可手数料の軽減措置は平成9年度に導入された措置でございまして、やはりこれも一定の効果を果たしていると考えております。保税蔵置場の許可手数料は、行政コストを受益者である保税蔵置場の被許可者から手数料としていただくという趣旨の制度でございます。そういう趣旨を勘案して、原則として、行政コストを積算して、延べ面積などの区分ごとに毎月の手数料額をいただいているものでございます。こういった手数料徴収の趣旨からいたしますと、基本的には無闇に軽減を行うべきものではないと考えますけれども、沖縄の事情といった導入の背景を踏まえれば、延長することが適当なのではないかと考えております。
以上、まとめますと、四角で囲ったところですが、関税制度上の特例措置につきまして引き続き5年間、新しい沖縄振興法の下においても実施することが基本的には方向性として妥当なのではないかと考えております。
(2)として特定免税店制度の対象の拡充につきましてですが、現在指定されている空港内の旅客ターミナル施設と同程度の体制が整備されて、販売物品が確実に輸出される、横流れしないことが担保されることを前提といたしまして、海路で沖縄から沖縄以外の本邦の地域に出域する旅客も対象に追加することが適当と考えております。
説明は以上でございます。
○伊藤分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、御質問、御意見等ございましたら御発言いただきたいと思います。
○國井委員 延長はいいと思うのですけど、これはどのくらいの効果が上がっているとみなされているのでしょうか。簡単に数字は出ないかもしれませんけれども、何か統計的なものがあれば……。
○岸本関税課長 沖縄の各種制度でございますけれども、累次の振興策が講じられてきている中で、必ずしも利用が進んでいない制度もあるのですけれども、この中で特定免税店の制度が一番評価されていると思っております。従前はそれほど大規模な店舗がなかったわけですが、現在は市内のおもろまちに大きな店舗もできまして、具体的な数字はないのですけれども、そこで地元の方々の雇用促進にも大きな役割を果たしているということで、地元の方からは高く評価されていると思っております。そこでの売り上げにつきましても、平成15年以来ある程度伸びてきていて、近年色々な経済事情から若干足元は弱くなってきている面も無きにしも非ずですけれども、それなりのオーダーで購入額もあるようでございまして、そういう面では地元に貢献しているのではないかと思っております。
○石原委員 沖縄の物流の中で自由貿易地域、特別自由貿易地域というのがあるわけですけれども、沖縄の物流基地ということは、一番代表的なもので今行われていますのは、全日空さんがやりました沖縄リージョナルハブが1つの効果として上がってきたことだと思います。ただ、そういった中で沖縄を物流基地にしようという構想は前からありまして、これも各省庁さんが色々なところでばらばらにどうも検討しているのじゃないかというような気がするんですね。特に自由貿易地域ですとか特別自由貿易地域をつくって企業誘致をすることになりますと、当然、船便を寄せなければいけないとか、港湾整備だとか、色々な問題が出てまいります。逆に、そういったところになりますと国交省さんとの関係だとか出てくると思うんですけれども、実際に今どの辺まで使われていて、他省庁との連携はどうなっているのか、そこのところもお教え願えればと。私も実際に行ってみましたけども、言うほど活発化していないのがどうも実態ではないかな、こういう印象を持っているものですから、御教示願えればと思います。
○岸本関税課長 内閣府がこの問題を中心になってやっていらっしゃるということの趣旨は、各省庁を束ねる立場として横の調整を行いながらやっていくという趣旨が正にあらわれているのだと思います。地元の県あるいは他の自治体との関係とか、あるいは各省との関係について内閣府でしっかり調整されていると思っております。また、関係省庁が協力してやっていることは事実だと思います。
他方において、御指摘のとおり、特に特別自由貿易地域でございますけれども、なかなか企業誘致が難しい状況であるのだろうなというのは、私もしばらく前でございますけれども、拝見したときに、なかなか難しい状況であるということは感じたところでございます。正直申しまして、関税のこの支援措置というのは各種措置のうちの一つでございまして、これでもって特に企業誘致が進むほどのインセンティブ効果はなかろうと思われます。現実に、只今申しましたように、内国税関係あるいは地方税関係、歳出面、様々なインセンティブ措置が併せ講じられているところでございます。今回、内閣府においては自由貿易地域あるいは特別自由貿易地域を発展的に国際物流拠点産業集積地域としようと考えていらっしゃるようでございますので、そこは現状どういうものになるのかはまだ確定していないと思いますけれども、私共としてもよく相談しつつやっていきたいと思っております。
○石原委員 ここのところはライバルがいるということだと思うんです。そのライバルというのは、韓国の釜山であり、上海だと思うんですね。当然そことの比較の問題が出てまいりますので、そういったところも参考にしながらやっていかないとなかなか振興というのはできないんじゃないかな、こういう印象を持ってございます。
○伊藤分科会長 御質問とか御意見とかございますでしょうか。よろしいですか。
特に御質問等ございませんようでしたら、以上をもちまして本日の関税分科会を終了したいと思います。
次回の分科会につきましては11月9日(水)午前10時10分から、本日同様ここ第3特別会議室にて開催したいと思います。委員の皆様におかれましては御出席のほどよろしくお願いします。
本日はどうもありがとうございました。
