関税・外国為替等審議会 関税分科会 議事録(平成20年12月9日開催)
関税・外国為替等審議会 関税分科会 |
| 本稿は、平成20年12月9日の関税・外国為替等審議会 関税分科会の議事録です。 |
○中山分科会長ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会を開催いたします。
委員の皆様方には、御多用中御出席賜りましてまことにありがとうございます。
本日の議題は、お手元にお配りしております議事日程のとおり「WTOを巡る最近の動き」及び「平成21年度関税改正検討項目」でございます。
それでは、WTOを巡る最近の動きにつきまして、説明をお願いいたします。
○藤岡関税局長それでは、私からさせていただきます。報道等にもございますとおり、現在WTOドーハ・ラウンドの交渉につきましては、11月15日のG20金融サミットにおいては、これはワシントンDCで総理、財務大臣が出席しておりますが、年内のモダリティ合意を目指してが努力するといったことが決まっているのを受けて、火急の時を迎えております。1ページでございますけれども、4つ目の「●」に「年内のモダリティ合意を目指し努力する」とございます。それから、その1週間後に開催されましたペルーのリマで開催されたAPEC首脳会合においては、これは私も参りましたが、「年内に達成することを誓約」、誓約というのはコミットが英語の文章でございますが、ぜひとも年内にモダリティ合意をしようという各国首脳の意思が示されております。
そういう事情でございますので、本日の分科会におきましても、かねてから縷々状況のご説明、報告いたしておりますが、重要な局面ということで、この資料をご用意しているわけでございます。
1ページの一番下の「●」でございますが、現地時間の12月6日には、議論のいわばたたき台となる、農業・NAMAの議長テキストの第4次改訂版が出ております。これが出たというのが1つ大きな進展でございます。ただし、議論のたたき台はできたけれども、それで議論が進むかというと、やはり難渋している状況でございます。
引き続きまして2ページには、ただ今申し上げました各国首脳における合意として、本年中にモダリティ合意を達成するという宣言文が書かれています。ここでモダリティという用語について改めて申し上げますと、関税の引き下げの算式、方程式、ルールというのがモダリティでございます。アプローチは2つございまして、ウルグアイ・ラウンドのときに見られましたが、リクエスト・オファー方式といって、各国の譲許表における品目ごとの関税率をこう下げてほしいということをマルチに言い合って意見を収れんさせていくというプロセスの方式がございますが、今回は、先にモダリティ、つまり、ルール、方程式を決めよというのが交渉の大まかな流れでございます。
3ページでございますけれども、言うまでもなく日本にとりまして幾つかの問題の局面がございまして、上にある農業分野の市場アクセスについては、日本、EU等は現実的な削減幅にしてほしいと柔軟性を求める主張をしています。
他方で、右下にある非農産品、いわゆる鉱工業品の市場アクセスでございますが、この分野では日本は攻めの立場であり、より大きな関税率の引下げを、途上国を中心に求めています。
左下にある農業の国内支持、農業の補助金削減の問題でございますが、これはかなり米国の問題と認識されておりますけれども、この米国の農業補助金の問題をどう扱うかというのも極めて重要な問題でございます。
この絵は大筋、過去数年間同じような絵を描き続けているということでございまして、大きく変わってございませんが、こういったのが全体の状況でございます。
4ページでございますが、12月6日、日本時間の7日に出された議長テキストのポイントでございます。重要品目について、端的に申しますと、日本は8%を主張しております。それに対しまして、細かな説明は省略いたしますが、表の中ほど一番上でございますが、ラミーWTO事務局長は、本年7月、重要品目の数は4+2%で6%までは認めるとの調停案を出しました。実は12月6日、ファルコナー農業交渉議長、ニュージーランドの大使でございますが、議長の第4次改訂テキストでも、6%とされているところでございます。
上限関税の議論については、例えば現在、日本は従価税換算で米の関税は700%以上であるのに対して、例えば100%までとにかく一律に引き下げるという主張がございますけれども、設定しない方向となっておりますが、重要品目で削減後100%となる場合には条件がついてございます。
以下、一般品目の削減後100%超の品目についての代償措置をどうするのか、あるいは関税割当の新設をどうするのかといった論点もございます。
関税割当の新設といいますと、極めてテクニカルで恐縮でございますけれども重要品目の欄にTRQ拡大という記述がありますが、これは関税割当のことでございまして、関税割当品目については一定の輸入量につき低い税率を適用しますが、重要品目に指定するためには、代償として、一次税率の低い安い税率の下幅でより多くたくさん輸入しなければいけないことになっていますが。したがって、実は重要品目に指定するためにはTRQ、関税割当制度を持っていなければいけない。しかし、日本であれば、砂糖であるとか、でんぷん製造用のとうもろこしトウモロであるといったものについては、現在のところ関税割当制度がございませんので、関税の削減幅を狭くする重要品目になりにくいのではないかという議論がございまして、関税割当の新設が認められることについては日本は大変に強い関心を持っております。議長テキストでは7月のファルコナー議長の提案のままで、新しい議長の提案は作業文書の扱いということで決め切っておりませんが、一定の関税割当の新設を認め得るといったような記述もあります。議長テキスト本体ではなくて、上の表題に「議長テキスト・作業文書」と書いてございますが、附属文書のほうでそう書いてあるということでございます。
5ページはNAMA、非農産品市場アクセス、いわゆる鉱工業品の関税交渉でございますが、主要論点の一つはフォーミラ、モダリティそのものでございます。さらに6ページへ進んでまいりますと、スイス・フォーミュラがございますが、これは何か特別な、方程式の中身が内在的に何か意味を持っているのではなくて、これによって得られる結果が妥当ではないかということでできている提案でございます。係数をどういう数値で設定するかによって、右下の表にございますけれども、例えば、係数20と設定する場合、インドの機械類の譲許税率が現在40%であれば13.3%への関税の引下げを認めるということが含意されているわけで、これについては従来からいろいろなケースがございましたけれども、かなり意見が収れんしてきているということでございます。従来の議論の流れの中で日本の主張に比較的近い数字になってきております。
いずれにいたしましても、WTO関係閣僚会合を成功させ、積極的バランスのとれた成果を得てドーハ・ラウンドが早期に妥結するよう引き続き精力的に政府としては取り組むということでございまして、結論的に申しますと、議論のたたき台となる議長テキストは出したが、軸になるジュネーブのWTOの事務局、あるいは関係の委員会の議論自身が、なお具体の方策について一定の方向が見えているわけではない。ただ、11月15日のG20金融サミット、あるいはAPEC首脳会合等にありますとおり、国際的には、総論においては現在の情勢を考えると、やはり妥結が必要であるということが強く訴えられているということです。
以上でございます。
○中山分科会長ただいまの説明につきまして、御質問や御意見ありましたらお願いいたします。
○服部委員13日から15日の間において閣僚会合が行われるという予測が流れていたわけですが、今のお話ですと、議長の第4次改訂版が出されたけれども、その招集が13日から15日で行われるのではなくて、延期されたというか、17から19日に開かれるとすれば開かれる状況だというご説明と伺いました。ということは、私の感じなんだけれども、農業と非農産品市場アクセスの議長提案については、それをもとにすると、やはり一番の対立点は、前回の7月の閣僚会合でアメリカとインド、中国が対立したのと同じ、途上国の農産物の緊急輸入制限措置をめぐる対立だと報道されているところ、議長ペーパーの内容をもとにして閣僚会合をやって政治的判断で収れんするというところまで、アメリカとインド、中国のどちらか知りませんけれども、まだ判断に至っていないため、閣僚会合を開催してもそこで妥結、成功になる見通しがなければ、予定どおり招集することはできないとラミー事務局長が判断されたという具合に受け取っているんですけれども、大体そんなことでよろしいんでしょうか。
○藤岡関税局長服部先生、お詳しい分野でございますけれども、まさに先生言われたSSM、途上国の農産物の特別セーフガードメカニズムという措置がございます。これは例えばインドが、アメリカからの農産品の輸出が急に増えたときに、セーフガードを発動して関税を引き上げることができるというのがSSMという措置でございます。これが7月の閣僚会合でモダリティ合意に失敗した最大の原因とも言われております。これについての問題の状況は相変わらず変わっていないという状況ではないかと思います。これが1点目でございます。ただし、この1点目につきまして言うと、私ども大変事務方的に見ると、こんなに膨大なテキストをじっと読んでいますと、7月のときよりもいろいろな表現で議論が進んでいる跡を疑わせる節がございます。つまり事務局がその間何もしていないということではなくて、例えば前年対比で輸入数量が140%超となる基準を満たした場合にウルグアイ・ラウンド譲許税率を超えて発動できるといった案について、今回の改訂テキストでは、その基準を125と140に区分けして設定して、それぞれに対応する関税引上げ幅に濃淡をつけるといった、非常に込み入った表現のテキストになっているので、SSMについて言えば、議論が進んでいる気配はございます。
7月の閣僚会合については、一般的な理解では、SSM、途上国の農産物の特別セーフガード措置のために決裂したということかと思いますけれども、今回それは実は閣僚会合開催の障害となっている問題点の言わば3分の1なのではないかと思います。問題点は3つあって、そのうちの1点目でございます。
2点目は、これは実は7月の会合の際もあったのですが、言われなかっただけで、事実としては深刻な問題として綿花の問題がございます。特に、アメリカの綿花の国内補助金の問題です。アメリカの綿花と例えばアフリカのブルキナ・ファソなどの綿花が競合する中で、アメリカが綿花農家に対して巨額の国内補助金を出していることはいかがかという指摘が綿花輸出に経済的に依存する途上国のサイドからあるものです。この問題がやはりまだ解決していない、これが2点目。
3点目が、前からずっと構造としては問題としてあったんですが、今回のプレイアップのされ方という意味で大きくなっているというのが鉱工業品の分野別関税撤廃の問題でございます。鉱工業品の関税削減についてはスイス・フォーミラの方程式を決める交渉だと申し上げましたが、実はそれだけではございません。例えば電子製品であるとか、医薬品・医療用機器といった特定分野については、関税の撤廃ないし削減を前提として、フォーミラとは別に関税撤廃を目指した交渉を行う。分野別関税撤廃、セクトリアル・アプローチと言っておりますけれども、別途オンする、つまり通常の関税障壁の機械的な削減の幅のほかに、ある分野を特定して一括して撤廃又は削減するというものです。このアプローチへは任意の参加であるということであります。日本は典型ですが、日本ではこれらの品目の関税はほぼゼロでございますから、主に途上国に対して先進国が攻めている構造です。具体的には、アメリカが攻めている構造でございまして、分野別関税撤廃のアプローチについて、例えば中国やインドといったいわゆる新興経済国に対して強い要求水準が出ています。それは、恐らくアメリカの現下の製造業の窮地という中で、強い主張となってあらわれていて、分野別関税撤廃の交渉で大きな成果を上げてほしいというのがアメリカ国内で強くなってきているということではないかと感じております。
話が長くなりましたけれども、服部先生の質問にお答えするとなると、1にSSM、途上国の農産物の特別セーフガード措置、2に米国の綿花補助金、3に鉱工業品の分野別税撤廃の話であるということでございます。
以上が各論で大きな問題となっているものですが、他方で11月15日のG20金融サミットなり、22日のAPEC首脳会合等で総論としてモダリティ合意に向けた政治的意思も強まっております。これが現在の状況でございます。
○赤尾委員日本にとって農業で特に重要品目の数4+2%となっている部分について、これを8%にするというのが一番大きな問題のように報道されておりますけれども、この重要品目の数が大きな問題なのは日本だけなのか、あるいはここに書いてあるインドとかEU、あるいは韓国なども同じかなという気がするんですけれども、同じような立場の国というのはあまりないんですか。
○藤岡関税局長今、私どもが承知している限りでは、8%を主張しているのは日本だけではないかと存じます。カナダについても大きな問題となっていて6%を認めるよう主張をしておりますけれども、今、承知している限りでは、8%で主張しているのは日本だけではないかと思います。
○中山分科会長ほかにございませんでしょうか。
それでは、2つ目の議題に移りたいと思います。平成21年度関税改正検討項目でございます。暫定税率等の適用期限の延長等につきまして、松村関税課長より説明をお願いいたします。
○松村関税課長資料2−1と2−2で御説明させていただきたいと思いますが、恐縮ですが、まず資料2−2の1ページをお開きいただきたいと思います。この表を御説明した後、資料2−1に戻りたいと考えます。
関税率につきましては、御案内のとおり内外価格差や真に必要な保護水準を勘案した長期的な視野に立った関税率としての基本税率というのがございまして、これは関税定率法に定めているわけでございます。一方、その時々の内外の社会経済情勢や国内の産業事情等に応じて機動的に対応できるように暫定税率というものを設けておりまして、これについては関税暫定措置法において措置をしているわけでございます。その暫定税率の設定している理由というものを大別いたしまして整理したのがこの表でございます。
今回お諮りしようと思っている品目数としては、右下にございます415品目でございますが、この暫定税率を設定している理由について整理したものでございます。
まず@でございますが、ただいま御説明いたしましたけれども、現在行われておりますWTOラウンド交渉の結果を見極める必要がある品目ということで、右側に品目が並んでおりますが、合計しますと372品目ということで、全体の約9割、ほとんどのものがやはりラウンド交渉の結果を見極めて、それを踏まえて見直しをしていくべき品目であるということでございます。後で申しますが、Aのものもまた対外的な国際約束を理由としておりますので、これも合わせますと対外関係から暫定税率にしているものがほとんどという状況でございます。
その@の中身でございますけれども、関税割当、これはウルグアイ・ラウンドの合意時に導入されたものとその前から従来品目として導入されているものと、88品目と66品目、合わせて154品目がそれでございます。
さらに、国家貿易品目というのもウルグアイ・ラウンド合意時に導入された措置でございますが、これらにつきましてはまさにドーハ・ラウンド交渉で今後モダリティがどういうふうに決まっていき、それを受けて重要品目に何が入ってくるかといったようなことによりまして関割品目にも影響してくるというものでございます。
4つ目のウルグアイ・ラウンド時における関係国との協議の結果に基づいて自主的に関税を引き下げているもの、牛肉、豚肉などでございます。輸入が急増した場合には譲許税率まで引き上げられるようにということで暫定税率を設定しておりますが、これもウルグアイ・ラウンド時における関係国との協議によるものでございまして、今回の交渉の結果を見極めていく必要があるということでございます。
その次の糖類につきましては、関税のほかに調整金を取っておりまして、それで国内生産者支援に充てているわけでございますけれども、譲許自体は関税プラス調整金の合計で譲許しておりますので、調整金の水準を必要に応じて変動させるためには、関税の部分を動かし得るように暫定税率にしているというものでございます。これも同様にドーハ・ラウンド交渉で譲許税率がどうなるかということを見極めて、また対応が必要、見直しをしていく必要があるということかと思われます。
それから、WTO上、非譲許のものなどでナフサなどがございますけれども、これにつきましてはNAMAの非農業の方の交渉で今後譲許対象とされていく可能性もございますので、交渉上不利にならないようにということで今引下げについては暫定税率にしているものでございまして、今後の交渉いかんによってまた見直しをしていかなくてはならないということでございます。
Aのカテゴリーは、本来国内産業の保護が必要でございますけれども、対外的な国際約束を履行するために暫定税率で税率引下げをしているというものでございまして、日米合意に基づいて紙巻たばこの税率を引下げている、あるいはWTOパネルの代償措置として酒の税率を引き下げているということで、本来の保護水準である基本税率とは別に国際約束を履行しなくてはならないという観点で税率を引き下げているというものでございます。
3つ目のカテゴリーは、スライド関税、たまねぎや銅などがそれでございます。スライド関税というのは御案内のとおり価格が低いときには生産者保護、価格が上昇したときにはユーザーの負担を軽減すると。そのために税率を変更させる価格、これは無税点と称しておりますが、無税点を設定して、さらに急に税率が変わらないように徐々に税率が下がっていくような価格帯、これがスライド部分になるわけですが、それを設定しているものでございます。これにつきましては品目が、価格変動が大きいものということで市場価格の動向を踏まえて機動的に無税点の部分を見直していく可能性があると。実際にもこれまでそれぞれ見直しを行ってきておりますが、そういう機動的に動かす必要があるという理由から暫定税率にしてきているものでございます。
4つ目のカテゴリーは、個別の政策上の要請がある品目ということで、バイオETBEはガソリンの添加剤ですが、昨年暫定で無税化いたしておりますけれども、これなどは環境政策の動向ですとか、あるいはバイオ燃料の国内生産の状況、あるいは食糧問題との関係など諸情勢を踏まえて柔軟に対応できるように暫定税率としているというものでございます。
以上を踏まえまして、資料2−1の1ページにお戻りいただきたいと思います。平成21年3月31日、来年3月末に適用期限が到来する暫定税率、417品目あるわけでございまして、それらにつきまして私どもとして1品目ずつ、ただいま申し上げたような形で精査をしてまいりましたけれども、その結果といたしまして、前回御説明いたしました絹紡糸、絹紡紬糸を基本税率にして無税化することをお諮りいたしましたけれども、その2品目を除く415品目につきましては、ただいま御説明いたしましたとおりWTOラウンドの交渉状況を見極める必要等々の理由から暫定税率の適用期限を1年間延長する必要があると考えているところでございます。
2は税率以外の暫定措置の延長でございます。2つございまして、1つはWTO農業協定に基づき導入されました特別緊急関税制度、SSGと称しているもの、それから主要輸出国との協議の結果に基づく牛肉、豚肉の関税の緊急措置、セーフガード措置でございます。これらは、当初農業協定の実施期間に合わせまして平成12年度まで適用するものとされておりましたけれども、その後、農業貿易のあり方についての新たな合意が成立していない中でこれらの措置をどうしていくのかを含めましてラウンド交渉の議論を踏まえて見直し対応を検討していくということでございまして、平成13年度以降、毎年度適用期限を延長してきているものでございます。
SSGでございますが、Aにございますように、御案内のようにウルグアイ・ラウンドで関税化された農産品につきまして、数量ベースのSSG、あるいは価格ベースのSSGを設けているものでございまして、30品目ございます。実際の発動も、これは資料の御説明は省略いたしますが、資料2−2のほうに発動実績を載せておりますが、毎年毎年何品目か発動がなされているところでございます。資料の4ページから6ページにございますので、後ほどご覧いただければと思いますが、これらにつきまして、この制度の適用期限を1年間延長したいと考えてございます。
2ページでございます。牛肉、豚肉の関税の緊急措置、これも同様でございますけれども、Aの制度の概要にございます。牛肉、豚肉に関する緊急措置は、我が国が譲許水準を下回って実質的に引き下げることの代償といたしまして、牛肉につきましては輸入量が増えた場合に38.5%から譲許水準である50%まで戻せると。豚肉につきましても、輸入量が一定量増えますと、分岐点価格を譲許水準まで戻すというものでございまして、これらにつきましても今後のラウンド交渉の結果を見極める必要があるということで1年間延長するものでございます。
(3)でございますが、今申しました牛肉の関税の緊急措置につきましては、さらにその特例措置というものを18年度から行ってきております。それをさらに延長したいというものでございますが、制度の概要にございますように、牛肉に係る緊急措置、今申し上げましたように前年度の輸入量の117%を超えますと、税率を38.5%から譲許水準の50%まで戻すというセーフガード的な措置でございますけれども、これにつきましては平成15年12月にアメリカでBSEが発生いたしまして、米国産の牛肉が輸入停止になったために平成16年度の輸入が減少いたしまして、その結果、平成17年度の発動基準数量が低下したということでございます。他方、平成17年12月には、米国産牛肉の輸入再開ということがございましたので、そういたしますと、発動基準数量が下がった中で輸入を再開することによって簡単に基準数量を超えて割増し関税が発動されてしまうということが予想されたものですから、そこで発動基準数量を算出する際の基礎となる輸入数量を、通常のルールですと前年度をとっておるわけですけれども、平成18年度におきましてはBSEによる米国産牛肉の輸入停止がなされる前の平成14年度と平成15年度の輸入実績の平均をとるという特例措置をとったわけでございます。平成18年度以降本年度まで、その特例措置を続けてきているわけでございますが、平成21年度につきましても、前回農水省より御説明いたしましたように、牛肉の輸入や供給、あるいは価格の動向につきまして現状大きな変化は見られないところでございますので、この特例措置をもう1年延長したいというものでございます。
御説明は以上でございます。
○中山分科会長ただいまの説明につきまして、御質問、御意見ございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、次に特恵国別適用除外措置及び国別・品目別特恵適用除外措置につきまして、松村関税課長から説明をお願いいたします。
○松村関税課長資料3−1と3−2で御説明させていただきますが、まず3−1の1ページをお開きいただきたいと思います。
特恵適用の除外措置でございますが、1にございますように、特恵につきましては毎年度基準に照らしまして適用の見直しを行っているわけでございまして、所得水準の上昇による高所得国について除外をする、あるいは国際競争力の程度によって国別・品目別の特恵適用除外を行ってきているところでございます。
まず高所得国の除外でございますが、本年はサウジアラビアでございます。現在、我が国の特恵関税制度の受益国・地域といたしましては141カ国・14地域が指定されてございますが、このうちサウジアラビアにつきましては除外する基準を満たしましたことから、除外したいと考えております。
除外基準というのは、注1にございますように、当該年度の前年までの3カ年の世銀統計で連続して高所得国に分類されている国・地域ということで、資料3−2の1ページでございます。
2の特恵卒業の「※」にサウジアラビアの1人当たり国民総生産が出ておりまして、括弧内が世銀の高所得基準でございまして、3年連続でこれを超えているということで、卒業ということでございます。
3にサウジアラビアからの輸入実績を載せておりますが、85%が原油ということで無税になっておりますので、表にございますように、実際には特恵税率を使って入ってきているものはごくわずかであったということでございます。
サウジアラビアが今ごろ特恵の対象から卒業するというのはやや意外な気もいたしますが、2ページに全くの御参考でございますが、各国におけるパーキャピタ、所得水準を載せております。一番上にございます世銀の水準を超える、それが3カ年続きますと卒業基準に該当するということでございまして、網かけのところにサウジアラビアがあって、3年連続超えているということでございます。一番左の欄に「○」がついているのが特恵対象国ということで、トリニダード・トバゴとかオマーンは直近年では超えているわけですけれども、まだ過去2年間については、3年のうち2年まだ超えていない年があるということで、だんだんそういったところが増えてくることになるんだと思います。
3ページ以降では、世銀の統計で高中所得国の分類、低中所得国の分類がございますので、御参考までにつけさせていただいております。
本文に戻ります。資料3−1の1ページでございますが、4.国別・品目別特恵適用除外措置でございます。先ほど申しましたように、産品の国際競争力等を勘案いたしまして、国と品目を指定して特恵適用除外を行うことが可能となってございます。その適用除外基準を満たすもののうち、以下の4品目につきまして、21年度につきまして適用除外措置を適用することを考えてございます。
適用除外措置基準といいますものは、注2でございますけれども、当該品目について2年連続して当該受益国からの輸入額が我が国の総輸入額の50%を上回り、かつ輸入額が10億円を上回るということで、そこまでの競争力があるものであれば、もう特恵は必要ないのではないかということで、この基準に該当いたしますものをまず選定いたします。実際にはこの基準を満たすものであっても、国内での生産がないとか、あるいは国内産業への影響がないというものにつきましては、何も特恵を除外して高い関税率で入れる必要はないわけでございますので、そうした除外する必要がないものにつきましては適用除外を行わないということで選別してまいりまして、最終的にやはり国内産業への影響があるというもの、これは4品目でございますが、それにつきまして除外を行うということで、@からCにございます、たらなどの魚の調製品、あさりなどの調製品、それから茶碗のようなものでございますが、陶磁製の食卓用品、それから布団・寝具ということで、いずれも中国産のものでございます。
5でございますが、資料3−2の8ページをご覧いただきたいと思います。ただいま4品目の適用除外を御説明いたしましたが、この適用基準につきまして、内容的に実態が変わるものではございませんけれども、少し要件の明確化ということで見直しをさせていただきたいというものでございます。上の枠にございますように、適用除外措置の基準につきまして、暫定措置法におきましては本邦の産業に与える影響その他の事情を勘案し便益を与えることが適当でないと認める場合は適用除外を行うということでございますが、この内容を明確化し、運用の一層の透明化を図りたいということでございます。
現行でございますけれども、左の枠です。実は平成14年12月に当審議会で答申をいただいてこういう基準を設けているものでございますけれども、まず@とAの要件、対世界シェア50%超、それから2年連続で10億円超がまず適用除外の対象となる。それに対して例外規定で、先ほど申し上げましたように、国内生産の有無や国内産業への影響を勘案すると、あまり影響がないものについては特恵除外措置を行わないという形で、例外措置で抜いてきているということだったわけですけれども、この場合に実際に生産しているのかどうかも当局、あるいは物資所管省としてもなかなか把握できない場合も多いわけでございますし、また生産していることはわかっても、それが特恵品目によってその産業に影響があるのかどうかというところも、@、Aの基準を満たしたものすべてにわたってそこを明確に確認するというのはなかなか、実際上は難しいものがあるというのが実態でございました。
改正案でございますけれども、50%超と10億円超というところは同じでございますが、その中でさらに除外する必要性が認められるものとして、次に掲げる条件にいずれにも該当する品目は除外を行うということで、@として直接競合する物品の国内生産事実が認められること、それからA産業に与える影響を把握できることということで、要するに現行は例外規定でネガ要件として抜いていたものを明確にポジ要件として、事実が認められ影響が把握できる場合にこれを除外するという形で書くようにしたいということで、内容が実態として変わるわけではございませんが、こういった形で明確化を図りたいと考えているものでございます。
以上のことを文章にいたしましたのが資料3−1の5でございまして、内容は省略いたします。
以上でございます。
○中山分科会長ただいまの説明につきまして、御質問、御意見ございましたらお願いいたします。
○赤尾委員こういう場合は、例えばサウジアラビアとか、今、中国が4品目ですか、こういうのは決めてから相手国政府に連絡されるのか、相手国との関係ではどういうふうにしておりますか。
○松村関税課長決めてから相手国に連絡いたします。
○中山分科会長ほかによろしいでしょうか。
それでは、次の議題に移りたいと思います。国際競争力強化のための通関手続の特例措置の拡充につきまして、岸本業務課長より説明をお願いいたします。
○岸本業務課長それでは、資料4−1、資料4−2に基づきまして御説明させていただきます。資料4−1が本文でございまして、資料4−2は参考資料でございます。
まず本文をごらんいただきたいと思います。製造者のAEO制度の導入について御説明させていただきます。
1の(1)でございますけれども、平成13年(2001年)9月に米国で同時多発テロがございました。それ以来、税関手続に関しましては大きな影響を受けまして、近年AEO制度を導入して押し進めるというのが世界の税関当局の潮流になっております。
AEO制度と申しますのは、そこに書いてございますようにAuthorized Economic Operatorのことでございまして、訳しますならば認定事業者と申しましょうか、事業者を認定する、認定された事業者制度ということでございます。貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された信頼される事業者を税関当局が認定しまして、認定された事業者、AEOと申しますが、それに関する税関手続を迅速化・簡素化しようという制度でございます。その目的とするところは、貿易の安全確保をしっかりやろう、しかし、貿易の円滑化も同時に達成しよう、その両立を図るというのがこのAEO制度の目的でございます。
国際的な潮流になっていると申しましたが、その様子を示したものが別添の資料4−2の1ページの年表でございます。AEO制度に係る各国の動向という年表をごらんいただきますと、平成13年(2001年)9月にアメリカで同時多発テロがございました。それをきっかけにして、まず直接の当事国でありましたアメリカがこのAEO制度を早々に導入いたしました。アメリカではAEO制度のことをC−TPAT制度、カスタムとトレードのパートナーシップと呼んでおります。C−TPAT制度を2002年から導入し、この制度が2006年に法律によって裏づけられた経緯がございます。こういった動きも踏まえて、世界税関機構、WCOと呼んでおりますが、ここでは2005年6月に国際貿易の安全確保と貿易の円滑化のための基準を定めようということで、「国際貿易の安全確保及び円滑化のための基準の枠組み」というガイドライン文書を採択しております。ここでAEOの概念が世界的に共有されたわけでございます。翌2006年にAEOについてのガイドラインも採択したわけです。
こういったガイドラインを踏まえまして各国で導入が進んでいったわけですが、例えばヨーロッパでは、ECでは2005年に関税法を改正してAEOの規定を創設し、それが2008年1月から実施されております。
日本では、平成13年(2001年)から輸入について、コンプライアンスのいい事業者の税関手続を簡素なものにする簡易申告制度があったわけですが、AEO制度というのはしばらくなかったわけでございます。2006年に、ちょうどWCOでガイドラインが整備されている時期に、軌を一にいたしまして日本でも輸出者についてまずAEO制度を2006年3月に導入いたしました。それから、ただいま申しました輸入についての簡易申告制度を衣がえする形でAEOの輸入者制度を2007年から導入しております。そして、2007年秋には倉庫業者についてのAEO制度を導入し、それから2008年4月には通関業者、あるいは運送業者についてのAEO制度を導入しました。こんなぐあいにAEO制度の整備を世界とともに進めてきている状況にございます。
そこで、資料の2ページをごらんいただきたいと思いますが、ただいま申しましたように、日本ではAEO制度を順次拡充してきていて、そこにございますように各種のAEO制度が並び立っているわけでございます。しかし、AEO制度というのは川上から川下までサプライチェーンに参加している事業者がそれぞれにAEOであることでもって安全確保の効果が高まることがございますものですから、サプライチェーンに参加する事業者がみんなAEOになり得ることが望ましいと考えられております。
そういう観点から見ますと、一番右側に色をつけて書いておりますが、製造者についてAEO制度が従来なかった。ここが若干欠けているのではないかという指摘がなされるようになってきたところでございます。
こういうような状況を背景にしまして、一番上に書いてございますように、この8月でございますが、貿易手続改革プログラムという政府全体の貿易手続の改革の計画文書があるわけですが、その審議の中でそういう議論がなされまして、そこに書いてございますように、サプライチェーン全体のセキュリティを強化する観点から製造業者の取り扱いについても検討を行おうということが決まったわけでございます。この製造者のAEO制度が導入されれば、サプライチェーン全体のセキュリティ強化という観点からサプライチェーン全体がカバーされていくのではないかという問題提起であったわけでございます。
資料の3ページと4ページは、このことに直接関係するわけではございませんが、AEO制度が各国で整備されていきますとAEOの相互承認にもつながっていき得るということをお話し申し上げるためにつけた資料でございます。各国でAEO制度が導入されていきますと、それぞれの国のAEO制度をお互いに承認し合って、それぞれの国のAEOを相手国でも尊重して、税関手続について一定の配慮を行うことが可能になる。そういうことを行うことによって貿易の安全確保と円滑化という効果が一層高まっていくだろうというのが相互承認の考え方でございます。日本とニュージーランドはこの5月に相互承認に合意して、10月から実施しております。またアメリカやEUとも現在協議を続けているところでございます。そのほかの国ともいろいろな勉強を進めている状況にあるわけでございます。これは御参考でございます。
本文に帰っていただきまして、本文の1ページに書いてありますところの下半分を別添資料に基づいて御説明申し上げたところでございます。
本文の2ページに入っていただきまして、そういうことでございますものですから、製造者についてのAEOの制度を導入してはどうかということを考えるわけでございますが、そこで、ちょっとこの2ページの議論は若干技術的な点に入るわけでございますけれども、どのように製造者のAEO制度を構築しましょうかというのが2ページの2でございます。これも参考資料の5ページに図があるものですから、それとあわせてごらんいただければと存じます。
AEO製造者制度の導入という3段に区切った図が5ページに書いてございます。まずこれは御案内のことでございますけれども、一番上の段が普通の輸出申告がどういうぐあいになっていますかということでありますが、輸出者が貨物をコンテナヤード、保税地域に搬入して、それから輸出申告をして、輸出許可を受けて、船積みをするというのが通常の制度でございます。
AEO輸出者制度は中の段に書いておりますが、これはどういう制度かといいますと、AEO輸出者として認められた輸出者は、貨物を保税地域に搬入する前に輸出申告ができる。そういうことで手続簡素化の効果が得られる制度としてつくっていただいて、現在運用しているところでございます。
そこで、一番下の今回のAEO製造者のことでございます。製造者というのは従来関税法上は必ずしも明確に意識されていた存在ではなくて、輸出者の影に隠れていたわけでございます。もちろん製造者が直接輸出者になるという場合は、真ん中の段の従来のAEO輸出者の制度で対応できるわけでございますので、それでかなりの程度の製造者はAEO輸出者として認められればAEOとなっていたわけでございますが、輸出者の影に隠れているような製造者についてもAEOになれるようにしようというのが一番下の段でございます。
その考え方は、貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された製造者として認定されたAEO製造者、そういう製造者が製造した貨物をAEO製造者が輸出者に直接渡します。輸出者と一体となって貨物の管理をきちんとやる。そういうことを前提にして、必ずしもAEOとは認められていないような輸出者が保税地域に搬入する前に輸出申告を行えることにしようではないかというのが今回の提案でございます。従来のAEO輸出者の制度に倣って制度を構築しているわけでございますが、製造者が直接輸出しないで、例えば商社を介して輸出することもまま見受けられるところでございます。製造者が自分で得意な販路を有している国に輸出するときにはみずから直接輸出することは多いわけでございますが、他方において、商社の販路を利用したほうがうまく輸出ができる場合も多々あって、そういう場合にはそういう第三者を介して輸出することもまま見受けられるということでございますので、こういったビジネスモデルも社会的に存在するようでございますから、それにも対応できるようにしたいということでございます。
本文に戻っていただきまして、3の検討内容でございますが、今技術的なことを申しましたけれども、そこをまとめたものが最初の6行でございます。製造者をAEO制度の対象に加えて、貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された製造者を税関長がAEO製造者と認定することができることとしたいということでございます。そして、AEO製造者の製造した貨物に係る特例措置として、輸出者がAEO製造者からその製造した貨物を直接に取得して輸出する場合に、貨物保税地域に搬入する前に輸出申告を行うことができることとしたいということでございます。
制度の詳細はそういうことでございますが、眼目とするところは最後の2行でございまして、これによってサプライチェーン全体にわたるAEO制度の構築が完結すると私ども考えておりまして、サプライチェーンの川上から川下までいろいろな人がみずから希望する場合には手を挙げて、AEOとして認定され得るような制度をつくって、そういう受け皿を用意しておきたいということでございます。
説明は以上でございます。
○中山分科会長ただいまの説明につきまして、御質問、御意見ございましたらお願いいたします。
○犬伏委員すごく素人の発想ですけれども、今の御説明ですと、製造者を認定できたら、商社なり輸出者そのものは認定されていなくても直接荷物を受け渡しされている限り認定されたと同じように扱うというお話ですよね。人間古くなってくると悪いことを考えるものですから、そこにまたいろいろな逃げ道、サプライチェーンと言うんだったらそれぞれ輸出者もちゃんとAEOを取ってもらうのが本来で、そうではないところを置くということは何か起こらないでしょうかという疑問です。
○岸本業務課長御指摘のとおりでございまして、輸出者自身は現在、ただいま御提案しましたAEO製造者制度では、輸出者はAEOではない人であるというのが前提でございます。輸出者が、例えば商社がAEOをみずからお取りになることはもちろん望ましいことでありまして、ぜひそうお願いしたいわけでございますが、そういう場合には従来の制度であるAEO輸出者制度がそのまま利用できるということでございます。それであったとしても、まさにおっしゃいますとおり製造者がAEOをお取りになる、商社もAEOをお取りになる、みんなAEOを取るというのがサプライチェーン全体がAEOでつながるという考え方でございまして、運用としてはぜひそういう方向でやっていきたいと常々思っているわけでございますし、また経済界においてもAEOがサプライチェーン全体としてつながっていることが望ましいという認識は経済界の方々もお持ちでいると理解しております。
今の問題でございますけれども、しかし、制度上としては新しくAEOの製造者をつくるということでございますと、従来のAEO輸出者の制度で足りている場合に重ねてつくるわけにもまいらないという事情もございます。御懸念の輸出者が仮に悪い人だったらどうしようかということでございまして、そこがこの制度の、まさに私どもが工夫をしなければならない点だと思っております。十分その御指摘を踏まえて検討していきたいと思いますが、私ども今考えておりますのはAEO製造者がまさにそういうしっかりした人で、しっかりした会社で、輸出者と一体となって貨物の管理を適正にやっていくという、そういう前提でこういう制度をつくっていきたい。そのやり方はいろいろあろうかと思いますけれども、AEO製造者が輸出者としかるべく体制を構築して、貨物の管理に抜けがないようにしっかりした体制をつくるといったようなことを確保することをチェックしたいと考えております。御指摘を踏まえて、しっかりした制度にしたいと思います。
○圓川委員サプライチェーン全体のAEO制度が完結するといったことは非常にいいと思うんですけれども、セキュリティという面からいいますと入ってくる荷物、事前情報ですね、アメリカでいいますと24時間ルールに相当するもの、これについて今後どういうふうに考えていかれるのか、あるいはこのAEO制度との関連ですね、その辺どういうふうになっているんでしょうか。
○岸本業務課長海上貨物について申しますならば、海上貨物、日本に到着する24時間前までに貨物情報を提出してくださいというのが日本の制度になっております。御指摘いただきましたように、事前情報を活用してあらかじめ貨物の安全性をしっかりチェックしていくというのは非常に重要な考え方だと思います。世界的にもやはり事前情報の活用というのは、このAEO制度と並んで貨物の安全確保のための重要な柱になっておりまして、先ほど申しました世界税関機構の「基準の枠組み」という文書がございますけれども、そこでもやはり事前情報の活用というのはこのAEO制度と並んで非常に重要な柱になっております。まさに御指摘のとおりでございます。諸外国では、事前情報をもっと早い時期に、日本のように到着24時間前ではなくてもっと早い段階で事前情報を出しなさいという国もございますし、そういう動きが広がっていくような感じもしております。では日本はどうするのかということでございますが、現在到着24時間前に情報をいただくということで、必ずしも具体的に何か問題を感じているという状況ではございません。早く情報をとることがどういう効果をもたらすのかということと、それが事業者の方にどれだけの負担をおかけするのかということをよくバランスして、世界の状況なんかも見極めながら検討していかなければならない課題だと思っておりますし、御指摘の点については私どもとしても深い関心を持っております。
○圓川委員到着24時間前というのは義務化されているんですか、今。
○岸本業務課長到着24時間前は義務です。
○圓川委員電子情報でほとんど来るわけですか。
○岸本業務課長はい、電子情報でいただきます。
○原審議官補足しますと、できるだけ電子情報でいただきたいと思っておりますけれども、小さな船等そうしたところはなかなか電子情報では、今のところ入っていないという実情でございます。
○犬伏委員つまらないことばかりお聞きしてしまうんですけれども、先日事故米がありましてお尋ねしてしまったんですけれども、輸入されてくる、安全というのは恐ろしいテロというものだけではなくて、食の安全みたいなものがありますね、健康、この間の事故米のような感じで。事前にコンプライアンスがよい企業である、これは大丈夫なところが運んでくれた、商社がちゃんとしているというのがありましたというときでも、検疫そのものはスルーするわけではないんですよね。きちんとされるということですね。そのときに、ここは大丈夫なところだから手続を早くして、輸入なら輸入してあげなくては、輸出なら輸出してあげなくてはという話になってしまうと、そこのところが、検疫が緩んでしまうということはないのかなというおそれを1つ感じましたのと、もう1つ、輸入のほうですが、輸入されたものがこの前の事故米のように検疫で不適になったとき、このサプライチェーンという部分が輸入業者の場合でもきちんとされるといいなという気がしたんです。輸出でも輸入でも、名前を言っていいのかどうかわかりませんが、三笠フーズさんという1つの企業があって、ここは信用できていました、だからそこにお米として使ってもそうではないように使ってもいいからあなたに渡したという話になっていたのかなという気がしてしまうんです。先ほどの輸出者というところ、商社であったり会社に、ここは自分のほうでは安心している、大丈夫だと思ったから、その当人はちゃんとAEOを取っていました、でもこの会社はそうではなかったということもあり得るのではないかと。そうすると、せっかくのサプライチェーンというのを出していても、あるいは逆に輸入のところでも、それが書類だけではなく、きちんと追いかけられる、非工業用だったら、食用でなかったら、工業に行った先はどこなのかということがわかるような感覚が欲しいという気がしてしまうんですけれども、幼稚なことで申しわけないんですが。
○岸本業務課長ただいま2点御指摘いただきましたが、まず第1点の輸入の場合のAEO制度と事故米などを中心とします検疫の関係の問題でございます。AEO制度の輸入のケースでございますけれども、この場合、私どもとして外国から貨物が入ってきたときに、AEOとして認定されている輸入者が輸入申告してきたような場合にどうするかということでございますが、税関の関係では税関手続について一定の優遇をしてあげるというのがAEO制度の趣旨でございます。他方、検疫については、よその役所のことでございますものですから、そこについてはAEO制度の範囲が及びませんで、それぞれの役所がしっかり自分の観点から判断されています。たとえAEOであってもなくても、そこは税関の制度でございますものですから、よその役所を拘束するものではございませんので、よその役所は自分たちの観点から適正な判断をされていると考えています。関税法令以外の法令についての水際手続については、これはAEO制度の対象にはなっていないわけでございます。
第2点のサプライチェーンというのであれば、一たん国内に入ってきた後の最後の、消費者の口に入るまで、そういうサプライチェーンの先についても目配りができないものかという御指摘でございます。確かに行政全体としてはそういう、いったん水際でこれは非食用ということで入ってきたものが最終的に食用に転用されるというようなことがあると、政府全体としては大きな問題だというぐあいに考えますけれども、税関としては輸入で、水際に届いて輸入許可をして国内に入るところまでが税関の担当分野でございますものですから、サプライチェーンといいましても、どうしてもそこまでというのが従来の私どもの考え方でございまして、適正に輸入がなされることをもって税関としての使命を果たしているのではないかと考えております。それが関税法令以外の法令に違反しないことを税関が担保するということは、行政を分担してやっている者としてはちょっとでしゃばり過ぎかなという気がしないわけではないなというのが感想でございます。
○中山分科会長ほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
予定されている時間も過ぎておりますので、それでは以上をもちまして本日の関税分科会を終了いたします。
次回の関税分科会につきましては、前回事務局から御案内のとおり今週金曜日、12日午後0時からこの第3特別会議室で開催いたしまして、当審議会としての答申を決定したいと思いますので、委員の皆様におかれましては出席のほどよろしくお願いいたします。
本日は御多用中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございました。以上をもって終了いたします。
