関税・外国為替等審議会 第20回外国為替等分科会議事録
関税・外国為替等審議会
第20回外国為替等分科会議事録
平成25年6月13日(木)
財務省 国際局
於 財務省第3特別会議室
(本庁舎4階)
関税・外国為替等審議会 第20回外国為替等分科会
午前11時37分開会
○大石調査課長 それでは、時間となりましたので、少し遅れまして申しわけございません。ただいまより第20回外国為替等分科会を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多用中のところ、総会に引き続き御出席いただきまして、ありがとうございます。
私は本分科会の事務局を務めます国際局調査課長の大石でございます。引き続きよろしくお願いします。分科会長が選任されるまでの間、議事進行を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
外国為替等分科会の委員の名簿につきましては、お手元にお配りしておりますけれども、総会におきまして既に委員の皆様を御紹介させていただきましたので、この場では省略させていただきたいと存じます。
それでは、早速でございますけれども、議事に入らせていただきたいと存じます。
まず、委員の皆様方に分科会長の選任をお願いいたしたいと存じます。関税・外国為替等審議会令第6条第5項の規定に基づきまして、分科会長の選任につきましては委員の互選によることとされております。どなたか分科会長としてふさわしい方を御推薦いただくようお願いできませんでしょうか。
それでは、小川委員、よろしくお願いします。
○小川委員 伊藤隆敏委員を推薦させていただきたいと思います。
○大石調査課長 ただいま小川委員から伊藤隆敏委員を推薦する御提案がございました。皆様、いかがでございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
○大石調査課長 皆様方の御賛同がございましたので、伊藤隆敏委員が外国為替等分科会長に選任されました。それでは、伊藤分科会長、恐縮でございますが、こちらの席にお移りいただけますでしょうか。
(伊藤分科会長 着席)
○大石調査課長 それでは、以後の議事進行は伊藤分科会長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○伊藤分科会長 外国為替等分科会長を仰せつかりました伊藤隆敏でございます。皆様方の協力を得まして、本分科会の円滑なる運営に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
早速ではございますけれども、分科会長代理につきましては、関税・外国為替等審議会令第6条第7項におきまして、分科会長が指名することとされております。分科会長代理は小川英治委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
続けて、外資特別部会に属すべき委員の先生方、臨時委員、専門委員及び部会長の指名を行わせていただきたいと思います。これも関税・外国為替等審議会令第7条第2項及び第3項によりまして分科会長が指名することとなっております。外資特別部会の所属につきましては、お手元にお配りしてございます資料2のとおりにさせていただきまして、部会長は奥田英信委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
それでは、引き続き事務局からの報告事項につきまして、仲審議官より御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○仲審議官 審議官の仲でございます。時間が押しておりますので、手短に最近の国際金融情勢の中のアジア諸国との金融協力、それから経済制裁ですとかマネロンとか、国際金融上の動きを簡単に御説明させていただきます。
資料3をまずお開きいただきまして、1ページ目に、アジア通貨の対ドルレートの推移を書いてございます。ここしばらくアジア諸国は、先進国の金融緩和について、資本の流入を気にしておりましたが、ここへ来て少しフェーズが変わっております。先ほどの総会でも話がありましたように、アメリカの量的緩和のテーパリング・オフ・シナリオが市場で話題となっていく中で、新興国--これは別にアジアに限りませんが、世界各国の新興国の通貨が対ドルで下落する傾向が出ており、これに対して、介入という形で自国通貨を防衛したりする国もあると報じられています。また、月曜日に対ドルレートで1万を超えましたインドネシアにおきましては、金利を引き上げたり、あるいは長年の国際収支上の重みになっておりました燃料の補助金について何らかの対策を打っていこうといったような動きが出ております。少しこういった動きについては注目していかなければならないと考えています。
2ページは、総会でも既に紹介がありましたので、中国につきまして1点だけつけ加えさせていただきます。中国は今、景気減速がいろいろ問題ということで語られておりますが、2013年第1四半期の実質経済成長率は、前年比で見ますと7.7%の成長なのですが、中国は最近、前期比も発表するようになっていまして、そちらの年率換算を単純にすると6%台になるということで、より減速感が出てくるような数字が見てとれる点を1つだけ指摘したいと思います。
3ページは省略させていただきまして、4ページにチェンマイ・イニシアティブの話がございます。御承知のとおり、昨年5月にマルチ化されたチェンマイ・イニシアティブについて、資金規模の倍増、危機予防機能の導入、それからIMFデリンク部分の拡大を決定しておりますが、今年5月のASEAN+3の大臣・中央銀行総裁会議では、このCMIMの契約書の改訂について正式に合意に至っておりまして、昨年の合意事項が形になっております。
次いで5ページでございますが、ASEAN+3のマクロ経済リサーチオフィス(AMRO)につきましては、これも先ほど総会で御紹介がありましたように、今年5月の大臣・中銀総裁会議で決定された事項として、AMROを国際機関にする。現在はシンガポールの法人という形になっておりますが、国際機関で正式に法人格を国際取り決めによって与えるということで、AMROの活動が市場からの信認を得やすいようにしていきたいと考えております。
続きまして、6ページでございますが、アジア債券市場育成イニシアティブに関してでございます。これは従来からいろいろなことをやってきておりますが、一番下の欄の本年5月までの最近の動きとして、アジアの自国通貨建ての債券を保証するCGIFがこの4月にようやく1号保証案件を成立させたということでご報告をしたいと思います。具体的には、香港系の農産物を取り扱うような商社がございますが、そこがタイのバーツ建てでボンドを発行し、それをCGIFが保証したということで、市場では非常に好感を持って受け止められ、きちんと消化されました。ABMIの関係では、実は今年7月後半ですが、東京でABMF(債券市場フォーラム)を開催する予定にしております。こういった場を通じて、私どもは日本もアジアの中の債券市場育成に力を尽くしていることや、あるいは日本自身がアジアの中の貯蓄をつなぐということで、そういった市場機能を提供していきたいといった話をしていきたいと考えています。また、この場ではタイと市場参加者との直接対話の場も併せて設けるように考えております。これまでマーケット関係者との集まりというのは、当局者もいろいろな国がいて、マーケット参加者がいるという形だったのですが、特定の国ごとにやれば、その国の資本市場についての改革の要請をマーケット側から直接伝えることができることでさらに一段と改革が進むのではないかということで、新しい取り組みとしてまずタイを先駆けにいたしますが、個別国の当局者と市場参加者の対話の場をつくっていきたいと思っています。
それから、9ページになりますが、御承知のとおり、我が国は中国などと二国間の金融協力を進めておりまして、財務対話、あるいは中国とであれば人民元と円の直接取引などといった金融協力を具体的に進めてまいりました。私どもとしてはこうした枠組みをASEANの国々ともつくっていきたいということで、インドでADBの総会があった際に、日・ASEAN財務大臣・中央銀行総裁会議を開催いたしまして、ASEAN各国との金融協力の強化についてその可能性を探っていくことにコミットをしております。具体的には、ASEANオールド5の国との間では合同作業部会を設けまして、日本とそれぞれの国の間で二国間の金融協力について具体的に検討を進めていく場を設けております。
その場でどんな話をするかというのは、11ページにまとめてございますが、金融セーフティネットの強化ということで、二国間の通貨スワップ、ASEANオールド5との間ではインドネシア、フィリピンはまだでございますが、シンガポール、タイ、マレーシアにつきましては、二国間の通貨スワップがチェンマイ・イニシアティブのマルチ化を行った際に順次契約が切れておりますので、またこれをつくり直していくようなお話をしたいというのが第1点。
2番目は、先ほどの総会での議論もございましたが、日本の企業がASEAN諸国に進出して活躍をしているわけですが、現地通貨でのファイナンスをきちんと確保したいというニーズが非常に強くなっております。例えば各国は今インフラ整備をPPPという形で進めておりますが、PPPになりますと収入サイドが現地通貨なので、為替リスクを負わないように、ファイナンスサイドも長期の現地通貨が理想になってまいります。そういった場合に、PPPに参加する日本企業にとって長期の現地通貨をどうやって手当てしていくかというのが大きな課題になってまいります。こういったものについて、基本はマーケットの中でソリューションを求めていくということで、日本の銀行と例えば地場の銀行が長期の通貨スワップをする。そこに仮にクレジットリスクという観点で懸念が残るなら、JBICの保証を与えていくことはできないかというのを今後検討したいと考えています。
あと(3)は現地通貨建て債券市場の発展支援で、(3)の@にありますのは、一部のアジアの国との間でプロ向けボンド市場につきまして、発行手続をできるだけ共通化していって、多国籍企業、例えば日本の商社などはそうだと思いますが、日本でも発行しますし、タイでも発行しますし、シンガポールでも発行する。その場合に手続は大体似たような手続で、負担がそれほど大きくないようなことを考えております。これはABMI(アジア債券市場育成イニシアティブ)の中でもやっている話でございます。
あとは、マレーシアなどを中心にイスラム金融が発展しておりますので、そういったものをどう支援していくか。それから、ASEANのインフラ整備の支援といったようなことを考えております。最近はマレーシア、タイは南南協力を進めておりますので、マレーシアなどはSEACENという東南アジアの中銀の集まりを使って、ミャンマーですとか、そういったところに中央銀行の支援をしております。そういったところに私どもも協力していくことも考えております。
以上、アジア関係でございまして、20ページ、21ページをお開きいただきたいのですが、1年前に始めました人民元と円の直接取引でございます。このグラフで御覧いただくとわかりますように、一番右の上の緑色の部分、人民元と円の直接取引部分が1カ月間で約3,223億円で、1営業日平均146億円まで増えております。同じ比較をしますと、22ページにありますが、上海市場では基本的には1営業日平均1,100億円ぐらいで、こちらも非常に伸びているということで、日中金融協力の中で始めました円と人民元の直接取引は順調に伸びているところでございます。
23ページ以降は北朝鮮とイランの経済制裁です。北朝鮮につきましては、今年2月に再び核実験を行ったということで国際社会から大きな非難を浴びております。我が国はこれに対応して、今年4月に安保理決議に基づいて、追加的に2団体、3個人に資産凍結措置を行うとともに、4月には主要国との協調でございますが、朝鮮貿易銀行及び4個人に対して資産凍結の措置を講じております。このうち、朝鮮貿易銀行は北朝鮮の対外決済の最大の窓口の銀行とされております。実は中国の一部の国営銀行もこの朝鮮貿易銀行との取引を断るような動きが出ておりまして、お隣の国の中国が金融面での制裁に参加していくことが制裁の実効性を上げる上で鍵になっておりましたが、中国が少し参加してきているという新しい動きが出ております。
イランの関係ですが、25ページ、26ページに書いてあります。こちらもイランの核開発活動等に対応して国際社会の制裁が続いているのですが、最近の動きとしては、先週ですけれども、アメリカの大統領令で追加制裁が発表され、イランの通貨の外国為替取引ができないようにする措置ですとか、あるいはイランの自動車産業を支援する動きに対して一定の歯止めをかけようといった動きがイランについては出てきております。
26ページに原油のイランからの輸入の状況を書いてございます。2007年には日本の原油輸入量の中でイラン産は12.1%を占めておりましたが、2012年においては5.2%で半分以下になっております。これは、アメリカの制裁との兼ね合いの中でイラン産の原油輸入を削減する動きも最近では加わった結果であります。
あと、27ページ以降ですが、マネロン・テロ資金対策関係のFATFの動きを簡単に書いてあります。この中で申し上げたいのは、27ページの国別の評価が真ん中にありますが、FATFは今まで、各国がFATFの基準をちゃんと守っているかどうかというテクニカルコンプライアンスだけを審査してまいりましたが、今後、新たに、そのマネロン対策が有効なのかどうかという有効性をきちんと審査しようという動きが出ております。これは、基準だけ守っていて魂が入っていない国が結構あるのではないかという問題意識から出ておりまして、日本としてはまだテクニカルコンプライアンスのところできちんと基準を満たした形での卒業を果たしていないのですが、その上でさらにEffecttivenessの審査にも将来備えていくことが課題になっております。
その中で、32ページになりますが、この有効性(Effecttiveness)の審査に当たって、FTAFとしては11個の直接的効果が実際に実現されているかどうかを審査いたしますが、その中で金融機関等がリスクに応じたマネロン・テロ資金対策を講じているかどうかというのを直接的効果として審査する項目がございます。この場合に、この図の中で真ん中の丸い部分のAにリスクに見合った対応ができているかどうか審査するという項目が入っています。ここは実は大きな課題ですが、日本の金融機関がリスクベースド・アプローチでマネロン・テロ資金対策をしなければならないという大きな課題が出ております。これまでマネロン対策は、どちらかというと、法令に基づいてルールをきちんと決めて、ルールに従って金融機関は本人確認などをしていけばよかったのですが、今後はお客様ごとに、マネロン等のリスクが高いかどうかに応じて、さらに継続的に監視をすべき人と、それから簡単に審査を終えて取引を継続できる人、そういう扱いを変えた対応が必要になってまいります。
最後の33ページは、国際金融機関等の東京事務所で、2012年と今年相次いでアフリカ開銀と欧州復興開発銀行が東京事務所を開設しておりますので、御紹介いたします。
以上でございます。
○伊藤分科会長 ありがとうございました。
時間ですけれども、15分延長させていただきまして、質疑応答をしたいと思います。質問等のある方......。
○清水委員 御説明、ありがとうございました。
為替のことですが、先ほども小川先生から御質問がありましたように、ドル円の動きが非常にボラタイルであるということ。でも、それはドル円だけではなくて、ASEAN+3で見たときに、最近の動きは特に円に対してその他のアジア通貨が全く逆の動きをしているということで、そういうサーベイランスがますます重要視されてくるのではないかと思うのです。AMROが開設されて1年たちまして、サーベイランスをするところまでは来ていましても、まだ為替に対する指標といったこと、それから今後やはりアジアにたくさん進出している日本企業を鑑みますと、円に対してアジア通貨があまりにもボラタイルな動きをしてしまうことは非常に問題であるということで、まさにこれから円に対してアジア通貨をウオッチして、それをある程度の範囲内で止める。さらに、将来的にはユーロ導入以前のEMSにありましたように、EMSがうまくいかなかったこともありますけれども、しかし、円を中心としてアジア通貨対円で介入の協力をすることも考えられるのではないかと思うのですが、そのあたりはいかがになっていますでしょうか。
○伊藤分科会長 質問をまとめたいと思います。
○奥田委員 2点質問させていただきたいんです。
1つはCGIFの話で、7億ドルで設立されたということですが、この金額で十分なのか、今後大きくする予定があるかどうか。それと関係するのですが、2010年11月に設立されて、今年初めて1号案件が出たということで、かなりゆっくりしたペースのように感じるのですけれども、時間がかかった理由、何がネックになっているのかという話をわかれば教えていただきたいと思います。
2点目は、現地のローンの話で、日本の企業も現地に非常に進出が盛んになって、しかも現地での商売がだんだん中心になってきますので、現地通貨が必要になるということですが、ここに幾つかスキームが出ているんです。日銀が国債を担保にしてタイ中銀からバーツを出すという話とか出ているんです。これも2011年にタイト、スキームを締結されているということですが、実際にはどのくらいこれが活用されて拡大しているのかというのがもしわかれば教えていただきたいと思います。
あと、この話は最終的には政府が出ていく話ではなくて、民間の金融機関がマーケットで処理する話だということでしたけれども、今やっている日銀が国債を担保にするような現地通貨貸し出しみたいなのを将来的に何かの形で民間のスキームに転換できるようなきっかけというか、あるいはルートがあるのかどうか。その辺、もし何かイメージがあれば教えていただきたいと思います。
○小川委員 2つあります。
1つは11ページの日本とASEAN各国の今後継続的に協議していく項目という中の(2)ですけれども、邦銀が現地通貨建ての資金供給できる。これは非常に重要なことだと思うのですが、この検討の中に、現地のそれぞれの国の資本規制あるいは外為規制、それらを緩和していくところも含まれているのかどうか。やはり各国の外為規制とか資本規制がネックになってくるかと思いますので、その点、どうなっているかというのを教えていただきたいと思います。
あと、人民元のところで東京市場の話がありました。こちらで上海と比較をされているのですが、オフショアの人民元であれば香港と比較する必要があるのかなと思います。ボリュームもそうですけれども、決済のファイナライズする銀行が、香港はバンク・オブ・チャイナでありますが、日本はない。そうすると、結局、香港経由で人民元が出てくる。一方でシンガポールとかいろいろなところでもそういう動きがありますので、もし東京のオフショアの人民元のマーケットを大きくするということであれば、中国政府に働きかけてバンク・オブ・チャイナ、東京で決済をファイナライズするところを働きかけなければいけないのかなと思います。
○伊藤分科会長 円とアジア通貨のボラティリティについて。
○山崎国際局長 今の御質問に順番にお答えしていきたいと思いますけれども、そもそも円が特に昨年秋ぐらいまでの2008年以降の数年間ボラティリティが小さかったのは、円高が進む中で、少し円が安くなる方向に行くとそこは輸出のドル売りが常に抑えている。他方で円がもうちょっと高くなるところでは、市場において、警戒感の高まりがあるということで、ボラティリティが低い状態が続いていた。むしろ昨年の年末以降、これはいくぶん一本調子な推移ではありましたけれども、足元、昨日とか一昨日の個々の動きについてはコメントを差し控えますが、今の円のボラティリティは多分ユーロドルと大きく変わらない。つまり、ユーロドルというのは、ボリュームは非常に大きい通貨でありますけれども、見ていただくと変動率はある程度あるんですね。その意味で、ボラティリティが戻っている部分があると思います。もちろん、足元は、さっき言いましたような理由でさらに変動が大きくなっていますので、これは我々は注視しておるところであります。アジア通貨との関係で言うと、個々の動きがどうこうというよりも、そもそもアジア通貨がより通貨バスケットに沿ったものになっていき、貿易の比重あるいは資本取引の比重が変わってくれば、これまでのドルと極めて連動する。したがって、ドルと円の変動が大きくなると自動的にアジア通貨と円の変動が大きくなるという形はだんだん直ってくるわけでありますから、そこは人民元以下ほかの通貨も含めて、より貿易、資本取引の実態に合った相場形成ができるような通貨制度に徐々に各国が移っていくことが望ましいのではないかと思っております。
それから、CGIFの今の資本金が、どっちが鶏か卵かですが、まだたった1号案件しかないので、今の段階で不十分ということでもありませんけれども、我々は正直言って、今のCGIFの案件形成が遅過ぎると非常に不満に思っております。ただ、これは幾つか案件があっても、結局、企業が結果的に保証に頼らずに発行できてしまったとか、あるいはその企業があるメンバー国の国の資本がある程度入っているので、我々は国を助けるためにやっているわけではないですから、より市場を助けるためにあるということで、選別に時間がかかったという特殊な事情は幾つかございますけれども、もっとスピード感を持って案件を増やしていきたいと思います。そのプロセスで、今の資本金に対するレバレッジのかけ方が非常に低いので、もうちょっとレバレッジをかける余地があると思います。ただ、それでもこの資本が不十分であれば、これは出資者にも御相談しますけれども、私どもは将来的には増やしていきたいと思っております。
それから、現地通貨ファイナンスのための仕組みでありますけれども、私ども日本の金融危機、97、98年に例えばシンガポール・ドルがシンガポールで邦銀がとりにくくなって、現地の日本企業に支障が生じかけたことがありました。そのときにはシンガポールの地場銀行に資金を出してもらったわけですけれども、それと同じようなことが結局リーマン・ショックのときの上海でも起こっているわけです。バンコクの洪水のときに、それを契機にこういうものをつくったわけでありまして、結局、民間に任せているとうまくいかないからこういう形でつくってあるわけなので、むしろ我々はこういう形をタイ以外の国にも広げていこう。それによって、実際タイはこれを使うまでもなく、結果的に流動性が十分ありましたから済みましたけれども、その後、実際にこれがどう使えるかということで、ある邦銀が申請して調達してみるようなことはやっております。こういうものが実際使われないで済む、セーフティネットとして存在すること自体にも意味があると思っております。
それから、現地の通貨の供給を各国当局と話していく中で、当然その通貨自体の規制あるいは資本取引規制の緩和も私どもとしては並行して話はしております。ただ、そこはもちろんそれぞれの国の資本自由化のプログラムがありますものの、常に我々はそういう話を同時並行的にしております。
それから、人民元の香港のクリアリングハウスみたいなものが東京でも必要かというのは、確かに必要な面もあろうかとは思いますけれども、他方で、人民元の全体としての資本規制の自由化等をかなり前倒しでやっていこうという中国の動きもございまして、恐らくそう遠くない時期に、直接、中国本土の銀行と日本の銀行が決済をできる、そういうシステムを向こうも導入する方向でありますので、我々も実質的に決済がきちんとできるような形をより整えていきたいと思っております。
○伊藤分科会長 そうすると、香港元と上海元の差はなくなるんですか。
○山崎国際局長 そういうものは多分区別がなくなりますね。そういう意味では、結局、通常の通貨と同じようになります。
○伊藤分科会長 裁定が働くことになるということですか。
○山崎国際局長 はい。
○松本委員 非常に簡単なのですが、17ページの円借款のところで若干イメージがつきにくかったのは、ノンプロの借款をインフラに活用していくというイメージがつかなくて、ノンプロというのは結構その後のマネジメントが難しいですが、これはどういうイメージなのか、ちょっと伺いたい。
○大野委員 やはり17ページで、まさに松本委員と同じところですが、円借款の戦略的な活用といったときの戦略的というところと、ノンプロといったときに、一般的にノンプロだと顔が見えないんじゃないか。そういったような見解を持たれる方もいるのではないかと思うんですけれども、その辺、戦略性といったところでどういうことを考えているのか。例えばこの前の議論もありましたけれども、日本の企業の海外展開とか、それは原則として向こうの相手国のビジネス投資環境を改善していくことにもつながると思うのですけれども、そういったようなことも含めて提言をしていくとか、その辺が入っているのかどうかということが関連する質問です。
もう1つは14ページですけれども、日系企業進出、特に日系の中小企業なども視野に入れた形での現地通貨を供給できるような体制は非常に重要だと思いまして、特に14ページの仕組みについて非常に興味深く思ったんです。どれくらい地場の銀行が日系の中でも日本の中小企業に対して、リスクの審査とか、そういったことをいろいろ今まで以上に検討するような方向に考え方とか仕組みが変わっていくのかどうか。まだ感覚的によくわからないのですけれども、技術的な協力とか、そういったことも含めてJBICが地場銀行に融資をする流れの中で何か検討されていることがあるのかどうか、その辺も含めて教えていただければ幸いです。
○伊藤分科会長 では、17ページ、14ページについて。
○山崎国際局長 最初に、ノンプロジェクト型借款、これは必ずしもインフラ開発のためではないわけです。これまでノンプロジェクト型借款というのは、まさにおっしゃられたとおり、顔が見えないとか、あるいは単に財政支援ではないかということで、逆に言うと、やる以上はその国のある政策をきちんと支援し、その政策がきちんと実行されているかどうかということを、その国の政策立案過程まである程度こちらが関与して、教育セクターでも何でも、あるいは電力セクターでもいいのですけれども、きちんとそこを見ていく。ある意味、非常に手間のかかることもあって、JICAあるいは政府としても執行能力の限界もありますので、やや消極的だったところはあるわけです。しかし、ミャンマーを含め、これからアフリカも含めて、そういう国の発展を根っこから支援していくためには、そういうところから一緒に入り込んで、まさに世銀とかIMFがやっているようなことと一緒に組みながら、マクロ面あるいは個々のセクターごとの政策についてきちんと関与しながらやっていくことも一つのやり方であって、それについてむしろ消極的になることなく、手間を恐れず、積極的に重点化してやっていこう。そういう意味であります。
それから、地場銀行が果たして日本の中小企業まできちんとリスクを見られるのか。それは正直言って非常に難しい話ですが、実は次の15ページにありますけれども、今般成立しました金商法等の改正の中で銀行法を改正しまして、邦銀の代理業務として、これまでは邦銀の系列の地場銀行でしか認められなかったものが、もう資本関係がなくてもできるようになりました。つまり、中央銀行でタイの地場銀行と系列関係のないようなところであっても、そこがまさにタイの地場銀行の代理としてバーツを供給することができるようになりましたので、これで中小企業にも大分対応がしやすくなったのではないかと思います。
○伊藤分科会長 現法ではないわけですか。
○山崎国際局長 今回、現法でなくて、できるようにしたわけです。
○伊藤分科会長 現法は今までもできたからですか。
○山崎国際局長 現法はもちろん今までもできました。
○伊藤分科会長 現法が増えていけばというか、拡大すれば、当然、現地の日系企業に直接貸せるわけですね。
○山崎国際局長 もちろんそうですが、そこまで現法をつくるほどの力もない中小金融機関でもそういうことができることになります。
○伊藤分科会長 すみません。もう時間がなくなってしまいました。まだ御質問があるかもしれませんけれども、またの機会にしていただきたいと思います。
続きまして、当分科会における部会の設置についてお諮りしたいと思います。これは昔というか、アジア通貨危機の直後あたりにアジア通貨危機関連で専門部会をつくってたくさん勉強した経験があるわけですけれども、そのような形で関税・外国為替等審議会令第7条第1項により、分科会の定めによって置くことができるとされている専門部会をつくりたいと思います。この点につきまして、事務局からお願いします。
○大石調査課長 お手元に資料4という部会の設置要領の事務局案を配付しております。読み上げますと、「関税・外国為替等審議会令第7条第1項の規定に基づき、下記のように定める。1.外国為替等分科会に、「アジア諸国との金融協力等に関する専門部会」を置く。2.上記専門部会は、アジア諸国との金融協力等について調査審議するものとする。」というものであります。先ほど仲審議官より説明しましたとおり、日本は中国、韓国をはじめとするアジア各国との積極的な政策対話、金融協力を積極的に実施してきておりまして、今後もASEAN各国ともそうした金融協力の強化について行っていくこととしております。今後こうしたアジア諸国との金融協力等について審議していただくため、分科会に専門部会を設置し、調査審議をお願いできないかというふうに考えております。
以上です。
○伊藤分科会長 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等ございますでしょうか。
(委員、頷く)
なければ、今、御説明のありました部会の設置につきまして、当分科会として事務局案どおりということで決定させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
なお、部会に属すべき委員及び部会長につきましては、関税・外国為替等審議会令第7条第2項及び第3項により、分科会長、私のほうから指名することになっておりますので、後日、皆様方にお知らせしたいと思います。
最後になりますけれども、議事録の作成につきましては私に御一任いただければと思います。先ほどと同じですけれども、その際、発言部分について事前に御覧になりたい委員の方は御連絡下さい。その方には案の段階で御送付いたしますので、1週間以内に御返事をいただきたいと思います。ない場合には御了解いただいたものとして理解させていただきます。
それでは、すみません、時間が超過してしまいましたけれども、本日の議事はこれで全て終了ということにさせていただきたいと思います。
次回の会合につきましては、事務局と相談の上、御連絡いたします。
本日は、長時間にわたりまして御出席賜り、ありがとうございました。
午後0時19分閉会
