このページの本文へ移動

「所得税法等の一部を改正する法律案」について

 

 

平成31年2月

財務省

消費税率の引上げに際し、需要変動の平準化等の観点から、住宅と自動車に対する税制上の支援策等を講ずるとともに、デフレ脱却と経済再生を確実なものとするため、研究開発税制の見直し等を行う。あわせて、国際的な租税回避により効果的に対応するための国際課税制度の見直し、経済取引の多様化等を踏まえた納税環境の整備等を行う。

1.法律案の概要

個人所得課税

  • 住宅ローン控除の拡充
    • 消費税率10%が適用される住宅取得等について、控除期間を3年延長(現行10年→13年)
    • 11年目以降の3年間について、消費税率2%引上げ分の負担に着目した控除額の上限を設定
    • 平成31年10月1日から平成32年12月31日までの間に居住の用に供した場合に適用

法人課税

  • 研究開発税制の見直し
    • オープンイノベーション型(特別試験研究費に係る税額控除制度)について、対象の追加及び控除税額の上限の引上げ(5%→10%)
    • 総額型(試験研究費の総額に係る税額控除制度)について、税額控除率の見直し及び研究開発を行う一定のベンチャー企業の控除税額の上限の引上げ(25%→40%)
    • 高い水準の研究開発投資を行っている企業について、総額型の税額控除率の割増し及び高水準型(平均売上金額の10%を超える試験研究費に係る税額控除制度)の廃止
  • 中小企業者等の法人税の軽減税率の特例及び中小企業向け投資促進税制の延長等
  • 事業継続力強化計画(仮称)に基づく防災・減災設備への投資に係る特別償却制度の創設

資産課税

  • 個人事業者の事業承継税制の創設
    • 事業用の土地、建物、機械等について、適用対象部分の課税価格の100%に対応する相続税・贈与税額の納税猶予
    • 制度の適正性を確保するため、法人の事業承継税制に準じた事業継続要件等の設定
    • 10年間の時限措置(現行の事業用小規模宅地特例との選択適用)
  • 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置の見直し
    • 教育資金の一括贈与非課税措置について、受贈者の所得要件設定等を行う一方、30歳以上の就学継続には一定の配慮を行い、適用期限を2年延長
    • 結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置について、受贈者の所得要件設定を行い、適用期限を2年延長

消費課税

  • 車体課税の見直し
    • 自動車重量税のエコカー減税について、1回目車検時の軽減割合等の見直し及び2回目車検時の免税対象の重点化(電気自動車等や極めて燃費水準が高いハイブリッド車)
    • 自動車税(地方税)の引下げの財源としての揮発油税及び地方揮発油税の税率の変更

国際課税

  • 過大支払利子税制について、対象となる支払利子の範囲の見直し及び損金算入限度額の引下げ(調整所得金額の50%→20%)
  • 移転価格税制について、評価困難な無形資産の取引に係る価格調整措置の導入

納税環境整備

  • 金地金等の密輸に対応するための消費税における仕入税額控除制度の見直し
  • 事業者等に対する任意の照会について税法上明確化するとともに、高額・悪質な無申告者等を特定するため特に必要な場合に限り、必要最小限の情報を事業者等に照会する仕組みを整備

期限切れ租税特別措置の延長

  • 土地の売買による所有権移転登記等に係る登録免許税の軽減措置の延長(2年)
  • 旅行者等が入国の際に携帯等して輸入する紙巻たばこに係るたばこ税の税率の特例措置の延長(1年)

2.施行日

平成31年4月1日