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関税・外国為替等審議会 関税分科会 議事録(平成20年12月12日開催)

関税・外国為替等審議会 関税分科会
議事録

本稿は、平成20年12月12日の関税・外国為替等審議会 関税分科会の議事録です。

午後0時05分開会

○中山分科会長時間ですので始めたいと思いますけれども、まだ委員お一人お見えになっておりませんけれども、間もなく見える予定だと聞いております。

皆様方には年末のお忙しい中を御参加いただきまして、ありがとうございます。

本日は、平成21年度における関税率等の改正につきまして、その取りまとめを行い、大臣に答申を行いたいと考えております。

平成21年度における関税率等の改正に関しましては、本年9月以降3回にわたり本分科会を開催いたしまして、事務局からその考え方及び検討状況について説明をちょうだいし、御熱心に審議をしていただいたところでございます。本日は、その全体を答申案としてまとめたものにつきまして、松村関税課長より説明及び朗読をお願いしたいと考えております。事務局案につきまして御審議をいただいた後、財務大臣に答申を行いたいと思います。それでは、よろしくお願いします。

○松村関税課長資料1−2でございます。これが答申書の案でございまして、この表紙に別紙でついております答申案につきまして、その構成を申し上げたいと存じます。

Tといたしまして、関税改正をめぐる諸情勢といたしまして、国際的な動向ではドーハ・ラウンド交渉や経済連携協定の交渉が進んでいること、2、特殊関税制度、新興国からの輸入の急増等を背景に発動事案が増加していく可能性があること、3、税関手続につきましてはAEO制度の導入・拡大、それから水際取締りについての状況を触れております。

2ページのU、改正の基本的考え方といたしまして、1つは水際取締りの充実・強化、2として国際競争力強化のための通関手続の特例措置の拡充、これはAEO制度でございます。3、特殊関税の制度の手続見直し、4、個別品目の関税率の改正、5、暫定税率等の適用期限の延長、その他ということで基本的考え方を記述いたしまして、その下のVの個別改正事項で、それぞれの項目の基本的考え方に対応いたしました具体的な改正内容、これは前回と前々回で御審議いただきました内容でございますが、それを具体的な改正内容として記述しているところでございます。

それでは、最初に戻りまして、事務局から朗読をさせていただきます。

○事務局それでは、朗読させていただきます。

答申書(案)

平成19年4月20日付財関第511号をもって諮問のあった関税率等の改正について、本審議会の意見を下記のとおり答申する。

平成21年度における関税率等の改正について、別紙のとおり行うことが適当である。

(別紙)

T.関税改正を巡る諸情勢

当審議会は、昨年4月、財務大臣から「経済情勢の変化等に対応し、関税率及び関税制度を、いかに改めるべきかについて諮問する。」との諮問を受け、平成21年度改正に関する検討を行ってきた。

1.関税率等を巡る国際的な動向について見ると、WTO(世界貿易機関)のドーハ・ラウンド交渉の妥結に向けた動きが加速化している。ドーハ・ラウンド交渉については、本年7月の閣僚会合においては農業及びNAMA(非農産品市場アクセス)のモダリティ(関税削減等の方式)の合意に至らなかったものの、本年11月に開催された「金融・世界経済に関する首脳会合」等において、モダリティ合意に向けて宣言が発出されたところである。

また、我が国は、WTOを中心とする多角的な自由貿易体制を補完するものとして、経済連携協定の交渉を積極的に推進しており、本年12月現在、9つの経済連携協定が発効し、それぞれの締約国との間で関税率の引下げ・撤廃が実施されているところである。

2.特殊関税制度は、WTO協定の下、不公正貿易等に対応するため認められている措置であるが、特殊関税の発動状況について見ると、我が国においては、本年9月の電解二酸化マンガンに対する不当廉売関税の賦課等の3件の事例を含め、これまで7件の発動事例があるが、WTOの資料によれば1995年から本年6月末までに我が国に対して発動された不当廉売関税は105件となっている。

GATTやWTOのラウンド交渉の場において、これまで我が国は、不当廉売関税の濫用防止や規律強化等、主として被発動国の立場から主張を行ってきた。一方、今後、新興国からの輸入の急増等を背景に、我が国産業の損害を防止するため、我が国において特殊関税の発動事案が増加していく可能性があると考えられる。

3.税関手続について見ると、国際貿易の安全確保と円滑化の両立に向けて、AEO(Authorized Economic Operator)制度が導入され、順次対象範囲が拡大されてきた。

また、税関における水際取締りについて見ると、国民生活の安全・安心の確保の観点から、社会悪物品や知的財産侵害物品の密輸防止、北朝鮮に対する厳正な措置等、一層の取締りの充実・強化が求められている。こうした中、本年8月22日に決定された「第三次薬物乱用防止五か年戦略(薬物乱用対策推進本部決定)」等を踏まえ、警察等の関係機関との連携強化を図りつつ、水際取締り強化に向けた取組みがなされている。また、平成18年10月14日より実施されている北朝鮮に対する制裁措置については、我が国の平和と安全を維持する観点から、措置の延長がなされている。

関税率及び関税制度の改正については、内外の社会・経済情勢等に配慮しつつ、機動的に対応する必要があるが、当審議会としては、上記のような諸情勢を踏まえ、これまでの審議の結果をとりまとめ、以下のとおり、答申することとした。

U.改正の基本的考え方

以下のような考え方に基づき、改正を行うことが適当である。

1.税関における水際取締りの充実・強化

税関における水際取締りの充実・強化については、国民生活の安全・安心を確保するため、制度の不断の改善・見直しを行っていくこととしている。近年では、関税法の罰則強化、犯則調査の充実等が行われてきたところであるが、引き続き、近時発生した犯罪事例への対応の必要性、近年の暴力団排除対策の強化の動き等も勘案し、制度の見直しを行うことが適当と考える。

2.国際競争力強化のための通関手続の特例措置の拡充

通関手続については、平成13年9月の米国同時多発テロ以降、国際貿易の安全確保と円滑化を両立させるため、貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された事業者の貨物に関する手続を迅速化・簡素化するAEO制度を推進することが国際的な潮流となっている(注)。

我が国においても、平成18年3月に輸出者について、平成19年10月に倉庫業者について、本年4月に通関業者及び国際運送事業者について、順次AEO制度を導入し、平成13年3月に導入した簡易申告制度を発展させた輸入者のAEO制度(平成19年4月導入)と併せて、サプライチェーン全体をカバーするAEO制度が概ね構築されたところである。しかし、自ら輸出申告を行わない製造者については、AEO制度の対象から漏れている状況にある。このため、本年8月に改訂された「貿易手続改革プログラム」も踏まえ、AEO制度の対象者を製造者へ拡大することにより、サプライチェーン全体にわたるAEO制度の構築を完結させることが適当と考える。

(注)WCO(世界税関機構)においては、平成17年6月に「国際貿易の安全確保及び円滑化のための基準の枠組み」が採択され、これを踏まえて、翌平成18年6月に「AEOガイドライン」が採択されている。米国においては、既に平成14年からC−TPAT(Customs-TradePartnership Against Terrorism)というAEO制度と同様の制度が実施されており、EUにおいても本年からAEO制度が実施されている。ニュージーランド、アジア諸国等においても同様の取組みが広がっている。

また、AEO制度を導入した各国当局間において同制度を相互に承認し、二国間の安全かつ円滑な物流を目指すAEO制度の相互承認に向けた取組みも進められており、我が国は本年10月よりニュージーランドとの間で相互承認を実施しているほか、米国、EU等との間で精力的に協議等を進めている。

3.特殊関税の制度・手続の見直し

不当廉売関税等の特殊関税制度・手続に関しては、ウルグアイ・ラウンド交渉の実施に伴う法令改正の後、大きな改正を行うことなく、運用されてきたところであるが、調査当局の経験も積み上がってきたことから、更なる制度・手続の改善を図ることが適当である。

その際、濫用防止や規律強化、調査手続の透明性・予測可能性の向上、調査当局による調査事務の円滑化・効率化等を勘案し、国民経済全体としてバランスの取れた制度運営を図る必要があると考える。

本年4月、企画部会の下にワーキンググループを設け、このような観点から特殊関税の制度・手続について検討を重ね、本年11月19日、同グループ報告書において、改善が適当と考えられる項目を示したところである。

4.個別品目の関税率の改正

個別品目の関税率改正については、上記のような関税率等を巡る内外の社会・経済情勢や、国内産業保護等の政策的な必要性を勘案しつつ、例年、所要の見直しを行うこととしている。

5.暫定税率等の適用期限の延長

我が国では、関税定率法において、内外価格差や真に必要な保護水準を勘案した長期的な視点に立った基本税率を定めている一方、関税暫定措置法において、国内外の需給動向や国内の産業事情等に応じて機動的に対応できるよう、暫定税率等を定めている。

これまでGATTのラウンド交渉が妥結し協定税率が変更される際には、関税率体系について大幅な見直しを行い、その中で暫定税率について整理を行ってきているところである。

こうした点を踏まえ、暫定税率を含めた関税率のあり方については、現在行われているWTOラウンド交渉の状況を見極めて対応する必要があること等から、暫定税率については1年毎に延長してきているところである。

6.その他

これまで経済社会の要請に応じて関税制度の見直しが行われてきた結果、制度自体が複雑化・高度化してきている面があるが、制度は適正な執行が確保されてはじめて効果を発揮するものであり、職員の専門性の確保・向上など、職員や組織の能力・機能強化に向けた取組みを進めていくことが重要である。

V.個別改正事項

1.税関における水際取締りの充実・強化

(1)印紙又は郵便切手類の偽造品、変造品及び模造品について、税関における水際取締りの充実・強化を図る観点から、関税法上、輸入してはならない貨物に追加する。

(2)近年の暴力団排除対策の強化の動き等を勘案し、保税蔵置場、保税工場、保税展示場又は総合保税地域の許可をしないことができる要件として、申請者が暴力団員等であること等を追加する。

2.国際競争力強化のための通関手続の特例措置の拡充

貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された製造者により製造され、管理される貨物を輸出しようとする者について、貨物を保税地域に搬入する前に輸出申告を行うことができることとする。

3.特殊関税の制度・手続の見直し

特殊関税制度について、調査の迅速化、手続の透明性の向上等のため以下の措置を講ずる。

(1)暫定措置の前提等となる仮の決定について明確化する。

(2)調査の対象者が妥当な期間に必要な情報を提供しない場合等において、調査当局が他の調査対象者等から得た事実を証拠として用いることができることを明確化する。

(3)調査開始の通知等の対象者である直接の利害関係人に、現在規定されている調査対象貨物の供給者、輸入者等に加えて、その他調査に利害関係を有すると認められる者を追加する。

(4)消費者団体及び産業上の使用者の手続関与を高める観点から、不当廉売関税に係る調査において消費者団体及び産業上の使用者等による意見の表明を可能とする。

(5)課税の求めや調査開始の手続の明確化、価格約束内容の例示、秘密情報の公開のための要約例の作成、等を行う。

4.個別品目の関税率の改正

個別品目の関税率について、以下のとおり改正を行う。

税番 5005.00

品名 絹紡糸及び絹紡紬糸(小売用にしたものを除く。)

現行税率 (暫定)7.3%

改正案 (基本)無税

5.暫定税率等の適用期限の延長

暫定税率やウルグアイ・ラウンド時に導入された特別緊急関税制度等について、WTOのラウンド交渉の状況を見極める必要があること等から適用期限の延長等を行う。

(1)平成21年3月31日に適用期限の到来する関税暫定措置法別表第1及び第1の3に定める物品の暫定税率について、「4.個別品目の関税率の改正」において基本税率を無税化する絹紡糸及び絹紡紬糸を除き、その適用期限を平成22年3月31日まで延長する。

(2)平成21年3月31日に適用期限の到来するウルグアイ・ラウンド合意に基づき関税化された農産品に係る数量基準及び価格基準による特別緊急関税制度、生鮮等牛肉及び冷凍牛肉に係る関税の緊急措置並びに生きている豚及び豚肉等に係る関税の緊急措置について、その適用期限を平成22年3月31日まで延長する。

ただし、牛肉に係る関税の緊急措置については、平成18年度、19年度及び20年度に引き続き、制度の基本は維持しつつ、発動基準数量を算出する際の基礎となる輸入数量を、平成14年度と平成15年度の輸入実績の平均とする(平成14年度と平成15年度の輸入実績の平均による発動基準数量が平成20年度の輸入実績による発動基準数量を下回る場合には、平成20年度の輸入実績による)。

6.特恵関税に係る改正

(1)特恵適用対象国や適用対象品目については、当該国の所得水準、当該品目に係る国際競争力、国内産業への影響等を勘案し、以下のとおり改正を行う。

(イ)サウジアラビアについて特恵適用の対象国から除外する。

(ロ)関税定率法別表第1604.19号に掲げる調製したその他の魚(うなぎのもの及び節類以外のものに限る。)、同表第1605.90号の二の(三)掲げる調製したその他のもののうち軟体動物のもの(あわび又は帆立貝のもの以外のもので、気密容器入りのもの以外のものに限る。)、同表第6912.00号に掲げる陶磁製の食卓用品、台所用品、その他の家庭用品及び化粧用品(磁器製のものを除く。)並びに同表第9404.90号に掲げるその他の寝具その他これに類する物品(いずれも中国を原産地とするもの)について、国別・品目別特恵適用除外措置を適用する。

(2)国別・品目別特恵適用除外措置の適用基準について、運用面における一層の透明化を図るため、特恵適用を除外する際の要件として、本邦において当該物品と用途が直接競合する物品の国内生産の事実が認められること並びに特恵関税適用による当該物品の生産及び使用等に関する本邦の産業に与える影響を把握できることを明記する。

○中山分科会長ただいまの答申案につきまして、御質問あるいは御意見がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。

質問がないようでございますので、平成21年度における関税率等の改正につきましては、本分科会として事務局案のとおり決定することにしたいと存じますけれども、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

○中山分科会長異議がないようでございますので、平成21年度における関税率等の改正につきましては、本分科会として事務局案どおり決定することにいたします。

なお、関税・外国為替等審議会令第6条第8項及び関税・外国為替等審議会議事規則第6条第2項の規定によりまして、分科会に付託されました調査・審議事項につきましては分科会の議決をもって審議会の議決とするとされておりますので、これをもって関税・外国為替等審議会としての答申としたいと存じます。

間もなく竹下財務副大臣がお見えになりますので、それまでしばらくの間お待ちいただければと思います。

竹下財務副大臣がお見えになりましたので、答申書を手交させていただきたいと存じます。

平成19年4月20日付をもちまして御諮問のございました関税率等の改正につきまして、本審議会の意見を取りまとめましたので、答申書を提出させていただきます。

(答申書手交)

○中山分科会長それでは、竹下財務副大臣からごあいさつをちょうだいしたいと思います。

○竹下財務副大臣ただいま答申書を受け取らせていただきました。中山分科会長をはじめ委員の皆様におかれましては、本日は御多忙のところを御出席いただき、まことにありがとうございます。ただいま平成21年度における関税率等の改正につきまして答申をいただきました。委員の皆様にはこれまで熱心に御審議をいただき、厚く御礼を申し上げる次第でございます。

関税をめぐる国際的動向から申し上げますと、先月開催されました金融・世界経済に関する首脳会合等においてWTOドーハ・ラウンド交渉を成功裏に妥結に導くモダリティの年内合意に向けて宣言が発出されたところであり、交渉の妥結に向けた動きが高まっております。また、昨日発効いたしましたフィリピンとの協定を含め、これまで9つの経済連携協定が発効しているところでございます。

税関におきましては、国民の安全・安心の確保の観点から社会悪物品、知的財産侵害物品の密輸阻止、北朝鮮に対する厳正な措置等、水際取締りの一層の強化が求められております。先月、門司港において約300キログラムの覚せい剤を摘発したところであり、引き続き厳正な取締りに取り組んでまいります。

また、国際競争力強化の観点等から、近年AEO制度の拡充等さまざまな見直しに取り組んできたところでございます。今後とも職員の専門性の向上等を通じ、一層迅速・適正な通関の実現に努めてまいります。

本日の答申では、税関における水際取締りの充実・強化、国際競争力強化のための通関手続の特例措置の拡充、社会・経済情勢の変化等を踏まえた関税率の改正等に関する御提言をいただきました。私どもといたしましては、いただきました答申を十分に尊重いたしまして、来年度の関税改正作業を進めてまいりたいと存じております。

皆様の御尽力に重ねて感謝を申し上げますとともに、今後ともなお一層の御指導を賜りますことをお願い申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○中山分科会長どうもありがとうございました。

竹下財務副大臣はここで御退席になられます。本日はお忙しいところありがとうございました。

財務大臣から御諮問をいただきました関税率等の改正につきましては、本日本審議会におきまして答申を取りまとめることができましたことは、ひとえに皆様方の御協力のたまものと御礼申し上げます。政府におかれましては、答申の内容を的確に平成21年度改正に反映していただきますようお願いいたします。

以上をもちまして、本日の議事を終了させていただきたいと思います。これまで審議いただきました委員の皆様方の御支援、御協力に感謝申し上げますとともに、改めて御礼申し上げたいと思います。また、本日は年末のお忙しいところ御出席賜りまして、まことにありがとうございました。

以上をもって終了とさせていただきます。

午後0時33分閉会
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