関税・外国為替等審議会
第50回外国為替等分科会議事録
令和4年4月4日(月)
財務省 国際局
於 財務省国際会議室
(本庁舎4階)
1.開会
2.ウクライナ情勢をめぐる我が国の対応
3.閉会
出席者 | |||
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委員 |
伊藤 恵子 |
財務省 |
三村国際局長 |
片山 銘人 |
土谷国際局次長 |
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亀坂 安紀子 |
内野国際局審議官 |
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河野 真理子 |
緒方副財務官 |
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神作 裕之 |
岸副財務官 |
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清水 順子 |
今村国際局総務課長 |
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神保 寛子 |
陣田国際局調査課長 |
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高山 一郎 |
飯塚国際機構課長 |
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田村 善之 |
森地域協力課長 |
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根本 直子 |
松本為替市場課長 |
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渡井 理佳子 |
藤井開発政策課長 |
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臨時委員 |
植田 健一 |
田部開発機関課長 |
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大野 早苗 |
大江参事官 |
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佐藤 清隆 |
土生外国為替室長 |
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専門委員 |
伊藤 亜聖 |
桜田調査課企画官 |
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玉木 林太郎 |
髙橋投資企画審査室長 |
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林 信光 |
山下為替実査室長 |
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石崎国際機構課企画官 |
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髙木資金移転対策室長 |
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梶山地域協力企画官 |
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髙橋開発企画官 |
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池田国際調整室長 |
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増原資金管理室長 |
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棚瀬資金管理専門官 |
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小林開発企画官 |
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経済産業省 |
風木貿易管理部長 |
午前10時00分開会
○清水分科会長おはようございます。ただいまより第50回外国為替等分科会を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多用中のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日、オンラインでの参加を含め17名の委員に御参加いただいております。
さて、本日も新型コロナウイルスの感染拡大の防止の観点を踏まえた対応を行うこととしており、御協力のほどよろしくお願いいたします。具体的な留意点などについて事務局より説明をお願いいたします。
○陣田調査課長調査課長の陣田でございます。
本日は急な御連絡であったにもかかわらず、たくさんお集まりいただきありがとうございます。私からは会議室参加とオンライン参加のハイブリッド形式の会議となっている関係での留意点などについて御説明いたします。
まず、会議室で御参加の委員の皆様におかれましては、オンラインで御参加の委員の方に音声が明瞭に伝わりますよう、できる限りマイクに近づいて御発言いただきますようお願いいたします。また、オンラインで御参加の委員の皆様におかれましては、事前にお伝えしておりますとおり、御発言時以外はミュートにしていただきますようお願いいたします。また、途中で万一Webexがつながらないなど問題がございましたら、電話会議システムで引き続き御参加いただくということでよろしくお願いいたします。
以上、委員の皆様には大変御不便をおかけいたしますが、御協力のほど何とぞよろしくお願いいたします。
○清水分科会長それでは、本日の議事に入る前に、三村局長より一言お願いいたします。
○三村国際局長国際局長、三村でございます。本日は、先ほど担当課長の陣田からもございましたが、急なお声がけにもかかわらず、また、月曜日の午前中という非常にお忙しいタイミングにもかかわらず、お集まりいただきまして、また御参加いただきまして、誠にありがとうございます。本日の議題は、ウクライナ情勢をめぐっての対応ということで、特にこの分科会にお諮りするべきは、外為法の改正を先般のG7での首脳レベルのやり取りも踏まえまして考えておるということで、そちらの御紹介、御報告、お諮りでございますけれども、その前提としまして、報道等でも御承知のとおりでございますけれども、2月下旬以降、我々のほうも日本として累次、様々な制裁措置、特に金融制裁の部分を含めまして、外為法上の措置も講じてございますので、ここに至るまで、どんな制裁措置を我々として講じてきておるかということを改めて御報告をさせていただきますとともに、その背景としまして、ウクライナ情勢の経済面での影響といったことも含めまして、いろいろなことが巷間言われてございますので、先生方、かなり御承知の部分も多いかとも思いますけれども、様々な世界のマーケットに占めるロシアの位置づけ等々も含めまして、御報告、御紹介をさせていただければと思っているところでございます。
このような状況になってございまして、2月下旬以降、私どものほうも、特に担当の調査課のラインはなかなか、土日も昼夜もなくて、戦争というのはそういうものなのかなと思いますけれども、そういう状況でございますので、ここに至るまでも、タイムリーないろいろな御報告、あるいは情報共有ができませず、申し訳ない部分も多々ございましたけれども、本日のこの分科会の機会に、改めましてそういったところを御紹介させていただければと思う次第でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○清水分科会長それでは、本日の議事に入りたいと存じます。本日の議題は、ウクライナ情勢をめぐる我が国の対応についてです。
まず事務局より説明の後、意見交換の時間をお取りしたいと思います。それでは、陣田調査課長、よろしくお願いいたします。
○陣田調査課長それでは、資料2を御覧ください。「ウクライナ情勢をめぐる我が国の対応」ということで、私より御説明差し上げます。
本日は大きく3つに分けて御説明いたします。最初はウクライナ情勢をめぐる我が国の対応、2つ目にロシア経済の状況等、3つ目に外為法改正案についてでございます。
まず最初に、ウクライナ情勢をめぐる我が国の対応です。今回のロシアによるウクライナへの侵略は力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為です。この国際秩序の根幹を守り抜くため、断固として行動していく必要があるというのが政府の方針です。
このため、G7を始めとします国際社会と緊密に連携し、2月下旬よりロシア政府による新たなソブリン債の我が国における発行・流通等の禁止、ロシア中央銀行への制裁措置、SWIFTから排除の対象となったロシアの銀行に対する資産凍結措置などの措置を講じてきたところです。さらに、3月11日にはSWIFTからの排除対象になりましたベラルーシの銀行に対する資産凍結措置も講ずることとしたところです。
このほか、2月26日以降は、いわゆるドネツク人民共和国、ルハンスク人民共和国の関係者を含め、ロシア関係者として155名の個人及び11の団体に対して資産凍結措置を講じてきております。また、ルカシェンコ大統領を始めとしますベラルーシ関係者19名の個人及び12の団体も資産凍結の措置を講じております。
3ページを御覧ください。特に今回の制裁の中でも非常に話題になりましたのがロシア・ベラルーシの特定銀行のSWIFTからの排除です。委員の皆様の中には詳しい方もいらっしゃると思いますけれども、今回話題になりましたので、簡単にSWIFTの概要を説明いたします。SWIFTは世界中の銀行間の金融取引の仲介と実行の役割を担う団体で、いわゆる共同組合の形式をとっています。本社はベルギーにあります。200を超える国の1.1万以上の銀行などが接続しておりまして、一日平均4,200万件以上の国際金融取引に係るメッセージを送信しております。この協会はベルギー法の下で設立されておりますので、EUの規制枠組みが適用されております。過去にはイランに対する制裁としまして、2012年3月にEUの規則で、それから2018年11月にはアメリカのイラン合意離脱に関連して、イランの銀行に対するSWIFTからの排除が行われております。
3月2日に、EUがSWIFTから排除する銀行として7つの銀行を決定・公表しております。これは、日本を含むG7を始めとする国際社会と連携をし、調整を行った結果として、SWIFTからの排除が、所在地であります欧州、EUで適用される形になっています。この3月2日にはVEB、ロシア対外経済銀行を始めとする7つの銀行がSWIFTから排除される銀行として発表され、この措置をほかのG7諸国と共に履行するため、日本におきましても、日本の銀行が制裁の抜け穴となることを防ぐためにもということで、7行全てを資産凍結対象に指定しました。
翌週の3月9日には、EUがベラルーシの3つの銀行をSWIFTから排除する制裁措置を決定・公表しています。こちらにつきましても、日本におきまして同じく上記3行全てを資産凍結対象に指定して、制裁の抜け穴を防いでおります。
続きまして、4ページです。ロシアに対する制裁に加えて、一方で、ロシアの侵略により困難な状況に置かれておりますウクライナに対する支援も重要です。国際機関、それからG7諸国が、それぞれ支援しています。国際機関におきましても、IMFが緊急融資制度(RFI)の下で14億ドルの緊急融資を提供することを承認しています。世銀におきましても30億ドルの支援パッケージを準備していることを発表し、EBRDにおきましても20億ユーロの支援を発表しております。
それから、G7諸国では、日本は3億ドル、うち2億ドルが緊急人道支援ということで、既に適時適切に支援を行っているところです。
続きまして、5ページ以降が、ロシア経済の状況等です。
まず最初に、ロシアのマーケットの動向を短期と長期に分けて、短期のほうですが、ロシアの株価指数、ロシアRTSは、ロシアのウクライナ侵攻に対する各国の制裁懸念から、2月28日に取引を停止して、1カ月ほど停止をしましたが、停止前に非常に大きく下がって半値以下になりました。3月24日に再開しましたが、取引については空売りも禁止ということで、非常に規制がかかっております。若干持ち直しておりますけれども、ロシアのウクライナ侵攻前と比べて非常に低い水準で推移しているということです。
右上の為替については、先ほど申し上げましたように、SWIFTからの除外、中銀の資産凍結、格付機関の引下げ等々で一時50%以上下落して、その後、停戦交渉の進展期待、あるいはロシア政府による外貨売りルーブル買いの強制といった措置によりまして、侵略前の水準に戻ってございます。ただし、闇市場におきましては1ドル140から200ルーブル程度の大幅な安値で取引されており、非常に厳しい影響が及んでいると聞いております。
左下の長期金利については、侵攻前はおおむね7%から9%の金利でございましたけれども、侵攻の後、一時は14%を超える金利まで上がっております。
右下のCDSスプレッドにつきましては、直前は200程度のbpだったものが現在は2,500を超える水準ということで、乱高下しており、以前の10倍程度の大きなスプレッドになっている状況です。
7ページは長期のマーケット動向です。ロシアの株価指数は、1998年8月のデフォルト時に大きく下がりましたが、その後はおおむね原油価格に連動して上下しています。例えば2008年の南オセチア紛争、それから2010年のクリミア併合で下がった後、また原油価格の動向によって戻っています。ただ、足元、原油価格が上がっているにもかかわらず株価は下がっているということで、従来とは違う動きが見られるということです。
為替のほうは、同じように1998年のロシア危機の後、2008年の南オセチア紛争、それからクリミア併合等で動きはございますけれども、今回は非常に激しい動きが見られます。
長期金利もクリミア併合と同じ水準まで上がっています。
一番大きく変化が見られるのがCDSスプレッドです。クリミア併合のときにはCDSスプレッドはそれほど動いておりませんけれども、今回のロシアのウクライナ侵攻の後の制裁措置等々がございまして、2,000を超える水準まで上がっているということで、CDSスプレッドに大きな動きが見られます。
8ページの格付推移表ですが、2月以降のウクライナ侵攻後、格付機関がロシア国債の格下げをしています。例えばムーディーズでは、3月6日に格付けがCaまで下がっています。いわゆるデフォルト格になっております。S&PはCCまで3月18日に格下げしています。フィッチでは、格付けの取り下げ前にCまで引き下げられています。また、EUの指令が3月15日にございまして、ロシアに対する格付けのサービスを禁止し、4月15日までに格付けを取り下げることになっています。今後、格付機関の格付けがなくなりますと、ロシアの国際資本市場での資金調達が非常に厳しくなることが予想されます。
9ページを御覧ください。ロシアの資金フローについて見たものです。左上の貿易収支ですが、基本的にロシアは資源国ですので、原油価格に貿易収支が連動しています。だいだい色の貿易収支が、足元、原油価格の高騰に連れて黒字が拡大してきています。
真ん中上の輸出における決済通貨割合については、クリミア危機以降、米ドルの割合を大きく下げており、もともと80%程度あったものが、足元は50%まで下がっています。一方で増えてきているのはユーロで、当初10%を切るレベルであったものが、30%近くまで上がってきています。このようにロシアの資金フローを見ますと、米ドルのシェアを低下させるという方向に動いてきていたのが分かります。
右上の対外資産・負債ですが、先ほど申し上げましたように、貿易収支が黒字になっていますので、対外資産、純資産が増えてきている状況です。青の対外資産が原油価格に連動して増えてきている一方、灰色の対外負債のほうは比較的抑えているという状況になっています。
この差額が左下の外貨準備高に反映されるということになり、外貨準備高がクリミア危機のときに一時期大きく減りましたけれども、その後、原油価格による対外純資産の増加を背景に外貨準備高が増えており、足元、6,000億ドルの水準まで達しています。通貨の割合では、ドルの割合を当初よりも大きく減らしてきている一方、水色の金、それから緑の人民元といった資産を増やしており、ロシアとしては将来の制裁の可能性に備えていたように思われます。
真ん中下の政府債務残高については、基本的に安定しています。足元、2020年はコロナの対応で負債が増えていますが、債務残高のGDP比率は20%を切るレベルですので、日本と比べれば比較的健全なレベルと言えます。
右下の非居住者保有のロシア国債残高については、ドルなどの外貨建ての国債は、基本的に同じレベルを維持しています。一方で、以前と比べますとルーブル建ての国債の発行を増やしてきており、外貨に依存しない体質をつくろうとやってきたと見られます。
このように見ますと、ロシアはドルなど外国への依存を減らそうとしてきたにもかかわらず、今回G7各国が協調して、一致して非常に厳しい制裁を迅速に行ったということで、恐らくロシアの想定を上回るほどの影響がある制裁だったと考えています。
10ページは日本とロシアの二国間の金融等について見たものです。まず主要国銀行の対露融資残高ですが、一番大きな融資を持っていたのはフランスです。それからアメリカのプレゼンスも大きい。表にはございませんけれども、そのほかオーストラリア、イタリアの銀行についてもロシアに対してエクスポージャーは大きい。日本については、足元、増えてきてはおりますけれども、それでも、これらの国と比べると低いレベルです。
右上の邦銀の海外与信残高を見ますと、ロシアの割合は0.2%で、邦銀におけるエクスポージャーは大きくはないというレベルです。
左下の銀行の規模について、資産規模を単純に比較したものですが、邦銀の3メガバンクと比べますと、ロシアの最大銀行ズベルバンク、それから第2の銀行VTBバンクと比較しても規模の大きさに相当違いがあるということです。
右下の日本の対露直接投資は、足元、日本の0.10%前後で推移しているということで、ストックについては増えておりますが、全体から見ると大きな割合ではないということです。
11ページを御覧ください。こちらはOECDのレポートで、特にロシアのウクライナ侵攻による商品市場、金融市場への影響が1年間続くと仮定した場合の影響を試算したものです。世界全体の経済成長率が1%ポイント低下するほか、インフレ率が2.5%ポイント上昇するという見通しになっています。特に難民等の影響もございまして、ユーロ圏の影響が大きい。ユーロ圏については、GDPへの影響は1.4%ポイントのマイナス、インフレ率につきましては、2.03ポイントの上昇ですが、インフレ率では世界全体への影響は更に大きくなっています。
左下の政策提言でございますけれども、金融政策に関し、特に新興国では、インフレ率に与える影響で一次産品の比重が大きく、食料・エネルギー価格の上昇により、追加の政策金利の引上げが必要になる可能性が高いという提言をしています。
12ページを御覧ください。国際商品市況への影響です。赤色のロシアのプレゼンスが大きなものとして、原油、天然ガス、小麦、パラジウムがございます。原油につきましては、ロシアは世界シェア11.4%で、日本の輸入でも3.7%ということで、原油価格は御存じのとおり高い水準で推移しています。
天然ガスにつきましては、パイプラインでは、ロシアは4割近く、特に輸出先はヨーロッパになりますけれども、日本もLNGについて8.7%ということで、天然ガスの価格についてスポットの価格が上がっています。
左下の小麦はウクライナも8.3%のシェアがございまして、ロシアとウクライナで3割近いシェアを占めており、小麦価格への影響が生じています。日本では、ロシア、ウクライナの輸入の割合がほとんどなく、アメリカ、カナダ、オーストラリアの小麦を好むようでして、むしろロシア、ウクライナの小麦はエジプト、あるいはトルコのほうに行っているというふうに聞いております。したがいまして、エジプトやトルコでパンの価格が上がったりしますと、それらの地域の不安定化が生じる、そういうリスクが懸念されるところです。
右下のパラジウムについては、ロシアは世界シェア20%、日本の輸入が3割を超えるということで、半導体、自動車部品、そのほかに歯科技師の歯の詰め物などについて影響があると言われています。
以上がロシア経済の状況等です。
続きまして外為法改正案についてす。
先ほど説明しましたように、ロシアによるウクライナ侵略に対し、日本はG7を始めとする国際社会と緊密に連携して、様々な制裁措置を講じています。特に3月11日のG7首脳声明では、さらにG7が連携して措置をとることに合意しています。首脳声明の全文、仮訳を資料の26ページから29ページに掲載しております。特に下のほう、中略以下の「第四に」というところですが、真ん中あたり、「我々は、ロシア政府及びエリート層、代理勢力、オリガルヒが、国際的な制裁の影響を回避あるいは相殺するための手段としてデジタル資産を活用することができないことを確保し」とされております。それから下のほうに、「我々は、あらゆる不正な活動をよりよく検知及び阻止するための措置をとることにコミットし、また各国の国内手続と整合的な形で、デジタル資産を用いて自身の富を拡大及び移転するロシアの不法行為者にコストを課す」という強い決意が表明されているところです。
これを踏まえまして、15ページです。先々週、総理がブリュッセルのNATO首脳会談に合わせて訪問し、G7首脳会談に参加されています。その後の総理のぶら下がり会見の発言がございます。まず「第1に」ということで、「今後ロシアの最恵国待遇の撤回のための法改正案を今国会提出に向け、準備を進めるということ」で、こちらは関税分科会にて既に関税局からお話があったと思いますけれども、現在、関税暫定措置法の改正案を準備しているところです。資料につきましては19ページに参考としてつけています。
下のほうで「第5に」として、「デジタル資産を用いたロシアの制裁回避に対応するため、金融面での制裁の実効性を更に強化するための法改正案も今国会提出に向け、準備を進めるということ」という総理の指示がございまして、外為法改正の準備を進めているものです。
関連の措置としまして、16ページに暗号資産を利用した制裁回避へのこれまでの対応をまとめています。日本が講じてきた資産凍結措置について、暗号資産の移転はいわゆる支払規制の対象となっています。したがいまして、我々が例えばプーチン大統領に、銀行の預金から送金するのは規制の対象ですけれども、例えば同様に暗号資産を自分のウォレットから送るのも、支払規制の対象になっています。この趣旨の周知徹底と規制の実効性を高めるために、暗号資産交換業者に対して、3月14日に金融庁・財務省連名で要請をしています。
要請の内容ですが、1つ目は、顧客が指定する受取人が制裁対象者である又はその疑いがある場合、その暗号資産の移転を行わないこと、2つ目は、顧客の依頼を受け暗号資産を移転し、事後に移転先が制裁対象者と判明した場合には、関係当局、財務省・金融庁等に速やかに報告すること、それから上記①②の実効性を高めるため、暗号資産取引についてモニタリングを強化すること、これらについて暗号資産交換業者に要請を行っています。ただし、これらの要請については、法的な拘束力はございませんので、そこで法的な裏づけのある法規制が必要になるということです。
最後に17ページですが、今回我々が準備しております外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案の概要です。、背景は今まで申し上げましたように、我が国は、ロシアのウクライナ侵略を受け、G7を始めとする国際社会と緊密に連携し、金融制裁措置を実施していますが、その中で、暗号資産が制裁の抜け穴として悪用されないように、法的手当てを講ずることで実効性をさらに強化するというものでございます。委員の皆様には、昨年11月に外為分科会でFATFからの勧告が求められるものとして御紹介、御説明したものについて、その中身を具体化したものでございます。
まず現行法では、先ほど申し上げましたように、制裁対象者への暗号資産の移転は現在も規制対象となっておりますけれども、制裁対象者から第三者への暗号資産の移転は現在は規制対象外となっています。厳密に申し上げますと、例えば日本の業者の中にプーチンの取り巻きのウォレット、口座があった場合、プーチンの取り巻きの口座のところからプーチンに対して送ること、これは支払規制の対象になっています。ただし、日本にいるプーチンの取り巻きが、その支払の許可申請を行うということはなかなか期待できませんから、規制の実効性がない。また、現行法でも、国境を越える場合、あるいは居住者・非居住者間の場合では、支払規制の対象となりますけれども、同じように規制の実効性がないほか、例えば日本の暗号資産交換業者の口座で非居住者間、例えばプーチンの口座からプーチンの取り巻きや第三者に移すということにつきましては、そもそも支払規制もかかっていないということでございまして、これらを適切に規制するためには資本取引規制をかけることが必要になります。資本取引規制の対象外となっている制裁対象者から第三者へ暗号資産を移転する取引もいわゆる資本取引規制の対象としてカバーをしまして、銀行の預金と同じように移転ができないようにする、動かせないようにすることによって規制の実効性を確保するというものです。
合わせて、銀行に対するのと同様に、暗号資産交換業者に対しましても、制裁対象者に係る移転でないことを事前に確認する義務を賦課するというものが改正案の概要でございます。
これらにつきましては、公布の20日後施行で現在準備しております。
私からは以上です。
○清水分科会長ありがとうございました。
それでは、意見交換に移りたいと思います。委員の皆様におかれましては、御発言の際は、まず御臨席の委員の方は従前どおり名札を立てていただき、また、オンラインで御参加の委員の方は、事前に事務局より御案内しましたとおり、御発言の意思をシステム上の挙手にて事務局までお知らせいただければと思います。
それでは、まず植田委員、よろしくお願いいたします。
○植田委員大変御丁寧な御説明ありがとうございました。非常に勉強になります。言うまでもないんですけれども、今回のロシアのウクライナへの軍事侵攻はとても正当化できないということでございまして、それに対して西側、特に日本は何ができるかといったら、当たり前ですけれども、軍事的なことはとりわけ日本はできませんので、経済制裁、金融制裁をするしかないということで、こうなっているということは全くそのとおりでございまして、賛成いたします。
ただ、考えないといけないことはそれでもありまして、1つは今の経済制裁、金融制裁が、それだけで大丈夫か、それだけでちゃんと機能するのかというのは、いろいろな方がおっしゃっていますけれども、その視点は持っていないといけないということと、もう1個は未来志向で、今後どうすれば、この事態が終わった後ですね、何らかの形で国際的な金融システムや貿易システムを考え直す必要があるんじゃないかと。この2点ございます。
まず1つ目の、現状のことを考えますと、軍事のことをまず先に考えて、軍事というのは、我々はよくテレビなんか、映画なんかで見ますけれども、1つは軍事拠点みたいなのをターゲットとした攻撃がありまして、もう1つは、日本でもありましたけれども、空襲とか原爆とか一般市民を巻き込む形の、明らかに非人道的な行為があります。経済制裁のほうを考えますと、同じように2つあると思いまして、1つは、この場合はプーチン大統領とその取り巻きをターゲットとしたピンポイントの経済制裁、金融制裁ですね。もう1個は幅広い貿易規制とか、幅広い何らかの国際金融規制によって、経済危機をマイルドながらも巻き起こすことによって制裁を加える。でも、これというのは、経済危機の研究、私も含め、皆さんもかなり御専門家ですから、改めて言うこともないんでしょうけれども、経済危機の研究をしますと、株価の暴落みたいな経済危機は置いておいて、普通の経済危機というのは、やはり富裕層というよりは貧困層にすごくしわ寄せが行くものでして、やはり一般市民の巻き込み、しかもプーチンとかオリガルヒにあまり影響が出ないようなものになってしまいますので、感覚的に言うと、あまり長くやり過ぎると逆に変な禍根を残しかねないという心配をしております。ですから、今やっていることに私、全く反対しませんし、賛成なんですけれども、それほど長くできるものではないんじゃないかと。でも、逆に言うと、その意味で暗号資産とかプーチンの取り巻きなどのターゲット化した、ターゲットをピンポイントで狙った制裁、今どんどん入れていますけれども、それは全く賛成でございます。
もう1つは、市民を巻き込んだ場合でも、人によってはそういうことで市民の決起を呼びかけるんだ、期待しているんだという方もいらっしゃいますけれども、それがどっちに行くか分からないですよね。むしろ民族主義的にもっととなってしまって、プーチンの下に結束する、もしくはほかの、プーチンの代わりの、クーデターで似たような人の下で結集するか、またはロシア革命のときのように共産革命が起きるか。我々が思っているような民主革命が起きるかどうか分からないので、それも難しいかなと思っているところです。ただし、今の現状ではやるしかないというのは全くそのとおりですが、長くはできないんじゃないかと思います。
もう1つですけれども、富裕層をターゲットにするにしても、一般市民を巻き込むにしても、今いわゆる戦地の兵糧攻めみたいなのをやっているんですけれども、これが意味を成すのは平時において経済の相互依存が非常に高いときですよね。自由な貿易と自由な国際金融取引を平時において行っていて、それがために非常に相互に依存しているときに、それをパッと切ると、それはやはり効果が高いわけです。そういう面で平時のことを考えますと、そういう世の中にしていかないといけない。一部の方で、今回の事象を見て、むしろ逆に、各国とも自分で自給自足ができるようになろうとかと言っていますけれども、そうしてしまったら逆に戦争しやすくなっちゃうわけですので、逆ですよね。平時の今後のことを考えたら、もっと相互依存をするべきです。相互依存することを平時には考えていかないといけない。これは私が改めて言っているわけでも何でもありませんで、ブレトン・ウッズ会議のときのことなんですよね。世界大恐慌時に国民の不満が高まって、各国で保護主義化して、ブロック経済になって、そのとき関税が高まって、国際金融取引規制が行われて、1930年代ですよね。相互依存が低下して、第二次世界大戦を引き起こしたという反省から、アメリカのUSオフィス・オブ・ザ・ヒストリアンという、アメリカの正式なガバメントのウェブページにも載っていますけれども、そのようなことが。まさにどうしてGATT・IMF体制、ブレトン・ウッズ体制をつくったかという説明がそこに載っていまして、私が言ったようなことがまさに載っている。戦争を将来的に防ぐために、何とかして経済相互依存体制をもっとつくろうと。そのために、いざ勝手に貿易に関税を上げたり、勝手に国際金融取引規制をするようなことをみんなで相互監視して、それをやめようよと。それがまさにそのときの体制だったんですよね。その体制が、1つには、僕が思うに、今、崩れてきてしまっている。世界金融危機以降、崩れてきてしまった。もう1つには、そもそものブレトン・ウッズ体制というものが、GATTとかIMF体制の中に安全保障に関しては例外を認めるよといった、例外規定がありますけれども、何も明文化されていない例外規定があるので、それをどんどん使ってきてしまった、というような反省点があるんじゃないかと思います。
そうしますと、今言うのはもしかして時期尚早かもしれませんが、でも、ブレトン・ウッズ体制自体も、会議自体も1944年に行われていますから、長いこと、ウクライナ情勢のようなことが続かないと考えれば、まさに今言うべきことでもあると思っていまして、今言っているんですけれども、世界金融危機以降、保護主義化がだんだんと高まってきた、これは西も東も両方とも高まってきたので、それを踏まえて、また今回のことを考えれば、ぜひ今年、来年ぐらいのテーマとして、何かその辺の新しい国際貿易、金融体制というのをしっかりと、どういうときに制裁を行うべきか、どういうときは使っちゃいけないか、というようなものをしっかりと明文化していくというような、そういうふうな再構築が必要じゃないかと思います。
これは私が勝手に言っていると思っているかもしれませんが、もう1つ、私も参考にしているものが1つありまして、ラグラム・ラジャン元IMF調査局長、今はシカゴ大学の教授ですけれども、プロジェクト・シンジケート、3月17日付で似たようなことも、思っていたことをおっしゃっていまして、私も全く同意でして、今ここで御紹介もしているところです。よろしくお願いいたします。以上です。
○清水分科会長大変重要な御指摘をありがとうございます。
時間の関係もございますので、まとめて質問を受けていきたいと思います。まずオンラインのほうで、根本委員、お願いいたします。
○根本委員今、植田委員のおっしゃった点にちょっと絡んで、2つ質問があります。私、今回の御提案には特に異論はございません。質問の1つは制裁の実効性というところですけれども、確かに欧州、米国、日本というのは、足並みはかなりそろっているんだと思うんですけれども、御説明にもありましたが新興国、中国を始め、中東を含む新興国ではかなり違う対応をとっていて、例えば貿易相手でも、ロシアの依存がかなり大きいとか、そのあたりをどう見ていらっしゃるのか。あるいは日本、あるいは今のG7の国として、何かさらに実効性を高める政策をお考えなんでしょうかということです。例えば、SWIFTも非常に強力な制裁だと思いますけれども、中国がイニシアチブをとるようなプラットフォームもありますし、別のプラットフォーム、むしろ決済が流れていくというようなことはないのかというのがちょっと懸念されます。
もう1つ、植田委員から未来志向というお話もあったんですけれども、政府の方針ではデジタル資産を対象にするということで、暗号資産とデジタル資産というのはほぼ同じなのか、カバーできていない領域などもあるのか、街の銀行、デジタル通貨とか、いろいろなトークンを使った証券とか、どんどんといろいろ新しいものができつつあると思うんですけれども、もしそのあたり、お考えがあれば伺いたいと思いました。
あとはコメントなんですけれども、昨年11月にもFATFの結果と政府の対応とか、ロードマップを伺いまして、今回、より重要性が高まっていると思いますので、金融機関の、あるいは暗号資産交換業者の顧客管理の強化とか、あるいは実質支配者の確認というんですか、その明確性とかもぜひ、より強化して進めていっていただきたいと思いますし、また、一般国民にも周知をお願いしたいと思います。以上でございます。
○清水分科会長根本委員、ありがとうございました。
続きまして、佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員まず最近のウクライナ情勢、ロシアに関すること、的確に御説明いただきましてありがとうございました。大変参考になりました。また、今回の外為法改正の提案についても、私は特に異論はございません。
私からは質問といいますか、コメントに近いところでございますが、先ほど御質問された2人の先生と重なるところもありますので、1つだけに絞ってお話ししたいと思いますけれども、私のコメントは制裁の実効性のところです。例えば6ページのスライドを見ていただくと分かるのですけれども、為替が今回大きく変化して、図によるとルーブル安に振れているんですけれども、その後また急速に戻っているというのがこの図から分かるわけですが、通常であれば、為替、1回ジャンプした後、高止まりしてなかなか戻らないところが戻っているのは、マーケットがそのように評価しているからであろうと。つまり、いろいろ制裁を課しているけれども、ほかのスライドにも書かれているとおり、ロシアへの天然資源の依存が非常に大きくて、結局ロシアは原油、天然ガスなどの輸出を続けていて、そこでキャッシュがちゃんと戻ってきていると。だから制裁の実効性というのが、実はあまり機能しきれていないのではないかなと、為替のデータがそれを映しているのではないかという気がしてなりません。ですので、先ほど根本先生も同じようなことをおっしゃっていたような気がするんですが、このあたり、実際にはどうなっているのか、そこが非常に気になるところです。株価につきましても、長期金利につきましても、このデータは3月ぐらいまでのデータじゃないかと思うのですが、直近、少し戻しているところがあるんですよね。これはどうなるのか、今後気になるところでありますが、今回の御報告を拝見して、そのような懸念といいますか、印象を持ちました。私からは以上です。
○清水分科会長ありがとうございました。
実は私もありまして、よろしいでしょうか。
私はこの経済制裁、金融制裁が日本企業に与える影響というのを懸念しております。御説明の中では、ロシアのエクスポージャーがすごい小さいというマクロのデータだけで御説明が終わっておりますけれども、個別の企業にとって、特にロシアと貿易をしていた企業にとっての影響というのは計り知れないものがあると思っております。これまで私たちが行ってきた日本企業の研究によりますと、輸入に関してはほぼドル建てなんですが、実はロシア向けの輸出のルーブル建てというのが割とシェアが高くなっています。したがって、このようなルーブルの急落、あるいは売掛金が回収できなかったとか、そういったことが個別で起きているのではないか。また、ロシアに投資をしていた企業が今後どうしようかといったことでも問題があるのではないかと思います。この点については経産省など他省庁との協力もあるかと思いますが、ぜひ相談窓口なり、対応ということを明確に打ち出していただくとよろしいのではないかと思います。
また、ルーブルの為替が戻った1つの大きな原因としては、ルーブル建てをロシアが要求してきたということで、これは、個人的にはすごい賢い政策であり、よくそこまで考えていたなと感心をした次第です。こちらに対して、欧米は反対といったことを打ち出してはいますが、しかし、建値の選択というのはあくまで企業レベルでのことであり、ロシアがルーブル建てを要求してきたときに、政府として受け入れないと言っても、もしロシア企業が値下げなどをして、ルーブル建てで払ってというようなことをしたときに、その企業の対応を阻止することはできないのではないかと。もしルーブル建てが輸入の面でも増えてきたときに、為替市場が混乱している、あるいはそこに金融制裁を与えることによって、日本企業がルーブルを調達できない、あるいは受け取ったルーブルを売れないということになると、これは二次的被害として、ミクロではありますが影響が出てくる可能性があります。これは先ほど植田委員がおっしゃっていた、短期的にはいいけれども、長期的な視点で考えたときに、そういう金融制裁がどのように影響してくるのかというところに関わってきていると思います。その点の、現時点で構いませんので、見解なり、教えていただけるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
1回すみません、まだ御質問いただいておりますが、ここで一旦御回答を得たいと思います。よろしくお願いいたします。
○陣田調査課長まず私のほうから回答できる範囲でお答えいたします。
植田委員よりいろいろ示唆に富む御指摘を頂き、ありがとうございました。長期的に見て、今後のことを考慮しなければならないというのはおっしゃるとおりでございます。ただ、足元、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、国際秩序の安定があってこその経済であり、我々としてはロシアの暴挙をまず早く止めさせるということが大事であるということで、国際社会、あるいは日本経済への影響を見極めながら、ロシアに対して最大のコストを課すという方針で、関係省庁と連携して、総理を含めたトップレベルの御判断を仰ぎながら進めているところです。
特に制裁の在り方について、アメリカのトランプ前政権において、まさに安全保障例外を使って制裁を多用していました。国連安保理決議に基づく制裁とは別に、有志国の制裁を、特に9・11以降、アメリカは多用しておりまして、日本も例えば、シリアなどに対して幾つか行っておりますけれども、特に今回は、まさに国連安保理常任理事国たるロシアが暴挙を犯したもので、安保理が機能することが全く期待できないということで、やはり有志連合でやるしかないと。アメリカもトランプ前政権のとき、二国間で一方的な制裁を行っていましたが、バイデン政権になりまして、制裁の使い方に関して見直しを行っております。特に一国だけの制裁は非常に効果が薄く、やはり国際協調が重要であるということで、今回アメリカは非常に国際連携を重視していまして、常日頃G7等で連携してきております。特にG7だけでなくて、例えばオーストラリア、それからスイス、韓国、シンガポール、こういう国々、新興国も含めて参加しておりまして、もちろん新興国もいろいろ影響を自ら受ける可能性もありますけれども、やはり国際秩序の根幹を揺るがしてはならないということで、対ロシア制裁について幅広い国際社会の支持があるものと思っております。
植田委員のご指摘があった中長期的な課題につきましては、すみませんが、現時点で明確な答えを持ち合わせておりませんけれども、引き続き検討していきたいと思います。
根本委員の御質問について、貿易依存の大きい新興国への影響でございますけれども、おっしゃるとおり、新興国の影響はまさにこれから出てきますので、しっかり緊張感を持って見ていきたいと思っております。デジタル資産について、G7首脳声明自体に定義は述べてございませんけれども、一般的にデジタル資産といいますと、例えば暗号資産、それからデジタル通貨などが入ります。日本の場合は、資金決済法の改正の中で、暗号資産に加えましてステーブルコインの定義を加えようとしていますけれども、このように暗号資産、ステーブルコイン、デジタル通貨等々ございます。現時点で日本の法制度上は暗号資産が資金決済法に書いてありますので、まずこれについてしっかり対応すると。ステーブルコインその他につきましては今後、速やかに対応していきたいと思っております。
3つ目に、一般国民への周知、FATFの対応について、根本委員より、非常に重要な御指摘がございました。現在、関係省庁におきまして、いろいろな事業者、それから一般国民に対する周知活動をしっかりやるようにということで進めております。例えば、財務省におきましても、ホームページをしっかりつくって、わかりやすい周知を行うとともに、関係省庁の取り組みを支援しながら、例えば事業者、それから幅広い国民の皆様に丁寧に重要性を説明し、例えば実質的支配者の情報についての確認や顧客管理などの取組みを強化していきたいと思っております。ありがとうございます。
それから、佐藤委員の御指摘、御質問について、おっしゃるとおり、為替のルーブル、一時期半値以下に落ちましたけれども、足元、戻ってきています。御指摘のとおり、ロシアは純輸出国で、しかも足元、原油高ですので、原油代金がどうしても外貨で入ってくるという状況がございます。しかもそれを通常ならばキャピタルフライトでそのままルーブルに換えずに海外に逃がす可能性があるところを、今回は、最低でも8割をルーブルに換えるということを強制しておりますので、その分、ルーブルが買われているという状況です。それから、貿易の制裁で実際に輸入が減っております。ロシアに対して各国が半導体等、それから今回も奢侈品、ぜいたく品に対して輸出の規制を行っておりますので、当然ロシアから見て輸入が減っていくということでございます。一方で闇レート、これは庶民の生活実感に近いと思いますけれども、闇レートでは倍の1ドル140ルーブルから200ルーブルで取引されていまして、実態と表の相場の違いがあるのではないかと言われています。
それから、清水会長からの御指摘でございます。二次的被害の可能性等ですけれども、例えば企業の中には、自動車産業とか海産業とか、影響を受ける可能性があるところがありますので、特に1つは輸入価格の高騰による影響、あるいは企業の資金繰りの影響が考えられますが、政府としましても、3月4日に原油価格高騰に対して緊急対策を取りまとめまして、例えば中小企業に対して資金繰りに支障が生じないよう、きめ細やかな支援を引き続き提供することを金融機関等にお願いしております。あるいは日本公庫等が低利融資を行うということで、政府としても万全の対応をとるようにしたいと思っております。いずれにしても、国民生活、企業への影響について注視して、しっかり対応していくのが政府の方針でございます。
○清水分科会長ありがとうございました。何か付け加えることはございますか。
○三村国際局長基本的なことは今、陣田のほうから申し上げましたけれども、いろいろと委員から大変示唆に富む、私も日々考えているような問題意識もいろいろ賜りましたので、答えというよりも、私自身が今この問題、どんなことを思いながら取り組んでおるかというところにも近いものがございますけれども、まず植田委員がおっしゃったところ、全くそのとおりで、日々我々も制裁措置を考えるときに、国会でもいつも私申し上げておるんですけれども、当たり前のことながら、ロシアに対する効果をできるだけ最大化して、一方で、日本、あるいは西側諸国に対する副次的な、副産物的なマイナスを最小化するということが当然理想なわけでありますし、それからロシアに対する効果を最大化するというときにも、まずは先生おっしゃったように、プーチンや、その取り巻きへの、あるいは政府に対する効果を最大化して、別に戦争を始めたわけではないロシアの一般の人民の皆さんへのマイナス効果は最小化するという、これがもちろん一番理想ということなわけですけれども、その中で何をどこまでやるかというところで、まさに先生からも御指摘いただいたように、比較的に個人・団体向けの資産凍結ですとか、あるいは今やっている輸出規制、わけても軍事関連の団体ですとか、軍事的に使える汎用品も含めての輸出禁止というのは、そういう意味では比較的、相対的にはクリアに意思決定をしやすいということですし、実は我々がやっています金融機関の制裁も、7つ、SWIFTから除外し、また我々も資産凍結をしているわけですけれども、もちろん規模の大きい銀行をとったというところもあるんですが、特に最初のうちにやったような銀行というのは、あるいは経営者がまさにいわゆるオリガルヒというプーチンの取り巻きであったりとか、あるいはいわゆる軍事産業に一番強い、基本的なロシアの国防産業、軍事産業の金庫番のような銀行であったり、あるいは文字どおりロシアの開発銀行ということで、ロシアのいろいろな、政府系の銀行としていろいろな開発を支えているとか、そういったところを選んでいるというような形で、それなりにいろいろなところでやってはおるんですが、どうしても難しくなってきますのは、そういったことと加えて、今の制裁、まさに先生もおっしゃったように、武器の支援とか日本はできない中で、一連の金融制裁、経済制裁というのが、経済面でロシアに打撃を与えることでお金の観点でロシアがこういう戦争を続ける能力を失わせしめる、あるいは弱らせしめるというところにも当然目的があるので、そうしたロシアの経済に影響を与えるということになってきますと、一般の人民の方を巻き込まないで済むかというと、だんだんそこはそうでもなくなってくるというところで、この辺をどこまで追求するべきなのか。また、一方では戦争によって、逆にウクライナの人民の方々がああいう状況になっているところもあるわけでございますので、それを考えたときにはどこまでやるべきかというところで、この辺もまさに、ここで線引きというようなきれいな回答なり、線引きができる話ではもちろんないわけでございますけれども、その辺も考えながら日々G7の人たち、あるいはその他のライク・マインデッドな国々と相談をしながらやっているというのが実態かというふうに思います。
平時においては、おっしゃるとおりで、変にデカップリングを続け過ぎるよりは、ある程度健全な相互扶助関係というか、依存関係があるほうがいいというのは全くそのとおりだと思いますけれども、一方で今日御説明申し上げたように、逆にロシアなんかはクリミア以降、この日に向けてドル依存度を、外準においても貿易決済においても下げて、当然資源とか食料については、基本的にもともと自給自足的な国であるということですので、相手がそういうふうに出てきている中で、まさに今、経済安保の議論でも自律性と不可欠性なんていう議論をしておりますけれども、この辺もまた、一般的にはそういう相互依存的なところが望ましい一方で、相手はまたそういうふうに出るかもしれませんし、またこういう事態になると、例えば天然ガスとか原油のところは、まさに相互依存の部分であるがゆえに難しいところもあるということで、この点もなかなか1つの答えがあるわけではないんですけれども、まさにその辺は我々としても悩みながら日々やっているという、そんな状況かというふうに思うところでございます。
それから、根本委員もおっしゃった日米欧で足並みはそろっているんだけれどもという部分、ここも非常に難しいところでありまして、むしろさっき陣田から申し上げたように、G7以外でも今回いろいろな国が制裁に加わったりというところももちろんないわけではありませんけれども、一方で、国連総会の決議を御覧いただくとまだまだ、非常に大きな国も含めて、棄権をしたりというようなことがあるのも事実でございます。今日も1つ1つ、まだいろいろな交渉の真っただ中というところもございますので、御紹介もできておりませんけれども、それこそ、例えばG20はどうするんだとか、IMFはどうするんだとか、当然この事態を受けてロシアのメンバーシップとか扱い、どうすればいいんだといういろいろな議論があるわけですけれども、これはまたそれぞれのフォーラムごとに当然ルールも違いますし、我々基本的に法の支配を守る側ですから、そのルールは当然守るのが前提にはなるわけですけれども、その中で必ずしもおっしゃるとおり、新興国も含めて全員がG7と完全に同じかというと、実態として必ずしもそうではないということの中で、さはさりながら、ビジネス・アズ・ユージュアルで続けるわけにもいかないということの中で、我々としてそういった国々とどこまで、我々の考え方に賛同してもらえるか、これは文字どおり、それぞれの場所でそれぞれのルールも見ながら、またそれぞれの国の事情も見ながら、いろいろなところでいろいろな交渉をしておるというのがまさに実態であろうかなというふうに思っておるところでございます。
足元のロシアのルーブルの話は、先ほど陣田から申し上げたようなところかなというふうに思います。8割をルーブルに換えろという強制に加えまして、今は個人の方なんかは、例えば外貨預金が引き出せないとか、外貨とルーブルの交換が少ないと、ルーブルを持ち込んで外貨を受け取るほうの交換はできないとか、こういったいろいろな規制もかかっておりますので、であるがゆえに、闇市場なるものが成り立つわけですけれども、実際の取引を見ましても、侵攻の直前と今の足元と比べますと、日々のルーブルの取引量自体はやはり数分の1というレベルに減っているのもこれまた事実ですので、かなりそういう意味ではロシア側もいろいろな対応措置、対抗措置も講じている中での現状の動きということでありますから、当然もちろん何が1つこの原因というのは、為替の話ですので、なかなか言いにくいわけですけれども、そういういろいろな規制、制約もある中でのこの状況ということで、その辺も含めてどう判断をするかということだろうと思います。
最後に、会長のおっしゃった日本企業への影響、これも非常に悩ましいところでございまして、おっしゃるとおり、マクロと別にミクロという意味でいくと、いろいろなお話がございまして、例えばロシア側の対抗措置で外国企業が撤収したら、その資産を接収するんだなんていうような話もありますけれども、我々も実際、現にその中で個別具体的に、どことは申しませんけれども、やはり相当悩んでおられる方、それは日本人の幹部の方がロシアから撤収していいのかというようなことも含めて、非常に悩んでおられるような企業は現に聞いてございますし、それ以外にも向こうに進出しているだけではなくて、例えば漁業の関係とか、ミクロで見るといろいろとロシアとの関係で影響を考えなければいけない部分というのはまさにございまして、このあたりはそれぞれ、経産省であったり、農水省であったりするわけですけれども、いろいろな所管の省庁とも話もしながら、その影響も考えながらというところでございます。もちろんマクロ的な意味でのエネルギーの高騰についての対策というふうなことは、御承知のように先般の、先週の総理の指示も受けて、これこれやっていくというようなことはもちろん別途あるわけですが、おっしゃるようなミクロ、ミクロで個別の産業、企業ごとにいろいろな影響というのもこれまたございますので、この辺もまさに、いかにそれを最小化しながら、ロシアへの効果はということに尽きるんですが、残念ながらそれを完全にゼロにはできないというのもこれまた、そこは申し上げないと逆にうそになりますので、その辺の一定の国内向けのマイナス効果がどうしても出てしまうということとの兼ね合いの中で、さはさりながら、どれぐらい制裁を続けていくか、あるいはさらにやっていくかということで、なかなか答えが、明確に線引きができるわけではないのですけれども、さはさりながら、我々としても今の足元の状況の中で、単に法の支配ですとか、力による現状の変更はいかんという、そういう理念ももちろんなんですけれども、当然これは対岸の火事ではありませんで、常に我々もこの地域において、必ずしも国連憲章の考え方に沿った動きをしない脅威というものをこの地域においても考えながらということで、そういう意味では、ややきつい言い方かもしれませんが、まさに明日は我が身かもしれないというぐらいの意識を持って、ここはきっちりと対応しなければ、逆にこの地域で何かあったときに欧米を始め、ほかの国々もそのときに、今の日本の対応の仕方をきっと見ながらそのときの対応が決まってくるだろうということも思いながらやっておると、こんな状況でございます。
なかなか答えはありませんで、感想めいた話で恐縮ですけれども、文字どおり感想を申し述べさせていただきました。ありがとうございます。
○清水分科会長どうもありがとうございました。
それでは、引き続きオンラインでの質問ということで、伊藤亜聖委員、お願いいたします。
○伊藤(亜)委員伊藤亜聖です。今、三村局長にお答えいただいた部分に尽きるかもしれませんが、あえて1点、中国、インドの点について論点とさせていただきたいと思います。3月19日の米中首脳オンライン会談で、中国が仮に対露支援を経済的、あるいは軍事的にした場合に、何らかの措置をとるということが報道されておりました。対中二次制裁を米国がとり得るわけです。このときに、中国は国際経済への統合度が圧倒的に高く、経済規模も大きいですし、なおかつ日本企業も過去40年にわたり多数の企業が中国に進出していることに鑑みると、その影響は今日お示しいただいたロシア経済の比ではないということは事実だと思います。3月19日の米中首脳会談の後の中国側の反応及びレポート等を見ても、決して中国政府は対露支援に正面から言及はしていないというのが事実だと思います。それから、外交方針としても「中立」を目指しているようです。ただ、依然として中国が対露で物的、あるいは金融的、経済的、あるいは軍事的に支援をするという可能性は常にあるということを考えたときに、日本経済、日本企業に対して、今どういうシグナルを出しておくべきなのか考えなきゃいけない状況になっているのではないかと考えます。先ほど植田先生が、国際経済秩序の中に願わくばあらゆるプレーヤーが入っていくべきだということを考えたときに、中国はやはり重要なプレーヤーであるわけです。しかし中国の対ロ支援の可能性も考慮せざるを得ない。そのことも踏まえた上でどういうシグナルを今発するべきなのかということは議論させていただきたいと思っています。
これはインドも関わってくる論点であります。より広く言うと、G20のような場、とりわけ新興国を含む国際経済秩序のフレームワークで、日本は対新興国に対してどのような、こういった為替、金融、投資、貿易の関係で方針をつくっていくのかということが今後喫緊の課題になったのではないかと思っております。
以上です。
○清水分科会長伊藤委員、ありがとうございました。
続いて大野委員、お願いいたします。
○大野委員私からのコメントは、質問というよりは感想めいたことですが、清水会長のお話しと少し関連するかと思います。今回の経済制裁の影響は、ロシアだけではなく、日本等、金融制裁を科す側にも及ぶとともに、経済だけでもなく、金融市場においても同様のことが起こると思います。日本におけるロシアの資産の占有率は高くはなく、現時点では混乱の影響は軽微にとどまっているかと思います。ただ、国によってはロシア向けに多額の投融資が行われており、日本はそれらの国々に直接あるいは間接的に投融資をしておりますので、仮にロシアがデフォルト状況に陥った場合には、その影響は、連鎖的、増幅的に拡大する可能性もあると危惧しております。また、昨今、金融市場が複雑化している状況も踏まえますと、影響の出方がわかりにくくなっている側面もあると思います。今後、どう対処したらいいのか、非常に難しい問題ではあると思いますけれども、そういった状況についても懸念をしております。
感想めいたコメントで恐縮ですけれども、私からは以上とさせていただきます。
○清水分科会長ありがとうございました。
続きまして渡井委員、お願いします。
○渡井委員慶應義塾の渡井でございます。このたびの改正の御提案に賛成でございます。
1点、簡単なお伺いをしたいと存じます。許可なく制裁対象者に暗号資産を移転すれば、暗号資産の交換業者は重い罰則の対象となり得ますので、この点が少し気になっております。暗号資産の移転先が制裁対象者でないかどうかの把握が十分にできるのかどうかが問題になるかと思いますけれども、もしこれが難しければ、罰則との関係で見れば暗号資産交換業者の負担となりますし、もう一方で、制裁の抜け穴という点で見れば、塞ぐことのできない穴が残ってしまうことになるのではないかと思います。既に3月14日に、この改正の内容について、暗号資産の交換業者に要請をお出しになっていらっしゃるということですけれども、何か法をこれから適用する上で、運用していく上で、課題になる点があれば御教示いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
○清水分科会長ありがとうございました。
それでは、この場での御質問ということで、玉木委員、よろしくお願いいたします。
○玉木委員3つほど、自分で考えろと言われそうな質問なんですけれども、1つは今回の制裁でしみじみと思うのは、一体、外貨準備は何のためにあるか。日本だと、ドル買い介入をした結果が積み上がっているだけでしょう、そのうち反対の介入があるかもしれないからというような、そういう議論かもしれませんけれども、本来的にはこれは対外支払の安全保障として機能しなければいけないのをみんなで否定してしまったわけですね。そうすると、人々は何を考えるかというと、こんなことをするような国の資産を持ってもしようがないなと。1つは、だから例えば中国のような国が大量のドル建ての外貨資産を持っているのを考え直し始めるんじゃないか。あるいはもう1つ、ロシアは産金国ではありますけれども、結局、封じ込められない実物資産として手元にある金というのは非常に重要になってくるわけですが、1970年代以来、全て金廃貨の方向、G7は金の新規購入はしないという、そういう申合せをしていますが、金についてどう考えたらいいのかといったようなことも論点になってくると思います。
2点目は、実は先週、アルゼンチンがEFF交渉をうまくやりおおせて、とりあえず目先に迫ったスタンドバイの支払を先延ばしできたと。これによってIMFのアルゼンチン向けエクスポージャーは一般資金勘定(GRA)からの融資全体の35%、その次に来る国を見ていると、みんな今回関係あって、エジプトとかウクライナ自身とか、そして直接ではないけれども、今日ニュースに流れていた政情不安のパキスタンとか、この4カ国だけでIMF(GRA)の総資産、それも随分膨らんだ貸付の3分の2近くまで来て、一体ウクライナはラピッド・ファイナンス・イニシアティブの借入れをいつ返せるんでしょうか。こうしたものを積み上げていくと、IMFの財務は相当危機的だと思わざるを得ませんが、それについて何か感想はありますでしょうか。
3つ目に、17ページの今回の法改正の表を見ていて、素人でよく分からないんですが、現行法は制裁対象者への暗号資産の移転が規制対象となっているけど、暗号資産交換業者には制裁対象者にかかる移転でないことを事前に確認する義務はないと。そうすると、暗号資産交換業者はとにかく送る、だけど規制対象なんだと。何で銀行と同じように事前確認義務を課さなかったかには、それなりの理由がありますよね。それを今回どうして改めることにしたのかがよく分からない。前の法律が抜けていたわけではないので、事の軽重がということで、銀行と同じように暗号資産交換業者を位置づけることにしたんだと。では、前の仕組みというのは、要は自ら認めるざる法だったのか、その辺はどう理解したらいいのか、3つ目です。
○清水分科会長どうもありがとうございました。
それでは、経済産業省から風木貿易管理部長から一言ということで、よろしくお願いいたします。
○風木貿易管理部長経済産業省の貿易管理部長をしています風木でございます。
清水分科会長から制裁の日本企業への影響や相談窓口についてご質問がありました。
経済産業省としては、日米欧で連携してロシアに対してハイテク・リスト品、軍事能力の強化に資する汎用品、軍事団体向け輸出禁止措置等をとっておりますが、これはベラルーシも含みますが、これらの制裁の効果を最大限にするため、バックフィルの防止やアウトリーチ含め日米欧で連携しております。これに対して日本の企業への影響については、ビジネス環境の悪化、ロシアの報復や対抗措置など影響が生じることが想定されているところです。具体的な影響について引き続き注視していきます。同時に事業者への影響を最小限にとどめるため、JETRO、NEXI(日本貿易保険)や中小企業関係の政府系金融機関などに相談窓口を設けて、影響を受ける事業者に寄り添った対応を行っております。これは政府全体の対応でもあります。今後も制裁関係については、日米欧で連携をとりながら進めて行く方向です。
○清水分科会長どうもありがとうございました。
それでは、委員から頂戴しました御質問につき、事務局より回答をお願いいたします。
○陣田調査課長伊藤委員から中国、あるいはインドを念頭に置いた御発言がございました。まず中国と日本との関係、ロシア以上に非常に相互依存、あるいは経済関係がございます。そういう意味では当然、今はロシアに対して経済制裁していますが、アメリカは例えば中国に対して、対ロシア制裁の迂回をした場合には二次制裁もあり得るぞということを暗にバイデン大統領が伝えており、当然、中国もあからさまにロシアを支援することは今はやっていないと認識しております。今後、中国の動き、あるいはインドの動き等々注視しながら、基本的には外交的な働きかけを通じてロシアに対して一致した対応を求めていくということかと思っております。
それから、将来的な中国・インドを含めた国際的経済秩序でございますが、非常に重要な視点で、当然G20でいろいろな論点について議論しておりますけれども、特に中国・インド、同じアジアの国でございますので、例えばASEAN+3、あるいは東アジア首脳会議等々を通じまして、経済面でいろいろな協力を進めております。こういう協力関係を通じて、健全な相互依存関係を進めていくというのが重要かと考えています。
大野委員の御意見で、特にロシアがデフォルトとなった場合の影響ですが、まずロシアがデフォルトするのかどうかというのはよく報道等されております。現時点ではロシアはドル建ての国債を含め、きちんと返しているということで、デフォルトになっておりませんが、今後、4月も大きな返済等ございますので、よく注視をしていきたいと思います。我々、申し上げましたとおり、邦銀に関しましてはロシアに対するエクスポージャーは小さいと見ておりますけれども、例えばヨーロッパの銀行、関係の深いフランスとか、オーストリアとか、イタリアとか、こういうところの銀行がどれだけエクスポージャーを持っているかとか、二次的な影響があるかとか、当然見ていく必要もございます。我々としてもしっかり影響について注視してまいりたいと思います。
渡井委員の御質問で、暗号資産交換業者を通じた規制について、暗号資産交換業者は暗号資産の移転先がどこかというのはよく分かっていないのではないかという御指摘もございます。先ほど申し上げましたとおり、既に暗号資産交換業者に対しましては要請を行っておりまして、現状でも暗号資産交換業者は顧客に規制対象者がいないかどうかの確認を行っております。これは犯罪収益移転防止法のマネロン規制においても取引時確認を行い、顧客管理をするということで、規制対象者がいれば、当然支払を行わないよう現状でもしっかりチェックをすると。それから、これから法律が改正されれば、暗号資産の移転の依頼があった際に、顧客に規制対象者がいた場合には、当然、規制対象者である顧客からの移転を行わないという対応が可能です。いずれにしましても、暗号資産交換業者の実務を踏まえて、どこまでできるかということをよく議論していきたいと思っております。
玉木委員の御質問の1点目、2点目はどなたか幹部からお答えいただければと思いますけれども、3点目の御質問で、外為法の改正内容で特に分かりづらかったというところについて、改めて御説明を差し上げます。まず、支払規制というものが暗号資産にもかかっておりまして、制裁対象者に対する暗号資産による支払はいずれにしても規制されている状況でございます。一方で、暗号資産交換業者が規制対象者の口座を持っているというときに、この口座から第三者の口座に対して暗号資産を移転する取引について、現在、資本取引規制の対象となっていないというものです。外為法は、委員も御存じかもしれませんけれども、1998年に大改正をしたときに今の枠組みができ上がっておりまして、そのときに暗号資産はなかったということがございます。それから、支払規制というのは広い概念でございますけれども、資本取引規制は、銀行の預金とか、事細かに規制できる取引が法律に書かれておりまして、この中に暗号資産交換業者の移転というのはございませんでした。このように取引ごとに資本取引規制をしている関係で、20年前にそういう取引がなかったというのが1つございます。もう1つは、暗号資産取引が近年急拡大しておりまして、それが例えば通貨と同じように使われる、あるいは非常に膨大な資金量が扱われるということで、やはり国際収支の観点を考えても、しっかり規制しなければいけないということで、規制ニーズが高まったという認識をしております。したがいまして、そういう環境の変化を踏まえて今回法改正が必要となったというものです。
○土谷国際局次長IMFを所管しております国際局次長の土谷でございます。玉木委員からのIMF関係の状況について、御質問ございますので、簡単にお答え申し上げたいと思います。
玉木委員から指摘がございましたとおり、アルゼンチンへの対応というのはIMFにとってなかなか、今後も背負っていかなくてはならない大変難しい課題になってございます。貸付けの規模の大きさ、さらに言えば当初の貸付けがスタンドバイということで比較的短期であったということ、これがなかなかIMFの行動を難しくしているわけでございます。IMFは性格上、もともとは短期的な返済期限で、その間に経済を立て直して、その資金を返していただくと。まさに欧州の債務危機のような事例は、それが欧州という国々ですから、一時的に危機に陥ったとしても全体として回復力がございますので、貸付額としては大きくなったけれども、それを返済することができたと。残念ながらアルゼンチンは、いろいろ政権、政治力の難しさもございまして、当初踏み込んだものの、なかなか返済が一様にいかないということで、もともとIMFの業務との性格の兼ね合いも考えると、かなり困難な状況になっているということでございます。当座の対応としましては、玉木委員から指摘がございましたとおり、なるべくこれ以上の借入額の拡大は行わない、一方で、デフォルトはかなり世界経済に及ぼす影響もございますので、それは避けようということで、IMFとしましてもアルゼンチン当局と必死の交渉をいたしまして、ギリギリ、今現状できることとしてのプログラムを認めて、いわば借換えを行ったというのが率直な状況ではないかと思ってございます。したがいまして、そこにさらにロシア、ウクライナの状況が重なってきておりますので、一旦3月末でそういう形でしのぎましたけれども、今後どういう形でプログラムの継続性、これには当然アルゼンチンがさらに改革努力を行っていただく必要がございますので、これを確保していくのかというのは引き続き、かなり難題だと思ってございます。
IMF全体の状況を踏まえますと、今まではそういう形で、アルゼンチンが最大の悩みどころであったわけでございますけれども、一旦これで少し時間は稼げるのかなというふうに思っていたところ、まさにロシア、ウクライナということで、これがどういう形で波及していくのか分かりませんけれども、特に御指摘のありましたエジプト、あのあたり、食料危機のような話も出てまいりますので、既に新興国、途上国、コロナ危機で財務が少し傷んでいるところもございますので、この中でさらにまた経済的に厳しい状況になってくると、まさにギリギリ、IMFの資金の性格で、返済の確実性も確保しつつ、短期的にそれを解決する前提で支援していくと。そういう中でIMFが果たせる役割と、一方で、これらの国が直面してくる難しさ、このバランスをIMFの財務の資金基盤の範囲内でまた解決していかなくてはいけないということで、これも今後の情勢がどうなるかにもよりますけれども、なかなか担当して悩ましい課題だなというふうに思ってございます。
以上です。
○三村国際局長すみません、お時間もないところでございますが、いろいろな委員からまた貴重な御意見をいただきましたので、一通り思うところを申し上げさせていただきます。
最初に伊藤委員から、中国、インドのお話がございました。もちろん恐らく中国だろうと、そのほかの国であろうと、自発的にこの制裁に乗ってこない国にある程度この制裁に乗っかってもらう一番強力な手腕は、言うまでもなくアメリカの二次制裁ということに尽きるわけですけれども、一方で二次制裁はある種、強力ではありますけれども、これもまた乱用し過ぎますと、それはそれで弊害もあるということでありますから、すぐにアメリカが一気に二次制裁ということにはならないのかなとも思いますけれども、ただ、我々も恐らく中国、あるいは場合によってはインドも含めてかもしれませんが、特に中国、彼らが外向けに、例えば米中ですとか、あるいは中露の文脈の中で言っておりますことと、実態とが、本当に100%一緒なのかどうか、そこは注意して見る必要があるかなと思っておりまして、すなわち例えば中露の文脈なんかでいろいろと、この前もたしか中露の外相会談で国連憲章を2人して守っていくんだみたいなことを言っていたときに、私も正直、個人的にはのけぞりましたけれども、そういう外向けのナラティブと、実際に例えば中国の金融機関がアメリカの制裁対象としてSDNリストに載っているようなところと、何事もなく、いまだにどんどん付き合いを続けるのかというようなところ、このあたりは実態と彼らが外向けに言っていることと、そこに乖離があるのかないのか、そこはやはりよく見ていかなければいけないところかなというふうに我々としても思っているところでございます。
大野委員のおっしゃった金融市場を介しての影響、これはおっしゃるとおりでございまして、当然ダイレクトのエクスポージャーが小さいから安心だという単純な話ではございませんで、これは常に過去の金融危機は思わぬところにリスクの経路があって、そこから思わぬ形でというものを我々は繰り返してきておりますので、そこを見ていかなければいけないのは当然でありまして、これはIMFであろうとFSBであろうと、いろいろなところでそういった議論が既に始まっておりますけれども、今のところ私の知る限り、ここが非常に怖いとか危ないというような話は具体的に挙がってはいないかなというふうに思いますが、まさしくこれは今、絶えず分析をしながら、また状況も刻々と変わっていますので、ロシア、ウクライナのみならず、周辺国も含めて引き続き各国の当局がいろいろなフォーラムで絶えず見ていくというところになるのかなというふうに思います。
渡井委員がおっしゃった移転先の話、先ほど陣田からも少し申し上げましたが、少し補足的に申し上げると、1つは例えばアドレスなんかおっしゃるように、単にアルファベットや数字が羅列してあるだけで、どこの国の誰か全然分からないアドレスに送るわけですので、制裁対象者も何も分からないではないかというのが一般論としてはそうなんですが、例えばアメリカとか幾つかの当局は既に制裁対象になっている人が使っているアドレスみたいな情報が把握できた場合には、そのアドレス自体のブラックリストというのも公表しておりますので、実際、日本の業者さんの中でも既にそういうブラックリストに載っているようなアドレスはちゃんと自社でも管理をされて、そういうアドレスへの、例えば暗号資産の移転なんかは行わないようにするといったことは既に取り組んでいただいている方もいらっしゃいますので、そういったことは今後より一層やっていただくということはあるのだろうと思います。
あと、一番強力なのは、トラベルルールというやつでございまして、まさに銀行でSWIFTを介してやっているような、送金人と送金先、送り手と受け手の両方、顧客情報を送り側の業者と受け手側の業者で共有しようと、こういうルールでございまして、実はFATFにおいて既にこれをやっていこうということになっております。これは当然SWIFTのような一種のシステムがないと、これをやりましょうと言ってもクロスボーダーにできないわけでございますが、これがようやくシステム的にはできてまいりましたので、日本でも一部、この4月1日から、これは自主的にそういうシステムの導入を始めているような業者さんもいらっしゃいますので、もちろんこれは日本だけでやっても駄目で、ほかの国も一緒にやってもらわないとクロスボーダーな対応はできないわけですが、世界的なFATFのルールを受けてトラベルルール、あるいはそれの実行のためのシステムを入れるという動きが今急速に出てきておりますので、我々としてもこの確認義務を課すことを契機として、一層こういったシステムの導入も加速をしていただくということができてきますれば、相当程度これは確認義務の上では進捗にはなるかなと。もちろん、正直申し上げて、どこまで行っても業者を介さない、相対で、P2Pでやっちゃうものは止めようがないだろうというのも、正直申し上げてそこは残るわけですが、少なくとも業者を介するものについてはこのトラベルルールのシステムが出てくると相当変わってくるだろうというふうに思うところでございます。
玉木委員のお話、1点目の外準が何のためにあるんだという話になるというのは、なかなか厳しい御指摘で、おっしゃるとおりのところがございます。まさにこういうことをやることで、ドルとかユーロとか、あるいは円も含めて、こういった国々の通貨で外準を持っていると危ないから、ほかの金とか人民元で持とうという、まさにクリミア以降、ロシアがやってきたようなことを一方で助長してしまわないのかということは当然考えないといけないんだろうと思いますが、他方において、今回我々がいろいろ講じております金融制裁の中で、巷間、恐らく一番強烈だったと評価されているのはSWIFT以上に、中銀の制裁かもしれません。ここは劇薬であるがゆえに、副次的な効果もあるんですが、そのバランスの中でどう考えるかというところで、我々としてはとりあえず今回G7と足並みをそろえてこれをやろうということでやったわけでございますけれども、ここはおっしゃるような副次的な効果は当然考えながらというのは御指摘のとおりだろうと思います。それから我々がやっておりますのは、資産凍結と言いましても、外為法では許可制でありますから、実態としては本当にもろもろの事情を考えたときに、これはさすがに認めないとおかしいよねというようなものは個別具体的に許可する余地が制度的にはないわけではないというところも念頭に置きながらの資産凍結ということでございます。
それから、ゴールドについては御指摘のように、かつてはG7の中で外準はむしろ、金はあまり持たずにむしろ売っていこうという流れがあったのは御指摘のとおりかと思いますが、その後、少しG7の中でも、あるいは国際的にも流れは変わりまして、今少なくとも金を積極的に売れという形にはなっておりませんで、むしろ、まさにロシアなんかもそうだったわけですが、西側も含めまして、安全性とかインフレに強いという意味でのそれなりの外準としての性質も改めて少し見直されているのがその後の足元の雰囲気かなというふうに我々としては持っておりまして、日本も、ちょうど一昨年ぐらいに報道されましたが、一昨年の12月ですけれども、ちょうど理財局のほうで管理しております貨幣回収準備資金のほうで一連の、天皇陛下の御在位30周年ですとか、一連の記念貨幣の発行が一段落ついた中で、この貨幣回収準備資金にかなり金が積み上がっておるというようなことで、そういう事情がある中で、私ども外準のほうで金を引き取らせていただいて、そういう意味で久しぶりに外準において金を購入するというようなことも一昨年、補正予算の中でやったりもしてございますので、足元、日本としてもひたすら金は外準で持たないというよりは、少し変わってはきておりますけれども、ただ、それはさておきまして、いずれにしても外準と制裁というところは副次的な効果も含めて引き続き考えていくところだろうというふうに思ってございます。
玉木委員の2点目のIMFのところは、先ほど土谷次長のほうからお答えしましたけれども、3点目の今まで何で確認義務がかかっていなかったのというところ、技術的には先ほど陣田から御説明申し上げたとおりで、支払というのは何で支払おうが、実物資産で支払おうが外為法上の支払には当たるので、正直申し上げて、我々が意図的に暗号資産を支払の概念に入れていたというよりは、結果的に支払の中で暗号資産も現状読めるというのが実態で、他方、資本取引規制なんかには入っておりませんでしたし、そして確認義務はかけていなかったという中で、何で確認義務を今までかけていなかったんだというところ、これは先ほど申し上げたトラベルルールの話とも絡むんですが、もともとFATF上の暗号資産業者には銀行と同じようなこういう確認義務というのは全然かかっておりませんで、これは暗号資産業者にも銀行と同じようなルールをかけようとFATFで決まりましたのが2018年10月でございます。その大きな方向が決まった上で、ガイダンス等々が2019年の6月ごろに一応固まって、今まで何をやっていたんだというところなんですが、それが実は先ほどのトラベルルールのところでございまして、各国いろいろな立場があったんですが、正直申し上げて、例えばアメリカなんかはトラベルルールのシステムができる前からFATFでこういうルールができたんだからということで、早速それを国内法化しているような国もあったんですが、我々はいろいろ国内、金融庁も含めて、あるいは業界等も含めて相談をしている中で、FATF上ルールになったとはいえ、トラベルルールが、システムも全くできていないときに確認義務だけ課しても、なかなか実行する方法がないじゃないかと。実行する方法がないのに外為法上に義務だけ先行して先走ってかけるのはいかがなものかということもございまして、その時点ではすぐに外為法の改正はしなかったということなんですが、先ほど申し上げたように、一応そのシステムがその後できまして、それで一部の業者は自主的にではありますが、この4月から入れるというような状況になっている中で、もともと我々、昨年の秋にも御紹介しましたFATF対日審査での指摘に対応する法案の中でこれをやろうと思っておったんですが、足元、そういう形でトラベルルール、自発的にとはいえ、一部の業者さんが始めておりますし、さっき申し上げたような、例えばブラックリストアドレスをちゃんと見るというようなことは足元、既にやっておられる業者さんもいるということで、それであれば足元、この制裁の抜け穴塞ぎという要請もある中で、確認義務については急いでやろうということで今回やらせていただくことになったというのが実態的な経緯かというふうに思ってございます。ただ、FATF関連、ほかにも外為法でもやるべきことは、態勢整備義務等々ございますので、そういったことにつきましては、ほかのマネロン対策関係の法案ともども、FATFの法案の中で引き続き、これは今年の秋以降やっていく必要があるかなというふうに思っているところでございます。
長くなりましたが、以上でございます。
○清水分科会長どうもありがとうございました。
まだ御質問、御意見などあろうかと思いますが、時間も延長しておりますので、これで本日の議事を終了させていただきます。委員の皆様におかれましては貴重な御意見の数々、そして返答も非常に具体的かつ非常に情報に富んでおりまして、今日は有意義な意見交換ができたと思います。ありがとうございました。
なお、今回の議事録の作成は私に一任いただければと存じます。その際、発言部分を事前に御覧になりたい委員の方におかれましては、会合終了後にその旨を事務局に御連絡いただくということにいたしまして、御連絡いただきました委員の方には議事録を案の段階で事務局より送付したいと考えております。その後1週間程度の間に御意見がない場合には御了解いただいたものとさせていただきます。
次回の分科会につきましては、事務局と相談の上、御連絡させていただきます。
本日は、長時間にわたりまして御出席賜り、本当にありがとうございました。
午前11時42分閉会